JPH08142879A - ステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手 - Google Patents
ステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手Info
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- JPH08142879A JPH08142879A JP6283770A JP28377094A JPH08142879A JP H08142879 A JPH08142879 A JP H08142879A JP 6283770 A JP6283770 A JP 6283770A JP 28377094 A JP28377094 A JP 28377094A JP H08142879 A JPH08142879 A JP H08142879A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ステアリングシャフト系への入力による入出力
軸間のこじりの許容量が大きく,また軸線方向長さを小
さくして車両搭載性のよい剪断型弾性軸継手を提供す
る。 【構成】互いに同軸な入出力軸22a,22bから突設
された複数の入出力筒32a〜34b間に,環状の弾性
部材35a,35bを同軸で且つ半径方向に複数介装し
て、両入出力軸22a,22bを連結し、これらの弾性
部材35a,35bの剛性の和で決まるステアリング装
置の剛性を確保しながら,各弾性部材35a,35bの
剛性を低下可能として、具体的には各弾性部材35a,
35bの軸線方向長さを短くして,こじりの許容量を大
きくすると共に、車両搭載性を向上できるようにした。
また、各弾性部材35a,35bの耐久性を向上するた
めに,それらの軸線方向長さや半径方向長さを適切に設
定した。
軸間のこじりの許容量が大きく,また軸線方向長さを小
さくして車両搭載性のよい剪断型弾性軸継手を提供す
る。 【構成】互いに同軸な入出力軸22a,22bから突設
された複数の入出力筒32a〜34b間に,環状の弾性
部材35a,35bを同軸で且つ半径方向に複数介装し
て、両入出力軸22a,22bを連結し、これらの弾性
部材35a,35bの剛性の和で決まるステアリング装
置の剛性を確保しながら,各弾性部材35a,35bの
剛性を低下可能として、具体的には各弾性部材35a,
35bの軸線方向長さを短くして,こじりの許容量を大
きくすると共に、車両搭載性を向上できるようにした。
また、各弾性部材35a,35bの耐久性を向上するた
めに,それらの軸線方向長さや半径方向長さを適切に設
定した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のステアリング装置
に用いられるステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手
に関するものであり、特に路面からのキックバック力や
操舵系の振動によるシミーの低減に有効なコラムカップ
リングなどに好適なものである。
に用いられるステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手
に関するものであり、特に路面からのキックバック力や
操舵系の振動によるシミーの低減に有効なコラムカップ
リングなどに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】現今の車両のステアリング装置は、凡そ
図5のように構成されている。この車両のステアリング
装置は,所謂流体式パワーステアリング装置であるが、
運転者がステアリングホイール1を回転操舵すると,ス
テアリングコラムシャフト2も同位相で回転し、このス
テアリングコラムシャフト2の回転運動が、上方ジョイ
ント3aを介してインターミディエートシャフト4に伝
達され、更に下方ジョイント3bを介してスタブシャフ
ト6に伝達され、更に後述する流体式パワーステアリン
グ装置のロータリーバルブ15に内装されているトーシ
ョンバー16を介してピニオンシャフト14に伝達さ
れ、このピニオンシャフト14に取付けられているピニ
オン7とラック軸8のラック8aとにより当該ラック軸
8の直線運動(並進運動)に変換されて,内側ジョイン
ト21aを介してサイドロッド(タイロッド)11に伝
達され、更に外側ジョイント21bを介してナックルア
ーム12を腕とする偶力に変換され、この偶力によって
転舵輪(前輪)13が転舵する。なお、このステアリン
グ装置では,流体式パワーステアリング装置を備えてい
るため、前記ロータリーバルブ15に内装されているト
ーションバー16に捩じり変位が発生すると、ロータ1
6aに形成されている流体路が切り替わって、当該ロー
タリーバルブ15のポンプポートから供給される流体圧
が,パワーシリンダ17の何れかの入力ポートに供給さ
れてピストン17aに連結されている前記ラック軸8を
移動して操舵の補助力,即ちアシスト力になる。
図5のように構成されている。この車両のステアリング
装置は,所謂流体式パワーステアリング装置であるが、
運転者がステアリングホイール1を回転操舵すると,ス
テアリングコラムシャフト2も同位相で回転し、このス
テアリングコラムシャフト2の回転運動が、上方ジョイ
ント3aを介してインターミディエートシャフト4に伝
達され、更に下方ジョイント3bを介してスタブシャフ
ト6に伝達され、更に後述する流体式パワーステアリン
グ装置のロータリーバルブ15に内装されているトーシ
ョンバー16を介してピニオンシャフト14に伝達さ
れ、このピニオンシャフト14に取付けられているピニ
オン7とラック軸8のラック8aとにより当該ラック軸
8の直線運動(並進運動)に変換されて,内側ジョイン
ト21aを介してサイドロッド(タイロッド)11に伝
達され、更に外側ジョイント21bを介してナックルア
ーム12を腕とする偶力に変換され、この偶力によって
転舵輪(前輪)13が転舵する。なお、このステアリン
グ装置では,流体式パワーステアリング装置を備えてい
るため、前記ロータリーバルブ15に内装されているト
ーションバー16に捩じり変位が発生すると、ロータ1
6aに形成されている流体路が切り替わって、当該ロー
タリーバルブ15のポンプポートから供給される流体圧
が,パワーシリンダ17の何れかの入力ポートに供給さ
れてピストン17aに連結されている前記ラック軸8を
移動して操舵の補助力,即ちアシスト力になる。
【0003】一方、こうした車両のステアリング装置に
は、一般に操舵入力に対する応答性と,路面からの入力
に対する安定性との両立が望まれる。このうち、特に後
者,即ち路面凹凸等に起因する路面からのキックバック
力や操舵系の振動によるシミーの低減などを目的とする
路面からの入力に対する安定性を得るために、前記図5
のステアリング装置では、前記インターミディエートシ
ャフト4の中間部に、高ロスファクターゴムのラバーカ
ップリング等からなるコラムカップリング5が介装され
ている。このコラムカップリング5は、主として操舵入
力として与えられるステアリングコラムシャフト2の回
転力(実質的にはインターミディエートシャフト4に伝
達された回転力)の,当該インターミディエートシャフ
ト4の捩じり方向に作用する捩じり力に対して弾性力を
発揮するものであるが、後段に詳述するように通常のラ
バーカップリングと同様にこのインターミディエートシ
ャフト4の捩じり方向への捩じり力に対して減衰力も発
揮する。この弾性力や減衰力が,路面からの入力や操舵
系の振動に対して作用するために、その出力端であるス
テアリングホイール1が安定する。
は、一般に操舵入力に対する応答性と,路面からの入力
に対する安定性との両立が望まれる。このうち、特に後
者,即ち路面凹凸等に起因する路面からのキックバック
力や操舵系の振動によるシミーの低減などを目的とする
路面からの入力に対する安定性を得るために、前記図5
のステアリング装置では、前記インターミディエートシ
ャフト4の中間部に、高ロスファクターゴムのラバーカ
ップリング等からなるコラムカップリング5が介装され
ている。このコラムカップリング5は、主として操舵入
力として与えられるステアリングコラムシャフト2の回
転力(実質的にはインターミディエートシャフト4に伝
達された回転力)の,当該インターミディエートシャフ
ト4の捩じり方向に作用する捩じり力に対して弾性力を
発揮するものであるが、後段に詳述するように通常のラ
バーカップリングと同様にこのインターミディエートシ
ャフト4の捩じり方向への捩じり力に対して減衰力も発
揮する。この弾性力や減衰力が,路面からの入力や操舵
系の振動に対して作用するために、その出力端であるス
テアリングホイール1が安定する。
