JPH08141715A - 連続鋳造装置及び連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造装置及び連続鋳造方法

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JPH08141715A
JPH08141715A JP27816594A JP27816594A JPH08141715A JP H08141715 A JPH08141715 A JP H08141715A JP 27816594 A JP27816594 A JP 27816594A JP 27816594 A JP27816594 A JP 27816594A JP H08141715 A JPH08141715 A JP H08141715A
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molten metal
mold
upstream
continuous casting
downstream
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Application number
JP27816594A
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English (en)
Inventor
Kenji Horii
健治 堀井
Hironori Shimogama
宏徳 下釜
Tadashi Nishino
忠 西野
Masayuki Azezaki
正之 畦崎
Eiji Ishikawa
英司 石川
Satoshi Hirano
平野  聡
Mitsuhisa Isono
光永 磯野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鋳型の壁の溶融金属に接する部分を複数の異な
る素材で構成した際に、寸法精度や鋳造中の摩耗形態の
違いにより素材間に生じる段差を小さくし、鋳片に不具
合が発生することを防止できる連続鋳造装置及びその方
法を提供する。 【構成】短辺上流鋳型2a,2bを耐火物で、短辺下流
鋳型4a,4bを銅等の金属で構成し、鋳型1の短辺鋳
型上部を鋳片の厚み方向に広くし下方に向かって次第に
狭くしていく絞り込み鋳造方式によって連続的に鋳造を
行う。そして、短辺上流鋳型2a,2b及び短辺下流鋳
型4a,4bを溶融金属2の方向に適宜進退移動させ、
耐火物と金属との間に寸法精度の違いや鋳造作業中にお
ける摩耗形態の違いによる段差が生じた場合に、その段
差を小さくして所定の許容範囲内におさめるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貫通した鋳型内で溶湯
を凝固させながら引き抜いて、一定の断面形状を有する
長尺の鋳片を連続的に鋳造する連続鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】貫通した鋳型に溶湯を供給し、凝固させ
ながら引き抜いて長尺の鋳片を連続的に製造する連続鋳
造方式は、既に数十年にわたり採用されてきており、特
に鉄鋼を生産する場合においては90%以上がこの方式
によっている。
【0003】連続鋳造方式のうちスラブと呼ばれる鋳片
を鋳造するスラブ連鋳方式においては、従来200mm
前後の厚みの鋳片(以下、厚スラブという)を鋳造する
ことが主流であったが、最近、鋳造とその後の圧延とを
同一ライン化してコンパクトな設備とし、かつ省力化を
図った考え方が提案され採用されるようになってきた。
この場合には、厚みが200mm程度のスラブではな
く、100mm前後の厚みあるいは80mm以下の厚み
の薄スラブが採用される。但し、100mm前後の厚み
のものを中厚スラブということもある。
【0004】このような薄スラブを鋳造する場合は、鋳
型の上流にある中間的取鍋(以下、タンディッシュとい
う)から鋳型へ溶融金属を注湯するノズルの形状や配置
をどのようにするか、あるいは生産量を従来並に確保す
るため鋳造速度を従来の厚スラブよりも如何にして高速
にするかが重要となる。
【0005】これに対応する技術としては、特開平3−
8541号公報、特開昭58−218353号公報、特
許協力条約に基づく国際出願WO 94/07628号
などが提案されている。これらは、いずれも短辺鋳型の
上部(上流側)を広く、即ちスラブの厚み方向に厚く
し、下方(下流側)に向かって次第に狭くしていく方式
(以下、絞り込み鋳造方式という)に関するものであ
る。
【0006】特開平3−8541号公報に記載の技術
は、絞り込み鋳造方式における鋳型を従来のスラブ連鋳
と同様に振動させつつ鋳片を引き抜くものであり、上記
鋳型の長辺鋳型の下流側に双ベルト式鋳型を備えたもの
である(以下、第1の従来技術という)。
【0007】特開昭58−218353号公報に記載の
技術は、スラブの幅方向に対応する長辺鋳型に循環体を
用い、スラブの厚み方向に対応する短辺鋳型に固定側板
を用いた絞り込み鋳造方式に関するものである(以下、
第2の従来技術という)。
【0008】特許協力条約に基づく国際出願WO 94
/07628号に記載の技術は、スラブの厚み方向に対
応する短辺鋳型の上流側を耐火物で構成し、下流側を金
属で構成したものである(以下、第3の従来技術とい
う)。
【0009】また、上記3つの従来技術のような鋳型を
