JPH08145286A - ドレン排出装置 - Google Patents

ドレン排出装置

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JPH08145286A
JPH08145286A JP31558494A JP31558494A JPH08145286A JP H08145286 A JPH08145286 A JP H08145286A JP 31558494 A JP31558494 A JP 31558494A JP 31558494 A JP31558494 A JP 31558494A JP H08145286 A JPH08145286 A JP H08145286A
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water
porous
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Migiwa Ando
汀 安藤
Terubumi Okada
光史 岡田
Masahiko Okuyama
雅彦 奥山
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドレン中の油分が水排出用の第1多孔質体の
細孔を塞ぐのを防ぐ。 【構成】 多孔質体を第1多孔質体8と第2多孔質体1
8とに分け、排出口を第1多孔質体8を通過したドレン
の排出を受け持つ第1排出口7と第2多孔質体18を通
過したドレンの排出を受け持つ第2排出口23とに分
け、第1多孔質体8の導入口5側の空間K内には、表面
が撥水性を有しかつ空間K内のドレンに含まれる油分が
通過可能の多数の微小な通液孔を備えた撥水性通液体1
6を設ける。撥水性通液体16の下方に、その通液孔を
通過した油分の溜る油溜め室Dを設ける。油溜め室D内
には導入口5が受ける圧縮ガスが流通可能に形成する。
導入口5から入ったドレン中、油分は、撥水性通液体1
6を通過してドレン溜め室Dに入り、第2多孔質体18
を通過し、第2排出口23から排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮空気等の圧縮ガス
に含まれるドレンを排出するためのドレン排出装置に関
し、詳しくは、例えばコンプレッサーから所定の配管を
経てエアツールや端末機器に圧縮空気を供給する過程に
おいて、その空気中に含まれる水分や油分等からなるド
レンを除去するために用いられるエアドライヤで、凝
縮、分離されて発生するドレンを外部に排出するための
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のドレン排出装置(以下、単に
「装置」ともいう)として、多孔質体のバブルポイント
圧を利用した装置が本願出願人によって提案されてい
る。このものは、内部に、ドレンの導入口と排出口との
間を仕切る形で、バブルポイント圧が導入口の受ける圧
縮ガスの圧力より大きい多孔質体を設けることで構成さ
れている。
【0003】この装置は、多孔質体の細孔(気孔)内に
浸透(吸収)したドレンを排出(押出)してガスを通過
させるためには、導入口が受けるガス圧の方が、毛細管
現象によるドレンの吸収力を上回る圧力すなわち多孔質
体のバブルポイント圧より大きくなければならない、と
いうことを利用したものである。この装置によれば、導
入口が受けるガス圧の方が多孔質体のバブルポイント圧
より小さい限り、ガス漏れを起こすことなく、ドレンは
連続して多孔質体の細孔内に浸透していき、導入口側と
排出口側との圧力差により押出されるようにしてその細
孔内を通過し、連続的かつ自動的に排出口より排出され
る。
【0004】ところで、この種の装置においては、ドレ
ン中に含まれている油分(単に油ともいう)が、多孔質
体に付着してその細孔に入ると、目詰まりを起こし、経
時的に、多孔質体におけるドレンの通過面積(細孔)の
減少を来してしまう。これにより、主たるドレンである
水の排出能力を低下させてしまうことになるが、この対
策例として、特開平4−187201号、実開平4−1
17300号や実開平5−38370号公報記載の技術
がある。
