JPH08139327A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH08139327A
JPH08139327A JP7258132A JP25813295A JPH08139327A JP H08139327 A JPH08139327 A JP H08139327A JP 7258132 A JP7258132 A JP 7258132A JP 25813295 A JP25813295 A JP 25813295A JP H08139327 A JPH08139327 A JP H08139327A
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gate
gate electrode
less
transistor
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JP7258132A
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English (en)
Inventor
Hisayo Momose
瀬 寿 代 百
Hiroshi Iwai
井 洋 岩
Masanobu Saito
藤 雅 伸 斎
Tatsuya Oguro
黒 達 也 大
Tamashiro Ono
野 瑞 城 小
Takashi Yoshitomi
富 崇 吉
Shinichi Nakamura
村 新 一 中
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 MIS型FETの駆動力向上。 【解決手段】 p型基板1上に絶縁膜3を介してゲート
電極2が形成される。基板1のゲート電極2直下のチャ
ネル形成領域4両側にはn型ソース/ドレイン領域5,
6が形成される。絶縁膜3はToxが2.5nm未満とさ
れ、ゲート電極2の長さLg は0.3μm以下となる。
また、FETは電源電圧が1.5V以下の回路で使用す
るのが望ましい。 【効果】 駆動電力I及びコンダクタンスgmが向上
し、トンネル電流Id2を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に関するも
ので、特に低電源電圧下での使用に適した微細、高性能
MOS型トランジスタに係わる。
【0002】
【従来の技術】MOS型トランジスタは、特に、MOS
FETの集積化技術の向上に伴い、ゲート長0.5μm
以下の領域の検討が各所で進められている。1974年
にはデナード(R.L.Dennard )氏らによりMOSFET
の微細化のためのいわゆるスケーリング則が提唱されて
いる。これは、素子のある構成要素(例えば、チャネル
長)のサイズを縮小する場合、その他の構成要素も同じ
比率で縮小することによって、トランジスタとしての動
作特性を確保するという法則である。基本的に1970
年代から90年代初めにかけて続いてきたMOSLSI
の高集積化は、この法則を基本にして実現されてきた。
【0003】しかし、より微細化が進み、各種の構成要
素においても“物理的限界値”と言われるような限界値
が近付き、その値を越えての縮小化は困難になりつつあ
る。例えば、ゲート絶縁膜厚は3〜4nm程度が薄膜化
の限界と一般には言われており、この膜厚以下では、ゲ
ート電極とソース/ドレイン電極間のトンネリング電流
が増大し、トランジスタとしての正常動作は実現できな
いことが知られている。
【0004】そこで、ゲート絶縁膜は3nm程度に固定
し、その他の構成要素の縮小を考えるという手法が19
93年フィエナ(Fiena)らにより提案されている(著者
C.Fiegna,H.Iwai,T.Wada,T.Saito,E.Sangiorgio, and
B.Ricco;論文名A new scaling methodology for the
0.1-0.025 um MOSFET,'Dig.of Tech. Papers,VLSISym
p.;出典Technol.,Kyoto,pp.33-34,1993.)。その手法に
より同年小野(Ono)らにより0.04μmゲート長のト
ランジスタが実現されるに至っている(著者M.Ono,M.Sa
ito,T.Yoshitomi,C.Fiegna,T.Ohguro,and H.Iwai;論文
名Sub-50 nm gate length n-MOSFETs with 10 nm phosp
horus source and drain junction ;出典IEDMTech.Di
g.,pp.119-122,1993)。
【0005】ゲート絶縁膜厚3nmかつゲート長0.0
4μmのトランジスタは次のように製造される。まず、
p型シリコン基板上に、LOCOS( Local Oxidation
ofSilicon )法により、素子領域と、素子分離領域を
形成した後、所望の閾値電圧が得られるようにチャネル
形成領域にp型不純物(例えばB(ボロン))を導入す
る。
【0006】その後、ゲート酸化膜としてシリコン基板
表面に3nmの酸化膜を例えばDryO2 雰囲気中で8
00℃、10分の酸化により形成する。その後、P(リ
ン)含有条件で例えばポリシリコンを100nm堆積し
た後、レジストを塗布してパターニングでゲート電極を
所望の長さに加工する。ソース/ドレイン形成領域への
n型不純物の導入は、ゲート電極側壁部に残したPSG
膜(P(リン)含有シリコン酸化膜)からのPの固相拡
散により形成する。金属配線部と良好に接続をとるこ
と、及びトランジスタの短チャネル効果に影響しない部
分の拡散層を低抵抗にする目的で、この後、n型不純物
をイオン注入法で例えば、5×1015cm-2導入する。こ
のときの不純物拡散及び活性化のためのアニールは例え
ば1000℃、10秒という条件とする。その後、コン
タクト部を開孔し、金属配線を施す。
【0007】このように製造したトランジスタは、ゲー
ト側壁部下のソース/ドレイン拡散層のシート抵抗(ρ
s)が6.2kΩ/□、拡散長(つまり、ソース/ドレ
イン領域の深さ)はSIMS分析の結果10nmであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトランジスタは、ソース/ドレイン領域が浅いこと
によってその寄生抵抗が相対的に大きくなる。そのた
め、ゲート長縮小に相応する駆動力の向上が得られなか
った。
【0009】本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、駆動力
が向上したMOS型半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
第一導電型の半導体基板と、該半導体基板上に絶縁膜を
介して形成されたゲート電極と、該半導体基板のゲート
電極直下に位置するチャネル形成領域の両側に形成され
た第二導電型のソース/ドレイン領域とを備え、前記絶
縁膜の厚さが2.5μm未満、好ましくは2.0nm以
下、前記ゲート電極のゲート長が0.3μm以下である
ことを特徴とする。また、この半導体装置は、電源電圧
が1.5V以下の回路で使用されるとより望ましい特性
が得られる。さらに、ゲート電極に金属/シリコン層か
らなるショートキーダイオードを接続することが望まし
い。
【0011】
【作用】本発明によると、ゲート絶縁膜を2.5nm未
満にすることにより、図3に示すようにホットキャリア
ストレス下での信頼性が大幅に向上する。また、2nm
以下にすれば一層向上する。また、図4に示すように、
チャネル長を0.3μm以下にすることにより、ゲート
電流が大幅に減少し、良好なトランジスタ特性を持つよ
うになる。したがって、本発明のゲート長0.3μm以
下かつゲート絶縁膜厚2.5nm未満にすると、良好な
トランジスタ動作をし、かつホットキャリア信頼性に強
いトランジスタが実現できた。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1(a)は本発明の一実施例に係るM
OS型トランジスタの構造を示すものである。この図に
おいて、1は第一導電型(例えば、p型)の半導体基板
であり、この基板1上には酸化膜3を介してゲート電極
2が形成されている。基板1におけるゲート電極2直下
のチャネル形成領域4各側にはソース領域5及びドレイ
ン領域6となる第一導電型とは逆導電型(例えば、n+
型)高濃度拡散層が形成されている。ゲート電極2には
電源7、ドレイン領域6には電源8がそれぞれ接続され
て使用されるものである。ゲート電極2のチャネル形成
領域4の長さ方向の寸法となるゲート長Lg は0.3μ
m以下とされ、ゲート絶縁膜3の厚さToxは2.5nm
未満とされる。本発明のゲート長Lg のトランジスタは
コンダクタンスgm の向上を図ると同時に、ドレイン領
域6に流れ込むべき電流Id1,Id2のうちゲートへ流れ
込むトンネル電流Id2を減少させたものとなる。
【0013】図1(b)に本発明の実施例の代表的な構
造図及び各部の寸法を示す。ゲート電極のゲート長(L
g)は0.09μm、ゲート絶縁膜厚(Tox)は1.5n
m、ソース/ドレイン間の実効チャネル長(Leff)は
0.05μm、チャネル近傍の拡散深さ(Xj)はソー
ス、ドレインの他の領域に比べて浅く、30nmであ
る。この実施例ではこのチャネル近傍の拡散層は、ゲー
ト側壁に形成されたPSG膜から固相拡散により形成さ
れており、いわゆるSPDD(Solid Phase DiffusedDr
ain)構造のMOSトランジスタとなっている。
【0014】ここで本発明トランジスタの主要部の製造
法についてまず説明する。ゲート酸化膜は、従来法によ
り半導体基板1上に素子領域及び素子分離領域を形成し
た後、急速ランプ加熱法にて800℃、10秒の条件で
酸化を行う。これにより、1.5nmという上記条件に
適合した膜厚のゲート絶縁膜3を形成することができ
た。また、850℃10秒の条件でゲート絶縁膜1.8
nmが形成できた。900℃ 5秒の条件でゲート絶縁
膜2.0nmのものが形成できた。温度及び時間を選択
することにより、2.5nm未満の所望の膜厚のゲート
絶縁膜を形成することができた。その後、リン含有ポリ
シリコン膜を約100nm堆積後、異方性エッチングに
よりパターニングし、所望のゲート長Lg のゲート電極
を形成する。
【0015】HF処理を施した後、PSG膜(リン含有
シリコン酸化膜)からの固相拡散により30nm拡散長
のソース/ドレイン領域5,6が形成できた。図2はそ
のときの不純物濃度プロファイルを示すものである。そ
して、このような拡散層のシート抵抗ρsは1.4kΩ
/□にすることができた。なお、HF処理を施さない場
合には6.2kΩ/□であった。
【0016】以降の工程は従来例と同様の方法にて作製
する。上述した方法によりゲート長は最小のもので0.
