JPH08145106A - 制動装置 - Google Patents

制動装置

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JPH08145106A
JPH08145106A JP30816494A JP30816494A JPH08145106A JP H08145106 A JPH08145106 A JP H08145106A JP 30816494 A JP30816494 A JP 30816494A JP 30816494 A JP30816494 A JP 30816494A JP H08145106 A JPH08145106 A JP H08145106A
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JP
Japan
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bouncing putty
braking device
putty
shock absorbing
bouncing
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Application number
JP30816494A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08145106A publication Critical patent/JPH08145106A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて簡易な構造で所望の衝撃吸収力が得ら
れ、しかも種々の負荷の変化に対応できる制動装置を提
供する。 【構成】 本発明の制動装置1は、扉、蓋等の開閉機構
等に設けられ、この開閉機構等の構成部材である移動部
材の急激な移動を抑制する衝撃吸収用の装置に関するも
のであって、前記衝撃吸収用の装置は、衝撃吸収手段1
0としてバウンシングパテPを使用するとともに、この
バウンシングパテPとその設置部位との間には接着強化
手段が施されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は例えば扉や蓋の開閉機構
等に設けられ、この開閉機構等の構成部材である移動部
材の急激な移動を抑制する衝撃吸収用の制動装置に関す
るものである。
【0002】
【発明の背景】ドアや窓等の建具類の開閉機構や家具、
仏壇、金庫、自動車等の各種扉の開閉機構あるいは洋式
の水洗便器の蓋やピアノの蓋等の開閉機構としては、最
も基本的には基材と開閉部材との間に回動ヒンジを設
け、この回動ヒンジにより両者を回動自在に接続すると
いう構成がとられる。そしてこれらの扉や蓋等が大きな
重量を有するものである場合、あるいはこれらの扉や蓋
等が材質上もしくは構造上、強度性に劣り、急激な開閉
動作に対しては破損のおそれがある場合等にあっては、
前記開閉部材の急激な移動を抑制する目的で衝撃吸収用
の制動装置が用いられる場合がある。
【0003】そしてこのような制動装置の多くは、回動
支点となる回動ヒンジから半径方向に幾分離れた位置に
おいて、基材と開閉部材とを接続するように設けられる
ものであって、外部から当該制動装置の存在がはっきり
と確認できてしまい、またこの種の制動装置は構造上、
比較的大型となることも関連し、開閉部材たる扉や蓋等
の外観を損ねる要因となっていた。
【0004】またこのような制動装置における衝撃吸収
手段としては、エアあるいはオイル、グリス等の粘性流
体を使用したものがほとんどであり、これらエアや粘性
流体の流出を防ぐシール機構が別途必要であったり、前
述したように構造上どうしても制動装置が大きくなり、
重量が増して、製造コスト増大につながっていた。また
これらエアや粘性流体は負荷の大小や急激な負荷の変
化、あるいは負荷の方向にかかわらず常に一定の制動力
しか得られず、上記開閉機構に適用する衝撃吸収手段と
しては必ずしも最適なものとは言えなかった。
【0005】一方、緩慢な負荷の変化(負荷抵抗がゆっ
くりと徐々にかかる場合)に対しては、極めて柔軟に変
形し、急激な負荷の変化(負荷抵抗が瞬時に一度にかか
る場合)に対しては強い抗力を示し、原形を維持しよう
とする性質を有する素材としてバウンシングパテが知ら
れている。
【0006】しかしながらこのバウンシングパテは自己
保形性が弱く、無負荷時においても重力によって流動し
てしまうため、特定の形状を維持できないこと、自重が
重いこと、比較的高価であること等の難点があり、上記
優れた特性を持ちながら使用されている用途は限られ、
例えば子供用の玩具やレオロジー測定用の研究用教材、
あるいは本出願人の出願に係る特開平4−117903
号「靴における応力緩衝構造」等、極めてわずかな分野
で使用されているに過ぎなかった。
【0007】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景の
認識の下に案出されたものであって、上記バウンシング
パテの特性に着目し、このバウンシングパテを扉や蓋等
の開閉機構に適用することによって極めて簡易な構造で
所望の衝撃吸収力を得るとともに、種々の負荷の変化に
対応し得るようにした新規な制動装置の開発を試みたも
のである。
【0008】
【発明の構成】
【目的達成の手段】すなわち請求項1記載の制動装置
