JPH08141817A - ボールエンドミル用スローアウェイチップ及びその製造方法 - Google Patents

ボールエンドミル用スローアウェイチップ及びその製造方法

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JPH08141817A
JPH08141817A JP6276618A JP27661894A JPH08141817A JP H08141817 A JPH08141817 A JP H08141817A JP 6276618 A JP6276618 A JP 6276618A JP 27661894 A JP27661894 A JP 27661894A JP H08141817 A JPH08141817 A JP H08141817A
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sintered body
tip
end mill
ball end
throw
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Application number
JP6276618A
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English (en)
Inventor
Takashi Kanda
孝 神田
Kunihiro Tomita
邦洋 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • B23C5/1009Ball nose end mills
    • B23C5/1027Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts
    • B23C5/1045Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts having a cutting insert, the cutting edge of which subtends substantially 90 degrees
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/16Milling-cutters characterised by physical features other than shape
    • B23C5/20Milling-cutters characterised by physical features other than shape with removable cutter bits or teeth or cutting inserts
    • B23C5/202Plate-like cutting inserts with special form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23C2200/00Details of milling cutting inserts
    • B23C2200/12Side or flank surfaces
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B23C2200/203Curved cutting edges
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 台金に硬質焼結体を接合し、その硬質焼結体
に先端R部の切れ刃を付したボールエンドミル用スロー
アウェイチップに切削性能面で有利なねじれ刃を付すこ
とを可能ならしめる。 【構成】 硬質焼結体3を、厚みtよりも幅Wが大きい
ほぼ一定厚の板材がボールエンドミルの先端R部のR面
に沿って厚み方向に曲がっている形状にし、これを曲げ
の外側の面が逃げ面7側に、R状になった側面がすくい