【0005】上記公報記載の技術においては、油分と水
分とを別個に排出するように、多孔質体を、油を多く含
有するドレンを通過させる油排出用の多孔質体(以下、
油用多孔質体ともいう)と、水を多く含有するドレンを
通過させる水排出用の多孔質体(以下、水用多孔質体と
もいう)とに分け、これを上下に別個に設け、かつそれ
らを通過したドレンが別個に排出されるように2つの排
出口を備えている。そして、導入口から内部に入ったド
レン中に含まれる油分が、水用多孔質体の表面に付着す
るのを防止するため、その多孔質体の周りに、油水分離
用の隔壁(仕切り部材)ないしオイルフェンスなどの壁
材を備えている。これらの技術によれば、内部に流入し
たドレンは、油水分離用の壁材の外側で、比重差により
上方に分離された油分が上方の油用多孔質体を通過し、
そして、下方に分離された水分が、壁材の下縁を潜り抜
けて水用多孔質体に至り、外部に排出されるようになっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報記載
の技術においても、ドレンの時間当りの流量や、水と油
の構成比の不定などにより、例えば、ドレンの液面レベ
ルが予想以上に低下したり、油分が予想以上に多かった
りすると、壁材があるとは言え、ドレンの流動作用など
に起因して、ドレン中の油が壁材を潜り抜けて水用多孔
質体に付着し、その細孔を塞いでしまうといった問題が
あった。
【0007】このように上記公報記載の技術において
は、比重差により油と水とを分離し、それぞれ別個の多
孔質体を通過させ、そして別個の排出口から排出させる
ようになっているものの、ドレン中に含まれる油分が水
用多孔質体に付着して細孔を塞ぎ、排水能力の低下を招
いてしまうといった問題があった。さらに、こうした問
題に基づき、この性能の低下を加味し、安全率を大きく
設定する必要から従来は水用多孔質体のドレンの通水面
積を大きくせざるを得ず、装置の大形化を招いていた。
本発明は、このような従来技術の持つ問題点に鑑みて案
出したものであって、ドレン中に含まれる油分の水用多
孔質体への付着を防いでその排出能力の低下を防止する
と共に、油分と水分とを効率よく分離して排出すること
のできる装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載に係る発明の構成は、ドレンの導入口と
排出口との間が、バブルポイント圧がその導入口が受け
る圧縮ガスの圧力より大きい多孔質体で仕切られてな
る、圧縮ガスに含まれるドレンを排出するためのドレン
排出装置であって、前記多孔質体として第1多孔質体と
第2多孔質体の2つを備えると共に、前記排出口として
該第1多孔質体を通過したドレンを排出するための第1
排出口と該第2多孔質体を通過したドレンを排出するた
めの第2排出口の2つを備えてなるものにおいて、前記
第1多孔質体の前記導入口側の空間内には、表面が撥水
性を有しかつ該空間内のドレンに含まれる油分が通過可
能の多数の微小な通液孔を備えた撥水性通液体を設ける
と共に該撥水性通液体の下方に、その通液孔を通過した
油分の溜る油溜め室を設け、しかも該油溜め室内は前記
圧縮ガスが流通可能に形成され、前記第2多孔質体を該
油溜め室と前記第2排出口との間に設けたことにある。
ここに、撥水性とは、疎水性若しくは親油性を含む概念
である。
【0009】また、請求項2記載に係る発明の構成は、
請求項1記載のドレン排出装置において、前記第1多孔
質体の前記導入口側の空間内において、前記導入口と前
記第1多孔質体の間にありかつ該第1多孔質体を包囲す
るようにして壁材を設けると共に、該壁材の前記第1多
孔質体側には前記圧縮ガスが流通可能に形成され、かつ
該壁材の前記導入口側に流入するドレンが該壁材の前記
第1多孔質体側に流通可能に形成されていることを特徴
とする。
【0010】
【作用および発明の効果】請求項1記載の発明によれ
ば、ドレンの導入口が例えばエアドライヤのドレン排出
口に接続されて装着され、それが運転(稼動)される
と、導入口からドレンが流入し、第1多孔質体の導入口
側の空間(以下、単に空間ともいう)に溜まる。なお、
第1多孔質体の細孔内は水で、第2多孔質体の細孔内は
