JPH08143940A - 鋼中介在物形態の制御方法 - Google Patents

鋼中介在物形態の制御方法

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JPH08143940A
JPH08143940A JP6283371A JP28337194A JPH08143940A JP H08143940 A JPH08143940 A JP H08143940A JP 6283371 A JP6283371 A JP 6283371A JP 28337194 A JP28337194 A JP 28337194A JP H08143940 A JPH08143940 A JP H08143940A
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steel
inclusion
alloy
flux
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JP6283371A
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English (en)
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Katsuya Tanigawa
克也 谷川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鋼中介在物形態の制御方法の提供。 【構成】(1) 溶鋼にCa合金と下記〜のいずれか一種
の介在物制御用フラックスとからなる混合フラックスを
添加する鋼中介在物形態の制御方法。 CaO+Al2O3 +ZrO2、 CaO+Al2O3 +MgO 、 CaO
+Al2O3 +ZrO2+MgO (2) 溶鋼に所要Ca合金の一部を添加し、その後、Ca合金
と上記〜のいずれか一種の介在物制御用フラックス
とからなる混合フラックスを添加する鋼中介在物形態の
制御方法。 上記〜の介在物制御用フラックスはCaF2またはSiO2
を含むことができる。 【効果】介在物の組成を制御することで圧延後の大型介
在物個数を大幅に減少させ、かつその最大長さも小さく
する形態制御が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Ca合金を含むフラッ
クスを用いる鋼中介在物形態の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼中の代表的な不純物であるSは、機械
的性質や耐食性に悪影響を及ぼす元素であり、低硫化が
指向されている。また、鋼中介在物、硫化物も同じよう
に機械的性質や耐食性に悪影響を及ぼすものであるか
ら、その量を減らすことと同時に、その形状を比較的無
害な球状介在物に変える形態制御が強く要求され、主と
してCa合金を溶鋼中にインジェクションすることでこれ
に対処している。
【0003】近年、あらゆる分野において鋼材の品質向
上の要求が厳しくなっているが、特にラインパイプ用鋼
材では、その使用環境が過酷になるにつれて高級化の要
求が一段と強くなり、これに対応してS≦5PPm の極低
硫化と介在物形態制御の必要性が増してきている。
【0004】鋼材の高級化の一般的な手段として、炉か
ら出鋼する際にスラグをできるだけ完全に除去し、さら
に合成スラグを添加し、取鍋内スラグの性状を制御して
脱硫の促進を図り、介在物の低減を達成するのが普通で
ある。
【0005】特公昭59−22765 号公報には、処理前
〔S〕(溶鋼中のS)の低下を図るため、事前に溶鋼中
にCaO 系フラックスを添加して脱硫処理を行い、その後
のCa合金による脱硫処理によって生成した介在物を球状
化するとともに、低融点化する方法が示されている。
【0006】特開平4−358018号公報には、Ca合金と C
aO+Al2O3 とを同時に添加することにより、生成した高
融点組成の3CaO・Al2O3 、CaO などの介在物を低融点組