面6側に各々ある向きにして台金2の先端の座2aにT
i含有活性化鑞材で鑞付けする。このチップ1はWを大
きくしてねじれ刃を付すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スローアウェイ式ボー
ルエンドミル用のスローアウェイチップ、特に、切れ刃
をダイヤモンドやCBN(立方晶型窒化硼素)を主成分
とする硬質焼結体で形成して、プレス金型、鍛造金型に
代表される各種産業用金型などの自由曲面の加工を高
速、高能率で行うスローアウェイチップとそのチップの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールエンドミル用のスローアウェイチ
ップで、切れ刃材質に首記の硬質焼結体を採用したもの
は、図4に示すように、硬質焼結体3をその厚み方向が
チップの逃げ面方向となる向きにして台金2の上面の座
に接合し、その焼結体に、ねじれ角0°のR形状の切れ
刃4を付してある。
【0003】3’は硬質焼結体の製造時に一体化された
板金であり、硬質焼結体の台金に対する接合は、この板
金3’を一般的な方法で鑞付けして行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のスロー
アウェイチップは、硬質焼結体の厚みによる制限がある
ため、切れ刃にねじれ角を付すことができない。このね
じれ角の無いR状の切れ刃は、切削に関与する領域が被
削材に同時に喰付き、また、切削も喰付いた部分の全域
で同時に進行するため、切削抵抗や喰付き時の衝撃が大
きく、このため、高精度加工が望めず、切れ刃も欠損し
易い。
【0005】また、シャンク先端の一文字スリットに硬
質焼結体のブロックを挾み込んで固着し、これにねじれ
角の付いた切れ刃(以下ねじれ刃と云う)を付したボー
ルエンドミルは存在するが、これはスローアウェイ式で
はなく、硬質焼結体の使用量も多くて非常に高価であ
る。
【0006】このため、ボールエンドミル用スローアウ
ェイチップにねじれ刃を付すことが切望されているが、
ねじれ刃は工具の先端中心から離れるに従ってその位置
が工具周方向に次第に変位していくので、従来のスロー
アウェイチップでは硬質焼結体の厚みが不足して切れ刃
が台金にかかってしまい要求を満たすものにならない。
【0007】なお、ねじれ角の無い切れ刃を付すもの
も、従来のチップ構造では再研磨代が殆どなく、硬質焼
結体の再研磨による有効利用が図れない。
【0008】そこで、本発明は、硬質焼結体の使用量を
必要最小限に抑えてねじれ刃を付すことを可能ならし
め、また、再研磨代を多く確保することも可能ならしめ
たボールエンドミル用スローアウェイチップと、そのチ
ップを経済的に作れる製造方法を提供することを課題と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明においては、スローアウェイチップの切れ刃
部を形成する硬質焼結体を、厚みtよりも幅Wが大きい
ほぼ一定厚の板材がボールエンドミルの先端R部のR面
に沿って厚み方向に曲がっている形状にし、これを曲げ
の外側の面が逃げ面側に、R状になった側面がすくい面
側に各々ある向きにして台金先端に対応して設けた座に
接合する構成を採用したのである。
【0010】このスローアウェイチップは、硬質焼結体
の厚みtを0.5mm〜5mm、幅Wを2.0mm〜1
0mmとするのが望ましい。
【0011】また、ねじれ刃を付す場合のねじれ角は3
°以上、45°以下が好ましく、硬質焼結体の幅Wが前
述の範囲にあれば、この好ましい角度の完全なねじれ刃
を付し得る。なお、このねじれ角は、図5(c)に示す
ように、工具先端より工具半径Rの位置にある切れ刃D
点(Dは切れ刃部と直線切れ刃部の境界点)の位置が回
転方向に進んでいる角度をγとして、γ=tanθ(ラ
ジアン){θ:ねじれ角(ラジアン)}の関係をもって
表わされる。これを角度に換算するには(θ×180/
