JPH08135716A - セルフポンピング式ショックアブソーバ - Google Patents

セルフポンピング式ショックアブソーバ

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JPH08135716A
JPH08135716A JP29590994A JP29590994A JPH08135716A JP H08135716 A JPH08135716 A JP H08135716A JP 29590994 A JP29590994 A JP 29590994A JP 29590994 A JP29590994 A JP 29590994A JP H08135716 A JPH08135716 A JP H08135716A
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pump
chamber
shock absorber
low pressure
cylinder
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輌が搬送される際のポンプ作用による車高
の上昇を防止する。 【構成】 低圧室22と、作動流体室としての上室52
と連通する高圧室32と、ピストン34及びシリンダ1
0の相対運動により低圧室より高圧室へオイルを供給す
るポンプ104とを有するセルフポンピング式ショック
アブソーバ。低圧室と高圧室とを連通接続するバイパス
通路92と、ショックアブソーバの外部より操作される
ことによりバイパス通路の連通を遮断する第一の位置
と、バイパス通路の連通を許す第二の位置とに切換わる
弁装置94とを有し、車輌が搬送される際には弁装置は
第二の位置に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバに
係り、更に詳細にはセルフポンピング式のショックアブ
ソーバに係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のショックアブソーバの
一つとして、例えば特開昭59−159441号公報に
記載されている如く、相対的に往復動可能に互いに嵌合
し互いに共働して上室及び下室を郭定するピストン及び
シリンダと、ピストンに設けられた減衰力発生機構と、
低圧室と、上室と連通する高圧室と、ピストン及びシリ
ンダの相対運動により容積が増減されるポンプ室を備え
たポンプと、ショックアブソーバが所定量以上伸張した
ときには低圧室と上室とを連通接続する連通制御機構と
を有し、ポンプはピストンのロッド部内に配置されたポ
ンプシリンダ部材と、ポンプシリンダ部材に往復動可能
に嵌合し一端にてシリンダに固定されポンプシリンダ部
材と共働してポンプ室を郭定するポンプロッドと、低圧
室よりポンプ室へ向かうオイルの流れを許容する吸入弁
と、ポンプ室より上室へ向かうオイルの流れを許容する
吐出弁とを含み、ショックアブソーバの伸び行程に対応
する吸入行程により低圧室よりポンプ室へオイルを吸入
し、ショックアブソーバの縮み行程に対応する吐出行程
によりポンプ室より上室へオイルを吐出するよう構成さ
れたセルフポンピング式のショックアブソーバが従来よ
り知られている。
【0003】かかるセルフポンピング式のショックアブ
ソーバによれば、ショックアブソーバが繰返し伸縮する
と、ポンプの吸入行程及び吐出行程も繰返し行われ、こ
れにより低圧室よりポンプを経て上室及び下室へオイル
が供給され、ショックアブソーバが漸次伸張し、ショッ
クアブソーバの伸張量が所定量になると連通制御機構に
よりショックアブソーバがそれ以上伸張することが阻止
されるので、車輌の積載荷重の増大等により車高が低下
しても、車輌の走行に伴い車輪が繰返しバウンド、リバ
ウンドする過程に於て車高を自動的に標準車高に戻すこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の従来のセ
ルフポンピング式ショックアブソーバが搭載された車輌
