JPH08142845A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH08142845A
JPH08142845A JP28939394A JP28939394A JPH08142845A JP H08142845 A JPH08142845 A JP H08142845A JP 28939394 A JP28939394 A JP 28939394A JP 28939394 A JP28939394 A JP 28939394A JP H08142845 A JPH08142845 A JP H08142845A
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wheel
speed
vehicle body
body speed
estimated vehicle
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JP28939394A
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English (en)
Inventor
Takayuki Ito
藤 孝 之 伊
Kenji Toutsu
津 憲 司 十
Masanobu Fukami
見 昌 伸 深
Shingo Sugiura
浦 慎 吾 杉
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各車輪ブレ−キを個別にABS制御するにお
いて、エンジンブレ−キによるABS制御の効きの低下
を防止する。 【構成】 車輪回転速度および各車輪部推定車体速度に
基づいて車輪スリップ率を推定算出し、車輪スリップ率
が高い車輪ブレ−キ圧を減圧するABS制御装置におい
て、車体右側の前,後輪部推定車体速度を比較し、低い
方の輪の車輪部推定車体速度を高い方のそれに置換し、
車体左側の前,後輪部推定車体速度を比較し、低い方の
輪の車輪部推定車体速度を高い方のそれに置換する、基
準速度変換手段を備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の走行安定性およ
び操舵性を確保するために、ドライバ(運転者)による
制動時に車輪回転が完全停止(車輪ロック)するのを回
避するように車輪ブレ−キ圧を減圧し、その後制動距離
が可及的に短くなるように増圧し、更に必要に応じて
減,増圧を繰返すアンチスキッド制御(ABS制御)に
関する。
【0002】
【従来の技術】ABS制御は、初期には前後,左右4車
輪のうち後2輪の車輪ブレ−キ圧を制御するものであっ
たが、最近はABS制御効果の向上を意図して、全4車
輪の車輪ブレ−キそれぞれのブレ−キ圧を制御するもの
もある。全4車輪それぞれのスリップ率を各車輪速度と
各車輪部推定車体速度(基準速度)に基づいて推定演算
し、各車輪のスリップ率が目標スリップ率になるように
各車輪ブレ−キを減圧,増圧するABS制御は、車両旋
回時の内,外輪速度差によるスリップ率演算誤差が小さ
いので、各車輪のスリップ率制御精度が高く、高いAB
S制御効果が得られる。
【0003】このようなABS制御装置は、特開平3−
159854号公報に記載されている。このABS制御
装置では、或る車輪部推定車体速度の演算における減少
率を他の車輪部推定車体速度の減少率に応じて決めてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】各車輪のスリップ率が
目標スリップ率になるように各車輪ブレ−キを減圧,増
圧するABS制御では、路面摩擦係数μが低いときにエ
ンジンブレ−キが効くと、特に、変速機のシフトダウン
により比較的に強いエンジンブレ−キが効くと、駆動輪
(後輪駆動の場合には後輪)の回転速度が落ち、車輪ス
リップ率の推定算出値が小さくなり、減圧が抑制されて
車輪ロックを生じ易くなる。すなわち駆動輪のABS制
御の効きが悪くなる。
【0005】本発明は、各車輪ブレ−キを個別にABS
制御するにおいて、エンジンブレ−キによるABS制御
の効きの低下を防止し、横加速度が大のときでも、高い
制動性能を確保しかつ車両安定性の向上を得ることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、各車輪の回転
速度を検出する車輪速度検出手段(41〜44,11),車輪回