π)度となる。
【0012】さらに、使用する硬質焼結体は、一体の板
金が含まれていない単層構造の焼結体がよい。本発明の
構造では一体の板金があるとその分硬質焼結体の幅Wが
小さくなり、好ましくない。
【0013】この硬質焼結体は、下記の組成のものが特
に好ましい。
【0014】(1) ダイヤモンドが80容量%以上で、残
部は、周期律表IVa、Va、VIa族元素の中から選ばれ
た1種又は2種以上の炭化物又は鉄族金属もしくはその
両者と不可避不純物のダイヤモンド焼結体。
【0015】(2) CBNが40〜80容量%で、残部は
周期律表IVa、Va、VIa族元素の窒化物、炭化物、硼
化物、或いははそれ等の固溶体の中から選ばれた1種又
は2種以上の物質とアルミ化合物及び不可避不純物のC
BN焼結体。
【0016】(3) CBNが50〜90容量%で、残部
は、Co、Wの硼化物又は炭化物、窒化アルミ、硼化ア
ルミの中から選択される1種又は2種以上の化合物及び
それ等の固溶体と不可避不純物のCBN焼結体。
【0017】次に、本発明においては、上述したスロー
アウェイチップを次にのようにして製造する。
【0018】即ち、先ず始めに、硬質焼結体の単材ブロ
ックから中空の真円リングを周方向に4等分した形状又
はその分割リングの一端に接線方向に延びるストレート
部が一体に連なっている形状の小片を切り出す。そし
て、その小片を超硬合金又は鋼から成る台金の前面に形
成されている座に、チタンを含む活性化鑞材を用いて鑞
付けし、その後、切れ刃の成形加工を行って完成品のス
ローアウェイチップとなす。
【0019】なお、上述したスローアウェイチップを、
本体の先端R部に設けた座溝にクランプ手段で固定して
複数個、着脱自在に装着すると、経済効果に優れた本発
明のボールエンドミルになる。
【0020】
【作用】本発明のスローアウェイチップは、硬質焼結体
が逃げ面方向にWの幅を持つようにしてあり、そのWの
範囲で硬質焼結体に付す切れ刃の位置を工具周方向に変
位させることができる。また、その幅Wは最大でチップ
厚みと同じ値まで大きくすることができ、このために、
完全なねじれ刃を付すことが可能になる。
【0021】また、硬質焼結体は、厚みtが小さいため
その使用量は極端には増えず、これによりコストアップ
も回避できる。その焼結体の製造コストは後述する理由
から従来品よりも下がるので、価格面では従来品よりも
むしろ有利になる。
【0022】なお、厚みtが小さいと、すくい面には硬
質焼結体が少ししか現われないが、このことは性能には
影響しない。
【0023】即ち、硬質焼結体の切れ刃を有するボール
エンドミルは、通常切込みの非常に小さい仕上げ加工に
利用される。従って、すくい面側の硬質焼結体の幅(本
発明で云う厚みt)は広いものは必要とせず、せいぜい
切込み深さ分のサイズがあればよい。
【0024】この厚みtについて、0.5mm〜5.0
mmが望ましいとしたのは、切込みの上限はエンドミル
の径に応じて変わり、小径エンドミルほど厚みtが小さ
くて済むが、この厚みtが小さ過ぎると厚み不足で最小
径のエンドミルの切込みに対応できず、さらに焼結体の
残留応力による反りまたは亀裂などが生じ、製造上の問
題が発生するためであり、一方、5.0mm以上では硬
質焼結体の使用量が無駄に増え、コスト増を招いて好ま
しくないからである。
【0025】また、ねじれ刃を付す場合の硬質焼結体の
幅Wについて、2.0mm〜10mmが望ましいとした
のは、次の理由による。即ち、幅Wはボールエンドミル
の径とねじれ刃のねじれ角によって、つまり切れ刃の始
端から終端(円弧部と直線部の境界部)までの工具周方
向総変位量によって概ね決定される。このうち、ねじれ
角は工具の切削性能上3°〜45°の範囲にあるのが望
ましいが、さらに望ましくは10°〜40°の範囲であ
るので、Wの下限は最小径のボールエンドミルに3°の
ねじれ角を付す場合となり、だいたい2.0mmとな
る。一方、Wの上限は大径ボールエンドミルにおいてね
