JPH0813968B2 - 三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法 - Google Patents
三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法Info
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- JPH0813968B2 JPH0813968B2 JP10759587A JP10759587A JPH0813968B2 JP H0813968 B2 JPH0813968 B2 JP H0813968B2 JP 10759587 A JP10759587 A JP 10759587A JP 10759587 A JP10759587 A JP 10759587A JP H0813968 B2 JPH0813968 B2 JP H0813968B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は五酸化アンチモンのコロイド粒子で被覆した
三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法に関す
る。更に詳しくは、酸性の五酸化アンチモンゾルと三酸
化アンチモンの粉末を混合し、反応させて得られる分散
液より、乾燥、粉砕して三酸化アンチモンの粒子表面を
塩基性物質で処理された五酸化アンチモンのコロイド粒
子で被覆した三酸化アンチモン系難燃剤及びその製造方
法に関する。該三酸化アンチモン系難燃剤は従来の三酸
化アンチモン粉末と同様に繊維、樹脂製品などの難燃剤
として使用される。
三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法に関す
る。更に詳しくは、酸性の五酸化アンチモンゾルと三酸
化アンチモンの粉末を混合し、反応させて得られる分散
液より、乾燥、粉砕して三酸化アンチモンの粒子表面を
塩基性物質で処理された五酸化アンチモンのコロイド粒
子で被覆した三酸化アンチモン系難燃剤及びその製造方
法に関する。該三酸化アンチモン系難燃剤は従来の三酸
化アンチモン粉末と同様に繊維、樹脂製品などの難燃剤
として使用される。
(従来の技術) 難燃剤として利用されている酸化アンチモンとして
は、三酸化アンチモンと五酸化アンチモンなどがある。
は、三酸化アンチモンと五酸化アンチモンなどがある。
三酸化アンチモンはハロゲンと反応して優れた難燃性
を示すことから単独使用またはハロゲン系難燃剤あるい
は燐系難燃剤との併用により、ハロゲン含有樹脂及びポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹
脂などのハロゲン非含有樹脂の難燃剤として広く使用さ
れている。
を示すことから単独使用またはハロゲン系難燃剤あるい
は燐系難燃剤との併用により、ハロゲン含有樹脂及びポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹
脂などのハロゲン非含有樹脂の難燃剤として広く使用さ
れている。
近年、電気、電子産業、自動車産業、航空機産業、住
宅産業などの著しい進歩に伴い、繊維、プラスチック製
品の難燃化が防災の面から強く要望されるようになりア
ンチモン系難燃剤に対する期待も益々増大して来てい
る。
宅産業などの著しい進歩に伴い、繊維、プラスチック製
品の難燃化が防災の面から強く要望されるようになりア
ンチモン系難燃剤に対する期待も益々増大して来てい
る。
三酸化アンチモンは主として粉体のまま樹脂と混合さ
れ使用されてきている。しかし三酸化アンチモンは屈曲
率が高く、粒子径が大きいために樹脂の透明性を低下さ
せ、顔料による着色性を低下させる欠点を有している。
更に、三酸化アンチモンにより難燃化された樹脂成形品
や繊維を硫化水素等の含硫黄化合物の雰囲気中で使用し
た場合、三酸化アンチモンの硫化物が生成し、製品が黄
色に成るという欠点を有している。また、三酸化アンチ
モンで難燃化したプリント基板上にメッキを行う場合、
メッキ液中に三酸化アンチモンが溶出しメッキ特性を低
下させるという欠点を有している。更に、三酸化アンチ
モンはポリエステルなどの樹脂では成型時に解重合を引
起すなどの欠点を有している。
れ使用されてきている。しかし三酸化アンチモンは屈曲
率が高く、粒子径が大きいために樹脂の透明性を低下さ
せ、顔料による着色性を低下させる欠点を有している。
更に、三酸化アンチモンにより難燃化された樹脂成形品
や繊維を硫化水素等の含硫黄化合物の雰囲気中で使用し
た場合、三酸化アンチモンの硫化物が生成し、製品が黄
色に成るという欠点を有している。また、三酸化アンチ
モンで難燃化したプリント基板上にメッキを行う場合、
メッキ液中に三酸化アンチモンが溶出しメッキ特性を低
下させるという欠点を有している。更に、三酸化アンチ
モンはポリエステルなどの樹脂では成型時に解重合を引
起すなどの欠点を有している。
一方、五酸化アンチモンは五酸化アンチモンゾルとし
て用いることが出来るため、ゾルの特性を利用した難燃
剤の用途に有効に使用されている(特公昭59−47717
号、特開昭60−259678号)。
て用いることが出来るため、ゾルの特性を利用した難燃
剤の用途に有効に使用されている(特公昭59−47717
号、特開昭60−259678号)。
特公昭54−25949号には三酸化アンチモン粒子表面を
含水酸化ジルコニウムと不定形シリカで被覆することに
より三酸化アンチモンの耐硫化性を向上させる方法が提