用いず、回転する1対の冷却ドラムとその冷却ドラムの
軸方向端面を押圧する一対のサイド堰とによって薄い鋳
片を鋳造する技術として、特開昭60−162558号
公報や特開平4−322848号公報などが提案されて
いる。
【0010】特開昭60−162558号公報に記載の
技術は、サイド堰を上下2分割し、下部のサイド堰を耐
熱性かつ耐摩耗性でしかもシール性の良好な材質とし、
その下部のサイド堰を連続的に供給するものである。こ
の技術では、鋳片凝固時にサイド堰壁面で生成した凝固
物が圧延されて鋳片に幅広がりが生じた際に、上記のよ
うなサイド堰によってその幅広がりに対応させている
(以下、第4の従来技術という)。
【0011】特開平4−322848号公報に記載の技
術は、サイド堰を3分割して、各々が鋳片を押圧する位
置より退避できるようにしたものであり、鋳片凝固時に
サイド堰壁面で生成した凝固物が圧延されて鋳片に幅広
がりが生じた際に、分割したサイド堰を適宜退避させて
その幅広がりに対応するものである(以下、第5の従来
技術という)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記3つの従来技術の
絞り込み鋳造方式では、湯面を広くすることができ、薄
スラブを高速鋳造する場合でも湯面の乱れを少なくする
ことができる等の利点がある。また、短辺鋳型上部に耐
火物を用いたり絞り込み途中に短辺鋳型を加熱(保熱)
するなどの方法により、短辺側に凝固殻を形成させない
ようにして絞り込み過程における凝固殻の破断を防止
し、一方、絞り込み後は従来のスラブ連鋳の鋳型と同質
なCuなどの金属で溶鋼を積極的に冷却し短辺側にも凝
固殻を形成できるようにしている。
【0013】しかし、上記のような絞り込み鋳造方式
で、短辺鋳型の上流側を耐火物とし、下流側を金属とす
る場合には、短辺鋳型が異なる物質で構成されることに
より次のような事態が生ずる。即ち、鋳造作業中の耐火
物と金属の摩耗形態が異なり、鋳造の進行により特に耐
火物が早く摩耗し易い場合が多いため、上流側の耐火物
と下流側の金属との間の段差が変化する。この段差があ
る許容範囲を超えると鋳片の短辺側の凝固殻に欠陥や破
れが生じ、時には鋳片破断(ブレークアウト)が発生す
ることもあり、鋳造を続けることができなくなる。
【0014】ところで、従来のスラブ連鋳では、レ−ド
ルと呼ばれる取鍋よりその数杯から数十杯分の溶鋼を連
続してタンディッシュに供給し、長時間連続して鋳型に
溶鋼を注湯し鋳造を行うような、いわゆる連連鋳を行な
うことで生産性を向上させることがしばしばある。この
場合、レ−ドル一杯分で1時間前後の鋳造時間を必要と
することからきわめて長い時間連続して鋳型への注湯が
行われることとなる。第1から第3の従来技術のような
絞り込み鋳造方式において上記と同様の連連鋳を行なう
場合には、前述のように短辺鋳型を構成する耐火物と金
属との摩耗形態が異なることにより前述の段差がその許
容範囲を超えてしまうことは不可避であると考えられ、
短辺側の凝固殻に欠陥や破れが生じることが懸念され
る。
【0015】さらに、短辺鋳型上流側の耐火物は硬質な
物質が結合されたものであるため、下流側の金属のよう
に数ミクロンから数十ミクロン単位で品質管理を行うこ
とが困難である。実用的な耐火物では、金属に比べて大
きな寸法公差、例えば20mmの厚みに対して少なくと
も0.5mm程度の寸法公差を許容しなければならず、
仮に上記金属並の高精度を耐火物に要求すればきわめて
高価な耐火物となり実用に供し得ないものとなってしま
う。このように耐火物が金属に比べて高精度な加工が困
難であることも前述の両者間の段差の増大の原因となっ
ている。上記第1から第3の従来技術ではこのような耐
火物の寸法精度に関する点について何らの配慮もされて
いない。
【0016】尚、鋳型の上流側の素材が下流側の金属と
異なる限り、耐火物以外の素材であっても上記と同様の
ことがいえる。また、絞り込み鋳造方式でない場合でも
鋳型の材質を上流側と下流側とで異なるものとした際に
は上記と同様のことがいえる。
【0017】また、第4の従来技術では、短辺鋳型に相
当するサイド堰を2分割して異なる材質としているが、
上下サイド堰の境目は鋳片の凝固が完了した位置に設け
られており、凝固が不完全な溶融金属に接する位置には
設けられていない。そのため、内部まで完全に凝固して
いない溶融金属に接する位置に段差が生じることがな
く、第1から第3の従来技術のように短辺側の凝固殻に
欠陥や破れが生じる不具合が発生することがない。従っ
て、当然ながら、そのような不具合の発生を回避する手
段も講じられていない。
【0018】さらに、第5の従来技術では、短辺鋳型に
相当するサイド堰を3分割し各々を鋳片押圧位置より退
避可能としているが、この場合も各サイド堰の境目は鋳
片の凝固が完了した位置に設けられており、凝固が不完
全な溶融金属に接する位置には設けられていない。その
ため、内部まで完全に凝固していない溶融金属に接する
位置に段差が生じることがなく、やはり短辺側の凝固殻
に欠陥や破れが生じる不具合が発生することがない。従
って、当然その不具合の発生を回避する手段も講じられ
ていない。
【0019】本発明の目的は、鋳型の壁の溶融金属に接
する部分を複数の異なる素材で構成した場合に、寸法精
度の違いや鋳造作業中の摩耗形態の違いによって素材間
に生じる段差を小さくして、鋳片に不具合が発生するこ
とを防止できる連続鋳造装置及び連続鋳造方法を提供す
ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、溶融金属を鋳込む貫通した鋳型を
4つの壁で構成すると共に、その鋳型の4つの壁のうち
内部まで完全に凝固していない溶融金属に接する少なく
とも1つの壁を複数の異なる素材で構成し、前記鋳型の
一方から溶融金属を注ぎその溶融金属を凝固させつつ前
記鋳型の他方から引き抜いて連続的に鋳片を鋳造する連
続鋳造装置において、前記複数の異なる素材で構成した
溶融金属に接する部分をそれぞれその溶融金属の方向へ
進退移動させる移動手段を有することを特徴とする連続
鋳造装置が提供される。
【0021】上記連続鋳造装置において、好ましくは、
前記複数の異なる素材で構成した壁が溶融金属上流側の
上流鋳型部分と溶融金属下流側の下流鋳型部分とを有
し、前記移動手段は、鋳造作業中に前記上流鋳型部分の
溶融金属に接する面を前記下流鋳型部分の溶融金属に接
する面に対して相対的に進退移動させる。
【0022】また、好ましくは、前記複数の異なる素材
で構成した壁が溶融金属上流側の上流鋳型部分と溶融金
属下流側の下流鋳型部分とを有し、前記移動手段は、前
記下流鋳型部分を鋳片の断面形状の基準として前記上流
鋳型部分の溶融金属に接する面の位置を変更する。
【0023】上記の場合、好ましくは、前記複数の異な
る素材で構成した壁が溶融金属上流側の上流鋳型部分と
溶融金属下流側の下流鋳型部分とを有し、さらに、鋳造
作業中に前記上流鋳型部分の摩耗量を検出する検出手段
と、その検出手段における検出結果に基づいて前記移動
手段による前記上流鋳型部分の進退移動を制御する移動
制御手段とを有する。
【0024】さらに好ましくは、前記上流鋳型部分が溶
融金属を保温して凝固殻形成を抑える部分であり、前記
下流鋳型部分が溶融金属を積極的に冷却して凝固殻を形
成させる部分である。
【0025】また、上記において、前記上流鋳型部分の
素材が耐火物であることが好ましい。
【0026】または、前記下流鋳型部分の素材が金属で
あることが好ましい。
【0027】また、上記連続鋳造装置において、好まし
くは、1対の対向する壁が複数の異なる素材で構成さ
れ、前記1対の対向する壁の形状が上流側の幅が広く下
流側に向かって次第に狭くなる形状である。
【0028】また、前述の目的を達成するため、本発明
によれば、4つの壁で構成された鋳型のうち内部まで完
全に凝固していない溶融金属に接する少なくとも1つの
壁を複数の異なる素材で構成し、前記鋳型の一方から溶
融金属を注ぎその溶融金属を凝固させつつ前記鋳型の他
方から引き抜いて連続的に鋳片を鋳造する連続鋳造方法
において、前記複数の異なる素材で構成した溶融金属に
接する部分をそれぞれその溶融金属の方向へ適宜進退移
動させることを特徴とする連続鋳造方法が提供される。
【0029】上記連続鋳造方法において、好ましくは、
前記鋳型の溶融金属に接する部分のうち、溶融金属の上
流側をその溶融金属を保温して凝固殻形成を抑える上流
鋳型部分とし、溶融金属の下流側をその溶融金属を積極
的に冷却して凝固殻を形成させる下流鋳型部分とする。
【0030】また、上記連続鋳造方法において、好まし
くは、鋳造作業中に前記上流鋳型部分の摩耗量を検出
し、その検出結果に基づいて前記上流鋳型部分の溶融金
属に接する面を前記下流鋳型部分の溶融金属に接する面
に対して相対的に進退移動させる。
【0031】
【作用】上記のように構成した本発明においては、貫通
した鋳型を4つの壁で構成すると共にその鋳型の4つの
壁のうち少なくとも1つの壁の溶融金属に接する部分を
複数の異なる素材で構成し、それら複数の異なる素材で
構成した溶融金属に接する部分をそれぞれ溶融金属の方
向へ移動手段によって進退移動させることにより、摩耗
形態の違いによって鋳造作業中に上記複数の異なる素材
の間に段差が生じたとしても、その段差を小さくし許容
範囲内におさめることができる。これにより、鋳造作業
中のまだ内部が溶融状態でまだ完全に凝固していない金
属の表面に形成されつつある凝固殻に欠陥や破れが生じ
ることが避けられ、鋳片に不具合が発生することを防止
できる。また、上記複数の異なる素材間の寸法精度の違
いによって段差が生じた場合にもその段差を小さくする
ことができるため、同様に鋳片に不具合が発生すること
を防止できる。
【0032】また、複数の異なる素材で構成した壁を上
流鋳型部分と下流鋳型部分とで構成し、鋳造作業中に上
流鋳型部分の溶融金属に接する面を下流鋳型部分の溶融
金属に接する面に対して相対的に進退移動させることに
より、前述のように両者間の段差を小さくすることがで
きる。その時、下流鋳型部分によって鋳片の最終形状が
決定することから、下流鋳型部分を鋳片の断面形状の基
準とする。上流鋳型部分の溶融金属に接する面の位置は
上記基準とした下流鋳型部分に対して変更される。
【0033】また、鋳造作業中の上流鋳型部分の摩耗量
は検出手段で検出され、上記検出結果に基づき移動制御
手段において移動手段による上流鋳型部分の進退移動が
制御される。これにより、鋳造作業中の上流鋳型部分の
摩耗量に応じてその位置が変更され、常に上流鋳型部分
と下流鋳型部分の間の段差を小さくして鋳片に不具合が
生じないような許容範囲内におさめることが可能とな
る。
【0034】また、上流鋳型部分を、溶融金属を保温し
て凝固殻形成を抑える部分とすることにより、鋳造初期
においてその上流鋳型部分に臨む面に凝固殻を形成させ
ないようにして凝固殻の破断等の不具合が防止される。
