JPH08143614A - 光重合性組成物 - Google Patents

光重合性組成物

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JPH08143614A
JPH08143614A JP6285174A JP28517494A JPH08143614A JP H08143614 A JPH08143614 A JP H08143614A JP 6285174 A JP6285174 A JP 6285174A JP 28517494 A JP28517494 A JP 28517494A JP H08143614 A JPH08143614 A JP H08143614A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 還元剤として4−ジメチルアミノ安息香酸の
メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソアミル等の4
−ジメチルアミノ安息香酸エステルとジメチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリ
レート、ジメチルアミノブチルメタクリレート等の脂肪
族第三級アミンとの混合物、光増感剤としてカンファー
キノン、ベンジル等のα−ジケトン、並びにビスフェノ
ールAジグリシジルメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート等の重合性単量体を含んでなる
光重合性組成物。 【効果】 本発明の光重合性組成物は、環境光下で十分
な操作余裕時間を有し、光照射器の光を照射した場合に
は速やかに重合硬化し、硬化深度が深く、変色が起こり
にくく、また、引張強度等の機械的特性に優れており、
歯科用複合修復材料に要求される性能を充分に満足して
いるのでこれらの歯科用用途に適していることの他に、
歯科用以外の精密工作用の種々の複合材料などの用途に
も利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯科用複合修復材料とし
て好適な光重合性組成物に関する。さらに詳しくは、環
境光に対しては安定であるが、ハロゲンランプの照射器
の光照射により速やかに重合が開始し、硬化深度が深
く、重合硬化体が耐変色性に優れる光重合性組成物を提
供するものである。
【0002】
【従来技術】光重合性組成物の代表的な用途として歯科
用複合修復材料がある。本用途において光重合性組成物
は一般にペースト状で用いられる。このような光重合性
組成物としては、アクリルエステル系重合性単量体に光
重合開始触媒を添加し、さらに充填材を大量に配合した
組成が一般的である。
【0003】従来、上記の光重合開始触媒としては、カ
ンファーキノンのようなα−ジケトンの光増感剤と第三
級アミンのような還元剤を組み合わせて用いることが知
られている。該還元剤に関しては、特開昭48−498
75には脂肪族系の第三級アミンが示され、特開昭60
−26002には芳香族基に直接結合する第三級アミン
が提案されている。
【0004】ところで、光重合性組成物を歯科用複合修
復材料に用いた場合には、光重合性組成物を修復すべき
歯牙の窩洞に充填し、歯牙の形に形成した後に、専用の
光照射器の強力な光を照射して重合硬化させることによ
って歯牙の修復が行われる。ところが、歯牙の形に形成
している間に、口腔内を照らすデンタルライトあるいは
蛍光灯のような室内灯の光(これらの光を以後環境光と
呼ぶ)にペースト状の光重合性組成物が暴露されるの
で、形成の途中で重合が開始し硬化することが起きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、ペースト状の
光重合性組成物を歯牙の形に正確に形成するためには、
出来るだけ環境光の下では硬化しにくくすることによ
り、形成の操作に余裕を持たせる必要がある。この操作
の余裕時間は100秒以上あることが望ましい。しか
し、一方では、波長が410nmから510nmにピー
クを持つ青色の可視光を発生する光照射器の光を照射す
るとペースト状の重合組成物は速やかに重合硬化しなけ
ればならない。
【0006】しかし、上に示した従来の第三級アミンの
還元剤を用いた光重合開始触媒系では、光照射器で十分
に硬化させるに必要な量だけ第三級アミンを添加する
と、環境光の下では速やかに重合硬化し、歯牙の形に形