【0004】このようなコラムカップリングの代表的な
ものとしては,例えば図6に示す剪断型弾性軸継手が挙
げられる。この剪断型弾性軸継手は、同軸に配設された
同図の左右何れか一方の入出力軸22aの端部に入力筒
23を突設し、他方の入出力軸22bの端部から,前記
入力筒23の外側に同軸に,当該入力筒23との間に同
軸な隙間ができるように出力筒24を突設し、この入力
筒23と出力筒24との隙間に弾性部材25を介装して
両者を連結する。従って、この剪断型弾性軸継手では、
操舵入力や路面入力等によって,入力筒23と出力筒2
4との間に相対回転変位が生じると、両者の間の弾性部
材25に剪断による弾性変形が発生し、同時に両者間に
かかるトルクを伝達するが、この弾性変形による弾性力
や減衰力が,特に路面入力や操舵系の振動に対してステ
アリングホイール1の安定性を付与する。
ものとしては,例えば図6に示す剪断型弾性軸継手が挙
げられる。この剪断型弾性軸継手は、同軸に配設された
同図の左右何れか一方の入出力軸22aの端部に入力筒
23を突設し、他方の入出力軸22bの端部から,前記
入力筒23の外側に同軸に,当該入力筒23との間に同
軸な隙間ができるように出力筒24を突設し、この入力
筒23と出力筒24との隙間に弾性部材25を介装して
両者を連結する。従って、この剪断型弾性軸継手では、
操舵入力や路面入力等によって,入力筒23と出力筒2
4との間に相対回転変位が生じると、両者の間の弾性部
材25に剪断による弾性変形が発生し、同時に両者間に
かかるトルクを伝達するが、この弾性変形による弾性力
や減衰力が,特に路面入力や操舵系の振動に対してステ
アリングホイール1の安定性を付与する。
【0005】なお、操舵入力に対する要求されるステア
リング装置の応答性は、前記剪断型弾性軸継手の弾性部
材25の剛性を高めることで得られる。これをステアリ
ング装置に要求される剛性と記す。
リング装置の応答性は、前記剪断型弾性軸継手の弾性部
材25の剛性を高めることで得られる。これをステアリ
ング装置に要求される剛性と記す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な図5の車両のステアリング装置では、例えば前記イン
ターミディエートシャフト4が,前下がり状態でほぼ車
両前後方向に配設されているとして、例えば転舵輪13
である前輪に,路面凹凸等による前後方向への力が作用
すると、前記インターミディエートシャフト4の上下端
のジョイント3a,3b間の前後方向長さが変化しよう
とする。一般に、この種の等速自在継手は,回転方向へ
の変位は許容するが、長手方向,即ち軸線方向への変位
は許容できないから、前記図6に示す剪断型弾性軸継手
の入出力軸22a,22bには互いに軸線をずらすよう
な力,所謂こじり力が作用する。
な図5の車両のステアリング装置では、例えば前記イン
ターミディエートシャフト4が,前下がり状態でほぼ車
両前後方向に配設されているとして、例えば転舵輪13
である前輪に,路面凹凸等による前後方向への力が作用
すると、前記インターミディエートシャフト4の上下端
のジョイント3a,3b間の前後方向長さが変化しよう
とする。一般に、この種の等速自在継手は,回転方向へ
の変位は許容するが、長手方向,即ち軸線方向への変位
は許容できないから、前記図6に示す剪断型弾性軸継手
の入出力軸22a,22bには互いに軸線をずらすよう
な力,所謂こじり力が作用する。
【0007】一方、前記剪断型弾性軸継手の弾性部材2
5は、一般に当該弾性部材25の半径方向長さ(この場
合は厚さ)が大きい(厚い)ほど,また当該弾性部材2
5の軸線方向長さ(この場合は単に長さでもある)が小
さい(短い)ほど、当該弾性部材25の剛性が低下する
ため、前述のステアリング装置の応答性に応じた剛性を
得るためには,当該弾性部材25の半径方向長さ(厚
さ)を小さく(薄く)且つ軸線方向長さ(長さ)を大き
く(長く)しなければならない。また、単に弾性部材2
5の半径方向長さ(厚さ)を小さく(薄く)すると,繰
り返し剪断応力に対する耐久性が低下するため、必要な
耐久性を得るためには,合わせて当該弾性部材25の軸
線方向長さ(長さ)を大きく(長く)しなければならな
くなっている。
5は、一般に当該弾性部材25の半径方向長さ(この場
合は厚さ)が大きい(厚い)ほど,また当該弾性部材2
5の軸線方向長さ(この場合は単に長さでもある)が小
さい(短い)ほど、当該弾性部材25の剛性が低下する
ため、前述のステアリング装置の応答性に応じた剛性を
得るためには,当該弾性部材25の半径方向長さ(厚
さ)を小さく(薄く)且つ軸線方向長さ(長さ)を大き
く(長く)しなければならない。また、単に弾性部材2
5の半径方向長さ(厚さ)を小さく(薄く)すると,繰
り返し剪断応力に対する耐久性が低下するため、必要な
耐久性を得るためには,合わせて当該弾性部材25の軸
線方向長さ(長さ)を大きく(長く)しなければならな
くなっている。
【0008】このように半径方向長さ(厚さ)が小さく
(薄く)且つ軸線方向長さ(長さ)が大きい(長い)弾
性部材25を介装した入力筒23と出力筒24との間
に,前記図6に示すようなこじり力が作用すると、例え
ば前記入出力筒23,24同志が互いに当接してしまう
などの不具合から,こじりを許容できない構造となる虞
れがあり、また剪断型弾性軸継手自体の軸線方向長さ
(長さ)が大きく(長く)なり過ぎて,車両搭載性(こ
こでは車両への搭載のし易さを表す)が低下し、またそ
の適用範囲が限定されてしまう可能性もある。
(薄く)且つ軸線方向長さ(長さ)が大きい(長い)弾
性部材25を介装した入力筒23と出力筒24との間
に,前記図6に示すようなこじり力が作用すると、例え
ば前記入出力筒23,24同志が互いに当接してしまう
などの不具合から,こじりを許容できない構造となる虞
れがあり、また剪断型弾性軸継手自体の軸線方向長さ
(長さ)が大きく(長く)なり過ぎて,車両搭載性(こ
こでは車両への搭載のし易さを表す)が低下し、またそ
の適用範囲が限定されてしまう可能性もある。
【0009】このうち、こじりを許容するコラムカップ
リングとしては,例えば特開昭56−108965号公
報に記載される弾性軸継手を採用することが考えられ
る。この弾性軸継手は,前述のような剪断型弾性軸継手
と異なり,入出力軸間の圧縮力や引張力で弾性変形する
弾性部材を構成要素としているため、前述のようなこじ
り力が作用しても弾性部材が圧縮又は引張により弾性変
形するだけで,前述のような不具合は発生しない。しか
しながら、この種の圧縮/引張弾性変形を伴う弾性部材
を用いた弾性軸継手では、入出力軸間の相対回転に対す
る伝達トルクの特性が,前述のような剪断型弾性軸継手
のそれに比して線形性に劣り,またそのヒステリシスが
大きく、これらから同等の性能をステアリング装置に求
めた場合には,単純な代用ができないという問題があ
る。
リングとしては,例えば特開昭56−108965号公
報に記載される弾性軸継手を採用することが考えられ
る。この弾性軸継手は,前述のような剪断型弾性軸継手
と異なり,入出力軸間の圧縮力や引張力で弾性変形する
弾性部材を構成要素としているため、前述のようなこじ
り力が作用しても弾性部材が圧縮又は引張により弾性変
形するだけで,前述のような不具合は発生しない。しか
しながら、この種の圧縮/引張弾性変形を伴う弾性部材
を用いた弾性軸継手では、入出力軸間の相対回転に対す
る伝達トルクの特性が,前述のような剪断型弾性軸継手
のそれに比して線形性に劣り,またそのヒステリシスが
大きく、これらから同等の性能をステアリング装置に求
めた場合には,単純な代用ができないという問題があ
る。
【0010】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、特にステアリング系へのこじり力に対し
て入出力軸間のこじりを許容し、軸線方向長さを小さく
して車両への搭載性の高いステアリングシャフトの剪断
型弾性軸継手を提供することを目的とするものである。
たものであり、特にステアリング系へのこじり力に対し
て入出力軸間のこじりを許容し、軸線方向長さを小さく
して車両への搭載性の高いステアリングシャフトの剪断
型弾性軸継手を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上より、本発明のうち
請求項1に係るステアリングシャフトの剪断型弾性軸継
手は、互いに同軸の入力軸と出力軸との間に介装された
弾性部材が、入力軸と出力軸との相対回転時に,剪断に
よる弾性変形によって両者の回転力を伝達するステアリ
ングシャフトの剪断型弾性軸継手において、前記入力軸
及び出力軸の半径方向に,前記弾性部材を複数配設した
ことを特徴とするものである。
請求項1に係るステアリングシャフトの剪断型弾性軸継