は、扉、蓋等の開閉機構等に設けられ、この開閉機構等
の構成部材である移動部材の急激な移動を抑制する衝撃
吸収用の装置において、前記衝撃吸収用の装置は、衝撃
吸収手段としてバウンシングパテを使用するとともに、
このバウンシングパテとその設置部位との間には接着強
化手段が施されていることを特徴として成るものであ
る。
【0009】また請求項2記載の制動装置は、前記要件
に加え、前記バウンシングパテは剪断方向に力を受ける
ように配置されていることを特徴として成るものであ
る。
【0010】更にまた請求項3記載の制動装置は、前記
請求項2記載の要件に加え、前記バウンシングパテは多
重同芯状に組み合わされる回動ヒンジの構成部材間に充
填されることにより配置されていることを特徴として成
るものである。
【0011】更にまた請求項4記載の制動装置は、前記
要件に加え、前記接着強化手段はプライマー、接着剤等
による化学的接着強化手段と、前記バウンシングパテの
設置部位に凹凸を設けることによる機械的接着強化手段
との双方またはこれらのいずれか一方を具えることによ
り構成されていることを特徴として成るものである。
【0012】更にまた請求項5記載の制動装置は、前記
要件に加え、前記衝撃吸収手段はバウンシングパテと他
の弾性部材とを組み合わせることによって構成されてい
ることを特徴として成るものである。
【0013】更にまた請求項6記載の制動装置は、前記
要件に加え、前記開閉機構等における衝撃吸収用の装置
または他の部位には制動方向を規制するワンウェイ可動
機構が設けられていることを特徴として成るものであ
る。
【0014】更にまた請求項7記載の制動装置は、前記
要件に加え、前記バウンシングパテ中には有弾性微小中
空球体が含有されていることを特徴として成るものであ
る。そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段とし
て前記目的を達成しようとするものである。
【0015】
【発明の作用】すなわち請求項1記載の制動装置は、開
閉機構等に設けられる衝撃吸収手段としてバウンシング
パテを使用するとともに、このバウンシングパテとその
設置部位との間には接着強化手段が施されているという
構成をとる。これによりバウンシングパテの特性が充分
に生かされ、扉や蓋等をゆっくり開閉した場合には、制
動力は低く、さほどの抵抗を受けることもなく、開閉動
することが可能となり、一方、扉や蓋等を急激に開閉し
た場合には高い制動力を受けるため、開閉部材(移動部
材)であるこれら扉や蓋等がこれらの支持部材である基
材に対し激しく衝突することもない。
【0016】また請求項2記載の制動装置は、バウンシ
ングパテを剪断方向に力がかかるように配置するという
構成をとる。これにより主に圧縮方向の力に対してのみ
高い衝撃吸収力を有するエアや粘性流体では対応できな
かった剪断方向の力に対しても負荷の方向によることの
ないバウンシングパテの作用により、高い衝撃吸収力を
得ることが可能となる。
【0017】更にまた請求項3記載の制動装置は、バウ
ンシングパテを多重同芯状に組み合わされる回動ヒンジ
の構成部材間に充填し、配置するという構成をとる。こ
れにより衝撃吸収手段としてのバウンシングパテが開閉
部材外部に現れることなく、当該開閉部材の外観を害す
ることもない。また回動によって生ずる捩れに伴う剪断
力の抑制作用も得られるようになる。
【0018】更にまた請求項4記載の制動装置は、前記
接着強化手段を化学的接着強化手段と機械的接着強化手
段との双方またはこれらのいずれか一方を具えることに
より構成している。これによりバウンシングパテとその
設置部位との接合がより強固となってバウンシングパテ
の特性が充分に発揮されるようになる。
【0019】更にまた請求項5記載の制動装置は、衝撃
吸収手段をバウンシングパテと他の弾性部材とを組み合
わせることによって構成している。これにより更に衝撃
吸収力を向上させたり、バウンシングパテの欠点である
自己保形性に劣る点を補完したりすることが可能とな
る。
【0020】更にまた請求項6記載の制動装置は、開閉
機構等における衝撃吸収用の装置または他の部位に制動
方向を規制するワンウェイ可動機構を設けるという構成
をとる。これにより例えば洋式の水洗便器の蓋やピアノ
の蓋等、閉蓋時に特に高い制動力を得たい場合にあって
は、閉蓋時のみ衝撃吸収手段が作用するようにワンウェ
イ可動機構を配置すればよく、このようにすれば開蓋時
にはそれほどないしは何の抵抗を受けることなく、上記
便器の蓋やピアノの蓋を開くことができ、一方、閉蓋時
には高い制動力が作用して上記便器の蓋やピアノの蓋が
激しく閉まることもない。
【0021】更にまた請求項7記載の制動装置は、バウ
ンシングパテ中に有弾性微小中空球体を含有させるとい
う構成をとる。これにより上記特性を有するバウンシン
グパテに更に自己保形性が付与され、バウンシングパテ
の配置態様の自由度が更に向上する。
【0022】
【実施例】以下本発明の制動装置について図面に基づい
て具体的に説明する。本発明の制動装置は、洋式の水洗
便器の便座と蓋との閉鎖時の制動、ドア、扉等の建具類
の制動、あるいはこれら建具類のカテゴリーに含まれな
いサッシや窓枠等の制動(例えばビルの排煙装置におけ
る横滑出窓のダンパ等)、ピアノや家具類の蓋の制動、
その他各種回転部、回動部、摺動部に付設されるダン
パ、ショックアブソーバ、シリンダ等の代用として広く
