JPH08143499A - ジメチルデカンジアールおよびその製造方法 - Google Patents

ジメチルデカンジアールおよびその製造方法

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JPH08143499A
JPH08143499A JP6282006A JP28200694A JPH08143499A JP H08143499 A JPH08143499 A JP H08143499A JP 6282006 A JP6282006 A JP 6282006A JP 28200694 A JP28200694 A JP 28200694A JP H08143499 A JPH08143499 A JP H08143499A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐加水分解性ポリウレタン樹脂の一成
分となる一般式 【化1】 (式中、AおよびBはどちらか一方がメチル基を、他方
が水素原子を表す。)で示されるジメチルデカン二酸の
原料として工業的に有用な一般式 【化2】 (式中、AおよびBは上記定義のとおりである。)で示
される新規なジメチルデカンジアールを提供する。 【構成】 一般式 【化3】 (式中、AおよびBは上記定義のとおりである。)で示
されるジオレフィンをヒドロホルミル化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式(I)
【化6】 (式中、AおよびBはどちらか一方がメチル基を、他方
が水素原子を表す。)で示される新規なジメチルデカン
ジアールおよびその製造方法、ならびにそれを酸化する
一般式(III )
【化7】 (式中、AおよびBは上記定義のとおりである。)で示
されるジメチルデカン二酸の製造方法に関する。本発明
により提供される一般式(I)で示されるジメチルデカ
ンジアールは、一般式(III )で示されるジメチルデカ
ン二酸の製造原料として有用である。一般式(III )で
示されるジメチルデカン二酸を成分とするポリエステル
ジオールは優れた耐加水分解性を示し、高性能ポリウレ
タンの成分としてポリウレタン樹脂、繊維、塗料、フィ
ルムなどに用いられる。
【0002】
【従来の技術】一般式(I)で示されるジメチルデカン
ジアールは文献に記載のない新規化合物である。一般式
(III )で示されるジメチルデカン二酸の合成法として
下記の方法が知られている。 (1)一般式(III )においてA=H、B=Meである
3,8−ジメチルデカン二酸を、2,7−オクタンジオ
ンを出発原料として、ブロモ酢酸エチルのリフォルマト
スキー(Reformatsky )反応、水酸基の臭素化反応、脱
臭化水素反応、二重結合の水素化反応、エステルの加水
分解反応の5段階で合成する方法(ジュスティヒ リー
ビッヒ アンナーレン デア ヘミー(Ann.)、580
巻、125〜31ページ(1953年)参照)。 (2)一般式(III )においてA=H、B=Meである
3,8−ジメチルデカン二酸を、メチルマロン酸ジエチ
ルと1,4−ジブロモブタンからマロン酸縮合、加水分
解、脱炭酸で得られる2,7−ジメチルオクタン二酸を
中間体とし、これを酸塩化物に変換した後、ジアゾケト
ンを経て合計7段階で合成する方法(ジュスティヒ リ
ービッヒ アンナーレン デア ヘミー(Ann.)、59
8巻、1〜24ページ(1956年)参照)。 (3)一般式(III )においてA=Me、B=Hである
3,7−ジメチルデカン二酸を、Geranium macrorhizum
の精油から分離されるゲルマクロン(germacrone)を水
素化、オゾン分解、過塩素酸分解することにより得る方
法(ケム リスティ(Chem.listy)、52巻 1174
〜1179ページ(1958年)参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)および
(2)の3,8−ジメチルデカン二酸を合成する方法は
いずれも多くの反応工程を要し、しかも高価なまたは取
り扱い時に危険性の高い原料や反応剤を用いる点で工業
的製法とは言えない。一方、上記(3)の3,7−ジメ
チルデカン二酸を合成する方法は天然精油を原料とし、
オゾンや過塩素酸という爆発性のある反応剤を用いる点
で工業的製法とは言えない。したがって、安価な原料お
よび安価な反応剤を用いて短工程で一般式(III )で示
されるジメチルデカン二酸を経済的に製造する方法の開
発が強く望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、一般式(I)で示される3,8−ジメチルデカン
ジアールおよび3,7−ジメチルデカンジアールが、そ
