JPH08146137A - 差分画像処理を用いた放射線透視法 - Google Patents
差分画像処理を用いた放射線透視法Info
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Abstract
検出性能を有し、かつ電子撮影法の高速性を有する新し
い検査方法を提供する。 【構成】検査物体の欠陥を放射線の透過により検出する
方法であって、(1)放射線源から発生した放射線を検
査物体に照射し、透過によって生じた放射線像を放射線
像検出器により検出する工程、(2)前記検査物体及び
/又は前記放射線像検出器を移動させて、放射線源から
発生した放射線を検査物体に照射し、透過によって生じ
た放射線像を放射線像検出器により検出する工程、とを
含み、(1)の工程で得た画像信号を時間積分処理して
得た積分像から、(2)の工程で得た画像信号を逐次差
分するか又は時間積分処理して得た積分像を差分するこ
とにより、欠陥像を検出する。
Description
用部品の透過像により物体を非破壊検査的に高速かつ高
検出性能で検査する方法に関するものである。
来より、放射線透過による非破壊検査が行われており、
放射線透過検査像は、乳剤フィルム法や、蛍光増倍管、
その他の電子撮影方式などにおいて、時間的に放射線情
報を積分する方法で得られている。乳剤フィルム法は、
放射線の乳剤感光性を利用し、比較的長時間をかけて像
情報を取得し、その時間積分作用により低雑音像をフィ
ルム中に得ている。電子式撮影方式では、画像処理装置
・画像計算機を用いて像電子信号を電子メモリー・電子
回路を用いて信号処理し、時間的に放射線像信号を積分
し、時間依存の不規則雑音を除去し、低雑音像を得てい
る。
素材として有用であるが、数十μmのオーダーの微細な
欠陥を含み、セラミックスの特性に大きな影響を及ぼす
場合がある。したがって、非破壊検査による欠陥検出に
よる品質保証は、特に重要である。また、かかる欠陥検
出の対象となる欠陥の寸法は、従来の金属材料に比し、
1〜2桁小さく、高感度な非破壊検査が求められてい
る。
の乳剤フィルム法は、一般に解像度に優れ、欠陥検出性
能が高いが、感度が低く、放射線像を得るための撮影時
間に長時間を必要としている。さらに、湿式法の場合に
は、現像処理などの化学的処理操作にも時間が必要とさ
れる。また、蛍光増倍管に代表される電子撮影方式は、
高速ではあり、画像処理が容易であるが、空間解像度、
コントラスト解像度が低く、欠陥検出能力が劣ってい
る。そのため、微細欠陥検出を目的とした検査には電子
撮影方式を用いることはできなかった。したがって、も
っぱら高コストで検査時間を要する乳剤フィルム法に頼
らざるを得なかった。また、特にセラミックスの微細欠
陥の検出には、長時間と熟練を要していた。
あるいはそれ以上の欠陥検出性能を有し、かつ電子撮影
法の高速性を有する新しい検査方法を提供することを目
的とする。本発明は、さらに、信頼性の高い検査方法を
提供することを目的とする。
課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、放射線
による透過像を高速観察が可能な電子撮影方式において
出力させ、得られた画像信号を差分画像処理することに
より、検出器の画素の特性差、輝度ムラ等の雑音を排除
することができ、低コントラスト性能を改善してコント
ラスト強調が可能であることを見いだし、以下の発明を
完成した。
物体の欠陥を放射線の透過により検出する方法であっ
て、(1)放射線源から発生した放射線を検査物体に照
射し、透過によって生じた放射線像を放射線像検出器に
より検出する工程、(2)前記検査物体及び/又は前記
放射線像検出器を移動させて、放射線源から発生した放
射線を検査物体に照射し、透過によって生じた放射線像
を放射線像検出器により検出する工程、とを含み、
(1)の工程で得た画像信号を時間積分処理して得た積
分像から、(2)の工程で得た画像信号を逐次差分する
か又は時間積分処理して得た積分像を差分することによ
り、欠陥像を検出する差分画像処理を用いた放射線透視
法である。
を放射線の透過により検出する方法であって、(1)放