成のCaO −Al2O3 系介在物に形態制御する方法が示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、鋼の低
硫化と介在物形態の制御については種々の方法が開発さ
れているが、これらの技術では近年一段と高まった鋼の
高級化に対応するのが困難である。
【0008】特公昭59−22765 号公報に示される方法で
は、溶鋼およびスラブ(鋼塊)の段階では30μm の微少
な介在物であっても、圧延段階で介在物が破砕、伸延さ
れ、圧延後では長さが 200μm 以上の大型介在物に変化
する場合もある。
【0009】特開平4−358018号公報に示される発明
は、ライムアルミネート(CaO−Al2O3)系介在物の高融点
化を抑制し、低融点のライムアルミネート系介在物を多
量に鋼中に存在させ、それらがCaS を吸収するという利
点を有している。しかし、多量の低融点ライムアルミネ
ートが鋼中に存在すると、これは高融点のライムアルミ
ネートよりも強度が高い介在物ではあるが、圧延により
破砕、伸延される。このため、大型化した介在物が多量
に鋼板中に存在するという問題点を有している。
【0010】本発明の目的は、上記のような実状に鑑
み、圧延の際にも破砕、伸延されにくい介在物形態に制
御する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1)〜(3) の介在物形態の制御方法にある。
【0012】(1)溶鋼にCa合金と下記〜のいずれか
一種の介在物制御用フラックスとからなる混合フラック
スを添加することを特徴とする鋼中介在物形態の制御方
法。
【0013】 CaO+Al2O3 +ZrO2 CaO+Al2O3 +MgO CaO+Al2O3 +ZrO2+MgO (2)溶鋼に所要Ca合金の一部を添加し、その後、Ca合金
と上記〜のいずれか一種の介在物制御用フラックス
とからなる混合フラックスを添加することを特徴とする
鋼中介在物形態の制御方法。
【0014】(3)上記〜の介在物制御用フラックス
がCaF2またはSiO2を含むことを特徴とする上記(1) また
は上記(2) のいずれかの鋼中介在物形態の制御方法。
【0015】上記のCa合金とは、純CaおよびCaSi、CaA
l、CaSiBa、CaSiAlMnなどのCaを主成分とする合金ある
いはこれらの混合物である。
【0016】上記(2) の「所要Ca合金の一部」とは、混
合フラックス中に配合すべき所定量のCa合金の一部を意
味する。
【0017】上記のCa合金、フラックス、CaF2およびSi
O2は、いずれも、粒径範囲が0.01〜100mm の粉体を用い
るのが望ましい。
【0018】
【作用】溶鋼中にCaSiなどのCa合金を添加すると、下記
式およびの反応が進行し、CaS および低融点組成
(融点が1600℃以下では溶鋼温度で溶融状態を示す組
成)のCa−Al−O 系介在物(例えば、 CaO・Al2O3 、12
CaO・7Al2O3、5CaO・3Al2O3など)が生成する。
【0019】 Ca+S (鋼中)=CaS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ca(ガス中または鋼中)+Al2O3 =低融点Ca−Al−O +Al(鋼中)・・ 式の左辺のAl2O3 は、鋼中の脱酸生成物である。式
で生成したCaS は直ちに式の低融点組成のCa−Al−O
系介在物に吸収され、Ca−Al−O −S 系の介在物とな
り、そのほとんどは溶鋼上に浮上して脱硫が進行する。
【0020】しかし、さらにCa合金の添加量が増すと下
記式、およびの反応が進む。
【0021】 Ca(ガス)=Ca(鋼中)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ca(鋼中)+S =CaS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ca(鋼中)+低融点Ca−Al−O =高融点Ca−Al−O +Al(鋼中)・・・ ここで、高融点Ca−Al−O とは、 CaOや3CaO・Al2O3