れぞれ一般式(III )で示される3,8−ジメチルデカ
ン二酸および3,7−ジメチルデカン二酸の経済的製法
の中間体となることを見いだし、その製法を確立するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0005】一般式(I)においてA=H、B=Meで
示される3,8−ジメチルデカンジアールは、例えば、
一般式(II)においてA=H、B=Meで示される2,
7−ジメチル−1,7−オクタジエンを、また一般式
(I)においてA=Me、B=Hで示される3,7−ジ
メチルデカンジアールは、例えば、一般式(II)におい
てA=Me、B=Hで示される2,6−ジメチル−1,
7−オクタジエンを,それぞれ触媒の存在下に一酸化炭
素および水素の混合ガスを用いてヒドロホルミル化する
ことにより製造できる。なお、2,7−ジメチル−1,
7−オクタジエンおよび2,6−ジメチル−1,7−オ
クタジエンはそれぞれイソプレンとギ酸塩および水から
パラジウム触媒の作用により合成できる(それぞれ特公
昭62−41576号公報および特開昭55−1575
21号公報参照)。
【0006】本発明の一般式(I)で示されるジメチル
デカンジアールを製造する反応の触媒としては、オレフ
ィンと一酸化炭素および水素との反応、すなわちオレフ
ィンのヒドロホルミル化反応の触媒作用を有するもので
あれば使用可能であるが、元素周期表における第8族元
素を成分とする化合物、またはこれらとリン化合物もし
くは窒素化合物との組み合わせが適しているが、特にロ
ジウム化合物とリン化合物からなる触媒が好適である。
【0007】上記のロジウム化合物としては、ヒドロホ
ルミル化反応の触媒能を有するか、またはヒドロホルミ
ル化の反応系内で活性化処理を行うことにより触媒能を
獲得する化合物であれば使用可能であり、例えば、酸化
ロジウム、塩化ロジウム、臭化ロジウムなどの無機塩;
酢酸ロジウム、プロピオン酸ロジウムなどのカルボン酸
塩;ロジウムアセチルアセトナートなどのキレート化合
物、Rh4 (CO)12、[Rh(CO)2 Cl]2 、R
h(CO)2 (CH3 COCHCOCH3 )などのカル
ボニル化合物;Rh/C、Rh/シリカ、Rh/アルミ
ナ、Rhブラックなどの金属を挙げることができる。こ
れらのロジウム化合物の使用量は併用するリン化合物の
種類および量、あるいは反応条件によっても異なるが、
反応混合液中でのロジウム原子濃度として、0.005
〜5ミリグラム原子/l、好ましくは0.01〜0.5
ミリグラム原子/lである。
【0008】上記ロジウム化合物と共に用いるリン化合
物としては、上記ロジウム化合物を単独で用いた場合に
比べて触媒活性を増大するおよび/または触媒寿命を改
善する作用を持つものであれば使用可能であるが、例え
ば、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホ
スフィン、m−ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニ
ルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノブタンな
どのホスフィン類;トリエチルホスファイト、トリメチ
ロールプロパンホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリ(o−トリル)ホスファイト、トリ(2−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト
類を挙げることができる。これらの有機リン化合物の使
用量はロジウム1グラム原子当たり1〜1000モル、
好ましくは10〜500モル、特に好ましくは50〜3
00モルである。
【0009】本発明の一般式(I)で示されるジメチル
デカンジアールを製造する反応は、60〜150℃、特
に90〜130℃の温度範囲で実施することが好まし
い。反応温度が60℃未満の場合には反応速度が遅くな
り、150℃を越える場合には触媒の安定性を維持しに
くい傾向にある。
【0010】反応圧力は、反応温度にもよるが、10〜
150気圧、特に60〜120気圧の範囲が好ましい。
反応圧力が10気圧未満の場合は反応速度および選択率
が低下する。また、反応圧力に関して特に上限はない
が、反応装置および操作性の点から150気圧以下で実
施することが工業的に好ましい。
【0011】本反応で用いる一酸化炭素および水素の比
率は、反応器への入りガスのモル比として一酸化炭素/
水素=1/3〜3/1の範囲で実施することが好まし
い。なお、ヒドロホルミル化反応に対して不活性なガス
が共存しても差し支えない。
【0012】本反応においては溶媒は使用しなくてもか
まわないが、ヒドロホルミル化反応に対して不活性な溶