射線源から発生した放射線を検査物体に照射し、透過に
よって生じた放射線像を放射線像検出器により検出する
工程、(2)前記検査物体及び/又は前記放射線像検出
器を移動させ、前記(1)の工程において検出した放射
線像と重複する検査物体上の領域に放射線源から発生し
た放射線を照射し、透過によって生じた放射線像を放射
線像検出器により検出する工程、とを含み、(1)の工
程で得た画像信号を時間積分処理して得た積分像から、
(2)の工程で得た画像信号を逐次差分するか又は時間
積分処理して得た積分像を差分することにより、欠陥像
を差分画像上で2重像として検出する差分画像処理を用
いた放射線透視法である。
は、従来、オンラインに適用できる高速性を有しなが
ら、その解像度の点、特にコントラスト解像度が低いた
めに欠陥識別性能が低く、セラミックス等の微細欠陥に
対して有力な検査方法でなかった電子撮影方式による放
射線透視法を、改善したものである。すなわち、本発明
は、放射線像の検出法である電子撮影法の低コントラス
ト性能を根本的に解決するもので、欠陥と背景周囲との
コントラスト差強調に限界を与えていた検出器固有の空
間雑音、電子管に特有なシェーディング、検査物体から
の欠陥情報を持たない散乱線による背景線量の蓄積等を
除去することが可能にするものである。また、本発明
は、検査物体に固有な像のみを動点として抽出すること
ができる方法である。
て背景画像を用意し、原画像から背景画像を差分して、
両者の差を求める画像処理方法をいう。放射線とは、電
子線照射により発生するX線(軟X線を含む)や放射線
崩壊によって放出される粒子の作るビームであって、α
線、β線、γ線の他、これらと同程度以上のエネルギー
をもつ粒子線等も含む。放射線像検出器とは、広く前記
放射線を検査物体に照射することにより、検査物体を放
射線が透過することにより得られる放射線像を検出する
ものであり、蛍光増倍管(イメージインテンシファイヤ
ー)等の導電形撮像管、CCDカメラ、ラインセンサー
カメラのような固体撮像管、イメージングプレート方式
のようなデジタルラジオグラフィ方式を含む。
る。本発明では、具体的には、以下の改善を達成するも
のである。 放射線像−蛍光像変換過程における時間的ランダム雑
音の除去 検出器の画素における感度特性のばらつきによる画像
雑音の除去 放射線の角度分散による検出器上での非均質 試験体の放射線吸収によるX線情報の低下
してX線を用い、放射線像検出器としてイメージインテ
ンシファイヤーを用いる放射線透視法の原理が示されて
いる。また、図2には、本発明の工程図が示されてい
る。
は、X線TV像のフレーム積分により時間的ランダム雑
音が除去された積分像を得る。イメージインテンシファ
イヤーを通じての観察は動態撮影であり、本来的に時間
的にランダムに発生する雑音を含むが、時間積分により
上記が解決される。具体的には、例えば、1秒間30
枚のTV画像フレームを積分することにより、時間依存
のランダム雑音が除去され、積分像は、欠陥像、検出器
による雑音と散乱X線を含むものとなる。
は減少する。また、フレーム積算に伴う雑音の減少は、
X線入力の大小も関連するが、約数百枚積算することに
より、雑音を除去することができる。
れた積分像から差し引く背景画像を得る。本発明では、
この背景画像として、検査物体あるいは検出器を微小距
離を移動させ、その移動位置での検査物体のX線TV画
像の実時間像又はその積分像を得ることが特徴となって
いる。この積分像においては、検出器による雑音、散乱
X線及び移動した欠陥像を含むが、第1の工程と同様
に、時間的ランダム雑音が排除されている。
検出目的とする欠陥の寸法等に合わせて選択されるが、
例えば想定される欠陥寸法が100μmの場合は、数1
00μmでよい。この程度の移動は、欠陥位置の移動を
与えるが、検査物体の厚さや視野は殆ど変化しない。し
たがって、この画像は、他の余分な画像信号を含まず、
また、積分される探傷画像と輝度においてあまり差がな
いものという背景画像としての要件を具備する。
等によっては、欠陥像がなくなる場合もあり、この場合
には、目的とする欠陥信号以外の全ての画像信号を含む
という背景画像としての要件を具備する。一方、移動距
