JPH08142268A - 粘着施工に適する高可撓性化粧単板シート - Google Patents

粘着施工に適する高可撓性化粧単板シート

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JPH08142268A
JPH08142268A JP30979294A JP30979294A JPH08142268A JP H08142268 A JPH08142268 A JP H08142268A JP 30979294 A JP30979294 A JP 30979294A JP 30979294 A JP30979294 A JP 30979294A JP H08142268 A JPH08142268 A JP H08142268A
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JP
Japan
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layer
sheet
veneer
decorative veneer
polyolefin
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JP30979294A
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Inventor
Hiroshi Mitsumata
寛 三俣
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Hokusan Co Ltd
Original Assignee
Hokusan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】高可撓性化粧単板シート1において、銘木単板
2、接着剤層3、繊維質シート4、熱可塑性樹脂層およ
び繊維質シート4が最上層よりこの順に積層成形されて
おり、該樹脂層は5.0×10ないし9.0×102 k
g/mm2 の引張り弾性率および2ないし50%の引張り伸
びを有する。前記樹脂層としては、環状ポリオレフィン
コポリマー層5、環状ポリオレフィンコポリマー/ポリ
オレフィンアロイ層、並びに、これらとポリオレフィン
層との積層体が適する。 【効果】高い可撓性を有し柔軟であり、その上、吸湿・
放湿条件下に長期間曝されても、寸法および形態の変化
が大変小さく、粘着施工後において隣接シート相互間に
隙間が発生せずかつシート端部の剥れが起きない等、優
れた寸法および形態の経時的な安定性を有し、従って特
に粘着剤を用いた表面施工に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧単板シートの改
良、具体的には、高い可撓性の維持並びに寸法および形
態の安定性の改良を図り、粘着施工に最適と認められる
製品を開発した単板シートの積層技術に関する。要する
に、本発明は、粘着施工に適する高可撓性化粧単板シー
トに関する。
【0002】従って、本発明は、以下に述べる化粧単板
シートの用途の全般にわたって、特に制限されることな
く、適用されうるものである。:建築内装材例えば壁面
材、天井表面材、柱被覆材および可動間仕切り等の表面
材:自動車、船舶の内装製品の表面材:箪笥等の家具の
外面化粧材:什器等の一般木製品の外面化粧材:並びに
電子機器および楽器の外面化粧材など。
【0003】
【従来の技術】薄い木材単板を表面材とする化粧単板シ
ートは、従来より、上記の用途において、特に建物の壁
面材および家具の表面材として、頻繁に利用されてい
る。特に汎用されている一つの種類の化粧単板シート
は、単板の裏打ち材の一部として樹脂フィルムを積層し
たシート製品であり、そして、その種の代表的な例を図
5に示す。この図に示された化粧単板シート11は、木
材単板2、接着剤の層3、紙または不織布14、ポリプ
ロピレンまたはポリエチレンのフィルム8および紙また
は不織布14を最上層よりこの順に積層し、圧着成形に
より一体化したものである。
【0004】また、近年開発されそしてよく使用されて
いる他の種類の化粧単板シートは、鉄またはアルミニウ
ム等の金属箔を裏打ち材の一部として積層したシート製
品である。図6はこの種の化粧単板シートの一例を示し
たものである。これに図示された化粧単板シート12