媒であれば、これを用いることもできる。使用可能な溶
媒として、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;ジブチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレング
リコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジ
メチルエーテルなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル類;エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコールなどのアルコール類;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド
類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化
合物を挙げることができる。溶媒の使用量は任意である
が、容積効率の点から原料となる一般式(II)で示され
るジオレフィンに対して50重量倍以下の量が適当であ
る。
【0013】本反応はバッチ式、連続式のいずれの方法
でも行うことができる。バッチ式で実施する場合には、
触媒成分、一般式(II)で示されるジオレフィン、必要
に応じて溶媒を反応器に仕込み、一酸化炭素と水素の混
合ガスで加圧後、所定の温度で反応させる方法、あるい
は触媒成分と溶媒を仕込んだ反応器を一酸化炭素と水素
の混合ガスで加圧、昇温後にこれに一般式(II)で示さ
れるジオレフィンと必要に応じて溶媒との混合物をフィ
ードする方法を採用することができる。
【0014】本反応においては、転化率が100%にな
るまで反応させることもできるが、100%未満の転化
率で実施することも可能である。
【0015】反応終了後は、一酸化炭素および水素をパ
ージし、必要に応じて溶媒を蒸留回収した後、蒸留、薄
膜蒸発、水蒸気蒸留あるいは抽出などの精製手段により
一般式(I)で示されるジメチルデカンジアールを得る
ことができる。精製過程で分離された触媒成分を再使用
することも可能である。
【0016】このようにして得られた一般式(I)で示
されるジメチルデカンジアールから酸化反応により一般
式(III )で示されるジメチルデカン二酸を製造するこ
とができる。これは、アルデヒドをカルボン酸に変換す
る方法として通常知られている方法で実施可能であり、
例えば、金属塩を触媒とする酸素酸化法を挙げることが
できる。なお、一般式(I)で示されるジメチルデカン
ジアールは上記の手段により精製したものを本酸化反応
に用いることもできるが、精製することなく本反応に使
用することも可能である。
【0017】本発明の一般式(I)で示されるジメチル
デカンジアールから一般式(III )で示されるジメチル
デカン二酸を製造する反応の触媒としては、銅、コバル
ト、マンガン、鉄などの遷移金属、またはこれらの塩化
物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物;酢酸塩、プ
ロピオン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩などのカルボン
酸塩;アセチルアセトナートのようなジケトン錯体が使
用可能である。これらの金属あるいは金属塩は単独また
は2種以上を混合して用いることができ、また金属塩は
無水物であっても含水物であってもよい。これらの触媒
の使用量はその種類および反応条件によって異なるが、
反応混合液中での金属原子換算濃度として0.1〜10
00ppm、好ましくは1〜100ppmである。
【0018】本反応においては溶媒は使用しなくてもか
まわないが、酸化反応に対して不活性な溶媒であれば、
これを用いることもできる。使用可能な溶媒として、例
えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類;水を挙
げることができる。これらは単独で用いることもできる
し、2種以上を混合して用いることもできる。溶媒の使
用量は任意であるが、容積効率の点から原料となる一般
式(I)で示されるジメチルデカンジアールに対して5
0重量倍以下の量が適当である。
【0019】一般式(I)で示されるジメチルデカンジ
アールを酸化する反応は、反応混合液の融点にもよる
が、10〜100℃、特に30〜80℃の温度範囲で実
施することが好ましい。反応温度が30℃未満の場合に
は反応速度が遅くなり、80℃を越える場合には反応の
制御が困難となる傾向にある。
【0020】本酸化反応は酸素または空気のような酸素
と不活性気体との混合物中で行うことができる。工業的
には空気を用いることが有利であり、反応圧力に関して