06μmが実現され、10μm以下0.06μmまで、
所望のサイズのゲート長のトランジスタが作製できた。
また、ゲート酸化膜は厚さ1.5nmをはじめ、2.5
nm未満の所望の膜厚のものが実現された。なお、この
ゲート長及びゲート絶縁膜厚の値は透過型電子顕微鏡:
TEM(TransmissionElectron Microscope)観察によ
り確認することができる。
【0017】以上のように形成したMIS型FETにつ
いて各種特性評価を行った結果を以下に説明する。
【0018】図3はホットキャリアストレス(Vd=
2.5V、Isubmax 条件)でのトランスコンダクタンス
劣化のゲート酸化膜厚依存性を示している。この図に示
すように、ゲート酸化膜厚が2.5mm未満の場合には
相互コンダクタンスgmの劣化は、トンネル電流が生ず
る限界値と従来称されてきた3nmの場合の劣化量の1
/2になり、トランジスタの寿命が2倍以上向上するた
め、2.5nm未満で使用されることが望ましい。
【0019】さらに、2.0nm以下で使用されれば、
トランジスタの寿命は3倍以上向上する。したがって、
2.0nmで使用されればさらに望ましい。ゲート酸化
膜3の厚さToxが2nm以下の場合にはゲート長Lg =
0.10μmで10%以下、ゲート長Lg =0.14μ
mmで6%以下で落着くが、2.5nmより大きくなる
と急激な劣化が見られた。
【0020】図4はトンネル電流Ig のゲート長Lg 依
存性を示すものである。この図において、ゲート長Lg
0.3μm以下の場合、ゲート幅W=10μmで酸化膜
厚Tox=1.5nmで0.5μA未満、酸化膜厚Tox=
1.8nmでは0.1未満に安定した。これに対し、ゲ
ート長Lg =0.3μmを越えると急激なゲート電流の
増大が見られた。
【0021】図5はドレイン電流Id0のゲート長Lg 依
存性を示すものである。この図においては、Tox=1.
5nm,xj =30nmの場合(本発明)、Tox=1.
8nm,xj =30nmの場合(本発明)、Tox=3.
0nm,xj =12nmの場合(従来例)についてそれ
ぞれ示している。この図に示すように、従来のものに比
べて駆動力が約2倍に向上していることがわかる。
【0022】図6はトンネル電流Ig のゲート長Lg 依
存性、図7はコンダクタンスgmのゲート長Lg 依存
性、をそれぞれ示すものである。これらの図において
は、ゲート酸化膜厚Tox=1.5nm,拡散長xj =3
0nmの場合(本発明)、Tox=1.8nm,拡散長x
j =30nmの場合(本発明)、Tox=3.0nm,拡
散長xj =12nmの場合(従来技術)についてぞれぞ
れ示している。これらの図から明らかなように本発明の
トランジスタは、同一ゲート長の従来のトランジスタと
比べて1.5〜2倍良好な駆動力及びトランスコンダク
タンスが得られていることが解る。さらに、このときの
ゲート電流はLgが0.3μm以下で駆動力に比べ10
4 以下(4桁小さい)になり、動作上問題ないことが確
認された。
【0023】図8は基板電流Isub のゲート長Lg 依存
性、図9は基板電流インパクトイオン化率のゲート長L
g 依存性について示すもので、これらはそれぞれトラン
ジスタの信頼性に関する一つの指標となるものである。
特に基板電流Isub については図8(b)において更に
ゲート長Lg をパラメータとし、Vg −Isub 特性とし
て表した。ここでは、ゲート酸化膜厚Tox=1.5n
m,拡散長xj =30nmの場合(本発明)、Tox=
1.8nm,拡散長xj =30nmの場合(本発明)、
Tox=3.0nm,拡散長xj =12nmの場合(従
来)についてぞれぞれ示している。本発明のトランジス
タは、従来のトランジスタに比べ基板電流、インパクト
イオン化率は大きい。
【0024】図17はトランスコンダクタンスgmの劣
化(ストレス時間に対するトランスコンダクタンスの劣
化)特性を示すものである。ここでは、従来のトランジ
スタとして、酸化膜厚Tox=3.0nm、拡散長xj =
12nm、ゲート長Lg =0.10μmのものと、酸化
膜厚Tox及び拡散長xj は同サイズでゲート長Lg =
0.17μmのものとを対象とし、本発明のトランジス
タとしては、酸化膜厚Tox=1.5nm、拡散長xj =
30nm、ゲート長Lg =0.09μmのものと、酸化
膜厚Tox及び拡散長xj は同サイズでゲート長Lg =
0.14μmのものとを対象として試験を行った結果を
示している。従来のトランジスタと本発明のトランジス
タはおおむね同程度の時間依存性を有しているが、本発
明のトランジスタはΔgm /gm の値自体が低く、gm
の劣化特性の向上が確認された。
【0025】図16はキャリア移動度の実効電界依存性
を示すもので、これもトランジスタの信頼性の指標とな
るものである。Y.Toyoshima,H.Iwai,F.Matusoka,H.Haya
shida,K,Maeguchi,and K.Kanzaki,'Analysis on gate-o
xidethickness dependence of hot-carrior-induceddeg
radation in thin-gate oxide nMOSFETs,'IEEETrans.El
ectron Devices,vol.37,No.6,pp.1496-1503,1990. )キ
ャリア移動度(1/μeff )を決定する要因としては、
表面ラフネス散乱(1/μsr)、フォノン散乱(1/μ
ph)、クーロン散乱(1/μc)があり、全体の移動度
(1/μeff )は、 ln(1/μeff )=ln((1/μc )+(1/μs
r)+(1/μph)) で表される。グラフ中の破線は各要因によるキャリア移
動度を示し、実線はそれらを総合したキャリア移動度を
示している。
【0026】これは、図17において、本発明のトラン
ジスタが従来発明のトランジスタに比べてホットキャリ
ア信頼性に優れていたのは、即ち劣化量(Δgm /gm
)が小さかったのは、図12に示すように、ホットキ
ャリアストレスによって生じた界面準位の増大が、モビ
リティの劣化による駆動力の低下を引き起こす効果が、
ゲート酸化膜厚が薄くなるほど見えにくくなることによ
る。酸化膜厚の薄い場合には、チャネルの縦方向の電界
が非常に強いため、モビリティは、表面ラフネス散乱に
主に支配され、界面準位によるクーロン散乱の影響は、
モビリティに現れにくくなる。
【0027】したがって、薄膜ゲート酸化膜MOSFE
Tの場合、基板電流、インパクトイオン化率が大きいに
もかかわらず、ストレス後の劣化の少ない良好な信頼性
のトランジスタになったことが解る。
【0028】図10は電流Ig ,Id の電源電圧Vd =
Vg 依存性を示すものである。ここでは、酸化膜厚Tox
=1.5nm、ゲート長Lg =0.14μm、拡散長x
j =30nmの場合を示している。本発明のトランジス
タは、さらに、2.0V以下ではIg/Idの比は、1
×10-4以下となり、動作上問題ないことがわかる。ま
た、1.5V以下では、上記の比は6×10-5程度以下
となり、さらに高信頼性のトランジスタが実現できた。
【0029】図11はドレイン電流Id のゲート電圧V