油で、それぞれ予め浸され(濡らされ)ており、したが
って、導入口が所定のガス圧を受けても、いずれの多孔
質体からもそのガスを通過させないようになっている。
そして、空間に溜まったドレン中、水から分離している
油分は、比重差により多くが上層に分離するが、その性
質上、撥水性通液体に吸着され、その通液孔を通過して
油溜め室に溜る。つまりドレン中に含まれる油分は、撥
水性通液体があるために第1多孔質体に付着しにくく、
撥水性通液体を通過して油溜め室に溜るから、空間内に
おけるドレン中の油分の割合が低減する。したがって、
油分が第1多孔質体つまり水用多孔質体に付着しにく
く、その排出能力の低下を有効に防止する。
【0011】一方、水分は撥水性通液体に弾かれるとと
もに、第1多孔質体に馴染むから、圧縮ガスの圧力を受
けて第1多孔質体に浸透して押し出されるようにしてそ
れを通過し、第1排出口から(大気側に)排出される。
そして、油溜め室内は圧縮ガスの圧力を受けており、し
たがって、油溜め室に入った油分は、第2多孔質体の細
孔に浸透し、同様にして、第2排出口から外部(大気
側)に排出される。すなわち、本発明によれば、空間内
にある油分は、その性質上、第1多孔質体よりも撥水性
通液体に触れ易く、したがって、空間内にある油分の多
くは、撥水性通液体を通過して油溜め室内に溜り、第2
多孔質体を通過して第2排出口から外部に排出されるか
ら、空間内のドレン中の油分は相対的に少なくなり、し
たがって油分は、第1多孔質体つまり水用多孔質体に付
着し難くなる。この結果、第1多孔質体の水の排出能力
の低下が有効に防止されると共に、水と油が効率よく分
離され、それぞれ第1排出口と第2排出口から排出され
る。
【0012】また、請求項2記載の発明においては、第
1多孔質体が、壁材で包囲されているため、その分、導
入口から流入したドレンが、第1多孔質体に直接触れに
くく、したがって、ドレン中の油分が第1多孔質体に触
れるのを有効に防止する。
【0013】
【実施例】請求項1記載の発明を具体化した実施例につ
いて、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。本例
において、装置本体(以下、本体という)1は、有底の
円筒状に形成され、上部には、蓋2がその周縁下部にリ
ングパッキン3を介して気密状に取着されている。ただ
し、本例では蓋2の下部外周に形成されたねじに、本体
1の上端部外周に周設されたフランジを介して、袋ナッ
ト4を螺締することで取着されている。そして、蓋2の
一方の側(図1左)にはドレンの導入口5を備えてお
り、蓋2の下面に開口されている。また、蓋2の他方の
側(図1右側)には、水を多く含有するドレンを通過さ
せるための第1排出口7を備え、流路6を介して中央下
面に開口している。なお本例では、導入口5及び第1排
出口7には配管接続のための管用テーパーねじ加工が施
されている。
【0014】蓋2の中央下面には、詳しくは後述する
が、バブルポイント圧が導入口5が受ける圧縮ガスの圧
力より大きいセラミック製多孔質体からなる円筒状の第
1多孔質体8が上下端面部にリングパッキン9,9を介
して垂下状に配置され、その下端面部側を円盤状のフラ
ンジ10を介して持ち上げる形で保持し、その中央にボ
ルト11を通し、蓋2下面中央のねじ孔に螺締し、蓋2
と第1多孔質体8、さらに第1多孔質体8とフランジ1
0との間を気(液)密状に保持している。
【0015】一方、本体1の底部隅角、つまり第1多孔
質体8の導入口5側の空間Kの低部には、段付き状のブ
ラケット12,12が平面視、等角度間隔で適数個(本
例では4個)形成されている。そして、この上に、平面
視、円形をなすプラスチック製のケース(容器)13が
載置されている。このケース13の上には、円形カバー
14が気密状に覆蓋されている。ただし、この円形カバ
ー14には適数個の小孔15が平面視、2つの円周上に
て略等角度間隔で上下に貫通して開けられており、その
各小孔15の周縁上面に、本例では、円筒(管)状をな
し壁面内外に連通する連続気孔を有するセラミック製の
多孔質管16aが複数(8本)立設されている。この多
孔質管16aは、本例では、円形カバー14の小孔15