転速度より各車輪部推定車体速度を演算する各車輪部推
定車体速度検出手段,車輪回転速度および各車輪部推定
車体速度に基づいて車輪スリップ率を推定算出する手段
(11),車輪スリップ率が高い車輪ブレ−キ圧の減圧を決
定する情報処理手段、および、該決定に応じて車輪ブレ
−キ圧を減圧するブレ−キ圧操作手段(11,18a〜18i,31
〜38)を備えるABS制御装置において、車体右側の
前,後輪部推定車体速度の低い方の輪の車輪部推定車体
速度を高い方のそれに置換し、車体左側の前,後輪部推
定車体速度の低い方の輪の車輪部推定車体速度を高い方
のそれに置換する、基準速度変換手段(11);を備えるこ
とを特徴とする。
【0007】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、図面に示す実施例の対応要素又は対応事項に付し
た記号を、参考までに示した。
【0008】
【作用】例えば後輪駆動の車両において、エンジンブレ
−キにより後輪回転速度が低下し、前輪回転速度に対し
て後輪回転速度が低下すると、後輪部推定車体速度が、
前輪部推定車体速度に置換される。これにより、後輪の
車輪スリップ率は、後輪回転速度および前車輪部車体速
度に基づいて推定演算されるので、エンジンブレ−キに
よる車輪スリップ率演算誤差が排除され、したがって、
減圧不足を生じない。すなわちエンジンブレ−キ時の駆
動輪のABS制御の効きが良くなる。
【0009】本発明の後述の実施例では、更に、各車輪
回転速度の中から所定の選択基準に従って選択した1つ
の車輪回転速度より推定車体速度を演算する推定車体速
度演算手段と、推定車体速度の減少率に応じて各車輪部
推定車体速度の減少率を決める減少率設定手段とを更に
備える。
【0010】これによれば、各車輪部推定車体速度と実
車体速度との誤差は、或る車輪部推定車体速度の演算に
おける減少率を他車輪部推定車体速度の減少率に応じて
決める場合に比べて減少するので、スリップ率演算誤差
が少なくなり、優れた制動安定性を維持する。
【0011】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す。液圧制御
装置2は、マスタシリンダ2aとブースタ2bから成
り、ブレーキペダル3によって駆動されると、車輪F
R,FL,RR及びRLに配設されたホイールシリンダ
51〜54が接続された液圧路にブレ−キ圧を与える。
この液圧路には、ポンプ21,22、リザーバ23,2
4及び電磁弁31〜38が接続又は介挿されている。
尚、車輪FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、
以下車輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪R
Lは後方左側の車輪を示しており、図1に明らかなよう
に所謂ダイアゴナル配管が構成されている。
【0013】マスタシリンダ2aの一方の出力ポートと
ホイールシリンダ51,54の各々を接続する液圧路に
夫々電磁弁31,32及び電磁弁33,34が介装さ
れ、これらとマスタシリンダ2aとの間にポンプ21が
介装されている。同様に、マスタシリンダ2aの他方の
出力ポートとホイールシリンダ52,53の各々を接続
する液圧路に夫々電磁弁35,36及び電磁弁37,3
8が介装され、これらとマスタシリンダ2aとの間にポ
ンプ22が介装されている。ポンプ21,22は電気モ
ータ20によって駆動され、これらの液圧路に所定の圧
力に昇圧されたブレーキ液が供給される。而して、これ
らの液圧路が常開の電磁弁31,33,35,37に対
するブレーキ液圧の供給側となっている。常閉の電磁弁
32,34の排出側液圧路はリザーバ23を介してポン
プ21に接続され、同じく常閉の電磁弁36,38の排
出側液圧路はリザーバ24を介してポンプ22に接続さ
れている。リザーバ23,24は、夫々ピストンとスプ
リングを備えており、電磁弁32,34,36,38か
ら排出側液圧路を介して還流されるブレーキ液を収容
し、ポンプ21,22作動時にこれらに対しブレーキ液
を供給するものである。電磁弁31〜38は2ポート2
位置電磁切替弁であり、夫々ソレノイドコイル非通電時
には図1に示す第1位置にあって、各ホイールシリンダ
51〜54は液圧制御装置2及びポンプ21あるいは2
2と連通している。ソレノイドコイル通電時には第2位