使用される。
【0023】そして以下の説明にあっては、支持部材で
ある基材2と、開閉部材3(特許請求の範囲で言うとこ
ろの移動部材に相当する)との間に設けられ、前記開閉
部材3を基材2に対して回動自在に接続する回動ヒンジ
4を適用対象にとり、この回動ヒンジ4に対して適用す
る制動装置1を例にとって説明する。まず本発明の制動
装置1は衝撃吸収手段10としてバウンシングパテPを
使用したことを特徴とする。そこで本発明の制動装置1
並びにこれを含む回動ヒンジ4の説明に先立って、まず
バウンシングパテPについて触れておくことにする。
【0024】本発明におけるバウンシングパテ(bou
ncing putty)Pとは、緩慢な負荷の変化に
は極めて柔軟に変形するが、急激な負荷の変化には強い
抗力を示して高い弾性ないしは剛性に近い性質を有する
変形自在なパテ状物質の総称をいうものであって、例え
ば米国特許第2541851号等に開示されるものを包
含するものである。
【0025】このものの構造は疎水性のメチル基等を有
し、その大部分が架橋しているシリコーンの網状組織
と、ホウ素混合物の粘着性液体反応性生産物及びメチル
シリコーン等から成る組織との二層構造を有する。そし
て親水性反応生成物は、架橋したシリコーンの隙間に層
を作っている。またこのものの特有な性質は親水性と疎
水性の基が平衡状態にあり、加えてこれら両基の間での
摩擦が大きいことに起因すると考えられる。
【0026】すなわちこのものを例えば比較的硬い面の
上に落下させたときには、親水性の基と疎水性の基との
間の摩擦力が大きく働く結果、各分子が滑ることがない
ため、弾力性のある固体のような性質を示し、更にハン
マーで打つなどの鋭い衝撃下では一種の剛性に近い性質
を示すのである。その一方、徐々に圧力がかかると、摩
擦力に勝ってホウ素成分が網状組織の網目の間を流れ出
ることができるため、極めて柔軟に変形するのである。
【0027】バウンシングパテPの成分の一例について
示すと以下のようになる。 ホウ素含有シロキサン 50〜80% 顔料+二酸化ケイ素 10〜30% ジオルガノポリシロキサン 0〜15% 高級脂肪酸 他 1% またバウンシングパテは、オルガノポリシロキサンをホ
ウ素の混合物で処理することによって得られ、熱や触媒
のいずれか一方または双方を適宜与えることによって連
続的に得られる。ここでホウ素の混合物はピロホウ酸、
無水ホウ酸、ホウ酸、エチルホウ酸塩、その他ホウ酸エ
ステル等を含むが、製品に望まれる特質によって特定の
ホウ素混合物を選択できる。
【0028】以下バウンシングパテPの製法の一例を示
す。なお製法中使用されるオルガノポリシロキサンは、
油性のメチルシロキサンであり、このものはほぼ純粋な
ジメチルシリコーンハロゲン化合物の加水分解等によっ
て得られ、その構造は端部が(CH3 3 SiO0.5
中間部が(CH3 2 SiOによって表されるものであ
る。
【0029】まずジメチルシリコーンオイル75部(重
量部を表す。以下同じ)とピロホウ酸10部とを混合
し、この混合物を150℃で2時間オーブンで加熱す
る。加熱の終わり頃には混合物はある程度弾力性のある
ゲルになる。このゲル45部に対して90部のリトポン
(白色顔料)と0.9部の過酸化ベンゾイルとを固まり
になるまで混ぜ合わせるとともに、このものに更に45
部のジメチルシリコーンオイルと0.9部の過酸化ベン
ゾイルを加えて更に固まり状にする。
【0030】固まったものを100℃〜150℃でオー
ブンで2時間加熱する。このようにして出来上がったも
のを手の指でこねることによりパテ状になり高い粘着性
と反発力とを有するようになる。なお加水分解できるア
ルキルホウ酸塩または同量の触媒を使うとメチルシリコ
ーンオイル中にホウ素混合物を分散させる場合に便利で
ある。
【0031】なおホウ素混合物の量や触媒量、更には加
熱時間等を変えることによって、親水性と疎水性との成
分割合が変化するので、その結果、衝撃吸収手段として
のバウンシングパテPの弾力性と柔軟性とをコントロー
ルすることができるようになる。またグリセリンやオレ
イン酸等の親水性や疎水性の物質を追加することによっ
ても、その弾力性や柔軟性を調整することができる。
【0032】またこのようなバウンシングパテPは、も
ちろんそれ自体単独で使用することも可能であるが、こ
のようなバウンシングパテPに対し、以下述べるような
いわゆるフィラーを添加することも可能である。このよ
うなフィラーは適当な嵩を有し、バウンシングパテPと
一体的(バウンシングパテP中に分散され、なお且つ分
離しない)となれれば、充実体でも弾性がなくともフレ
ーク状等、適宜な形状でもよいが、以下述べるような有
弾性微小中空球体が好適である。次にこのようなバウン
シングパテPに含有させることができる有弾性微小中空
球体について説明する。ここで言う有弾性微小中空球体
は、例えばスウェーデン、エクスパンセル社が開発した
エクスパンセル(登録商標)、松本油脂製薬株式会社製
造のマツモトマイクロスフェアー(登録商標)に代表さ
れる粉体である。エクスパンセルは1980年より製造
されたビニリデンクロライドとアクリロニトリルとのコ
ポリマーを殻とし、膨張材としてイソブタンを内包、カ
プセル化して作られた有機系の微小中空球体である。
【0033】エクスパンセルには未膨張(未発泡)のも
のと、膨張済み(発泡済み)のものとがあるが、膨張済