手は、互いに同軸の入力軸と出力軸との間に介装された
弾性部材が、入力軸と出力軸との相対回転時に,剪断に
よる弾性変形によって両者の回転力を伝達するステアリ
ングシャフトの剪断型弾性軸継手において、前記入力軸
及び出力軸の半径方向に,前記弾性部材を複数配設した
ことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のうち請求項2に係るステア
リングシャフトの剪断型弾性軸継手は、前記入力軸及び
出力軸の半径方向に配設された複数の弾性部材のうち,
外側の弾性部材の半径方向長さが、内側の弾性部材の半
径方向長さより大きく設定されたことを特徴とするもの
である。また、本発明のうち請求項3に係るステアリン
グシャフトの剪断型弾性軸継手は、前記外側の弾性部材
の外周半径をr1 ,内周半径をr0 とし、内側の弾性部
材の外周半径をr0 ,内周半径をr2 としたとき、これ
らの各半径を,r0 2=r 1 ×r2 を満足する半径に設定
したことを特徴とするものである。
リングシャフトの剪断型弾性軸継手は、前記入力軸及び
出力軸の半径方向に配設された複数の弾性部材のうち,
外側の弾性部材の半径方向長さが、内側の弾性部材の半
径方向長さより大きく設定されたことを特徴とするもの
である。また、本発明のうち請求項3に係るステアリン
グシャフトの剪断型弾性軸継手は、前記外側の弾性部材
の外周半径をr1 ,内周半径をr0 とし、内側の弾性部
材の外周半径をr0 ,内周半径をr2 としたとき、これ
らの各半径を,r0 2=r 1 ×r2 を満足する半径に設定
したことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明のうち請求項4に係るステア
リングシャフトの剪断型弾性軸継手は、前記弾性部材の
外側の軸線方向長さが,内側の軸線方向長さより小さく
設定されたことを特徴とするものである。
リングシャフトの剪断型弾性軸継手は、前記弾性部材の
外側の軸線方向長さが,内側の軸線方向長さより小さく
設定されたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】而して、本発明のうち請求項1に係るステアリ
ングシャフトの剪断型弾性軸継手では、例えば前記入力
軸に形成された同軸で複数の筒状体と,前記出力軸に形
成された同軸で複数の筒状体とを組合せ、両筒状体の間
の各隙間に,弾性変形を許容する弾性部材を介装して両
者を連結するなどして、前記入力軸及び出力軸の半径方
向に,複数の弾性部材を配設する構成としたため、各弾
性部材の剛性は,さほど高くなくとも、全体としての剛
性が,前述のように所望される操舵入力に対する応答性
を確保するに足る,即ちステアリング装置に要求される
剛性であればよいから、前述のように各弾性部材の剛性
が,半径方向長さが小さいほど或いは軸線方向長さが大
きいほど,高くなるものであるとすれば、所望するステ
アリング装置としての剛性を満足しながら、個々の弾性
部材の半径方向長さを大きくしたり,軸線方向長さを小
さくしたりすることが可能となり、従って前述のような
こじり力によって発生する入出力軸間のこじりが許容さ
れ、また全体としての軸線方向長さも小さくなるから,
車両への搭載性が向上する。
ングシャフトの剪断型弾性軸継手では、例えば前記入力
軸に形成された同軸で複数の筒状体と,前記出力軸に形
成された同軸で複数の筒状体とを組合せ、両筒状体の間
の各隙間に,弾性変形を許容する弾性部材を介装して両
者を連結するなどして、前記入力軸及び出力軸の半径方
向に,複数の弾性部材を配設する構成としたため、各弾
性部材の剛性は,さほど高くなくとも、全体としての剛
性が,前述のように所望される操舵入力に対する応答性
を確保するに足る,即ちステアリング装置に要求される
剛性であればよいから、前述のように各弾性部材の剛性
が,半径方向長さが小さいほど或いは軸線方向長さが大
きいほど,高くなるものであるとすれば、所望するステ
アリング装置としての剛性を満足しながら、個々の弾性
部材の半径方向長さを大きくしたり,軸線方向長さを小
さくしたりすることが可能となり、従って前述のような
こじり力によって発生する入出力軸間のこじりが許容さ
れ、また全体としての軸線方向長さも小さくなるから,
車両への搭載性が向上する。
【0015】また、本発明のうち請求項2に係るステア
リングシャフトの剪断型弾性軸継手では、前記入力軸及
び出力軸の半径方向に配設された複数の弾性部材のう
ち,外側の弾性部材の半径方向長さが、内側の弾性部材
の半径方向長さより大きく設定される。一般に、この種
の弾性部材では,同軸に配設された半径方向内外側の弾
性部材の各半径方向長さを同等に設定すると、操舵入力
や路面入力によってステアリングシャフト系から前記入
出力軸に相対回転変位が発生したとき、当該半径方向内
側の弾性部材の剪断変位と半径方向外側の弾性部材の剪
断変位とに差が生じて,耐久性が低下する虞れがある。
即ち、剪断力(偶力)は,剪断に伴う変形と周長との積
に比例し且つ同等の捩じり力(トルク)は,剪断力と半
径との積であるため、同等のトルクによる入出力軸間相
対回転変位に対して,半径の小さい部位ほど,剪断変位
が大きいことになるから、前記半径方向内側の弾性部材
の半径の小さい部位(具体的には内周半径位置)で剪断
変位が最も大きくなる。この半径方向内側の弾性部材の
半径の小さい部位における剪断変位を小さくして,半径
方向外側の弾性部材の半径の小さい部位における剪断変
位と同等又はほぼ同等とするためには、例えばこの種の
弾性部材の軸線方向長さを小さくするほど或いは半径方
向長さを大きくするほど,当該弾性部材の剛性が低くな
るとすれば、半径方向外側の弾性部材の剛性を,半径方
向内側の弾性部材の剛性よりも相対的に低くして、半径
方向外側の弾性部材の半径の小さい部位での剪断変位を
相対的に大きくすればよいことになるから、本発明のス
テアリングシャフトの剪断型弾性軸継手のように,半径
方向外側の弾性部材の半径方向長さを,半径方向内側の
弾性部材のそれより長くすれば、両弾性部材の半径の小
さい部位に発生する剪断変位の差は小さくなり、全体と
しての耐久性も向上する。
リングシャフトの剪断型弾性軸継手では、前記入力軸及
び出力軸の半径方向に配設された複数の弾性部材のう
ち,外側の弾性部材の半径方向長さが、内側の弾性部材
の半径方向長さより大きく設定される。一般に、この種
の弾性部材では,同軸に配設された半径方向内外側の弾
性部材の各半径方向長さを同等に設定すると、操舵入力
や路面入力によってステアリングシャフト系から前記入
出力軸に相対回転変位が発生したとき、当該半径方向内
側の弾性部材の剪断変位と半径方向外側の弾性部材の剪
断変位とに差が生じて,耐久性が低下する虞れがある。
即ち、剪断力(偶力)は,剪断に伴う変形と周長との積
に比例し且つ同等の捩じり力(トルク)は,剪断力と半
径との積であるため、同等のトルクによる入出力軸間相
対回転変位に対して,半径の小さい部位ほど,剪断変位
が大きいことになるから、前記半径方向内側の弾性部材
の半径の小さい部位(具体的には内周半径位置)で剪断
変位が最も大きくなる。この半径方向内側の弾性部材の
半径の小さい部位における剪断変位を小さくして,半径
方向外側の弾性部材の半径の小さい部位における剪断変
位と同等又はほぼ同等とするためには、例えばこの種の
弾性部材の軸線方向長さを小さくするほど或いは半径方
向長さを大きくするほど,当該弾性部材の剛性が低くな
るとすれば、半径方向外側の弾性部材の剛性を,半径方
向内側の弾性部材の剛性よりも相対的に低くして、半径
方向外側の弾性部材の半径の小さい部位での剪断変位を
相対的に大きくすればよいことになるから、本発明のス
テアリングシャフトの剪断型弾性軸継手のように,半径
方向外側の弾性部材の半径方向長さを,半径方向内側の
弾性部材のそれより長くすれば、両弾性部材の半径の小
さい部位に発生する剪断変位の差は小さくなり、全体と
しての耐久性も向上する。
【0016】また、本発明のうち請求項3に係るステア
リングシャフトの剪断型弾性軸継手では、前記外側の弾
性部材の外周半径をr1 ,内周半径をr0 とし、内側の
弾性部材の外周半径をr0 ,内周半径をr2 としたと
き、これらの各半径を,r0 2=r1 ×r2 を満足する半
径に設定した。前記請求項2に係るステアリングシャフ
トの剪断型弾性軸継手の作用の説明のように,剪断力は
剪断変形と周長との積に比例し且つトルクは剪断力と半
径との積の形で表れるから、或る半径位置rj における
剪断変位αは,弾性係数Kを用いて下記a式のように表
れる。
リングシャフトの剪断型弾性軸継手では、前記外側の弾
性部材の外周半径をr1 ,内周半径をr0 とし、内側の
弾性部材の外周半径をr0 ,内周半径をr2 としたと