介在物を指す。これらの反応の場合には、CaS が生成す
るときに低融点組成のCa−Al−O 系介在物が存在せず、
したがって、CaS は上述のCa−Al−O 系介在物に吸収さ
れて球状化する機会が少ない。
【0022】CaS はその粒径が約5μm と非常に小さい
ため溶鋼中に分散して、単独ではなかなか浮上しない。
式で生成するCaO や3CaO・Al2O3 は高融点組成(融点
が1600℃以上)で、溶鋼温度で固体状態で存在するた
め、溶鋼撹拌を行ってもこれらの高融点組成介在物によ
るCaS の吸収はほとんど進行しない。そのため、CaS 粒
子同士の衝突による群落状介在物の生成が進行する。
【0023】したがって、Ca合金を単独で溶鋼中へ添加
する従来方法では、CaS の群落状介在物の生成防止と、
3CaO・Al2O3 などのCaO が富化された高融点のCa−Al−
O 系介在物生成防止とのため、Ca合金添加量を制限しな
ければならず、極低硫鋼を製造するのに十分な脱硫剤と
してのCa合金を添加することができない。
【0024】ところが、Ca合金と低融点 CaO+Al2O3
フラックスを同時に添加すると、式で生じたCaS の近
傍には低融点組成のCa−Al−O 系介在物が存在すること
になり、これによるCaS の吸収が進行し、溶鋼中でCaS
が単独で分散したり群落状に集まったりすることが少な
くなる。
【0025】また、式の反応において、低融点Ca−Al
−O 系介在物が大量に存在することにより、Ca−Al−O
系介在物のCaO 富化、すなわち高融点組成のCa−Al−O
系介在物の生成が抑制され、低融点組成のCa−Al−O 系
介在物のままで留まる量が多くなる。
【0026】しかし、低融点 CaO+Al2O3 系フラックス
を添加することにより、Ca−Al−O系介在物の高融点化
を抑制することができるものの、Ca−Al−O 系介在物の
絶対量は増加する。低融点のCa−Al−O 系介在物は、Ca
O や3CaO・Al2O3 などの CaOが富化された高融点のCa−
Al−O 系介在物よりは圧延により破砕されにくい介在物
ではあるが、やはり破砕されるため、鋳込み後、製品厚
みまで圧延することにより破砕、伸延され、板での介在
物が大型化する。
【0027】本発明方法では、上記の低融点 CaO+Al2O
3 系フラックスの長所を活かしつつ、低融点Ca−Al−O
系介在物よりも破砕されにくい介在物に変化させ、上記
のような現象を防止するため、Ca合金と下記の〜の
いずれか一種の介在物制御用フラックスとからなる混合
フラックスを添加する。
【0028】 CaO+Al2O3 +ZrO2 CaO+Al2O3 +MgO CaO+Al2O3 +ZrO2+MgO CaO +Al2O3 系フラックスに、さらにZrO2とMgO のうち
の一種または二種を選んで配合した混合フラックスを用
いることで、介在物をCa−Al−O 系介在物ではなく、上
記〜の系のCa−Al−Zr−O 系、Ca−Al−Mg−O 系ま
たはCa−Al−Zr−Mg−O 系に形態制御することができる
とともに、介在物の強度を高くすることが可能となる。
その結果、圧延時の介在物の破砕、伸延が抑制され、圧
延後に大型化する介在物の量を減少させることができ
る。
【0029】Ca合金としては、純Caを用いてもよい。そ
の他に、CaSi、CaAl、CaSiBaおよびCaSiAlMnなどのCaを
主成分とする合金あるいはこれらの混合物であってもよ
い。
【0030】混合フラックス中のCa合金の比率の範囲
は、いずれの介在物制御用フラックスの場合も10〜95重
量%とするのが望ましい。これは、Ca純分でいうと3〜
60重量%の範囲に相当する。
【0031】介在物制御用フラックスの望ましい組成
範囲は、ZrO2が5〜60重量%、CaO/Al2O3 (重量比)が
0.17〜4である。同じくの望ましい組成範囲は、MgO
が5〜20重量%、CaO/Al2O3 (重量比)が0.17〜2.4 で
ある。同じくの望ましい組成範囲は、ZrO2が2〜60重
量%、MgO が2〜20重量%、CaO/Al2O3 (重量比)が0.