置となり、各ホイールシリンダ51〜54は液圧制御装
置2及びポンプ21,22と遮断され、リザーバ23あ
るいは24と連通する。尚、図1中のチエックバルブは
ホイールシリンダ51〜54及びリザーバ23,24側
から液圧制御装置2側への還流を許容し、逆方向の流れ
を遮断するものである。
【0014】而して、これらの電磁弁31〜38のソレ
ノイドコイルに対する通電,非通電を制御することによ
り、ホイールシリンダ51〜54内のブレーキ液圧(以
下、ホイールシリンダ液圧という)を増減することがで
きる。即ち、電磁弁31〜38のソレノイドコイル非通
電時にはホイールシリンダ51〜54に液圧制御装置2
及びポンプ21あるいは22からブレーキ液圧が供給さ
れて増圧し、通電時にはリザーバ23あるいは24側に
連通し減圧する。尚、電磁弁31〜38に替えて半数の
3ポート2位置電磁切替弁を用いても良い。
【0015】上記電磁弁31〜38は、電子制御装置1
0に接続され、各々のソレノイドコイルに対する通電,
非通電が制御される。モータ20も電子制御装置10に
接続され、これにより駆動制御される。また、車輪F
R,FL,RR,RLには夫々車輪速度センサ41〜4
4が配設され、これらが電子制御装置10に接続されて
おり、各車輪の回転速度、即ち車輪速度信号が電子制御
装置10に入力されるように構成されている。車輪速度
センサ41〜44は各車輪の回転に伴って回転する歯付
ロータと、このロータの歯部に対向して設けられたピッ
クアップから成る周知の電磁誘導方式のセンサであり、
各車輪の回転速度に比例した周波数の電圧を出力するも
のである。尚、これに替えホールIC、光センサ等を用
いても良い。
【0016】電子制御装置10は、図2に示すように、
CPU14,ROM15及びRAM16等を有し、コモ
ンバスを介して入力ポート12及び出力ポート13に接
続されて外部との入出力を行うワンチップマイクロコン
ピュータ11を備えている。上記車輪速度センサ41〜
44の検出信号は、増幅回路17a〜17dを介して夫
々入力ポート12からCPU14に入力される。また出
力ポート13からモ−タ駆動信号が駆動回路18aに与
えられ、駆動回路18aがモ−タ20に通電する。すな
わちモ−タ20を回転駆動する。駆動回路18b〜18
iには夫々電磁弁31〜38制御信号が出力される。
【0017】上記電子制御装置10においては、コンピ
ュ−タ11によりアンチスキッド制御のための一連の処
理が行われるが、以下これを図3〜図12に基づいて説
明する。
【0018】図3に、コンピュ−タ11によるアンチス
キッド制御の概要を示し、図4〜図11に部分詳細を示
す。図3に示すアンチスキッド制御(202〜209)
は、実質上一定周期で繰り返し実行される。イグニッシ
ョンスイッチがオンになると図3において先ず事前処理
として、ステップ201にて初期設定がなされ、カウン
タ、タイマ等がクリアされる。
【0019】ここで、本実施例において用いられるカウ
ンタ,タイマ等について概括して説明する。先ず、内部
レジスタとしてモードレジスタ,フラグレジスタを有し
前者には少なくとも以下の制御モードが設定される。即
ち、ホイールシリンダ51〜54内のブレーキ液圧を夫
々減圧,増圧または保持する減圧モード,増圧モードま
たは保持モードの各モードに加え、パルス増圧モード,
パルス減圧モード及び急減モードが設定される。パルス
減圧モードは、後述するように適宜設定する所定時間
「減圧」を行い、次の所定時間「保持」を行い、この
「減圧」と「保持」を交互に繰り返し実行するモードで
あり、パルス増圧モードも同様に「増圧」と「保持」を
交互に繰り返し実行するモードである。
【0020】急減モードは、「減圧」のみを行うもの
で、パルス減圧モードの作動に比し急激な減圧作動とな
る。また、フラグとしては少なくとも急減フラグとパル
ス増圧フラグを有し、急減フラグがセット(”1”)さ
れたときには急減モードとなり、パルス増圧フラグがセ
ットされたときにはパルス増圧モードとなる。カウンタ
としては、少なくともパルス増圧カウンタを有し、パル
ス増圧カウンタではパルス増圧の実行回数がカウントさ
れる。タイマとしては、システムタイマの他、少なくと
も減圧タイマ,増圧タイマ及び保持タイマを有し、夫々
設定された減圧時間,増圧時間及び保持時間だけ夫々減
圧モード信号,増圧モード信号及び保持モード信号が出
力されるように構成されている。
【0021】再度図3を参照すると、ステップ201に