みのものは平均粒度40μm、粒径範囲10〜100μ
mであり、未膨張のものが平均粒度10μm、粒径範囲
5〜30μmであるのと比較して大きく、且つ膨張済み
のものは緩衝性に優れている。
【0034】またエクスパンセルは、殻壁が0.1μm
程度で弾性があるので、荷重がかかると圧縮されるが、
荷重をかけるのをやめると元に戻る性質を有するため、
このものをバウンシングパテPに混入すると耐衝撃性や
緩衝性が高まるのである。なおエクスパンセルは球体で
あるため他の充填材よりはるかに優れた応力分布が得ら
れる。
【0035】またマツモトマイクロスフェアーは、大き
く塩化ビニリデン共重合物を殻壁として低沸点炭化水素
を内包するものと、低沸点炭化水素を塩化ビニリデンを
含まない殻壁で内包するものとがあり、その中でも粒径
範囲20〜80μmの膨張済み(発泡済み)のF−80
EDが好適である。
【0036】これら有弾性微小中空球体はバウンシング
パテPの調整いかんにもよるが、通常、バウンシングパ
テPを100(重量)部に対し、1〜10部が添加混合
される。なお有弾性微小中空球体をバウンシングパテP
に混入するには混練機等を用いて行う。因みにバウンシ
ングパテPは前述したようにそれ単体では自己保形性が
弱く、放置しておくと流動してしまうが、これに有弾性
微小中空球体を混入することにより、自己保形性を有す
るようになる。またバウンシングパテPは、それ自体比
較的比重が大きいが、比重の小さな有弾性微小中空球体
を混入することにより、全体としての重量を小さく設定
できる。
【0037】以下このようなバウンシングパテPを衝撃
吸収手段10として使用した本発明の制動装置1並びに
これを適用した回動ヒンジ4について説明する。まず図
1〜3に示すバウンシングパテPまたはこれに有弾性微
小中空球体を含有させたもののみにより衝撃吸収手段1
0を構成した基本的実施例について説明する。この実施
例にあっては回動ヒンジ4を一端に係止用突起41が形
成される回動コマ42と、この回動コマ42に対して外
嵌めされ、同じく一端に係止用突起41が形成される回
動ケーシング43と、この回動ケーシング43の係止用
突起41が形成されていない端部に対し、係合、螺合、
嵌合(締まり嵌め)あるいは接着、溶着され固定される
固定キャップ44とにより構成している。またこれら回
動ヒンジ4を構成する各構成部材の材質としては真鍮、
ステンレス、アルミ等の金属あるいは機械的強度の高い
各種の工業用プラスチックや他の合成樹脂、合成ゴム等
が採用できる。更に前記回動ケーシング43と固定キャ
ップ44との接続部等の気密性が不充分で、充填される
バウンシングパテPの流出のおそれがあるときには、例
えばOリング等の簡易なシール機構を付設することも可
能である。
【0038】そして固定キャップ44には、前記回動コ
マ42における係止用突起41の突出を許容する突起受
入口45が設けられるとともに、回動コマ42における
前記回動ケーシング43との摺接面の一部は凹陥形成さ
れ、本発明の特徴的構成であるバウンシングパテPの充
填空間Sが形成されている。そしてこの充填空間Sにバ
ウンシングパテPを充填し、その設置部位である回動コ
マ42及び回動ケーシング43の各々の摺接面に強固に
接着し、固定を図れば本発明の制動装置1を具える回動
ヒンジ4が形成される。
【0039】なおここで述べた「強固に接着」とは、請
求項1において記載した接着強化手段を意味するもので
あり、その一例としてプライマー、接着剤等による化学
的接着強化手段が採用できる。なおこの接着強化手段
は、バウンシングパテPが回動コマ42及び回動ケーシ
ング43に対し何らの規制も受けずに回転してしまい、
本来の作用を発揮し得ない状態となることを防止するた
めにとられる手段である。このために例えば前記化学的
接着強化手段を採用し、回動コマ42あるいは回動ケー
シング43との材質の関係で、例えば金属とシリコーン
(バウンシングパテP)、ポリカーボネート等の硬質樹
脂とシリコーン(バウンシングパテP)といったそれぞ
れの接合に好適なプライマー、接着剤を塗布した後、バ
ウンシングパテPを充填することが望ましい。具体的に
は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のプライ
マーA〜Dや、東芝シリコーン株式会社のFC10α、
β等が使用できる。
【0040】また上記充填空間Sは上述のように回動コ
マ42の外周の摺接面の一部を凹陥させて形成するほ
か、回動ケーシング43の内周面の一部を凹陥させるこ
とにより形成することも可能であるし、回動コマ42と
回動ケーシング43との両方を凹陥させることにより充
填空間Sを形成するようにすることも可能である。更に
回動コマ42及び回動ケーシング43の摺接面を凹陥す
るにあたっては、その凹陥面の表面粗さを粗く形成した
り、軸方向に溝やヒダを入れてバウンシングパテPの設
置部位に凹凸を設ける等の機械的接着強化手段を併用す
ることが望ましい。因みに軸方向に溝やヒダを入れた場
合には、これら溝やヒダに対しバウンシングパテPが入
り込み、これが回動コマ42及び回動ケーシング43が
回動する際の抵抗となって、バウンシングパテPのスリ
ップが効果的に防止されるようになるのである。すなわ
ち前記両者の接着強化を補完するように作用するのであ
る。
【0041】更にこのようにして構成される回動ヒンジ
4は、一個のみ使用することも可能であるが、複数個接