18〜2.3 である。
【0032】一般にZrO2とMgO の比率が高い方が、圧延
による介在物の破砕されやすさは、より小さくなるが、
過剰に高くなるとフラックス融点も高くなり、溶鋼中へ
添加しても融解しなくなって反応性が劣化する。すなわ
ち、適正な組成範囲が存在する。
【0033】前記のCa合金の望ましい粒径範囲は0.01〜
100mm である。介在物制御用フラックスは、プリメルト
した後、破砕して上記の粒径と同様とするのが望まし
い。
【0034】上記の方法では、Ca合金と介在物制御用フ
ラックスは、同時に溶鋼中へ添加される。この結果、Ca
合金添加によって前記式で生成されるCaS を直ちに低
融点のCa−Al−O 系介在物と接触させて、これに吸収さ
せるとともに、前記式の反応を遅らせて高融点のCa−
Al−O 系介在物の生成を抑制する効果を得ることができ
る。
【0035】しかし、本発明の方法では、混合フラック
ス中に配合されるべき所定量のCa合金の一部を、先に溶
鋼中へ添加し、次いで残りのCa合金と介在物制御用フラ
ックスとからなる混合フラックスを添加する方法を採用
してもよい。
【0036】この理由は、添加開始当初の溶鋼中には、
Al2O3 が比較的多く存在するため、添加初期はCa合金を
単独で添加しても高融点組成のCa−Al−O 系介在物の生
成が少なくなるからである。一方、脱硫が進行し、溶鋼
中のSが0.001 %以下になると、前記式の反応は速く
進むから、Sが0.001 %以下あるいは0.005 %以下の極
低硫鋼を得る場合には、脱硫途中からCa合金と介在物制
御用フラックスとの混合フラックスを同時に添加する必
要がある。
【0037】先に添加するCa合金の一部の、全Ca合金に
対する望ましい比率の範囲は10〜50%である。
【0038】さらに本発明方法では、前記〜の介在
物制御用フラックス中にCaF2またはSiO2を添加すること
ができる。このCaF2やSiO2は混合フラックスのスラグ化
(滓化)速度を増加させる効果がある。特に溶鋼取鍋の
容量が小さい場合のように、フラックスの溶鋼中滞留時
間が短い場合には、上記効果が顕著となり、介在物形態
の変更制御が容易となる。
【0039】CaF2を含有させる場合の上限は、介在物制
御用フラックス中の重量%で20%、SiO2の場合の上限
は、同じく10%とするのが望ましい。
【0040】介在物制御用フラックスの望ましい添加量
は、Ca添加前およびフラックス添加処理修了後の溶鋼中
のS値、取鍋上置きスラグ組成などの条件によって変わ
るが、Ca含有量が30重量%のCaSiに換算して 0.3〜3.0k
g/溶鋼トン程度、フラックス量としては0.06〜2 kg/溶
鋼トン程度である。
【0041】混合フラックスの溶鋼への添加は、粉体状
のCa合金と介在物制御用フラックスを事前に混合して添
加する方法、またはこれらの二種類の粉体を別々の粉体
供給タンクに装入し、切り出し後混合して添加する方法
のいずれでもよい。後者の方法では容易に所要のCa合金
の一部を先に添加することが可能である。
【0042】これらの方法では、粉体インジェクション
法によるのが効果的であるが、ワイヤーフィダー法など
の方法によっても同様の効果を得ることができる。例え
ば、鋼製のチューブの中に所定配合の粉体を充填したも
のを準備し、このチューブを送り装置により溶鋼中へ連
続的に供給してもよい。Ca合金の一部を先に添加する場
合は、Ca合金充填チューブと混合フラックス充填チュー
ブの二種類を準備し、時差をつけて溶鋼中へ供給すれば
よい。
【0043】図1および図2は、インジェクション法に
より本発明方法を実施するための装置の構成例を示す概
略の縦断面図である。図1は、粉体状のCa合金と介在物
制御用フラックスとを事前に混合したものを添加する方
法、図2は、これらの粉体を別々に切り出した後混合し
て添加する方法をそれぞれ示す。
【0044】図1において、1は混合フラックス7の供
給タンク、2は気送管、3はランス、4は取鍋、5は溶
鋼、6はスラグである。この場合、混合フラックス7
は、供給タンク1から切り出されると同時に、例えばAr
ガスによってランス3に導かれ、取鍋4内の溶鋼5中に
吹き込まれる。
【0045】図2において、8は粉体状のCa合金10の供
給タンク、9は粉体状の介在物制御用フラックス11の供
給タンクである。この場合、二つの供給タンク8と9か
ら別々に切り出された二種類の粉体は、気送管2内で混
合され、例えばArガスによってランス3に導かれ、取鍋