案されている。しかしシリカは難燃性を示さないことか
らこの方法により製造された三酸化アンチモンは難燃性
が低くなり、また三酸化アンチモンと含水酸化ジルコニ
ウムおよび不定形シリカの結合は弱いために分散機や成
型機などにより機械的剪断力がかかる時に被覆した含水
酸化ジルコニウムと不定形シリカが離脱する欠点を持っ
ている。
含水酸化ジルコニウムと不定形シリカで被覆することに
より三酸化アンチモンの耐硫化性を向上させる方法が提
案されている。しかしシリカは難燃性を示さないことか
らこの方法により製造された三酸化アンチモンは難燃性
が低くなり、また三酸化アンチモンと含水酸化ジルコニ
ウムおよび不定形シリカの結合は弱いために分散機や成
型機などにより機械的剪断力がかかる時に被覆した含水
酸化ジルコニウムと不定形シリカが離脱する欠点を持っ
ている。
本発明者らは特開昭60−108466号において、三酸化ア
ンチモンを過酸化水素にて処理をし、更にこれをアルカ
リ処理することにより、三酸化アンチモンの耐薬品性を
向上する方法を提案した。しかしこの方法では、表面が
酸化されるだけでなく五酸化アンチモンがかなり生成す
るため、耐硫化性は向上するものゝ五酸化アンチモンの
生成による難燃性の若干の低下が出てくる。
ンチモンを過酸化水素にて処理をし、更にこれをアルカ
リ処理することにより、三酸化アンチモンの耐薬品性を
向上する方法を提案した。しかしこの方法では、表面が
酸化されるだけでなく五酸化アンチモンがかなり生成す
るため、耐硫化性は向上するものゝ五酸化アンチモンの
生成による難燃性の若干の低下が出てくる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は上述した三酸化アンチモンにより難燃化
された樹脂成形品や繊維を硫化水素等の含硫黄化合物の
雰囲気中で使用した場合の製品が黄色に成るという問題
点を解決するために鋭意研究を重ね本発明を完成した。
された樹脂成形品や繊維を硫化水素等の含硫黄化合物の
雰囲気中で使用した場合の製品が黄色に成るという問題
点を解決するために鋭意研究を重ね本発明を完成した。
即ち本発明の目的は、三酸化アンチモンの表面を改質
し、優れた難燃性と且つ耐硫化性のある三酸化アンチモ
ン系難燃剤を提供する事にある。
し、優れた難燃性と且つ耐硫化性のある三酸化アンチモ
ン系難燃剤を提供する事にある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は三酸化アンチモンの表面を塩基性物質で
処理した五酸化アンチモンのコロイド粒子で被覆するこ
とにより本発明の目的を達成できる三酸化アンチモン系
難燃剤が得られることを見出した。
処理した五酸化アンチモンのコロイド粒子で被覆するこ
とにより本発明の目的を達成できる三酸化アンチモン系
難燃剤が得られることを見出した。
即ち、本発明の第1発明は三酸化アンチモン粉末の難
燃剤において、三酸化アンチモンの粒子表面が五酸化ア
ンチモンのコロイド粒子で被覆され、且つ該五酸化アン
チモンのコロイド粒子が塩基性物質で処理されているこ
とを特徴とする三酸化アンチモン系難燃剤に関する。ま
た本発明の第2発明は第1発明の三酸化アンチモン系難
燃剤の製造方法に関する。その製造方法は、酸性の五酸
化アンチモンゾルと三酸化アンチモンの粉末を混合し、
三酸化アンチモンの粒子表面を五酸化アンチモンのコロ
イド粒子で被覆した三酸化アンチモンの分散液を得、該
分散液に塩基性物質を添加してpHを7〜10に調整した
後、pHを調整した分散液を乾燥、粉砕して粉末とするこ
とを特徴とする。
燃剤において、三酸化アンチモンの粒子表面が五酸化ア
ンチモンのコロイド粒子で被覆され、且つ該五酸化アン
チモンのコロイド粒子が塩基性物質で処理されているこ
とを特徴とする三酸化アンチモン系難燃剤に関する。ま
た本発明の第2発明は第1発明の三酸化アンチモン系難
燃剤の製造方法に関する。その製造方法は、酸性の五酸
化アンチモンゾルと三酸化アンチモンの粉末を混合し、
三酸化アンチモンの粒子表面を五酸化アンチモンのコロ
イド粒子で被覆した三酸化アンチモンの分散液を得、該
分散液に塩基性物質を添加してpHを7〜10に調整した
後、pHを調整した分散液を乾燥、粉砕して粉末とするこ
とを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明におい
て使用する五酸化アンチモンゾルは従来から知られてい
る方法などで得られる1次粒子径が5〜100mμの酸性の
五酸化アンチモンゾルが使用できる。五酸化アンチモン
ゾルの分散媒は水及び有機溶媒のものが知られている
が、本発明で使用する五酸化アンチモンゾルは水性媒体
で酸性であることが必要である。アミン、アンモニア、
水酸化ナトリウム等で中性からアルカリ性にした五酸性
アンチモンゾルでは五酸化アンチモンコロイド粒子の表
面が塩基性物質で覆われるために三酸化アンチモンとの
結合性が著しく低下して好ましくない。
て使用する五酸化アンチモンゾルは従来から知られてい
る方法などで得られる1次粒子径が5〜100mμの酸性の
五酸化アンチモンゾルが使用できる。五酸化アンチモン
ゾルの分散媒は水及び有機溶媒のものが知られている
が、本発明で使用する五酸化アンチモンゾルは水性媒体
で酸性であることが必要である。アミン、アンモニア、
水酸化ナトリウム等で中性からアルカリ性にした五酸性
アンチモンゾルでは五酸化アンチモンコロイド粒子の表
面が塩基性物質で覆われるために三酸化アンチモンとの
結合性が著しく低下して好ましくない。