特に上限はないが、反応装置および安全性の点から50
気圧以下、特に10気圧以下で実施することが好まし
い。
【0021】本反応はバッチ式、連続式のいずれの方法
でも行うことができる。バッチ式で実施する場合には、
触媒、一般式(I)で示されるジメチルデカンジアー
ル、必要に応じて溶媒を反応器に仕込み、酸素または空
気のような酸素と不活性気体との混合物の存在下に所定
の圧力および温度で反応させる方法、あるいは触媒と溶
媒を仕込んだ反応器を酸素または空気のような酸素と不
活性気体との混合物の存在下に所定の圧力および温度に
保ちながらこれに一般式(I)で示されるジメチルデカ
ンジアールと必要に応じて溶媒との混合物をフィードす
る方法を採用することができる。いずれの反応方式にお
いても、酸素または空気のような酸素と不活性気体との
混合物を張り込んで用いてもよく、流通させて用いても
よい。
【0022】本反応においては、転化率が100%にな
るまで反応させることもできるが、100%未満の転化
率で実施することも可能である。
【0023】反応終了後は、反応系内のガスをパージ
し、必要に応じて溶媒を蒸留回収した後、晶析、蒸留、
薄膜蒸発、水蒸気蒸留あるいは抽出などの精製手段によ
り一般式(III )で示されるジメチルデカン二酸を得る
ことができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0025】実施例1 3,8−ジメチルデカンジアー
ルの合成 5lの加圧反応器にRh(CO)2 (CH3 COCHC
OCH3 )83.3mgとトリス(2,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト20.87gのベンゼン5
00ml溶液を入れ、一酸化炭素/水素(1/1)混合
ガスで80気圧に加圧した。100℃まで昇温した後、
これに2,7−ジメチル−1,7−オクタジエン2.0
5kgを5時間かけてフィードした。この間、圧力は8
0気圧に保った。フィード終了後、さらに同温度および
圧力で5時間反応を続けた。反応器を冷却した後、容器
内のガスをパージした。反応液を取り出し、ベンゼンを
減圧下で留去した後、蒸留精製により3,8−ジメチル
デカンジアールを無色透明の液体として得た。沸点77
〜78℃/0.2mmHg。収量は1.64kg、収率
は56%であった。構造決定に用いた機器分析データを
以下に示す。 NMR分析(CDCl3 溶媒)δ 0.96(d,6
H);1.29(brs,8H);2.05(m,2
H);2.18〜2.45(m,4H);9.85
(t,2H) IR分析 ν 2,970〜2,850;2,730;
1,725;1,460;1,380;1,015 c
m-1 GC−質量分析 m/z(相対強度) 71(10
0),41(74),55(74),81(62),6
9(60),43(40),95(37)
【0026】実施例2 3,8−ジメチルデカン二酸の
合成 5lの加圧反応器にCu(OCOCH3 2 (H2 O)
0.19gおよび酢酸1.5lを入れ、空気で7気圧に
加圧した後、50℃に昇温した。空気を240l/hr
の速度で流通しながら、これに3,8−ジメチルデカン
ジアール750gと酢酸750mlとの混合物を3時間
かけてフィードした。フィード終了後、同じ温度および
圧力で反応を4時間続けた。反応器を冷却した後、容器
内のガスをパージして反応液を取り出した。これを窒素
雰囲気下で110℃にて1時間加熱した。酢酸を減圧下
で留去した後、酢酸/水(1/1)の混合溶媒から再結
晶を2回繰り返すことにより、3,8−ジメチルデカン
二酸を融点76.5〜77.5℃の白色の固体として得
た。収量は449gであった。また、母液から酢酸と水
を減圧下で留去した後、先と同様の再結晶操作を行うこ
とにより、99gの3,8−ジメチルデカン二酸を得
た。これらを合計した収率は63%であった。機器分析
データを以下に示す。 NMR分析(CDCl3 溶媒)δ 0.97(d,6
H);1.28(brs,8H);1.96(m,2
H);2.09〜2.38(m,4H);10.4(b
r) IR分析(ヌジョール法) ν 1,700 cm-1 FAB−質量分析 m/z(相対強度) 231(10
0),213(100)
【0027】実施例3 3,7−ジメチルデカンジアー
ルの合成 5lの加圧反応器にRh(CO)2 (CH3 COCHC
OCH3 )83.3mgとトリス(2,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト20.87gのベンゼン5
00ml溶液を入れ、一酸化炭素/水素(1/1)混合
ガスで90気圧に加圧した。100℃まで昇温した後、
これに2,6−ジメチル−1,7−オクタジエン2.0