じれ角を大きくするためには大きいほどよいが、この値
が10mm以上では経済的な工具価格を維持し難い。
【0026】次に、本発明の製造方法の特徴について説
明する。例えば、USP5115697や特開平3−2
77412号公報には、ねじれ刃を付すためのねじれ硬
質焼結体の製造方法が開示されているが、硬質焼結体を
工具の本体部となる部分で成形して一体焼結するこれ等
の方法では、1回の焼結工程で工具1本分、よくてもせ
いぜい2本分ぐらいの焼結体しか得られない。図4に示
す従来チップも、円盤状の焼結体ブロックを周方向に4
等分することになるので、ひとつのブロックから4個の
焼結体を得るのがやっとである。
【0027】これに対し、本発明の製造方法では、厚み
が前述の幅Wと等しい単材の硬質焼結体ブロックから工
具数本分の焼結体を歩留り良く切り出すことができ(切
り出し方の詳細は実施例で述べる)、1回の焼結工程で
得られる焼結体数の増加で焼結体1個当りのコストが大
幅に下がる。図1(b)には、リング状の硬質焼結体を
4等分した例を示したが、用途に応じて周方向に1/
4、1/3、1/2等に分割したり、さらに、これ以外
の種々の分割方法を適宜採り得る。
【0028】なお、このようにして切り出した硬質焼結
体は、板金が複合化されていないので通常の鑞付けでは
台金に付かないが、Tiを含む活性化鑞材を用いて鑞付
けすると強固に固着できる。
【0029】
【実施例】図1に、本発明のボールエンドミル用スロー
アウェイチップの製造方法の一例を示す。
【0030】図1(a)の2は超硬合金や鋼で作られる
台金、3は台金2の先端に接合する硬質焼結体である。
【0031】硬質焼結体3は、CBNもしくはダイヤモ
ンドを主成分とする焼結体である。この硬質焼結体3
は、幅Wが厚みtよりも大きく、厚みtは長手方向にほ
ぼ一定している板材を、ボールエンドミルの先端R歩の
R面に沿って板厚方向に90°曲げた形にしてある。
【0032】このような形状の硬質焼結体は、製法上、
平板を曲げ加工して作ることはできない。そこで、本発
明では、まず、Wの厚みをもった単材の硬質焼結体ブロ
ックを作る。このブロックは、既に直径が約45mm、
厚み15mm程度のものを作れる技術が確立している。
そのブロックから放電ワイヤカット等で図1(b)に示
すようなリング5を切り出し、これを周方向に4等分す
れば目的とする1/4円弧の硬質焼結体3を得ることが
できる。
【0033】リング5を切り出す場合、図1(c)に示
すように、ひとつのブロックから同心円のリング5を多
層に切り出すことが可能であり、同一素材から径の異な
るボールエンドミル用の硬質焼結体を材料の歩留りを良
くして多数得ることができる。
【0034】また、図1(d)に示すように、目的とす
る形状の硬質焼結体が積み重なるような切り出し方をし
てもひとつのブロックから歩留り良く数多くの硬質焼結
体を切り出すことができる。この図1(d)の切り出し
方であると、同一径の工具用の硬質焼結体をひとつのブ
ロックから4個以上得ることが可能であり、また、1/
4円の一端に直線切れ刃を付すためのストレート部が接
線方向に一体に連なった形状の硬質焼結体も作れる。
【0035】このようにして得た屈曲形状の硬質焼結体
3を、図1(a)に示すように、曲げの外側になる幅W
の面3aが逃げ面側に位置する向きにして、台金2の先
端に対応して形成されている座2aにTi含有活性化鑞
材を用いて鑞付けし、その後、切れ刃の成形加工を行
う。
【0036】図2に、上記の方法で製造した本発明のボ
ールエンドミル用スローアウェイチップ1の一例を示
す。図の4は、台金2に硬質焼結体3を接合した後、す
くい面6と逃げ面7を加工して作り出したねじれ角付き
の切れ刃である。
【0037】なお、図2のスローアウェイチップは、ボ
ールエンドミルの先端R部の1/2をカバーするもので
あるが、図3に示すように、ひとつの台金2に2個の硬
質焼結体3を点対称に接合し、それぞれの硬質焼結体3
に切れ刃4を形成して1個のチップで2枚刃エンドミル