g 依存性を示すものである。これは図10に示す特性を
持つトランジスタと同じトランジスタについて測定した
ものである。本発明のトランジスタは低電圧下において
も従来報告例に比べ3〜5倍(1/μph)、クーロン散
乱(1/μc)があり、全体の移動度(1/μeff )
は、 ln(1/μeff )=ln((1/μc )+(1/μs
r)+(1/μph)) で表される。グラフ中の破線は各要因によるキャリア移
動度を示し、実線はそれらを総合したキャリア移動度を
示している。
【0030】これは、図17において、本発明のトラン
ジスタが従来発明のトランジスタに比べてホットキャリ
ア信頼性に優れていたのは、即ち劣化量(Δgm /gm
)が小さかったのは、図12に示すように、ホットキ
ャリアストレスによって生じた界面準位の増大が、モビ
リティの劣化による駆動力の低下を引き起こす効果が、
ゲート酸化膜厚が薄くなるほど見えにくくなることによ
る。酸化膜厚の薄い場合には、チャネルの縦方向の電界
が非常に強いため、モビリティは、表面ラフネス散乱に
主に支配され、界面準位によるクーロン散乱の影響は、
モビリティに現れにくくなる。
【0031】したがって、薄膜ゲート酸化膜MOSFE
Tの場合、基板電流、インパクトイオン化率が大きいに
もかかわらず、ストレス後の劣化の少ない良好な信頼性
のトランジスタになったことが解る。
【0032】図10は電流Ig ,Id の電源電圧Vd =
Vg 依存性を示すものである。ここでは、酸化膜厚Tox
=1.5nm、ゲート長Lg =0.14μm、拡散長x
j =30nmの場合を示している。本発明のトランジス
タは、さらに、2.0V以下ではIg/Idの比は、1
×10-4以下となり、動作上問題ないことがわかる。ま
た、1.5V以下では、上記の比は6×10-5程度以下
となり、さらに高信頼性のトランジスタが実現できた。
【0033】図11はドレイン電流Id のゲート電圧V
g 依存性を示すものである。これは図10に示す特性を
持つトランジスタと同じトランジスタについて測定した
ものである。本発明のトランジスタは低電圧下において
も従来報告例に比べ3〜5倍良好な駆動力が得られてい
ることが確認された。
【0034】図12はIg /Id のドレイン電圧Vd 依
存性を示すものである。この図に示すように、ドレイン
電圧Vd が1.5V以下で6.0×10-5以下の良好な
値が得られた。これに対し、ドレイン電圧Vd が1.5
Vを越えると急激にトンネル電流Ig が増加し、特性が
劣化していることがわかる。
【0035】したがって、1.5V以下の回路で使用さ
れれば、本発明のトランジスタは良好な特性を持つこと
が解る。
【0036】また、本発明のトランジスタは1.2V以
下の回路で使用された場合、チャネル電流に対するゲー
ト電流Ig /Id は1.5V電源時に比べ約25%低減
し、性能が著しく向上する。図10において、Ig /I
d の値は1.5Vで約6×10-5に対して1.2Vに下
げれば、4.5×10-5に低減する。ゲート電流Igの
値も約50%低減した。
【0037】しかし、トランジスタの性能である相互コ
ンダクタンスの値は、図21に示すように1.5V
1.010ms/mmに対し、1.2Vに電圧を下げて
も995ms/mmの値を持ち、1.5%の低下に留ま
る。したがって、1.2V以下の回路で使用されれば、
1.5V電源時に比べ25%のIg /Id の向上によ
り、さらに性能が飛躍的に向上する。
【0038】また、本発明のトランジスタは、0.5V
以下の回路で使用されれば、図10に示すように、ゲー
トリーク電流が1.5V動作時に比べ、1/20以下に
低減することが解る。また、チャネル電流に対するゲー
ト電流も約80%低減する。したがって、0.5V以下
の回路にて本発明のトランジスタが使用されれば、さら
に低消費電力で高性能のトランジスタが実現される。
【0039】図13はId −Vd 特性のゲート長依存
性、図14はコンダクタンスgmのゲート長依存性を示
すものである。ここでは、ゲート長Lg が10μm
(a)、0.14μm(b)、0.09μm(c)のと
きのId−Vd特性、gmサブスレッショルド特性をそ
れぞれ示している。ゲート長10μmの従来のトランジ
スタに見られる顕著なゲートリーク電流が本発明の微細
デバイスにおいては抑制され、しかもLg=0.09μ
mで、gm=1010mS/mmという高性能が得られ
ていることがわかる。
【0040】図15は電源電圧0.5V以下でのトラン
ジスタ特性を示すものである。このときの電源電圧は
0.5Vである。主要な特性について本発明及び従来の
トランジスタの特性を対比して示す。同図(a)は本発
明のトランジスタ特性、(b)は従来のトランジスタ特
性であって、それぞれについて、駆動力(Id −Vd 特
性、サブスレッショルド特性、(log Id −Vg )、ト
ランスコンダクタンス(gm −Vg )特性を示してい
る。この図から明らかなように、本発明のトランジスタ
は従来のものよりも小さな電源電圧で大きなドレイン電
流Id が流れ、またコンダクタンスgm も大きな値が得
られており、総合的に特性が向上している。本発明のト
ランジスタは、その0.5Vという低い電源電圧におい
ても746mS/mmという優れたトランスコンダクタ
ンスが得られている。
【0041】図20はゲート長0.09μm、ゲート酸
化膜厚1.5nmのときの本発明のトランジスタの相互
コンダクタンスの電源電圧依存性である。0.5V動作
においても860ms/mmの非常に優れた相互コンダ
クタンスが得られている。
【0042】図21、22は本発明のトランジスタの相
互コンダクタンス及び電流駆動力の電源電圧依存性を
0.4μmゲート長の従来トランジスタと比較したもの
である。0.4μmトランジスタのゲート膜厚は9nm
である。
【0043】現在汎用の150MHzで動作するマイク
ロプロセッサでは、約0.4μmのゲート長のMOSF
ETが用いられており、このFETの場合、3.3V電
源下で、200mS/mm程度のトランスコンダクタン
スを持っている。よって、配線容量や抵抗が低減しない
と、当然高速化は図れないが、素子のトランスコンダク
タンスからの類推でいくと、今回実現した高駆動力のM
OSFETは、現状の3.3V動作のトランジスタに比
べ、1.5の低電圧下で、約5.7倍の高速化の可能性
を持っていることになる。0.5Vの低電圧動作におい
ても、860mS/mmのトランスコンダクタンスを有
することから、現在の3.3V動作に比べ、消費電力が
約1/9になり、トランスコンダクタンスの比から5倍
の高速化の可能性がある。
【0044】現在、商品化されているLSI(例えばM
PUマイクロプロセッサ等)は、3.3Vの電源電圧
で、200MHzのクロック周波数で動作している。
【0045】本発明のトランジスタは、低い電源電圧
(例えば1.5Vあるいは0.5V)においても高い電
流駆動力を持つ。したがって電源の低電圧化による低電
源電圧化(注:消費電力(P)は、電圧(V)の2乗に
比例するため、低消費電力動作には、電源電圧を下げる
ことが有効である。しかし、一般には、電圧の低下は、
トランジスタの電流駆動力の減少をもたらし、LSIと
しては、動作速度の低下をまねく。)においてはも、L
SI動作の一層の高速化が可能である。
【0046】LSIの消費電力は次の式で表現すること
ができる。 P=kfcVdd 2 +(Ils+Ilg)Vdd ここで、 P:消費電力 f:クロック周波数 c:容量 Vdd:電源電圧 Ils:サブスレショルド特性できまるリーク電流 Ilg:ゲートリーク電流 この式において、第一項 kfcVdd 2 は、電荷の蓄積
および消去(charge−discharge )によって消費される
電力であり、第二項(Ils+Ilg)は、トランジスタの
リーク電流成分によって消費される電力である。尚、ク
ロック周波数fは、トランジスタの電流駆動力Iによっ
て決まる値である。
【0047】電荷蓄積時間tは、 t=Q/I=CV/Iであり、f=I/CV で示すことができる。
【0048】ここで、チップあたりの消費電力を10
W、チップ用トランジスタ数を3×106 個として、本
発明のトランジスタ及び従来構造のトランジスタの消費
電力及びクロック周波数の関係を示す(図25)。
【0049】ここで各トランジスタのしきい値電圧の設
計は、しきい電圧1μA/μmとして3.3V電源で
0.6V、2.0V電源で0.4V、1.5V電源で
0.3V、1.0V電源で0.2V、0.5V電源で
0.15V、0.3V電源で0.1Vとした。
【0050】消費電力(P)とクロック周波数(f)の
関係は、電荷の蓄積、消去で決まる領域及びリーク電流
で決まる領域に分けることができる。
【0051】そして、図25(b)に示すように、リー
ク電流のうち、サブスレショルド特性で決まる成分は、
各々のしきい値電圧から、値1.5V電源電圧では、し
きい値電圧0.3Vであり、リーク電流による消費電力
は、4.5mWである。同様に、 1.0V電源電圧で 30mW、 0.5V電源電圧で 45mW、 0.3V電源電圧で 100mW である。
【0052】一方、本発明のトンネルゲート酸化膜を用
いた場合(Lg =0.14μm、Tox=1.5nm)の
リーク電流は、1.5V電源で、6×10-8A/μmで
あり、1個あたりのトランジスタのゲート幅を10μ
m、トランジスタ数を3×10 6 個のとき、リーク電流
による消費電力成分は、2.7Wとなる。
【0053】それぞれの場合についてまとめると、ゲー
ト酸化膜厚1.5nmで Lg =0.14μmのとき、 1.5V電源電圧で 2.7W、 1.0V電源電圧で 600mW、 0.5V電源電圧で 45mW、 0.3V電源電圧で 6.3mW Lg =0.09μmのとき、 1.5V電源電圧で 540mW、 1.0V電源電圧で 120mW、 0.5V電源電圧で 9mW、 0.3V電源電圧で 1.3mW である。
【0054】一方図25(a)に示すように、電荷の蓄
積、消去によって決まる消費電力は、通常のLg =0.
4μm、Tox=9nmのトランジスタの3.3V動作を
基準にすると、このトランジスタの駆動は0.40mA
/μmである。
【0055】本発明のトランジスタは、Lg =0.14
μm、Tox=1.5nmのトランジスタでは、1.5V
電源で消費電力は、1.2倍、クロック周波数は5.7
倍である。0.5V動作では、消費電力は、0.047
倍、クロック周波数は2.1倍である。
【0056】また、Lg =0.09μm、Tox=1.5
nmのトランジスタでは、1.5V動作で1.8倍の消
費電力、8.6倍のクロック周波数になる。0.5V動
作で0.11倍の消費電力、4.9倍のクロック周波数
になる。
【0057】また、上述のゲートリーク電流成分は、電
荷の蓄積消去によって消費される本質的な消費電力成分
に比べ約1桁小さく問題にならない。
【0058】したがって、図26に示すように、200
MHz、3.3V動作のLSIに比べ、本発明のトラン
ジスタでは、1.3V動作では、同じ消費電力で5倍の
高周波動作(約1000MHz)0.5V動作では1/
9の低消費電力化で5倍の高クロック動作が可能であ
る。
【0059】また、200MHzで動作させるならば、
0.3Vまで電源電圧を下げ、消費電力を1/100の
100mW以下にすることができる。
【0060】また、本トランジスタは、低電圧下でも高
い相互コンダクタンスを持ち、高い電流駆動能力を持っ
たため(1.5Vで1,010mS/mm、0.5Vで
860mS/mm、従来は3.3Vで200mS/mm
程度)、現行の5倍程度の高周波アナログ動作が低電圧
下で可能となる。
【0061】例えば、1〜数10GHz動作の通信用の
高周波アナログICは、主にバイポーラやGaAsなど
のトランジスタを用いているが、これを本発明のCMO
Sで置き換えることが可能になる。
【0062】LSIの高集積化、高速化を達成するため
に、MOS型トランジスタの微細化が、従来より行われ
てきている。もちろん高速化のためには、配線の低容量
化、低抵抗化や、素子の寄生容量や寄生抵抗の低減化が
重要であるが、素子自身の微細化も高駆動力化の大きな
カギになる。今後、低消費電力化のために、より低電圧
下でのデバイスの利用が求められているが、いかに低電
圧下で高駆動力のトランジスタを形成するかが、重要な
課題となる。
【0063】また、通常は、例えば文献(著者G.G.
Shahidi ,J.Warnock,A.Acovic,P.Agnello,C.Blair,C.Bu
celot,A.Burghartz,E.Crabbe,J.Cressler,P.Coane,J.Co
mfort,B.Davarl,S.Fischer,E.Ganin,S.Gittleman,J.Kel
ler,K.Jenkins,D.Klans,K.Kiewtniak,T.Lu,P.A.McFarla
nd,T.Ning,M.Polcari,S.Subbana,J.Y.Sun,D.Sunderlan
d,A.C.Warren,C.Wong;論文名A HIGH PERFORMANCE 0.15
μm CMOS ;出典Dig.of Tech. Papers,VLSI Symp. on
Tech.,Kyoto,PP.93-94,1993=以下文献[a]という)
に示されるように、通常、1.8V電源では、0.05
μmチャネル長(ゲート長0.10μmと推定)のnM
OSは480mS/mm以下、0.06μmチャネル長
(ゲート長0.14μmと推定)のpMOSは250m
S/mm以下の相互コンダクタンスgmが得られている
にすぎない。したがって、この文献[a]のトランジス
タでは1.5V電源においても、せいぜい上述の480
mS/mm,250mS/mmの値が得られるにすぎな
い。一方、文献(著者Y.Taur,S.Wind,Y.J.Mii,Y.Lii,D.
Moy,K.A.Jenkins,C.L.Chen,P.J.Coane,D.Klaus,J.Bucch
ignano,M.Rosenfield,M.G.R.Thomson,and M.Polcari ;
論文名 High Performance 0.1μmCMOS Device with
1.5V Power Supply;出典 IEDM Tech.Dig.,pp.127-130,
1993 =以下文献[C]という)に示されるものでは
1.5V電源で0.09μmチャネル長(ゲート長0.
14μmと推定)のnMOSは620mS/mm、0.
11μmチャネル長(ゲート長0.19μmと推定)の
pMOSは290mS/mmの値が得られているにすぎ
ない。また、文献(著者Y.Mii.S.Rishton,Y.Teur,D.Ker
n,T.Lii,K.Lee,K.Jenkins,D.Quinlan,T.Brown Jr.,D.Da
nner,F.Sewell,and M.Polcari ;論文名High Performan
ce 0.1μm nMOSFET's with10ps/stage Delay(85K) at
1.5V Power Supply ;出典Dig. of Tech.Pater,VLSI S
ymp. on Tech.,Kyoto,pp91-92,1993 以下、文献
[D])では電源電圧1.5Vで、0.05μmチャネ
ル長(ゲート長0.10μmと推定)のnMOSで74
0mS/mmの値が得られていることが示されている。
また、例えば、文献(著者Y.Mii,S.Wind,Y.Lii,D.Klau
s,and J.Bucchignano;論文名An Ultra-Low Power 0.1
μm CMOS ;出典Dig. of Tech.Papers,VLSI Symp. on
Tech.,Hawaii,pp.9-10,1994 =以下文献[B]という)
に示されているものは、0.5V電源では0.12μm
チャネル長(ゲート長0.17μmと推定)のnMOS
で340mS/mm,0.12μmチャネル長(ゲート
長0.2μmと推定)のpMOSで140mS/mm以
下の相互コンダクタンスgmが得られているにすぎな
い。また、高性能なpチャネルMOSFETの例として
は、文献(著者Y.Taur,S.Cohen,S.Wind,T.Lii,C.Hsu,D.
Quinlan,C.Chang,D.Buchanan,P.Agnello,Y.Mii,C.Reeve
s,A.Acovic,and V.Kesan;論文名 High Transconducta
nce 0.1 μm pMOSFET:出典IEDM Tech.Dig.,pp.901-90
4,1992=以下文献[E])では、電源電圧1.5Vのと
き、ゲート酸化膜厚3.5nm、実効チャネル長0.0
8μm(ゲート長0.15μmと推定)で400mS/
mm,実効チャネル長0.11μm(ゲート長0.18
μm)で330mS/mmが報告されている。したがっ
て、1.5V以上電源でnMOSが740mS/mm以
上、pMOSが400mS/mm以上、1.2V以上の
電源でnMOSが540mS/mm以上、pMOSが2
45mS/mm以上、0.5V以上の電源でnMOSが
340mS/mm以上、pMOSが140mS/mm以
上の性能を有するためには、トランジスタの構造として
本発明の構成を有することが必要である。
【0064】同様に電流駆動力については、通常は例え
ば文献[B]に示されるように、0.5V電源ではnM
OSは0.052mA/μm、pMOSは0.032m
A/μmに留まっている。また、1.5V電源では文献
[C]に示されるように、nMOSは0.65mA/μ
m,pMOSは0.51mA/μmに留まっている。し
たがって、1.5V以上の電源でnMOSが0.65m
A/μm以上、pMOSが0.51mA/μm以上、
1.2V以上の電源でnMOSが0.47mA/μm以
上、pMOSが0.22mA/μm以上、0.5V以上
の電源でnMOSが0.052mA/μm以上、pMO
Sが0.032mA/μm以上の駆動力を得るには、ト
ランジスタの構造として本発明の構成を有することが必
要である。
【0065】上述の相互コンダクタンス及び電流駆動力
の値はいずれも室温における特性値である。
【0066】したがって、ある電源電圧(VDD)下でn
MOSにおいて、 gm>400VDD+140 pMOSにおいて gm>260VDD+10 となる構造が本発明の特徴となる。単位はVDD(V)、
gm(mS/mm)である。
【0067】また、電流駆動力としては nMOSがId >0.598VDD−0.247 pMOSがId >0.268VDD−0.102 となる構造が本発明の特徴となる。単位はVDD(V)、
Id (mA)である。
【0068】また、これらの値については特にゲート長
の値を記述していないが、いずれも0.1μm近辺の大
きさである。
【0069】MOSFETの駆動力はゲート長を短く
し、チャネルの電界を強くすることにより、電子や正孔
の速度を上げる手法が駆動力向上に有効であることは、
よく知られているが、ゲート長を短くし、チャネル電界
を強くする方法においては、ゲート長が0.1μm、あ
るいは、それ以下で、原理的には、速度飽和(チャネル
の電界がある程度強くなると、それ以上電界が強くなっ
ていても電子や正孔の速度が飽和し向上しないという現
象。)が生じ、高速化が飽和しつつあった。
【0070】微細ゲートのMOSFETとして、昨年、
ゲート長0.04μmの世界最小のnMOSFETを作
製し、その室温動作を報告したが、その電流駆動力は、
0.1μmゲート長のトランジスタと比べて、2〜3割
の向上に留まるものであった。
【0071】したがって、前述した相互コンダクタンス
及び駆動力の値は、従来の方法では実現が困難で、本発
明の構成を持つトランジスタで実現できるものである。
【0072】本発明のトンネリングゲート酸化膜を用い
ない通常のMOSFETにおいては、NチャネルMOS
では、実効チャネル長(Leff )0.05μm、ゲート
酸化膜厚(Tox)3.5nmのデバイスで、1.5V電
源電圧下で、相互コンダクタンス740mS/mm、の
値が、得られている(文献[D])。このトランジスタ
のゲート長(Lg )は、0.10μmと推測できる。こ
の相互コンダクタンスの値は、従来構造の0.1μmゲ
ート長MOSFETの最高性能である。また、上記従来
構造の実効チャネル長0.1μm(ゲート長0.15μ
mと推測)トランジスタでは、相互コンダクタンス62
0mS/mmの値が得られており、これも従来構造の
0.15μmゲート長MOSFETで得られる最高性能
であった。
【0073】本発明のMOSFETの反転層容量は、表
面キャリア濃度の見積りから、約0.5nmのゲート酸
化膜と等価である。
【0074】したがって本発明の2.5nm未満のゲー
ト酸化膜を適用した構造のトランジスタにおいては、
0.1μmゲート長のデバイスにおいて、その相互コン
ダクタンスgmは、 gm>740×(3.5+0.5)/(2.5+0.
5)〜990mS/mm 0.15μmゲート長のデバイスにおいて、 gm>620×(3.5+0.5)/(2.5+0.
5)〜830mS/mm が実現できる。言い換えるならば、0.1μmゲート長
で990mS/mm 0.15μmゲート長で830m
S/mm以上の相互コンダクタンスを得るには、本発明
の基本要素である2.5nm未満のトンネルゲート酸化
膜の適用が必要である。
【0075】また、同時に電流駆動力は、1.5V電源
電圧下で0.65mA/μmが従来の最高性能である
(文献[c])。この値は実効チャネル長Leff =0.
09μmのデバイスでの値である(ゲート長は0.15
μmと推定)。また、この従来トランジスタ構造で、ゲ
ート長0.10μmのデバイスを実現すると、電流駆動
力は0.77mA/μmと推定できる。
【0076】したがって本発明の2.5nm未満のゲー
ト酸化膜を適用した構造のトランジスタにおいては、そ
の電流駆動力Idは0.1μmゲート長のデバイスで Id>0.77×(3.5+0.5)/(2.5+0.
5)〜1.0mA/mm 0.15μmゲート長のデバイスで、 Id>0.65×(3.5+0.5)/(2.5+0.
5)〜0.87mA/mm が実現できる。
【0077】逆に、1.5V電源電圧下で0.1μmゲ
ート長で1.0mA/mm、0.15μmゲート長で
0.87mA/mmの電流駆動力を得るには、本発明の
基本要素である2.5nm未満のトンネル酸化膜の適用
が必須である。
【0078】また、高性能なpチャネルMOSFETの
例としては、文献([E])では、電源電圧1.5Vの
とき、ゲート酸化膜3.5nm、実効チャネル長0.0
8μm(ゲート長0.15μmと推定)で400mS/
mm、0.51mA/μm、実効チャネル長0.11μ
m(ゲート長0.18μm)で330mS/mm、0.
44mA/μmが報告されている。
【0079】nチャネルMOSFETのときと、同様
に、本発明の2.5nm未満のゲート酸化膜を適用した
構造のトランジスタでは、0.15μmゲート長で、5
33mS/mm、0.68mA/μm、0.18μmゲ
ート長で、440mS/mm、0.59mA/μmの高
性能が実現できる。
【0080】それぞれのゲート長のデバイスにおいて、
前記の示した値以上の性能を得るためには、本発明の基
本要素である2.5nm未満のトンネル酸化膜の適用が
必須である。
【0081】したがって、電源電圧Vddと相互コンダク
タンスgmあるいは電流駆動力Idとの関係が、 NMOSで gm>530×Vdd+190 PMOSで gm>350×Vdd+13 NMOSで Id>0.80×Vdd−0.33 PMOSで Id>0.36×Vdd−0.14 (単位はVdd(V)、gm(mS/mm)) を満たすようなトランジスタを実現するためには、本発
明の基本要素である2.5nm未満のゲート酸化膜の適
用が不可欠である。
【0082】以上のように、本発明により従来に比べ駆
動力、信頼性ともに良いトランジスタが実現できた。
【0083】以上はシリコン酸化膜をゲート絶縁膜に用
いる説明してきたが、本発明はそれと同等のゲート容量
を有する絶縁膜、を用いても、同様の効果がある。絶縁
膜としては、例えば、シリコン窒化膜(Si3 N4 )、
シリコン窒化酸化膜(SiOx Ny )シリコン窒化膜と
シリコン酸化膜の積層膜(SiO2 /Si3 N4 ,Si
3 N4 /SiO2 ,SiO2 /Si3 N4 /SiO2 ,
Si3 N4 /SiO2/N4 )あるいはタンタルオキサ
イド(Ta Ox )、チタン酸ストロンチウム膜(TiS
rxOy )それらとシリコン酸化膜、シリコン窒化膜と
の積層膜等がある。これらの絶縁膜のゲート容量がシリ
コン酸化膜換算で、シリコン酸化膜厚2.5nm未満と
同等であれば、本発明の効果が得られる。例えば、図2
7はシリコン窒化膜の比誘電率7.9はシリコン酸化膜
3.9の約2倍であり、シリコン窒化膜を用いる場合
は、膜厚5nm未満の場合において本発明の効果が得ら
れる。前述したいずれの絶縁膜を用いる場合において、
このゲート絶縁膜中をトンネルリーク電流が流れても、
シリコン酸化膜中をトンネル電流が流れる絶縁膜厚でト
ランジスタを構成するという要旨と一致しており、同等
の効果がある。また、上述のシリコン酸化膜2.5nm
未満と同等のゲート容量を有する絶縁膜であれば、トン
ネル電流が流れない絶縁膜を用いることができる。この
場合は消費電力が低減し、さらに低消費電力で高性能な
トランジスタが実現できる。
【0084】例えば、トランジスタ1個あたり、10-8
Aのゲートトンネルリークを持つMOSFETを100
万個集積した場合、10mAの電力が消費される。一
方、トンネル電流が流れないトランジスタを使用した場
合には、この10mAの消費電力が抑えられ、LSIと
しての性能の向上を図ることができる。
【0085】また本発明のトランジスタは、半導体装置
の一部に使用されると、高性能かつ安価な半導体装置が
実現する。
【0086】図18は、半導体装置の一部に本発明のト
ランジスタを使用した半導体装置の概略図である。特に
大電流で駆動することが要求される周辺回路の部分に、
図18(b)に示すように本発明トランジスタを用いる
と良い。このような半導体装置は、次のような製造法で
作製できる。
【0087】従来法により半導体基板上に素子領域及び
素子分離領域を形成したのち、例えば炉酸化法にて80
0℃酸素雰囲気でシリコン表面を酸化し、4nmの第1
のシリコン酸化膜を形成する。その後、本発明トランジ
スタ形成領域のみ前記第1のシリコン酸化膜を除去す
る。その後、急速ランプ加熱法にて所望の膜厚の第2の
シリコン酸化膜を形成する。以降の工程は前述した本発
明のトランジスタの形成方法と同様の工程を経て作製す
る。
【0088】このように作製した半導体装置は、大電流
で駆動されるトランジスタが要求される領域に本発明で
作製した高性能なトランジスタが形成され、全体として
優れた半導体装置になる。従来、例えば高速論理デバイ
スにおいては、図19に示すように周辺回路部分(I/
O部)をバイポーラトランジスタで形成し、内部論理回
路をCMOSトランジスタで形成し、高速化を図った。
【0089】本発明を用いることで、CMOSのプロセ
スのみで作製が可能になり、安価に高性能な素子を実現
することができた。
【0090】また、本発明のトランジスタは、ゲート絶
縁膜が2.5nm未満と非常に薄いため、LSI動作時
において、突発的なゲート電圧の印加、ノイズ等によ
り、過度の即ち電源電圧を超える電圧が印加される状況
が生じた場合、ゲート破壊と称される絶縁破壊を生じ、
MOSFETとして良好な作用ができなくなるという問
題が起こる。
【0091】図29は本発明のトランジスタ9のゲート
に絶縁破壊の保護回路として金属/シリコン層からなる
ショットキーダイオード11を接続した構造を示す。こ
のショットキーダイオードは、本発明のトランジスタ9
よりも耐圧が低いものである。
【0092】ショットキーダイオード9としてはn型シ
リコンあるいはp型シリコンいずれを用いることができ
る。金属としてはAl,W,Ti,Mo,Ni,V,C
o等を主成分とするものを用いることもできる。
【0093】ショットキーダイオードのない構造に比
べ、ノイズ等の過度の電圧が印加された場合において、
ショットキーダイオードが破壊し、過電流を生ずること
により、本発明のトランジスタ9のゲート絶縁膜が破壊
されることを防ぐことができる。即ち、本発明のトラン
ジスタを用いた静電破壊に強い半導体装置が実現でき
る。
【0094】本実施例においては、特にnMOSFET
の例を用いて説明したが、本構造は同様にpMOSFE
Tにも応用ができる。この場合、ゲート側壁部はBSG
(B(ボロン)含有シリコン酸化膜)で形成し、浅いp
型のソース/ドレイン領域を形成すればよい。これは文
献(著者M.Saito,T.Yoshitomi,H.Hara,M.Ono,Y.Akasak
a,H.Nii,S.Matsuda,H.S.Momose,Y.Katsumata,and H.Iwa
i;論文名P-MOSFETs with Ultra-Shallow Solid-Phase-
Diffused Drain Structure Produced by Diffusion fro
m BSG Gate-Sidewall ;出典IEEE Trans.Electron Dev
ices,vol.ED-40,no.12,pp.2264-2272,December,1993)
において報告されている。
【0095】また、上述のように、BSG側壁からの固
相拡散技術でなく、通常のB(ボロン)原子のイオン打
込み法によりソース/ドレイン拡散層を作製しても良
い。
【0096】図24は、イオン打込み法でソース/ドレ
イン拡散層を形成したp型MOSFETの電気的特性で
ある。このときゲート酸化膜厚は1.5nm、ゲート長
は0.2μmである。本発明で作製されたpMOSFE
Tは1.5V電源で0.41mA/μmの電流駆動力、
及び408mS/mmの相互コンダクタンスを有し、文
献(著者Y.Taur,S.Wind,Y.J.Mii,Y.Lii,D.Moy,K.A.Jenk
ins,C.L.Chen,P.J.Coane,D.Klaus,J.Bucchignano,M.G.
R.Thomson,and M.Polcari;論文名“High Performance
0.1μmCMOS Devices with 1.5V Power Supply;出典IED
M Tech. Dig.,pp.127-130,1993)において報告されてい
る0.2μmゲート長pMOSFETの性能値約200
mS/mmを大幅に上回る高い性能を持つ。またこのT
rは、0.5V電源で0.06mA/μmの駆動力と約
350mS/mmの相互コンダクタンスが得られてい
る。
【0097】また、本実施例においては、拡散層深さ3
0nmの例を用いて説明したが、拡散及び活性化のため
のアニール条件を700℃から1,100℃の間で適宜
温度と時間を選択することにより、所望の拡散層深さを
自由に選ぶことができる。
【0098】図23はチャネル電流Id に占めるゲート
電流Ig の比率Ig /Id が酸化膜厚Toxとゲート長L
g でどう変化するか示したものである。比率Ig /Id
が同一になるのは酸化膜厚1.5nmの場合に比べ、2
0%厚い1.8nmの場合では、ゲート長は膜厚1.5
nmのときの1/2まで短くした場合に、同じ量のリー
ク電流を生ずることが解る。
【0099】図12に示すように、Ig /Id が急激に
増大するポイントである6×10-5を限界値として、そ
れ以下の特性となるゲート長Lg 、絶縁膜厚Toxが好ま
しいとすると、下記の式が成立する。限界の6×10-5
Ig /Id 比のあるとき、 Tox(nm)=logLg (μm)+2.02 したがって、ある絶縁膜厚Tox(nm)のときに許容さ
れるゲート長Lg (μm)は、 Lg ≦10(Tox-2.02) LSIの集積度向上のために消費電力となるゲート電流
をさらに低減し、100万個(1M(メガ)bit)の
メモリに応用される場合、LSIとしての消費電力への
影響を10mA程度とする。1個あたりのトランジスタ
のゲート電流として許容されるのは10-8A/μmとす
ると、図6より、この図は10μmゲート幅あたりのゲ
ート電流で記述してあるので、10-8A/μmとなるの
はTox=1.5nmのとき、0.15μm、Tox=1.
8nmのとき0.30μmである。 Tox(nm)=logLg (μm)+2.32 したがって、ある膜厚で許容されるゲート長Lg (μ
m)の値は Lg ≦10(Tox-2.32) であれば、さらに性能が向上し、集積度の高いLSIに
応用できる。
【0100】図27は通常のトンネルゲート酸化膜MO
SFETに用いられる各種厚さToxを有するゲート絶
縁膜についてIg−Vg特性を示すもので、同図(a)
と同図(b)とは横軸(Vg軸)が前者よりも後者を伸
長させたものとしている。これにより、同図(a)は同
図(b)よりも、より多くの種類のゲート絶縁膜につい
て特性を示している。また、同図(b)は同図(a)よ
りもゲート絶縁膜の種類を限定しその限定された種類の
ゲート絶縁膜についての特性を詳細に示している。本特
性は比較的広い面積(110μm×100μm)のMO
Sキャパシタにて測定されたもので、この特性の絶縁膜
をMOSFETに用いる際には図28に示すようにゲー
ト面積の微細化によって本リーク電流は減少することが
知られている。
【0101】図30はトンネルゲート酸化膜をMOSF
ETに適用した場合のゲートリーク電流とゲート長との
関係を示すものである。この図に示すようにMOSFE
Tに用いる場合にはゲート長Lgに応じてリーク電流が
減少することが知られているが、Lgの−1乗よりLg
に対する依存性が大きい。したがって、短いゲート長の
みで回路を構成する場合、長いLgのトランジスタに比
べリーク電流による消費電力の増大を抑制できる。
【0102】図30は本発明のMOSFETを従来のも
のと対比して示すものであり、同図(a)は本発明に係
るMOSFET、同図(b)は従来のMOSFETであ
る。同図(b)に示すゲート長のMOSFET13と同
等の性能を持ち、かつ消費電力の少ない回路を構成する
場合、同図(a)に示すように、微細ゲート長MOSF
ET12を適宜直列に繋げることによって、所望の駆動
力を有する回路を実現することができる。本構成によ
り、従来構造で問題であったリーク電流を十分抑え、低
消費電力に適した半導体装置を実現できることとなる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゲ
ート絶縁膜の厚さを2.5nm未満とすることにより、
ホットキャリアストレス下での信頼性が向上するととも
に、ゲート長を0.3μm以下にすることで、ソース/
ドレイン電極からゲート電極へのトンネル電流Ig を減
少させることができ、トランジスタ特性の向上を図るこ
とができる。また、電源電圧1.5V以下で使用すれ
ば、さらに信頼性の高いトランジスタが実現できる。
【0104】また、本発明の一実施例であるショットキ
ーダイオードを接続した場合においては、ノイズ等の過
度の電圧が前記MOSFETに印加されても、ショート
キーダイオードが破壊されることで前記MOSFETの
ゲート絶縁膜が破壊されることを防ぐことができる。
【0105】したがって、本発明により、静電破壊等に
強いトランジスタを実現できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るMOS型トランジスタ
の構造を示す素子断面図。
【図2】図1に示すトランジスタの不純物濃度プロファ
イル図。
【図3】同トランジスタのホットキャリアストレス(V
d=2.5V、Isubmax 、1000秒ストレス印加)下
のトランスコンダクタンスの劣化量のゲート酸化膜厚依
存性を示す曲線図。
【図4】同トランジスタのトンネル電流Ig のゲート長
Lg 依存性を示す曲線図(W=10μm)。
【図5】同トランジスタのドレイン電流Id0のゲート長
Lg 依存性を示す曲線図(W=10μm)。
【図6】同トランジスタのトンネル電流Ig のゲート長
Lg 依存性を示す曲線図(W=10μm)。
【図7】同トランジスタのコンダクタンスgmのゲート
長Lg 依存性を示す曲線図(W=10μm)。
【図8】同トランジスタの基板最大電流Isubmaxのゲー
ト長Lg 依存性を示す曲線図(W=10μm)(a)及
びトランジスタの基板電流Isub のゲート電圧依存性を
示す曲線図(W=10μm)(b)。
【図9】同トランジスタのインパクトイオン化率のゲー
ト長Lg 依存性を示す曲線図(W=10μm)。
【図10】同トランジスタの電流Ig ,Id の電源電圧
Vd =Vg 依存性を示す曲線図(Lg=0.14μm,
W=10μm)。
【図11】同トランジスタのドレイン電流Id の電源電
圧Vd =Vg 依存性を示す曲線図。
【図12】同トランジスタのIg /Id の電源電圧(V
d =Vg)依存性を示す曲線図。
【図13】同トランジスタのId −Vd 特性のゲート長
依存性を示す曲線図。
【図14】同トランジスタのコンダクタンスgmのゲー
ト長依存性を示す曲線図。
【図15】本発明のトランジスタの主要な特性について
従来のトランジスタの特性を対比して示す曲線図(電源
電圧0.5V)。
【図16】キャリア移動度の実効電界依存性を示す曲線
図。
【図17】本発明の一実施例に係るMOS型トランジス
タのコンダクタンスgmの劣化(ストレス時間に対する
トランスコンダクタンスの劣化)特性を示す曲線図。
【図18】本発明による半導体装置の例、全領域の半導
体装置を本発明のMOSFETで作製した半導体装置
(a)、一部の領域で本発明のMOSFETを作製した
半導体装置(b)、及び周辺部領域で本発明のMOSF
ETを作製した半導体装置(c)の構成を示す概略説明
図。
【図19】バイポーラトランジスタとCMOSトランジ
スタで形成した高速半導体装置の従来例の構成を示す概
略説明図。
【図20】Lg =0.09μm、Tox=1.5nmトラ
ンジスタの相互コンダクタンスの電圧依存性を示す曲線
図。
【図21】相互コンダクタンスの電源電圧依存性を示す
曲線図。
【図22】単位あたり電流駆動力の電源電圧依存性を示
す曲線図。
【図23】ゲート長Lg に対するチャネル電流に対する
ゲート電流比Ig /Id を示す曲線図。
【図24】Tox=1.5nm、Lg =0.2μm pM
OSトランジスタの特性(Id −Vd 特性(a)、gm
−Vg 特性(b))を示す曲線図。
【図25】Lg =0.4μm、Tox=9nmトランジス
タ(従来例)、Lg =0.1μm、Tox=3nmトラン
ジスタ(従来例)、Lg =0.14μm及びLg =0.
09μm、Tox=1.5nmトランジスタ(本発明)に
ついて、クロック周波数と電荷の蓄積消去及びサブスレ
ショルドリークで決まる消費電力との関係(a)、クロ
ック周波数とゲートリーク電流で決まる消費電力成分と
の関係(b)をそれぞれ示す曲線図。
【図26】Lg =0.4μm、Tox=9nmトランジス
タ(従来例)、Lg =0.1μm、Tox=3nmトラン
ジスタ(従来例)、Lg =0.14μm及びLg =0.
09μm、Tox=1.5nmトランジスタ(本発明)に
ついて、全てのトランジスタと同一消費電力、あるいは
同一クロック周波数条件としたときの消費電力とクロッ
ク周波数との関係を示す曲線図。
【図27】通常のトンネルゲート酸化膜MOSFETに
用いられる各種厚さToxを有するゲート絶縁膜につい
てIg−Vg特性を示すもので、より多くの種類のゲー
ト絶縁膜について示す曲線図(a)及びゲート絶縁膜厚
の種類を限定しその限定された種類のゲート絶縁膜につ
いて詳細に示す曲線図(b)。
【図28】本発明によるゲート絶縁膜保護を図ったMO
SFETを用いた半導体装置の構造を示す回路図。
【図29】ゲート絶縁膜Toxが1.5nmのMOSFE
TについてLg −Ig 特性を示す曲線図。
【図30】本発明によるゲートリーク電流の減少を図っ
たMOSFETを用いた半導体装置の構造を示す回路
図。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 ゲート電極 3 ゲート酸化膜 4 チャネル形成領域 5 ソース領域 6 ドレイン領域 7 ゲート電源 8 ドレイン電源 9 通常のゲート長を有するMOSFET 10 低電圧電源 11 ショットキーダイオード 12 微細ゲート長を有するMOSFET
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/78 301 J 301 E (72)発明者 大 黒 達 也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 小 野 瑞 城 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 吉 富 崇 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中 村 新 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電型の半導体基板と、 該半導体基板上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極
    と、 該半導体基板のゲート電極直下に位置するチャネル形成
    領域の両側に形成された第二導電型のソース/ドレイン
    領域とを備え、 前記絶縁膜の厚さがシリコン酸化膜換算で2.5nm未
    満、前記ゲート電極のゲート長が0.3μm以下である
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】半導体装置の一部に請求項1記載の半導体
    装置を含むことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】前記半導体装置の動作時、前記絶縁膜にト
    ンネル電流が流れることを特徴とする請求項1記載の半
    導体装置。
  4. 【請求項4】前記絶縁膜の膜厚は2.5nm未満である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】第一導電型の半導体基板と、 該半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲー
    ト電極と、 該半導体基板のゲート電極直下に位置するチャネル形成
    領域の両側に形成された第二導電型のソース/ドレイン
    領域とを備えたMOS型半導体装置において、 前記ゲート電極のチャネル方向の長さ(Lg)と前記ゲ
    ート絶縁膜の厚さ(tox)の関係が以下の関係を満足
    することを特徴とする半導体装置。 Lg ≦10(Tox-2.02) このときLg の単位は(μm) Toxの単位は(nm)
  6. 【請求項6】第一導電型の半導体基板と、 該半導体基板上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極
    と、 該半導体基板のゲート電極直下に位置するチャネル形成
    領域の両側に形成された第二導電型のソース/ドレイン
    領域とを備え、 前記絶縁膜の厚さがシリコン酸化膜換算で2.5nm未
    満、前記ゲート電極のゲート長が0.3μm以下であっ
    て、前記ゲート電極及びドレイン領域への印加電圧を
    1.5V以下としたことを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】前記ゲート電極への印加電圧を0.5V以
    下としたことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】半導体装置の一部に請求項6記載の半導体
    装置を含むことを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】前記半導体装置の動作時、前記絶縁膜にト
    ンネル電流が流れることを特徴とする請求項6記載の半
    導体装置。
  10. 【請求項10】前記絶縁膜の膜厚は2.5nm未満であ
    ることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】第一導電型の半導体基板と、 該半導体基板上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極
    と、 該半導体基板のゲート電極直下に位置するチャネル形成
    領域の両側に形成された第二導電型のソース/ドレイン
    領域とを備え、 相互コンダクタンス(gm)が nMOSにおいてgm>400VDD+140 pMOSにおいてgm>260VDD+10 単位はVDD(V)、gm(mS/mm)であることを特
    徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】前記ゲート電極及びドレイン領域への印
    加電圧を1.5V以下としたことを特徴とする請求項1
    1記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】前記ゲート電極及びドレイン領域への印
    加電圧を0.5V以下としたことを特徴とする請求項1
    2記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】前記半導体装置の動作時、前記絶縁膜に
    トンネル電流が流れることを特徴とする請求項11記載
    の半導体装置。
  15. 【請求項15】第一導電型の半導体基板と、 該半導体基板上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極
    と、 該半導体基板のゲート電極と該半導体基板のゲート電極
    直下に位置するチャネル形成領域の両側に形成された第
    二導電型のソース/ドレイン領域と、 前記絶縁膜の厚さがシリコン酸化膜換算で2.5nm未
    満であるMOSFETと、 前記ゲート電極に接続され、前記絶縁膜よりも耐圧の低
    い金属/シリコン層からなるショートキーダイオードと
    を備えていることを特徴とする半導体装置。
  16. 【請求項16】ショートキーダイオードを形成する金属
    がW,Ti,Mo,V,Ni,Co,Alを主成分とす
    る金属あるいは合金であることを特徴とする請求項15
    記載の半導体装置。
  17. 【請求項17】前記ゲート電極への印加電圧を0.5V
    以下としたことを特徴とする請求項15記載の半導体装
    置。
  18. 【請求項18】半導体装置の一部に請求項15記載の半
    導体装置を含むことを特徴とする半導体装置。
  19. 【請求項19】前記半導体装置の動作時、前記絶縁膜に
    トンネル電流が流れることを特徴とする請求項15記載
    の半導体装置。
  20. 【請求項20】前記絶縁膜の膜厚は2.5nm未満であ
    ることを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
JP7258132A 1994-09-13 1995-09-11 半導体装置 Pending JPH08139327A (ja)

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US09/828,205 US6410952B2 (en) 1994-09-13 2001-04-09 MOSFET with a thin gate insulating film
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6300239B1 (en) 1998-11-06 2001-10-09 Nec Corporation Method of manufacturing semiconductor device
JP2010118673A (ja) * 1996-12-23 2010-05-27 Alcatel-Lucent Usa Inc 集積回路
CN109671779A (zh) * 2018-11-22 2019-04-23 长江存储科技有限责任公司 一种半导体器件的形成方法及半导体器件

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