て初期設定が終わると、ステップ202からステップ2
09までの処理が行われた後ステップ202へ戻る。ス
テップ202では各輪(前左車輪FL,前右車輪FR,
後左車輪RL,後右車輪RR)車輪速度VWFL,VWFR,
VWRR,VWRL が演算され、ステップ203では車輪速
度VWFL,VWFR,VWRR,VWRL から各輪加速度DVWF
L,DVWFR,DVWRR,DVWRL が演算され、ステップ
204では推定車体速度VSO(n)が演算される。
【0022】推定車体速度VSO(n)は、図5に示すよう
に、車輪速度VWFL,VWFR,VWRR,VWRL の中で所定
の選択基準(車輪速度VWFL,VWFR,VWRR,VWRL の
中で正常と判断される値の中の最も高い車輪速度を選択
する)に従って車輪速度VWO(n)を選択し、図5中に示
す式により演算する。図5において、VWO(n-1)は前回
演算時の選択車輪速度、αDNは車体速度変化率下限値
(現実に有り得る車体加速の上限を決める)、αUPは車
体速度変化率上限値、Δtは演算周期であり、αDN,α
UPは、現実には有り得ない車体速度変化が演算されない
ようにするためのものである。ステップ205では各輪
部推定車体速度が図5に示すようにして演算され、ステ
ップ206,207,208および209では前左輪F
L制御演算,前右輪FR制御演算,後左輪FL制御演算
および後右輪FR制御演算がそれぞれ行われる。
【0023】各輪部推定車体速度演算を図5に従って説
明すると、ステップ501にて減少率制限演算が行わ
れ、ステップ502,503,504および505にて
前右車輪輪部,前左車輪部,後右車輪部および後左車輪
部の推定車体速度VSOFR(n),VSOFL(n),VSORR(n)およ
びVSORL(n)がそれぞれ図5の式により演算される。こ
こでは、例えば前右車輪部推定車体速度VSOFR(n)の算
出に関して説明すると、車輪速度の今回値VWFR(n),前
回値VWFR(n-1)より、所定の減速度αDN(後述の「減少
率制御演算」501で決定)でのΔtの間の減速量αDN
・Δtを減算した値VWFR(n-1)−αDN・Δt、および、
前回値VWFR(n-1)に、所定の増速度でのΔtの間の増速
量αUP・Δtを加算した値VWFR(n-1)+αUP・Δt、の
3者の中間値を算出し、これを車輪部推定車体速度VSO
FR(n)とする。
【0024】次いで、ステップ506にて後右車輪部推
定車体速度VSORR(n)が車体の同じ側の前右車輪部推定
車体速度VSOFR(n)よりも小さいか否かが判定され、そ
うであればステップ507にて後右車輪部推定車体速度
VSORR(n)の値が、前右車輪部推定車体速度VSOFR(n)に
訂正される。次にステップ508に進み後左車輪部推定
車体速度VSORL(n)が車体の同じ側の前左車輪部推定車
体速度VSOFL(n)よりも小さいか否かが判定され、そう
であればステップ509にて後左車輪部推定車体速度V
SORL(n)の値が、前左車輪部推定車体速度VSOFL(n)に訂
正される。
【0025】図5の減少率制限演算501の内容を、図
6に示す。ステップ601にて今回演算した推定車体速
度VSO(n)から前回演算した推定車体速度VSO(n-1)を減
算してDVSOを求め、ステップ602にてDVSOと定数
K1(実車体速度に対する推定車体速度の沈み込みの分
の補正値)を積算してこれをαDNとし、ステップ603
にてαDNが所定値K2(タイヤ限界を越えるような減少
率はないため、ローリミッタ値になる)未満であるか否
かを判定し、そうであれば図5のステップ502に戻る
が、そうでなければステップ604にてαDNを所定値K
2にしてから図5のステップ502へ戻る。
【0026】図3のステップ206〜209の内容は対
象車輪が異なるだけで実質的に同じであるので、代表し
て左前輪FL制御装置の内容を図7〜図11により説明
する。
【0027】図7において、推定車体速度VSOFL(n)
〔以下VSOFLと記す〕がステップ211にて制御開始の
最低速度(4km/h)を越えているか否かが判定され、最
低速度以下であれば、ステップ212においてスリップ
率Spが0とされてステップ214に進む。推定車体速
度VSOFLが上記最低速度を越えていれば、ステップ21
3にて推定車体速度VSOFLと車輪速度VWFLからステッ
プ率Spが演算されてステップ214に進む。