の切れ刃部を構成するチップ形状にしてもよい。
【0038】また、本発明は、ねじれ角のついた切れ刃
を必要とする場合に特に有効であるが、ねじれ角の無い
切れ刃を付すものも、再研磨代の増加による経済効果を
期待できる。
【0039】以下に、より詳細な実施例について述べ
る。
【0040】図5は、本発明のボールエンドミルの一例
である。このエンドミル10は、本体11の先端R部に
2つの座溝12を中心対称に設け、その座溝に図2のス
ローアウェイチップ1を皿ねじ13と押え金14の2者
でクランプして取付けた2枚刃エンドミルであるが、刃
数は2に限定されない。また、直線切れ刃を構成する別
のチップを付加してもよい。
【0041】−実験例1− 直径20mmのボールエンドミル用スローアウェイチッ
プとして、図2に示す形状のものを作った。硬質焼結体
3のすくい面6側から見た厚みtは1.3mm、逃げ面
7側の幅Wは3.2mm、切れ刃4のねじれ角は25°
とした。また、硬質焼結体3には、CBN含有量が60
容量%、残部はTiC、アルミ化合物及び不可避不純物
の組成のCBN焼結体を用いた。
【0042】次に、この試作スローアウェイチップを装
着した図5に示す構造の2枚刃ボールエンドミルで、ね
ずみ鋳鉄(FC250)製のプレス用大型金型を切削
し、図4のねじれ角のない切れ刃を有する従来スローア
ウェイチップ使用時の切削性能と比較した。
【0043】切削条件は、主軸回転数N=20,000
rpm、切込みd=0.5mm、送f=0.4mm/
刃、ピックフィードPf=0.5mmとした。
【0044】この結果、従来のスローアウェイチップ
は、切削開始後約1.5時間で切れ刃が欠損した。これ
に対し、本発明のスローアウェイチップは50時間の切
削が可能であり、切削後も切れ刃の欠けは全く発生して
いなかった。また、金型の形状精度に影響する仕上げ面
粗さも、従来品に比べて約20%向上した。このほか、
ねじれ刃であることにより切削時の衝撃が緩和されて切
削騒音が従来品よりも約2dB減少し、作業環境の改善
効果も大きかった。
【0045】−実験例2− 直径50mmのボールエンドミル用スローアウェイチッ
プとして、図3に示す形状のものを作った。硬質焼結体
3の厚みtは2.5mm、幅Wは4.8mmとし、切れ
刃4のねじれ角は30°とした。また、その硬質焼結体
には、CBN含有量が55容量%、残部はTiN、アル
ミ化合物及び不可避不純物から成るCBN焼結体を使用
した。
【0046】この試作スローアウェイチップを装着した
2枚刃ボールエンドミルでねずみ鋳鉄(FC300)製
の板金用大型金型を切削し、従来スローアウェイチップ
(ひとつの台金にふたつの硬質焼結体をその厚みがチッ
プの逃げ面方向に向くように取付けた2枚刃チップ)使
用時の切削性能と比較した。
【0047】切削条件は、主軸回転数N=15,000
rpm、切込みd=0.5mm、送f=0.5mm/
刃、ピックフィードPf=0.5mmとした。
【0048】実験の結果は、従来スローアウェイチップ
については切削開始後約1.0時間で切れ刃が欠損し
た。一方、本発明のスローアウェイチップは、60時間
の切削が可能であり、切削後も切れ刃の欠けは皆無であ
った。また、仕上げ面粗さについては実験例1と同様、
従来品に比べて約20%向上し、さらに、60時間切削
後の逃げ面摩耗も平均で0.15mmと小さく、まだま
だ切削可能な状態であった。
【0049】なお、実験例1、2で用いた本発明のスロ
ーアウェイチップを本発明の方法で製造した結果、1刃
当りの焼結体コストは、USP5115697や特開平
3−277412号公報に開示されている方法によるも
のに比べて図2の構造のものは約1/15、図3の構造
のものは約1/10で済み、経済効果も非常に大きかっ
た。
【0050】−実験例3− 直径30mmのボールエンドミル用スローアウェイチッ
プ(図2の形状のもの)を作った。硬質焼結体3のすく
い面側から見た厚みtは2mm、逃げ面側の幅Wは4.