4内の溶鋼5中に吹き込まれる。
【0046】
【実施例】
(試験1)表1に示す化学組成の溶鋼(250トン、初期
〔S〕は4ppm)に、表2に示す化学組成のスラグを上置
きし、図1に示すインジェクション法(キャリアーガス
はAr)を用いて、表3に示す条件でCaSi合金と介在物制
御用フラックスを混合したフラックスを吹き込んだ。比
較例として、CaSi合金のみと、CaSi合金、CaO およびAl
2O3 とからなりZrO2を含まないフラックスとを使用する
試験を行った。このときの粉体粒径の範囲はいずれも
0.5〜2mm、粉体の吹込速度はいずれも120kg/分とし
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】吹き込み添加処理終了後、連続鋳造により
厚さ250mm のスラブとし、熱間圧延で厚さ22mmまで圧延
した後、この鋼板内部の粒状CaS の検出有無の顕微鏡観
察、介在物の総量の化学分析を実施した。さらに、圧延
後の大型介在物個数指数(単位面積当たりの30μm 以上
の大きさの介在物の個数)および介在物最大長指数(一
定面積の調査で認められた介在物の最大の大きさ)を調
査した。
【0050】図3は、上記の観察、調査および分析の対
象とした鋼板サンプルの採取位置を示す図である。図示
するように、サンプルは幅方向(圧延方向と垂直方向)
の中央部位置(1/2 幅)である。
【0051】表3に粒状CaS の検出有無を併せて示す。
図4に介在物総量指数と組成、図5に介在物個数指数
(最大および最小値、丸印は平均値)、図6に介在物最
大長指数を示す。
【0052】
【表3】
【0053】表3に示すように、脱硫はいずれも進行せ
ず、粒状CaS は比較例1では存在したが、その他の例で
は存在しなかった。図4からわかるように本発明例No.
3、4では、いずれも介在物総量は比較例No.1、2 よりも
多く、その増加はCa−Al−Zr−O 系の増加によってお
り、介在物中にもZrO2が含まれていた。すなわち、介在
物中のZrO2の量は、No.3で10%、No.4で15%であった。
【0054】しかし、図5および図6に示すように、本
発明例No.3、4 では介在物の個数と最大長は比較例No.
1、2 よりも少なく、また小さいことがわかる。これ
は、ZrO2を配合した介在物制御用フラックスにより介在
物中にZrO2を含ませると、圧延により介在物が破砕、伸
延されにくくなったためである。本発明例No.3の場合が
同じくNo.4の場合よりも優れているのは、No.4のZrO2
合量が多めであり、介在物の総量が増加したためであ
る。
【0055】次に、これらの圧延後の鋼板の前記中央部
から採取したサンプルを対象としてHIC(水素誘起割
れ)試験を実施した。この結果を表4に割れ長さ率指数
の平均値で示す。
【0056】
【表4】
【0057】この値が低いほど、介在物を起点とする鋼
板の亀裂が生じにくいことを意味している。介在物個数
指数および最大長指数が共に低い本発明例No.3の場合が
最も良好であり、同じくNo.4の場合もほぼ同様のレベル
である。
【0058】(試験2)表5に示す化学組成の溶鋼(250
トン、初期〔S〕は25ppm)に、表6に示す化学組成のス
ラグを上置きし、図1に示すインジェクション法(キャ
リアーガスはAr)を用いて、表7に示す条件でCaSi合金
と介在物制御用フラックスを混合したフラックスを吹き
込んだ。比較例として、CaSi合金、CaO およびAl2O3
らなり、ZrO2を含まないフラックスを使用する試験を行
った。このときの粉体粒径の範囲はいずれも 0.5〜2m
m、粉体の吹込速度はいずれも120kg/分とした。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】吹き込み添加処理終了後、連続鋳造により
厚さ250mm のスラブとし、熱間圧延で厚さ22mmまで圧延
後、前記の試験1と同様の方法で試験、調査を実施し
た。表7に粒状CaS の検出有無を併せて示す。図4に介
在物総量指数と組成、図5に大型介在物個数指数、図6
に介在物最大長指数を、それぞれ併せて示す。
【0063】表7に示すように、いずれも脱硫はよく進
行した。図4からわかるように本発明例No.6では、介在
物総量は比較例No.1、No.2およびNo.5よりも多くなり、
介在物中にもZrO2が10%程度検出された。介在物中のCa
O とAl2O3 比は、いずれもほぼ1.4 :1であった。
【0064】しかし、図5および図6に示すように、本