五酸化アンチモンゾルの製法としては三酸化アンチモ
ンを過酸化水素で酸化する方法(特公昭57−11848
号)、アンチモン酸アルカリをイオン交換樹脂で脱アル
カリする方法(米国特許4110247号)、アンチモン酸ア
ルカリを無機酸と反応させて得られた五酸化アンチモン
ゲルをアミン或いは燐酸で解膠する方法(特解昭60−41
536号、特開昭61−227919号)どが知られている。これ
らのいずれの方法で得られた五酸化アンチモンゾルが本
発明で使用できる。
ンを過酸化水素で酸化する方法(特公昭57−11848
号)、アンチモン酸アルカリをイオン交換樹脂で脱アル
カリする方法(米国特許4110247号)、アンチモン酸ア
ルカリを無機酸と反応させて得られた五酸化アンチモン
ゲルをアミン或いは燐酸で解膠する方法(特解昭60−41
536号、特開昭61−227919号)どが知られている。これ
らのいずれの方法で得られた五酸化アンチモンゾルが本
発明で使用できる。
この五酸化アンチモンゾル中の五酸化アンチモンのコ
ロイドは基本的にはSb2O5・4H2Oであり、製造方法によ
ってはナトリウムを含有している。五酸化アンチモンは
無機イオン交換体であり、特にナトリウムイオンは五酸
化アンチモンの構造内に取り込まれる。本発明で使用す
る酸性の五酸化アンチモンゾルはナトリウムを含有する
時は、Sb2O5(Na2O)x・4H2Oという形で表現すればX
=0.6以下であれば酸性のゾルである。
ロイドは基本的にはSb2O5・4H2Oであり、製造方法によ
ってはナトリウムを含有している。五酸化アンチモンは
無機イオン交換体であり、特にナトリウムイオンは五酸
化アンチモンの構造内に取り込まれる。本発明で使用す
る酸性の五酸化アンチモンゾルはナトリウムを含有する
時は、Sb2O5(Na2O)x・4H2Oという形で表現すればX
=0.6以下であれば酸性のゾルである。
本発明に使用出来る五酸化アンチモンゾルの五酸化ア
ンチモンの濃度はSb2O5として5〜55重量%が使用出来
る。Sb2O5濃度が5%未満では得られる分散液の濃度が
薄くなり好ましくない。
ンチモンの濃度はSb2O5として5〜55重量%が使用出来
る。Sb2O5濃度が5%未満では得られる分散液の濃度が
薄くなり好ましくない。
本発明において使用する三酸化アンチモンはオキシ塩
化アンチモンから製造したもの、あるいは金属アンチモ
ン、硫化アンチモンを燃焼させて製造したものなどいず
れの方法により三酸化アンチモン粉末が使用できる。ま
た、特公昭45−14385号に示されているような方法で得
られた粒子径が0.1μ以下の大きさを有するコロイド状
三酸化アンチモンにも適用できる。通常の三酸化アンチ
モン粉末の粒子径は一般には0.4〜10μである。
化アンチモンから製造したもの、あるいは金属アンチモ
ン、硫化アンチモンを燃焼させて製造したものなどいず
れの方法により三酸化アンチモン粉末が使用できる。ま
た、特公昭45−14385号に示されているような方法で得
られた粒子径が0.1μ以下の大きさを有するコロイド状
三酸化アンチモンにも適用できる。通常の三酸化アンチ
モン粉末の粒子径は一般には0.4〜10μである。
本発明で使用する三酸化アンチモン分散液の製造方法
は、上述の酸性の五酸化アンチモンゾルに、上記三酸化
アンチモン粉末を混合し、反応させて、三酸化アンチモ
ン粒子の表面に五酸化アンチモンのコロイド粒子を吸着
させる方法による。反応温度は100℃以上でも可能であ
るが、好ましくは室温〜100℃、特に好ましくは40〜100
℃で行う。反応時間は処理温度が高くなるほど短くてよ
いが、1〜30時間である。酸性五酸化アンチモンゾルと
三酸化アンチモンの配合量は、Sb2O5/Sb2O3の重量比が
少なくとも5%、好ましくは7〜30%になるように添加
する。この配合量は、三酸化アンチモン、五酸化アンチ
モンの粒子径と表面積により決まる。三酸化アンチモン
は先にも述べたが、一般には0.4〜10μであり、その表
面積は0.1〜3m2/gであるのに対して、五酸化アンチモン
のコロイド粒子の粒子径は5〜100mμで、その表面積は
15〜300m2/gである。従って、Sb2O5/Sb2O3の重量比が5
%未満では三酸化アンチモン粒子の表面を充分に被覆す
ることができないし、30%を越えても使用できるが、五
酸化アンチモンコロイドが過剰となるため被覆の効果を
それ以上に上げることが出来ない。この場合は五酸化ア
ンチモンで被覆された三酸化アンチモンと五酸化アンチ
モンが混在した分散液となっている。分散液が安定なか
ぎり五酸化アンチモンが過剰に存在していも構わない
が、過剰の五酸化アンチモンの量が多くなると、コスト
も高くなり、五酸化アンチモンの欠点もでてくるので、
五酸化アンチモンの量はSb2O5/Sb2O3の重量比で50重量
%以内が好ましい。五酸化アンチモンゾルと三酸化アン
チモンの混合にはデイスパー、ホモジナイザー、ボール
ミル、サンドグラインダー等で混合するのが好ましく、
特にデイスパー、ホモジナイザー等の強力な分散力を有
するものが好ましい。
は、上述の酸性の五酸化アンチモンゾルに、上記三酸化
アンチモン粉末を混合し、反応させて、三酸化アンチモ
ン粒子の表面に五酸化アンチモンのコロイド粒子を吸着
させる方法による。反応温度は100℃以上でも可能であ
るが、好ましくは室温〜100℃、特に好ましくは40〜100
℃で行う。反応時間は処理温度が高くなるほど短くてよ
いが、1〜30時間である。酸性五酸化アンチモンゾルと
三酸化アンチモンの配合量は、Sb2O5/Sb2O3の重量比が
少なくとも5%、好ましくは7〜30%になるように添加