一方、下流鋳型部分を、その溶融金属を積極的に冷却し
て凝固殻を形成させる部分とすることにより、鋳造後期
においてその下流鋳型部分に臨む面から凝固殻が形成さ
れて鋳片が形成される。
【0035】また、上流鋳型部分の素材を耐火物とする
ことにより、その耐火物によって溶融金属が保温されそ
れに臨む凝固殻形成が抑えられる。この場合、上流側の
耐火物と下流側の金属の寸法精度の違いによって段差が
生じた場合にもその段差を小さくして許容範囲内になる
ように調整し得るため、高精度な加工が困難な耐火物の
寸法公差を金属並に小さくする必要がなく実用的な値と
することができる。一方、下流鋳型部分の素材を金属と
することにより、その金属によって溶融金属が積極的か
つ効率的に冷却されそれに臨む面から凝固殻が形成され
る。
【0036】さらに、本発明は、1対の対向する壁の形
状を上流側の幅が広く下流側に向かって次第に狭くなる
形状の鋳型を有する絞り込み鋳造方式の連続鋳造を実用
的に実施するのに好適である。この場合、前述の第1か
ら第3の従来技術と同様に、鋳造初期即ち絞り込み過程
において上流側の壁に臨む面に凝固殻を形成させないよ
うにして凝固殻の破断等の不具合が防止され、絞り込み
後の鋳造後期において下流側の壁に臨む面から凝固殻が
形成されて鋳片が形成される。
【0037】
【実施例】本発明による連続鋳造装置及び連続鋳造方法
の一実施例について、図1から図11を参照しながら説
明する。
【0038】図1は本実施例の連続鋳造装置を上から見
た図であり、図2は図1のII−II方向の断面図である。
図1及び図2に示すように、鋳型1においては、長辺鋳
型1a及び1b、短辺上流鋳型2a及び2b、短辺下流
鋳型4a及び4bにより貫通する4つの壁が構成されて
いる。この4つの壁を構成する鋳型1にノズル9から溶
融金属10が供給され、溶融金属10が鋳型1内で通過
しつつ凝固殻が形成され、下側から鋳片が連続的に引き
抜かれる。
【0039】短辺上流鋳型2a及び2bはそれぞれ短辺
上流鋳型支持部材3a及び3bにより支持されている。
短辺上流鋳型支持部材3aは短辺上流鋳型移動装置5
a,6aと、また短辺上流鋳型支持部材3bは短辺上流
鋳型移動装置5b,6bとそれぞれ連結しており、短辺
上流鋳型移動装置5a,6aによって短辺上流鋳型2a
を、また短辺上流鋳型移動装置5b,6bによって短辺
上流鋳型2bを、それぞれノズル9のある溶融金属10
の方向に出したり引き込んだり、即ち進退移動させるこ
とができる。
【0040】短辺下流鋳型4aは短辺下流鋳型移動装置
7a,8aと、また短辺下流鋳型4bは短辺下流鋳型移
動装置7b,8bとそれぞれ連結しており、この短辺下
流鋳型移動装置7a,8aによって短辺下流鋳型4a
を、また短辺下流鋳型移動装置7b,8bによって短辺
下流鋳型4bを、それぞれノズル9のある向きに出した
り引き込んだり、即ち進退移動させることができる。
【0041】短辺上流鋳型2a及び2bと短辺下流鋳型
4a及び4bとはそれぞれ単独で進退移動(以下、単に
移動という)させることができる。その移動方法にはい
ろいろな方法が存在するが、ここでは短辺下流鋳型4a
及び4bを基準として短辺上流鋳型2a及び2bの位置
を調整するようにしてある。このような移動方法を採用
するのは、短辺下流鋳型4a及び4bによって鋳片の最
終形状(幅方向の寸法)が決定するためである。
【0042】短辺上流鋳型2a及び2bは耐火物で構成
されており、そのために溶融金属10の短辺上流鋳型2
a及び2bに臨む面は保温され凝固殻形成が抑えられ
る。また、短辺下流鋳型4a及び4bは銅等の金属で構
成されており、そのために溶融金属10は短辺上流鋳型
2a及び2bと短辺下流鋳型4a及び4bとの境目のあ
たりから積極的に冷却されて鋳片全厚にわたり凝固を始
め、短辺凝固殻15となる。一方、長辺凝固殻16(図
3参照)は溶融金属10の上面のあたりからすぐに凝固
を始める。つまり、短辺側の方が長辺側よりも後から凝
固することとなり、凝固開始時間に差が生じる。
【0043】図3は図2のIII−III方向の断面図であ
る。本実施例では、鋳型1の上部を鋳片の厚み方向即ち
短辺方向に広くし下方に向かって次第に狭くしていく絞
り込み鋳造方式を採用する。即ち、短辺上流鋳型2aと
短辺下流鋳型4aとで構成される短辺鋳型、及び短辺上
流鋳型2bと短辺下流鋳型4bとで構成される短辺鋳型
を、上流側の幅が広く下流側に向かって次第に狭くなる
形状とし、長辺鋳型1a及び1bをその形状に沿ったも
のとする。また、ガイドロ−ラ14a及び14bは、鋳
型1を出たところで凝固殻に作用する溶融金属10の静
圧を支えて長辺凝固殻16の変形を抑えるために設置し
てある。
【0044】本実施例では、短辺上流鋳型2a及び2b
の素材である耐火物と短辺下流鋳型4a及び4bの素材
である金属の寸法精度の違いによって、両者の境目に段
差が生じた場合、短辺下流鋳型4a及び4bを基準とし
て短辺上流鋳型2a及び2bを短辺上流鋳型移動装置5
a,6a及び5b,6bによってそれぞれ移動させその
位置を調整する。そして、例えば図2のIV部の拡大図で
ある図4に示すように、両者の段差を小さくし、所定の
許容範囲δ内におさまるように調整する。
【0045】また、耐火物である短辺上流鋳型2a及び
2bは、金属である短辺下流鋳型4a及び4bと鋳造作
業中の摩耗形態が異なり、特に耐火物が早く摩耗し易い
場合が多いため、例えば図5のように短辺下流鋳型4b
よりも短辺上流鋳型2bの壁面がβだけ後退してしまう