の周縁上に設けられた環体15aに差し込まれるように
して立設され、その上端部17が空間Kの上部に開口さ
れている。
【0016】そして、本例では、この多孔質管16aの
外側(周面)に、詳しくは図示しないが、多数の微小な
通液孔を備えたフッ素樹脂製の膜体16bが張り付けら
れており、その通液孔および多孔質管16aの壁を油分
が通過するように形成されており、多孔質管16aと膜
体16bで撥水性通液体16をなしている。本例では、
フッ素樹脂製の膜(熱収縮性チューブ、内径11mm、
厚さ0.3mm)に、水が通過することなく油分が選択
的に通過する微小な大きさの通液孔を適数個、開けてお
き、これを多孔質管16aに被せて、150℃の熱風ブ
ロアで熱収縮させることにより密着させることで形成し
ている。なお、通液孔の大きさは、0.01〜0.5m
mが適切であり、また数は通液孔の大きさにもよるが適
宜に設計すればよい。例えば、その大きさが0.01m
mの場合は、約200個/cm2〜約500個/cm2
の範囲が、0.2mmの場合は、約50個/cm2 〜約
100個/cm2 の範囲が、また、0.5mmの場合
は、約20個/cm2 〜約50個/cm2 の範囲が、そ
れぞれ適切である。因みに、多孔質管16aは、ドレン
中の油分がその壁面の内外に圧力差がなくとも通過でき
る大きさの気孔を備えたものとされており、本例では、
市販のアルミナ多孔質管(外径φ10mm×内径φ7m
m、長さ100mm、気孔率48%、平均気孔径3.5
μm)を使用している。
【0017】一方、ケース13内には、撥水性通液体1
6を通過したドレン(油分)の溜る油溜め室Dが形成さ
れており、この油溜め室Dは、本例では、多孔質管16
aの上端部17の開口を介して導入口5が受ける圧縮ガ
スが流通可能になっている。そして、油溜め室Dには、
この圧縮ガスを気密状に遮る配置で円筒状をなすセラミ
ック製の第2多孔質体18がケース13内に同芯状に
て、その上下端面にパッキン19、19を介して配置さ
れている(図1、図3参照)。ただし、第2多孔質体1
8は、そのバブルポイント圧が導入口5が受ける圧縮ガ
スの圧力より大きく設定されている。なお、本例では、
空間K内に位置する多孔質管16aの上端部17の開口
をカバーする傘20が蓋2の裏(下)面に取着されてお
り、導入口5から流入したドレンが、その上端部17か
ら直接、油溜め室Dに入らないようにされている。しか
して、本例では、空間K内のケース13の外側に導入口
5から流入するドレンが溜まるようになっている。
【0018】そして、ケース13の底面中央には、円形
の開口21が設けられている一方、その開口21には本
体1の底面中央から差し込まれた管体22が水密を保持
して挿入されており、本例ではこの管体22が第2排出
口23をなしている。なお本例では、本体1の底部中央
には、外周におねじが設けられた中空ボス24が下向き
突出状に設けられており、管体22を内挿して断面楔形
のリングパッキング25を介し、袋ナット26を螺締す
ることにより水密を保持しつつ管体22の固定をしてい
る。また、管体22の上端面が、ケース13の略中央よ
りやや高めとされている。
【0019】ところで、本例では、第1多孔質体8と第
2多孔質体18をセラミック製としたが、ここでその製
法を例示しておく。まず2種類のアルミナ多孔質管(第
1多孔質体用:外径φ21mm×内径φ16mm、気孔
率42%、平均気孔径3.5μm、長さ100mmと、
第2多孔質体用:外径φ25mm×内径φ22mm、気
孔率42%、平均気孔径3.5μm、長さ40mm)を
準備し、次の(A、B)2種類の組成のスラリーを調製
する。
【0020】スラリーAは、アルミナ(平均粒径3μ
m,純度99%、市販品)60g、脱イオン水500
g、カルボキシメチルセルロース9gおよびポリカルボ
ン酸アンモニウム塩0.06gからなるもので、アルミ
ナ製ポット(容積2リットル)内にアルミナ球石(φ5
mm、800g)と共に入れ、80rpmにて24時
間、混合して調製したものである。また、スラリーB
は、アルミナ(平均粒径0.6μm,純度99%、市販
品)60g、脱イオン水500g、カルボキシメチルセ
ルロース6gおよびポリカルボン酸アンモニウム塩0.