する。この配合量は、三酸化アンチモン、五酸化アンチ
モンの粒子径と表面積により決まる。三酸化アンチモン
は先にも述べたが、一般には0.4〜10μであり、その表
面積は0.1〜3m2/gであるのに対して、五酸化アンチモン
のコロイド粒子の粒子径は5〜100mμで、その表面積は
15〜300m2/gである。従って、Sb2O5/Sb2O3の重量比が5
%未満では三酸化アンチモン粒子の表面を充分に被覆す
ることができないし、30%を越えても使用できるが、五
酸化アンチモンコロイドが過剰となるため被覆の効果を
それ以上に上げることが出来ない。この場合は五酸化ア
ンチモンで被覆された三酸化アンチモンと五酸化アンチ
モンが混在した分散液となっている。分散液が安定なか
ぎり五酸化アンチモンが過剰に存在していも構わない
が、過剰の五酸化アンチモンの量が多くなると、コスト
も高くなり、五酸化アンチモンの欠点もでてくるので、
五酸化アンチモンの量はSb2O5/Sb2O3の重量比で50重量
%以内が好ましい。五酸化アンチモンゾルと三酸化アン
チモンの混合にはデイスパー、ホモジナイザー、ボール
ミル、サンドグラインダー等で混合するのが好ましく、
特にデイスパー、ホモジナイザー等の強力な分散力を有
するものが好ましい。
このようにして得られる三酸化アンチモンの分散液は
スラリー状であり、分散液中の酸化アンチモン濃度(Sb
2O3とSb2O5の合計量)としては80重量%以下、好ましく
は、20〜70重量%である。酸化アンチモン濃度が80重量
%を越えると分散液の粘度が高くなりすぎ混合が充分に
できなく、また、分離、乾燥に時間をようする。また酸
化アンチモン濃度が20%重量未満では効率がよくない。
スラリー状であり、分散液中の酸化アンチモン濃度(Sb
2O3とSb2O5の合計量)としては80重量%以下、好ましく
は、20〜70重量%である。酸化アンチモン濃度が80重量
%を越えると分散液の粘度が高くなりすぎ混合が充分に
できなく、また、分離、乾燥に時間をようする。また酸
化アンチモン濃度が20%重量未満では効率がよくない。
この処理で、五酸化アンチモンは酸化剤として反応
し、三酸化アンチモンと五酸化アンチモンの表面で酸素
の授受があり四酸化アンチモンが生成し、五酸化アンチ
モンが三酸化アンチモン粒子表面に強く結合した状態で
被覆する。
し、三酸化アンチモンと五酸化アンチモンの表面で酸素
の授受があり四酸化アンチモンが生成し、五酸化アンチ
モンが三酸化アンチモン粒子表面に強く結合した状態で
被覆する。
上記方法により得られた三酸化アンチモンの分散液は
pHが2〜6であり、粘性が低く安定である。この分散液
より、乾燥、粉砕して粉末化しても難燃剤が得られる
が、ハロゲン含有樹脂、ハロゲン非含有樹脂に混合して
成型する場合、五酸化アンチモンの酸性により、樹脂あ
るいは有機ハロゲン化合物の着色を引起すため好ましく
ない。このため、本発明の三酸化アンチモン系難燃剤は
上記分散液から得る際に、五酸化アンチモンの酸性度を
低下させる処理が必要である。この処理方法は分散液に
塩基性物質を添加して、分散液のpHが7〜10になるよう
にすることによって、五酸化アンチモンの酸性度を低下
させることが出来る。
pHが2〜6であり、粘性が低く安定である。この分散液
より、乾燥、粉砕して粉末化しても難燃剤が得られる
が、ハロゲン含有樹脂、ハロゲン非含有樹脂に混合して
成型する場合、五酸化アンチモンの酸性により、樹脂あ
るいは有機ハロゲン化合物の着色を引起すため好ましく
ない。このため、本発明の三酸化アンチモン系難燃剤は
上記分散液から得る際に、五酸化アンチモンの酸性度を
低下させる処理が必要である。この処理方法は分散液に
塩基性物質を添加して、分散液のpHが7〜10になるよう
にすることによって、五酸化アンチモンの酸性度を低下
させることが出来る。
塩基性物質としてはアルカリ金属、あるいはアルカリ
土類金属の水酸化物等が好ましく、特に水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等が好ましい。ま
た、上記アルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物と共に、他の塩基性物質、例えばアンモニア、或
いはアルカノールアミンなどの有機塩基を併用しても良
い。
土類金属の水酸化物等が好ましく、特に水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等が好ましい。ま
た、上記アルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物と共に、他の塩基性物質、例えばアンモニア、或
いはアルカノールアミンなどの有機塩基を併用しても良
い。
五酸化アンチモンの塩基性物質による処理で五酸化ア
ンチモンの酸性度を低下させる工程を、五酸化アンチモ
ンのコロイド粒子を三酸化アンチモンに被覆する工程の
前に行うと、先にも述べたが、酸性の五酸化アンチモン
ゾルが塩基性の五酸化アンチモンゾルとなり、五酸化ア
ンチモンのコロイド粒子の表面が塩基性物質で覆われる
ために三酸化アンチモンとの結合性が著しく低下し好ま
しくない。
ンチモンの酸性度を低下させる工程を、五酸化アンチモ
ンのコロイド粒子を三酸化アンチモンに被覆する工程の
前に行うと、先にも述べたが、酸性の五酸化アンチモン
ゾルが塩基性の五酸化アンチモンゾルとなり、五酸化ア
ンチモンのコロイド粒子の表面が塩基性物質で覆われる
ために三酸化アンチモンとの結合性が著しく低下し好ま
しくない。