【0028】ステップ214においては、推定車体速度
VSFLと車輪速度VWFLの差である車輪速偏差ΔVWFLが
演算される。次に、ステップ215にてモータ20がオ
フか否か、即ち制御中か否かが判定され、モータ20が
オン即ち制御中であればステップ219に進む。例え
ば、初期状態のように、モータ20がオフであるときに
は、ステップ216及び217の条件を充足するか否か
が判定される。
【0029】先ずステップ216にて推定車体速度VSO
FLが所定速度10km/hを越えているか否かが判定され、
10km/h以下であればステップ224にジャンプする。
10km/hを越えていればステップ217の条件を充足す
るか否かが判定され、充足しなければステップ224に
進み、充足していればステップ218にてモータ20が
オンとされる。ステップ217における「K3・VSOFL
−K4」は、車輪速度VWFLの車輪に対するアンチスキ
ッド制御開始判定基準速度を表し、K3及びK4は定数
で、本実施例ではK3として0.95、K4として2.
0km/hが設定されるが、これらの定数は車両の特性等に
応じ種々の値を設定することができる。そして、ステッ
プ219において車輪のロック状態を示す車輪ロック度
Lkが下記(1)式に基づいて演算される。
【0030】 Lk=(C・Sp+D・ΔVWFL)/(C+D) ・・・(1) ここで、C及びDは定数で、これらによりスリップ率S
pと車輪速偏差ΔVWFLとの重みづけが行われる。一般
的に、スリップ率Sp側の重みを増やすと低速域で過減
圧となり易く、車輪速偏差ΔVWFL側の重みを増した場
合には高速域で過減圧となり易い。
【0031】ステップ220では図12に示したマップ
に従い、車輪ロック度Lkと車輪加速度DVWFLの値に
応じて選択されるパルス減圧モード又はパルス増圧モー
ドにおける何れかの枠内の時間配分に基づき、ホイール
シリンダ液圧の減圧時間と保持時間の配分、及び増圧時
間と保持時間の配分が設定される。また、図12の急減
モード領域に該当するときには急減フラグがセット(”
1”)される。
【0032】ここで、図12に示すデ−タマップについ
て説明すると、横軸が車輪加速度DVWFL、縦軸が車輪
ロック度Lkであり、車輪ロック度Lkは下方が正の
値、上方が負の値となっており、車輪加速度DVWFLが
縦軸が0Gでこれより右方が正、左方が負(即ち減速
度)となっている。そして、車輪加速度DVWFLの値と
車輪ロック度Lkの値に応じて図12に示すようにマト
リクスが形成され、二重線a,bで囲まれた部分がパル
ス減圧モードとされ、二重線aの右側がパルス増圧モー
ドとされいる。二重線bの左側は急減モードで保持時間
は0に設定される。パルス増圧モードにおいてはマトリ
クスの各枠内の上段に増圧時間(ms)が、下段に保持時
間(ms)の値が割り当てられており、パルス減圧モード
においては上段に減圧時間(ms)が、下段に保持時間
(ms)の値が割り当てられている。
【0033】パルス減圧モードは、ホイールシリンダ液
圧に対する減圧作動と保持作動が交互に繰り返される制
御モードであり、上記減圧時間と保持時間に応じて電磁
弁31〜38が駆動制御されることによりホイールシリ
ンダ液圧が減圧される。従って、減圧時間と保持時間の
割合に応じて減圧速度が制御される。パルス増圧モード
も同様に、枠内上段の増圧時間と下段の保持時間に応じ
て電磁弁31〜38が駆動制御される。尚、上記減圧時
間,増圧時間及び保持時間は夫々前述の減圧タイマ,増
圧タイマ及び保持タイマによって計時される。
【0034】上記パルス減圧モードにおける減圧時間と
保持時間の時間配分について説明する。車輪加速度DV
WFLはホイールシリンダ液圧の過不足を表しているの
で、車輪加速度DVWFLが小さくなると、即ち減速度が
大となるとホイールシリンダ液圧の減圧量が大きくなる
ように減圧時間と保持時間の配分が設定されている。即
ち減圧時間が長く、保持時間が短くなるように設定され
ている。また、車輪ロック度Lkが大きい場合には、よ
り低摩擦係数の路面上を走行中と判定し、ホイールシリ
ンダ液圧が比較的低圧である状態から減圧する場合の減
圧速度が遅くなることに鑑み、減圧量が大きくなるよう
に減圧時間と保持時間の配分が設定されている。
【0035】一方、パルス増圧モードにおいては、車輪
ロック度Lkが大きい場合であっても車輪加速度DVWF
Lが大きいときには、ホイールシリンダ液圧の増圧量が