ことが多い。このように短辺上流鋳型2bの壁面が後退
すると、短辺下流鋳型4bの段差部コ−ナ−が長辺凝固
殻16(図3参照)によって削られ、短辺下流鋳型4b
の摩耗を早めることとなる。従って、この場合は図6の
ように、短辺下流鋳型4bを基準として短辺上流鋳型移
動装置5b,6bによって短辺上流鋳型2bをγだけ溶
融金属10の方へ移動させ、その段差を許容範囲δ内に
調整する。
【0046】さらに、短辺上流鋳型2a,2bと短辺下
流鋳型4a,4bとの間に、上記のような寸法精度の違
いや摩耗形態の違いに起因する段差がある場合には、図
7に示すように鋳造後の鋳片17aの短辺側に膨れ部1
8が発生する場合がある。この膨れ部18は上述の短辺
側と長辺側の凝固開始の時間差に起因するものであり、
これが生じるのは、薄皮のように形成された長辺凝固殻
16に押されて内部の溶融金属10が短辺上流鋳型2
a,2bの側に飛び出すためであることが理由の一つと
予想される。
【0047】膨れ部18の高さhは図4に示した短辺上
流鋳型2bと短辺下流鋳型4bとの段差に関連しおり、
その段差が大きくなりすぎるとhが過大となり、さらに
は図8のように鋳片17bのコ−ナ−部分から長辺側に
回り込んだような状態となる。図8のような状態となる
と、鋳片17bの短辺に欠陥を生ずると同時に、時には
鋳片破断によるいわゆるBO(ブレ−クアウト)が発生
することもあり、鋳片17bに不具合を生じて鋳造を続
けることができなくなる。
【0048】これに対し、本実施例では、短辺上流鋳型
2a,2bと短辺下流鋳型4a,4bとの間に生じる段
差を所定の許容範囲δ内におさめることにより、鋳造作
業中の凝固殻に欠陥や破れが生じることが避けられ、鋳
片に不具合が発生することを防止できる。上記許容範囲
δは経験的に求めることができるが、概ね0.5mm〜
1.0mm程度である。
【0049】ここで、上記のような短辺上流鋳型2a,
2bと短辺下流鋳型4a,4bとの間に生じる段差の調
整について説明する。
【0050】図9は、上記のような段差を調整するため
の構成を示す図である。図9において、カメラ21は鋳
片17の短辺側を撮像し、画像処理部22にその結果を
送る。画像処理部22は画像処理を行い、鋳片17の幅
Bまたは膨れ部18の高さhを測定する。その情報は制
御装置20の比較判定部23に送られ、所定の値との比
較及び短辺上流鋳型2a,2bを移動させるかどうかの
判定を行い、その判定に従って駆動制御部24の制御の
もとに短辺上流鋳型移動装置5a,6aまたは5b,6
bを駆動する。即ち、本実施例ではカメラ21で検出し
た結果をフィ−ドバックする方法を採用している。
【0051】上記図9の構成における動作の流れを図1
0及び図11にフローチャートで示す。図10は、鋳片
17の幅Bをもとに制御を行うフローチャートであり、
図11は膨れ部18の高さhをもとに制御を行うフロー
チャートである。
【0052】図10においては、ステップS11におい
てカメラ21及び画像処理部22により鋳片17の幅B
を測定し、ステップS12において比較測定部23によ
りBの値を所定の値Bcrと比較する。このBcrは短辺上
流鋳型2a,2bと短辺下流鋳型4a,4bとの間に生
じる段差が前述のδの範囲にあってほぼ面一とみなして
もよい時の値であり、膨れ部18がほとんど発生しない
時の値である。ここで、BがBcrよりも小さい場合には
ステップS10に行き、タイマーによって一定の短い時
間だけ待機した後再びステップS11に戻る。一方、B
がBcr以上の場合にはステップS13に行き、短辺上流
鋳型2a,2bを溶融金属10の方向へ動かすと判定す
る。そして、ステップS14において駆動制御部24に
より短辺上流鋳型移動装置5a,6aまたは5b,6b
を駆動し、BがBcrよりも小さくなるまで短辺上流鋳型
2a,2bを移動させ、ステップS11に戻る。
【0053】図11においては、ステップS21におい
てカメラ21及び画像処理部22により膨れ部18の高
さhを測定し、ステップS12において比較測定部23
によりhの値を所定の値h0と比較する。このh0は短辺
上流鋳型2a,2bと短辺下流鋳型4a,4bとの間に
生じる段差が前述のδの範囲にあってほぼ面一とみなし
てもよい時の値であり、極めて0に近い値である。ここ
で、hがh0よりも大きい場合にはステップS20に行
き、タイマーによって一定の短い時間だけ待機した後再
びステップS21に戻る。一方、hがh0以下の場合に
はステップS23に行き、短辺上流鋳型2a,2bを溶
融金属10の方向へ動かすと判定する。そして、ステッ
プS24において駆動制御部24により短辺上流鋳型移
動装置5a,6aまたは5b,6bを駆動し、hがh0
よりも大きくなるまで短辺上流鋳型2a,2bを移動さ
せ、ステップS21に戻る。
【0054】本実施例では、鋳造作業中に短辺上流鋳型
2a,2bと短辺下流鋳型4a,4bとの間に生じる摩
耗量(段差)を直接測定することが難しいために、鋳造
後の鋳片17の形状を観察し、それによって上記段差の
大きさを評価している。
【0055】また、図9の構成における動作としては、
図10及び図11のうちいずれかを採用すれば十分であ
るが、両方を併用してもよい。但し、図10及び図11
の両方を採用する際には鋳片17の幅Bと膨れ部18の
高さhの両方を測定しておくが、図10のステップS1
2の条件と図11のステップS22の条件のうちいずれ
か一方に該当する時に短辺上流鋳型2a,2bを動かす