離及び放射線の照射領域によっては、移動した欠陥部分
の画像信号を含む場合もあり、この場合には、目的とす
る欠陥信号以外の全ての画像信号を含むという要件は具
備していないことになる。
像から第2の工程で得られた背景画像を差分(減算)す
る。この場合、背景画像が実時間像であれば、逐次差分
し、積分像であれば、1回の差分を実行する。なお、実
時間像を逐次差分するか又は時間積分処理した積分像を
差分するかにより、最終的に得られる差分画像において
相違をもたらすものではない。この結果、図4(b)に
示すように、シェーディングその他の検査物体に関わら
ない背景及び雑音が減算・消去される。すなわち、図4
(a)に示す積分法とは異なり、画素の感度特性による
雑音(上記)や、X線の非均質(上記)、試験体の
厚さによるX線の減少(上記)による影響は除去され
る。
まれない場合には、第1の工程での欠陥像が抽出される
ことになる。一方、背景画像にも同一の欠陥像を含む場
合は、固有の欠陥像が移動されているため、減算・消去
されずに残り、結果的に第1の工程で得た欠陥像及び第
2の工程で得た欠陥移動反転像として抽出される。この
ように、いずれの場合においても、次工程におけるコン
トラスト調整で、欠陥像あるいは欠陥像と反転像とを非
常に高コントラストに得ることができるようになる(図
4(b)参照)。なお、第1の工程で欠陥像がなく、第
2の工程でのみ欠陥像が得られる場合には、反転像のみ
が抽出されることになる。
れた欠陥像あるいは反転した欠陥像をコントラスト調整
により強調し、検出する。本工程では、雑音が除去され
ているために、容易に欠陥像を検出することができ、欠
陥検出感度が向上される。
第1の工程及び第4の工程とからなるのに対して、第2
及び第3の工程を含むのが特徴であり、この工程によ
り、上述のように、雑音が排除されコントラスト強調が
可能となり、欠陥像を明瞭に観察することができるよう
になる。なお、この2個の工程を含んでも、従来の積分
法の2倍程度で、以前としてフィルム法の数十分の1以
下の処理時間を要するに過ぎず、検査の高速性は十分維
持されている。
第1の工程及び第2の工程のいずれにおいても欠陥像と
して得られる場合には、本発明で得られた差分画像にお
いては、検査物体の欠陥像は、第1の工程で得た欠陥像
(以下、第1の欠陥像という。)と、第2の工程で得た
背景画像の欠陥画像が反転した状態の欠陥像(以下、第
2の欠陥像という。)との、2個の欠陥像の組み合わせ
として与えられることになる。例えば、欠陥がX線吸収
体の場合は、第1の欠陥像は黒、第2の欠陥像は白、の
2種類の組み合わせとなって、一定の移動距離を置いて
同一画面上に存在することになる。
いて白及び黒の1組のペアとなって同一画面上に存在す
ることは、非破壊検査における欠陥の判定においては、
極めて有効である。すなわち、一つの欠陥が1個の像と
してでなく、2個の像として得られることは、欠陥識別
において2倍の情報を与えることになり、しかも、白黒
の反転色のペアとして得られること、さらに、所定の移
動距離を置いて得られることにより、得られた情報を容
易にかつ信頼性よく処理できることになる。
査物体移動距離とを比較することにより、容易に欠陥で
あるか否か、また、欠陥の形状や種類が何であるかを自
動的に判定することも可能となる。この判定法は、判定
情報が豊富であるため、従来の積分法に比してはるかに
信頼性の高い自動判定法を与えることができる。すなわ
ち、1個の欠陥について判定情報が、反対のトーンを有
する2組の欠陥像のペアとして、そのトーン差及び位置
関係とともに与えられるため、信頼性の高い自動判定が
可能なる。
を移動させて、背景画像を得ることにより、試験体に応
じて最も有効な背景画像を、効率的にかつ容易に得るこ
とができる。したがって、シェーディング補正やリファ
レンス像差分法のように、それぞれの試験体に応じて比
較用試験体を準備するという非現実的な工程や、作業時
における検査体と比較用試験体との交換等の煩わしさを
省略することができ、作業能率の観点からも、短時間で
かつ低コストな検査を達成することができるものとなっ
ている。
有効であるが、放射線の透過により検査物体中の欠陥を