成する余裕がなくなる。そこで、環境光の下では重合し
にくくするために光重合触媒の量を減らすか又は重合禁
止剤の添加量を増やすと、光照射器を用いて光照射した
場合、ペースト状の重合組成物の硬化深度が浅く、ペー
スト状の重合組成物を重合硬化させた重合硬化体が変色
しやすいという問題が生じる。
【0007】本発明は、環境光には安定で、光照射器の
光では重合硬化し、硬化深度が深く、変色が起こりにく
い光重合性組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究した結果、上記光重合性組成物に
使用する還元剤として4−ジメチルアミノ安息香酸エス
テルとビニル基を有する脂肪族第三級アミンを組み合わ
せて用いることにより、環境光には安定であるが、光照
射器の光では速やかに重合硬化し、硬化深度が深く、耐
変色性に優れる重合硬化体が得られることを見い出し、
本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち本発明は、(A)重合性単量体、
(B)α−ジケトンからなる光増感剤、並びに(C)4
−ジメチルアミノ安息香酸エステル及びビニル基を有す
る脂肪族第三級アミンからなる還元剤を含んでなる光重
合性組成物である。
【0010】本発明で用いる還元剤の一成分である4−
ジメチルアミノ安息香酸エステルとしては、公知のもの
が使用できる。具体的に例示すると、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソ
アミル等各種エステルがあげられる。
【0011】本発明で用いるもう一方の還元剤であるビ
ニル基を有する脂肪族第三級アミンとしては、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピル
メタクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート
およびこれらのアクリレート等のアクリル基またはメタ
アクリル基を有する脂肪族系の第三級アミンが例示され
る。
【0012】本発明の最大の特徴は、上記した還元剤を
組み合わせて用いることにある。上記した還元剤は単独
で用いる場合には、その添加量を重合性単量体に対して
増やしていくと、環境光に対する増感性が高まり、環境
光に対して不安定になる傾向にある。ところが、驚くべ
きことに上記した還元剤を組み合わせて用いる場合には
単独で用いた場合と違って環境光に対して逆に安定とな
り、強度、硬化深度、耐変色性にも優れるペースト状の
光重合性組成物が得られることを発見した。
【0013】上記した還元剤の割合は、4−ジメチルア
ミノ安息香酸エステルに対するビニル基を有する脂肪族
第三級アミンの割合が重量比で0.2〜5、好ましくは
0.5〜2の範囲が好適である。4−ジメチルアミノ安
息香酸エステルに対するビニル基を有する脂肪族第三級
アミンの割合が重量比で0.2より少ない場合には、硬
化深度が深くなるが、環境光に対する安定性が低下する
傾向にある。つまり操作余裕時間が短くなる傾向にあ
る。4−ジメチルアミノ安息香酸エステルに対するビニ
ル基を有する脂肪族第三級アミンの割合が重量比で5よ
り大きくなると、強度、硬化深度、耐変色性には優れる
が、環境光に対する安定性が低下する傾向にある。
【0014】これら二種類の還元剤は、合計量で後述す
る重合性単量体100重量部に対して0.1〜3重量
部、好ましくは0.3〜3重量部の範囲で用いられる。
この合計量が重合性単量体100重量部に対して0.1
より少なくなると、硬化深度が浅くなり、強度、耐変色
性に劣る傾向になる。逆に、合計量が3重量部以上にな
ると、環境光に対して安定でなくなる傾向にある。
【0015】本発明の光重合性組成物に使用する光増感
剤としては、α−ジケトンが使用される。該α−ジケト
ンを具体的に例示すれば、カンファーキノン、ベンジ
ル、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、
4,4′−ジエトキシベンジル、4,4′−オキシベン
ジル、4,4′−ジクロルベンジル、4−ニトロベンジ
ル、α−ナフチル、β−ナフチル、1,2−シクロヘキ
サジオン、ジアセチル等が挙げられる。これら光増感剤
は上記還元剤の合計量100重量部に対して通常10〜
200重量部、好ましくは30〜100重量部の割合で
用いられる。
【0016】本発明の光重合性組成物に使用される重合
性単量体としては特に限定的ではなく、光重合が可能で
