JPH08144948A - 気体用圧縮機 - Google Patents

気体用圧縮機

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JPH08144948A
JPH08144948A JP31414494A JP31414494A JPH08144948A JP H08144948 A JPH08144948 A JP H08144948A JP 31414494 A JP31414494 A JP 31414494A JP 31414494 A JP31414494 A JP 31414494A JP H08144948 A JPH08144948 A JP H08144948A
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藤 尚 樹 遠
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地球環境に悪影響を及ぼすことのない水やエ
タノール等を熱媒体とする往復動形の冷凍およびヒート
ポンプサイクル用として適した気体用圧縮機を提供す
る。 【構成】 シリンダ5に回転及び軸方向移動可能に収容
したピストン4に、原動機1により回転駆動される回転
軸を、回転伝達は行うが軸方向移動を可能にして挿通
し、ピストン4の外周面に設けたカム溝7と、シリンダ
5の内面に設けたフォロア8により、ピストン4の回転
に伴ってそのピストンをシリンダ内で往復移動させる。
また、上記原動機1によりピストン4と同期して相対回
転する2枚の円盤10,11に、ピストンが吸入行程に
あるときにシリンダに連通する吸入孔12,13および
ピストンが圧縮行程にあるときに連通する吐出孔14,
15を設け、吸入弁及び吐出弁を持つロータリーバルブ
3を構成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低圧蒸気や気体を効率
良く圧縮する圧縮機に関するものであり、特に、圧縮式
冷凍サイクルや圧縮式ヒートポンプサイクルに適用し、
冷凍、空調、さらには、産業用ヒートポンプ等に利用す
るのに適した圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機およびヒートポンプには、
フロン類などの蒸発温度に対する蒸発圧力が高い熱媒体
が用いられてきた。これらの熱媒体の使用が冷凍機及び
ヒートポンプに適する理由は、第1に、蒸発圧力が高い
と、一定の熱出力に対し、吸入容積を小さくすることが
でき、圧縮機の寸法を小さくできるためである。その第
2は、熱媒体の凝縮圧力に到達したときの温度は、凝縮
温度に対して通常高くなるが、この温度差を小さくでき
るためである。第3には、体積効率が高いことがあげら
れる。ここで、体積効率とは、例えば往復動形の圧縮機
の場合、吸入行程開始後、シリンダ内の死空間に残留し
た気体が蒸発圧力に達する点まで膨張し、その後、実際
の吸入が行われるので、この膨張点での圧縮空間の容積
と、実際の吸入が行われて最大になったときの圧縮空間
の容積との差を実際の吸入容積Vr とし、ピストン行程
容積をVthとすると、Vr /Vthで表されるものであ
る。
【0003】しかしながら、近年のオゾン層保護の動き
から、塩素を含むフロンは、やがて製造中止になる予定
である。さらに、フロンHFC134aのように、塩素
を全く含まないフロンについてさえも、地球温暖化に強
く影響することから、ヨーロッパを中心とする規制の動
きがある。従来の往復型圧縮機の技術をそのまま、ある
いは若干の改良を加えると使用できると予想される熱媒
体の中には、アンモニア、炭化水素等があるが、これら
は毒性および爆発性を有し、その使用に際しては問題点
が多い。
【0004】このような問題点に対処するため、地球環
境保護を念頭において、水やエタノール等の自然冷媒、
あるいは自然に存在する物質にごく近いものを熱媒体と
して使用することが考えられる。しかるに、これらの物
質を熱媒体として使用するときには、まず、圧縮機のコ
ンパクト化を図らなければならない。例えば、JISに
基づく温度条件のもとで冷房を必要とするとき、圧縮機
の容積を蒸気線図より求めると、熱媒体として水を使用
する場合には、フロンHFC134aを用いる場合に比
して150〜200倍の容積が必要とされる。これは、
吸入における質量あたりの体積、すなわち比容積が、水
の場合には、フロンHFC134aに比べて極端に小さ
いためである。
【0005】この欠点を補うためには、圧縮機を高速駆
動すれば、圧縮機の容積を、ある程度小型化することが