は、木材単板2、接着剤層3、紙または不織布14、接
着剤層9、アルミニウム箔10、接着剤層9および紙ま
たは不織布14を最上層よりこの順に積層圧着して一体
に成形したものである。さらに、樹脂フィルムと金属箔
とを裏打ち材の一部として積層した化粧単板シートも製
品開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでに
開発された化粧単板シートを粘着施工に、即ち粘着剤を
用いて化粧単板シートを壁面等に貼着する施工に用いた
とき、寸法および形態の特に経時的な安定性に関して問
題が起きていた。すなわち、図5に示したようなポリオ
レフィンフィルムを含む化粧単板シート11は、ポリオ
レフィンフィルム8の性質により高い可撓性を有し柔軟
で曲面施工にも適するという利点を有するが、その反
面、ポリオレフィンフィルムにあっては木材単板の膨張
収縮を制限する能力に乏しいため、吸湿・放湿によるシ
ート製品の寸法の変化が大きく、寸法安定性が悪いとい
う欠点があった。このため、図5のような種類の化粧単
板シート11を粘着施工に用いたとき、たとえ湿式施工
の段階で化粧単板シート11の製品(例えば長さ:1〜
2m、幅:60〜 100cm)を隙間なく隣接するように壁面
に貼着したとしても、施工後長期間が経過するうちに、
その後の乾燥により、図9に示すような、数mm程度の
隙間tが、貼着された隣り同士の2枚の化粧単板シート
11、11の間に生じる場合がときどきあるという問題
があった。
【0006】図6に示したアルミニウム箔を含む化粧単
板シート12は、かかる欠点を無くし、寸法安定性を改
良したものである。アルミニウム箔10は、それ自体熱
膨張率が大変小さいので、それを含む化粧単板シートの
寸法変化を有効に抑えることができる。従って、図6の
化粧単板シート12は、寸法安定性が大変優れていると
いう利点を有していた。しかし、その反面において化粧
単板シート12は、金属箔を含むので、可撓性に劣り、
柔軟さに欠け、従って、吸湿時には、図7に示すように
木材単板2を巻きの外側にしてカールし、反対に、放湿
時には、図8に示すように木材単板2を巻きの内側にし
てカールするという欠点があった。このため、図6のよ
うな種類の化粧単板シート12を粘着施工に用いたと
き、施工後長期間が経過すると、貼着された化粧単板シ
ート12の端部、特に単板表面における木材繊維の方向
と直交する方向のシート端部が壁面より剥れていくらか
浮き上がる場合がときどき生じるという問題があった。
【0007】以上の事情より、粘着剤を使用する表面施
工に最も適する化粧単板シートをデザインするに当って
は、可撓性、寸法安定性及び形態安定性の側面を十分に
考慮する必要があることが導かれる。すなわち、粘着施
工に適する化粧単板シートは、高い可撓性を有する柔軟
なシートであって、かつ、単板が吸湿・放湿に繰り返し
曝されても、単板シートの寸法および形態の変化がとも
に小さく、それらの安定性に優れたものであることが要
求される。しかるに、これまで知られた化粧単板シート
はいずれも、これらの要求の総てを満足することができ
ないものであった。
【0008】本発明は、かかる事情を考慮してなされた
もので、その目的は、高い可撓性を有し、かつ、単板の
吸放湿変化に影響されない優れた寸法安定性および形態
安定性を有し、よって、とりわけ、粘着剤を用いた表面
施工に適するところの高可撓性化粧単板シートを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、驚くべきことに今、5.0×10ないし9.0×
102 kg/mm2 の引張り弾性率および2ないし50%、
より好ましくは2ないし40%の引張り伸びを有する熱
可塑性樹脂層を単板の裏打ち材の一部として積層するこ
とにより、より具体的には、環状ポリオレフィンコポリ
マー層を裏打ち材の一部として積層することにより、得
られる化粧単板シートは、高い可撓性を有し柔軟である
上に、単板の吸湿・放湿条件下に長期間曝されても、寸
法および形態の変化が大変小さく、施工後の隙間の発生
およびシート端部の剥れ等が起きず、寸法および形態安
定性の両方に優れ、本発明者の知る限りにおいて最も粘
着施工に適した単板シート製品となることを見出し、こ
こに本発明を完成した。
【0010】したがって、本発明の第一の発明は、銘木
単板、接着剤層、繊維質シート、熱可塑性樹脂層および
繊維質シートが最上層よりこの順に積層成形されてなる