続して用いることも可能である。その場合には例えば図
4(a)(b)に示すように前記係止用突起41に代え
て、この係止用突起41に係合する係止用凹部46が回
動コマ42と、回動ケーシング43とのいずれか一方あ
るいは双方に形成された回動ヒンジ4を使用する。因み
に図4(a)に示す接続態様をとった場合には、右側の
回動ヒンジ4の回動ケーシング43を基材2(または開
閉部材3)に固定し、右側の回動ヒンジ4の回動コマ4
2及び左側の回動ヒンジ4の回動ケーシング43を開閉
部材3(または基材2)に固定するようにする。また図
4(b)に示す接続態様をとった場合には、中央の回動
ヒンジ4を基材2(または開閉部材3)に固定し、左側
の回動ヒンジ4の回動ケーシング43及び右側の回動ヒ
ンジ4の回動コマ42を開閉部材3(または基材2)に
固定するようにする。
【0042】そしてこのような回動ヒンジ4を図1に示
すように支持部材である基材2(適用対象がピアノであ
ればピアノ本体に相当する)と、開閉部材3(適用対象
がピアノであればピアノの蓋に相当する)との間に設
け、両者を回動自在に接続した場合には、ゆっくりと開
閉部材3を開閉すれば回動コマ42と回動ケーシング4
3との相対位置の変化に対応してバウンシングパテPは
自由に変形し、一方、開いた状態の開閉部材3から誤っ
て手を離した場合のように急激に開閉部材3が移動しよ
うとする場合には、これに抗してバウンシングパテPは
原形を保とうとする。
【0043】従って開閉部材3を通常の動作で開閉動さ
せる場合にはそれほどの抵抗もなく開閉動させることが
可能であり、しかも上述のように開いた状態の開閉部材
3から誤って手を離した場合のような万一のときには、
開閉部材3の急激な落下が防止されるという相反する二
種類の作用が発揮されるのである。
【0044】次にこのような優れた特性を有する本発明
の制動装置1の配設態様を異ならせた他の実施例につい
て説明する。すなわち前記図1〜3に示す実施例にあっ
ては、バウンシングパテPを剪断方向から力がかかるよ
うに配置したのに対し、図5に示す実施例にあっては、
バウンシングパテPを圧縮(引っ張り)方向と剪断方向
との両方向から力がかかるように配置している。以下こ
の図5に示す実施例について説明する。
【0045】回動ヒンジ4の構成は前記図1〜3に示す
回動ヒンジ4の構成とほぼ同様である。ただしバウンシ
ングパテPを設ける充填空間Sの形成個所が異なり、図
5(a)に示すように回動コマ42における係止用突起
41の形成されていない側の端部を一定深さにわたって
ほぼ半円状あるいは扇形状に凹陥形成し、ここに充填空
間Sを形成している。従ってこの充填空間Sに充填され
るバウンシングパテPは、回動ケーシング43または固
定キャップ44と接着されている外周面周辺において
は、主に剪断方向の応力を受け、回動コマ42との接着
面からは回動コマ42のほぼ全体にわたり、圧縮方向の
あるいは引っ張り方向の応力が作用するのである。
【0046】なおこの図5(a)に示す実施例におい
て、前記図1〜3に示す実施例で設けた個所に充填空間
Sを併せて設けることも可能である。その場合には両者
の充填空間Sを連通させておくことにより、例えば回動
コマ42の外周に設けた充填空間Sからバウンシングパ
テPを充填することも可能である。因みにこのような充
填形態をとった場合のバウンシングパテPの形状は図5
(b)に示すようになる。
【0047】更に以下述べるような配設態様をとること
もできる。すなわち図6に示すように回動ケーシング4
3を横断面形状を例えば正方形とする角管状の部材で構
成し、一方、この回動ケーシング43に内嵌する回動コ
マ42の外周には四方向に爪部42aを設ける構成と
し、更にこれらの間に形成される充填空間Sには前記回
動コマ42における爪部42aと回動ケーシング43内
面の四隅との間に一例として棒状に形成した四本のバウ
ンシングパテPを挿入するという配設態様をとることも
可能である。因みにこのような構成をとる場合には、バ
ウンシングパテPをそのままでは使用できず、例えば両
端をシールした伸縮性のあるチューブ等にバウンシング
パテPを充填して使用することとなる。
【0048】そしてこのような配設態様をとった場合に
は、バウンシングパテPには主に圧縮方向の応力がかか
る。なお前記爪部42aは回動ケーシング43側に設け
ることも可能であるし、爪部42aに代えて前記棒状の
バウンシングパテPと係合する凹陥部を回動コマ42あ
るいは回動ケーシング43に形成するようにすることも
もちろん可能である。更に前記図6に示す実施例にあっ
ては、バウンシングパテPを棒状に形成したものを使用
したが、前記充填空間Sのすべてを満たすようにバウン
シングパテPを配設することも可能である。因みにこの
ような配設態様をとった場合には、前記チューブ等は必
要ない。
【0049】次に衝撃吸収手段10をバウンシングパテ
Pと他の弾性部材Eとを組み合わせることによって構成
した実施例について説明する。すなわち図7に示すもの
は回動ヒンジ4それ自体を他の弾性部材Eであるウレタ
ンゴムにより形成した実施例であり、この他の弾性部材
Eの外周面に対し一定肉厚のバウンシングパテPの層を
形成したものである。なおここで使用したウレタンゴム
は、ゴムまたはエラストマーの代表例として例示したも
のであって、シリコーンゴムのほか、永久歪みの少ない
比較的堅固な弾性体であれば種々の材料を使用できる。
【0050】またこのように回動ヒンジ4それ自体をウ