発明例No.6では介在物の個数と最大長は、いずれの比較
例よりも少なく、かつ小さいことがわかる。
【0065】次に、これらの圧延後の鋼板を対象とし
て、同様のHIC(水素誘起割れ)試験を実施した。こ
の結果を表4に併せて示す。本発明例No.6の場合は、い
ずれの比較例よりも良好である。
【0066】(試験3)表1に示す化学組成の溶鋼(250
トン、初期〔S〕は4ppm)に、表2に示す化学組成のス
ラグを上置きし、図1に示すインジェクション法(キャ
リアーガスはAr)を用いて、表8に示す条件でCaSi合金
のみ、CaSi合金と介在物制御用フラックスを混合したフ
ラックスを吹き込んだ。このときの粉体粒径の範囲は、
いずれも0.5 〜2mm、粉体の吹込速度は、いずれも120k
g/分とした。
【0067】
【表8】
【0068】吹き込み添加処理終了後、連続鋳造により
厚さ250mm のスラブとし、熱間圧延で厚さ22mmまで圧延
した後、この鋼板から試験1と同様のサンプルを採取
し、粒状CaS 検出の有無およびHIC(水素誘起割れ)
試験を実施した。この結果を表8および表9に示す。
【0069】
【表9】
【0070】表8に示すように、粒状CaS の存在はない
か、またはほとんどない状態であった。表9に示すよう
に、本発明例ではいずれも、割れ長さ率指数平均値が低
い。
【0071】これは、本発明で定める組成の介在物制御
用フラックスの場合には、圧延により破砕、伸延された
介在物の最大大きさも小さく、破砕、伸延されて大型化
する介在物の量も少ないことを示している。
【0072】
【発明の効果】本発明方法によれば、介在物の組成を制
御することで、圧延後の大型介在物個数を減少させ、か
つその最大長さも小さくする形態制御が可能である。こ
の方法は、高級ラインパイプのような、より厳しい環境
で使用される各種鋼材の製造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】インジェクション法により本発明方法を実施す
るための装置の構成例を示す概略の縦断面図である(粉
体状のCa合金と介在物制御用フラックスとを事前に混合
したものを添加する方法)。
【図2】インジェクション法により本発明方法を実施す
るための別の装置の構成例を示す概略の縦断面図である
(粉体状のCa合金と介在物制御用フラックスとを別々に
切り出した後混合して添加する方法)。
【図3】鋼板サンプルの切り出し位置を示す概略の斜視
図である。
【図4】介在物総量指数と組成を示す図である。
【図5】介在物個数指数を示す図である。
【図6】介在物最大長指数を示す図である。
【符号の説明】
1:混合フラックスの供給タンク、2:気送管、3:ラ
ンス、4:取鍋、5:溶鋼、6:スラグ、 7:混合フ
ラックス、8:Ca合金の供給タンク、9:介在物制御用
フラックスの供給タンク、 10:Ca合金、11:介在物
制御用フラックス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鋼にCa合金と下記〜のいずれか一種
    の介在物制御用フラックスとからなる混合フラックスを
    添加することを特徴とする鋼中介在物形態の制御方法。 CaO+Al2O3 +ZrO2 CaO+Al2O3 +MgO CaO+Al2O3 +ZrO2+MgO
  2. 【請求項2】溶鋼に所要Ca合金の一部を添加し、その
    後、残りのCa合金と下記〜のいずれか一種の介在物
    制御用フラックスとからなる混合フラックスを添加する
    ことを特徴とする鋼中介在物形態の制御方法。 CaO+Al2O3 +ZrO2 CaO+Al2O3 +MgO CaO+Al2O3 +ZrO2+MgO
  3. 【請求項3】上記〜の介在物制御用フラックスがCa
    F2またはSiO2を含むことを特徴とする請求項1または請
    求項2のいずれかの鋼中介在物形態の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999067437A1 (fr) * 1998-06-23 1999-12-29 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Tige en fil d'acier et procede de fabrication de l'acier destine a ce fil
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