JPH08144259A - 地盤注入工法 - Google Patents

地盤注入工法

Info

Publication number
JPH08144259A
JPH08144259A JP6286932A JP28693294A JPH08144259A JP H08144259 A JPH08144259 A JP H08144259A JP 6286932 A JP6286932 A JP 6286932A JP 28693294 A JP28693294 A JP 28693294A JP H08144259 A JPH08144259 A JP H08144259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ground
injection
short fibers
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6286932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2822899B2 (ja
Inventor
Fujio Ito
不二夫 伊藤
Shuichi Sakamoto
秀一 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP28693294A priority Critical patent/JP2822899B2/ja
Publication of JPH08144259A publication Critical patent/JPH08144259A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2822899B2 publication Critical patent/JP2822899B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 止水や空隙の充填を行って地盤を改良すべき
範囲に、固化材を含む注入材を十分にかつ均質に行きわ
たらせることにより、所望の止水効果及び地盤の補強効
果や充填効果を容易に得ることのできる地盤注入工法を
提供する。 【構成】 河川等からの流入水や地下水が通過する滞水
地盤に注入材を注入し、土砂粒子間の間隙を目詰まりさ
せて止水することにより当該滞水地盤を改良するための
地盤注入工法、あるいは地中構造物の周囲に生じた空隙
や、岩盤のクラック、亀裂等の空隙部分に注入材を注入
して当該空隙部分を充填するための地盤注入工法におい
て、注入材として、セメントミルク等のセメント系の固
化材や水ガラス溶液等の化学薬液系の固化材に、水分を
含んで少なくともその表面がぬめりを生じる短繊維を混
合してなる地盤改良材を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は地盤注入工法に関し、
特に、河川等からの流入水や地下水が通過する滞水地盤
に注入材を注入し、土砂粒子間の間隙を目詰まりさせて
止水することにより当該滞水地盤を改良するための地盤
注入工法、及び地中構造物の周囲に生じた空隙や、岩盤
のクラック、亀裂等の空隙部分に注入材を注入して当該
空隙部分を充填あるいは止水するための地盤注入工法に
関する。
【0002】
【従来の技術】河川等からの流入水や地下水が通過する
滞水地盤を改良すべく、かかる地盤を構成する土砂粒子
間の間隙を目詰まりさせて止水するために用いる注入材
として、従来より、一般に、セメントミルク等のセメン
ト系の固化材や水ガラス溶液等の化学薬液系の固化材が
用いられている。かかる地盤注入工法によれば、固化材
からなる注入材は、滞水地盤を構成する砂礫や砂利等の
土砂粒子間の間隙に充填され、所定時間の経過後に固化
して土砂粒子間の間隙を通過する水を遮断し、これによ
って止水機能を果たすとともに、地盤を補強する機能を
果たすことができる。
【0003】一方、海水や河川水、地下水等の洗掘によ
り、あるいは周囲の地盤に沈下により、護岸構造物や河
川堤防等の構造物の背面や、トラフや各種の埋設管の周
囲に生じた空隙、あるいは岩盤のクラックや亀裂、地中
構造物の目地部やクラックなどの空隙部分には、かかる
空隙部分の拡大を防止すべくあるいは止水を行なうべく
セメントミルク等のセメント系の固化材や水ガラス溶液
等の化学薬液系の固化材が注入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の地盤注入工法によれば、地下水や流入水の流量が多
い場合や、地盤改良の対象となる地盤を構成する土砂の