レタンゴム等により形成した場合には、開閉部材3の回
動に伴って回動ヒンジ4が捩られ、この捩れに伴って回
動ヒンジ4は軸方向に幾分収縮しようとする。そこでこ
の性質を開閉部材3の制動に利用したものが図8に示す
実施例である。すなわち図8に示す実施例にあっては、
ウレタンゴム等により形成される回動ヒンジ4の両端部
の径をその中間部の径より幾分大きくして段差状に形成
するとともに、その外部を覆うように内周面に内フラン
ジ状のリブ47を形成した保護カバー48を設けるとい
う構成をとる。因みにこのような構成をとった場合に
は、回動ヒンジ4の捩れに伴って生ずる軸方向の収縮に
より、前記回動ヒンジ4の両端部の段差部4aが保護カ
バー48におけるリブ47に摺擦し、これにより生ずる
摩擦力が前記他の弾性部材Eの外周に配設されるバウン
シングパテPと相まって制動に利用できるようになるの
である。
【0051】更に図9に示す実施例は、板バネを他の弾
性部材Eとして採用したものであり、矩形平板状の複数
枚の板バネの間にバウンシングパテPを接着し、更にそ
の両端を保持ブロック49により固定するようにしたも
のである。なお保持ブロック49の固定手段としては図
示のようにビスにより固定するほか、接着剤により固定
する等、種々の固定手段が採用できる。更に図10に示
すように回動コマ42と回動ケーシング43とを偏心状
態に設け、その隙間に形成される充填空間Sに対しバウ
ンシングパテPを充填し配置するという構成をとること
も可能である。
【0052】更にまた請求項5において主張するよう
に、本発明の制動装置1またはこれを設ける回動ヒンジ
4内あるいは基材2と開閉部材3との間、あるいはこれ
らの接続部位等に制動方向を規制するワンウェイ可動機
構20を設けることも可能である。まず図11(a)に
示すワンウェイ可動機構20について説明する。このも
のはいわゆるラチェット機構を適用した実施例であり、
一例として回動コマ42を二部材で構成し、これら二部
材の接続部に図のような係合爪51をそれぞれ形成し、
更にこれら二部材が接近方向に付勢するように付勢手段
52を設けたものである。
【0053】因みにこのようなワンウェイ可動機構20
を採用した場合には、前記係合爪51の形状が勾配の急
な部分と勾配の緩い部分とが連続されるように形成され
ており、勾配の急な部分同士が当接する方向に回動コマ
42あるいは回動ケーシング43を回動させた場合には
係合爪51同士の強固な係合により両者は一体に回動す
ることによって大きな制動力が得られ、一方、勾配の緩
い部分同士が当接する方向に回動コマ42あるいは回動
ケーシング43を回動させた場合には、係合爪51は滑
って回動コマ42あるいは回動ケーシング43の一方の
みが回動し、制動力はほとんど働かない。
【0054】また図11(b)に示すようなワンウェイ
可動機構20を適用することも可能である。このものは
回転方向によって半径方向に収縮あるいは拡張するコイ
ルスプリング53を適用した実施例である。すなわち回
動コマ42を一例として図のような二部材を前記コイル
スプリング53によって接続するという構成をとる。な
おこの実施例にあっては、前記図5に示す実施例と同様
にバウンシングパテPを配するという構成をとるが、も
ちろん前記図1〜3に示す実施例と同様、回動コマ42
と回動ケーシング43との間の円筒状の空間に対し、バ
ウンシングパテPを充填するようにすることも可能であ
る。
【0055】因みにこのような構成のワンウェイ可動機
構20を適用した場合には、回動コマ42あるいは回動
ケーシング43を前記コイルスプリング53が半径方向
に収縮する方向に回動させた場合には、コイルスプリン
グ53が前記二部材の接続部位を外側から締め付けるよ
うに作用し、前記二部材を一体のものとして回動させる
ようになる。従ってバウンシングパテPが作動するよう
になって大きな制動力が得られる。一方、コイルスプリ
ング53が半径方向に拡張する方向に回動コマ42ある
いは回動ケーシング43を回動させた場合には、前記二
部材は互いに規制を受けることなく回動するようにな
り、ほとんどコイルスプリング53の弾性力のみによる
制動となる。
【0056】更に図12に示す実施例は、ワンウェイ可
動機構20を適用した実施例ではないが、前記図11
(b)に示す実施例と同様、コイルスプリング53を使
用した実施例であるので、ここで併せて説明しておく。
すなわち前記図11(b)に示す実施例にあってはコイ
ルスプリング53が捩じる方向によって半径方向に収縮
または拡張するという性質を利用してワンウェイ可動機
構20を構成したのに対しコイルスプリング53を単に
他の弾性部材Eとして使用したものである。
【0057】なおこの図12に示す実施例にあっては、
前記図1〜3に示す実施例等において存在していた回動
コマ42を排し、回動ケーシング43と前記固定キャッ
プ44に類した構造の回動キャップ54とを基本部材と
して回動ヒンジ4を構成している。すなわち一端に係止
用突起41が形成されている回動ケーシング43と、同
じく一端に係止用突起41が形成されている回動キャッ
プ54とを遊転状態に嵌合させ、更にこれら両者をコイ
ルスプリング53によって接続するとともに、回動ケー
シング43の外周部を凹陥形成し、これを充填空間Sと
して、ここにバウンシングパテPを充填することによっ
て構成したものである。
【0058】更に図13に示す実施例は本発明の制動装