化粧単板シートであって、前記熱可塑性樹脂層は5.0
×10ないし9.0×102kg/mm2 の引張り弾性率およ
び2ないし50%、より好ましくは2ないし40%の引
張り伸びを有する、高可撓性化粧単板シートに関する。
本発明は、上記の特性を有する熱可塑性樹脂層を化粧単
板シートの積層要素の一つに加えることにより、図5の
ポリオレフィン入り化粧単板シートと同様の高い可撓性
並びにカールの起きない優れた形態安定性を保有すると
ともに、図6の化粧単板シートの場合に匹敵する高い寸
法安定性をも備えるようにしたものである。
【0011】環状ポリオレフィンコポリマーは、上記の
特性を有する熱可塑性樹脂の最も代表的な例であり、以
下、これに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、
該環状ポリオレフィンコポリマーに限定されず、上記特
性を有する熱可塑性樹脂を使用した場合総てを包含する
ものであることは言うまでもない。本発明において、環
状ポリオレフィンコポリマーとは、シクロドレセン等の
環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフ
ィンとの共重合体を指す。この共重合体は、それ自体公
知であるか、またはそれ自体知られた方法により、例え
ば、シクロドレセン誘導体とα−オレフィンをバナジウ
ム触媒またはメタロセン触媒の存在下で付加重合させる
ことにより、あるいは、シクロドレセン誘導体を適当な
条件下で開環重合させ、続いてこれを水素添加により還
元することにより、製造することができる。また、この
環状ポリオレフィンコポリマーは、例えば銘柄商標アペ
ルの名のもと市販されている三井石油化学工業株式会社
の市場製品より入手することができる。その代表的な銘
柄名は、APL6013、APL6509、APL60
11およびAPL6015である。環状ポリオレフィン
コポリマーは、非晶質故に透明であるので、化粧単板シ
ートの積層要素に適用しても、該単板シートの表面の色
調、模様に悪影響を与えない。また、該コポリマーは、
最も低い透湿係数を有し、かつ、吸水率も低いという利
点を有する。さらに、該コポリマーは、酸、アルカリ、
水蒸気に対する耐性にも優れている。しかしながら、環
状ポリオレフィンコポリマーの最も重要な性質は、引張
り弾性率の温度、湿分依存性が極めて小さいことであ
り、また、収縮率も大変小さく、引張り伸びの湿分依存
性が小さいことである。
【0012】かかる環状ポリオレフィンコポリマーの層
を化粧単板シートの積層要素に適用する場合、該コポリ
マーを樹脂フィルムの要素として単独で使用することも
できるが、該コポリマーを他の樹脂と組み合わせて樹脂
フィルム部分を構成することも可能である。後者の適す
る方法としては、ポリオレフィンが環状ポリオレフィン
コポリマーと同時押出積層成形可能な樹脂であることか
ら、環状ポリオレフィンコポリマーとポリオレフィンの
積層体、例えばポリオレフィン/環状ポリオレフィンコ
ポリマー/ポリオレフィンの三層積層体を樹脂フィルム
要素として用いる方法が挙げられる。また、さらに手法
を発展させ、環状ポリオレフィンコポリマーの代わり
に、ポリマーアロイ、即ち環状ポリオレフィンコポリマ
ー/ポリオレフィンアロイを使用することも可能である
と導かれる。この考えをさらに押し進めると、該ポリマ
ーアロイとポリオレフィンの積層体、例えばポリオレフ
ィン/環状ポリオレフィンコポリマーポリオレフィンア
ロイ/ポリオレフィンの三層積層体を樹脂フィルム要素
として用いる方法もまた適用可能であると導かれる。
【0013】したがって、本発明の第二の発明は、銘木
単板、接着剤層、繊維質シート、環状ポリオレフィンコ
ポリマー層および繊維質シートが最上層よりこの順に積
層成形されてなる、高可撓性化粧単板シートに関する。
また、本発明の第三の発明は、銘木単板、接着剤層、繊
維質シート、ポリオレフィン層、環状ポリオレフィンコ
ポリマー層、ポリオレフィン層および繊維質シートが最
上層よりこの順に積層成形されてなる、高可撓性化粧単
板シートに関する。さらに、本発明の第四の発明は、銘
木単板、接着剤層、繊維質シート、環状ポリオレフィン
コポリマー/ポリオレフィンアロイ層および繊維質シー
トが最上層よりこの順に積層成形されてなる、高可撓性
化粧単板シートに関する。最後に、本発明の第五の発明
は、銘木単板、接着剤層、繊維質シート、ポリオレフィ