06gからなるもので、同様、アルミナ製ポット内でア
ルミナ球石にて24時間、混合、粉砕して調製したもの
である。
【0021】次に、各アルミナ多孔質管の両端部をシリ
コンゴムなどの栓でプラグして紐で垂直に吊り下げ、2
0mm/sのスピードでスラリーAに浸漬し、その状態
で5秒間保持し、その後20mm/sのスピードで引き
上げて外側をコーティングする。そして、このアルミナ
多孔質管を自然乾燥させた後、乾燥機にて80℃で2時
間乾燥させ、しかる後、電気炉にて焼成(1400℃、
3時間)し、外面にアルミナ多孔質膜(平均気孔径:
0.7μm、膜厚:40μm)を形成した。
【0022】そして、このものの外側にスラリーBを前
記と同様にしてさらにコーティングした。すなわち、ア
ルミナ多孔質管の両端部をシリコンゴムなどの栓でプラ
グして紐で垂直に吊り下げ、20mm/sのスピードで
スラリーBに浸漬し、その状態で5秒間保持し、その後
30mm/sのスピードで引き上げて外側をコーティン
グする。そして、このアルミナ多孔質管を自然乾燥させ
た後、乾燥機にて80℃で2時間乾燥させ、しかる後、
電気炉にて焼成(1250℃、3時間)し、外面にさら
にアルミナ多孔質膜(平均気孔径:0.15μm、気孔
率37%、膜厚:30μm)を形成した。
【0023】なお、こうして得られた本例に使用した各
多孔質体8,18のバブルポイント圧は、いずれも、水
に対して10kgf/cm2 であり、油に対して6kg
f/cm2 であった。そして、いずれも、水を通過させ
る能力つまり透水性能(透水率)は、純水を使用したと
き、1.2m3 /m2 ・hr(差圧1kgf/cm2
であり、また油を通過させる能力つまり透油性能(透油
率)は、機械油を使用したとき、0.2m3 /m2 ・h
r(差圧1kgf/cm2 )であった。
【0024】さて次に、このような本例装置の作用ない
し効果について説明する。本装置のドレンの導入口5が
例えばエアドライヤ(圧縮ガスの圧力は5kgf/cm
2 とする)のドレン排出口(図示せず)に配管接続さ
れ、それが運転(稼動)されると、傘20にガイドされ
て空間K内にドレンが溜る。このドレン中、水は撥水性
通液体16をなす膜体16bに弾かれる一方、分離して
いる油分は、これに吸着され、その通液孔および多孔質
管16aの壁面を通過して流下し油溜め室Dに入る。こ
れにより、空間K内のドレンのうち油分の割合は減少す
る。一方、空間K内では水分を多く含むドレンが、第1
多孔質体8に触れ、その細孔に浸透し、圧縮ガスの圧力
を受け、押し出されるようにして第1多孔質体8を通過
してその内側にて液面を上昇させ、オーバーフローし、
流路6を経て第1排出口7から外部(大気側)に排出さ
れる。なお、図中の矢印はドレンのフローを示す。
【0025】一方、油溜め室Dに入った油分は、油溜め
室D内に配置されている第2多孔質体18に触れ、その
細孔に浸透し、前記と同様にして圧縮ガスの圧力を受
け、押し出されるようにして第2多孔質体18を通過
し、その内側にて液面を上昇させ、管体22の上端縁か
らオーバーフローするようにしてその管体22内を流下
し第2排出口23から外部に排出される。
【0026】本例では、空間K内にて、水は撥水性通液
体16をなす膜体16bに弾かれる一方、分離している
油分は、これに吸着され、その通液孔および多孔質管1
6aを通過して油溜め室Dに入るので、空間K内の油分
は減少する。したがって、その分、第1多孔質体8に油
が触れにくくなり、その結果、第1多孔質体8の水の排
出能力の低下が防止される。このように、空間K内に入
るドレン中の油分は、第1多孔質体8に付着する前に、
膜体16bおよび多孔質管16aを経て油溜め室Dに送
られるから、第1多孔質体8に油が付着し難くく、した
がって、主たるドレンである水の排出能力の低下を有効
に防止できる。なお、撥水性通液体16は、図2中、2
点鎖線で示したように、第1多孔質体8を包囲するよう
な配置で、なるべく多く設けるとよい。このようにすれ
ば、撥水性通液体16自体が壁となって油分を第1多孔
質体8に移行しないようにするから、油分が第1多孔質
体8に一層、触れ難くなり、その排出能力の低下防止に
有効である。
【0027】上記実施例では、撥水性通液体16とし
て、アルミナ製の多孔質管16aの外側に多数の微小な
