JPH08135814A - スイング式逆止め弁 - Google Patents

スイング式逆止め弁

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JPH08135814A
JPH08135814A JP27233894A JP27233894A JPH08135814A JP H08135814 A JPH08135814 A JP H08135814A JP 27233894 A JP27233894 A JP 27233894A JP 27233894 A JP27233894 A JP 27233894A JP H08135814 A JPH08135814 A JP H08135814A
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Yoshio Kumagai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】弁軸に偏荷重が掛からず、しかも大型の逆止め
弁でも大型のダッシュポットを用いることなく緩開急閉
が可能なスイング式逆止め弁を提供する。 【構成】緩開急閉装置9が弁軸7の両側にレバー8を介
して設けられている。この左右のダッシュポットは、同
一高さレベルに配置され、それぞれの上シリンダ17同
志と下シリンダ18同志を連結する連結配管28,29
が設けられている。そして、1つのダッシュポットにの
み針弁のような絞り19を備えた通路20が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高所に揚水する
うず巻ポンプの吐出し側に設ける緩開急閉が可能なスイ
ング式逆止め弁に関する。
【0002】
【従来の技術】ポンプの自動運転を行なう場合、該ポン
プ運転開始時には吐出し側の制水弁を自動的に全閉から
緩開させて始動を容易にし、ポンプ停止時には逆止め弁
を急閉させて水撃を防止しなければならない。
【0003】このため従来、自動制水弁と急閉逆止め弁
と2個のバルブを必要としたためコストが非常に高く、
また自動制水弁を電動式または液圧式で制御するため
に、電源やほかの動力源がない場所では設置することが
できなった。
【0004】これらの欠点を解決する弁として、実公昭
48−31536号公報には制水弁と逆止め弁を1個の
バルブにまとめ、かつ制水作用を無動力で自動的に制御
できるような緩開急閉逆止め弁が開示されている。
【0005】緩開急閉逆止め弁の作動を説明すると、図
1に示すようにポンプ始動前の流体が流れていないとき
には、バネ15,16と弁体5の自重によってバルブが
閉じている。
【0006】ポンプが始動されると流体の力が弁体5に
加わり、アーム6、弁軸7、レバー8が弁軸7を中心に
時計方向に回動され、ダッシュポットとバネとの協働に
よる緩開急閉装置9を作動する。緩開急閉装置9の作動
は、ピストンロッド13の下部に設けられたピストン1
1が押し下げられ、シリンダ室10の下方の室18の液
体は絞り19によって調節された通路20を通り、上方
の室17へ移動すると同時に、バネ15,16が圧縮さ
れて自動的に弁体を緩開させるのである。
【0007】次に、管路の流体の流れが何等かの原因で
停止すると、図2に示すように、ピストンロッド13の
孔24に挿入された案内ロッド23が弁体5の自重とバ
ネ15の弾力とにより押し上げられて、弁体5はシリン
ダ10の復元に関係なく短時間に急速にバルブが閉じ、
逆流と水撃を防止するのである。さらに次のバルブが開
く時に備えてピストン11はバネ16により自動的に上
部に押し上げられ復元するのである。
【0008】このようにダッシュポットとバネとの協働
による緩開急閉装置9を設けることで、1個のバルブで
制水弁と逆止め弁との機能を兼備でき、低コストである
と共に取付け場所も小さくなり、かつ動力源のない場所
でも設置可能で、簡易な構造で適確に目的を達成するこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の逆止め弁では弁軸7に対し一側だけに緩開急閉
装置9を設けているため、弁軸7に対して偏荷重が働
き、軸受の寿命を短くしたり、強度上関連部品を大きく
したしなければならないという問題があった。さらに、
弁体の径が数10cmという大型の逆止め弁の場合、ダッ
シュポットも大きなものを使用しなければならず、この
ような大型のダッシュポットは特別注文となるため、費
用が嵩むという問題もあった。