に於ては、車輪が繰返し大きくバウンド、リバウンドす
ると、ポンプが必ず作動し車高が漸次増大されるので、
車輌がワイヤロープやトランスポートフックによってキ
ャリアカーや輸送船に固定されることにより搬送される
場合には、車輌がキャリアカーの振動や輸送船の揺れに
よって加振され、ショックアブソーバが大きく伸縮せし
められると、車高の増大によりワイヤロープ等に過剰の
応力が作用し、これらが破壊することがある。
【0005】本発明は、従来のセルフポンピング式のシ
ョックアブソーバに於ける上述の如き問題に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の主要な課題は、必要に応じて
ポンプの作用を無効にすることにより、車輌が搬送され
る際の車高の増大及びこれに起因する問題の発生を防止
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、相対的に往復動可能に互いに嵌合し互い
に共働して作動流体室を郭定するピストン及びシリンダ
と、前記ピストン若しくは前記シリンダに設けられた減
衰力発生機構と、低圧室と、前記作動流体室と連通する
高圧室と、前記ピストン及び前記シリンダの相対運動に
より前記低圧室より前記高圧室へ作動流体を供給するポ
ンプとを有するセルフポンピング式ショックアブソーバ
に於て、前記低圧室と前記高圧室とを連通接続するバイ
パス通路と、ショックアブソーバの外部より操作される
ことにより前記バイパス通路の連通を遮断する第一の位
置と、前記バイパス通路の連通を許す第二の位置とに切
換わる弁装置とを有していることを特徴とするセルフポ
ンピング式ショックアブソーバ(請求項1の構成)、又
は相対的に往復動可能に互いに嵌合し互いに共働して作
動流体室を郭定するピストン及びシリンダと、前記ピス
トン若しくは前記シリンダに設けられた減衰力発生機構
と、低圧室と、前記作動流体室と連通する高圧室と、前
記ピストン及び前記シリンダの相対運動により前記低圧
室より前記高圧室へ作動流体を供給するポンプとを有
し、前記ポンプは前記ピストンのロッド部に設けられた
ポンプシリンダ孔と、一端にて前記シリンダに固定され
前記ポンプシリンダ孔に往復動可能に嵌合し前記ポンプ
シリンダ孔と共働してポンプ室を郭定するポンプロッド
と、少くとも前記ポンプロッド内に延在し前記低圧室と
前記ポンプ室とを連通接続する低圧通路手段とを有する
セルフポンピング式ショックアブソーバに於て、前記ポ
ンプピストンに設けられ前記低圧通路手段と前記作動流
体室とを連通接続するバイパス通路と、ショックアブソ
ーバの外部より操作されることにより前記バイパス通路
の連通を遮断し且つ前記低圧通路手段の連通を許す第一
の位置と、前記バイパス通路の連通を許し且つ前記低圧
通路手段の連通を遮断する第二の位置とに切換わる弁装
置とを有していることを特徴とするセルフポンピング式
ショックアブソーバ(請求項2の構成)によって達成さ
れる。
【0007】
【作用】上述の請求項1の構成によれば、ショックアブ
ソーバは低圧室と高圧室とを連通接続するバイパス通路
と、ショックアブソーバの外部より操作されることによ
りバイパス通路の連通を遮断する第一の位置と、バイパ
ス通路の連通を許す第二の位置とに切換わる弁装置とを
有しているので、弁装置が第二の位置に切換えられバイ
パス通路が連通されると、ショックアブソーバが大きく
伸縮されても、ポンプにより高圧室へ供給される作動流
体はバイパス通路を経て低圧室へ戻り、ポンプが本来の
ポンプ作用を行わない状態と等価な状態になる。
【0008】従って車輌が搬送される場合には、弁装置
を第二の位置に切換え設定してバイパス通路を連通する
ことにより、車輌がキャリアカーの振動や輸送船の揺れ
によって加振されショックアブソーバが大きく伸縮され
ても、作動流体室内の作動流体の量及び圧力は増大せ
ず、これによりショックアブソーバが漸次伸張し車高が
漸次増大すること及びこれに起因してワイヤロープ等に
過剰の応力が作用することが確実に防止される。
【0009】また請求項2の構成によれば、ショックア