ン層、環状ポリオレフィンコポリマー/ポリオレフィン
アロイ層、ポリオレフィン層および繊維質シートが最上
層よりこの順に積層成形されてなる、高可撓性化粧単板
シートに関する。
【0014】本発明に使用される環状ポリオレフィンコ
ポリマーの中、より好ましい態様のものは、2.0×1
2 ないし5.0×102 kg/mm2 の引張り弾性率およ
び2ないし40%の引張り伸びを有する該コポリマーで
ある。また、より好ましい環状ポリオレフィンコポリマ
ー/ポリオレフィン アロイは、(A) 環状ポリオレフィ
ンコポリマーおよび高密度ポリエチレンの(特には5:
5の割合の)ポリマーアロイ、(B) 環状ポリオレフィン
コポリマーおよび低密度ポリエチレンの(特には7:3
の割合の)ポリマーアロイ、並びに(C) 環状ポリオレフ
ィンコポリマーおよび線状低密度ポリエチレンの(特に
は9:1の割合の)ポリマーアロイである。また、本発
明において、ポリオレフィン/環状ポリオレフィンコポ
リマー/ポリオレフィンの三層積層体のような、ポリオ
レフィンと環状ポリオレフィンコポリマーの積層体を樹
脂フィルム要素として用いる場合、適用されるポリオレ
フィンは、環状ポリオレフィンコポリマーとの物理的・
化学的性質の相関性および該コポリマーとの同時押出成
形の容易さ等の側面より、ポリエチレン例えば低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリ
エチレン、または、ポリプロピレンがより好ましい。さ
らに、本発明において、環状ポリオレフィンコポリマー
/ポリオレフィンアロイとポリオレフィンの積層体を樹
脂フィルム要素として用いる場合も、ポリオレフィンと
しては、上記と同様のものを適用するのがより好まし
い。この側面から、上記ポリマーアロイ(A) を使用する
ときは、とりわけ、高密度ポリエチレン/ポリマーアロ
イ(A) /高密度ポリエチレンの三層積層体を樹脂フィル
ム要素として適用するのがより好ましく、また上記ポリ
マーアロイ(B) を使用するときは、とりわけ、低密度ポ
リエチレン/ポリマーアロイ(B) /低密度ポリエチレン
の三層積層体を樹脂フィルム要素として適用するのがよ
り好ましく、さらに上記ポリマーアロイ(C) を使用する
ときは、とりわけ、線状低密度ポリエチレン/ポリマー
アロイ(C) /線状低密度ポリエチレンの三層積層体を樹
脂フィルム要素として適用するのがより好ましい。
【0015】繊維質シートは、作業性等の向上を図るべ
く単板の裏打ち材として機能させるために、また、貼着
される壁面等の凹凸を被覆により隠蔽して化粧単板シー
トの浮き上がりを防止するために積層要素とされるもの
である。本発明においては、従来より単板裏打ち材とし
て利用されてきた材料、例えば、和紙、洋紙(例えば上
質紙、中質紙等)、クラフト紙、薄葉紙または樹脂含浸
紙、並びに、ポリエチレン不織布、ポリエステル/パル
プ不織布等の各種不織布など、総ての繊維質シートが適
用され得る。繊維質シートの適する坪量は、15〜10
0 g/m2 、より好ましくは20〜50 g/m2 である。
【0016】また、本発明において、銘木単板として
は、各種の銘木より、例えば0.05ないし3.0mmの
厚さに、好ましくは0.10ないし0.4mmの厚さに、
切削加工された挽板または突板を適用することができ
る。銘木単板の木理は、特に限定されず、柾目、追柾、
板目またはこぶ杢など、いずれでもよい。また、銘木単
板の樹種も特には、限定されないが、好ましい樹種の例
は、次の通りである。:檜、楢、欅、桜、楡、黒柿、
栃、桂、楓、槐、楠木等:ローズウッド、チーク、マホ
ガニー、コクタン(黒壇)、シタン(紫檀)、バーズア
イメープル、アメリカンブラックウォールナット、クラ
ロウォールナット、ラテヌォールナット、クィンスラン
ドウォールナット、ゼブラウッド、マンガシロ、ブラジ
リアンローズ、カリン(花梨)、パーシモン、シルバー
ローズ、パルマ、レッドウッド、パープルウッド、シル
キーオーク、タイワンクス、チェリー、マグノリヤ、黒
レオ(ダオ)、白レオ、サベリ、ブビンカ、マコレ、マ
ドローナ、ミルトル、メープル、アッシン、インブイヤ
ー等。
【0017】また、接着剤層は、銘木単板と繊維質シー
トとを接着するために積層要素とされる。単板と繊維質
シートとの接着は比較的容易であるため、本発明におい
て適用される接着剤の種類は、特に限定されるものでな