粒径が大きく、したがって土砂粒子間の間隙が大きい場
合には、滞水地盤の土粒子間を通過する流水により、注
入材が希釈ないしは流失してその固化成分を減少するた
め、十分な止水効果を得ることができなくなるという問
題があった。
【0005】また、かかる流量の多い滞水地盤を効果的
に止水するための手段として、流体としての注入材に、
例えば繊維等の固体成分を混入し、この固体成分により
土砂粒子間の間隙に形成された架橋構造によって注入材
を保持し、これの希釈や流失を防止する方法が考えられ
ているが、この方法によれば、流体としての注入材に異
物である固体成分が混入した状態にあるため、特に土砂
粒子の粒径が比較的小さな滞水地盤においては、その間
隙が小さいため、所定の範囲に注入材が十分に行きわた
る前に、土砂粒子間の間隙が目詰まりを生じて閉塞する
ことにより、滞水地盤を広範囲にわたって均質に止水す
ることが困難であるという課題があった。
【0006】一方、空隙部分に注入材を充填するあるい
は空隙部分の止水を行なう地盤中入工法によれば、注入
した注入材が、構造物の隙間から浸入する海水や河川
水、地下水等によって流失したり、周囲の地盤内に逸失
して効率よく充填あるいは止水することができないとい
う問題があり、また注入材がトラフ等の地中構造物の隙
間から構造物内に浸入して、当該構造物の内部に配設さ
れたケーブル等の施設の機能を害するおそれがあるとい
う問題があった。
【0007】そこで、この発明は、かかる従来の課題に
着目してなされたもので、滞水地盤に対し、止水を行っ
て地盤を改良すべき範囲に、固化材を含む注入材を十分
にかつ均質に行きわたらせることにより、所望の止水効
果及び地盤の補強効果を容易に得ることのできる地盤注
入工法を提供することを目的とするものである。
【0008】また、この発明は、空隙部分の周囲の地盤
や構造物の隙間を閉塞しつつ、固化材を含む注入材を十
分にかつ均質に行きわたらせることにより、効率よく空
隙部分を充填あるいは止水することのできる地盤注入工
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、河川等か
らの流入水や地下水が通過する滞水地盤に注入材を注入
し、土砂粒子間の間隙を目詰まりさせて止水することに
より当該滞水地盤を改良するための地盤注入工法におい
て、前記注入材として、セメントミルク等のセメント系
の固化材や水ガラス溶液等の化学薬液系の固化材に、水
分を含んで少なくとも表面がぬめりを生じる短繊維を混
合してなる地盤改良材を用いることを特徴とする地盤注
入工法にある。
【0010】また、この発明の他の要旨は、地中構造物
の周囲や土構造内に生じた空隙や、岩盤や地中構造物に
生じたクラック、亀裂、構造物の目地部等の空隙部分に
注入材を注入して当該空隙部分を充填あるいは止水する
ための地盤注入工法において、前記注入材として、セメ
ントミルク等のセメント系の固化材や水ガラス溶液等の
化学薬液系の固化材に、水分を含んで少なくとも表面が
ぬめりを生じる短繊維を混合してなる地盤改良材を用い
ることを特徴とする地盤注入工法にある。
【0011】以下この発明をさらに詳細に説明する。こ
の発明の地盤注入工法は、河川等からの流入水や地下水
が通過する滞水地盤に注入材を注入し、土砂粒子間の間
隙を目詰まりさせて止水することにより当該滞水地盤を
改良するための地盤注入工法において、前記注入材とし
て、セメントミルク等のセメント系の固化材や水ガラス
溶液等の化学薬液系の固化材に、水分を含んで少なくと
も表面がぬめりを生じる短繊維を混合してなる地盤改良
材を用いることを特徴とするものである。
【0012】また、この発明は、地中構造物の周囲や土
構造内に生じた空隙や、岩盤や地中構造物に生じたクラ
ック、亀裂、構造物の目地部等の空隙部分に注入材を注
入して当該空隙部分を充填あるいは止水するための地盤
注入工法において、前記注入材として、セメントミルク
等のセメント系の固化材や水ガラス溶液等の化学薬液系
の固化材に、水分を含んで少なくとも表面がぬめりを生
じる短繊維を混合してなる地盤改良材を用いることを特
徴とするものである。
【0013】ここで、この発明に用いる地盤改良材を構
成するセメント系の固化材は、例えばセメントミルク、
セメントモルタル、セメントベントナイト等のセメント
系注入材やベントナイト、粘土、ベントナイトセメント
または粘土セメント等のベントナイト粘土系注入材など
の、地盤改良のための固化材として従来より公知の種々
の固化材を用いることができる。
【0014】また、化学薬液系の固化材は、例えば水ガ
ラス・無機反応材系、水ガラス・有機反応系、中性グラ