できる。また、その小型化に際しては、圧縮機容積を、
吸入および圧縮に無駄なく利用するため、体積効率を向
上させることが非常に重要である。体積効率を向上させ
るための方策としては、第1に、吸入弁及び吐出弁を正
確に作動させることが必要である。第2に、圧縮行程中
に冷却を行い、吐出温度が必要以上に高くならないよう
にすることである。吐出温度を低くすることができれ
ば、圧縮動力を小さくすることができ、また、死空間に
残留する気体の膨張後の体積を小さくすることができ
る。第3に、死容積をできるだけ減らすことが必要であ
る。この死容積を減らすことは、直接、体積効率向上に
つながることになる。したがって、圧縮機を高速駆動可
能にし、上述のように体積効率の向上を図ることができ
れば、熱媒体に水やエタノール等の自然冷媒を使用する
ことが可能となる。
【0006】また、冷凍またはヒートポンプサイクル用
として用いる気体用圧縮機においては、圧縮行程中に凝
縮器からの高圧の気体または液体を導入して、吐出温度
を下げ、圧縮動力を減らす方法が、スクリュー式圧縮機
で実現されており、エコノマイザーと呼ばれているが、
往復動形圧縮機では、バルブ制御が困難なため、実用例
は少ない。このエコノマイザーも、その機能が十分発揮
されるように設置できれば、熱媒体に対する圧縮動力を
軽減し、体積効率の向上を図る方策としては極めて有効
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題を解決するためになされたもので、その技術的課題
は、地球環境に悪影響を及ぼすことのない水やエタノー
ル等の自然に存在する物質を熱媒体とし、特に、圧縮式
冷凍サイクルや圧縮式ヒートポンプサイクルに適用し、
冷凍、空調、さらには、産業用ヒートポンプ等に利用す
るのに適した往復動形の気体用圧縮機を提供することに
ある。また、本発明の技術的課題は、上記冷凍サイクル
やヒートポンプサイクル用蒸気圧縮機として適している
が、他の任意の気体、例えば、空気、窒素、二酸化炭素
などの気体用圧縮機としての利用にも適した気体用圧縮
機を提供することにある。
【0008】本発明の他の技術的課題は、原動機の回転
により駆動される往復動形圧縮機にそれと同期駆動され
るロータリーバルブを使用し、圧縮機が高速駆動されて
も、正確なバルブ開閉機能を発揮させて、体積効率の向
上を図ることができるようにした気体用圧縮機を提供す
ることにある。本発明の他の技術的課題は、往復動形圧
縮機のロータリーバルブを通して、ピストンの圧縮行程
の初期に油をシリンダ内の死空間に導き、体積効率の向
上を図れるようにした気体用圧縮機を提供することにあ
る。また、本発明の他の技術的課題は、冷凍またはヒー
トポンプサイクル用として用いる往復動形圧縮機におい
て、ピストンの圧縮行程にそれらの凝縮器からの気体を
シリンダ内に導くエコノマイザーを構成し、圧縮動力の
軽減および体積効率の向上を図れるようにした圧縮機を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の気体用圧縮機は、シリンダに回転及び軸方向
移動可能に収容したピストンに、原動機により回転駆動
される回転軸を、回転伝達は行うが軸方向移動を可能に
して挿通するとともに、上記シリンダの内面とピストン
の外周面の一方に設けたカム溝とその他方に設けられて
上記カム溝に嵌入するフォロアにより、ピストンの一方
向への回転に伴ってそのピストンをシリンダ内で往復移
動させる往復動機構を構成し、上記原動機によりピスト
ンと同期して互いに密接して相対回転運動する2枚の円
盤に、上記ピストンが吸入行程にあるときにシリンダに
連通する吸入孔及び上記ピストンが圧縮行程にあるとき
にシリンダに連通する吐出孔を設けることにより、吸入
弁及び吐出弁を持つロータリーバルブを構成させたこと
を特徴とするものである。
【0010】上記気体用圧縮機は、ロータリーバルブを
構成する円盤に、圧縮行程の初期においてシリンダ内の
死空間に導く油を流入させるための油流入孔を設けたも
のとすることができる。また、冷凍またはヒートポンプ
サイクル用として用いる上記気体用圧縮機においては、
ロータリーバルブを構成する円盤に、圧縮行程中に上記
冷凍またはヒートポンプサイクルのための凝縮器からの
気体をシリンダ内に導くエコノマイザ用孔を設けること
ができる。
【0011】
【作用】原動機によるピストンの一方向への回転駆動に
伴って、シリンダの内面とピストンの外周面にそれぞれ
設けたカム溝とそれに嵌入するフォロアとにより、その
ピストンがシリンダ内で軸線方向に往復移動し、このピ