場合と、図10のステップS12の条件と図11のステ
ップS22の条件の両方に該当する時にのみ短辺上流鋳
型2a,2bを動かす場合の両方の制御が考えられる。
【0056】尚、鋳片17の幅Bまたは膨れ部18の高
さhを目視で測定し、その結果に基づいて駆動制御部2
4を制御してもよい。また、上記ではカメラ21により
遠隔的な観察を行っているが、何らかの方法で短辺上流
鋳型2a,2bと短辺下流鋳型4a,4bとの間に生じ
る段差を直接測定できるならばその方法を採用してもよ
い。
【0057】以上のような本実施例によれば、短辺上流
鋳型2aを短辺上流鋳型移動装置5a,6aで、また短
辺上流鋳型2bを短辺上流鋳型移動装置5b,6bで、
さらに短辺下流鋳型4aを短辺下流鋳型移動装置7a,
8aで、さらに短辺下流鋳型4bを短辺下流鋳型移動装
置7b,8bで、それぞれ溶融金属10の方向に出した
り引き込んだりするように移動可能とするので、短辺上
流鋳型2a,2bの素材である耐火物と短辺下流鋳型4
a,4bの素材である金属との間に寸法精度の違いや鋳
造作業中における摩耗形態の違いによって段差が生じて
も、その段差を小さくして所定の許容範囲δ内におさめ
ることができる。これにより、鋳造作業中の凝固殻に欠
陥や破れが生じることが避けられ、鋳片に不具合が発生
することを防止できる。
【0058】また、上記により、高精度な加工が困難な
耐火物で構成された短辺下流鋳型4a,4bの寸法公差
を短辺上流鋳型2a,2bの素材である金属並に小さく
する必要がなく、実用的な寸法公差とすることができ
る。
【0059】また、カメラ21で鋳造後の鋳片17の短
辺側を撮像し、画像処理部22で画像処理した測定結果
に基づいて制御装置20で短辺上流鋳型2a,2bの移
動を制御するので、鋳造作業中の短辺上流鋳型2a,2
bの摩耗量に応じて常に短辺上流鋳型2a,2bと短辺
下流鋳型4a,4bの間の段差を小さくして鋳片に不具
合が生じないような許容範囲内におさめることができ
る。
【0060】さらに、鋳片に不具合が発生することを防
止できるため、長時間連続して鋳型に溶鋼を注湯し鋳造
を行う連連鋳を行なう際にも何らの支障もなく安定して
操業を行うことができる。
【0061】従って、本実施例によれば、上記のような
鋳片の厚み方向に対応する短辺鋳型の形状を上流側の幅
が広く下流側に向かって次第に狭くなる形状とした絞り
込み鋳造方式の連続鋳造を実用的に実施し得る。
【0062】本発明による連続鋳造装置及び連続鋳造方
法の他の実施例について、図12及び図13により説明
する。
【0063】図12は、絞り込み方式ではなく鋳型の上
部と下部の厚み方向の広さをほとんど変えない実施例を
示し、図13は長辺鋳型として循環体を使用した絞り込
み方式の実施例を示す。但し、図12及び図13はいず
れも短辺方向の断面図であり、図3に相当する図であ
る。
【0064】図12の実施例では、ほぼ平行な壁面を有
する一対の長辺鋳型51a及び51bによって溶融金属
10を鋳造しているが、冷却凝固により収縮する程度の
長辺鋳型51aと51bの間隔変化は存在しうる。
【0065】図13の実施例では、長辺鋳型として循環
体61a及び61bを使用しており、循環体61a及び
61bは循環体支持ロ−ラ62a,62bに案内されつ
つ循環して鋳片を送る。また、循環体静水圧支持装置6
3a及び63bは循環体61a及び61bに静水圧を及
ぼしており、溶融金属10から受ける静圧によって循環
体61a及び61bが変形しないように支持している。
さらに循環体61a及び61bは循環体静水圧支持装置
63a及び63bによって冷却されるようになってい
る。
【0066】以上のような図12及び図13に示した実
施例において上記以外の構成や鋳型の材質等は図1から
図11で説明した実施例と同様であり、従って図1から
図11の実施例と同様の効果が得られる。
【0067】本発明による連続鋳造装置及び連続鋳造方
法のさらに他の実施例について、図14及び図15によ
り説明する。
【0068】図14は本実施例の短辺上流鋳型、短辺下
流鋳型及び長辺鋳型の配置を示す図であり、図15は図
14のXV方向から見た図である。図14及び図15に示
すように、短辺下流鋳型84には上方に長辺鋳型81に
沿って延在する部分84Aがあり、その延在する部分8
4Aの内側に短辺上流鋳型82が配置されている。
【0069】短辺上流鋳型82は短辺上流鋳型移動装置
85及び86により、また、短辺下流鋳型84は短辺下
流鋳型移動装置87及び88により、図2と同様に溶融
金属の方向に出したり引き込んだりすることができる。
従って、図1から図11で説明した実施例と同様に短辺
上流鋳型82と短辺下流鋳型84の間の段差を調整する
ことが可能となっている。上記以外の構成や鋳型の材質
等は図1から図11で説明した実施例と同様である。
【0070】本実施例では、短辺下流鋳型84から長辺
鋳型81に沿って延在する部分84Aが短辺下流鋳型8
4と同様の金属であるため、鋳造作業中に鋳片の幅を変
更するために短辺下流鋳型84を摺動させる際には、長
辺鋳型81に対する摺動抵抗が上記延在する部分84A
にかかることになる。金属は、耐火物に比較して摺動抵
抗により破損することが少ないため、鋳造作業中の鋳片
の幅変更時に鋳型の破損等による不具合を生じることが
ない。また、本実施例を、図13のような循環体を使用
した絞り込み方式に適用した場合にも、延在する部分8
4Aに循環体との摺動抵抗がかかることになり、同様の
利点がある。
