JPH08135793A - 車両用エンジンのシリンダヘッドカバー組付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】プラグホールをシールする第２ガスケットとシ
リンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの合わせ面内側
のボルト孔をシールする第３ガスケットとを一体成形し
て複合ガスケットを形成し、複合ガスケットの介設時の
位置決めを果たす。 【構成】第２ガスケットと第３ガスケットとを一体成形
して複合ガスケット１８を形成するとともに、複合ガス
ケットの介設時にシリンダヘッドカバーと複合ガスケッ
トとを係合させて複合ガスケットの位置決めを果たす位
置決め機能を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は車両用エンジンのシリ
ンダヘッドカバー組付構造に係り、特にプラグホールを
シールする第２ガスケットとシリンダヘッドとシリンダ
ヘッドカバーとの合わせ面内側のボルト孔をシールする
第３ガスケットとを一体成形して複合ガスケットを形成
し、複合ガスケットの介設時の位置決めを果たす車両用
エンジンのシリンダヘッドカバー組付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両用エンジンは、シリンダヘッドと、
このシリンダヘッド下面に装着されるシリンダブロック
と、シリンダヘッド上面に装着されるシリンダヘッドカ
バーと、シリンダブロック下面に装着されるオイルパン
とを有している。

【０００３】また、前記エンジンの各接合面間にはガス
ケットが介設されている。例えば、シリンダヘッドとシ
リンダヘッドカバー間にラバー製のガスケットが介設さ
れ、シリンダヘッドとシリンダブロック間には、耐熱機
能を有するメタル製のガスケットが介設されている。

【０００４】前記車両用エンジンのシリンダヘッドカバ
ー組付構造としては、実開昭６０−１１０７６５号公報
に開示されるものがある。この公報に開示されるガスケ
ットは、空気圧機器等に使用する際の被装着物への位置
合わせ手段を備え、この位置合わせ手段を、ガスケット
の少なくとも被装着物側に突出する位置合わせ突起、あ
るいは被装着物の位置合わせ突起と係合する位置合わせ
孔にて構成している。

【０００５】また、実開昭６４−７６３号公報に開示さ
れるものがある。この公報に開示されるラバーガスケッ
トは、接合面間に介装されるラバーガスケットの両当接
面の断面を両凸レンズ状に膨出させて形成している。

【０００６】更に、実開平３−１０５７６２号公報に開
示されるものがある。この公報に開示されるＯリングの
脱落防止構造は、環状溝の周路溝中心線と略同一の周路
中心線を有するＯリングとからなり、且つ環状溝の対向
する両側壁の何れか一側壁には押圧突出部を、他側壁に
は、周方向にて押圧突出部を前後に挟むようにして補助
突出部を形成している。また、押圧突出部の側壁からの
突出寸法を補助突出部よりも大としている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の車両
用エンジンのシリンダヘッドカバー組付構造において
は、図５に示す如く、シリンダヘッドカバー１０６の図
示しないシリンダヘッドへの接合面たる合わせ面外周を
第１ガスケット１１４によってシールしている。

【０００８】また、シリンダヘッドカバー１０６内を複
数個の図示しないスパークプラグが貫通する場合に、シ
リンダヘッドカバー１０６にプラグホール１０８を形成
する必要があり、このプラグホール１０８内へのオイル
の侵入を防止するために第２ガスケット１２０を介設す
る必要がある。

【０００９】そして、前記シリンダヘッドカバー１０６
の図示しない組付用固定ボルトのボルト孔１１０周辺に
第１ガスケット１１４の位置決め用ストッパとして機能
する突起１５０を設け、第１、第２ガスケット１１４、
１２０の潰れ代を一定に保持している。

【００１０】更に、図６に示す如く、プラグホール２０
８用の第２ガスケット２２０の面圧を確保するために、
シリンダヘッドカバー２０６の中央部位にボルト孔２５
２を追加形成する場合がある。

【００１１】このとき、このボルト孔２５２の周辺部位
も当然にシールする必要があるとともに、ボルト孔２５
２をシールする第３ガスケット２２２の位置決め用スト
ッパとして機能する突起２５４を形成する必要もある。

【００１２】この結果、シリンダヘッドカバーの合わせ
面内側において、プラグホール用の第２ガスケットと追
加形成したボルト孔用の第３ガスケットとの２種類のガ
スケットが必要となり、部品点数が増加し、組付作業性
が悪く、実用上不利であるという不都合がある。

