JPH08140586A - 薬学的有効物質を含む飼料の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 薬学的有効物質を含有する飼料の製造方法お
よび装置を提供する。 【構成】 薬学的有効物質を有する物質を含有する飼料
とは、治療、予防および病後管理を目的とした飼養薬剤
である。飼料の製造方法は薬効を有する飼料添加物を含
有するその他の飼料、特に抗生作用を有するまたは有さ
ない機能促進剤、並びに疾病の予防を目的とした添加物
に関するものである。この薬学的有効物質は薬剤混合物
または添加物混合物あるいは薬剤混合物と添加物の混合
物として物理的に製造された飼料上で調製され、特に噴
霧されるものである。噴霧するための薬剤混合物あるい
は添加物混合物は、特にゲル状態で調合され、飼料上に
噴霧される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は薬学的有効物質を含む飼
料の製造方法に関するものである。薬学的有効物質を含
有する飼料とは、治療、予防および病後管理を目的とし
た飼養薬剤である。飼料の製造方法は薬効性飼料添加物
を含有するその他の飼料、特に抗生作用を有するまたは
有さない機能促進剤、抗生物質および化学療法剤、並び
に疾病特にヒストモニアシス症およびコクシジウム症の
予防を目的とした添加物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】飼養薬剤は、飼料に混合用の薬剤を添加
混合することにより製造される。薬学的有効物質を含有
する飼料添加物は、法定用途に応じて飼料（単独または
補充飼料）に混合される。飼料混合物中への添加物成分
としてはかなり多くのものがあり、５〜５，０００ｐｐ
ｍまで含有させることができる。薬効性飼料添加物を含
む飼養薬剤および飼料のうち、特に重要なものは投与す
る添加物に応じて厳密に定められた添加物濃度を含有す
る。

【０００３】飼料添加物を含む飼養薬剤および飼料は、
純粋に機械的な飼料混合法として、非連続（バッチ法）
に添加物を混入することによって、製造されることが知
られている。粉末状飼料添加物として、特に酵素類、香
料類、ビタミン類、微生物製剤、機能促進剤および疾病
予防剤が使用される。純粋に機械的な方法で混入する場
合、種々の混合、運搬、生産、冷却および保存状態によ
り、その後の飼料状態によっては一部にかなりの添加物
が残る。これらの残留添加物は次の製品段階を汚染し、
しばしば望ましくない薬効成分間の相互作用を招くこと
がある。これらの汚染された飼料を使用すると、動物性
食品を製造する際に残留物についての危険性が生じる。
既知の混合方法および混入方法の技術における特に不利
益な問題は、使用した添加物、特に製造従事者によく知
られている添加物が粉塵となって気管や皮膚に達し、場
合によってアレルギーを引き起こす可能性があることで
ある。

【０００４】飼養薬剤および薬学的有効物質を有する飼
料添加物を含む飼料は、製造後に通常は粉体状混合物に
よつてペレット化したり、膨張または押出したりするこ
とも知られている。この後の製造プロセスないし過程で
は、部分的に１１０℃を越える高圧高温の水蒸気によつ
て、添加物に相当の負荷がかかることになる。与えられ
た負荷により、これは直接的に収量を低下させるか、貯
蔵中の添加物の安定性を著しく損なう。

【０００５】ヨ−ロッパ特許 0 231 817 B1から、「健
康促進剤」という概念で総括されるビタミン、酵素およ
び医薬をペレットなどに添加することを記載した方法お
よび装置も公知である。このようなペレットは、ヒトの
栄養および動物の栄養にもなり、健康促進剤を無駄なく
経済的に添加するため、促進剤を含むなかて回転させ、
さらに乾燥すれば、ペレット表面が促進剤を含む粉体で
均一に被覆される。健康促進剤の有利な添加量は、ペレ
ットの大きさまたは表面積、粉体中の促進剤濃度および
ペレットの回転時間に依存する。促進剤が溶液または懸
濁液中に含まれる環境でペレットを回転させる場合は、
液体の粘性が不利に作用する。促進剤を含む粉体中で回
転させられるペレットには、たとえば脂質がスプレ−さ
れるので、粉体はある種の糖衣層としてペレットの周囲
に存在する。