塩基性物質の添加は、五酸化アンチモンゾルと三酸化
アンチモンゾルを混合後に、室温〜100℃で処理した分
散液に添加し、反応温度は100℃以上でも可能である
が、好ましくは室温〜100℃、特に好ましくは40〜100℃
で行う。反応時間は処理温度が高くなるほど短くてよい
が、1〜30時間である。この際、攪拌は、上述の五酸化
アンチモンゾルと三酸化アンチモンの混合と同様にデイ
スパー、ホモジナイザー、ボールミル、サンドグライン
ダー等で混合するのが好ましく、特にデイスパー、ホモ
ジナイザー等の強力な分散力を有するものが好ましい。
アンチモンゾルを混合後に、室温〜100℃で処理した分
散液に添加し、反応温度は100℃以上でも可能である
が、好ましくは室温〜100℃、特に好ましくは40〜100℃
で行う。反応時間は処理温度が高くなるほど短くてよい
が、1〜30時間である。この際、攪拌は、上述の五酸化
アンチモンゾルと三酸化アンチモンの混合と同様にデイ
スパー、ホモジナイザー、ボールミル、サンドグライン
ダー等で混合するのが好ましく、特にデイスパー、ホモ
ジナイザー等の強力な分散力を有するものが好ましい。
塩基性物質の添加量は上述したようにpH7〜10になる
ように添加すれば良いが、この際に、アルカリ金属の水
酸化物(MOH)及び/またはアルカリ土類金属の水酸化
物(M′(OH)2)を酸化物換算で、(M2O+M′O)/
Sb2O5モル比が0.5〜1が好ましい。
ように添加すれば良いが、この際に、アルカリ金属の水
酸化物(MOH)及び/またはアルカリ土類金属の水酸化
物(M′(OH)2)を酸化物換算で、(M2O+M′O)/
Sb2O5モル比が0.5〜1が好ましい。
本発明の難燃剤は上記方法で得られた三酸化アンチモ
ンの分散液中の固形分を、公知の方法で分離、乾燥、粉
砕をして粉末とすることにより得られる。例えば、スプ
レードライヤー、ドラムドライヤー、凍結乾燥機等によ
り乾燥するか、あるいは分散液を吸引ロ過フィルタープ
レス、遠心ロ過などにより固形分を分離し、得られたウ
ェットケーキを熱風乾燥機、キルン乾燥機、減圧乾燥機
等により乾燥し、更に高速回転ミキサー、ピンデイスク
ミル、ジェットオートマイザー、ボールミルなどで容易
に0.4〜10μの粒径に粉砕できる。樹脂に難燃剤を配合
する際に、分散を均一にするためには、粒径は0.4〜5
μと小さく粉砕した方が好ましい。
ンの分散液中の固形分を、公知の方法で分離、乾燥、粉
砕をして粉末とすることにより得られる。例えば、スプ
レードライヤー、ドラムドライヤー、凍結乾燥機等によ
り乾燥するか、あるいは分散液を吸引ロ過フィルタープ
レス、遠心ロ過などにより固形分を分離し、得られたウ
ェットケーキを熱風乾燥機、キルン乾燥機、減圧乾燥機
等により乾燥し、更に高速回転ミキサー、ピンデイスク
ミル、ジェットオートマイザー、ボールミルなどで容易
に0.4〜10μの粒径に粉砕できる。樹脂に難燃剤を配合
する際に、分散を均一にするためには、粒径は0.4〜5
μと小さく粉砕した方が好ましい。
乾燥温度は500℃以下、好ましくは室温〜500℃で可能
であるが、五酸化アンチモン、または四酸化アンチモン
は250℃以上の温度では結晶水を放出するので、本発明
の難燃剤を使用する際に250℃以上の処理温度がかかる
場合には、発泡したり、樹脂を黄色に着色するので、25
0〜500℃で乾燥することが好ましい。
であるが、五酸化アンチモン、または四酸化アンチモン
は250℃以上の温度では結晶水を放出するので、本発明
の難燃剤を使用する際に250℃以上の処理温度がかかる
場合には、発泡したり、樹脂を黄色に着色するので、25
0〜500℃で乾燥することが好ましい。
本発明により得られた三酸化アンチモン系難燃剤は、
塩化ビニル樹脂とエチレン、プロピレン、塩化ビニリデ
ン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸エステ
ル等の共重合体であるハロゲン含有樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリエステルの単独、あるいは共重
合体であるハロゲン非含有熱可塑性樹脂、エポキシ系樹
脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエ
ステル系樹脂等の熱硬化性樹脂及び熱可塑性エラストマ
ー等の合成ゴムに対して使用出来る。
塩化ビニル樹脂とエチレン、プロピレン、塩化ビニリデ
ン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸エステ
ル等の共重合体であるハロゲン含有樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリエステルの単独、あるいは共重
合体であるハロゲン非含有熱可塑性樹脂、エポキシ系樹
脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエ
ステル系樹脂等の熱硬化性樹脂及び熱可塑性エラストマ
ー等の合成ゴムに対して使用出来る。
尚、ハロゲン含有樹脂以外の樹脂あるいは合成ゴムに
ついてはヘキサブロモベンゼン、ペンタクロロフェノー
ル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフ
ェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、塩素
化パラフィン等の有機ハロゲン化合物と本発明のアンチ
モン含有難燃剤を併用することにより良好な難燃効果が
得られる。本発明の三酸化アンチモン系難燃剤は三酸化