検出する方法に広く適用することができる。また、セラ
ミックスのみならず、放射線照射により放射線透過像を
得ることができる検査物体に広く適用することができ
る。
ディングその他の検査物体に関わらない背景及び雑音等
を消去し、物体に起因する欠陥像のみが抽出されるた
め、高コントラストに欠陥像を得ることができる。この
結果、検査の容易性及び高速性を維持しつつ、欠陥検出
の感度を向上させ、従来の電子撮影法の感度を越えて、
フィルム法に匹敵あるいはそれ以上の感度を確保するこ
とができる。
陥を反対のトーンを有する2組の欠陥像のペアとして所
定の移動距離を置いて同時に観察することができるた
め、欠陥情報が2倍になること、及び欠陥像にそのトー
ン差及び位置関係が付与されることから、欠陥像の認識
が容易になり、欠陥検査の信頼性が向上される。
図5ないし図10に基づいて説明する。 (実施例1)本実施例は、ファインセラミックス中のス
リット状欠陥に対する検出性能の測定に本発明を適用し
た例である。本実施例で使用した蛍光増倍管と画像処理
システムの概略を図5に示す。このシステムは、マイク
ロフォーカスX線発生装置、試料台及びマニュピレータ
ー、イメージインテンシファイヤー及びTVカメラ、T
Vモニター、画像処理装置及び画像解析装置とからな
る。本実施例では、X線発生装置としてANDREX社
製MX−4、理学製MRS−160、イメージインテン
シファイヤーとして東芝及びトムソン社製、画像処理装
置は、日本アビオニクス社製イメージΣ−III 及び理学
製を使用した。
(a)に示す窒化珪素の板体(幅5mm×長さ20mm
×厚さ1mm)10を用い、この表面にスリット加工を
行ったもの用いた。この板体には、図6(a)及び
(b)に示すように、A〜Gのスリット状欠陥が凹設さ
れている。各スリットは、幅及び深さが同一寸法になる
ように設計されており、例えば、スリットGにおいて
は、幅・深さがほぼ21μmである。なお、本実施例で
は、フレーム積分枚数は900枚、使用管電圧は60k
Vp、撮影倍率は10倍とした。撮影倍率は、X線発生
装置の焦点から試料までの距離(FOD)で焦点からイ
メージインテンシファイヤーまでの距離(FID)を割
った値である。
窒化珪素板(縦50mm×横50mm×厚さ5mm)と
を組み合わせて図5に示すシステムで、図2に示す工程
に従い、差分画像処理法(以下、単に差分法という。)
により処理したX線像の写真を図7に示す。また、比較
例としては、従来の積分法による画像処理により得られ
たX線像を写真を図8に示す。図7から明らかなよう
に、本実施例においては、スリット幅及び深さが最も小
さいスリットGまで検出することができた。すなわち、
スリットGは、図7の写真右側に、所定間隔を置いて画
像において観察される白線と黒線として観察することが
できた。また、同様に、スリット幅及び深さが20μm
台であるスリットFについては明瞭に観察することがで
きた。
積分法による比較例においては、スリットの幅及び深さ
が40μm台であるスリットEが検出限界であり、スリ
ットF、Gについては検出できなかった。
増大するため、窒化珪素の板体の材厚を変えて差分法と
積分法、さらにフィルム法におけるスリット状欠陥の検
出性能を比較した。なお、材厚は、補助材の枚数を増加
することにより変化させ、差分法及び積分法における撮
影倍率は10倍、フレーム積分枚数は900〜1800
枚とし、使用管電圧は、80〜160kVpとした。ま
た、フィルム法では、フィルムは、IX−50番(富士
フィルム製)を用い、拡大率10倍、使用管電圧80〜
160kVpの条件で行った。
法は、従来の積分法に比して格段に小さな検出限界値を
呈しており、さらに、材厚が10mm以上の場合には、
フィルム法をも凌ぐ検出限界値を得ることができた。特
に、フィルム法では、数十分の撮影時間と、同程度の現
像・観察時間が必要であるのに対して、差分法では、処
理に1〜2分、判定に1分以内の時間を要するのみであ
った。
%表示で表した欠陥識別度として、材厚の変化と欠陥識
別度の関係を調べた結果を図10に示す。欠陥識別度が
小さいほど、識別性能に優れるが、本実施例の差分法に
おいては、材厚15〜50mmの範囲で、0.2%以下
