JPH08143070A - スローリークに対する防菌性嵌合容器 - Google Patents

スローリークに対する防菌性嵌合容器

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JPH08143070A
JPH08143070A JP30435794A JP30435794A JPH08143070A JP H08143070 A JPH08143070 A JP H08143070A JP 30435794 A JP30435794 A JP 30435794A JP 30435794 A JP30435794 A JP 30435794A JP H08143070 A JPH08143070 A JP H08143070A
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JP
Japan
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cap
silver
antibacterial agent
top surface
mouth
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JP30435794A
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Kenji Nakamura
憲司 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スローリークに対する防菌性のある嵌合容器
の提供。 【構成】 嵌合容器の口部天面部又はこれに密接するキ
ャップライナーのいずれか一方又は双方の少なくとも一
部に銀系無機抗菌剤を存在させることによりスローリー
クによる雑菌の浸入を防止した容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気密性嵌合容器等に於
いてキャップや王冠のスローリークにより、嵌合容器内
部に細菌が侵入して汚染されることを防止した、防菌性
の嵌合容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、果実飲料、コーヒー、紅茶、
ウーロン茶、乳飲料、ミネラルウォーター等の飲料用水
の嵌合容器注入は滅菌のために加熱充填されている。果
実飲料では82〜85℃、コーヒー、ウーロン茶では85〜90
℃、ミネラルウォーターでは70〜75℃に加熱して中液の
滅菌処理と共に嵌合容器内部の滅菌処理を行っており、
加熱充填後直ちにキャッピングして、次いで転倒殺菌法
により嵌合容器を転倒して嵌合容器内首部も加熱滅菌す
るのが一般的である。このような加熱滅菌は、膨張した
状態でキャッピングするからキャップライナーと嵌合容
器口部天面部が密着して気密性であるので、キャッピン
グ後に容器内の温度が下がるにつれて嵌合容器内が減圧
となる。しかしながらこのとき、キャップライナーと嵌
合容器の口部との密着性に異常があると、液洩れは無い
けれども若干の隙間を通して外の空気が徐々に内部に入
る、いわゆる「スローリーク」現象が発生する。このス
ローリークは、加熱充填性を適用したときにのみ特定さ
れるものでなく、保管時の温度の変化によっても充填液
の体積変化に伴い外気が徐々に内部に入り、これととも
に細菌が侵入しやすい状態になる。
【0003】スローリークが発生すると、空気と共に細
菌、真菌が侵入して内容物の腐敗を招くことになる。ス
ローリークは一般に時間をかけて徐々に発生するので、
状態の検出が極めて困難であり、スローリークが判明し
た場合には、長期に亘って現象が生じていたかも知れ
ず、同一ラインの全製品を回収したり、同一ロット全体
を廃棄処分する必要があり、きわめて重大な問題となっ
ている。スローリークの原因は、例えば嵌合容器の口部
天面部の僅かな傷や、キャップの打痕傷によりキャップ
ライナーと嵌合容器口部天面部との密着性不良によるも
のであるが、完全になくすることは極めて困難で決め手
がなく、現在でも何万〜何十万本に一個はスローリーク
が発生し、業界ではその対策に頭を悩ましている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スローリークの発生原
因としては、(1) 嵌合容器口元の擦り傷等によるキャ
ップライナーとの僅かな隙間によるもの、(2) 輸送中
にキャップの角側面が物にぶつかり打痕傷によるもの、
(3) キャップを締める時の操作事故によるもの、が考
えられるが、いずれも僅かな間隙による洩れが発生し、
嵌合容器内部が減圧となるにつれて、僅かな間隙から外
部の空気が入ることとなる。空気が嵌合容器内部に徐々
に流入するとともに細菌・真菌が侵入し充填した液が腐
敗するのである。本発明では、万一、スローリークによ
り細菌・真菌が侵入する状態であっても、スローリーク
の間隙部に銀系無機抗菌剤を固定することにより、間隙
部で銀イオンによって抗菌効果が作用して細菌・真菌な
どの雑菌の容器内部への侵入を完全に防止する技術であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】嵌合容器の口部の天面
部、該天面部と密接するキャップのライナー部のいずれ
か一方、又は双方に銀系無機抗菌剤を、コーティング