ストンによりシリンダ内へ気体状の熱媒体が吸引、吐出
される。また、上記原動機がピストンと同期してロータ
リーバルブを回転駆動するため、ピストンの吸入行程に
おいてロータリーバルブの円盤の吸入孔が連通して、気
体が外部からシリンダ内に吸入され、上記ピストンが圧
縮行程にあるときに、上記ロータリーバルブの吐出孔が
連通して、ピストンによりシリンダから圧縮気体が吐出
される。
【0012】上記圧縮機を冷凍またはヒートポンプサイ
クル用として用いる場合には、熱媒体である気体が上記
圧縮行程において高温高圧の状態になり、圧縮行程の完
了時点にロータリーバルブの吐出孔同士が連通し、熱媒
体がこの吐出孔から吐出される。このような往復動形圧
縮機を用いてそれを高速駆動すると、前記構成により圧
縮機が小型化されているため、冷凍またはヒートポンプ
サイクルに水やエタノール等を熱媒体に使用することが
可能になり、しかも、ロータリーバルブを使用して、高
速駆動時においても吸入孔および吐出孔に正確なバルブ
開閉機能を発揮させることができる。
【0013】また、上記ピストンの圧縮行程における適
切な時期に、ロータリーバルブに設けたエコノマイザ用
孔を通して凝縮器から低温の熱媒体の一部をシリンダ内
に導入すると、エコノマイザシステムが形成されるため
に、圧縮動力の軽減および体積効率の向上を図ることが
できる。更に、ピストンの圧縮行程の初期に、ロータリ
ーバルブに設けた油吸入孔を通してシリンダ内の死空間
に導く油を導入すると、往復動形圧縮機における体積効
率の向上を図ることができる。
【0014】
【実施例】図面は、本発明に係る気体用圧縮機の実施例
の構成を示している。この気体用圧縮機は、それを冷凍
またはヒートポンプサイクル用として用いる場合に適
し、その場合には、水やエタノール等の自然冷媒、ある
いは自然に存在する物質にごく近いものを熱媒体とし、
圧縮機全体を比較的小型に形成できるものである。すな
わち、蒸気圧力が低いためにこれまで使用が困難であっ
た上記熱媒体の使用を可能にするものである。しかしな
がら、この気体用圧縮機は、他の任意の気体、例えば、
空気、窒素、二酸化炭素などの気体用圧縮機として利用
することができるものである。
【0015】この圧縮機は、原動機1と、その原動機1
に連結して設けられたシリンダ装置2と、このシリンダ
装置2に付設されたロータリーバルブ3とを備えてい
る。上記原動機1は、内燃機関、電気モータ等の回転駆
動される出力軸を有するものであればよい。また、上記
シリンダ装置2においては、シリンダ5内に回転及び軸
方向移動可能にピストン4を収容し、原動機1により回
転駆動される回転軸6の周面にはスプラインを設け、こ
の回転軸6を、ピストン4の中心において、ピストン4
に対してスプラインを通じて回転伝達は行うが軸方向移
動を可能にして挿通している。なお、ここでは、原動機
1の出力軸をそのままピストンを回転駆動するための回
転軸として用いているが、中間に動力伝達装置を介在さ
せることもできる。
【0016】上記ピストン4の外周面には、環状で軸方
向に変動のあるカム溝7を設け、一方、シリンダ5の内
面には上記カム溝7に嵌入するフォロア8を設け、これ
らによって往復動機構を構成させている。したがって、
原動機1によるピストン4の一方向への回転に伴って、
そのピストン4をシリンダ5内で往復移動させることが
できる。また、上記ピストン4は、シリンダ5の内面と
の間のシール性能の向上のために、軸方向両端にラビリ
ンス(図示省略)を設けている。このラビリンスは、ピ
ストン4が摺動運動する場合に設けられるのが一般的で
あるが、上述のように、ピストン4が回転運動をも伴う
場合にラビリンスを設けると、シール面の軸方向長さを
長くするのと等価な効果を有し、流体力学的に、ラビリ
ンスによるシール効果を高めることができる。
【0017】図面ではロータリーバルブ3が、シリンダ
装置2における原動機1とは反対側の端部に配設され、
ピストン4は、シリンダ5内におけるロータリーバルブ
3側と原動機1側との間において、死空間をできるだけ
少なくして、摺動可能に配設されている。なお、ピスト
ン4の両側にロータリーバルブ3を設け、ピストンの両
側を圧縮に利用することが可能である。このロータリー
バルブ3は、原動機1により、ピストン4と同期して互
いに密接して相対回転運動する2枚の円盤10,11に
よって構成され、それらの円盤10,11に、上記ピス
トン4が吸入行程にあるときにシリンダ5内に連通する
吸入孔12,13を備えるとともに、上記ピストン4が
圧縮行程にあるとき又はその終期にシリンダ5に連通す