【0010】本発明は、上記した従来の問題を解消し、
弁軸に偏荷重が掛からず、しかも大型の逆止め弁でも大
型のダッシュポットを用いることなく緩開急閉が可能な
スイング式逆止め弁を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、弁体の弁軸に固着され、弁軸の回転運動
を直線運動に変換するレバーを設けており、該レバーの
直線運動変換側に取り付けられたバネ押えと、該バネ押
えに弁体を閉弁方向への押圧力を付勢する第1バネと、
前記バネ押えに対向配置され、圧力流体が充満され且つ
ピストンで区切られた圧力側と開放側とのシリンダ室、
該シリンダ室の圧力側と開放側とを連通する通路、該通
路に設けた絞り調整弁を備えたダッシュポットと、前記
バネ押えと前記ピストンのロッドとを、バネ押えが押さ
れたとき前記ピストンを追随させ、バネ押えの戻り時に
前記ピストンと独立して移動するように連結する連結手
段と、前記ピストンロッド及び前記バネ押えを介して弁
体を閉弁方向への押圧力を付勢する第2バネとを有する
緩開急閉装置を備えたスイング式逆止め弁において、前
記緩開急閉装置が前記弁軸の両側に配置し、一方の緩開
急閉装置におけるシリンダ室の圧力側と開放側とを連通
する通路を設けずに、両緩開急閉装置のピストンで区切
られた圧力側のシリンダ室同志と、開放側のシリンダ室
同志とをそれぞれ連絡配管を介して連通したことを特徴
としている。
【0012】さらに、本発明は上記目的を達成するため
に、前記レバーの回転運動を直線運動に変換するルーズ
アームと、該ルーズアームによって作動する両緩開急閉
装置とを設け、前記弁軸の一側に対し複数の緩開急閉装
置を前記弁軸の両側に配置し、一方の緩開急閉装置のシ
リンダ室を連通する通路を設けずに、両緩開急閉装置の
ピストンで区切られた圧力側のシリンダ室同志と、開放
側のシリンダ室同志とをそれぞれ連絡配管を介して連通
したことを特徴としている。
【0013】さらにまた、本発明は上記目的を達成する
ために、前記複数の緩開急閉装置がそれぞれ略同一高さ
レベルに配置されていることを特徴としている。
【0014】
【作用】上記構成によれば、緩開急閉装置が前記弁軸の
両側に配置し、一方の緩開急閉装置におけるシリンダ室
の圧力側と開放側とを連通する通路を設けずに、両緩開
急閉装置のピストンで区切られた圧力側のシリンダ室同
志と、開放側のシリンダ室同志とをそれぞれ連絡配管を
介して連通したので、弁軸に偏荷重が掛からず、しかも
弁軸の両側にダッシュポットを用いるため小型のダッシ
ュポットで緩開急閉することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。
【0016】図3は、本発明に係るスイング式逆止め弁
の一実施例を示す正面図であり、本実施例は側面図は図
1と同一に現われるので、同一部材には同一符号を付す
とともに、図1ないし図3を用いて説明する。図1ない
し図3において、一方に流入口1、他方に流出口2が設
けられた弁胴体3の内部には流れ方向と直角な面上で弁
座4が形成され、弁座4にはスイング式の弁体5が着座
される。この弁体5は、アーム6を介して弁軸7に固定
され、弁軸7は弁胴体3に回転自在に装着されている。
そして、弁軸7がレバー8を介して緩開急閉装置9と連
結され、弁体5の作動はアーム6、弁軸7及びレバー8
を介して緩開急閉装置9に伝達される。
【0017】この緩開急閉装置9についてより詳しく説
明すると、レバー8とピン26を介してバネ押え14が
設けられ、バネ押え14は案内筒21に嵌合されてい
る。このバネ押えに14に対向してダッシュポットが設
けられ、ダッシュポットは油のような液体を充満させた
シリンダ10と、このシリンダ10に密嵌したピストン
11と、該ピストンにピン12で連結された孔24が形
成されたピストンロッド13とを有している。バネ押え
に14とシリンダ10の蓋22との間には、バネ15が
圧入され、またバネ押え14の下方に案内ロッド23を
突設してピストンロッド13の孔24に挿入するととも
にピストンロッド13の頂端部に設けたバネ受け25と
蓋22の間にバネ16を圧入している。尚、ダッシュポ
ットのピストン11によって区分けされた上下シリンダ
室17,18はそのピストン11に設けられた逆止弁2
7によって連通或いは遮断される。
【0018】本発明のスイング式逆止め弁は、上記構成
の緩開急閉装置9が弁軸7の両側にレバー8を介して設
けられている。この左右のダッシュポットは、同一高さ