の欠陥識別度を有し、材厚20mm以上では、約0.1
%の欠陥識別度を有していた。かかる識別度は、従来の
積分法では得られなかったものである。また、撮影倍率
の差(10倍及び20倍)での欠陥識別度の差はほとん
どなかった。
ミックスのスリット状欠陥において、差分法が検出性能
において積分法に比して格段に優れ、また、フィルム法
と同等あるいはそれ以上の検出性能を有する一方、操作
及び時間的にフィルム法より優れる方法であることが確
認することができた。また、本実施例では、いずれの欠
陥についても欠陥像と反転像とのペアーとして検出した
が、図7及び図8から明らかなように、欠陥像あるいは
反転像のみでも、積分法に比して容易に欠陥像を検出で
きることが確認できた。
ックスにおける円柱状気孔欠陥の検出性能について本発
明を適用した例について説明する。本実施例では、直径
40μmの円柱孔が貫設された厚さ40μmの窒化珪素
の薄板20と、この薄板20をさらに厚さ5mmの窒化
珪素の板体30の表面に張り付けて試験片40とした
(図11参照)。
5のシステムを用いて差分法により図2に示す工程に従
ってX線像を得た。比較例として積分法により同様の試
験片につき、X線像を得た。これらのX線像を図12及
び図13に示す。差分法及び積分法における撮影倍率は
60倍であり、フレーム積算枚数は600枚であり、使
用管電圧は60kVpとした。
グステン線(線径500μm)によるマーカーである。
差分法による図12の画像では、直径40μmの円柱状
欠陥を白及び黒の一対の像として明確に識別され、欠陥
として検出できた。これに対し、図13の積分法による
画像では、同様の欠陥は全く検出することができなかっ
た。
は、円柱状欠陥と同程度の寸法の助剤の偏析と見られる
X線吸収物、さらにはそれらの近傍を通過するクラック
をいずれも白及び黒の一対の像として明瞭に観察するこ
とができた。
界値との関係について、差分法、積分法、フィルム法に
より調べた結果を図14に示す。材厚の変化は、実施例
1と同様に行い、撮影倍率は、20倍で行った。また、
フィルム法では、撮影倍率は20倍で、他の条件は実施
例1と同様の条件を用いた。図14によれば、差分法
は、積分法に比して、ほぼ全範囲において、格段に優れ
た検出限界値を呈していた。また、材厚10mm以下の
場合は、フィルム法とほぼ同様の検出感度を有している
が、それ以上の材厚の範囲では、差分法はフィルム法を
上回る高検出能を示している。また、図15に示すよう
に、差分法では、高度な欠陥識別性能を有していた。
方法が、実施例1で示したスリット状欠陥の他、円柱状
欠陥にも広く高検出性能を発揮できることが確認するこ
とができた。また、本実施例では、いずれの欠陥につい
ても欠陥像と反転像とのペアーとして検出したが、図1
2及び図13から明らかなように、欠陥像あるいは反転
像のみでも、積分法に比して容易に欠陥像を検出できる
ことが確認できた。
示すシステムを用いて図2に示す工程に従って、窒化珪
素片の材厚を変化させて、各種手法による球状気孔の検
出限界値を調べた。その結果を図16に示す。なお、積
分法における撮影倍率は10倍、差分法における撮影倍
率は10倍及び20倍とした。また、フィルム法では、
撮影倍率は20倍で、他の条件は実施例1と同様の条件
を用いた。なお、本実施例においては、差分画像上に1
個の欠陥についての白及び黒のペアー像が得られるよう
にした。
撮影倍率を大きくすることにより、検出性能が向上され
ている。これは、球状欠陥は、通常その形状ゆえに球状
周縁においてのコントラストが取りにくいが、本実施例
では、差分法による高コントラスト化に加え、撮影倍率
の拡大により、球中心部分のコントラストの高い分が拡
大された結果、検出性能が向上されたものである。ま
た、欠陥像が白及び黒の1組のペアーとして得られるこ
とにもよる。また、材厚と検出性能との関係では、材厚
10mm以上では、撮影倍率10倍で確実にフィルム法
における検出性能を上回ることができた。また、撮影倍
率20倍では、材厚10mm以下でも、フィルム法と同
様かそれ以上の検出性能を発揮できることを確認するこ
とができた。
を差分法と積分法とで比較した一例を図17及び図18