あればいかなるものも使用できる。例えば一般に歯科用
修復材料として使用されている公知なものが使用でき
る。最も代表的なものはアクリル基および/又はメタク
リル基を有するラジカル重合可能な単量体である。
【0017】具体的に例示すると、ビスフェノールAジ
グリシジルメタクリレート、メチルメタクリレート、ビ
スメタクリロエトキシフェニルプロパン、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラメチロールトリア
クリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレー
ト、トリメチールエタントリメタクリレート等が好適で
ある。またウレタン構造を有する単量体も好適に使用さ
れる。これらの単量体は歯科用としては公知なものであ
るので必要に応じて単独で或いは混合して使用すれば良
い。特に、本発明の効果、つまり環境光に安定で、硬化
深度が深い重合性単量体の組み合わせは、ビスメタクリ
ロエトキシフェニルプロパンとトリエチレングリコール
ジメタクリレートを主成分とする混合系が好ましい。
【0018】本発明では、保存中に重合しないように安
定化させるために、さらに重合禁止剤を加えることがで
きる。重合禁止剤の添加は操作余裕時間に影響を与える
ため、上記重合触媒量に応じて適当量を添加する。重合
禁止剤としては、公知なものが使用できる。代表的なも
のは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキ
ノン、ブチルヒドロキシトルエン等があげられる。重合
禁止剤は、還元剤の合計量100重量部に対して10〜
200重量部、好ましくは20〜100重量部の割合で
用いられる。本発明では、硬化体の機械的強度を上げる
ために更に充填材を加えることができる。該充填材とし
ては特に限定的でなく、例えば一般に歯科用修復材料と
して使用される公知なものが使用できる。最も代表的な
ものは、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シ
リカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ス
トロンチウムガラス等が好適である。粒径は通常0.0
1μm〜100μmの範囲で目的にあわせて選択され
る。屈折率は1.4〜1.7の範囲で、重合性単量体と
充填材からなるペースト状の重合組成物およびペースト
状の重合組成物を硬化させた重合硬化体が透明または半
透明になるように自由に選択することができる。
【0019】これらの充填材の割合は、重合性単量体と
混合して適当な粘度のペースト状の光重合性組成物にな
る範囲で選択される。一般に重合性単量体100重量部
に対して、50〜900重量部、好ましくは100〜9
00重量部の範囲で用いられる。
【0020】本発明では、さらに歯牙の色調に合わせる
ために顔料や蛍光顔料を、紫外線に対する変色防止のた
めに紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0021】本発明で最も好ましい態様は、(A)重合
性単量体100重量部、(B)カンファーキノン0.1
〜1重量部からなる光増感剤、並びに(C)4−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチルエステル0.1〜0.5重量部
及びジメチルアミノエチルメタクリレート0.1〜3重
量部からなり且つ4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエ
ステルに対するジメチルアミノエチルメタクリレート配
合比が重量比で0.3〜2の還元剤を含んでなる光重合
性組成物である。
【0022】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、環境光下で
十分な操作余裕時間を有し、光照射器の光を照射した場
合には速やかに重合硬化し、硬化深度が深く、変色が起
こりにくく、また、引張強度等の機械的特性に優れてお
り、歯科用複合修復材料に要求される性能を充分に満足
しているのでこれらの歯科用用途に適していることの他
に、歯科用以外の精密工作用の種々の複合材料などの用
途にも利用できる。
【0023】
【実施例】以下実施例及び比較例をあげ、本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるもの
ではない。なお、以下の実施例、比較例に示したペース
ト状の重合組成物の調製及び硬化特性(環境光安定性、
硬化深度)の測定、並びに硬化方法、硬化後の物性値
(引っ張り強度、耐変色性)の測定は、以下の方法に従
った。また、実施例で用いた重合性単量体、還元剤、光
増感剤、重合禁止剤は以下の通りである。
【0024】ビスフェノールAジグリシジルメタクリレ
ート(以下bis−GMAと略す) ビスメタクリロエトキシフェニルプロパン(以下D−
2.6Eと略す) トリエチレングリコールジメタクリレート(以下3Gと
略す) 4ージメチルアミノ安息香酸エチル(以下DMBEと略
す) 4ージメチルアミノ安息香酸イソプロピル(以下DMB
IPと略す) ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMEMと
略す) ジメチルアミノエチルアクリレート(以下DMEAと略
す) ジメチルアミノプロピルメタクリレート(以下DMPM
と略す) N,N′−p−トリルジエタノールアミン(以下DEP
Tと略す) tert−ブチルアミン(以下TBAと略す) ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下HQMEと略
す) ブチルヒドロキシトルエン(以下BHTと略す) (1)ペースト状の重合性組成物の調製 シランカップリング剤で疎水化処理を施した充填材の適
当量をメノウ乳鉢に量り取り、還元剤、光増感剤および
重合性単量体を加えて充填材を十分に分散させ、脱泡し
てペースト状の重合組成物を作製した。
【0025】(2)環境光安定性 ペースト状の重合性組成物試料表面が10000ルック
スになるように光源と試料との距離を設定した。光源に
は、15W蛍光灯(松下電器製、商品名パルック)を用
い、試料表面の照度は、照度計(デジタルルックメータ
ー FLX−1330、東京硝子器械製)を用いて測定
した。
【0026】作製したペースト状の重合組成物を白色練
和紙に米粒大に数個採り、試料とした。これらの試料に
上記蛍光灯の光を照射しながら、2秒ごとに試料を押し
つぶし、試料内部が固まり始めた時点を操作余裕時間と
し、環境光安定性の指標とした。
【0027】(3)硬化深度 作製したペースト状の重合性組成物を直径6mm、長さ
3mmの孔を有するステンレス製割型に填入し、ポリプ
ロピレンフィルムで圧接後、可視光線照射器ホワイトラ
イト(トクヤマ製)を用いて圧接面から30秒間照射し
た。次いで、割型より重合硬化体を取り出し、メタノー
ル溶液中で1分間超音波洗浄し、未硬化の部分を洗い落
とした。マイクロメーターを用い洗い落とせなかった重
合硬化体の長さを測定し、その長さを硬化深度とした。
【0028】(4)引っ張り強度 作製したペースト状の重合性組成物を直径6mm、長さ
3mmの孔を有するステンレス製割型に填入し、ポリプ
ロピレンフィルムで圧接後、可視光線照射器ホワイトラ
イト(トクヤマ製)を用いて圧接面と反対側の底面から
各30秒間照射した。1時間後照射面を1500番のサ
ンドペーパーで研磨した。重合硬化体の試験片を23℃
暗室に24時間放置した後、引っ張り試験機テンシロン
(東洋ボードウィン製)を用いてダイヤメトラル引っ張
り強度を測定した。なお、クロスヘッドスピードは1m
m/分とした。引っ張り強度は下式に従って求めた。
【0029】F=2P/πDH ここで、F:引っ張り強度/MPa P:破壊時の強さ/N D:試験片直径/mm H:試験片高さ/mm (5)耐変色性 作製したペースト状の重合組成物を直径6mm、長さ3
mmの孔を有するステンレス製割型に填入し、ポリプロ
ピレンフィルムで圧接後、可視光線照射器ホワイトライ
ト(トクヤマ製)を用いて圧接面と反対側の底面から各
30秒間照射した。1時間後照射面を1500番のサン
ドペーパーで研磨した。重合硬化体の試験片を23℃暗
室に24時間放置した後、光照射面の色調を色差計(日
本電色製)を用いて測定した。試験片を80℃、7.4
%コーヒー水溶液に攪はんしながら24時間浸漬後、試
験片の色調を測定し、浸漬前後の色差(△E*)を算出
し、着色量とし、耐変色性の指標とした。
【0030】実施例1 γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランで疎水
化処理を施した平均粒径0.2ミクロンのシリカチタニ
ア球状粒子70重量部、重合性単量体としてD−2.6
E15重量部おうおび3G15重量部、光増感剤として
カンファーキノン0.3重量部、重合禁止剤としてHQ