ウト系等の水ガラス系注入材やウレタン系、アクリルア
ミド系、尿素系、リグニン系等のその他の注入材など
の、地盤改良のための固化材として従来より公知の種々
の固化材を用いることができる。
【0015】そして、この発明に用いる地盤改良材は、
これらの固化材に、さらに水分を含んで少なくともその
表面にぬめりを生じる短繊維を混合することによって構
成される。
【0016】そして、この発明の地盤注入工法によれ
ば、注入材として、水分を含んで少なくともその表面に
ぬめりを生じる短繊維を固化材に混合してなる地盤改良
材を用いるので、注入時の摩擦抵抗を短繊維のぬめりに
よって低減し、ポンプ圧送時における、圧送管や注入管
などの閉塞を回避することができるとともに、注入材が
地盤を構成する土砂粒子間の間隙を通過する際には、ぬ
めりが滑材としての機能を果たすことにより、短繊維を
含んだ固化材を広範囲に行きわたらせて土砂粒子間の間
隙を充填する。また、短繊維は、その繊維としての本来
の性質により、広範囲に行きわたった注入材の当該充填
位置や構造物の隙間において、固化材の流動を防止し、
注入材を充填部に停滞させることができ、これによっ
て、注入材がゲル化して固化する前に水流に流されて流
失したり、地盤中の水で希釈されることを防止する。さ
らに、注入材中で短繊維が一体に固化することにより、
短繊維が注入材の収縮を抑制する補強材として機能し、
注入材の止水材としての耐久性を向上する。
【0017】また、この発明の地盤注入工法は、前記水
分を含んで少なくともその表面にぬめりを生じる短繊維
として、水膨潤性繊維を用いることが好ましい。
【0018】ここで、水膨潤性繊維とは、外層部に親水
性架橋重合体を有する繊維状の物質で、この親水性架橋
重合体が水分を含むことにより膨潤してその容積を増加
させるものをいう。
【0019】そして、この水膨潤性繊維を用いることに
より、注入材中で固化材とさらに強固に一体化して注入
材を間隙内に強固に保持するとともに、滞水地盤をより
効果的に補強することができる。
【0020】さらに、この発明の地盤注入工法は、より
好ましくは、前記水分を含んで少なくともその表面にぬ
めりを生じる短繊維として、アクリル繊維で形成された
芯となる内層と、該内層を囲繞するように配設された親
水性架橋重合体としての高吸水ポリマで形成された外層
とからなる二重構造の水膨潤性繊維を使用する。
【0021】ここで、このアクリル繊維で形成された芯
となる内層と、内層を囲繞するように配設された親水性
架橋重合体としての高吸水ポリマで形成された外層とか
らなる二重構造の水膨潤性繊維としては、例えば特公昭
58−10508号公報に記載されている水膨潤性繊維
を用いることができ、より具体的には、例えば商品名ラ
ンエース(東洋紡績株式会社製)等を用いることができ
る。
【0022】さらに、この発明の地盤注入工法は、前記
水分を含んで少なくともその表面にぬめりを生じる短繊
維として、アクリル繊維で形成された内層と、高吸水ポ
リマで形成された外層とからなる二重構造の水膨潤性繊
維を用いる場合には、当該水膨潤性繊維の長さを、1〜
8mmとして用いることが特に好ましい。
【0023】すなわち、この二重構造の水膨潤性繊維の
長さが1mmよりも短いと、流水によって注入材が流失
したり希釈されたりすることを抑制する効果を十分に発
揮することができないという不都合が生じる場合があ
り、8mmを越えると、繊維同志の絡み合いなどによ
り、固化材が十分な範囲に充填される前に、間隙や空隙
内で閉塞するという不都合が生じる場合がある。
【0024】そして、この発明の地盤注入工法は、前記
水分を含んで少なくともその表面にぬめりを生じる短繊
維として、アクリル繊維で形成された内層と、高吸水ポ
リマで形成された外層とからなる二重構造の水膨潤性繊
維を用いる場合には、地盤改良材中における当該水膨潤
性繊維の添加重量比を、0.05〜0.75重量%とす
ることが特に好ましい。
【0025】すなわち、この二重構造の水膨潤性繊維の
注入材中における添加重量比が0.05重量%よりも少
ないと、繊維を添加することによる止水効果を十分に発
揮することができないという不都合が生じる場合があ
り、0.75重量%を越えると、分散性が悪くなること
及び繊維同志の絡み合いによって施工性が著しく低下す
るという不都合が生じる場合がある。
【0026】
【実施例】以下、この発明の地盤注入工法による特有の
効果を確認すべく行った実施例について記載するが、こ
の発明はこれらの実施の態様に限定されるものではな
い。
【0027】図1は、この実施例における各実験に用い
た試験装置の概略の構成を示すものである。すなわち、