アンチモンの表面と五酸化アンチモンコロイドで被覆し
ているので従来の三酸化アンチモン難燃剤の欠点を改善
する以下の効果が得られる。
ついてはヘキサブロモベンゼン、ペンタクロロフェノー
ル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフ
ェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、塩素
化パラフィン等の有機ハロゲン化合物と本発明のアンチ
モン含有難燃剤を併用することにより良好な難燃効果が
得られる。本発明の三酸化アンチモン系難燃剤は三酸化
アンチモンの表面と五酸化アンチモンコロイドで被覆し
ているので従来の三酸化アンチモン難燃剤の欠点を改善
する以下の効果が得られる。
ポリエチレンテレフタレート等では樹脂の成形時の解
重合を起こさず、樹脂の主要物性を損なうことがない。
また、硫化汚染に対して非常に安定であり、更に屈折率
の低い五酸化アンチモンにより隠蔽性が低下し、顔料に
よる着色性が良くなる。更に、また本発明の難燃剤で難
燃化したプリント基板上にメッキを行う場合、メッキ液
中に酸化アンチモンが溶出せず、メッキ特性を損なうこ
とがない。
重合を起こさず、樹脂の主要物性を損なうことがない。
また、硫化汚染に対して非常に安定であり、更に屈折率
の低い五酸化アンチモンにより隠蔽性が低下し、顔料に
よる着色性が良くなる。更に、また本発明の難燃剤で難
燃化したプリント基板上にメッキを行う場合、メッキ液
中に酸化アンチモンが溶出せず、メッキ特性を損なうこ
とがない。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
尚、%は特にことわらないかぎり重量%を意味する。
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
尚、%は特にことわらないかぎり重量%を意味する。
実施例1 粒子径が10〜40mμの五酸化アンチモンゾル(表面積7
2m2/g、Sb2O513%、Na2O0.75%、Na2O/Sb2O5モル比0.
3、pH2.2)1020gに三酸化アンチモン(鈴裕化学社製
粒子径1〜2μ表面積0.7m2/g)1340gを添加し、デイス
パーにて1時間攪拌した。
2m2/g、Sb2O513%、Na2O0.75%、Na2O/Sb2O5モル比0.
3、pH2.2)1020gに三酸化アンチモン(鈴裕化学社製
粒子径1〜2μ表面積0.7m2/g)1340gを添加し、デイス
パーにて1時間攪拌した。
このスラリーのpHは2.2で粘度は約2000c.p.であっ
た。このスラリーを80℃に加温し、攪拌しながら2時間
保持した。得られた三酸化アンチモン分散液の粘度は17
5c.p.でpHは2.5であった。この三酸化アンチモン分散液
の酸化アンチモン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は62.1%、Sb2O
356.5%、Sb2O55.6%、Sb2O3とSb2O5の重量比はSb2O5/S
b2O3で9.9%である。この三酸化アンチモン分散液に28
%アンモニア水10.5gを加えpHを10.0に調整した。得ら
れた分散液は粘度が125c.pで、静置により分離傾向を有
するが再分散製は非常に良好であった。この分散液中の
三酸化アンチモンの粒子径は1.7μであった。
た。このスラリーを80℃に加温し、攪拌しながら2時間
保持した。得られた三酸化アンチモン分散液の粘度は17
5c.p.でpHは2.5であった。この三酸化アンチモン分散液
の酸化アンチモン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は62.1%、Sb2O
356.5%、Sb2O55.6%、Sb2O3とSb2O5の重量比はSb2O5/S
b2O3で9.9%である。この三酸化アンチモン分散液に28
%アンモニア水10.5gを加えpHを10.0に調整した。得ら
れた分散液は粘度が125c.pで、静置により分離傾向を有
するが再分散製は非常に良好であった。この分散液中の
三酸化アンチモンの粒子径は1.7μであった。
この三酸化アンチモン分散液(pH2.5、175c.p.)1360
gに10%苛性ソーダ水溶液50gを加え、3時間攪拌した。
得られた分散液はpH8.3、粘度1000c.p.で酸化アンチモ
ン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は61.3%であった。また、Sb2O
5/Sb2O3は比9.9%、Na2O/Sb2O5モル比は0.57であった。
この分散液を酸化アンチモン濃度を50%まで希釈して、
スプレードライで粉体を得た。更に得られた粉体をミキ
サー粉砕をし300℃で乾燥し粉末状の三酸化アンチモン
系難燃剤を得た。
gに10%苛性ソーダ水溶液50gを加え、3時間攪拌した。
得られた分散液はpH8.3、粘度1000c.p.で酸化アンチモ
ン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は61.3%であった。また、Sb2O
5/Sb2O3は比9.9%、Na2O/Sb2O5モル比は0.57であった。
この分散液を酸化アンチモン濃度を50%まで希釈して、
スプレードライで粉体を得た。更に得られた粉体をミキ
サー粉砕をし300℃で乾燥し粉末状の三酸化アンチモン
系難燃剤を得た。
得られた粉体の粒子径は1.7μであった。
実施例2 実施例1で製造した三酸化アンチモン分散液(pH2.