【０００６】ヨーロッパ特許 0 241 441 から、生物学
的に活性な物質、例えば酵素、ホルモン、ビタミン、生
菌または少なくともそれらの一部を、混合物、懸濁液ま
たは溶液中に入れ、ベ−ス物質の表面をこの懸濁液また
は溶液被膜で覆うかコーティングすることが公知であ
る。そこで、たとえば酵素または微生物製剤を含む懸濁
液は、ペレット状または押出し成形の飼料上にメンブラ
ンポンプを使用して噴霧される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記の先行技術にかん
がみ、本発明は、薬学的有効物質を含有する飼料および
薬効作用を有する飼料添加物または、飼料および生物製
剤中に製品保証のために含まれる均一な分散剤および安
定剤、飼料促進剤および製剤装置中に残留物を残さずに
飼料を供給することができ、並びに環境中に有効成分を
有する添加物が遊離することなく飼料を調製することが
できる適当なガレヌス調合における混合操作が本発明の
課題である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、特許請
求の範囲１による方法および特許請求の範囲２の混合操
作によりこの課題が解決される。薬学的有効物質を含有
する飼料、すなわち、効果増進並びに疾病特にヒストモ
ニアシス症およびコクシジウム症予防のための予防薬お
よび／または抗生作用を有するまたは有さない機能促進
剤、抗生物質および化学療法薬の製造方法は、特に薬学
的有効物質単独または適当なゲル化したゲル形成調合内
の混合物あるいは物理的製造法による飼料上の噴霧状ゲ
ルとして調製されるという特徴を有する。

【０００９】本発明の方法に関連する飼養薬剤は、特に
薬学的有効物質よりなる薬剤前混合物を含有し、かつ動
物の治療、予防および病後管理を目的として添加され
る。

【００１０】本発明の方法に関する薬学的有効物質を有
する飼料添加物を含む飼料として、機能促進用の薬学的
有効物質を含む添加混合物および、ここでは特に機能増
進用の抗生作用を有するまたは有さない機能促進剤、抗
生物質および化学療法剤、並びに疾病特にヒストモニア
シス症およびコクシジウム症の予防を目的とした薬学的
有効物質を含有する飼料とする。

【００１１】本発明による方法に関する物理的製造法に
よる飼料として、最終完成品の飼料、また特に粉状、粒
状、顆粒状、ペレット状、膨張または押出し形成した飼
料とする。

【００１２】薬学的有効物質は、特にゲル状調合物内の
薬剤混合物または薬剤調合物および／または飼料添加物
として、特に噴霧状ゲルとして製造完成品の飼料上で調
製され、これらの飼料上に噴霧される。調合物の吹き付
けは、飼料が機械的混合、押し出し、生産工程を経た後
で行われる。薬学的有効物質は最終的に噴霧状ゲルとし
て物理的製法により作製した飼料上で調製される。

【００１３】ゲル状に調製し、主として飼料に噴霧され
る薬学的有効物質は、抗生物質や化学療法剤のような治
療作用および／または予防作用を有する物質で、医薬法
または飼料法規則第３項の薬学的有効添加物に該当する
が、とくに第１項「機能促進剤」および第７項の「ヒス
トモニアシス症およびコクシジウム症の予防用添加物」
では酵素、ビタミン、微生物製剤、香料および痘苗が明
確に除外されている。薬学的有効物質は飼料製造の目
的、特にここではゲル化混合物、特に噴霧状ゲルとして
添加物、とくに予防薬および／または抗生作用を有する
または有さない機能増進剤を含む飼養薬剤および飼料の
製造を目的として形成される。混合物のゲル化調合物
は、ゲル、懸濁ゲルまたはエマルジョンゲルとして生じ
る。とくに噴霧状ゲルとして作製され、少なくとも薬学
的有効物質と共に液状または半液状物を形成する流動性
の担体を含有する。