【００１３】また、前記第２、第３ガスケットを一体的
に形成した際には、第２ガスケットの位置決め機能が必
要となるという不都合もある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、エンジンのシリンダヘッド
にシリンダヘッドカバーを装着する際にシリンダヘッド
とシリンダヘッドカバーとの合わせ面外周をシールする
第１ガスケットとプラグホールをシールする第２ガスケ
ットと前記シリンダヘッドにシリンダヘッドカバーを組
み付ける固定ボルトのシリンダヘッドとシリンダヘッド
カバーとの合わせ面内側のボルト孔をシールする第３ガ
スケットとを有する車両用エンジンのシリンダヘッドカ
バー組付構造において、前記第２ガスケットと第３ガス
ケットとを一体成形して複合ガスケットを形成するとと
もにこの複合ガスケットの介設時にシリンダヘッドカバ
ーと複合ガスケットとを係合させて複合ガスケットの位
置決めを果たす位置決め機能を付加する構成としたこと
を特徴とする。

【００１５】

【作用】上述の如く発明したことにより、複合ガスケッ
トの介設時には、位置決め機能によってシリンダヘッド
カバーと複合ガスケットとを係合させ、複合ガスケット
の位置決めを確実に果たし、組付性を向上させている。

【００１６】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１７】図１〜図３はこの発明の第１実施例を示す
ものである。図１〜図３において、２は車両用エンジ
ン、４はシリンダヘッド、６はシリンダヘッドカバーで
ある。

【００１８】前記エンジン２は、シリンダヘッド４と、
このシリンダヘッド４下面に装着される図示しないシリ
ンダブロックと、シリンダヘッド４上面に装着されるシ
リンダヘッドカバー６と、図示しないシリンダブロック
下面に装着されるオイルパン（図示せず）とを有してい
る。

【００１９】前記シリンダヘッドカバー６には、図示し
ないスパークプラグのプラグホール８が複数個、例えば
３個形成され、シリンダヘッド４とシリンダヘッドカバ
ー６との合わせ面外周部位に複数個の外周用のボルト孔
１０が形成されるとともに、シリンダヘッド４とシリン
ダヘッドカバー６との合わせ面内側には内側用のボルト
孔１２が形成されている。

【００２０】この内側用のボルト孔１２は、前記プラグ
ホール８の近傍に、プラグホール８の個数と同数、例え
ば３個が夫々形成されている。

【００２１】そして、前記エンジン２のシリンダヘッド
４にシリンダヘッドカバー６を装着する際には、シリン
ダヘッド４とシリンダヘッドカバー６との合わせ面外周
をシールする第１ガスケット１４と、プラグホール８を
シールする第２ガスケットと、前記シリンダヘッド４に
シリンダヘッドカバー６を組み付ける固定ボルト１６の
シリンダヘッド４とシリンダヘッドカバー６との合わせ
面内側のボルト孔１２をシールする第３ガスケットとが
必要であるが、前記第２ガスケットと第３ガスケットと
を一体成形して複合ガスケット１８を形成する。

【００２２】また、この複合ガスケット１８の介設時に
シリンダヘッドカバー６と複合ガスケット１８とを係合
させて複合ガスケット１８の位置決めを果たす位置決め
機能を付加する構成とする。

【００２３】詳述すれば、前記複合ガスケット１８は、
プラグホール８をシールする第２ガスケットとして機能
するプラグホール用第１シール部２０と、シリンダヘッ
ド４とシリンダヘッドカバー６との合わせ面内側のボル
ト孔１２をシールする第３ガスケットとして機能するボ
ルト孔用第２シール部２２とからなる。

【００２４】また、前記シリンダヘッドカバー６に１個
の係合突起２４を形成するとともに、複合ガスケット１
８の第１、第２シール部２０、２２の連絡部位に係合溝
２６を形成し、係合突起２４と係合溝２６とによって位
置決め機能を果たす構成とし、係合突起２４に係合溝２
６を係合させて複合ガスケット１８の位置決めを果たす
ものである。

【００２５】更に、前記シリンダヘッドカバー６に形成
される係合突起２４は、図３に示す如く、シリンダヘッ
ド４側に突出形状、正確にはシリンダヘッドヘッドカバ
ー６の合わせ面部位に第１シール部２０を収容する第１
凹部２８と第２シール部２２を収容する第２凹部３０と
を形成したことにより、相対的に突出した状態となって
いる。