る吐出孔14,15を備え、これらによって、吸入弁及
び吐出弁を持つロータリーバルブ3を構成させている。
そして、円盤10,11において互いに連通する孔は、
同一の円周上に円弧状に配置され、相互に連通しない穴
は、異なる円周上に円弧状に配置されている。
【0018】この実施例では、一方の円盤10をシリン
ダ5に固定したものとし、他方の円盤11をピストン4
の回転軸6に連結したものとしているため、原動機1の
回転駆動によりピストン4およびロータリーバルブ3が
直接的に同期駆動されるが、原動機1の出力軸と同心の
軸で、他の動力伝達機構を介して同期駆動することもで
き、それによって両円盤10,11に相対的な速度差が
生じるように同期回転させればよい。この場合に、両方
の円盤10,11を反対方向に回転させてもよいし、両
方を同方向に、しかし、回転速度を変えて回転させても
よい。
【0019】また、このロータリーバルブ3における円
盤10,11には、上記吸入孔12,13および吐出孔
14,15の他に、圧縮行程の初期においてシリンダ5
内の死空間に導く油を流入させるための、図示しない潤
滑油槽に連通させた油流入孔16,17を設けることが
できる。さらに、この圧縮機を冷凍またはヒートポンプ
サイクル用として用いる場合には、上記円盤10,11
に、圧縮行程中に上記冷凍またはヒートポンプサイクル
のための凝縮器からの気体をシリンダ内に導くエコノマ
イザ用孔18,19を設けることができる。
【0020】両円盤10,11には、上記吸入孔12,
13、吐出孔14,15、油流入孔16,17およびエ
コノマイザ用孔18,19をそれぞれ独立に設けること
ができるが、一方の円盤10または11に設ける孔に、
上記複数の孔としての機能を持たせることもできる。上
記吸入孔12,13、吐出孔14,15、油流入孔1
6,17およびエコノマイザ用孔18,19は、円盤1
0,11の回転に伴って、それらが位相を異にする位置
で重なり合うときにその機能を果たすものであり、その
ため、それらの孔の開閉のタイミングを考慮して両円盤
10,11における適切な位置に各孔を開設する必要が
ある。
【0021】次に、上記圧縮機の動作を説明する。原動
機1によるピストン4の一方向への回転駆動に伴って、
ピストン4の外周面に設けたカム溝7と、シリンダ5の
内面に設けたフォロア8の作用により、ピストン4がシ
リンダ5内を上死点位置と下死点位置との間で回転しな
がら軸線方向に往復移動し、このピストン4によりシリ
ンダ5内へ熱媒体等の気体が吸引、吐出される。また、
上記原動機1がピストン4と同期してロータリーバルブ
3を回転駆動するため、ピストン4の吸入行程において
ロータリーバルブ3の円盤10,11の吸入孔12,1
3が連通して、気体が外部からシリンダ5内に吸入さ
れ、上記ピストン4が圧縮行程にあるときに、上記ロー
タリーバルブ3の吐出孔14,15が連通して、ピスト
ン4によりシリンダ5から圧縮気体が吐出される。
【0022】具体的には、ピストン4が上死点位置に達
したところから、気体のシリンダ5内への吸入が開始さ
れる。即ち、この時点から両円盤10,11の吸入孔1
2,13同士が重なって導通し、ピストン4の移動に伴
って気体がシリンダ5内に吸入される。ピストン4は、
この吸入行程が完了する時点で下死点位置に達し、次
に、下死点位置から上死点位置に向かって摺動するとき
に気体が圧縮される。上記圧縮機を冷凍またはヒートポ
ンプサイクル用として用いる場合には、熱媒体である気
体が上記圧縮行程において高温高圧の状態になり、圧縮
行程の完了時点にロータリーバルブ3の吐出孔14,1
5同士が重なって連通し、熱媒体がこれらの吐出孔1
4,15から吐出される。このような往復動形圧縮機を
用いてそれを高速駆動すると、前記構成により圧縮機が
小型化され、しかもロータリーバルブ3により吸入弁及
び吐出弁が確実に動作するので、冷凍またはヒートポン
プサイクルに水やエタノール等を熱媒体に使用すること
が可能になる。
【0023】また、上記ピストンの圧縮行程における適
切な時期に、ロータリーバルブ3に設けたエコノマイザ
用孔18,19を通して凝縮器から低温の熱媒体の一部
をシリンダ5内に導入すると、エコノマイザシステムが
形成されるために、圧縮動力の軽減および体積効率の向
上を図ることができる。さらに、ピストンの圧縮行程の
初期に、ロータリーバルブ3に設けた油流入孔16,1
7を通してシリンダ5内の死空間に導く油を導入する
と、往復動形圧縮機における体積効率の向上を図ること
ができる。容積形圧縮機において、この死容積を油を用