ME0.2重量部、還元剤としてDMBE0.3重量部
およびDMEM0.08重量部を混合して、ペースト状
の重合組成物を作製した。
【0031】このペースト状の重合組成物は操作余裕時
間が100秒で、硬化深度が8.1mmであった。また
本光重合性組成物を重合硬化させ、引っ張り強度とコー
ヒー着色量を測定した結果引っ張り強度が43.7MP
a、コーヒー着色量が13.5であり、操作余裕時間が
長く、しかも、硬化深度が大きく、引っ張り強度が高
く、耐変色性に優れていることが分かった。
【0032】実施例2 表1に示すように、DMBE、DMEM、カンファーキ
ノン、HQMEの添加量を変えた以外は実施例1と同様
な方法でペースト状の重合組成物を作製し、諸物性を測
定した。測定結果を合わせて表1に示す。
【0033】いずれの実施例も、操作余裕時間が長く、
しかも、硬化深度が大きく、引っ張り強度が高く、耐変
色性に優れていることが分かった。また、驚くべきこと
に、DMEMをある程度まで増やしていっても操作余裕
時間は長くなり、引っ張り強度、硬化深度は高くなり、
耐変色性も向上する傾向にあることが分かった。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1〜11 還元剤として、DMBE、DMEMを各々単独で用いた
点と、他の還元剤であるDEPTやTBAと組み合わせ
て使用した以外はすべて実施例1と同様な方法でペース
ト状の重合組成物を作製し、諸物性を測定した。その結
果を表2に示す。
【0036】いずれの比較例においても、硬化体を作製
し物性を測定したところコーヒー着色量が14を越え、
歯科用複合修復材料としては、好ましくなかった。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3 γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランで疎水
化処理を施した平均粒径10ミクロンの石英粉末75重
量部と重合性単量体としてbis−GMA15重量部、
3G15重量部、光増感剤としてカンファーキノン0.
3重量部、重合禁止剤としてHQME0.2重量部、還
元剤としてDMBE0.3重量部、DMEA0.32重
量部を混合して、ペースト状の重合組成物を作製した。
【0039】このペースト状の重合組成物は操作余裕時
間が105秒で、硬化深度が7.2mmであった。また
本光重合性組成物を重合硬化させ、引っ張り強度とコー
ヒー着色量を測定した結果、引っ張り強度が42.5M
Pa、コーヒー着色量13.8であり、操作余裕時間が
長く、しかも、硬化深度が大きく、引っ張り強度が高
く、耐変色性に優れていることが分かった。
【0040】実施例4 還元剤としてDMBIP0.4重量部とDMPM0.4
重量部、重合禁止剤としてBHT重量部0.6、光増感
剤としてカンファーキノン0.3重量部およびベンジル
0.1重量部を用いた以外はすべて実施例1と同様な方
法でペースト状の重合組成物を作製し、諸物性を測定し
た。その結果、このペースト状の重合組成物は操作余裕
時間が110秒で、硬化深度が7.2mmであった。ま
た本光重合性組成物を重合硬化させ、引っ張り強度とコ
ーヒー着色量を測定した結果、引っ張り強度が43.0
MPa、コーヒー着色量13.6であり、操作余裕時間
が長く、しかも、硬化深度が大きく、引っ張り強度が高
く、耐変色性に優れていることが分かった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重合性単量体、(B)α−ジケト
    ンからなる光増感剤、並びに(C)4−ジメチルアミノ
    安息香酸エステル及びビニル基を有する脂肪族第三級ア
    ミンからなる還元剤を含んでなる光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 重合禁止剤および充填剤を配合した請求
    項1記載の光重合性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010064998A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Tokuyama Dental Corp 光重合開始剤及び該光重合開始剤を含む歯科用コンポジットレジン
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