き、これらの各半径を,r0 2=r1 ×r2 を満足する半
径に設定した。前記請求項2に係るステアリングシャフ
トの剪断型弾性軸継手の作用の説明のように,剪断力は
剪断変形と周長との積に比例し且つトルクは剪断力と半
径との積の形で表れるから、或る半径位置rj における
剪断変位αは,弾性係数Kを用いて下記a式のように表
れる。
【0017】 α=T/(2πK・rj 2 ) ……… (a) 一方、弾性部材の内周半径位置ri を固定したときの,
外周半径位置ro における変位xo は、トルクTによる
回転角θを用いて下記b式のように設定される。 xo =T/2πK(1/ri −1/ro )=θ(2πro −2πri ) ……… (b) そして、前述のように定義付けされた各弾性部材の内周
半径位置r0 ,r2 において,前記a式で設定される各
剪断変位αが同等となるには、半径方向内側の弾性部材
の外周半径位置に係るトルクをT1 ,その内周半径位置
に係るトルクをT2 として,下記c式を満足する必要が
ある。
外周半径位置ro における変位xo は、トルクTによる
回転角θを用いて下記b式のように設定される。 xo =T/2πK(1/ri −1/ro )=θ(2πro −2πri ) ……… (b) そして、前述のように定義付けされた各弾性部材の内周
半径位置r0 ,r2 において,前記a式で設定される各
剪断変位αが同等となるには、半径方向内側の弾性部材
の外周半径位置に係るトルクをT1 ,その内周半径位置
に係るトルクをT2 として,下記c式を満足する必要が
ある。
【0018】 T1 /(2πK・r0 2)=T2 /(2πK・r2 2) ……… (c) このc式と,前記b式に前記定義付けされた内外周半径
を代入して得られる2式とから、変数である各トルクT
1 ,T2 を消去するようにして各半径の条件を見出せ
ば、前記した関係式r0 2=r1 ×r2 を得る。従って、
この条件を満足するように半径方向内外側の弾性部材の
各半径を設定すれば、それらの内周半径位置における剪
断変位が等しくなるから、各弾性部材の耐久性が向上
し、結果的に剪断型弾性軸継手としての耐久性も向上す
る。
を代入して得られる2式とから、変数である各トルクT
1 ,T2 を消去するようにして各半径の条件を見出せ
ば、前記した関係式r0 2=r1 ×r2 を得る。従って、
この条件を満足するように半径方向内外側の弾性部材の
各半径を設定すれば、それらの内周半径位置における剪
断変位が等しくなるから、各弾性部材の耐久性が向上
し、結果的に剪断型弾性軸継手としての耐久性も向上す
る。
【0019】また、本発明のうち請求項4に係るステア
リングシャフトの剪断型弾性軸継手では、前記弾性部材
の外側の軸線方向長さが,内側の軸線方向長さより小さ
く設定される。一般に、この種の弾性部材では,内周半
径位置における軸線方向長さと外周半径位置における軸
線方向長さとを同等に設定すると、操舵入力や路面入力
によってステアリングシャフト系から前記入出力軸に相
対回転変位に伴って,弾性部材に捩じり力(トルク)が
発生したとき、当該弾性部材の内周半径位置における剪
断応力が,外周半径位置における剪断応力より大きくな
って、耐久性が低下する虞れがある。この弾性部材の外
周半径位置における剪断応力を相対的に小さくして,内
周半径位置における剪断応力に近づけるためには、一般
に機械工学で設定されるところのトルク伝達のための接
触面積を小さくすればよいわけであるから、当該弾性部
材の外周半径は内周半径より大きいものであるとして,
相対的に外周半径位置における軸線方向長さを小さくす
ればよいことになる。従って本発明のステアリングシャ
フトの剪断型弾性軸継手のように,弾性部材の外側の軸
線方向長さを,内側の軸線方向長さより小さく設定すれ
ば、両半径位置における剪断応力の差は小さくなり、全
体としての耐久性も向上する。
リングシャフトの剪断型弾性軸継手では、前記弾性部材
の外側の軸線方向長さが,内側の軸線方向長さより小さ
く設定される。一般に、この種の弾性部材では,内周半
径位置における軸線方向長さと外周半径位置における軸
線方向長さとを同等に設定すると、操舵入力や路面入力
によってステアリングシャフト系から前記入出力軸に相
対回転変位に伴って,弾性部材に捩じり力(トルク)が
発生したとき、当該弾性部材の内周半径位置における剪
断応力が,外周半径位置における剪断応力より大きくな
って、耐久性が低下する虞れがある。この弾性部材の外
周半径位置における剪断応力を相対的に小さくして,内
周半径位置における剪断応力に近づけるためには、一般
に機械工学で設定されるところのトルク伝達のための接
触面積を小さくすればよいわけであるから、当該弾性部
材の外周半径は内周半径より大きいものであるとして,
相対的に外周半径位置における軸線方向長さを小さくす
ればよいことになる。従って本発明のステアリングシャ
フトの剪断型弾性軸継手のように,弾性部材の外側の軸
線方向長さを,内側の軸線方向長さより小さく設定すれ
ば、両半径位置における剪断応力の差は小さくなり、全
体としての耐久性も向上する。
【0020】
【実施例】次に本発明のステアリングシャフトの剪断型
弾性軸継手について図面を引用しながら詳細に説明す
る。図1は本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性
軸継手の第1実施例及び第2実施例を示すものであり、
前述した図5のステアリング装置のうち,所望される操
舵応答性や路面入力に対する安定性を得るために,当該
ステアリング装置のコラムカップリングに採用されたも
のである。
弾性軸継手について図面を引用しながら詳細に説明す
る。図1は本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性
軸継手の第1実施例及び第2実施例を示すものであり、
前述した図5のステアリング装置のうち,所望される操
舵応答性や路面入力に対する安定性を得るために,当該
ステアリング装置のコラムカップリングに採用されたも
のである。
【0021】図1aに示す第1実施例のステアリングシ
ャフトの剪断型弾性軸継手では、互いに同軸に配設され
且つ互いに端部を対向する2つの入出力軸22a,22
bのうち、同図左方の入出力軸22aの端部には円板状
の基部31aが形成され、この基部31aから,右方の
入出力軸22bの端部に向けて,互いに同軸で且つ所定
の外周半径を有する内側入力筒32aと外側入力筒32
bとが突設されている。そして、内側入力筒32aの外
周面と外側入力筒32bの内周面との間には,所定の半
径差を有する隙間が形成されている。
ャフトの剪断型弾性軸継手では、互いに同軸に配設され
且つ互いに端部を対向する2つの入出力軸22a,22
bのうち、同図左方の入出力軸22aの端部には円板状
の基部31aが形成され、この基部31aから,右方の
入出力軸22bの端部に向けて,互いに同軸で且つ所定
の外周半径を有する内側入力筒32aと外側入力筒32
bとが突設されている。そして、内側入力筒32aの外
周面と外側入力筒32bの内周面との間には,所定の半
径差を有する隙間が形成されている。
【0022】また、図1aの右方の入出力軸22bの端
部にも基部31bが形成され、この基部31bから,左
方の入出力軸22aの端部に向けて,互いに同軸で且つ
所定の外周半径を有する内側出力筒34aと外側出力筒
34bとが突設されている。更に具体的には、前記内側
出力筒34aは,前記内側入力筒32aの外周面と外側
入力筒32bの内周面との間の隙間内に向けて突設され
ており、当該内側出力筒34aの内周面と前記内側入力
筒32aの外周面との間には,所定の半径差を有する隙
間が形成され且つ当該内側出力筒34aの外周面と前記
外側入力筒32bの内周面との間には,所定の半径差を
有する隙間が形成されている。また、前記外側出力筒3
4bは,前記外側入力筒32bの外周面より外側に向け
て突設されており、当該外側出力筒34bの内周面と前
記外側入力筒32bの外周面との間には,所定の半径差
を有する隙間が形成されている。
部にも基部31bが形成され、この基部31bから,左
方の入出力軸22aの端部に向けて,互いに同軸で且つ
所定の外周半径を有する内側出力筒34aと外側出力筒
34bとが突設されている。更に具体的には、前記内側
出力筒34aは,前記内側入力筒32aの外周面と外側
入力筒32bの内周面との間の隙間内に向けて突設され
ており、当該内側出力筒34aの内周面と前記内側入力
筒32aの外周面との間には,所定の半径差を有する隙
間が形成され且つ当該内側出力筒34aの外周面と前記
外側入力筒32bの内周面との間には,所定の半径差を
有する隙間が形成されている。また、前記外側出力筒3
4bは,前記外側入力筒32bの外周面より外側に向け