【００２６】次に作用について説明する。

【００２７】前記エンジン２のシリンダヘッド４にシリ
ンダヘッドカバー６を装着する際には、シリンダヘッド
４とシリンダヘッドカバー６との合わせ面外周間に第１
ガスケット１４を介設するとともに、シリンダヘッド４
とシリンダヘッドカバー６との合わせ面内側に複合ガス
ケット１８を介設し、固定ボルト１６によって固定す
る。

【００２８】そしてこのとき、シリンダヘッド４とシリ
ンダヘッドカバー６との合わせ面内側に複合ガスケット
１８を介設する際には、シリンダヘッドカバー６の係合
突起２４に複合ガスケット１８の係合溝２６を係合させ
て複合ガスケット１８の位置決めを行い、第１シール部
２０に第１凹部２８を収容させるとともに、第２シール
部２２に第２凹部３０を収容させている。

【００２９】これにより、前記第２、第３ガスケットを
一体成形した複合ガスケット１８によってガスケットを
コンパクトとすることができるとともに、製作が容易で
あり、しかも部品点数を減少させることができ、コスト
を低廉とし得て、経済的に有利である。

【００３０】また、前記複合ガスケット１８を形成する
ことにより、複合ガスケット１８の組付工数が減少し、
組付性を向上させることができ、実用上有利である。

【００３１】更に、前記第２、第３ガスケットを一体成
形して複合ガスケット１８を形成しても、従来の第２、
第３ガスケットと同様に、確実なシール機能を維持する
ことができるものである。

【００３２】更にまた、前記複合ガスケット１８の介設
時に複合ガスケット１８の位置決めを確実に行うことが
できることにより、位置決め作業、そして組付性をも向
上し得る。

【００３３】また、前記シリンダヘッドカバー６に形成
した係合突起２４と複合ガスケット１８の第１、第２シ
ール部２０、２２の連絡部位に形成した係合溝２６とに
よって複合ガスケット１８の位置決め機能を果たす構成
としたことにより、複合ガスケット１８の位置決めを確
実に行うことができ、実用上有利であるとともに、係合
突起２４と係合溝２６との構成が簡略であり、製作が容
易で、コストを低廉に維持し得て、経済的にも有利であ
る。

【００３４】更に、前記係合突起２４がストッパとして
も機能することにより、第１シール部２０における潰れ
代を略一定とすることができ、複合ガスケット、特に第
１シール部２０の損傷を確実に防止し得るものである。

【００３５】図４はこの発明の第２実施例を示すもので
ある。この第２実施例において、上述第１実施例と同一
機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する。

【００３６】上述第１実施例においては、前記シリンダ
ヘッドカバー６に形成した係合突起２４と複合ガスケッ
ト１８の第１、第２シール部２０、２２の連絡部位に形
成した係合溝２６とによって複合ガスケット１８の位置
決め機能を果たす構成としたが、この第２実施例の特徴
とするところは、２個の係合突起４０−１、４０−２
と、これら係合突起４０−１、４０−２間に係合する係
合切欠き部４２−１、４２−２とによって複合ガスケッ
ト４４の位置決め機能を果たす構成とした点にある。

【００３７】すなわち、図４に示す如く、図示しないシ
リンダヘッドカバーに２個の係合突起４０−１、４０−
２を対峙させて形成するとともに、複合ガスケット４４
の第１、第２シール部２０、２２の連絡部位の両側に係
合切欠き部４２−１、４２−２を形成し、係合突起４０
−１、４０−２間に係合切欠き部４２−１、４２−２を
係合させて複合ガスケット４４の位置決めを行うもので
ある。

【００３８】さすれば、前記第２、第３ガスケットを一
体成形した複合ガスケット４４により、上述第１実施例
のものと同様に、ガスケットをコンパクトとすることが
できるとともに、製作が容易であり、しかも部品点数を
減少させることができ、コストを低廉とし得て、経済的
に有利である。

【００３９】また、前記複合ガスケット４４を形成する
ことにより、上述第１実施例のものと同様に、複合ガス
ケット４４の組付工数が減少し、組付性を向上させるこ
とができ、実用上有利である。