いが、例えば、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)接着
剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、水性ビニル
ウレタン系接着剤、またはアクリル系粘着剤などが有利
に利用することができる。
【0018】本発明に係る化粧単板シートは、例えば、
(a) まず、押出積層成形法に従い、請求項1ないし5に
記載の単層または複数層の樹脂層を押出し、同時に2種
の繊維質シートを該樹脂層の上側および下側に重ねて、
繊維質シート;樹脂層;繊維質シートよりなる積層体を
成形し、次に、接着剤を該積層体の上側の繊維質シート
の上に塗布し、続いて、銘木単板をその上にオーバーレ
イし、そしてその後これら全体を熱圧締するか、また
は、(b) 一方で、押出積層成形法に従い、上記の単層ま
たは複数層の樹脂層を押出し、同時に1種の繊維質シー
トを該樹脂層の下側に重ねて、樹脂層;繊維質シートよ
りなる積層体を成形し、また他方で、貼合わせにより、
銘木単板;接着剤層;繊維質シートよりなる単板裏打ち
シートを製造し、そしてその後前記積層体および前記単
板裏打ちシートを熱圧締することにより、製造すること
ができる。
【0019】
【実施例】以下、図面に示す各実施例に基づいて、本発
明をより具体的に説明する。図示された実施例はあくま
でも非制限的な例示にすぎず、これら実施例を本発明の
主旨および精神を逸脱しない限り変形または応用したい
かなる態様も総て本発明の範囲に包含されることは言う
までもない。
【0020】実施例1 この実施例は、環状ポリオレフィンコポリマーを含む高
可撓性化粧単板シートに関する。すなわち、図1に示す
ように、高可撓性化粧単板シート1は、銘木単板2(例
えば厚さ0.20mmの楢突板)、接着剤層3(例えば酢
酸ビニルアクリル共重合体接着剤の層)、繊維質シート
4(例えば坪量30 g/m2 の中質紙またはナイロン不織
布)、環状ポリオレフィンコポリマー層5(例えば厚さ
40μmの商標名アペル( APEL 6013)の市販樹脂の
層)、および繊維質シート4(例えば坪量30 g/m2
中質紙またはナイロン系不織布)が最上層よりこの順に
積層成形され、一体シート製品となっている。環状ポリ
オレフィンコポリマー層5は2.3×102 ないし3.
5×102 kg/mm2 の引張り弾性率および約3ないし3
5%の引張り伸びを有する。この例の化粧単板シート1
は、最初に、押出積層成形法に従い、環状ポリオレフィ
ンコポリマー層5を押出し、同時に2種の繊維質シート
4、4を該コポリマー層5の上側および下側に重ねて、
繊維質シート;樹脂層;繊維質シートよりなる積層体を
成形し、次に、接着剤3を該積層体の上側の繊維質シー
ト4の上に塗布し、続いて、銘木単板2をその上にオー
バーレイし、そしてその後これら全体を熱圧締すること
により、製造されてなる。
【0021】実施例2 この実施例は、環状ポリオレフィンコポリマーとポリオ
レフィンとの積層体を含む高可撓性化粧単板シートに関
する。すなわち、図2に示すように、高可撓性化粧単板
シート1は、銘木単板2(例えば厚さ0.20mmの楢突
板)、接着剤層3(例えば酢酸ビニルアクリル共重合体
接着剤の層)、繊維質シート4(例えば坪量30 g/m2
の中質紙またはナイロン系不織布)、ポリオレフィン層
6(例えば厚さ10μmの低密度、高密度もしくは線状
低密度ポリエチレンの層)、環状ポリオレフィンコポリ
マー層5(例えば厚さ30μmの市販樹脂アペル( APE
L6013)の層)、ポリオレフィン層6(例えば前記各ポ
リエチレンの層)および繊維質シート4(例えば坪量3
0 g/m2 の中質紙またはナイロン不織布)が最上層より
この順に積層成形され、一体シート製品となっている。
この例の化粧単板シート1は、実施例1の場合と同様
に、特に押出積層成形法に従いポリオレフィン層6/環
状ポリオレフィンコポリマー層5/ポリオレフィン層6
の三層フィルムを形成することにより、製造されてな
る。
【0022】実施例3 この実施例は、環状ポリオレフィンコポリマー・ポリオ
レフィンアロイを含む高可撓性化粧単板シートに関す
る。すなわち、図3に示すように化粧単板シート1は、
銘木単板2(例えば厚さ0.20mmの楢突板)、接着剤
層3(例えば酢酸ビニルアクリル共重合体接着剤の
層)、繊維質シート4(例えば坪量30 g/m2の中質紙