て突設されており、当該外側出力筒34bの内周面と前
記外側入力筒32bの外周面との間には,所定の半径差
を有する隙間が形成されている。
【0023】そして、前記内側入力筒32aの外周面と
内側出力筒34aの内周面との間には内側弾性部材35
aが介装されて,同時に両者を連結している。また、外
側入力筒32bの外周面と外側出力筒34bの内周面と
の間には外側弾性部材35bが介装されて,同時に両者
を連結している。従って、2つの入出力軸22a,22
bは,それらの半径方向に配設された複数,具体的には
2つの弾性部材35a,35bによって連結されている
ことになる。従って、何れか一方又は双方の入出力軸2
2a,22bにトルクが加わって,両入出力軸22a,
22bの間に相対回転変位が生じると、各弾性部材35
a,35bに,剪断による弾性変形が生じながら、互い
にトルクを伝達することができる。即ち、この弾性変形
に伴う弾性力や減衰力が,前記従来の剪断型弾性軸継手
と同様に,特に路面入力や操舵系の振動に対して、ステ
アリングホイールに安定性を付与することができる。
内側出力筒34aの内周面との間には内側弾性部材35
aが介装されて,同時に両者を連結している。また、外
側入力筒32bの外周面と外側出力筒34bの内周面と
の間には外側弾性部材35bが介装されて,同時に両者
を連結している。従って、2つの入出力軸22a,22
bは,それらの半径方向に配設された複数,具体的には
2つの弾性部材35a,35bによって連結されている
ことになる。従って、何れか一方又は双方の入出力軸2
2a,22bにトルクが加わって,両入出力軸22a,
22bの間に相対回転変位が生じると、各弾性部材35
a,35bに,剪断による弾性変形が生じながら、互い
にトルクを伝達することができる。即ち、この弾性変形
に伴う弾性力や減衰力が,前記従来の剪断型弾性軸継手
と同様に,特に路面入力や操舵系の振動に対して、ステ
アリングホイールに安定性を付与することができる。
【0024】また、図1bに示す第2実施例のステアリ
ングシャフトの剪断型弾性軸継手では、互いに同軸に配
設され且つ互いに端部を対向する2つの入出力軸22
a,22bのうち、同図右方の入出力軸22bの端部に
は円板状の基部31bが形成され、この基部31bか
ら,左方の入出力軸22aの端部に向けて,互いに同軸
で且つ所定の外周半径を有する内側出力筒34aと外側
出力筒34bとが突設されている。そして、内側出力筒
34aの外周面と外側出力筒34bの内周面との間に
は,所定の半径差を有する隙間が形成されている。
ングシャフトの剪断型弾性軸継手では、互いに同軸に配
設され且つ互いに端部を対向する2つの入出力軸22
a,22bのうち、同図右方の入出力軸22bの端部に
は円板状の基部31bが形成され、この基部31bか
ら,左方の入出力軸22aの端部に向けて,互いに同軸
で且つ所定の外周半径を有する内側出力筒34aと外側
出力筒34bとが突設されている。そして、内側出力筒
34aの外周面と外側出力筒34bの内周面との間に
は,所定の半径差を有する隙間が形成されている。
【0025】また、図1bの左方の入出力軸22aの端
部にも基部31aが形成され、この基部31aから,左
方の入出力軸22bの端部に向けて,各入出力軸と同軸
で且つ所定の外周半径を有する内側入力筒32aが突設
されている。更に具体的には、前記内側入力筒32a
は,前記内側出力筒34aの外周面と外側出力筒34b
の内周面との間の隙間内に向けて突設されており、当該
内側入力筒32aの内周面と前記内側出力筒34aの外
周面との間には,所定の半径差を有する隙間が形成され
且つ当該内側入力筒32aの外周面と前記外側出力筒3
4bの内周面との間には,所定の半径差を有する隙間が
形成されている。
部にも基部31aが形成され、この基部31aから,左
方の入出力軸22bの端部に向けて,各入出力軸と同軸
で且つ所定の外周半径を有する内側入力筒32aが突設
されている。更に具体的には、前記内側入力筒32a
は,前記内側出力筒34aの外周面と外側出力筒34b
の内周面との間の隙間内に向けて突設されており、当該
内側入力筒32aの内周面と前記内側出力筒34aの外
周面との間には,所定の半径差を有する隙間が形成され
且つ当該内側入力筒32aの外周面と前記外側出力筒3
4bの内周面との間には,所定の半径差を有する隙間が
形成されている。
【0026】そして、前記内側出力筒34aの外周面と
内側入力筒32aの内周面との間には内側弾性部材35
aが介装されて,同時に両者を連結している。また、内
側入力筒32aの外周面と外側出力筒34bの内周面と
の間には外側弾性部材35bが介装されて,同時に両者
を連結している。従って、2つの入出力軸22a,22
bは,それらの半径方向に配設された複数,具体的には
2つの弾性部材35a,35bによって連結されている
ことになる。従って、何れか一方又は双方の入出力軸2
2a,22bにトルクが加わって,両入出力軸22a,
22bの間に相対回転変位が生じると、各弾性部材35
a,35bに,剪断による弾性変形が生じながら、互い
にトルクを伝達することができる。即ち、この弾性変形
に伴う弾性力や減衰力が,前記従来の剪断型弾性軸継手
と同様に,特に路面入力や操舵系の振動に対して、ステ
アリングホイールに安定性を付与することができる。
内側入力筒32aの内周面との間には内側弾性部材35
aが介装されて,同時に両者を連結している。また、内
側入力筒32aの外周面と外側出力筒34bの内周面と
の間には外側弾性部材35bが介装されて,同時に両者
を連結している。従って、2つの入出力軸22a,22
bは,それらの半径方向に配設された複数,具体的には
2つの弾性部材35a,35bによって連結されている
ことになる。従って、何れか一方又は双方の入出力軸2
2a,22bにトルクが加わって,両入出力軸22a,
22bの間に相対回転変位が生じると、各弾性部材35
a,35bに,剪断による弾性変形が生じながら、互い
にトルクを伝達することができる。即ち、この弾性変形
に伴う弾性力や減衰力が,前記従来の剪断型弾性軸継手
と同様に,特に路面入力や操舵系の振動に対して、ステ
アリングホイールに安定性を付与することができる。
【0027】そして、これらのステアリング装置に要求
される剛性は,例えば両入出力軸22a,22bや各入
出力筒32a〜34bが剛体であると考えると,各弾性
部材35a,35bの剛性によって決定される。このス
テアリング装置に要求される剛性は,各弾性部材35
a,35bの剛性の和として得られるから、各弾性部材
35a,35bの剛性は,さほど高くなくとも、全体と
しての剛性が,前述のように所望される操舵入力に対す
る応答性を確保するに足る,即ちステアリング装置に要
求される剛性であればよい。従って、前述のように各弾
性部材35a,35bの剛性が,半径方向長さが小さい
ほど或いは軸線方向長さが大きいほど,高くなるもので
あるとすれば、所望するステアリング装置としての剛性
を満足しながら、個々の弾性部材35a,35bの半径
方向長さを大きくしたり,軸線方向長さを小さくしたり
することが可能となる。そこで、前記第1実施例及び第
2実施例では、前記各弾性部材35a,35bの半径方
向長さ(厚さ)を,前記図6に示す従来の剪断型弾性軸
継手に使用される弾性部材と同等の半径方向長さ(厚
さ)とし、またステアリング装置としての剛性も,当該
図6に示す従来の剪断型弾性軸継手を採用した従来のス
テアリング装置の剛性と同等としたところ、各弾性部材
35a,35bの軸線方向長さ(長さ)を,前記図6に
示す従来の剪断型弾性軸継手の弾性部材の軸線方向長さ
(長さ)よりも短くすることができた。その結果,例え
ば路面入力等による前述のようなこじり力によって発生
する入出力軸間のこじりの許容量を大きくすることがで
きた。また、結果的に剪断型弾性軸継手全体としての軸
線方向長さも小さくなるから,車両への搭載性を向上す
ることができた。勿論、剪断型弾性軸継手であることは
変わりがないから、その伝達トルクの線形性やヒステリ
シスの少なさを確保するができた。
される剛性は,例えば両入出力軸22a,22bや各入
出力筒32a〜34bが剛体であると考えると,各弾性
部材35a,35bの剛性によって決定される。このス
テアリング装置に要求される剛性は,各弾性部材35
a,35bの剛性の和として得られるから、各弾性部材
35a,35bの剛性は,さほど高くなくとも、全体と
しての剛性が,前述のように所望される操舵入力に対す
る応答性を確保するに足る,即ちステアリング装置に要
求される剛性であればよい。従って、前述のように各弾
性部材35a,35bの剛性が,半径方向長さが小さい
ほど或いは軸線方向長さが大きいほど,高くなるもので
あるとすれば、所望するステアリング装置としての剛性