いて低減する方法は、従来、吸入時に油を吸入すること
により行われ、吸入容積の減少を招いてきたが、上記ロ
ータリーバルブにより油の注入時期を適切に設定し、そ
の欠点を解消することができる。
【0024】さらに、圧縮行程の初期段階では、回転円
盤10,11の油流入孔16,17が連通して潤滑油槽
から油をシリンダ5内に導き、圧縮行程終了寸前に、吐
出孔14,15からシリンダ内の死空間に溜った油以外
の余剰の油を吐出させ、それによって吸入行程開始後の
死空間に残留した熱媒体の体積膨張を小さくできるの
で、体積効率の向上を図ることができる。
【0025】ロータリーバルブ3を、上述のようにピス
トン4と同期して回転させることにより、吸入孔12,
13および吐出孔14,15、油流入孔16,17およ
びエコノマイザ用孔18,19は、ピストン4の回転に
同期して開閉時期が極めて正確なバルブ開閉機能を発揮
し、ピストン4の回転の増加に伴うバルブ開閉時期の時
間的遅れ等を生じることはなく、高速駆動時においても
吸入孔12,13および吐出孔14,15等に正確なバ
ルブ開閉機能を発揮させることができ、体積効率向上の
大きな要因となる。
【0026】
【発明の効果】以上に説明した本発明による効果を列挙
すると、以下の通りである。 (1) 往復動形の圧縮機において、ピストンと同期回
転するロータリーバルブの使用により、たとえ圧縮機が
高速駆動されても、弁の開閉を正確にすることができ、
体積効率向上を図ることができる。 (2) 往復動形の圧縮機に簡便なエコノマイザ装置を
設けることにより、体積効率の向上と圧縮動力の低減を
図ることができる。 (3) ピストンの圧縮行程中の初期におけるシリンダ
内への潤滑油の導入により、従来のように熱媒体の吸入
とともに導入する場合に比して、体積効率の向上を図る
ことができる。 (4) 本発明の圧縮機は、蒸気圧力が低いために利用
が困難であった熱媒体の使用を可能とする。すなわち、
水やエタノールなどの、地球環境に悪影響を与えない熱
媒体を使用することができ、冷凍機およびヒートポンプ
システムに圧縮機として好ましい構成を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体用圧縮機の実施例を、シリン
ダを除去した状態において示す斜視図である。
【図2】本発明に係る気体用圧縮機の実施例の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 原動機 3 ロータリーバルブ 4 ピストン 5 シリンダ 6 回転軸 7 カム溝 8 フォロア 10,11 円盤 12,13 吸入孔 14,15 吐出孔 16,17 油流入孔 18,19 エコノマイザ用孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダに回転及び軸方向移動可能に収容
    したピストンに、原動機により回転駆動される回転軸
    を、回転伝達は行うが軸方向移動を可能にして挿通する
    とともに、上記シリンダの内面とピストンの外周面の一
    方に設けたカム溝とその他方に設けられて上記カム溝に
    嵌入するフォロアにより、ピストンの一方向への回転に
    伴ってそのピストンをシリンダ内で往復移動させる往復
    動機構を構成し、 上記原動機によりピストンと同期して互いに密接して相
    対回転運動する2枚の円盤に、上記ピストンが吸入行程
    にあるときにシリンダに連通する吸入孔及び上記ピスト
    ンが圧縮行程にあるときにシリンダに連通する吐出孔を
    設けることにより、吸入弁及び吐出弁を持つロータリー
    バルブを構成させた、ことを特徴とする気体用圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の気体用圧縮機において、 ロータリーバルブを構成する円盤に、圧縮行程の初期に
    おいてシリンダ内の死空間に導く油を流入させるための
    油流入孔を設けた、ことを特徴とする気体用圧縮機。
  3. 【請求項3】冷凍またはヒートポンプサイクル用として
    用いる気体用圧縮機において、 ロータリーバルブを構成する円盤に、圧縮行程中に上記
    冷凍またはヒートポンプサイクルのための凝縮器からの
    気体をシリンダ内に導くエコノマイザ用孔を設けた、こ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の気体用圧縮
    機。
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