置1を構成するバウンシングパテPの充填空間Sを利用
してワンウェイ可動機構20を配設したものである。す
なわち図13に示すものは、回動ケーシング43と回動
コマ42との間にバウンシングパテPの充填空間Sを形
成し、なお且つ回動ケーシング43の内周面あるいは回
動コマ42の外周面との間隔が両者の相対位置の変化に
より徐々に変化するように形成する。
【0059】そしてこのような充填空間Sの一部に図の
ようにバウンシングパテPを配置すれば図13の状態を
始発状態として回動コマ42を反時計方向に回転させれ
ば、回動コマ42はバウンシングパテPに当接するまで
(図示の実施例でほぼ90°)は、無負荷の状態であ
り、一方、図13に示す始発状態から回動コマ42を時
計方向に回転させれば、直ちに回動コマ42はバウンシ
ングパテPに当接し、所望の制動作用が得られるように
なるのである。なお上記図13に示す実施例において
は、バウンシングパテP単独では当該形状を維持できず
流動してしまう。そこで実際には当該形状の柔軟性ある
ケーシング部材を用意し、その中にバウンシングパテP
を充填するか、スポンジを当該形状に形成し、このもの
にバウンシングパテPを含浸させる等の手法を講ずる必
要がある。
【0060】更にまた図14に示すような制動装置1を
採用することも可能である。図14に示す実施例は回動
コマ42を係止用突起41を有する係止部55と、この
係止部55に対し回転方向の移動を規制された状態で嵌
合する回動軸56とにより構成するとともに、このよう
にして成る回動コマ42における回動軸56と、回動ケ
ーシング43とに渦巻バネ57の両端を係止させ、更に
回動軸56、回動ケーシング43、係止部55、固定キ
ャップ44とにより区画される空間を充填空間Sとし、
ここにバウンシングパテPを充填して成るものである。
【0061】因みにこのような構成とした場合には、図
14(b)の状態を始発状態として回動軸56を時計方
向に回動させれば渦巻バネ57は巻きほぐされ、拡開方
向に移動するようになる。従ってバウンシングパテPに
は、回動軸56の回動に伴う剪断方向の抗力のほか、渦
巻バネ57の拡開に伴う圧縮及び引っ張り方向の抗力が
かかり、更に渦巻バネ57の収縮方向の抗力が加わって
複合的な制動作用が得られるようになる。一方、図14
(b)の状態を始発状態として回動軸56を反時計方向
に回動させれば渦巻バネ57は巻き締められ、収縮方向
に移動するようになる。この場合にもバウンシングパテ
Pには剪断方向の抗力と圧縮及び引っ張り方向の抗力が
かかり、これに加えて渦巻バネ57の拡開方向の抗力が
作用して複合的な制動作用が得られるようになる。
【0062】
【発明の効果】本発明の制動装置1は以上のように構成
されるわけであるが、このような構成を有することによ
り以下のような効果が発揮される。すなわち請求項1記
載の制動装置は、開閉機構等に設けられる衝撃吸収手段
10としてバウンシングパテPを使用するとともに、こ
のバウンシングパテPとその設置部位との間には接着強
化手段が施されているという構成をとる。これによりバ
ウンシングパテPの特性が充分に生かされ、扉や蓋等を
ゆっくり開閉した場合には、制動力は低く、それほどの
抵抗を受けることもなく、開閉動することが可能とな
り、一方、扉や蓋等を急激に開閉した場合には高い制動
力を受けるため、開閉部材(移動部材)3であるこれら
扉や蓋等がこれらの支持部材である基材2に対し激しく
衝突することもない。
【0063】また請求項2記載の制動装置は、バウンシ
ングパテPを剪断方向に力がかかるように配置するとい
う構成をとる。これにより主に圧縮方向の力に対しての
み高い衝撃吸収力を有するエアや粘性流体では対応でき
なかった剪断方向の力に対しても負荷の方向によること
のないバウンシングパテの作用により、高い衝撃吸収力
を得ることが可能となる。
【0064】更にまた請求項3記載の制動装置は、バウ
ンシングパテPを多重同芯状に組み合わされる回動ヒン
ジ4の構成部材間に充填し、配置するという構成をと
る。これにより衝撃吸収手段10としてのバウンシング
パテPが開閉部材3の外部に現れることなく、当該開閉
部材3の外観を害することもない。また回動によって生
ずる捩れに伴う剪断力の抑制効果も得られるようにな
る。
【0065】更にまた請求項4記載の制動装置は、前記
接着強化手段を化学的接着強化手段と機械的接着強化手
段との双方またはこれらのいずれか一方を具えることに
より構成している。これによりバウンシングパテPとそ
の設置部位との接合がより強固となってバウンシングパ
テPの特性が充分に発揮されるようになる。
【0066】更にまた請求項5記載の制動装置は、衝撃
吸収手段10をバウンシングパテPと他の弾性部材Eと
を組み合わせることによって構成している。これにより
更に衝撃吸収力を向上させたり、バウンシングパテPの
欠点である自己保形性に劣る点を補完したりすることが
可能となる。
【0067】更にまた請求項6記載の制動装置は、開閉
機構等における衝撃吸収用の装置または他の部位に制動
方向を規制するワンウェイ可動機構20を設けるという
構成をとる。これにより例えば洋式の水洗便器の蓋やピ
アノの蓋等、閉蓋時に特に高い制動力を得たい場合にあ
っては、閉蓋時のみ衝撃吸収手段10が作用するように
ワンウェイ可動機構20を配置すればよく、このように
すれば開蓋時にはそれほどないしは何の抵抗を受けるこ