を満足しながら、個々の弾性部材35a,35bの半径
方向長さを大きくしたり,軸線方向長さを小さくしたり
することが可能となる。そこで、前記第1実施例及び第
2実施例では、前記各弾性部材35a,35bの半径方
向長さ(厚さ)を,前記図6に示す従来の剪断型弾性軸
継手に使用される弾性部材と同等の半径方向長さ(厚
さ)とし、またステアリング装置としての剛性も,当該
図6に示す従来の剪断型弾性軸継手を採用した従来のス
テアリング装置の剛性と同等としたところ、各弾性部材
35a,35bの軸線方向長さ(長さ)を,前記図6に
示す従来の剪断型弾性軸継手の弾性部材の軸線方向長さ
(長さ)よりも短くすることができた。その結果,例え
ば路面入力等による前述のようなこじり力によって発生
する入出力軸間のこじりの許容量を大きくすることがで
きた。また、結果的に剪断型弾性軸継手全体としての軸
線方向長さも小さくなるから,車両への搭載性を向上す
ることができた。勿論、剪断型弾性軸継手であることは
変わりがないから、その伝達トルクの線形性やヒステリ
シスの少なさを確保するができた。
【0028】次に、本発明のステアリングシャフトの剪
断型弾性軸継手の第3実施例について,図2を引用しな
がら説明する。この第3実施例に相当するステアリング
シャフトの剪断型弾性軸継手も,前記第1実施例及び第
2実施例と同様に,前述した図5のステアリング装置の
うち,所望される操舵応答性や路面入力に対する安定性
を得るために,当該ステアリング装置のコラムカップリ
ングに採用されたものである。
断型弾性軸継手の第3実施例について,図2を引用しな
がら説明する。この第3実施例に相当するステアリング
シャフトの剪断型弾性軸継手も,前記第1実施例及び第
2実施例と同様に,前述した図5のステアリング装置の
うち,所望される操舵応答性や路面入力に対する安定性
を得るために,当該ステアリング装置のコラムカップリ
ングに採用されたものである。
【0029】この第3実施例のステアリングシャフトの
剪断型弾性軸継手では、前記図1bに示す第2実施例と
同様に,右方の入出力軸22bから突設された内側出力
筒34aの外周面と左方の入出力軸22aから突設され
た内側入力筒32aの内周面との間及び当該内側入力筒
32aの外周面と右方の入出力軸22bから突設された
外側出力筒34bの内周面との間に、夫々内側弾性部材
35a及び外側弾性部材35bを介装して,両者を連結
したものである。また、これによりステアリング装置と
して要求される剛性を満足しながら、本発明の主目的で
ある各弾性部材35a,35bの剛性の低下を許容し、
前述のような入出力軸間のこじりの許容量を大きくして
いる。また、合わせて軸線方向長さを短くして車両への
搭載性も向上している。
剪断型弾性軸継手では、前記図1bに示す第2実施例と
同様に,右方の入出力軸22bから突設された内側出力
筒34aの外周面と左方の入出力軸22aから突設され
た内側入力筒32aの内周面との間及び当該内側入力筒
32aの外周面と右方の入出力軸22bから突設された
外側出力筒34bの内周面との間に、夫々内側弾性部材
35a及び外側弾性部材35bを介装して,両者を連結
したものである。また、これによりステアリング装置と
して要求される剛性を満足しながら、本発明の主目的で
ある各弾性部材35a,35bの剛性の低下を許容し、
前述のような入出力軸間のこじりの許容量を大きくして
いる。また、合わせて軸線方向長さを短くして車両への
搭載性も向上している。
【0030】ところで、本実施例では、各弾性部材35
a,35bの軸線方向長さ(長さ)について,その外周
半径位置における長さLo を内周半径位置における長さ
Liよりも短く(小さく)設定して、各弾性部材35
a,35bの耐久性を向上している。この原理について
説明するために、例えば図2のように外側弾性部材35
bの内周半径をri ,外周半径をro としたとき、当該
外側弾性部材35bにトルクTがかかったとすると、当
該外側弾性部材35bの外周における剪断応力(以下,
単に外周剪断応力とも記す)τo 及び内周における剪断
応力(以下,単に内周剪断応力とも記す)τi は、夫々
下記1式及び2式で表される。
a,35bの軸線方向長さ(長さ)について,その外周
半径位置における長さLo を内周半径位置における長さ
Liよりも短く(小さく)設定して、各弾性部材35
a,35bの耐久性を向上している。この原理について
説明するために、例えば図2のように外側弾性部材35
bの内周半径をri ,外周半径をro としたとき、当該
外側弾性部材35bにトルクTがかかったとすると、当
該外側弾性部材35bの外周における剪断応力(以下,
単に外周剪断応力とも記す)τo 及び内周における剪断
応力(以下,単に内周剪断応力とも記す)τi は、夫々
下記1式及び2式で表される。
【0031】 τo =T/(2πro 2 Lo ) ……… (1) τi =T/(2πri 2 Li ) ……… (2) ここで、各弾性部材35a,35bの内周半径位置にお
ける長さLi と外周半径位置における長さLo とが等し
いとすると、ro >ri であるから,2式の内周剪断応
力τi の方が,1式の外周剪断応力τo よりも大きくな
る。このように同一の弾性部材内の剪断応力の差が大き
いと、当該弾性部材の耐久性が低下することは周知であ
るから、両者の差を小さくするためには,前記弾性部材
35a,35bの外周半径位置における長さLo を,内
周半径位置における長さLi より短く(小さく)すれば
よい。
ける長さLi と外周半径位置における長さLo とが等し
いとすると、ro >ri であるから,2式の内周剪断応
力τi の方が,1式の外周剪断応力τo よりも大きくな
る。このように同一の弾性部材内の剪断応力の差が大き
いと、当該弾性部材の耐久性が低下することは周知であ
るから、両者の差を小さくするためには,前記弾性部材
35a,35bの外周半径位置における長さLo を,内
周半径位置における長さLi より短く(小さく)すれば
よい。
【0032】このように各弾性部材35a,35bの外
周半径位置における長さを,内周半径位置における長さ
より短くした本実施例のステアリングシャフトの剪断型
弾性軸継手では、繰り返しトルクによる各弾性部材35
a,35bの耐久性を高め、ステアリング装置全体とし
ての耐久性も高まる。以上より、本実施例は,本発明の
うち請求項1及び4に係るステアリングシャフトの剪断
型弾性軸継手を実施化したものであり、前記説明では,
内周剪断応力と外周剪断応力とに基づいて各弾性部材3
5a,35bの外周半径置における長さを,内周半径位
置における長さより短くした場合についてのみ詳述した
が、前記1式及び2式から明らかなように,より半径の
小さい部位における剪断応力の方が,半径の大きい部位
における剪断応力より大きいため、前述のように剪断応
力の差を小さくして耐久性を向上するためには,弾性部
材の外側の軸線方向長さが,内側の軸線方向長さより小
さく設定されていればよい。
周半径位置における長さを,内周半径位置における長さ
より短くした本実施例のステアリングシャフトの剪断型
弾性軸継手では、繰り返しトルクによる各弾性部材35
a,35bの耐久性を高め、ステアリング装置全体とし
ての耐久性も高まる。以上より、本実施例は,本発明の
うち請求項1及び4に係るステアリングシャフトの剪断
型弾性軸継手を実施化したものであり、前記説明では,
内周剪断応力と外周剪断応力とに基づいて各弾性部材3
5a,35bの外周半径置における長さを,内周半径位
置における長さより短くした場合についてのみ詳述した
が、前記1式及び2式から明らかなように,より半径の
小さい部位における剪断応力の方が,半径の大きい部位
における剪断応力より大きいため、前述のように剪断応
力の差を小さくして耐久性を向上するためには,弾性部
材の外側の軸線方向長さが,内側の軸線方向長さより小
さく設定されていればよい。
【0033】次に、本発明のステアリングシャフトの剪
断型弾性軸継手の第4実施例について,図3を引用しな
がら説明する。この第4実施例に相当するステアリング
シャフトの剪断型弾性軸継手も,前記第1実施例乃至第
3実施例と同様に,前述した図5のステアリング装置の
うち,所望される操舵応答性や路面入力に対する安定性
を得るために,当該ステアリング装置のコラムカップリ
ングに採用されたものである。
断型弾性軸継手の第4実施例について,図3を引用しな
がら説明する。この第4実施例に相当するステアリング
シャフトの剪断型弾性軸継手も,前記第1実施例乃至第
3実施例と同様に,前述した図5のステアリング装置の
うち,所望される操舵応答性や路面入力に対する安定性
を得るために,当該ステアリング装置のコラムカップリ
ングに採用されたものである。
【0034】この第4実施例のステアリングシャフトの