レベルに配置され、それぞれの上シリンダ17同志と下
シリンダ18同志を連結する連結配管28,29が設け
られている。そして、1つのダッシュポット、本例では
図3の右側のダッシュポットにのみ針弁のような絞り1
9を備えた通路20が設けられている。なお、左右のダ
ッシュポットは圧力差をなくすため、上記の如く同一高
さレベルに配置することが好ましいが、高さレベルに多
少の違いが生じても差し支えない。
【0019】次に、上記構成のスイング式逆止め弁の作
動態様を説明する。
【0020】スイング式逆止め弁は、ポンプ起動前の液
体が流れていないときにはバネ15,16の弾力と弁体
5の自重とによって図1に示すように閉弁している。ポ
ンプが起動して液体が流入口1から流出口2に向かって
流れるようになると、その液体の力が弁体5に加わり、
弁体5は弁軸5と一体に時計方向へ回動する。この回動
に伴い、弁軸7に固定されたレバー8を介してバネ押え
14が下降し、これに接触しているピストンロッド13
を介してピストン11が押し下げられるが、下シリンダ
室18の液体は絞り19を有する通路20を通って徐々
に上シリンダ室17に移動するため、弁体5をゆっくり
と開くことができる(図4参照)。そして、その開放は
絞り19を調整することで任意の速度で開弁することが
できる。更に、本発明のスイング式逆止め弁は弁軸7の
両側に緩開急閉装置9が設けられているので、弁軸7に
偏荷重が働くことが防止でき、軸受の寿命が長く、強度
上関連部品をの強度を大きくする必要もなくなる。な
お、管路の流体の流れが何等かの原因で停止したときに
は、先の説明と同様に、ピストンロッド13の孔24に
挿入された案内ロッド23が弁体5の自重とバネ15の
弾力とにより押し上げられて、弁体5はシリンダ10の
復元に関係なく短時間に急速にバルブが閉じ、逆流と水
撃を防止するのである。そして、次のバルブが開く時に
備えてピストン11はバネ16により自動的に上部に押
し上げられ元の状態に復元するのである。
【0021】ところで、弁体の直径が数10cmと大型の
スイング式逆止め弁の場合、ダッシュポットも大型のも
のを使用しなければならない。上記実施例では、ダッシ
ュポットも弁軸7の両側に設けられているので、従来の
片側のものと比べダッシュポットの大きさを押えられ
る。しかし、巨大なスイング式逆止め弁の場合、2のダ
ッシュポットを使用しても大型の物を用いなければなら
ず、このような大型のダッシュポットは特別に製造する
ため、高価になる問題があることは先に説明した。
【0022】そこで、本発明ではレバー8の回転運動を
直線運動に変換するルーズアーム30を設け、このルー
ズアーム30によって作動する緩開急閉装置9を備えて
いる。従って、弁軸7の一側に対し2つの緩開急閉装置
9を設けており、さらに弁軸7の両側に同一に構成する
ことで、計4つの緩開急閉装置9を設けている。そし
て、個々の緩開急閉装置9に備えたダッシュポットを同
一高さレベルに配置させており、それぞれの上シリンダ
17同志と下シリンダ18同志を連結する連結配管3
1,32で連通している。さらに、1つのダッシュポッ
ト、本例では図5の右側のダッシュポットにのみに絞り
19を備えた通路20を設けている。
【0023】かく構成のスイング式逆止め弁は、ポンプ
起動前の液体が流れていないときにはバネ15,16の
弾力と弁体5の自重とによって図1に示すように閉弁し
ている。ポンプが起動して液体が流入口1から流出口2
に向かって流れるようになると、その液体の力が弁体5
に加わり、弁体5は弁軸5と一体に時計方向へ回動す
る。この回動に伴い、弁軸7に固定されたレバー8を介
してバネ押え14が下降し、同時にルーズアーム30を
介して計4つの緩開急閉装置9を作動する。従って、4
つの緩開急閉装置9は連結配管31,32で連通してい
る下シリンダ室18の液体は絞り19を有する通路20
を通って徐々に上シリンダ室17に移動するため、弁体
5を緩開急閉装置9で分担してゆっくりと開くことがで
きる。よって、巨大なスイング式逆止め弁でもダッシュ
ポット自体は比較的小型のものを用いることができる。
【0024】
【発明の効果】請求項1の構成によれば、緩開急閉装置
が前記弁軸の両側に配置し、一方の緩開急閉装置におけ
るシリンダ室の圧力側と開放側とを連通する通路を設け
ずに、両緩開急閉装置のピストンで区切られた圧力側の
シリンダ室同志と、開放側のシリンダ室同志とをそれぞ
れ連絡配管を介して連通したので、弁軸に偏荷重が掛か