に示す。この例における窒化珪素の材厚は10mm、気
孔直径は90μm、撮影倍率は20倍であった。これら
の図からも明らかなように、差分法における球状気孔の
検出感度は、積分法における球状気孔の検出感度を上回
っていた。また、本実施例では、球状欠陥を欠陥像と反
転像とのペアーとして検出したが、図17及び図18か
ら明らかなように、欠陥像あるいは反転像のみでも、積
分法に比して容易に欠陥像を検出できることが確認でき
た。
X線像撮影時間の一般的な比較を示す。フィルム法は、
FFDが510mmで、フィルム濃度2.0を達成する
ために必要なフィルムの露出時間を示す。また、差分法
では、FIDが800mmで、最高900フレーム像の
積分処理及び差分処理を行うのに要する時間である。こ
の図から明らかなように、差分法では、材厚にかかわら
ず、ほぼ1分以内で探傷することができるが、フィルム
法では、数十倍以上の撮影時間を必要としている。
る。
る。
透過法と画像強調との関係を示した図である。
した図である。
した図(a)とスリットA〜Gの寸法を示した図(b)
とを組み合わせた図である。
厚6mm,拡大率20倍)を示す写真である。
厚6mm,拡大率20倍)を示す写真である。
状欠陥の検出限界を示したグラフ図である。
陥識別度を示したグラフ図である。
す図である。
裂の検出状態(材厚5mm,気孔40μm)を示す図で
ある。
の検出状態(材厚5mm,気孔40μm)を示す図であ
る。
気孔の検出限界を示したグラフ図である。
別度を示したグラフ図である。
の検出限界直径を示したグラフ図である。
検出状態(材厚10mm,気孔直径90μm、撮影倍率
20倍)を示す図である。
検出状態(材厚10mm,気孔直径90μm、撮影倍率
20倍)を示す図である。
体の材厚と撮影所要時間との関係を示す図である。
厚6mm,拡大率20倍)をディスプレー上に表示した
中間調画像を示す写真である。
厚6mm,拡大率20倍)をディスプレー上に表示した
中間調画像を示す写真である。
裂の検出状態(材厚5mm,気孔40μm)をディスプ
レー上に表示した中間調画像を示す写真である。
の検出状態(材厚5mm,気孔40μm)をディスプレ
ー上に表示した中間調画像を示す写真である。
検出状態(材厚10mm,気孔直径90μm、撮影倍率
20倍)をディスプレー上に表示した中間調画像を示す
写真である。
検出状態(材厚10mm,気孔直径90μm、撮影倍率
20倍)をディスプレー上に表示した中間調画像を示す
写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】検査物体の欠陥を放射線の透過により検出
する方法であって、 (1)放射線源から発生した放射線を検査物体に照射
し、透過によって生じた放射線像を放射線像検出器によ
り検出する工程、 (2)前記検査物体及び/又は前記放射線像検出器を移
動させて、放射線源から発生した放射線を検査物体に照
射し、透過によって生じた放射線像を放射線像検出器に
より検出する工程、とを含み、(1)の工程で得た画像
信号を時間積分処理して得た積分像から、(2)の工程
で得た画像信号を逐次差分するか又は時間積分処理して
得た積分像を差分することにより、欠陥像を検出する差
分画像処理を用いた放射線透視法。 - 【請求項2】検査物体の欠陥を放射線の透過により検出
する方法であって、 (1)放射線源から発生した放射線を検査物体に照射
し、透過によって生じた放射線像を放射線像検出器によ
り検出する工程、 (2)前記検査物体及び/又は前記放射線像検出器を移
動させ、前記(1)の工程において検出した放射線像と
重複する検査物体上の領域に放射線源から発生した放射
線を照射し、透過によって生じた放射線像を放射線像検
出器により検出する工程、とを含み、(1)の工程で得
た画像信号を時間積分処理して得た積分像から、(2)
の工程で得た画像信号を逐次差分するか又は時間積分処
理して得た積分像を差分することにより、欠陥像を差分
画像上で2重像として検出する差分画像処理を用いた放
射線透視法。
Priority Applications (1)
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