この試験装置によれば、パイプ10は、例えば内径20
cm、長さ1m程度の大きさのものを3本連設してな
り、内部の空間に、砂利、砂、礫等の土砂を地盤材料1
2として充填し、人工の地盤を形成するためのもので、
またこのパイプ10は、土砂の間隙を経た水の通水状況
や、注入材の注入充填状況を観察することができるよう
に、透明のアクリル樹脂で形成されている。
【0028】そして、前記パイプ10から分岐突出して
形成されている注入材の注入管10aは、その一端がパ
イプ10の内部空間に連通しているとともに、その他端
から注入用チューブ14が挿入され、前記パイプ10の
内部空間まで挿通されている。
【0029】なお、この実施例では、注入材として、二
液混合型の、水ガラス溶液を含む地盤注入用薬液である
商品名MGロック2号(三井東圧化学株式会社製)を用
いるので、この注入用チューブ14の他端は、2本の枝
に分かれるとともに、送液用ポンプ16を介して、A液
及びB液を各々を貯留する図外の貯留タンクに接続され
ており、貯留タンク内に貯えられた各注入材をパイプ1
0内により圧送注入できるようになっている。この送液
用ポンプ16には圧力計が付設されており、送液用ポン
プ16の送液圧力を随時確認できるようになっている。
【0030】また、パイプ10の一端部には、注水チュ
ーブ22が接続され、この注水チューブ22を通じて図
外の給水設備から2kgf/cm2 程度の水圧で送られ
てくる水が、パイプ10の内部空間に形成された人工の
地盤に流入し、これによって人工的な流水地盤を作り出
すことになる。そして、パイプ10内に流入した水は、
パイプ10の注水チューブ22の接続側と反対側の端部
に接続された排水チューブ24を通じて排出される。
【0031】さらに、注水チューブ22と排水チューブ
24にはそれぞれ圧力計18,20が設けられ、注水圧
力と排水圧力とを計測指示するとともに、それぞれの指
示値は人工地盤中の流水の止水状況を示す指標となる。
【0032】なお、この実施例では、地盤材料12とし
て5号砕石(径13〜20mm)を使用した。また、注
入材として使用するMGロック2号の標準配合を表1に
示す。
【0033】
【表1】 比較例1:標準配合のMGロック2号を注入材として用
い、一分間に10リットル/分の割合で上記流水地盤内
に注入した。なお、MGロック2号のゲルタイムは13
秒である。
【0034】以下のような注入状況が得られた。
【0035】注入開始後30秒位からパイプの下側よ
りMGロックの固結体が白く確認されてきた。注入圧力
が0kgf /cm2 から1kgf /cm2 に上がったが給水
圧力は上がらなかった。
【0036】注入開始後3分位でパイプの下半分位が
MGロックの固結体で止水された。注水圧力は1kgf /
cm2 より上がらず、給水圧力も0.7kgf /cm2
り上がらなかった。
【0037】そのままMGロックを注水してもゲル体
が希釈分解され流水に流されてしまい固結体の体積が増
えず、注入圧力、給水圧力とも上がらないため、注入後
5分で給水量を減らし、毎分40リットルとした。
【0038】減水後、注入圧力が1kgf /cm2 と変
わずMGロックの固結体体積、注入圧力、給水圧力とも
変化が無いため、給水量を徐々に減らして止水状況を観
察した。
【0039】給水量を減らすことで固結体の体積が多
少増加するが、注入圧力が1kgf /cm2 より上がらず
流水も止水できなかった。
【0040】流水を5リットル/分まで減らしても、
止水をすることができなかった。
【0041】すなわち、MGロック単味では、流水は完
全には止水できないことが確認された。
【0042】実施例1:表2に示すように、MGロック
2号に対し、A液に重量比で1.0%、すなわちMGロ
ック全体に対して0.5%のランエースを混合した注入
材を、比較例1と同様の条件下で上記流水地盤内に注入
した。
【0043】
【表2】 以下のような注入状況が得られた。
【0044】注入開始後20秒位から、パイプの上側
から注入材の固結体が白く確認されてきた。注入圧力が
2kgf /cm2 から3kgf /cm2 に上がるとともに、
給水圧力が0.2kgf /cm2 上った。
【0045】注入開始後2分位より給水量が減ってき
て、注入圧力が4kgf /cm2 に上がり、給水圧力も
0.4kgf /cm2 上がった。
【0046】注入量、注入時間に比例して注入固結体
の量、給水量、給水圧力、注入圧力とも変化してゆき、
注入後12分位で完全に流水が止水され、注入圧力が1
0kgf/cm2 になったため、注入ポンプを停止した。
なお、注入材の充填範囲は、注入口より下流方向へ1.