大きくなるように増圧時間と保持時間の時間配分が設定
され、ホイールシリンダ液圧不足による制動距離の延び
が抑えられている。そして、車輪ロック度Lkが小さく
なった後に車輪がロック傾向を示すようになるときに
は、穏やかなホイールシリンダ液圧の増圧が行われるよ
うに設定され、車輪速度VWFLの急激な低下が防止され
ている。
【0036】以上のように、パルス減圧モードにおける
減圧時間と保持時間の時間配分、及びパルス増圧モード
における増圧時間と保持時間の時間配分を適宜設定する
ことにより、電磁弁31〜38の応答性,減圧速度、あ
るいは増圧速度等の車両制動時の種々の特性に応じた細
かい制御が可能となる。
【0037】図9のステップ221及び222において
は制御終了条件の判定が行われる。即ち、パルス増圧カ
ウンタのカウンタ数が所定回数K9以上となったとき、
あるいは所定回数K9より少なく推定車体速度VSOFLが
5km/h以下であるときには、ステップ223にてモータ
20がオフとされ、電磁弁31〜38がオフとされる。
そして、ステップ224にて保持タイマ,減圧タイマ及
び増圧タイマの各タイマがクリアされ、パルス増圧カウ
ンタ,パルス増圧フラグ,急減圧フラグがクリアされ
る。
【0038】そして、ステップ225〜227において
通常3〜5msの演算周期が設定される。即ち、システム
タイマが所定時間T1以下のときはステップ226にて
インクリメントされ、所定時間T1経過した後ステップ
227にてクリアされステップ202に戻る。
【0039】図10及び図11のステップ300以下は
上述の処理に対し1ms毎に割り込み処理を行う割り込み
ルーチンを示すもので、電磁弁31〜38に対する駆動
信号が出力される。先ずステップ301にて急減モード
となっているか否か、即ち上述のステップ220の処理
により急減フラグがセットされているか否かが判定され
る。急減モードであればステップ302にて保持タイ
マ,減圧タイマ,増圧タイマが夫々クリアされ0とされ
た後、後述するステップ312に進む。
【0040】急減モードでなければステップ303に
て、保持タイマがセットされているか否か、即ち0より
大か否かが判定され、保持タイマが0でなければステッ
プ304に進む。ここでステップ220にてセットされ
た保持,減圧及び増圧の各時間が保持,減圧及び増圧の
各タイマに夫々設定される。また、ステップ305にて
今回の減圧時間TDが次の減圧時間TD(n+1)として設定
される。
【0041】次に、図11のステップ306において、
減圧タイマがセットされているか否かが判定され、セッ
トされていれば、ステップ307〜313に進み減圧モ
ードに設定される。ステップ307〜308は、図12
のマップに基づきパルス減圧モードにて減圧信号出力中
にマップから外れ減圧時間が長くなったとき、再設定す
るものである。即ち、ステップ305にて設定された次
の減圧時間TD(n+1)より減圧時間TDnが大となったとき
にはステップ308にてその差(TDn−TD(n+1))が現
在の減圧タイマの時間に加算され、このときの減圧時間
Dnが次の減圧時間TD(n+1)として再設定され、ステッ
プ310にて図12のマップに基づきそのときの保持時
間が保持タイマに再設定される。この後、ステップ31
1にて減圧タイマがデクリメント(−1)された後、パ
ルス増圧カウンタ,パルス増圧フラグがクリアされ、夫
々0となる。
【0042】而して、ステップ313にて減圧信号が出
力され、図1のブレーキ供給側の電磁弁31(33,3
5,37)がオンとされてブレーキ液の供給が遮断され
ると共に、排出側の電磁弁32(34,36,38)が
オンとされてブレーキ液がリザーバ23(24)に排出
される。
【0043】ステップ306において減圧タイマがセッ
トされていなければ、ステップ314にて増圧タイマが
セットされているかが判定される。増圧タイマがセット
されていればステップ315に進み、増圧タイマがデク
リメント(−1)され、ステップ316にてパルス増圧
フラグがセット(”1”)された後、ステップ317に
て増圧モードに設定される。而して、電磁弁31,32
(33〜38)の何れもオフとされ図1に示す状態とな
り、ブレーキ液の供給側が開放、排出側が遮断される。
【0044】ステップ314において増圧タイマがセッ
トされておらず0であれば、ステップ318に進みパル
ス増圧フラグがセットされているか否かが判定される。
パルス増圧フラグがセットされていればステップ319