ブソーバはポンプロッドに設けられ低圧通路手段と作動
流体室とを連通接続するバイパス通路と、ショックアブ
ソーバの外部より操作されることによりバイパス通路の
連通を遮断し且つ低圧通路手段の連通を許す第一の位置
と、バイパス通路の連通を許し且つ低圧通路手段の連通
を遮断する第二の位置とに切換わる弁装置とを有してい
るので、弁装置が第二の位置に切換えられバイパス通路
が連通されると共に低圧通路手段の連通が遮断される
と、ショックアブソーバが大きく伸縮されても、ポンプ
は低圧室より作動流体を吸入するのではなく作動流体室
より吸入し、またポンプにより高圧室へ供給される作動
流体は作動流体室及びバイパス通路を経て低圧通路手段
へ戻り、ポンプは本来のポンプ作用を行わない。
【0010】従って車輌がワイヤロープ等によってキャ
リアカーや輸送船に固定されることにより搬送される場
合には、弁装置を第二の位置に切換え設定してバイパス
通路を連通すると共に低圧通路手段の連通を遮断するこ
とにより、車輌がキャリアカーの振動や輸送船の揺れに
よって加振されショックアブソーバが大きく伸縮されて
も、作動流体室内の作動流体の量及び圧力は増大せず、
これによりショックアブソーバが漸次伸張し車高が漸次
増大すること及びこれに起因してワイヤロープ等に過剰
の応力が作用することが確実に防止される。
【0011】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0012】図1は縮み行程に於てポンピングの吐出行
程を行うよう構成された本発明によるセルフポンピング
式ショックアブソーバの第一の実施例を示す縦断面図、
図2は第一の実施例の吸入弁及びその近傍を示す拡大部
分縦断面図、図3は第一の実施例の吐出弁及びその近傍
を示す拡大部分縦断面図、図4は第一の実施例の弁装置
及びその近傍を示す拡大部分縦断面図である。
【0013】これらの図に於て、10はシリンダを示し
ており、シリンダ10は軸線12に沿って互いに同心に
延在するインナシリンダ14及びアウタシリンダ16を
含んでいる。アウタシリンダ16の上端はそれと一体の
エンドキャップ16Aにより閉ざされており、アウタシ
リンダ16の下端にはエンドキャップ18が固定されて
いる。インナシリンダ14は上方部分にて支持部材20
によりアウタシリンダ16に固定され、下端にてエンド
キャップ18及びシールキャップ19A、19Bにより
アウタシリンダに固定されている。
【0014】支持部材20はその下端に固定された隔壁
部材21及びアウタシリンダ16と共働して環状の低圧
室22を郭定しており、低圧室22には低圧のガス24
及び作動流体としてのオイル26が封入されている。隔
壁部材21の下方にてインナシリンダ14とアウタシリ
ンダ16との間の環状空間には実質的に筒状のダイヤフ
ラム28が配置されている。ダイヤフラム28は上端に
て隔壁部材21に固定され、下端にてエンドキャップ1
8に固定されており、これにより径方向外側に高圧のガ
スが封入された気体室30を郭定し、径方向内側に高圧
のオイル26が封入された高圧室32を郭定している。
【0015】インナシリンダ14内には軸線12に沿っ
て往復動可能にピストン34が配置されている。ピスト
ン34は軸線12に沿って延在するピストンロッド36
と該ピストンロッドの上端に固定されたピストン本体3
8とよりなっている。ピストン本体38にはそれ自身周
知の伸び行程用の減衰力発生機構40及び縮み行程用の
減衰力発生機構42が設けられている。ピストンロッド
36は軸線12に沿って延在する中空孔44を有し、中
空孔44内には軸線12に沿って延在するポンプシリン
ダ部材46が固定的に配置されている。
【0016】ポンプシリンダ部材46には軸線12に沿
って延在するポンプロッド48がポンプシリンダ部材に
対し相対的に往復動可能に嵌合しており、ポンプロッド
48は上端にて支持部材20等によりアウタシリンダ1
6に固定され、ポンプシリンダ部材と共働してポンプ室
50を郭定している。ピストン34はインナシリンダ1