0m、上流方向へ0.7mの合計1.7mの範囲であっ
た。
【0047】すなわち、MGロック2号に、ランエース
を添加(重量比で0.5%)した注入材により、適度な
注入範囲で流水を止水できることが確認された。
【0048】実施例2:表3及び表4に示す、標準配合
のMGロック2号に対し、ランエースをA液に重量比で
各々1.0%あるいは1.5%添加した注入材につい
て、ポンプ圧送の適応性について行った試験の結果を表
5に示す。なお、注入ポンプとしてはSG−40(新明
和工業株式会社製)を、注入ホースとしては内径19m
mの中圧ホースを使用した。
【0049】
【表3】
【表4】
【表5】 表5に示す試験結果から、A液に対して1.5%のラン
エースを添加した場合でも、注入材の圧送性に問題がな
いことが判明した。
【0050】実施例3:粒径2〜3mm程度の細かい礫
質土へこの実施例にかかる注入材を注入する場合には、
注入圧の上昇が著しく注入が困難であると考えられるの
で、種々の実験結果から、注入可能な繊維の長さと礫の
径との関係を以下のように推定した。
【0051】(d/L)>1〜2 ここに、d:礫径(mm)、L:繊維長(mm) そこで、本実験では、繊維長1mmのランエースを用
い、その礫質土に対する注入性と止水性能について検証
する。なお、注入の初期段階においては硬化剤を用い
ず、A液(水ガラス溶液)のみによって、ランエース添
加時の注入性を確認し、その後硬化剤と併せて注入す
る。また、実験モデルは上述の比較例1及び実施例1、
2の場合と同様のアクリル管を使用し、また試験装置に
おける通水時の圧力勾配から推定した透水係数は、1×
100 <k<1×10-1(cm/s)である。
【0052】実験結果を表6に示す。
【0053】
【表6】 表6の結果より、細礫の場合は繊維長を短くすることに
よって、注入性が改善されるとともに、ランエースの添
加による注入材の止水性能に対する改善効果も認められ
ることが判明した。
【0054】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、本発明にかかる地盤注入工法によれば、注入材とし
て、セメントミルク等のセメント系の固化材や水ガラス
溶液等の化学薬液系の固化材に、水分を含んで少なくと
も表面がぬめりを生じる短繊維を混合してなる地盤改良
材を用いるので、短繊維を含んだ注入材の注入時の摩擦
抵抗を短繊維のぬめりによって低減するとともに、注入
材が地盤を構成する土砂粒子間の間隙や構造物の隙間を
通過する際には、ぬめりが滑材としての機能を果たすこ
とにより、止水を行って地盤を改良しあるいは隙間を閉
塞すべき範囲に、固化材と短繊維を含む注入材を広範囲
にわたって十分にかつ均質に行きわたらせて、所望の止
水効果及び地盤の補強効果や閉塞効果、ないしは構造物
回りなどに生じた空隙の充填効果を容易に得ることがで
きる。
【0055】また、水分を含んで少なくとも表面がぬめ
りを生じる短繊維として水膨潤性繊維を用いれば、水膨
潤性繊維は、注入材中で固化材とさらに強固に一体化し
て注入材を間隙内に強固に保持することにより、滞水地
盤や空隙部分をより効果的に補強することができる。
【0056】さらに、この水膨潤性繊維の長さを、1〜
8mmとして用いれば、礫地盤のように間隙の大きな流
水地盤において、適切な繊維長を選定することにより、
地下水流等による注入材の流失や希釈の影響を小さくす
ることができ、またこの水膨潤性繊維を、地盤改良材中
における当該水膨潤性繊維の添加重量比を0.05〜
0.75重量%として用いれば、ポンプやホース内で閉
塞したり、所定の範囲に注入材が十分行きわたる前に土
砂粒子の間隙を目詰まりさせることなく注入することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の地盤注入工法による特有の効果を確
認すべく行った実験において用いた試験装置の概略の構
成を示す側面図である。
【符号の説明】
10 パイプ 12 地盤材料 10a 注入管 16 送液用ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川等からの流入水や地下水が通過する
    滞水地盤に注入材を注入し、土砂粒子間の間隙を目詰ま
    りさせて止水することにより当該滞水地盤を改良するた
    めの地盤注入工法において、 前記注入材として、セメントミルク等のセメント系の固
    化材や水ガラス溶液等の化学薬液系の固化材に、水分を
    含んで少なくとも表面がぬめりを生じる短繊維を混合し
    てなる地盤改良材を用いることを特徴とする地盤注入工
    法。
  2. 【請求項2】 地中構造物の周囲や土構造内に生じた空
    隙や、岩盤や地中構造物に生じたクラック、亀裂、構造
    物の目地部等の空隙部分に注入材を注入して当該空隙部
    分を充填あるいは止水するための地盤注入工法におい
    て、 前記注入材として、セメントミルク等のセメント系の固
    化材や水ガラス溶液等の化学薬液系の固化材に、水分を
    含んで少なくとも表面がぬめりを生じる短繊維を混合し
    てなる地盤改良材を用いることを特徴とする地盤注入工
    法。