にてパルス増圧カウンタがインクリメント(+1)され
た後、ステップ320にてパルス増圧フラグがクリ
ア(”0”)される。そして、ステップ321にて保持
タイマがデクリメント(−1)された後、ステップ32
2にて保持モードに設定される。パルス増圧フラグがセ
ットされていなければ上記ステップ319,320が実
行されることなくステップ322に進む。ステップ32
2においては、電磁弁31(33,35,37)がオン
されると共に電磁弁32(34,36,38)がオフと
され、ホイールシリンダ51〜54のホイールシリンダ
液圧が保持される。
【0045】以上のように本実施例によれば、各輪部推
定車体速度演算205(図5)において、各輪部推定車
体速度VSOFR(n),VSOFL(n),VSORR(n)およびVSORL(n)
を算出し(502〜505)、車両は後輪駆動であるの
で、後右車輪部推定車体速度VSORR(n)が車体の同じ側
の前右車輪部推定車体速度VSOFR(n)よりも小さいと後
右車輪部推定車体速度VSORR(n)の値を前右車輪部推定
車体速度VSOFR(n)の値に変更し(506,507)、
後左車輪部推定車体速度VSORL(n)が車体の同じ側の前
左車輪部推定車体速度VSOFL(n)よりも小さいと後左車
輪部推定車体速度VSORL(n)の値を前左車輪部推定車体
速度VSOFL(n)に変更する(508,509)。そし
て、各輪制御演算(図3の206〜209;FLに関し
ての詳細が図7〜9)において、変更後の各輪部推定車
体速度VSOFR(n),VSOFL(n),VSORR(n)およびVSORL(n)
に基づいて、各輪それぞれのスリップ率Spおよび車輪
速偏差ΔVWFL(推定車体速度VSFLと車輪速度VWFLの
差)を算出し(図7,図8の213,214)、これらS
pおよび車輪速偏差ΔVWFLに基づいて各輪につき車輪ロ
ック度Lkを算出する。そして、各輪の車輪ロック度L
kと「各輪車輪加速度演算」203(図3)で算出した
各輪加速度DVWFL,DVWFR,DVWRR,DVWRL に対
応して、各輪の増,減圧モ−ドを、図12に示すデ−タ
マップに従って決定する(図8の220)。したがっ
て、エンジンブレ−キにより後輪回転速度が低下し、前
輪回転速度に対して後輪回転速度が低下すると、後輪部
推定車体速度が、前輪部推定車体速度に置換され、後輪
の車輪スリップ率Spは、後輪回転速度および前車輪部
推定車体速度に基づいて推定演算されるので、エンジン
ブレ−キによる車輪スリップ率演算誤差が排除され、し
たがって、減圧不足を生じない。すなわちエンジンブレ
−キ時の駆動輪のABS制御の効きが良くなる。
【0046】また上述の実施例は、減少率制限演算50
1(図6)において、今回演算した推定車体速度VSO
(n)から前回演算した推定車体速度VSO(n-1)を減算して
DVSO(推定車体速度の減少率)を求め、このDVSOに
対応してαDN(各車輪部推定車体速度の減少率)を定め
て、これに基づいて輪部推定車体速度VSOFR(n),VSOFL
(n),VSORR(n)およびVSORL(n)を定めるので(図5の5
02〜505)、各車輪部推定車体速度と実車体速度と
の誤差が、このαDNを他車輪部推定車体速度の減少率に
応じて決める場合に比べて減少するので、スリップ率S
pの演算誤差が少なくなり、優れた制動安定性を維持す
る。
【0047】
【発明の効果】例えば後輪駆動の車両において、エンジ
ンブレ−キにより後輪回転速度が低下し、前輪回転速度
に対して後輪回転速度が低下すると、後輪部推定車体速
度が、前輪部推定車体速度に置換される。これにより、
後輪の車輪スリップ率は、後輪回転速度および前車輪部
推定車体速度に基づいて推定演算されるので、エンジン
ブレ−キによる車輪スリップ率演算誤差が排除され、し
たがって、減圧不足を生じない。すなわちエンジンブレ
−キ時の駆動輪のABS制御の効きが良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示す電子制御装置10の構成概要を示
すブロック図である。
【図3】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11のアン
チスキッド制御の内容の概要を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図4】 図3に示す「推定車体速度演算」204の内