剪断型弾性軸継手では、前記図1bに示す第2実施例と
同様に,右方の入出力軸22bから突設された内側出力
筒34aの外周面と左方の入出力軸22aから突設され
た内側入力筒32aの内周面との間及び当該内側入力筒
32aの外周面と右方の入出力軸22bから突設された
外側出力筒34bの内周面との間に、夫々内側弾性部材
35a及び外側弾性部材35bを介装して,両者を連結
したものである。また、これによりステアリング装置と
して要求される剛性を満足しながら、本発明の主目的で
ある各弾性部材35a,35bの剛性の低下を許容し、
前述のような入出力軸間のこじりの許容量を大きくして
いる。また、合わせて軸線方向長さを短くして車両への
搭載性も向上している。
剪断型弾性軸継手では、前記図1bに示す第2実施例と
同様に,右方の入出力軸22bから突設された内側出力
筒34aの外周面と左方の入出力軸22aから突設され
た内側入力筒32aの内周面との間及び当該内側入力筒
32aの外周面と右方の入出力軸22bから突設された
外側出力筒34bの内周面との間に、夫々内側弾性部材
35a及び外側弾性部材35bを介装して,両者を連結
したものである。また、これによりステアリング装置と
して要求される剛性を満足しながら、本発明の主目的で
ある各弾性部材35a,35bの剛性の低下を許容し、
前述のような入出力軸間のこじりの許容量を大きくして
いる。また、合わせて軸線方向長さを短くして車両への
搭載性も向上している。
【0035】ところで、本実施例では、各弾性部材35
a,35bの半径方向長さ(厚さ)について,半径方向
外側に位置する前記外側弾性部材35bの厚さTh
o を,半径方向内側に位置する前記内側弾性部材35a
の厚さThi より厚く(大きく)設定して、各弾性部材
35a,35bの耐久性を向上している。この原理につ
いて説明するために、例えば図4aのように外側弾性部
材35a,35bの内周半径をri ,外周半径をro と
し、半径rj ,rk の異なる二位置での微小半径差Δr
に係る剪断力Fj ,Fk は,弾性部材35a,35bの
弾性係数K及び剪断に伴う微小変位Δxj ,Δxk を用
いて,下記3式及び4式で表れる。
a,35bの半径方向長さ(厚さ)について,半径方向
外側に位置する前記外側弾性部材35bの厚さTh
o を,半径方向内側に位置する前記内側弾性部材35a
の厚さThi より厚く(大きく)設定して、各弾性部材
35a,35bの耐久性を向上している。この原理につ
いて説明するために、例えば図4aのように外側弾性部
材35a,35bの内周半径をri ,外周半径をro と
し、半径rj ,rk の異なる二位置での微小半径差Δr
に係る剪断力Fj ,Fk は,弾性部材35a,35bの
弾性係数K及び剪断に伴う微小変位Δxj ,Δxk を用
いて,下記3式及び4式で表れる。
【0036】 Fj =(Δxj /Δr)・K・2πrj ……… (3) Fk =(Δxk /Δr)・K・2πrk ……… (4) これらの剪断力に対して,かかるトルクTは一定である
から、下記5式が成立する。 T=Fj ・rj =Fk ・rk ……… (5) 以上より、剪断変位αj ,αk に関して,下記6式及び
7式を得る。
から、下記5式が成立する。 T=Fj ・rj =Fk ・rk ……… (5) 以上より、剪断変位αj ,αk に関して,下記6式及び
7式を得る。
【0037】 αk =Δxk /Δr=(rj /rk )2・Δxj /Δr=(rj /rk )2・αj ……… (6) αk =Δxj /Δr=T/(2πK・rj 2) ……… (7) 従って、6式より剪断変位は,半径が小さい部位ほど,
大きいことになる。そして、一般に弾性部材の剪断変位
の差が大きいほど,当該弾性部材の繰り返しトルクに対
する耐久性が低下する。
大きいことになる。そして、一般に弾性部材の剪断変位
の差が大きいほど,当該弾性部材の繰り返しトルクに対
する耐久性が低下する。
【0038】そこで、前記半径方向内外側の弾性部材3
5a,35bのうち,剪断変位の大きい各内周半径位置
での各剪断変位が同等となるように、各弾性部材35
a,35bの半径方向長さ(厚さ)を算出してみる。ま
ず、前記6式及び7式において,添字jを“0”とし、
微小変位Δxk を単に微小変位xとし、半径rk を単に
半径rとすると、下記8式及び9式に置換できる。
5a,35bのうち,剪断変位の大きい各内周半径位置
での各剪断変位が同等となるように、各弾性部材35
a,35bの半径方向長さ(厚さ)を算出してみる。ま
ず、前記6式及び7式において,添字jを“0”とし、
微小変位Δxk を単に微小変位xとし、半径rk を単に
半径rとすると、下記8式及び9式に置換できる。
【0039】 Δx/Δr=(r0 /r)2・Δx0 /Δr ……… (8) T/(2πK・r0 2)=Δx0 /Δr ……… (9) 前記9式を8式に代入して下記10式を得る。 α=Δx/Δr=T/(2πK・r2) ………(10) この10式を,半径rについて,内周半径ri から外周
半径ro まで定積分すれば、下記11式に従って外周半
径位置ro における回転変位xo を得る。
半径ro まで定積分すれば、下記11式に従って外周半
径位置ro における回転変位xo を得る。
【0040】 一方、前記トルクTによる入出力軸22a,22bの相
対回転角をθとすると、前記11式を用いて下記12式
が成立する。
対回転角をθとすると、前記11式を用いて下記12式
が成立する。
【0041】 xo =T/2πK(ri -1−ro -1)=θ(2πro −2πri ) ………(12) ここで、前記内周半径ri 及び外周半径ro について,
図4bに示すように,外側弾性部材35bの外周半径を
r1 ,内周半径をr0 とし、内側弾性部材35aの外周
半径をr0 ,内周半径をr2 とし、更に外周のトルクを
T1 ,内周のトルクをT2 としたとき、前記12式から
下記13式及び14式を得る。
図4bに示すように,外側弾性部材35bの外周半径を
r1 ,内周半径をr0 とし、内側弾性部材35aの外周
半径をr0 ,内周半径をr2 とし、更に外周のトルクを
T1 ,内周のトルクをT2 としたとき、前記12式から
下記13式及び14式を得る。
【0042】 θ(2πr1 −2πr0 )=T1 /2πK(r0 -1−r1 -1) ………(13) θ(2πr0 −2πr2 )=T2 /2πK(r2 -1−r0 -1) ………(14) また、外側弾性部材35bの内周半径r0 位置における
剪断変位αと,内側弾性部材35aの内周半径r2 位置
における剪断変位αとを同等にしようとすると、前記1
0式より下記15式を得る。
剪断変位αと,内側弾性部材35aの内周半径r2 位置
における剪断変位αとを同等にしようとすると、前記1
0式より下記15式を得る。
【0043】 T1 /(2πK・r0 2) =T2 /(2πK・r2 2) ………(15) 前記13式乃至15式から,トルクT1 ,T2 を消去す
ると、下記16式を得る。 r0 2=r1 ・r2 ………(16) ここで、図4bに示すように前記半径r1 =r0 +Δr
1 ,半径r2 =r0 −Δr2 と定義すると、前記16式
は,下記17式を得て下記18式のように表れれる。
ると、下記16式を得る。 r0 2=r1 ・r2 ………(16) ここで、図4bに示すように前記半径r1 =r0 +Δr
1 ,半径r2 =r0 −Δr2 と定義すると、前記16式
は,下記17式を得て下記18式のように表れれる。
【0044】 Δr2 =(r0 /(r0 +Δr1 ))・Δr1 ………(17) ∴Δr2 <Δr1 ………(18) 従って、前記18式より,外側弾性部材35bの半径方
向長さ(厚さ)を,内側弾性部材35aの半径方向長さ
(厚さ)より大きく(厚く)すれば、各弾性部材35
a,35bの内周半径位置における剪断変位の差が小さ
くなり、各弾性部材35a,35bの耐久性が向上する
と共に,ステアリング装置全体としての耐久性も高ま
る。以上より、本実施例は,本発明のうち請求項1乃至
3に係るステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手を実
施化したものである。
向長さ(厚さ)を,内側弾性部材35aの半径方向長さ
(厚さ)より大きく(厚く)すれば、各弾性部材35
a,35bの内周半径位置における剪断変位の差が小さ
くなり、各弾性部材35a,35bの耐久性が向上する
と共に,ステアリング装置全体としての耐久性も高ま
る。以上より、本実施例は,本発明のうち請求項1乃至
3に係るステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手を実
施化したものである。
【0045】なお、前記実施例では,同軸な弾性部材を