4と支持部材20との間に配置されたスペーサワッシャ
49、インナシリンダ14、ポンプロッド48と共働し
て作動流体室としての上室52を郭定すると共に、イン
ナシリンダ14及びシールキャップ19Bと共働して作
動流体室としての下室54を郭定している。上室52の
上端にはインナシリンダ14と支持部材20及び隔壁部
材21との間に郭定された高圧通路55の上端が連通接
続されている。
【0017】ポンプロッド48には軸線12に沿って延
在する低圧通路56が設けられており、低圧通路56の
上端は支持部材20の上端部とエンドキャップ16Aと
の間に郭定された中間室58及び支持部材20に固定さ
れた導管60により低圧室22の下方部と連通接続され
ている。またポンプロッド48の長手方向中央部には内
端にて低圧通路56に連通し外端にてポンプロッドの外
面に開口し径方向に延在する連通孔62が設けられてい
る。特に図示の実施例に於ては、ポンプロッド48の下
方部は先細状をなしており、これによりポンプロッドと
ポンプシリンダ部材46との間のクリアランスは車高が
高くなるにつれて漸次減少するよう設定されている。
【0018】図2に詳細に示されている如く、ポンプロ
ッド48の下端には吸入弁64が設けられている。吸入
弁64は実質的に板状の弁要素66と、上端にてポンプ
ロッド48の下端に固定され実質的にカップ形の支持部
材68と、弁要素66と支持部材68との間に弾装され
弁要素をそれがポンプロッド48の下端に当接する図示
の閉弁位置へ付勢する圧縮コイルばね70とを含んでい
る。支持部材68にはその内部とポンプ室50とを連通
接続するスリットや孔の如き連通孔72が設けられてい
る。吸入弁64は低圧通路56よりポンプ室50へ向か
うオイルの流れを許すが、ポンプ室より低圧通路へ向か
うオイルの流れを阻止する逆止弁として機能する。
【0019】また図3に詳細に示されている如く、ポン
プシリンダ部材46の下端部にはリング74によりカッ
プ形の支持部材76が固定されており、支持部材76は
軸線12に沿って摺動可能に中空孔44に嵌合してい
る。支持部材76の内側にてポンプシリンダ部材46の
下方には吐出弁78が設けられている。吐出弁78は実
質的に板状の弁要素80と、弁要素80と支持部材76
の底壁との間に弾装され弁要素をそれがポンプシリンダ
部材46の下端に当接する図示の閉弁位置へ付勢する圧
縮コイルばね82とを含んでいる。支持部材76と中空
孔44の底壁との間には圧縮コイルばね84及びシム8
6が配置されており、これによりポンプシリンダ部材4
6は支持部材を介して図にて上方へ付勢され、ピストン
ロッド36の上端に固定されたロックナット87に対し
押付けられることにより位置決めされている。
【0020】支持部材76の円筒部には長手方向に延在
する複数のスリット88が設けられている。ポンプシリ
ンダ部材46の外周面若しくはポンプロッド48の内周
面には、長手方向に延在する複数の溝が設けられてお
り、これらの溝によりスリット88と上室52とを連通
接続する複数の連通路90が郭定されている。吐出弁7
8はポンプ室50より連通路90へ向かうオイルの流れ
を許すが、連通路よりポンプ室へ向かうオイルの流れを
阻止する逆止弁として機能する。
【0021】また図4に詳細に示されている如く、隔壁
部材21には低圧室22と高圧室32とを連通接続する
バイパス通路92が形成されており、バイパス通路92
の途中には弁装置94が設けられている。図示の実施例
に於ては、弁装置94はアウタシリンダ16及び隔壁部
材21にねじ込まれたニードル弁であり、そのノブ94
Aにて弁装置を回転させることによって長手方向に移動
させることにより、図示の如くバイパス通路92の連通
を遮断する第一の位置と、バイパス通路の連通を許す第
二の位置とに切換わるようになっており、通常時には第
一の位置に設定される。ノブ94Aとアウタシリンダ1
6との間にて弁装置94の周りにはシールリング96が
介装されている。
【0022】更に図1に示されている如く、ピストンロ
ッド36の下端には連結部材100が一体に設けられて