通液孔(図示せず)を備えたフッ素樹脂製の膜体16b
を張り付けたものを例示したが、本発明における撥水性
通液体は、これに限定されるものではない。表面が撥水
性を有しドレンに含まれる油が通過可能の多数の微小な
通液孔を備えたものであれば、適宜のものを使用でき
る。つまり撥水性(疎水性又は親油性)があり油を選択
的に通過させることのできる手段であればよく、したが
って、厚手の膜体であって油が通過可能の多数の微小な
通液孔を備えたものを筒状にし、それのみで撥水性通液
体となすこともできるし、油分が通過可能の多数の微小
な通液孔(連続気孔)を備えた多孔質管に疎水(親油)
処理をしたもの自体で撥水性通液体とすることもでき
る。なお、この撥水性通液体をなす多孔質管としてはセ
ラミック製のものに代えてステンレス等の金属製多孔質
体であってもよいし、さらに、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のようにそれ自体が疎水性(親油性)を有する
多孔質高分子焼結体(株式会社化研製、商品名フィルタ
レンなど)を用いてもよい。
【0028】また、本発明における撥水性通液体は、筒
(管)体でなくともよい。例えば、筒(管)体を、軸線
を含む平面で切断(分割)したときのその一側のみを撥
水性通液体とし、他側を不透過性の適宜の材質とし、両
者を切断面で接合してなる複合化した筒体とすることも
できる。すなわち、本発明における撥水性通液体は、表
面が撥水性を有しかつ空間K内の油分が通過可能の多数
の微小な通液孔を備えたものであればよい。さらに、こ
の撥水性通液体は、こうした筒(管)体の表面の全てを
なしてなくともよい。
【0029】なお、撥水性通液体は、ガスを通過させて
もよいから、多孔質管を用いる場合には、そのパブルポ
イント圧が圧縮ガスの圧力より小さくてもよく、したが
って、気孔径は、第1多孔質体8や第2多孔質体18の
それより大きくできる。ただし、大きすぎる場合は、そ
の気孔を水分が通過してしまうことがある一方、気孔径
が小さすぎると、油分の通過性能が低下し、したがっ
て、油分が円滑に排出されないことになる。また、気孔
率が高すぎると多孔質体の強度が低下する一方、気孔率
が小さすぎると、油分の吸収性能が低下する。気孔径
は、0.1〜3μm程度、気孔率は、10〜70%程度
が好ましい。
【0030】上記においては、撥水性通液体16の下方
に設けた、油溜め室Dを本体1とは別個に空間K内にケ
ース13を設けることにより形成したが、これについて
は、こうした別個のケース13によることなく、本体1
そのものの内部構造としても構成できるなど、適宜に設
計すればよい。因みに、本体1や蓋、或いは、油溜め室
Dをなすケース13などの材質としては、プラスチック
製の他、ステンレス鋼板、黄銅板等の金属製など、耐
油、耐水性に支障がなくかつ化学的に安定なものから選
択すればよい。なお、上記においては、撥水性通液体1
6をなす多孔質管16aの上端部17の開口を介して、
油溜め室D内に圧縮ガスが流通可能に形成したが、別個
の管体(図示せず)などを本体1内の上部から油溜め室
D内に接続して圧縮ガスを流通可能に形成してもよい。
【0031】図4および図5は、請求項2記載の実施例
を示すものであるが、このものは、上記実施例における
第1多孔質体8の導入口5側の空間K内において、導入
口5と第1多孔質体8の間にありかつこの第1多孔質体
8を包囲する配置で、さらに内(周)側と外(周)側の
撥水性通液体16の間に割り込む形で壁材31を備える
と共に、壁材31の内側つまりその第1多孔質体側ka
に、圧縮ガスおよびドレンを流通可能に形成した点のみ
が相違するだけであるので、相違点のみ説明し、同一の
部位には同一の符号を付すに止める。すなわち、図4お
よび図5に示した技術は、空間Kにおいて、第1多孔質
体8を内側の撥水性通液体16と共に包囲する配置で円
筒状の壁材31を第1多孔質体8と同芯状に、ケース1
3の円形カバー14上に配置したものである。なお、壁
材31の上端部寄り部位には、圧縮ガスの流路として貫
通孔32が適数個設けられており、壁材31の内外に圧
縮ガスが流通可能とされている。また、壁材31の下端
部寄り部位には貫通孔33が適数個、設けられており、
導入口5から空間Kに入ったドレンがこの貫通孔33を