材、バインダー、合成樹脂の群より選ばれた一種類によ
り固定してなるスローリークに対して、銀イオンによる
防菌性を有することを特徴とする嵌合容器の防菌性キャ
ップを提供する。
【0006】本発明による容器としては、ボトルを主体
としプラスチックボトルの他にガラス、金属等のボトル
にも適用される。本発明による抗菌剤としては、効果が
長期間にわたって持久性があること、毒性が全くなく食
品衛生的に安全であること、揮発成分がなく安定してい
ること等が必要なことから銀系無機抗菌剤の使用が好ま
しい。銀系無機抗菌剤としては、銀ゼオライト、銀燐酸
ジルコニウム、銀アパタイトや銀錯塩等があり、いずれ
も食品衛生的には使用可能であるが、銀燐酸ジルコニウ
ム、銀アパタイト等に比較して銀イオンの放出量が適量
で一定している銀ゼオライトの使用が好ましい。経時的
な着色汚染を避けるには、銀ゼオライトをシリカで多孔
質のカプセルに包入したものを用いると更に好ましい。
嵌合容器の口部天面部又は該天面部と密接するキャップ
ライナーの一方又は双方の少なくとも一部に銀系無機抗
菌剤を、コーティング材、バインダー、パッキング材、
合成樹脂又はゴム弾性体に含有させて用いる。上記銀系
無機抗菌剤は上記天面部とこれに密接するキャップライ
ナーの接触部には必ず存在させることが必要である。銀
系無機抗菌剤の使用量は、コーティング材、バインダ
ー、パッキング材、合成樹脂又はゴム状弾性体に対して
0.5%〜10%、好ましくは1%〜5%混合する。
【0007】コーティング材としては、アクリル・エポ
キシ系合成樹脂、ポリアミン・エポキシ系合成樹脂、塩
ビ・アクリル系合成樹脂、ポリウレタン系合成樹脂、ス
チレン・アクリル系合成樹脂、アクリル・シリコーン系
合成樹脂等のコーティング材に銀抗菌剤を1%〜5%混
合して使用されるが、これらのコーティング材成分に限
定される訳ではない。これらの銀抗菌剤を含むコーティ
ング材を天然又は合成のコルク材やパッキング材の表面
に塗布することによって所期の目的が達成できる。
【0008】バインダーとしては、合成樹脂エマルジョ
ンとして一般に多用されているアクリル系バインダー、
塩化ビニール系バインダー、ウレタン系バインダー等に
銀抗菌剤を1%〜5%混合して使用することができる。
【0009】合成樹脂としては、PET、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ナイロン、ABS、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニール、ポリアクリル、ポリスチレン等の嵌
合容器及びキャップの成分に銀抗菌剤を1%〜5%混合
して、嵌合容器のキャップ部に成形付着させる。キャッ
プライナー素材、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、合成ゴム、シリコーン等の合成樹脂原料に銀抗菌剤
を混合した発泡体シートとして用いるか、又はライナー
シートの表面に銀ゼオライトを含むコーティング材、又
はバインダーを塗布して使用することができるが、いず
れの態様にしても嵌合容器の口部天面部と密接する部分
に銀抗菌剤が存在することが必要である。ライナー表面
であっても、嵌合容器の口部天面部と密接しない部分に
は、菌抗菌剤はあってもよいがなくてもよい。
【0010】王冠1では内面に、銀ゼオライトを混合し
たポリエチレンシート11を型押成形して接着すること
ができる(図1)。アルミニウムのキャップ2では、コ
ーティング材に銀ゼオライトを混合したもの22をアル
ミニウム板21に塗布してからキャップ2に成形して用
いることができる(図2)。キャップ2に成形後に内部
天面に、銀ゼオライトを含むポリエチレン等でライニン
グ23を行ってもよい(図3)。プラスチックキャップ
3では、キャップ31の成形時に銀ゼオライトを含む樹
脂成分32を、ライナー部に射出するように成型機で1
工程で成形することができる。即ち、キャップに成形し
た後で、射出タイムをずらしてライニングするなどの方
法で銀抗菌剤を含む合成樹脂32をライナーとして付着
させてもよい(図4)。ボトル4の口部天面部を加工す
るには、成形後のボトル41の口部天面43を銀ゼオラ
イトを混合したコーティング材42で塗布してもよい
(図5)。また、ボトル51を成形し、さらに別の射出
成形材料を用いて、ボトル51の成分とは別に射出タイ
ムをずらして銀ゼオライトを含む合成樹脂成分を用い、
嵌合容器口部52を二重に口部を重ねて成形してもよい
(図6)。
【0011】
【実施例1】銀ゼオライトを2%混合した厚さ 0.9mmの
ポリエチレン発泡シート(発泡倍率5倍)を外径28mm、
内径18mmのドーナッツ形に打ち抜いてキャップのライナ
ーとして内径28mmのキャップの内部に挿入固定した。P
ET嵌合容器の口部天面をサンドペーパーで擦り傷をつ
けた 100本の嵌合容器に、ミルクコーヒーを85℃の加熱
充填を行って、該キャップでキャッピングをして転倒殺
菌50秒行った。比較品としてPET嵌合容器の口部天面
に同様の擦り傷をつけた 100本の嵌合容器に、通常のキ
ャップに発泡ポリエチレン製の通常のライナーを用い
て、ミルクコーヒーを同様に加熱充填を行ってキャッピ
ングして転倒殺菌を50秒行ってブランクとした。該試料
を3週間室内に常温で保管し、次いで38℃で24時間培養
した後に、中液の菌数を測定した。その結果は、ライナ