5kgを5時間かけてフィードした。この間、圧力は9
0気圧に保った。フィード終了後、さらに同温度および
圧力で5時間反応を続けた。反応器を冷却した後、容器
内のガスをパージした。反応液を取り出し、ベンゼンを
減圧下で留去した後、単蒸留にて触媒成分を除去した。
得られた留出液を精密蒸留することにより3,7−ジメ
チルデカンジアールをほぼ無色透明の液体として得た。
沸点99〜100℃/0.85mmHg。収量は1.2
0kg、収率は41%であった。構造決定に用いた機器
分析データを以下に示す。 NMR分析(CDCl3 溶媒)δ 0.89(d,3
H);0.95(d,3H);1.10〜1.50
(m,8H);1.65(m,1H);2.04(m,
1H);2.19〜2.47(m,4H);9.85
(m,2H) IR分析 ν 2,960〜2,850;2,720;
1,720;1,455;1,375 cm-1 GC−質量分析 m/z(相対強度) 41(10
0),55(100),71(75),81(73),
95(63),154(3),165(2)
【0028】実施例4 3,7−ジメチルデカン二酸の
合成 5lの加圧反応器にCu(OCOCH3 2 (H2 O)
0.19gおよび酢酸1.5lを入れ、空気で7気圧に
加圧した後、50℃に昇温した。空気を240l/hr
の速度で流通しながら、これに3,7−ジメチルデカン
ジアール750gと酢酸750mlとの混合物を3時間
かけてフィードした。フィード終了後、同じ温度および
圧力で反応を6時間続けた。反応器を冷却した後、容器
内のガスをパージして反応液を取り出した。これを窒素
雰囲気下で110℃にて1時間加熱した。酢酸を減圧下
で留去した後、残液を蒸留して、3,7−ジメチルデカ
ン二酸をほぼ無色透明の液体として得た。沸点175〜
180℃/0.80mmHg。収量は435g、収率は
61%であった。機器分析データを以下に示す。 NMR分析(CDCl3 溶媒)δ 0.89(d,3
H);0.97(d,3H);1.08〜1.50
(m,8H);1.68(m,1H);1.95(m,
1H);2.10〜2.42(m,4H);11.4
(br,2H) IR分析 ν 3,000〜2,850;1,720〜
1,700;1,280;1,220;930 cm-1
【0029】実施例5〜7 ジメチルデカンジアールの
合成 1mlの加圧反応器にRh(CO)2 (CH3 COCH
COCH3 )1.3mg、トリス(2,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト324mg、それぞれ表1
に記載した溶媒20ml並びに一般式(II)においてそ
れぞれ表1で表されるAおよびBで示されるジメチルオ
クタジエン20.0gを入れ、一酸化炭素/水素(1/
1)混合ガスで80気圧に加圧した。それぞれ表1に示
した温度まで昇温した後、圧力を80気圧に保って6時
間加熱撹拌を続けた。反応器を冷却した後、容器内のガ
スをパージした。反応液を取り出し、ガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、一般式(I)においてそれぞれ
表1で表されるAおよびBで示されるジメチルデカンジ
アールがそれぞれ表1に記載した収率で生成しているこ
とが判明した。
【0030】
【表1】
【0031】実施例8〜11 ジメチルデカン二酸の合
成 100mlの加圧反応器にそれぞれ表2に記載した金属
塩3.5mgおよび酢酸20mlを入れ、空気で7気圧
に加圧した後、50℃に昇温した。空気を5l/hrの
速度で流通しながら、これに一般式(I)においてそれ
ぞれ表2で表されるAおよびBで示されるジメチルデカ
ンジアール10gと酢酸20mlとの混合物を20分間
かけてフィードした。フィード終了後、同じ温度および
圧力で反応を6時間続けた。反応器を冷却した後、容器
内のガスをパージして反応液を取り出した。反応液の一
部をメチルエステル化した後、ガスクロマトグラフィー
で分析した結果、表2に示す収率で一般式(III )で示
されるジメチルデカン二酸が生成していることが認めら
れた。
【0032】
【表2】
【0033】参考例1 3,8−ジメチルデカン二酸を
酸成分とするポリエステルジオールの合成 3,8−ジメチルデカン二酸6.90kg、1,4−ブ
タンジオール3.24kgを反応器に仕込み、常圧にて
200℃で生成する水を留去しながらエステル化反応を
行った。反応物の酸価が30以下になった時点で、テト
ライソプロピルチタネート134mgを加え、200〜
100mmHgに減圧しながら、さらにエステル化反応
を続けた。酸価が1.0になった時点で真空ポンプによ
り徐々に真空度を上げて反応を完結させた。このように
して得られるポリエステルポリオールは水酸基価56.