半径方向に二つ配設した場合についてのみ詳述したが、
この配設される弾性部材の数はこれに限定されるもので
はなく、本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性軸
継手では,複数の弾性部材を半径方向に配設することの
みを限定している。また、この場合の,弾性部材の軸線
方向長さや半径方向長さの設定には、前述した設定式を
更に変数を増やして使用すればよい。
半径方向に二つ配設した場合についてのみ詳述したが、
この配設される弾性部材の数はこれに限定されるもので
はなく、本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性軸
継手では,複数の弾性部材を半径方向に配設することの
みを限定している。また、この場合の,弾性部材の軸線
方向長さや半径方向長さの設定には、前述した設定式を
更に変数を増やして使用すればよい。
【0046】また、本発明のステアリングシャフトの剪
断型弾性軸継手では、前述のような弾性部材の軸線方向
長さや半径方向長さの調整を同時に講じてもよく、その
場合には,前記各設定式の変数を増やして複合的に使用
すればよい。また、前記各実施例では,インターミディ
エートシャフトに介装されたコラムカップリング内の剪
断型弾性軸継手についてのみ詳述したが、本発明のステ
アリングシャフトの剪断型弾性軸継手は,ステアリング
シャフト系の入出力軸間なら何処にでも採用することが
できる。
断型弾性軸継手では、前述のような弾性部材の軸線方向
長さや半径方向長さの調整を同時に講じてもよく、その
場合には,前記各設定式の変数を増やして複合的に使用
すればよい。また、前記各実施例では,インターミディ
エートシャフトに介装されたコラムカップリング内の剪
断型弾性軸継手についてのみ詳述したが、本発明のステ
アリングシャフトの剪断型弾性軸継手は,ステアリング
シャフト系の入出力軸間なら何処にでも採用することが
できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明のステアリン
グシャフトの剪断型弾性軸継手によれば、入出力軸間に
介装される弾性部材を半径方向に複数配設することで,
全体としての剛性を確保しながら,各弾性部材の剛性を
小さくすることができるため、各弾性部材の軸線方向長
さを小さくしたり,半径方向長さを大きくしたりして、
入出力軸間のこじりの許容量を大きくすることができ、
同時に軸線方向長さを短くすることで車両への搭載性を
向上することができる。また、各弾性部材の軸線方向長
さや半径方向長さを適切に設定することで,各弾性部材
の耐久性を向上して、従来よりも信頼性の高い剪断型弾
性軸継手を提供することができる。
グシャフトの剪断型弾性軸継手によれば、入出力軸間に
介装される弾性部材を半径方向に複数配設することで,
全体としての剛性を確保しながら,各弾性部材の剛性を
小さくすることができるため、各弾性部材の軸線方向長
さを小さくしたり,半径方向長さを大きくしたりして、
入出力軸間のこじりの許容量を大きくすることができ、
同時に軸線方向長さを短くすることで車両への搭載性を
向上することができる。また、各弾性部材の軸線方向長
さや半径方向長さを適切に設定することで,各弾性部材
の耐久性を向上して、従来よりも信頼性の高い剪断型弾
性軸継手を提供することができる。
【図1】本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性軸
継手の各種実施例を示すものであり、(a)は第1実施
例を示す縦断面図,(b)は第2実施例を示す縦断面図
である。
継手の各種実施例を示すものであり、(a)は第1実施
例を示す縦断面図,(b)は第2実施例を示す縦断面図
である。
【図2】本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性軸
継手の第3実施例を示す縦断面図である。
継手の第3実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明のステアリングシャフトの剪断型弾性軸
継手の第4実施例を示す縦断面図である。
継手の第4実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3のステアリングシャフトの剪断型弾性軸継
手における剪断変位の説明図である。
手における剪断変位の説明図である。
【図5】ステアリング装置の一例を示す説明図である。
【図6】従来のステアリングシャフトの剪断型弾性軸継
手の一例を示す縦断面図である。
手の一例を示す縦断面図である。
3a,3bはジョイント 4はインターミディエートシャフト 5はコラムカップリング 13は転舵輪 22a,22bは入出力軸 32a,32bは入力筒 34a,34bは出力筒 35a,35bは弾性部材
Claims (4)
- 【請求項1】 互いに同軸の入力軸と出力軸との間に介
装された弾性部材が、入力軸と出力軸との相対回転時
に,剪断による弾性変形によって両者の回転力を伝達す
るステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手において、
前記入力軸及び出力軸の半径方向に,前記弾性部材を複
数配設したことを特徴とするステアリングシャフトの剪
断型弾性軸継手。 - 【請求項2】 前記入力軸及び出力軸の半径方向に配設
された複数の弾性部材のうち,外側の弾性部材の半径方
向長さが、内側の弾性部材の半径方向長さより大きく設
定されたことを特徴とする請求項1に記載のステアリン
グシャフトの剪断型弾性軸継手。 - 【請求項3】 前記外側の弾性部材の外周半径をr1 ,
内周半径をr0 とし、内側の弾性部材の外周半径を
r0 ,内周半径をr2 としたとき、これらの各半径を,
r0 2=r1 ×r2 を満足する半径に設定したことを特徴
とする請求項2に記載のステアリングシャフトの剪断型
弾性軸継手。 - 【請求項4】 前記弾性部材の外側の軸線方向長さが,
内側の軸線方向長さより小さく設定されたことを特徴と
する請求項1乃至3の何れかに記載のステアリングシャ
フトの剪断型弾性軸継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6283770A JPH08142879A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | ステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6283770A JPH08142879A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | ステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08142879A true JPH08142879A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17669898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6283770A Pending JPH08142879A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | ステアリングシャフトの剪断型弾性軸継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08142879A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101398489B1 (ko) * | 2009-11-10 | 2014-05-27 | 오일레스고교 가부시키가이샤 | 축 연결 기구 |
JP2016060294A (ja) * | 2014-09-16 | 2016-04-25 | 株式会社ジェイテクト | パワーステアリング装置 |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP6283770A patent/JPH08142879A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101398489B1 (ko) * | 2009-11-10 | 2014-05-27 | 오일레스고교 가부시키가이샤 | 축 연결 기구 |
JP2016060294A (ja) * | 2014-09-16 | 2016-04-25 | 株式会社ジェイテクト | パワーステアリング装置 |
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