5、175c.p.)1020gに、水150gを加え、これに水酸化バ
リウムBa(OH)8H2O22gを加え50℃で4時間攪拌した。
得られた分散液はpH10.2、粘度1200c.p、酸化アンチモ
ン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は53.4%であった。また、Sb2O
5/Sb2O3比は9.9%、(Na2O+BaO)/Sb2O5モル比は0.69
であった。この分散液を吸引ロ過し、得られたウエット
ケーキを300℃で乾燥し、これをピンデイスクミルにて
粉砕し、粉末状の三酸化アンチモン系難燃剤を得た。
5、175c.p.)1020gに、水150gを加え、これに水酸化バ
リウムBa(OH)8H2O22gを加え50℃で4時間攪拌した。
得られた分散液はpH10.2、粘度1200c.p、酸化アンチモ
ン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は53.4%であった。また、Sb2O
5/Sb2O3比は9.9%、(Na2O+BaO)/Sb2O5モル比は0.69
であった。この分散液を吸引ロ過し、得られたウエット
ケーキを300℃で乾燥し、これをピンデイスクミルにて
粉砕し、粉末状の三酸化アンチモン系難燃剤を得た。
得られた粉体の粒子径は1.5μであった。
実施例3 粒子径が10〜40mμの五酸化アンチモンゾル(表面積7
2m2/g、Sb2O513%、Na2O0.75%、Na2O/Sb2O5モル比0.
3、pH2.2)435gに粒子径が20〜50mμの五酸化アンチモ
ンゾル(表面積63m2/g、Sb2O548.5%、Na2O3.16%、Na2
O/Sb2O5モル比0.34、トリエタノールアミン2.0%、pH5.
4)100gを加え、次いでこれに三酸化アンチモン(三国
製錬社製、粒子径0.36μ、表面積3.2m2/g)575gをデイ
スパーにて攪拌しながら添加し、室温で1.5時間攪拌後
液温を75℃に昇温して更に3時間攪拌した。得られた分
散液のpHは3.95で、粘度は600c.p.であった。静置によ
る分離も少なく非常に安定であった。
2m2/g、Sb2O513%、Na2O0.75%、Na2O/Sb2O5モル比0.
3、pH2.2)435gに粒子径が20〜50mμの五酸化アンチモ
ンゾル(表面積63m2/g、Sb2O548.5%、Na2O3.16%、Na2
O/Sb2O5モル比0.34、トリエタノールアミン2.0%、pH5.
4)100gを加え、次いでこれに三酸化アンチモン(三国
製錬社製、粒子径0.36μ、表面積3.2m2/g)575gをデイ
スパーにて攪拌しながら添加し、室温で1.5時間攪拌後
液温を75℃に昇温して更に3時間攪拌した。得られた分
散液のpHは3.95で、粘度は600c.p.であった。静置によ
る分離も少なく非常に安定であった。
このスラリーのSb2O3とSb2O5の重量比はSb2O5/Sb2O3
で18.3%であり、酸化アンチモン濃度(Sb2O3+Sb2O5)
は61.3%であった。また、Na2O/Sb2O5モル比は0.32であ
った。この三酸化アンチモン分散液中の三酸化アンチモ
ン粒子の径は0.7μであった。
で18.3%であり、酸化アンチモン濃度(Sb2O3+Sb2O5)
は61.3%であった。また、Na2O/Sb2O5モル比は0.32であ
った。この三酸化アンチモン分散液中の三酸化アンチモ
ン粒子の径は0.7μであった。
このようにして製造した三酸化アンチモン分散液(Sb
2O3+Sb2O561.3%、pH3.95、粘度600c.p.)1200gに、水
160gを加え、これに10%苛性ソーダ水溶液92gを加え、
5時間攪拌した。得られた分散液はpH9.8、粘度600c.
p.、で酸化アンチモン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は50.7%で
あった。
2O3+Sb2O561.3%、pH3.95、粘度600c.p.)1200gに、水
160gを加え、これに10%苛性ソーダ水溶液92gを加え、
5時間攪拌した。得られた分散液はpH9.8、粘度600c.
p.、で酸化アンチモン濃度(Sb2O3+Sb2O5)は50.7%で
あった。
また、Sb2O5/Sb2O3比は18.3%、Na2O/Sb2O5モル比は
0.65であった。この分散液を酸化アンチモン濃度を40%
に希釈しスプレードライにかけ粉体を得、更にピンデイ
スクミルにて粉砕した。この粉末を300℃で脱水し、粉
末状の三酸化アンチモン系難燃剤を得た。
0.65であった。この分散液を酸化アンチモン濃度を40%
に希釈しスプレードライにかけ粉体を得、更にピンデイ
スクミルにて粉砕した。この粉末を300℃で脱水し、粉
末状の三酸化アンチモン系難燃剤を得た。
得られた粉体の粒子径は0.7μであった。
比較例1 ナトリウムを含有していない五酸化アンチモンゾル
(Sb2O515%、粒子径10〜30mμ70m2/g、pH1.9)1060gに
三酸化アンチモン(鈴裕化学社製 粒子径1〜2μ表面
積0.7m2/g)1500gを添加し、デイスパーにて1時間攪拌
した。この分散液はpH1.9で粘度は5200c.p.であった。
この分散液は85℃に加温し、攪拌しながら3時間保持し
た。得られた三酸化アンチモンの分散液の粘度は320c.
p.でpH2.2であった。この三酸化アンチモン分散液の酸
化アンチモン濃度は64.8%でSb2O5/Sb2O3比は10.6%で
あった。
(Sb2O515%、粒子径10〜30mμ70m2/g、pH1.9)1060gに
三酸化アンチモン(鈴裕化学社製 粒子径1〜2μ表面
積0.7m2/g)1500gを添加し、デイスパーにて1時間攪拌
した。この分散液はpH1.9で粘度は5200c.p.であった。
この分散液は85℃に加温し、攪拌しながら3時間保持し
た。得られた三酸化アンチモンの分散液の粘度は320c.