7、酸価0.01であり、数平均分子量は1,980で
あった。
【0034】参考例2 3,7−ジメチルデカン二酸を
酸成分とするポリエステルジオールの合成 3,7−ジメチルデカン二酸6.90kg、を3,8−
ジメチルデカン二酸6.90kgに代えて用いる他は参
考例1に記載と同様の操作を行った結果、得られたポリ
エステルポリオールは酸価0.01であり、数平均分子
量は1,980であった。
【0035】参考例3 アジピン酸を酸成分とするポリ
エステルジオールの合成 3,8−ジメチルデカン二酸6.90kgに代えてアジ
ピン酸4.38kgを用いる他は参考例1に記載した方
法と同様の操作により、酸価0.02、数平均分子量
2,010のポリエステルジオールを調製した。
【0036】参考例4 ポリエステルジオールの耐加水
分解性評価 ポリエステルジオールを100℃の熱水中に10日間浸
漬し、加水分解による酸価の増大を調べることにより、
耐加水分解性を評価した。3,8−ジメチルデカン二酸
を酸成分とする参考例1のポリエステルジオールでは試
験後の酸価が0.48、3,7−ジメチルデカン二酸を
酸成分とする参考例2のポリエステルジオールでは試験
後の酸価が1.02であったのに対して、参考例3のポ
リエステルジオールではその値は50以上と大きく、前
二者は優れた耐加水分解性を持つことが判明した。
【0037】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で示される新規な
ジメチルデカンジアールは、優れた耐加水分解性ポリウ
レタン樹脂合成用の一成分となる一般式(III )で示さ
れるジメチルデカン二酸の製造原料として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】実施例5〜7 ジメチルデカンジアールの
合成100 mlの加圧反応器にRh(CO)2 (CH3 CO
CHCOCH3 )1.3mg、トリス(2,6−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト324mg、それぞれ
表1に記載した溶媒20ml並びに一般式(II)におい
てそれぞれ表1で表されるAおよびBで示されるジメチ
ルオクタジエン20.0gを入れ、一酸化炭素/水素
(1/1)混合ガスで80気圧に加圧した。それぞれ表
1に示した温度まで昇温した後、圧力を80気圧に保っ
て6時間加熱撹拌を続けた。反応器を冷却した後、容器
内のガスをパージした。反応液を取り出し、ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、一般式(I)においてそ
れぞれ表1で表されるAおよびBで示されるジメチルデ
カンジアールがそれぞれ表1に記載した収率で生成して
いることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、AおよびBはどちらか一方がメチル基を、他方
    が水素原子を表す。)で示される新規なジメチルデカン
    ジアール。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、AおよびBはどちらか一方がメチル基を、他方
    が水素原子を表す。)で示されるジオレフィンをヒドロ
    ホルミル化することを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、AおよびBは上記定義のとおりである。)で示
    されるジメチルデカンジアールの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I) 【化4】 (式中、AおよびBはどちらか一方がメチル基を、他方
    が水素原子を表す)で示されるジメチルデカンジアール
    を酸化することを特徴とする一般式(III ) 【化5】 (式中、AおよびBは上記定義のとおりである。)で示
    されるジメチルデカン二酸の製造方法。
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