おり、図には示されていないが連結部材100とシール
キャップ19Aとの間にはダストブーツが渡設されてい
る。またアウタシリンダ16の上端のエンドキャップ1
6Aには連結部材102が一体的に固定されており、シ
ョックアブソーバは連結部材102により図には示され
ていないゴムブッシュを介して車体に連結され、連結部
材100により図には示されていないゴムブッシュを介
してサスペンションアームの如きサスペンション部材に
連結されるようになっている。
【0023】以上の説明より解る如く、高圧通路55は
上室52と高圧室32とを連通接続する高圧通路手段を
郭定しており、導管60、中間室58、低圧通路56は
低圧室22とポンプ室50とを連通接続する低圧通路手
段を郭定しており、連通孔62はポンプロッド48の上
端と共働してピストン34及びシリンダ10が所定量以
上伸び方向へ相対変位すると、即ち車高が標準車高以上
になると上室52と低圧通路56とを連通接続する連通
制御手段を郭定している。
【0024】また伸び行程用の減衰力発生機構40及び
縮み行程用の減衰力発生機構42は、車輪のバウンド、
リバウンドに応答して減衰力を発生する減衰力発生手段
を郭定しており、ポンプシリンダ部材46、ポンプロッ
ド48、吸入弁64、吐出弁78等の部材は、車輪のバ
ウンド、リバウンドによってショックアブソーバが伸縮
されポンプ室50の容積が増減されることにより、後述
の如く低圧室22より低圧通路手段を経て上室52へオ
イルをポンピング供給するポンプ104を郭定してい
る。
【0025】上述の如く構成された第一の実施例に於
て、図には示されていない車輪のリバウンドによりピス
トン34及びシリンダ10が伸び行程の相対運動をする
と、上室52の容積が増大し下室54の容積が減少する
ことにより、下室内のオイルがピストン本体38を経て
上室へ移動し、減衰力発生機構40により伸び行程の減
衰力が発生される。同様に車輪のバウンドによりピスト
ン34及びシリンダ10が縮み行程の相対運動をする
と、上室52の容積が減少し下室54の容積が増大する
ことにより、上室内のオイルがピストン本体38を経て
下室へ移動し、減衰力発生機構42により縮み行程の減
衰力が発生される。
【0026】またショックアブソーバの伸び行程に於て
は、ポンプ室50の容積が増大して該ポンプ室内の圧力
が低下することにより、吐出弁78が閉弁されると共に
吸入弁64が開弁され、低圧室22より導管60、中間
室58、低圧通路56、吸入弁64を経てポンプ室50
へオイルが吸入され、これによりポンプ104の吸入行
程が行われる。同様にショックアブソーバの縮み行程に
於ては、ポンプ室50の容積が減少して該ポンプ室内の
圧力が上昇することにより、吸入弁64が閉弁されると
共に吐出弁78が開弁され、ポンプ室50より吐出弁7
8、スリット88、連通路90を経て上室52へオイル
が吐出供給され、これによりポンプ104の吐出行程が
行われる。
【0027】かくしてポンプ104の吸入行程及び吐出
行程が繰返し行われると、上室52、下室54、高圧室
32内のオイルの量及び圧力が増大し、これによりピス
トン34及びシリンダ10が伸び方向に相対変位する
が、連通孔62がポンプシリンダ部材46の上端より上
方の位置に来ると、上室52が連通孔62によって低圧
通路56と連通接続され、上室52内のオイルの一部が
低圧室22へ排出され、これにより連通孔62がポンプ
シリンダ部材46の上端の位置に位置するようピストン
34及びシリンダ10が互いに他に対し位置決めされ
る。従って車輌の積載荷重の変動が生じ車高の変動が生
じても、ショックアブソーバの伸縮により行われるポン
プ104のポンピング作用及び連通孔62の位置決め作
用により、車高が連通孔62の位置により決定される標
準車高に自動的に戻される。
【0028】更に車輌が搬送される場合には、弁装置9
4が第二の位置に切換えられることにより低圧室22と
高圧室32とが連通接続された状態に設定される。かか
る状態に於ては、ショックアブソーバが大きく伸縮され
ポンプ104が駆動されても、ポンプにより高圧室32