ー部に銀ゼオライトを用いた本発明の方法では、いずれ
も細菌数はゼロであったが、従来のライナーを用いたブ
ランクでは、試料の10%には4〜6×105/mlの一般細菌
の増殖が認められた。
【0012】
【実施例2】PET嵌合容器の口部天面部に、銀ゼオラ
イトを2%添加したエポキシ系クリヤーコーティング材
を塗布し乾燥した。該天面に擦り傷を入れた10本の嵌合
容器に、みかんジュースを82℃で加熱充填して通常のプ
ラスチックキャップを締めて転倒殺菌を50秒行った。一
方、通常の嵌合容器10本に口部天面部に擦り傷を入れ
て、みかんジュースを82℃で加熱充填して通常のプラス
チックキャップを締めて転倒殺菌を50秒行ってブランク
とした。該試料を3週間室内に常温で保管し、次いで38
℃で24時間培養した後に、中液の菌数を測定した。その
結果は、嵌合容器口部天面に銀ゼオライトを塗布したも
のは、いずれも細菌数はゼロであった。これに対して、
ブランクは8%には1〜3×107/mlの一般細菌の増殖が
認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌剤を含む合成樹脂材料を型押成形
して接着した王冠。ただし(a)は上斜視図、(b)は
断面図。
【図2】本発明の抗菌剤を含むコーティング材を内側面
に塗布したアルミニウム板をキャップに成形したもの。
【図3】キャップ成形後に本発明の抗菌剤を含む合成樹
脂材料をライニングしたキャップ。
【図4】成形プラスチックキャップ。
【図5】成形後のボトルの天面に本発明の抗菌剤を含む
コーティング材を塗布した例。
【図6】ボトル天面部のみに本発明の抗菌剤を含む合成
樹脂材料を射出した一例。
【図7】ボトル天面部のみに本発明の抗菌剤を含む合成
樹脂材料を射出した二例。
【図8】ボトル天面部のみに本発明の抗菌剤を含む合成
樹脂材料を射出した三例。
【図9】ボトル天面部のみに本発明の抗菌剤を含む合成
樹脂材料を射出した四例。
【符号の説明】 1 : 王冠 11 :ライニング材 2 :キャップ 21 :アルミニウム板 22 :コーティング材 23 :ライニング材 31 :プラスチックキャップ 32 :ライニング材 41 :ボトル 42 :コーティング材 43 :ボトル天面 51 :ボトル 52 :容器口部 151:ボトル口部 152:ライニング材 251:ボトル口部 252:ライニング材 351:ボトル口部 352:ライニング材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵌合容器口部の天面部、又は該天面が密
    接するキャップのライナーいずれか一方又は双方の少な
    くとも一部に銀系無機抗菌剤を存在させることを特徴と
    する防菌性嵌合容器。
  2. 【請求項2】 銀系無機抗菌剤がコーティング材、バイ
    ンダー、パッキング材、合成樹脂又はゴム弾性体として
    存在されている請求項1の防菌性嵌合容器。
  3. 【請求項3】 銀系無機抗菌剤が銀ゼオライト、銀燐酸
    ジルコニウム、銀アバタイト及び銀錯塩より選ばれた一
    以上の成分を使用する請求項1又は2のいずれかの嵌合
    容器。
JP30435794A 1994-11-14 1994-11-14 スローリークに対する防菌性嵌合容器 Pending JPH08143070A (ja)

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JP30435794A JPH08143070A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 スローリークに対する防菌性嵌合容器

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JP30435794A JPH08143070A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 スローリークに対する防菌性嵌合容器

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JP30435794A Pending JPH08143070A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 スローリークに対する防菌性嵌合容器

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2508442A3 (en) * 2011-04-04 2013-05-29 Curver Luxembourg SARL Storage container
US8857340B2 (en) 2008-01-10 2014-10-14 Rafael, Advanced Defense Systems Ltd. Simulant material for primary explosives
JP2017074704A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 大日本印刷株式会社 プリフォーム、プリフォームの製造方法、プリフォームの結晶化装置、プラスチックボトル、及び充填体の製造方法

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