【００４０】更に、前記第２、第３ガスケットを一体成
形して複合ガスケット４４を形成しても、上述第１実施
例のものと同様に、確実なシール機能を維持することが
できるものである。

【００４１】更にまた、前記複合ガスケット４４の介設
時に、複合ガスケット４４の位置決めを確実に行うこと
ができることにより、上述第１実施例のものと同様に、
位置決め作業、そして組付性をも向上し得る。

【００４２】また、前記シリンダヘッドカバーに形成し
た係合突起４０−１、４０−２と複合ガスケット４４の
第１、第２シール部２０、２２の連絡部位に形成した係
合切欠き部４２−１、４２−２とによって複合ガスケッ
ト４４の位置決め機能を果たす構成としたことにより、
上述第１実施例のものと同様に、複合ガスケット４４の
位置決めを確実に行うことができ、実用上有利であると
ともに、係合突起４０−１、４０−２と係合切欠き部４
２−１、４２−２との構成が簡略であり、製作が容易
で、コストを低廉に維持し得て、経済的にも有利であ
る。

【００４３】更に、前記係合突起４０−１、４０−２が
ストッパとしても機能することにより、上述第１実施例
のものと同様に、第１シール部２０における潰れ代を略
一定とすることができ、複合ガスケット、特に第１シー
ル部２０の損傷を確実に防止し得る。

【００４４】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、プラグホールをシールする第２ガスケットと、シリ
ンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの合わせ面内側の
ボルト孔をシールする第３ガスケットとを一体成形して
複合ガスケットを形成するとともに、複合ガスケットの
介設時にシリンダヘッドカバーと複合ガスケットとを係
合させて複合ガスケットの位置決めを果たす位置決め機
能を付加する構成としたので、第２、第３ガスケットを
一体成形した複合ガスケットによってガスケットをコン
パクトとすることができるとともに、製作が容易であ
り、しかも部品点数を減少させることができ、コストを
低廉とし得て、経済的に有利である。また、前記複合ガ
スケットを形成することにより、複合ガスケットの組付
工数が減少し、組付性を向上させることができ、実用上
有利である。更に、前記第２、第３ガスケットを一体成
形して複合ガスケットを形成しても、従来の第２、第３
ガスケットと同様に、確実なシール機能を維持すること
ができるものである。更にまた、前記複合ガスケットの
介設時に複合ガスケットの位置決めを確実に行うことが
できることにより、位置決め作業、そして組付性をも向
上し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例を示す複合ガスケットの
拡大平面図である。

【図２】シリンダヘッドカバーの底面図である。

【図３】シリンダヘッドとシリンダヘッドカバー間に複
合ガスケットを介設した際の概略拡大断面図である。

【図４】この発明の第２実施例を示す複合ガスケットの
拡大平面図である。

【図５】この発明の第１の従来技術を示すシリンダヘッ
ドカバーの底面図である。

【図６】この発明の第２の従来技術を示すシリンダヘッ
ドカバーの底面図である。

【符号の説明】

２ 車両用エンジン ４ シリンダヘッド ６ シリンダヘッドカバー ８ プラグホール １０ 外周用のボルト孔 １２ 内側用のボルト孔 １４ 第１ガスケット １６ 固定ボルト １８ 複合ガスケット ２０ プラグホール用第１シール部 ２２ ボルト孔用第２シール部 ２４ 係合突起 ２６ 係合溝 ２８ 第１凹部 ３０ 第２凹部

【手続補正書】

【提出日】平成６年１２月１９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのシリンダヘッドにシリンダヘ
   ッドカバーを装着する際にシリンダヘッドとシリンダヘ
   ッドカバーとの合わせ面外周をシールする第１ガスケッ
   トとプラグホールをシールする第２ガスケットと前記シ
   リンダヘッドにシリンダヘッドカバーを組み付ける固定
   ボルトのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの合
   わせ面内側のボルト孔をシールする第３ガスケットとを
   有する車両用エンジンのシリンダヘッドカバー組付構造
   において、前記第２ガスケットと第３ガスケットとを一
   体成形して複合ガスケットを形成するとともにこの複合
   ガスケットの介設時にシリンダヘッドカバーと複合ガス
   ケットとを係合させて複合ガスケットの位置決めを果た
   す位置決め機能を付加する構成としたことを特徴とする
   車両用エンジンのシリンダヘッドカバー組付構造。