らず、しかも弁軸の両側にダッシュポットを用いるため
小型のダッシュポットで緩開急閉することができる。
【0025】請求項2の構成によれば、弁体を4つの緩
開急閉装置で分担してゆっくりと開くことができるの
で、巨大なスイング式逆止め弁でもダッシュポット自体
は比較的小型のものを用いることができ、巨大なスイン
グ式逆止め弁を安価で提供することができる。
【0026】請求項3の構成によれば、複数の緩開急閉
装置がそれぞれ略同一高さレベルに配置されているの
で、緩開急閉装置に圧力差がなく有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はスイング式逆止め弁の側面断面図であ
る。
【図2】図2は図1の作動を示す側面断面図である。
【図3】図3は本発明に係るスイング式逆止め弁の正面
断面図である。
【図4】図4は図3の作動を示す正面説明図である。
【図5】図3は本発明の別の例のスイング式逆止め弁の
正面断面図である。
【符号の説明】
5 弁体 7 弁軸 8 レバー 9 緩開急閉装置 10 シリンダ 11 ピストン 13 ピストンロッド 14 バネ押え 15,16 バネ 17 上シリンダ室 18 下シリンダ室 19 絞り 20 通路 28,29,31,32 連通配管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体の弁軸に固着され、弁軸の回転運動
    を直線運動に変換するレバーを設けており、該レバーの
    直線運動変換側に取り付けられたバネ押えと、該バネ押
    えに弁体を閉弁方向への押圧力を付勢する第1バネと、
    前記バネ押えに対向配置され、圧力流体が充満され且つ
    ピストンで区切られた圧力側と開放側とのシリンダ室、
    該シリンダ室の圧力側と開放側とを連通する通路、該通
    路に設けた絞り調整弁を備えたダッシュポットと、前記
    バネ押えと前記ピストンのロッドとを、バネ押えが押さ
    れたとき前記ピストンを追随させ、バネ押えの戻り時に
    前記ピストンと独立して移動するように連結する連結手
    段と、前記ピストンロッド及び前記バネ押えを介して弁
    体を閉弁方向への押圧力を付勢する第2バネとを有する
    緩開急閉装置を備えたスイング式逆止め弁において、 前記緩開急閉装置が前記弁軸の両側に配置し、一方の緩
    開急閉装置におけるシリンダ室の圧力側と開放側とを連
    通する通路を設けずに、両緩開急閉装置のピストンで区
    切られた圧力側のシリンダ室同志と、開放側のシリンダ
    室同志とをそれぞれ連絡配管を介して連通したことを特
    徴とする逆止め弁。
  2. 【請求項2】 弁体の弁軸に固着され、弁軸の回転運動
    を直線運動に変換するレバーを設けており、該レバーの
    直線運動変換側に取り付けられたバネ押えと、該バネ押
    えに弁体を閉弁方向への押圧力を付勢する第1バネと、
    前記バネ押えに対向配置され、圧力流体が充満され且つ
    ピストンで区切られたシリンダ室、該シリンダ室を連通
    する通路、該通路に設けた絞り調整弁を備えたダッシュ
    ポットと、前記バネ押えと前記ピストンのロッドとを、
    バネ押えが押されたとき前記ピストンを追随させ、バネ
    押えの戻り時に前記ピストンと独立して移動するように
    連結する連結手段と、前記ピストンロッド及び前記バネ
    押えを介して弁体を閉弁方向への押圧力を付勢する第2
    バネとを有する緩開急閉装置を備えたスイング式逆止め
    弁において、 前記レバーの回転運動を直線運動に変換するルーズアー
    ムと、該ルーズアームによって作動する両緩開急閉装置
    とを設け、前記弁軸の一側に対し複数の緩開急閉装置を
    前記弁軸の両側に配置し、一方の緩開急閉装置のシリン
    ダ室を連通する通路を設けずに、両緩開急閉装置のピス
    トンで区切られた圧力側のシリンダ室同志と、開放側の
    シリンダ室同志とをそれぞれ連絡配管を介して連通した
    ことを特徴とする逆止め弁。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスイング式逆
    止め弁において、前記複数の緩開急閉装置がそれぞれ略
    同一高さレベルに配置されていることを特徴とする逆止
    め弁。
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