となく、上記便器の蓋やピアノの蓋を開くことができ、
一方、閉蓋時には高い制動力が作用して上記便器の蓋や
ピアノの蓋が激しく閉まることもない。
【0068】更にまた請求項7記載の制動装置は、バウ
ンシングパテP中に有弾性微小中空球体を含有させると
いう構成をとる。これにより上記特性を有するバウンシ
ングパテPに更に自己保形性が付与され、バウンシング
パテPの配置態様の自由度が更に向上する。そしてこの
ような各請求項記載の構成によりもたらされる効果が相
乗的に作用することにより、バウンシングパテPの用途
の拡大を図るとともに、簡易な構造で軽量、小型に製造
でき、しかも所望の衝撃吸収力が得られ、種々の負荷の
方向にも対応できる極めて有用な制動装置1が提供され
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動装置を基材と開閉部材との間に設
けられる回動ヒンジに適用した実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】同上回動ヒンジの分解斜視図である。
【図3】同上縦断側面図並びに固定キャップ側から見た
状態を示す半断面図である。
【図4】回動ヒンジを複数個接続して使用する二種の組
み合わせを示す縦断側面図である。
【図5】本発明の制動装置の配設態様を異ならせた回動
ヒンジの他の実施例を示す分解斜視図並びに更に他の配
設態様をとる場合のバウンシングパテの形状を示す斜視
図である。
【図6】同上更に他の実施例を示す横断面図である。
【図7】衝撃吸収手段をバウンシングパテと他の弾性部
材とを組み合わせることにより構成した実施例を示す透
視斜視図である。
【図8】同上他の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】同上更に他の実施例を示す分解斜視図並びに当
該衝撃吸収手段が捩りを受けた状態を示す斜視図であ
る。
【図10】回動コマと回動ケーシングを偏心状態に配設
した実施例を示す骨格的横断面図である。
【図11】本発明の制動装置にワンウェイ可動機構を設
けた二種の実施例を示す縦断側面図である。
【図12】衝撃吸収手段をバウンシングパテと他の弾性
部材とを組み合わせることにより構成した更に他の実施
例を示す縦断側面図である。
【図13】本発明の制動装置にワンウェイ可動機構を設
けた更に他の実施例を示す骨格的横断面図である。
【図14】本発明の制動装置の更に他の実施例を示す縦
断側面図並びに縦断正面図である。
【符号の説明】
1 制動装置 2 基材 3 開閉部材 4 回動ヒンジ 4a 段差部 10 衝撃吸収手段 20 ワンウェイ可動機構 41 係止用突起 42 回動コマ 42a 爪部 43 回動ケーシング 43a 内周突起部 44 固定キャップ 45 突起受入口 46 係止用凹部 47 リブ 48 保護カバー 49 保持ブロック 51 係合爪 52 付勢手段 53 コイルスプリング 54 回動キャップ 55 係止部 56 回動軸 57 渦巻バネ E 他の弾性部材 P バウンシングパテ S 充填空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉、蓋等の開閉機構等に設けられ、この
    開閉機構等の構成部材である移動部材の急激な移動を抑
    制する衝撃吸収用の装置において、前記衝撃吸収用の装
    置は、衝撃吸収手段としてバウンシングパテを使用する
    とともに、このバウンシングパテとその設置部位との間
    には接着強化手段が施されていることを特徴とする制動
    装置。
  2. 【請求項2】 前記バウンシングパテは剪断方向に力を
    受けるように配置されていることを特徴とする請求項1
    記載の制動装置。
  3. 【請求項3】 前記バウンシングパテは多重同芯状に組
    み合わされる回動ヒンジの構成部材間に充填されること
    により配置されていることを特徴とする請求項2記載の
    制動装置。
  4. 【請求項4】 前記接着強化手段はプライマー、接着剤
    等による化学的接着強化手段と、前記バウンシングパテ
    の設置部位に凹凸を設けることによる機械的接着強化手
    段との双方またはこれらのいずれか一方を具えることに
    より構成されていることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の制動装置。
  5. 【請求項5】 前記衝撃吸収手段はバウンシングパテと
    他の弾性部材とを組み合わせることによって構成されて
    いることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    制動装置。
  6. 【請求項6】 前記開閉機構等における衝撃吸収用の装
    置または他の部位には制動方向を規制するワンウェイ可
    動機構が設けられていることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載の制動装置。
  7. 【請求項7】 前記バウンシングパテ中には有弾性微小
    中空球体が含有されていることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5または6記載の制動装置。
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