8mmとし、切れ刃のねじれ角は0°〜50°の範囲で
色々と異ならせた。その焼結体には実験例2と同一組成
のCBN焼結体を使用した。
【0051】この試作スローアウェイチップを装着した
2枚刃ボールエンドミルでダクタイル鋳鉄(FCD4
5)製の金型材を切削し、ねじれ角の相違による切れ刃
欠損寿命の違いを調べた。
【0052】切削条件は、主軸回転数N=4000rp
m、切り込みd=0.5mm、送りf=0.3mm/
刃、ピックフィードPf=0.5mmとして45°傾斜
面を加工した。
【0053】その結果、図6に示すように、ねじれ角が
3°〜45°で優れた効果が得られ、中でも10°〜4
5°付近のねじれ角で最適な寿命特性が得られることを
確認した。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のボールエ
ンドミル用スローアウェイチップは、厚みtよりも幅W
が大きいほぼ一定厚の板材がエンドミルの先端Rに沿っ
て曲がっている形状の硬質焼結体を曲げの外側の面が逃
げ面側にくる向きにして台金先端に接合し、Wの範囲で
切れ刃の位置を変位させ得るようにしたので、切削抵抗
及び切削時の衝撃が小さく、高精度加工と切れ刃寿命の
延命に効果のあるねじれ刃を付すことが可能となり、経
済的に有利なスローアウェイ式ボールエンドミルの高性
能化と経済効果の更なる向上に寄与できる。
【0055】また、本発明の製造方法によれば、Ti含
有活性化鑞材を用いた鑞付け固着を行うことにより一体
の板金を不要にして板金の無い硬質焼結体を単材ブロッ
クから切り出すので、ひとつの硬質焼結体ブロックから
所望形状の硬質焼結体を数多く、歩留り良く得ることが
でき、焼結工程数の削減により硬質焼結体の単価が大幅
に低減され、これを用いたスローアウェイチップのコス
ト削減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明のスローアウェイチップの製造
方法を示す図 (b):硬質焼結体の切り出し方の一例を示す図 (c):硬質焼結体の切り出し方の他の例を示す図 (d):硬質焼結体の切り出し方の他の例を示す図
【図2】(a):本発明のスローアウェイチップの一例
を示す斜視図 (b):同上のチップの平面図 (c):同上のチップの正面図
【図3】(a):他の実施例の平面図 (b):同上のチップの正面図
【図4】(a):従来のボールエンドミル用スローアウ
ェイチップの平面図 (b):同上のチップの正面図
【図5】(a):本発明のボールエンドミルの一例を示
す斜視図 (b):同上のエンドミルの側面図 (c):同じく正面図
【図6】ねじれ角の違いによる切れ刃寿命の変化の実験
データを示す図表
【符号の説明】
1 スローアウェイチップ 2 台金 3 硬質焼結体 4 R状の切れ刃 5 単材の硬質焼結体ブロックから切り出すリング 6 すくい面 7 逃げ面 10 ボールエンドミル 11 本体 12 座溝 13 皿ねじ 14 押え金 t 硬質焼結体の厚み W 硬質焼結体の幅 C ボールエンドミルの回転中心

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台金にCBNもしくはダイヤモンドを主
    成分とする硬質焼結体を接合し、その焼結体にR部を有
    する切れ刃を付したボールエンドミル用スローアウェイ
    チップにおいて、前記硬質焼結体を、厚みtよりも幅W
    が大きいほぼ一定厚の板材がボールエンドミルの先端R
    部のR面に沿って厚み方向に曲がっている形状にし、こ
    れを曲げの外側の面が逃げ面側に、R状になった側面が
    すくい面側に各々ある向きにして台金先端に対応して設
    けた座に接合したことを特徴とするボールエンドミル用
    スローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 前記R部の切れ刃をねじれ刃とし、さら
    に、硬質焼結体の厚みtを0.5mm〜5mm、幅Wを
    2.0mm〜10mmとした請求項1記載のボールエン
    ドミル用スローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 前記ねじれ刃のねじれ角が3°以上、4
    5°以下である請求項2記載のボールエンドミル用スロ
    ーアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 前記硬質焼結体は、一体の板金が含まれ
    ていない単層構造の焼結体である請求項1乃至3のいず
    れかに記載のボールエンドミル用スローアウェイチッ
    プ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のスロ
    −アウェイチップを、本体の先端R部に設けた座溝にク
    ランプ手段で固定して複数個着脱自在に装着して成るボ
    ールエンドミル。
  6. 【請求項6】 硬質焼結体の単材ブロックから中空の真
    円リングを周方向に4等分した形状又はその分割リング
    の一端に接線方向に延びるストレート部が一体に連なっ
    ている形状の小片を切り出し、その小片を超硬合金又は
    鋼から成る台金の前面に形成されている座に、チタンを
    含む活性化鑞材を用いて鑞付けすることを特徴とするボ
    ールエンドミル用スローアウェイチップの製造方法。
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