潜って壁材31の内側(第1多孔質体側ka)に入り込
むように構成されている。
【0032】このような本例では、壁材31を設けた結
果、導入口5から流入したドレンは、第1多孔質体8に
直に触れることはない。すなわち、流入したドレン中の
油分が第1多孔質体8に直接触れることはなく、本例で
は、壁材31の外側kbつまり導入口5側で、撥水性通
液体16をなす膜体16bの通液孔および多孔質管16
aを通過して油溜め室Dに入る。また、ドレンが壁材3
1の下端部寄りの貫通孔33を潜って内側に至ったとし
ても、その前に壁材31の外側kbで油分がある程度除
去されている上に、残存している油分もその内側kaに
ある撥水性通液体16に触れ、そこを通過して油溜め室
Dに入るので第1多孔質体8に触れるドレンに含まれる
油分の割合は著しく低くなり、したがって、第1多孔質
体8つまり水用多孔質体の排出能力の低下防止に有効で
ある。なお、前記と同様に、水分は、第1排出口7から
排出され、油溜め室Dに溜まる油分は、第2排出口23
から排出される。
【0033】本例では、撥水性通液体16を、壁材31
の内側ka(第1多孔質体側)と、外側kb(導入口5
側)に設けてなるものを例示したが、性能の低下を覚悟
すれば、そのいずれかの側にのみ設けることもできる。
【0034】図6ないし図8は、図4および図5に示し
た実施例の変形ないし改良とでもいうべきものであり、
これまた上記第1実施例(図1ないし図3)と共通する
ので、それとの相違点を中心として説明し、同一部位に
は、同一の符号を付すに止め、詳細な説明は省略する。
すなわち、このものは、第1多孔質体8の導入口5側の
空間Kにおいて、導入口5と第1多孔質体8の間にあり
かつ第1多孔質体8を内周側の撥水性通液体16と共に
包囲する配置で円筒状の壁材41を第1多孔質体8と同
芯状に、ケース13の円形カバー14上に配置してい
る。ただし、壁材41の上端と蓋2の裏面との間に間隙
Sが設けられており、導入口5が受ける圧縮ガスが壁材
41の内側ka(第1多孔質体側)に流通可能とされて
いる。また、壁材41の下端は円形カバー14上に液密
状に接合(接着)されておりドレンが行き交わないよう
にされている。
【0035】一方、油溜め室Dをなすケース13には、
それを上下に貫通する形でプラスチック製の管体42が
取着されており、この管体42を介して壁材41の第1
多孔質体側kaと壁材41の導入口5側kbとが連通し
ており、壁材41の導入口5側に流入するドレンがケー
ス13の側面から底面(下面)を通ってこの管体42を
通過し、壁材41の第1多孔質体側kaに入り込むよう
に形成されている。
【0036】このような本例では、導入口5から流入し
たドレンは、壁材41により第1多孔質体8に直に触れ
ることはなく、したがって、ドレン中の油分も第1多孔
質体8に直に触れることはない。つまり、流入したドレ
ン中の油分は、まず、壁材41の外側kbで、撥水性通
液体16をなす膜体16bに吸着され、その通液孔およ
び多孔質管16aを通過して油溜め室Dに入る。したが
って、壁材41の導入口側kbの空間内にあるドレンに
含まれる油分の割合は、その分、低減する。そして、ケ
ース13の側面からその下に回り込んでいるドレンは、
ケース13の下面に開口する管体42内を通過して壁材
41の第1多孔質体側kaの空間内に入り込む。そし
て、入り込んだドレンに含まれる油分は、さらに同空間
内にて、撥水性通液体16に吸着され、その膜体16b
の通液孔および多孔質管16aを通過して油溜め室Dに
入り、以後は前記と同様にして第2多孔質体18を通過
して第2排出口23から排出される。なお、水分は、前
記と同様に、第1排出口7から排出される。
【0037】本例では、本体1内に入ったドレンは、壁
材41の外側の撥水性通液体16を通過して流下するほ
か、ケース13の底部に回り込んでから壁材41の第1
多孔質体側kaの空間内に入り込むように構成されてい
る。したがって、相対的に底部にある比重の大きい水分
が壁材41の第1多孔質体側kaの空間に入りやすい。
つまり、油分がこの空間に入りにくいし、たとえ入り込
んでも、壁材41の内側の撥水性通液体16に吸着さ
れ、前記と同様にして油溜め室Dに入る。したがって、
こうした分、第1多孔質体8の水の排出能力の低下は有