  3. 【請求項3】 前記水分を含んで少なくとも表面がぬめ
    りを生じる短繊維が、水膨潤性繊維であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の地盤注入工法。
  4. 【請求項4】 前記固化材に混合される短繊維の長さ
    が、1〜8mmであることを特徴とする請求項3に記載
    の地盤注入工法。
  5. 【請求項5】 前記地盤改良材中における短繊維の添加
    重量比が、0.05〜0.75重量%であることを特徴
    とする請求項3または請求項4に記載の地盤注入工法。
JP28693294A 1994-11-21 1994-11-21 地盤注入工法 Expired - Fee Related JP2822899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28693294A JP2822899B2 (ja) 1994-11-21 1994-11-21 地盤注入工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28693294A JP2822899B2 (ja) 1994-11-21 1994-11-21 地盤注入工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08144259A true JPH08144259A (ja) 1996-06-04
JP2822899B2 JP2822899B2 (ja) 1998-11-11

Family

ID=17710831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28693294A Expired - Fee Related JP2822899B2 (ja) 1994-11-21 1994-11-21 地盤注入工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2822899B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004075746A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 地中接合用2液性充填材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004075746A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 地中接合用2液性充填材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2822899B2 (ja) 1998-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009235760A (ja) 堤防裏のり面被覆用土質材料及びそれを用いた被覆方法
JPH08144259A (ja) 地盤注入工法
JP2008240425A (ja) 止水工法
JP2000211959A (ja) 遮水構造材
JP2003013437A (ja) 裏込土の吸出防止工法
CN211773800U (zh) 一种电梯井或集水坑涌水的维修结构
CN110278936B (zh) 一种堤坝白蚁的充填和渗透组合式灌浆治理方法
JP5660618B2 (ja) 護岸の補強工法
JP3515014B2 (ja) 空洞部の充填工法
JPH0565711A (ja) 地盤注入工法
JP2817612B2 (ja) 亀裂性岩盤の止水工法及び亀裂性岩盤内の地下水の制御方法
JPH0849242A (ja) 地下構造体およびその施工方法
JP3640198B2 (ja) 地中遮水壁およびその構築方法
JP3139229B2 (ja) 地盤注入工法
JP3682554B2 (ja) 水中充填工法
KR102001210B1 (ko) 비정형 보강부재를 이용한 긴급보강공법
JP4096150B2 (ja) 水路の改修工法
JP3160658B2 (ja) 溜池等の遮水層補修方法
JP6749751B2 (ja) 複合合成樹脂組成物および該組成物を使用した構築物
KR20040069434A (ko) 하천제방 및/또는 바닥 보호차수막 형성공법
JPH03202188A (ja) 有害物質を含む汚染区域の土壌を固定する方法
KR20010044690A (ko) 교량 세굴보수 및 침식방지 섬유대와 시공방법
JP5495125B2 (ja) 管の埋設方法
JPH06287934A (ja) 地盤強化用基礎杭孔における止水方法及び止水機構
JP2010241895A (ja) 既製杭の根固め液及びこの根固め液を用いた既製杭の埋込み工法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080904

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090904

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees