JPH08136641A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JPH08136641A
JPH08136641A JP6278999A JP27899994A JPH08136641A JP H08136641 A JPH08136641 A JP H08136641A JP 6278999 A JP6278999 A JP 6278999A JP 27899994 A JP27899994 A JP 27899994A JP H08136641 A JPH08136641 A JP H08136641A
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signal
target
clutter
echo
signals
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JP6278999A
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Yoshihiro Ishii
義弘 石井
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Furuno Electric Co Ltd
Original Assignee
Furuno Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーダ装置において、固定の物標だけでなく移
動する物標に対してもクラッタを確実に排除して、必要
な物標信号のみを得られるようにすること。 【構成】受信してA/D変換された現在のエコー信号X
(n)とそれの過去のエコー信号Y(n−1)とに基づ
き、クラッタ信号を排除して物標信号のみを得る信号処
理回路2を備え、信号処理回路2が、現在のエコー信号
X(n)と過去のエコー信号Y(n−1)とを積分する
単一の巡回式デジタルフィルタ3と、フィルタ特性を、
入力されるエコー信号の変化(物標信号とクラッタ信
号)に応じてリアルタイムで変更設定する特性変更部4
とを含む。これにより、クラッタ信号を抑圧しながら物
標信号が抑圧されるのを防止できるようになり、物標信
号とクラッタ信号との差別化を明確にできるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広範囲方向に探知信号
を発射し、この探知信号に起因するエコー信号を受信し
て広範囲方向の状況を表示するレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、レーダは、アンテナを回転させ
ながら順次異なる方向にレーダ探知信号を発射すること
により、各方向から帰来するエコー信号を受信し、この
エコー信号を一旦メモリに書き込んだ後、それを読み出
して表示器の表示画面にレーダアンテナの周囲状況を表
示するように構成されている。
【0003】前述のエコー信号には、固定や移動する物
標信号の他、海面からの反射信号や降雨からの反射信号
のような不要信号(クラッタ信号)が混在するため、表
示器上での物標の判定が困難となる。
【0004】これに対して、クラッタ信号を排除するた
めに、いわゆるスキャン相関と称する処理を行うように
したものが従来より提供されている。この処理を行う信
号処理回路は、要するに、現在のエコー信号と過去のエ
コー信号とに基づき、クラッタ信号を排除して、物標信
号のみを得るようにしたものである。
【0005】図8は、このようなスキャン相関を行う従
来のレーダ装置の要部の構成図である。図中、80は画
像メモリ、90は信号処理回路である。
【0006】画像メモリ80は、アンテナを回転させな
がら順次異なる方向にレーダ探知信号を発射することに
より、各方向から帰来するエコー信号を受信し、A/D
変換した1スキャン分のエコー信号を記憶するものであ
り、図示しないアドレス指定部により1セル単位のデー
タが順次出力されるようになっている。
【0007】信号処理回路90は、画像メモリ80から
選択的に順次読み出される1セル単位の現在のエコー信
号と過去のエコー信号とに基づき、クラッタ信号を排除
して物標信号のみを得るもので、クラッタ信号を抑圧す
る巡回式デジタルフィルタ91と、巡回式デジタルフィ
ルタ91からの出力に基づいて物標信号のみを得る目標
検出器92とを含む。
【0008】巡回式デジタルフィルタ91は、下記
(1)式で表される処理を行って、所望の出力Y(n)
を得るものであり、現在のエコー信号X(n)に係数β
を乗ずる第1掛算器93と、現在のエコー信号X(n)
の過去のエコー信号Y(n−1)に係数αを乗ずる第2
掛算器94と、第1掛算器31の出力から第2掛算器9
4の出力を減算する減算器95と、減算器95の出力Y
(n)を所要時間遅延させる単位遅延素子96と、遅延
させた出力を該減算器95へ過去のエコー信号Y(n−
1)として帰還させる帰還ループ97とを含む。
【0009】 Y(n)=β・X(n)−α・Y(n−1)・・・(1) なお、前述の係数α、βは、従来、β≧0,0≧α≧−
1の範囲で固定値とされる。なお、係数αは通過帯域に
関係するもので、「0」に近づくと通過帯域は広くな
り、「−1」に近づくと通過帯域は狭くなる。係数β
は、ゲインに関係するもので、通過帯域には直接関係す
るものでない。この係数βは、ゲインを「1」に設定し
たとき、1+αにより求められる。
【0010】目標検出器92は、巡回式デジタルフィル
タ3からの出力Y(n)と所要のしきい値Tとを対比す
る比較器からなり、クラッタ信号を排除して物標信号の
みを検出出力するものである。この目標検出器92から
の出力は、画像メモリ80へ送出され、画像メモリ80
の内容が順次書き換えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
では、巡回式デジタルフィルタ91の通過帯域特性を決
定する係数α、βを固定値に設定しているため、固定の
物標に対するクラッタ抑圧は有効であるが、移動する物
標に対してはまだクラッタ抑圧効果が不十分である。
【0012】これはつまり、移動する物標の場合、図9
にアナログ的に示される巡回式デジタルフィルタ91で
の入・出力波形A,Bのように、物標の移動速度に応じ
て物標信号の幅が短くなるために、積分時間が不足し、
このため出力波形Bはクラッタ信号の抑圧だけでなく物
標信号も抑圧されることになり、結果的に物標信号とク
ラッタ信号とのパワー比(S/N比)が劣化することに
なる。したがって、巡回式デジタルフィルタ91の後段
の目標検出器92における物標信号とクラッタ信号との
判定が困難となる場合があり、結局、クラッタ信号を確
実に排除できなくなるおそれがある。これは、移動する
物標の移動速度が早い程、顕著となると言える。
【0013】これに対して、例えば特開平6−8254
6号公報に示されるように、フィルタからの出力データ
と、基準となる振幅値とを比較し、この比較結果に基づ
いて前記フィルタの通過帯域特性(α、β)を自動的に
変更するようにし、クラッタ抑圧度を可変できるように
したものが考えられている。
【0014】しかしながら、この例では、クラッタ信号
を抑圧するように前記フィルタの通過帯域特性を変更し
ているだけであり、物標信号の抑圧を防止するようには
なっていない。したがって、前述と同様の不都合がある
と言える。
【0015】したがって、本発明は、固定物標だけでな
く移動する物標に対してもクラッタを確実に排除して、
必要な物標信号のみを得られるようにすることを目的と
している。
【0016】また、本発明は、移動する物標の移動速度
に応じて適正にクラッタを排除できるようにすることを
目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、広範囲方向に
探知信号を発射し、この探知信号に起因するエコー信号
を受信して広範囲方向の状況を表示するレーダ装置にお
いて、次のように構成する。
【0018】本発明の第1のレーダ装置は、受信された
現在のエコー信号と過去のエコー信号とをデジタル化し
た出力に基づき、クラッタ信号を排除して物標信号のみ
を得る信号処理回路を備え、かつ、信号処理回路が、入
力される現在のエコー信号と過去のエコー信号とを積分
する単一の巡回式デジタルフィルタと、このフィルタ特
性を、物標信号とクラッタ信号との識別結果に応じてリ
アルタイムで変更設定する特性変更部とを含む構成であ
る。
【0019】なお、前述の特性変更部は、入力される物
標信号およびクラッタ信号を所要のしきい値に基づいて
判定する物標/クラッタ判定手段と、入力される物標信
号およびクラッタ信号の各立ち上がり部および各立ち下
がり部を検出する立ち上がり/立ち下がり判定手段と、
前記両手段で物標信号の立ち上がり部およびクラッタ信
号の立ち下がり部を検出したときに巡回式デジタルフィ
ルタの通過帯域特性を広くし、物標信号の立ち下がり部
およびクラッタ信号の立ち上がり部を検出したときに狭
くするよう、通過帯域特性変更用の係数をリアルタイム
で発生する係数発生手段とを含む構成とすることができ
る。
【0020】本発明の第2のレーダ装置は、受信された
現在のエコー信号と過去のエコー信号とをデジタル化し
た出力に基づき、クラッタ信号を排除して物標信号のみ
を得る信号処理回路と、各物標の移動速度情報および移
動方向情報に基づいて、物標の移動先を予測するととも
に、移動先を囲う所要大きさの予測領域を設定する移動
先予測領域設定手段とを備え、かつ、信号処理回路が、
入力される現在のエコー信号と過去のエコー信号とを積
分する単一の巡回式デジタルフィルタと、このフィルタ
特性を、移動先予測領域についてはその領域の物標の移
動速度を加味して物標信号とクラッタ信号とに応じてリ
アルタイムで変更設定する特性変更部とを含む構成であ
る。
【0021】
【作用】本発明では、要するに、入力されるエコー信号
の変化に応じて巡回式デジタルフィルタの特性をリアル
タイムで変更するようにしており、これにより、巡回式
デジタルフィルタでは、あたかも、クラッタ信号に対し
て負極性のピークホールドを行うように作用し、物標信
号に対して正極性のピークホールドを行うように作用す
る。
【0022】この作用により、結果的に、交流成分カッ
トと、クラッタ信号の平均値低下と、物標信号の立ち上
がりエッジの保存と、物標信号の平均値増加とが行われ
るようになるので、クラッタ信号を抑圧しながら物標信
号の抑圧を防止できるようになる。
【0023】このように物標信号とクラッタ信号との差
別化が図れるようになれば、この後段の目標検出器での
しきい値による物標信号とクラッタ信号との識別判定が
確実に行えるようになるとともに、このしきい値も容易
に設定できるようになる。
【0024】したがって、固定の物標に限らず、移動す
る物標であっても、その検出率が向上するようになる。
【0025】また、第2のレーダ装置では、巡回式デジ
タルフィルタの特性をリアルタイムで変更するだけでな
く、移動する物標の移動予測領域について移動速度を加
味するようにしているから、移動物標の移動速度に応じ
た適切な処理が行えるようになる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図7に示す
実施例に基づいて説明する。図1ないし図3は本発明の
一実施例を示しており、図1は、レーダ装置の要部の構
成図、図2は、巡回式デジタルフィルタでの入・出力波
形をアナログ的に示すグラフ、図3は、係数発生器で発
生する係数α、βと物標信号およびクラッタ信号との関
係を概念的に示すグラフである。図中、1は画像メモ
リ、2は信号処理回路である。
【0027】画像メモリ1は、アンテナを回転させなが
ら順次異なる方向にレーダ探知信号を発射することによ
り、各方向から帰来するエコー信号を受信し、A/D変
換した1スキャン分のエコー信号を記憶するものであ
り、図示しないアドレス指定部により1セル単位のデー
タが順次出力されるようになっている。
【0028】信号処理回路2は、画像メモリ1から選択
的に順次読み出される1セル単位の現在のエコー信号と
過去のエコー信号とに基づき、クラッタ信号を排除して
物標信号のみを得るものであり、下記する巡回式デジタ
ルフィルタ3と、特性変更部4と、目標検出器5とを含
む。
【0029】巡回式デジタルフィルタ3は、下記(2)
式で表される処理を行って、所望の出力Y(n)を得る
ものであり、現在のエコー信号X(n)に係数β(n)
を乗ずる第1掛算器31と、現在のエコー信号X(n)
の過去のエコー信号Y(n−1)に係数α(n)を乗ず
る第2掛算器32と、第1掛算器31の出力から第2掛
算器32の出力を減算する減算器33と、減算器33の
出力Y(n)を所要時間遅延させる単位遅延素子34
と、遅延させた出力を該減算器33へ過去のエコー信号
Y(n−1)として帰還させる帰還ループ35とを含
む。
【0030】 Y(n)=β(n)・X(n)−α(n)・Y(n−1)・・・(2) なお、係数α(n)は、通過帯域に関係するもので、
「0」に近づくと通過帯域は広くなり、「−1」に近づ
くと通過帯域は狭くなる。係数β(n)は、ゲインに関
係するもので、通過帯域には直接関係するものでない。
この係数β(n)は、ゲインを「1」に設定したとき、
1+α(n)により求められる。
【0031】特性変更部4は、巡回式デジタルフィルタ
3の通過帯域特性を決定する係数α(n)、β(n)
を、β(n)≧0、0≧α(n)≧−1の範囲で適宜変
更設定するものであり、物標/クラッタ判定手段41
と、立ち上がり/立ち下がり判定手段42と、係数発生
器43とを含む。物標/クラッタ判定手段41は、過去
のエコー信号Y(n−1)の信号レベルと所要のしきい
値T1とを対比するものであり、しきい値T1より
「大」であれば物標信号、「小」であればクラッタ信号
と判定する。立ち上がり/立ち下がり判定手段42は、
下記(3)式で表される処理により微分係数d(n)を
求めて、d(n)≧0つまり「正」であれば立ち上がり
部、d(n)<0つまり「負」であれば立ち下がり部と
判定するものである。
【0032】 d(n)=X(n)−Y(n−1)・・・(3) 係数発生器43は、図3の(a)ないし(d)に示すよ
うなデータ〔物標信号およびクラッタ信号の各立ち上が
り部および各立ち下がり部と係数α(n)、β(n)と
の関係を示すデータ〕を記憶していて、物標/クラッタ
判定手段41および立ち上がり/立ち下がり判定手段4
2の出力に応じて前記データに基づく係数α(n)、β
(n)をリアルタイムでそれぞれ発生するものである。
【0033】目標検出器5は、巡回式デジタルフィルタ
3からの出力Y(n)と所要のしきい値T2とを対比す
る比較器からなり、クラッタ信号を排除して物標信号の
みを検出出力するものである。この目標検出器5からの
出力は、画像メモリ1へ送出され、画像メモリ1の内容
が順次書き換えられる。
【0034】次に、このような構成のレーダ装置の動作
を、図2および図3を用いて説明する。
【0035】まず、画像メモリ1から図2にアナログ的
に示す入力波形Aのようなエコー信号X(n)が特性変
更部4の物標/クラッタ判定手段41および立ち上がり
/立ち下がり判定手段42に入力され、物標/クラッタ
判定手段41および立ち上がり/立ち下がり判定手段4
2からの出力に応じて特性変更部4の係数発生器43は
図3および表1に基づく係数α(n)、β(n)を発生
し、これを巡回式デジタルフィルタ3の掛算器31、3
2に設定する。
【0036】そして、巡回式デジタルフィルタ3では、
画像メモリ1から図2にアナログ的に示す入力波形Aの
ような現在のエコー信号X(n)に対して第1掛算器3
1により係数β(n)を乗じるとともに、過去のエコー
信号Y(n−1)に第2掛算器32により係数α(n)
を乗じてから、これらを減算器33により演算し、その
結果Y(n)を出力する。この出力Y(n)は、画像メ
モリ1に与えて、画像メモリ1の内容を書き換えるとと
もに、単位遅延素子34を介して所要時間遅延させてか
ら第2掛算器32へ過去のエコー信号Y(n−1)とし
て与える。
【0037】ここで、具体的に、図2にアナログ的に示
す入力波形Aの各部についての係数α(n)、β(n)
の発生状況を説明する。
【0038】(1) 入力波形Aの点では、物標/ク
ラッタ判定手段41によりエコー信号が「クラッタ信
号」であると判定され、立ち上がり/立ち下がり判定手
段42により「立ち上がり部」であると検出されるの
で、特性変更部4の係数発生器43は「クラッタ信号の
立ち上がり部」であることを認識し、図3(a)に示す
ように、係数α(n)を「−1」より若干小さい値−C
(例えば−0.99)に設定し、図3(c)に示すよう
に、係数β(n)を「0」より若干大きい値に設定す
る。なお、係数α(n)を「−1」としないのは、デジ
タルフィルタ3の通過帯域が「0」になってしまい、信
号を出力しなくなるからである。
【0039】(2) 入力波形Aの点では、物標/ク
ラッタ判定手段41によりエコー信号が「クラッタ信
号」であると判定され、立ち上がり/立ち下がり判定手
段42により「立ち下がり部」であると検出されるの
で、特性変更部4の係数発生器43は「クラッタ信号の
立ち下がり部」であることを認識し、図3(b)に示す
ように、係数α(n)を「0」に設定し、図3(d)に
示すように、係数β(n)を「1」に設定する。
【0040】(3) 入力波形Aの点では、物標/ク
ラッタ判定手段41によりエコー信号が「物標信号」で
あると判定され、立ち上がり/立ち下がり判定手段42
により「立ち上がり部」であると検出されるので、特性
変更部4の係数発生器43は「物標信号の立ち上がり
部」であることを認識し、図3(a)に示すように、係
数α(n)を「0」に設定し、図3(d)に示すよう
に、係数β(n)を「1」に設定する。
【0041】(4) 入力波形Aの点では、物標/ク
ラッタ判定手段41によりエコー信号が「物標信号」で
あると判定され、立ち上がり/立ち下がり判定手段42
により「立ち下がり部」であると検出されるので、特性
変更部4の係数発生器43は「物標信号の立ち下がり
部」であることを認識し、図3(b)に示すように、係
数α(n)を「−1」より若干小さい値−C(例えば−
0.99)に設定し、図3(c)に示すように、係数β
(n)を「0」より若干大きい値に設定する。
【0042】これら(1)〜(4)は、下記表1に示す
ようになる。
【0043】
【表1】
【0044】つまり、(1)と(4)のようにクラッタ
信号の立ち上がり部および物標信号の立ち下がり部を検
出したときに巡回式デジタルフィルタ3の通過帯域特性
を狭くし、(2)と(3)のようにクラッタ信号の立ち
下がり部および物標信号の立ち上がり部を検出したとき
に巡回式デジタルフィルタ3の通過帯域特性を広くする
のである。
【0045】そして、クラッタ信号の立ち上がり部で巡
回式デジタルフィルタ3の通過帯域特性を狭くすると、
反応を鈍くする作用があり、クラッタ信号の立ち下がり
部で巡回式デジタルフィルタ3の通過帯域特性を広くす
ると、平均レベルを下げる作用があり、物標信号の立ち
上がり部で巡回式デジタルフィルタ3の通過帯域特性を
広くすると、すぐに立ち上げる作用があり、物標信号の
立ち下がり部で巡回式デジタルフィルタ3の通過帯域特
性を狭くすると、立ち上がったものを安定化する作用が
ある。
【0046】このように入力されるエコー信号の変化に
応じて巡回式デジタルフィルタ3の通過帯域特性をリア
ルタイムで変更すれば、この巡回式デジタルフィルタ3
は、図2にアナログ的に示す出力波形Bのように、あた
かも、クラッタ信号に対して負極性のピークホールドを
行うように作用し、物標信号に対して正極性のピークホ
ールドを行うように作用する。このような作用により、
結果的に、交流成分カットと、クラッタ信号の平均値低
下と、物標信号の立ち上がりエッジの保存と、物標信号
の平均値増加とを行うことになるので、クラッタ信号を
抑圧しながら物標信号の抑圧を防止できるようになり、
両信号の差別化を明確にできるようになる。そのため、
この後段の目標検出器5でのしきい値T2による物標信
号とクラッタ信号との識別判定が確実に行えるようにな
るとともに、このしきい値T2も容易に設定できるよう
になる。したがって、固定の物標に限らず、移動する物
標であっても、その検出率が向上するようになり、図示
しない表示器の画面上で自身と被探知物(固定物標およ
び移動物標)との接近状況を正確に認識できるようにな
る。
【0047】なお、上記実施例における特性変更部4の
係数発生器43は、図4に示すようにイクシルーシブオ
ア回路EX−ORで構成することができる。この場合、
イクシルーシブオア回路EX−ORの論理出力「0」、
「1」に対して「−C」を乗じたものを係数α(n)と
して出力するとともに、係数β(n)として1+αによ
り出力する。
【0048】この場合、物標信号およびクラッタ信号の
各立ち上がり部および各立ち下がり部と係数α(n)、
β(n)との関係は、図3に示すものとは異なり、図5
に示すように、しきい値T1を境に不連続になる。した
がって、物標信号とクラッタ信号との信号レベルに応じ
て、係数α(n)、β(n)が「0」または「−C」の
2値に設定されるようになる。
【0049】図6および図7は、本発明の他の実施例を
示しており、図6は、レーダ装置の要部を示す構成図、
図7は、係数発生器で発生する係数α、βと物標信号お
よびクラッタ信号との関係を概念的に示すグラフであ
る。これらの図において図1ないし図3と同一の符号は
同一または対応する部分を指している。
【0050】この実施例において上記実施例と異なる構
成は、画像メモリ1と巡回式デジタルフィルタ3との間
に、周知のオートレーダプロッティングエイド(以下、
ARPAと称する)6およびセル選択手段7を設けてい
ることと、特性変更部4の係数発生器43を物標の移動
速度vtを加味するようにしていることである。
【0051】このARPA6は、速度検出手段61と、
予測円算出手段62とを含む。移動速度検出手段61
は、複数スキャン分のエコー信号に基づいて物標の移動
速度vtを検出するとともに、この移動速度情報vtを
予測円算出手段62と係数発生器43とに出力する。予
測円算出手段62は、各物標の移動速度情報vtおよび
移動方向情報θに基づいて、物標の移動先を予測すると
ともに、移動先を囲む所要大きさの予測円情報S(中心
座標O,半径r)を生成するものである。
【0052】セル選択手段7は、予測円算出手段62で
生成した予測円情報Sに基づき、画像メモリ1から順次
読み出されるエコー信号のうち、予測円Sに含まれるエ
コー信号を検出し、この予測円Sに含まれるエコー信号
については、係数発生器43の係数発生処理において該
予測円Sでの物標の移動速度情報vtを加味させるよう
にする。
【0053】係数発生器43は、物標の移動速度vtを
加味して巡回式デジタルフィルタ3の係数α(n)、β
(n)を発生するものであり、下記(4)式で表される
処理を行う。
【0054】 {β(n)、α(n)}=fvt〔d(n),Y(n−1)〕・・・(4) ここで、fvtは、物標の移動速度vtによって関数型
が変化することを表している。
【0055】つまり、図7に示すように、物標の移動速
度vtがvt1<vt2<vt3と早い程、立ち上がり
/立ち下がり判定手段42のしきい値T1をT1>T
1′>T1″と順次下げるようにし、係数α(n)、β
(n)を−C1<−C2<−C3と「0」に順次近づけ
るようにして、通過帯域を順次広げるようにする。これ
により、移動物標の移動速度vtに応じた適切な処理が
行えるようになる。なお、予測円Sに含まれないエコー
信号については、図1ないし図3に示す実施例のような
処理とする。
【0056】なお、この実施例においても、係数発生器
43は、図4に示すようなゲート回路で構成することが
できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、次の
ような効果を奏する。
【0058】第1のレーダ装置では、入力されるエコー
信号の変化に応じて巡回式デジタルフィルタの特性をリ
アルタイムで変更することにより、クラッタ信号を抑圧
しながら物標信号が抑圧されるのを防止しているので、
物標信号とクラッタ信号との差別化を明確にできるよう
になり、この後段の目標検出器でのしきい値による物標
信号とクラッタ信号との識別判定が確実に行えるように
なるとともに、このしきい値も容易に設定できるように
なる。したがって、固定の物標に限らず、移動する物標
であっても、その検出率が向上するようになるので、表
示器の画面上で自身と被探知物(固定物標および移動物
標)との接近状況を正確に認識できるようになる。
【0059】また、第2のレーダ装置では、巡回式デジ
タルフィルタの特性をリアルタイムで変更するだけでな
く、移動する物標の移動予測領域について移動速度を加
味するようにしているから、移動物標の移動速度に応じ
た適切な処理が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のレーダ装置の要部を示す構
成図。
【図2】同実施例の巡回式デジタルフィルタでの入・出
力波形をアナログ的に示すグラフ。
【図3】同実施例の係数発生器で発生する係数α、βと
物標信号およびクラッタ信号との関係を概念的に示すグ
ラフ。
【図4】係数発生器の他の例を示す構成図。
【図5】同実施例の係数発生器で発生する係数α、βと
物標信号およびクラッタ信号との関係を概念的に示すグ
ラフ。
【図6】本発明の他の実施例のレーダ装置の要部を示す
構成図。
【図7】同実施例の係数発生器で発生する係数α、βと
物標信号およびクラッタ信号との関係を概念的に示すグ
ラフ。
【図8】従来のレーダ装置を示す構成図。
【図9】従来の巡回式デジタルフィルタでの入・出力波
形をアナログ的に示すグラフ。
【符号の説明】
1 画像メモリ 2 信号処理回路 3 巡回式デジタルフィルタ 31 第1掛算器 32 第2掛算器 33 減算器 34 単位遅延素子 35 帰還ループ 4 特性変更部 41 物標/クラッタ判定手段 42 立ち上がり/立ち下がり判定手段 43 係数発生器 5 目標検出器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】巡回式デジタルフィルタ91は、下記
(1)式で表される処理を行って、所望の出力Y(n)
を得るものであり、現在のエコー信号X(n)に係数β
を乗ずる第1掛算器94と、現在のエコー信号X(n)
の過去のエコー信号Y(n−1)に係数αを乗ずる第2
掛算器95と、第1掛算器94の出力から第2掛算器
の出力を減算する減算器93と、減算器93の出力Y
(n)を所要時間遅延させる単位遅延素子96と、遅延
させた出力を該第2掛算器95へ過去のエコー信号Y
(n−1)として帰還させる帰還ループ97とを含む。 Y(n)=β・X(n)−α・Y(n−1)・・・(1) なお、前述の係数α、βは、従来、β≧0,0≧α≧−
1の範囲で固定値とされる。なお、係数αは通過帯域に
関係するもので、「0」に近づくと通過帯域は広くな
り、「−1」に近づくと通過帯域は狭くなる。係数β
は、ゲインに関係するもので、通過帯域には直接関係す
るものでない。この係数βは、ゲインを「1」に設定し
たとき、1+αにより求められる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】まず、画像メモリ1から図2にアナログ的
に示す入力波形Aのようなエコー信号X(n)が特性変
更部4の立ち上がり/立ち下がり判定手段42に入力さ
れ、過去のエコー信号Y(n−1)が特性変更部4の物
標/クラッタ判定手段41および立ち上がり/立ち下が
り判定手段42にそれぞれ入力され、物標/クラッタ判
定手段41および立ち上がり/立ち下がり判定手段42
からの出力に応じて特性変更部4の係数発生器43は図
3および表1に基づく係数α(n)、β(n)を発生
し、これを巡回式デジタルフィルタ3の掛算器31、3
2に設定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広範囲方向に探知信号を発射し、この探
    知信号に起因するエコー信号を受信して広範囲方向の状
    況を表示するレーダ装置であって、 受信された現在のエコー信号と過去のエコー信号とをデ
    ジタル化した出力に基づき、クラッタ信号を排除して物
    標信号のみを得る信号処理回路を備え、 かつ、信号処理回路が、入力される現在のエコー信号と
    過去のエコー信号とを積分する単一の巡回式デジタルフ
    ィルタと、このフィルタ特性を、物標信号とクラッタ信
    号との識別結果に応じてリアルタイムで変更設定する特
    性変更部とを含む、ことを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記特性変更部は、入力される物標信号
    およびクラッタ信号を所要のしきい値に基づいて判定す
    る物標/クラッタ判定手段と、入力される物標信号およ
    びクラッタ信号の各立ち上がり部および各立ち下がり部
    を検出する立ち上がり/立ち下がり判定手段と、前記両
    手段で物標信号の立ち上がり部およびクラッタ信号の立
    ち下がり部を検出したときに巡回式デジタルフィルタの
    通過帯域特性を広くし、物標信号の立ち下がり部および
    クラッタ信号の立ち上がり部を検出したときに狭くする
    よう、通過帯域特性変更用の係数をリアルタイムで発生
    する係数発生手段とを含む、ことを特徴とする請求項1
    のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 広範囲方向に探知信号を発射し、この探
    知信号に起因するエコー信号を受信して広範囲方向の状
    況を表示するレーダ装置であって、 受信された現在のエコー信号と過去のエコー信号とをデ
    ジタル化した出力に基づき、クラッタ信号を排除して物
    標信号のみを得る信号処理回路と、 各物標の移動速度情報および移動方向情報に基づいて、
    物標の移動先を予測するとともに、移動先を囲う所要大
    きさの予測領域を設定する移動先予測領域設定手段とを
    備え、 かつ、信号処理回路が、入力される現在のエコー信号と
    過去のエコー信号とを積分する単一の巡回式デジタルフ
    ィルタと、このフィルタ特性を、移動先予測領域につい
    てはその領域の物標の移動速度を加味して物標信号とク
    ラッタ信号とに応じてリアルタイムで変更設定する特性
    変更部とを含む、ことを特徴とするレーダ装置。
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Cited By (6)

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