p.でpH2.2であった。この三酸化アンチモン分散液の酸
化アンチモン濃度は64.8%でSb2O5/Sb2O3比は10.6%で
あった。
この分散液を酸化アンチモン濃度40%に希釈して、ス
プレードライヤーで乾燥し、得られた粉末をピンデイス
クで粉砕した後300℃で乾燥した。この粉末は黄色を呈
した。粒径は2.5μであった。
プレードライヤーで乾燥し、得られた粉末をピンデイス
クで粉砕した後300℃で乾燥した。この粉末は黄色を呈
した。粒径は2.5μであった。
ポリスチレン樹脂100重量部に、実施例1〜3、比較
例1及び比較のために市販の三酸化アンチモン粉末を表
−1に示すように配合し、高速回転ミキサーで充分混合
した後、射出成型にて3.2mm厚のテストピースを作成
し、得られた難燃樹脂組成物の難燃性(酸素指数、UL−
94)機械的強度を測定した。その結果も併せて表−1に
示す。
例1及び比較のために市販の三酸化アンチモン粉末を表
−1に示すように配合し、高速回転ミキサーで充分混合
した後、射出成型にて3.2mm厚のテストピースを作成
し、得られた難燃樹脂組成物の難燃性(酸素指数、UL−
94)機械的強度を測定した。その結果も併せて表−1に
示す。
〔耐硫化汚染性の評価〕 難燃性の評価の時と同様に難燃剤を、表−2に示す成
分ように塩化ビニル樹脂に配合し、該組成物を160℃の
2本ロールで5分間混練し、次いで210℃のオーブン中
で90分間発泡させた後、シート状とし、このシートより
3×5cmの試験片をとり、この試験片を飽和硫化水素ガ
ス中に常温で30分間放置した後、試験片の変色程度を目
視にて判定した。結果を表−3に示す。
分ように塩化ビニル樹脂に配合し、該組成物を160℃の
2本ロールで5分間混練し、次いで210℃のオーブン中
で90分間発泡させた後、シート状とし、このシートより
3×5cmの試験片をとり、この試験片を飽和硫化水素ガ
ス中に常温で30分間放置した後、試験片の変色程度を目
視にて判定した。結果を表−3に示す。
表−2 塩化ビニル樹脂 100重量部 ジオクチルフタレート 60重量部 炭酸カルシウム 40重量部 酸化チタン 10重量部 アゾジカーボンアマイド 4重量部 SL−32P 3重量部 (日産フェロ社製:Ba/Zn系安定剤) 難燃剤 7重量部
Claims (8)
- 【請求項1】三酸化アンチモン粉末の難燃剤において、
三酸化アンチモンの粒子表面が五酸化アンチモンのコロ
イド粒子で被覆され、且つ該五酸化アンチモンのコロイ
ド粒子が塩基製物質で処理されていることを特徴とする
三酸化アンチモン系難燃剤。 - 【請求項2】五酸化アンチモンのコロイド粒子の被覆量
が、三酸化アンチモンに対し少なくとも5重量%である
特許請求の範囲第1項記載の三酸化アンチモン系難燃
剤。 - 【請求項3】五酸化アンチモンのコロイド粒子の被覆量
が、三酸化アンチモンに対して7〜30重量%である特許
請求の範囲第2項に記載の三酸化アンチモン系難燃剤。 - 【請求項4】塩基性物質がアルカリ金属の水酸化物(MO
H)および/またはアルカリ土類金属の水酸化物(M′
(OH)2)であり、酸化物換算で五酸化アンチモンに対
して、(M2O+M′O)/Sb2O5モル比で0.5〜1である特
許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の三
酸化アンチモン系難燃剤。 - 【請求項5】酸性の五酸化アンチモンゾルと三酸化アン
チモンの粉末を混合し、反応させて三酸化アンチモンの
粒子表面を五酸化アンチモンのコロイド粒子で被覆した
三酸化アンチモンの分散液を得、該分散液に塩基性物質
を添加してpHを7〜10に調整した後、pHを調整した分散
液を乾燥、粉砕して粉末とすることを特徴とする三酸化
アンチモン系難燃剤の製造方法。 - 【請求項6】分散液中の五酸化アンチモンと三酸化アン
チモンの合計量が分散液中で20〜80重量%、且つ三酸化
アンチモンに対して五酸化アンチモンが少なくとも5重
量%である特許請求の範囲第5項に記載の酸化アンチモ
ン系難燃剤の製造方法。 - 【請求項7】五酸化アンチモンの量が三酸化アンチモン
に対して7〜50重量%である特許請求の範囲第6項に記
載の酸化アンチモン系難燃剤の製造方法。 - 【請求項8】塩基性物質がアルカリ金属の水酸化物およ
び/またはアルカリ土類金属の水酸化物である特許請求
の範囲第6項または第7項に記載の酸化アンチモン系難
燃剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10759587A JPH0813968B2 (ja) | 1987-04-30 | 1987-04-30 | 三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10759587A JPH0813968B2 (ja) | 1987-04-30 | 1987-04-30 | 三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63273691A JPS63273691A (ja) | 1988-11-10 |
JPH0813968B2 true JPH0813968B2 (ja) | 1996-02-14 |
Family
ID=14463141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10759587A Expired - Lifetime JPH0813968B2 (ja) | 1987-04-30 | 1987-04-30 | 三酸化アンチモン系難燃剤およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813968B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1630252A1 (de) * | 2004-08-27 | 2006-03-01 | ATOTECH Deutschland GmbH | Verfahren zur beschichtung von Substraten enthaltend Antimonverbindungen mit Zinn und Zinnlegierungen |
-
1987
- 1987-04-30 JP JP10759587A patent/JPH0813968B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63273691A (ja) | 1988-11-10 |
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