【0071】以上のような本実施例によれば、図1から
図11の実施例と同様の効果が得られるだけでなく、短
辺下流鋳型84上方に長辺鋳型81に沿って延在する部
分84Aを設けるので、鋳片の幅変更時に発生する長辺
鋳型81との間の摺動抵抗に起因した不具合を生じるこ
とがない。また、循環体を使用した絞り込み方式に適用
した場合にも有利である。
【0072】尚、以上説明した実施例においては、いず
れも、短辺上流鋳型及び短辺下流鋳型にそれぞれ2箇所
ずつ鋳型移動装置を設けているため、それぞれの鋳型の
傾斜角度を任意に設定することができる。例えば、短辺
上流鋳型2aには短辺上流鋳型支持部材3aを介して短
辺上流鋳型移動装置5aと6aの2つの鋳型移動装置を
設けているため、短辺上流鋳型移動装置5a及び6aに
よる移動量をそれぞれ別々に調整することにより、短辺
上流鋳型2aの傾斜角度を任意に変更できる。この時、
短辺上流鋳型と短辺下流鋳型との間の段差は前述のよう
にして許容範囲内になるように小さくしておくことは言
うまでもない。これにより、短辺上流鋳型及び短辺下流
鋳型を鋳造方向に向かってそれぞれ任意の傾斜状態(傾
斜角度)とすることが可能であり、冷却凝固に伴なう鋳
片の幅の収縮に合わせることができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、鋳型の4つの壁のうち
少なくとも1つの壁を複数の異なる素材で構成し、それ
らをそれぞれ溶融金属の方向へ進退移動させるので、素
材間の寸法精度や摩耗形態の違いによって段差が生じて
も、その段差を小さくすることができ、鋳造作業中の凝
固殻に欠陥や破れが生じることが避けられ、鋳片に不具
合が発生することを防止できる。
【0074】また、鋳造作業中の上流鋳型部分の摩耗量
を検出し、それに基づき上流鋳型部分の進退移動を制御
するので、常に上流鋳型部分と下流鋳型部分の間の段差
を小さくして鋳片に不具合が生じないような許容範囲内
におさめることができる。
【0075】また、高精度な加工が困難な耐火物で構成
される上流鋳型部分の寸法公差を下流鋳型部分の素材で
ある金属並に小さくする必要がなく、実用的な寸法公差
とすることができる。
【0076】さらに、鋳片に不具合が発生することを防
止できるため、長時間連続して鋳型に溶鋼を注湯し鋳造
を行う連連鋳を行なう際にも何らの支障もなく安定して
操業を行うことができる。
【0077】従って、本発明によれば、1対の対向する
壁の形状を上流側の幅が広く下流側に向かって次第に狭
くなる形状の鋳型を有する絞り込み鋳造方式の連続鋳造
を実用的に実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による連続鋳造装置を上から
見た図である。
【図2】図1のII−II方向の断面図である。
【図3】図2のIII−III方向の断面図である。
【図4】図2のIV部の拡大図であり、短辺上流鋳型と短
辺下流鋳型の段差の許容範囲を表す図である。
【図5】鋳造作業中に、図4の状態から短辺上流鋳型が
摩耗してその壁面が後退した状態を示す図である。
【図6】図5の状態から短辺上流鋳型を溶融金属の方へ
移動させた状態を示す図である。
【図7】短辺上流鋳型と短辺下流鋳型の間の寸法精度の
違いや摩耗形態の違いに起因する段差によって、短辺側
に膨れ部が発生した鋳片の状態を示す図である。
【図8】短辺上流鋳型と短辺下流鋳型の間の段差が図7
の場合よりも増大した時の鋳片の状態を示す図である。
【図9】短辺上流鋳型と短辺下流鋳型の間の段差を調整
するための構成を示す図である。
【図10】図9の構成における動作の流れを示すフロー
チャートであって、鋳片の幅をもとに制御を行う場合の
ものである。
【図11】図9の構成における動作の流れを示すフロー
チャートであって、膨れ部の高さをもとに制御を行う場
合のものである。
【図12】本発明の他の実施例を示す図であって、絞り
込み方式ではなく鋳型の上部と下部の厚み方向の広さを
ほとんど変えない実施例を示す図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示す図であっ
て、長辺鋳型として循環体を使用した絞り込み方式の実
施例を示す図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例を示す図である。
【図15】図14のXV方向から見た図である。
【符号の説明】
1 鋳型 1a,1b 長辺鋳型 2a,2b 短辺上流鋳型 3a,3b 短辺上流鋳型支持部材 4a,4b 短辺下流鋳型 5a,5b 短辺上流鋳型移動装置 6a,6b 短辺上流鋳型移動装置 7a,7b 短辺下流鋳型移動装置 8a,8b 短辺下流鋳型移動装置 9 ノズル 10 溶融金属 14a,14b ガイドロ−ラ 15 短辺凝固殻 16 長辺凝固殻 17a 鋳片 17b 鋳片 18 膨れ部 20 制御装置 21 カメラ 22 画像処理部 23 比較判定部 24 駆動制御部 51a,51b 長辺鋳型 61a,61b 循環体 62a,62b 循環体支持ロ−ラ 63a,63b 循環体静水圧支持装置 81 長辺鋳型 82 短辺上流鋳型 84 短辺下流鋳型 84A (長辺鋳型81に沿って)延在する部分 85,86 短辺上流鋳型移動装置 87,88 短辺下流鋳型移動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畦崎 正之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 石川 英司 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 平野 聡 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 磯野 光永 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を鋳込む貫通した鋳型を4つの
    壁で構成すると共に、その鋳型の4つの壁のうち内部ま
    で完全に凝固していない前記溶融金属に接する少なくと
    も1つの壁を複数の異なる素材で構成し、前記鋳型の一
    方から前記溶融金属を注ぎ前記溶融金属を凝固させつつ
    前記鋳型の他方から引き抜いて連続的に鋳片を鋳造する
    連続鋳造装置において、前記複数の異なる素材で構成し
    た前記溶融金属に接する部分をそれぞれその溶融金属の
    方向へ進退移動させる移動手段を有することを特徴とす
    る連続鋳造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の連続鋳造装置において、
    前記複数の異なる素材で構成した壁は前記溶融金属上流
    側の上流鋳型部分と前記溶融金属下流側の下流鋳型部分
    とを有し、前記移動手段は、鋳造作業中に前記上流鋳型
    部分の前記溶融金属に接する面を前記下流鋳型部分の前
    記溶融金属に接する面に対して相対的に進退移動させる
    ことを特徴とする連続鋳造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の連続鋳造装置に
    おいて、前記複数の異なる素材で構成した壁は前記溶融
    金属上流側の上流鋳型部分と前記溶融金属下流側の下流
    鋳型部分とを有し、前記移動手段は、前記下流鋳型部分
    を鋳片の断面形状の基準として前記上流鋳型部分の前記
    溶融金属に接する面の位置を変更することを特徴とする
    連続鋳造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のうちいずれか1項記載
    の連続鋳造装置において、前記複数の異なる素材で構成
    した壁は前記溶融金属上流側の上流鋳型部分と前記溶融
    金属下流側の下流鋳型部分とを有し、さらに、鋳造作業
    中に前記上流鋳型部分の摩耗量を検出する検出手段と、
    その検出手段における検出結果に基づいて前記移動手段
    による前記上流鋳型部分の進退移動を制御する移動制御
    手段とを有することを特徴とする連続鋳造装置。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のうちいずれか1項記載
    の連続鋳造装置において、前記上流鋳型部分は前記溶融
    金属を保温して凝固殻形成を抑える部分であり、前記下
    流鋳型部分は前記溶融金属を積極的に冷却して凝固殻を
    形成させる部分であることを特徴とする連続鋳造装置。
  6. 【請求項6】 請求項2から5のうちいずれか1項記載
    の連続鋳造装置において、前記上流鋳型部分の素材が耐
    火物であることを特徴とする連続鋳造装置。
  7. 【請求項7】 請求項2から5のうちいずれか1項記載
    の連続鋳造装置において、前記下流鋳型部分の素材が金
    属であることを特徴とする連続鋳造装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のうちいずれか1項記載
    の連続鋳造装置において、1対の対向する壁が複数の異
    なる素材で構成され、前記1対の対向する壁の形状が上
    流側の幅が広く下流側に向かって次第に狭くなる形状で
    あることを特徴とする連続鋳造装置。
  9. 【請求項9】 4つの壁で構成された鋳型のうち内部ま
    で完全に凝固していない溶融金属に接する少なくとも1
    つの壁を複数の異なる素材で構成し、前記鋳型の一方か
    ら前記溶融金属を注ぎ前記溶融金属を凝固させつつ前記
    鋳型の他方から引き抜いて連続的に鋳片を鋳造する連続
    鋳造方法において、前記複数の異なる素材で構成した前
    記溶融金属に接する部分をそれぞれその溶融金属の方向
    へ適宜進退移動させることを特徴とする連続鋳造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の連続鋳造方法におい
    て、前記鋳型の前記溶融金属に接する部分のうち、前記
    溶融金属の上流側をその溶融金属を保温して凝固殻形成
    を抑える上流鋳型部分とし、前記溶融金属の下流側をそ
    の溶融金属を積極的に冷却して凝固殻を形成させる下流
    鋳型部分とすることを特徴とする連続鋳造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の連続鋳造方法におい
    て、鋳造作業中に前記上流鋳型部分の摩耗量を検出し、
    その検出結果に基づいて前記上流鋳型部分の前記溶融金
    属に接する面を前記下流鋳型部分の前記溶融金属に接す
    る面に対して相対的に進退移動させることを特徴とする
    連続鋳造方法。
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