容を示すフロ−チャ−トである。
【図5】 図3に示す「各輪部推定車体速度演算」20
5の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図5に示す「減少率制限演算」501の内容
を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図3に示す「前左輪FL制御演算」206の
内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図3に示す「前左輪FL制御演算」206の
内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図9】 図3に示す「前左輪FL制御演算」206の
内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図10】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の割
込処理の内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図11】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の割
込処理の内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図12】 図8のステップ220の処理においてマイ
クロコンピュ−タ11が、車輪ロック度Lkと車輪加速
度DVWFLに対応して定める、増,減圧のための、1パ
ルス周期内の増,減圧時間と保持時間を示す図表であ
る。
【符号の説明】
2:液圧制御装置 2a:マスタシリンダ 2b:ブ−スタ 3:ブレ−キペダル 10:電子制御装置 11:マイクロコンピ
ュ−タ 12:入力ポ−ト 13:出力ポ−ト 14:CPU 15:ROM 16:RAM 17a〜17d:増幅
回路 18a〜18i:駆動回路 20:電気モ−タ 21,22:ポンプ 23,24:リザ−バ 31〜38:電磁弁 41〜44:車輪速度
センサ 51〜54:ホイ−ルシリンダ FR:前右輪 FL:前左輪 RR:後右輪 RL:後左輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 浦 慎 吾 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪の回転速度を検出する車輪速度検出
    手段,車輪回転速度より各車輪部推定車体速度を算出す
    る各車輪部車体速検出手段,各車輪回転速度および各車
    輪部推定車体速度に基づいて各車輪スリップ率を推定算
    出する手段,車輪スリップ率が高い車輪ブレ−キ圧の減
    圧を決定する情報処理手段、および、該決定に応じて車
    輪ブレ−キ圧を減圧するブレ−キ圧操作手段を備えるア
    ンチスキッド制御装置において、 車体右側の前,後輪部推定車体速度の低い方の輪の車輪
    部推定車体速度を高い方のそれに置換し、車体左側の
    前,後輪部推定車体速度の低い方の輪の車輪部推定車体
    速度を高い方のそれに置換する、基準速度変換手段;を
    備えることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】各車輪回転速度の中から所定の選択基準に
    従って選択した1つの車輪回転速度より推定車体速度を
    演算する推定車体速度演算手段と、推定車体速度の減少
    率に応じて各車輪部推定車体速度の減少率を決める減少
    率設定手段とを更に備えた、請求項1記載のアンチスキ
    ッド制御装置。
JP28939394A 1994-11-24 1994-11-24 アンチスキッド制御装置 Pending JPH08142845A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013129361A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013129361A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置

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