またはナイロン系不織布)、環状ポリオレフィンコポリ
マー/ポリオレフィンアロイ層7(例えば厚さ40μm
の、市販の樹脂 商標名アペル( APEL6013)および低
密度、高密度もしくは線状低密度ポリエチレンのポリマ
ーアロイの層)および繊維質シート4(例えば坪量30
g/m2 の中質紙またはナイロン不織布)が最上層よりこ
の順に積層成形され、一体シート製品となっている。こ
の例の化粧単板シート1は、実施例1の場合と同様に、
特に押出積層成形法に従い環状ポリオレフィンコポリマ
ー/ポリオレフィンアロイ層7を形成することにより、
製造されてなる。
【0023】実施例4 この実施例は、環状ポリオレフィンコポリマー・ポリオ
レフィンアロイとポリオレフィンとの積層体を含む高可
撓性化粧単板シートに関する。すなわち、図4に示すよ
うに、化粧単板シート1は、銘木単板2(例えば厚さ
0.20mmの楢突板)、接着剤層3(例えば酢酸ビニル
アクリル共重合体接着剤の層)、繊維質シート4(例え
ば坪量30 g/m2 の中質紙またはナイロン系不織布)、
ポリオレフィン層6(例えば厚さ10μmの低密度、高
密度もしくは線状低密度ポリエチレンの層)、環状ポリ
オレフィンコポリマー/ポリオレフィン アロイ層7
(例えば厚さ30μmの、市販樹脂 商標名アペル( A
PEL 6013)および低密度、高密度または線状低密度ポリ
エチレンのポリマーアロイの層)、ポリオレフィン層6
(例えば厚さ10μmの前記ポリエチレンの層)および
繊維質シート4(例えば坪量30 g/m2 の中質紙または
ナイロン不織布)が、最上層よりこの順に積層成形さ
れ、一体シート製品となっている。この例の化粧単板シ
ート1は、実施例2の場合と同様に、特に押出積層成形
法に従いポリオレフィン層6/環状ポリオレフィンコポ
リマー・ポリオレフィンアロイ層7/ポリオレフィン層
6の積層フィルムを形成することにより、製造されてな
る。
【0024】実施例1ないし4の化粧単板シート1はい
ずれも、高い可撓性を有し、柔軟であり、その上、吸放
湿の条件下での寸法および形態の変化が大変小さく、粘
着剤を用いる表面施工に使用したとき、施工後長期間経
過した段階で、隣接シート相互間に隙間が発生せず、か
つ、カールによるシート端部の剥れも起きなかった。
【0025】試験例1:化粧単板シートの寸法変化試験 次の積層構成をなす化粧単板シートA、BおよびCを夫
々、各シートにつき3枚づつ製作し、上記の試験に供す
ることとした。 化粧単板シートA;図5の単板シート11に相当する、
(最上層)銘木単板2/接着剤層3/紙14/低密度ポ
リエチレンフィルム(厚さ40μm)8/紙14(最下
層)よりなる積層シート。 化粧単板シートB;図6の単板シート12に相当する、
(最上層)銘木単板2/接着剤層3/紙14/接着剤層
9/軟質アルミニウム箔(厚さ50μm)10/接着剤
層9/紙14(最下層)よりなる積層シート。 化粧単板シートC;図1の単板シート1に相当する、
(最上層)銘木単板2/接着剤層3/繊維質シート4/
環状ポリオレフィンコポリマー層(厚さ30μm)5/
繊維質シート4(最下層)よりなる積層シート。上記各
化粧単板シートに使用された材料は、次の通りである。 銘木単板2 :ホワイトシカモア(柾目) 厚さ
0.12mm 接着剤層3 :酢酸ビニルアクリル共重合体接着剤 塗布量(固形分)20 g/m2 繊維質シート4:中質紙 坪量40 g/m2 環状ポリオレフィンコポリマー層5:商標名アペル(AP
EL 6013)三井石油化学工業株式会社製 接着剤層9 :酢酸ビニル系接着剤 塗布量
(固形分)20 g/m2 紙14 :坪量40 g/m2
【0026】各種3枚(合計9枚)の化粧単板シート
A、BおよびCをそれぞれ、まず温度25℃、相対湿度
60%の雰囲気下で必要な時間の間調温調湿し、その時
点における単板シートの幅寸法を計測し、次に、調温調
湿された化粧単板シートを25℃の水の中に30分間の
間浸漬し、そして浸漬の終了後、単板シートの幅寸法を
同様に計測することにより、寸法の膨張率を算出した。
次の表1はその結果を示す。
【表1】
【0027】この表より、本実施例の化粧単板シートC
は、ポリオレフィン層を含む従来の化粧単板シートAと
比較して寸法変化が著しく小さいものであり、その寸法
安定性は、アルミニウム箔を含む従来の化粧単板シート
Bのそれに匹敵するものであると理解することができ
る。
【0028】試験例2:化粧単板シートの粘着施工の試