効に防止される。本例でも、撥水性通液体16を、壁材
41の内側ka(第1多孔質体側)と、外側kb(導入
口5側)に設けてなるものを例示したが、性能の低下を
覚悟すれば、そのいずれかの側にのみ設けることもでき
る。
【0038】なお、第1多孔質体、第2多孔質体は、上
記各実施例においてはいずれも円筒形状のものとして具
体化したが、本発明におけるその形状ないし構造は隔壁
状(板状)など、適宜のものとすればよい。また、壁材
31,41の内側(第1多孔質体側)の撥水性通液体1
6は、それ自体が壁となるように、第1多孔質体8を包
囲するようにし、なるべく多く設けるとよい。さらに、
第1多孔質体、第2多孔質体はアルミナ製に限定される
ものでなく、ジルコニア、ムライト等の他のセラミック
製、或るいは金属製、プラスチック製、ガラス製のもの
としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドレン排出装置を具体化した実施
例を示す中央縦断正面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】図1におけるB−B線断面図。
【図4】本発明に係るドレン排出装置を具体化した別の
実施例を示す中央縦断正面図。
【図5】図4におけるA−A線断面図。
【図6】本発明に係るドレン排出装置を具体化したさら
に別の実施例を示す中央縦断正面図。
【図7】図6におけるA−A線断面図。
【図8】図6におけるB−B線断面図。
【符号の説明】
1 装置本体 5 導入口 7 第1排出口 8 第1多孔質体 13 ケース 16 撥水性通液体 18 第2多孔質体 23 第2排出口 31,41 壁材 42 管体 K 第1多孔質体の導入口側の空間 D 油溜め室 ka 壁材の内側(第1多孔質体側) kb 壁材の外側(導入口側)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレンの導入口と排出口との間が、バブ
    ルポイント圧がその導入口が受ける圧縮ガスの圧力より
    大きい多孔質体で仕切られてなる、圧縮ガスに含まれる
    ドレンを排出するためのドレン排出装置であって、前記
    多孔質体として第1多孔質体と第2多孔質体の2つを備
    えると共に、前記排出口として該第1多孔質体を通過し
    たドレンを排出するための第1排出口と該第2多孔質体
    を通過したドレンを排出するための第2排出口の2つを
    備えてなるものにおいて、前記第1多孔質体の前記導入
    口側の空間内には、表面が撥水性を有しかつ該空間内の
    ドレンに含まれる油分が通過可能の多数の微小な通液孔
    を備えた撥水性通液体を設けると共に該撥水性通液体の
    下方に、その通液孔を通過した油分の溜る油溜め室を設
    け、しかも該油溜め室内は前記圧縮ガスが流通可能に形
    成され、さらに前記第2多孔質体を該油溜め室と前記第
    2排出口との間に設けたことを特徴とするドレン排出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1多孔質体の前記導入口側の空間
    内において、前記導入口と前記第1多孔質体の間にあり
    かつ該第1多孔質体を包囲するようにして壁材を設ける
    と共に、該壁材の前記第1多孔質体側には前記圧縮ガス
    が流通可能に形成され、かつ該壁材の前記導入口側に流
    入するドレンが該壁材の前記第1多孔質体側に流通可能
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載のドレ
    ン排出装置。
  3. 【請求項3】 前記撥水性通液体を、前記壁材の前記第
    1多孔質体側に設けたことを特徴とする請求項2記載の
    ドレン排出装置。
  4. 【請求項4】 前記撥水性通液体を、前記壁材の前記導
    入口側に設けたことを特徴とする請求項2記載のドレン
    排出装置。
  5. 【請求項5】 前記撥水性通液体を、前記壁材の前記第
    1多孔質体側と、前記導入口側に設けたことを特徴とす
    る請求項2記載のドレン排出装置。
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