【００１４】本発明の混合調製物に関する液状または半
液状物として、特に、溶液、懸濁液、分散質およびエマ
ルジョンとする。

【００１５】ゲルを形成した混合調製物は、特に比較的
硬いゲル、流動状および噴霧状ゲル、ゲル状懸濁液、ゲ
ル状分散質およびゲル状エマルジョンであり、特に含水
ゲル、含水−プロパンジオールゲル、含プロパンジオー
ルゲル、水−グリセリン由来ゲル、グリセリン−由来ゲ
ル、非水ゲルおよび油性ゲルである。ゲル状混合物の調
製物は、特に薬学的有効物質が化学的に安定で均一な分
散状態を維持する必要がある場合に応用される。

【００１６】混合調製物はその形成法に依存せず、即ち
液状または噴霧状であるかに係わらず、少なくとも薬学
的有効物質を含有する。この薬学的有効物質は薬剤混合
物、添加物混合物、数個の薬剤混合物の混合物、あるい
は数個の添加混合物の混合物および薬剤混合物と添加混
合物の混合物として調製される。

【００１７】これら上述の混合添加物の全ては、ゲル状
混合物として形成される。ゲル状調製物としては、特に
懸濁ゲル、エマルジョンゲル形成物および特に噴霧状ゲ
ルとしてのこれらのゲルの調製法が、これら混合調製物
を噴霧するために応用される。

【００１８】

【実施例】以下、実施例を３例あげて本発明を詳しく説
明する。 （実施例１） 薬剤前混合の例、飼養薬剤製造のためプロパンジオ−ル
ゲルとして定義される、とくにスプレ−可能なゲルを使
用した場合の例：コロイド状二酸化けい素に、88.0ｇの
１，２−プロパンジオ−ルを分散させ、ついでこの混合
物をチアムリン水素フマラ−ト10.0ｇと均一になるまで
分散器で分散させる。生物学的、化学的および物理的に
安定なゲルが得られる。これを物理的に製造した飼料
（例えば、子ブタのペレット状飼料）に噴霧すると、こ
れに良く密着できた。

【００１９】（実施例２） 水性プロパンジオ−ル懸濁ゲルとしての形態で非抗生機
能増進剤の製造例：キサンタン１ｇと１，２−プロパン
ジオ−ル４５ｍｌを相当量の水中で分散させてプロパン
ジオ−ル水性懸濁液をつくり、これにオラキンドックス
（Olaquidox)１０ｇとクエン酸０．３ｇを添加した。つ
ぎに薬学的有効物質が均一に分散するゲルになるまで攪
拌し、噴霧性懸濁ゲル液を得た。これは飼料添加物とし
て物理的に製造した飼料に噴霧することができた。

【００２０】（実施例３）コクシジウム症予防のため
の、油性ゲル状飼料添加物の製造例である。これは抗生
作用のある機能増進剤としても飼料に添加される。コロ
イド状二酸化けい素２．５ｇを相当量の落花生油に分散
させ、ついでこの無水油性ゲルにモネシン−ナトリウム
２０ｇを添加する。生成した懸濁油性ゲルを落花生油で
噴霧性ゲル添加物１００ｍｌにしたところ、飼料に噴霧
することができた。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、薬学的有効成分が環境
中に遊離しない飼料が得られる。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬学的に有効な飼料添加物、すなわち、
   予防および／または抗生作用を有するおよび有しない機
   能促進剤、抗生物質および機能増進用ならびにヒストモ
   ニアシス症、コクシジウム症の予防用の化学療法剤を含
   む、飼養薬剤および飼料の製造方法において、薬学的に
   有効な物質を、個々にまたは適当なガレヌス、ゲル状調
   合物として、噴霧可能なゲルとして、物理的に調製した
   飼料に添加することを特徴とする飼料の製造方法。
2. 【請求項２】 調合形式をゲルとして、すなわち噴霧性
   ゲルとして設定したことを特徴とする、薬学的に有効な
   飼料添加物、すなわち、予防および／または抗生作用を
   有するおよび有しない機能促進剤、抗生物質および機能
   増進用ならびにヒストモニアシス症、コクシジウム症の
   予防用化学療法剤を含む、飼料製造のための適当なガレ
   ヌス調合物。
3. 【請求項３】 懸濁ゲルとしての調合形式を特徴とする
   請求項２に記載の調合混合物。
4. 【請求項４】 エマルジョンゲルとしての調合形式を特
   徴とする請求項３に記載の調合物。