験 粘着剤を用いて化粧単板シートA、BおよびCを各々建
物の外壁面に貼着し、そして、この施工後3か月、6か
月および1年をそれぞれ経過した時点で、貼着された化
粧単板シートA、BおよびCの表面状態を評価した。そ
の結果を次の表2に示す。
【表2】
【0029】この表より、本実施例の化粧単板シートC
は、従来の化粧単板シートBおよびCとは異なり、粘着
施工の後長期間吸放湿下曝されても、隣接する化粧単板
シート相互間の隙間の発生、および化粧単板シートの端
部の剥れ等の不都合が起きないことがわかる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高い可撓性を有し、柔軟であり、その上、単板の吸湿・
放湿条件下に長期間曝されても、寸法および形態の変化
が大変小さく、施工後において収縮による隣接シート相
互間に隙間が発生せずかつカールによるシート端部の剥
れが起きない等、単板の吸放湿変化に影響されない優れ
た寸法および形態の経時的な安定性を有し、従って、と
りわけ粘着剤を用いた表面施工に適するところの高可撓
性化粧単板シートが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高可撓性化粧単板シートを
拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の実施例2の高可撓性化粧単板シートを
拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の実施例3の高可撓性化粧単板シートを
拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の実施例4の高可撓性化粧単板シートを
拡大して示す断面図である。
【図5】ポリオレフィン層を含む従来の化粧単板シート
を拡大して示す断面図である。
【図6】金属箔を含む従来の化粧単板シートを拡大して
示す断面図である。
【図7】吸湿条件における、図6の化粧単板シートの形
態を示す斜視図である。
【図8】放湿条件における、図6の化粧単板シートの形
態を示す斜視図である。
【図9】壁面に貼着された図5の化粧単板シートの、貼
着後長期間経過した後における表面形態を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 高可撓性化粧単板シート 2 単板 3 接着剤層 4 繊維質シート 5 環状ポリオレフィンコポリマー層 6 ポリオレフィン層 7 環状ポリオレフィンコポリマー/ポリオレフィン
アロイ層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銘木単板、接着剤層、繊維質シート、熱
    可塑性樹脂層および繊維質シートが最上層よりこの順に
    積層成形されてなる化粧単板シートであって、前記熱可
    塑性樹脂層は5.0×10ないし9.0×102 kg/mm
    2 の引張り弾性率および2ないし50%の引張り伸びを
    有する、高可撓性化粧単板シート。
  2. 【請求項2】 銘木単板、接着剤層、繊維質シート、環
    状ポリオレフィンコポリマー層および繊維質シートが最
    上層よりこの順に積層成形されてなる、高可撓性化粧単
    板シート。
  3. 【請求項3】 銘木単板、接着剤層、繊維質シート、ポ
    リオレフィン層、環状ポリオレフィンコポリマー層、ポ
    リオレフィン層および繊維質シートが最上層よりこの順
    に積層成形されてなる、高可撓性化粧単板シート。
  4. 【請求項4】 銘木単板、接着剤層、繊維質シート、環
    状ポリオレフィンコポリマー/ポリオレフィンアロイ層
    および繊維質シートが最上層よりこの順に積層成形され
    てなる、高可撓性化粧単板シート。
  5. 【請求項5】 銘木単板、接着剤層、繊維質シート、ポ
    リオレフィン層、環状ポリオレフィンコポリマー/ポリ
    オレフィンアロイ層、ポリオレフィン層および繊維質シ
    ートが最上層よりこの順に積層成形されてなる、高可撓
    性化粧単板シート。
JP30979294A 1994-11-18 1994-11-18 粘着施工に適する高可撓性化粧単板シート Pending JPH08142268A (ja)

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