へ供給されるオイルはバイパス通路92を経て低圧室2
2へ戻るので、上室52、下室54、高圧室32内のオ
イルの量及び圧力は増大せず、従って車高も上昇しな
い。
【0029】従って車輌が例えばワイヤロープやトラン
スポートフックによってキャリアカーや輸送船に固定さ
れることにより搬送される状況に於て、車輌がキャリア
カー等の振動によって加振され、ショックアブソーバが
伸縮せしめられるような場合にも、ポンプ104のポン
プ作用によって車高が漸次増大されることに起因してワ
イヤロープ等に過剰の応力が作用することが確実に防止
され、また低圧室22及び高圧室32、上室52、下室
54内の圧力が互いに等しくなることによって車高が最
低車高に低減され、車体の重心が通常時よりも低く設定
されるので、搬送時の車輌の安定性が向上する。
【0030】図5は縮み行程に於てポンピングの吐出行
程を行うよう構成された本発明によるセルフポンピング
式ショックアブソーバの第二の実施例の弁装置及びその
近傍を示す拡大部分縦断面図、図6は第二の実施例の弁
装置の第一の位置(A)及び第二の位置(B)を示す拡
大部分縦断面図である。尚図5及び図6に於て、図1に
示された部分に対応する部分には図1に於て付された符
号と同一の符号が付されている。
【0031】この第二の実施例に於ては、ポンプロッド
48の上端近傍には弁座部材110が固定されており、
弁座部材110は低圧通路56と上室52とを連通接続
するバイパス通路112を有している。アウタシリンダ
16のエンドキャップ16Aは軸線12に沿って延在す
る弁部材114を螺合により支持しており、エンドキャ
ップ16Aと弁部材114との間はOリング116によ
りシールされている。弁部材114は上端にノブ114
Aを有し、下端に実質的に球形の弁要素114Bを有し
ている。弁座部材110の内端は弁要素114Bを密に
受ける弁座118を有しており、ポンプロッド48は弁
座118の上方に弁要素を密に受ける弁座120を有し
ている。
【0032】弁座部材110及び弁部材114は互いに
共働して弁装置122を郭定している。弁装置122は
ノブ114Aが回転操作されることによって軸線12に
沿って移動されることにより、弁要素114Bが弁座1
18に密に当接し且弁座120より離脱することによっ
てバイパス通路112の連通を遮断し且低圧通路56の
連通を許す図6(A)に示された第一の位置と、弁要素
114Bが弁座120に密に当接し且弁座118より離
脱することによってバイパス通路112の連通を許し且
低圧通路56の連通を遮断する図6(B)に示された第
二の位置とに切換わるようになっており、通常時には第
一の位置に設定される。
【0033】尚第二の実施例は他の点については第一の
実施例と同様に構成されており、従ってこの実施例に於
てもショックアブソーバの伸び行程に於て低圧室22よ
り導管60、中間室58、低圧通路56、吸入弁(6
4)を経てポンプ室(50)へオイルが吸入されること
によりポンプ(104)の吸入行程が行われ、ショック
アブソーバの縮み行程に於てポンプ室(50)より吐出
弁(78)、連通路(90)を経て上室52へオイルが
吐出供給されることによりポンプ(104)の吐出行程
が行われる。
【0034】また第一の実施例の場合と同様、ショック
アブソーバの伸び行程に於ては減衰力発生機構(40)
により減衰力が発生され、ショックアブソーバの縮み行
程に於ては減衰力発生機構(42)により減衰力が発生
され、車輌の積載荷重の変動が生じ車高の変動が生じて
も、ショックアブソーバの伸縮により行われるポンプ
(104)のポンピング作用及び連通孔(62)の位置
決め作用により、車高は連通孔の位置により決定される
標準車高に自動的に戻される。
【0035】更に車輌が搬送される場合には、弁装置1
22が第二の位置に切換えられることにより、低圧通路
56の連通を遮断し且つバイパス通路112の連通を許
して低圧通路56と上室52とが連通接続された状態に
設定される。かかる状態に於ては、ポンプ(104)は
低圧室22よりオイルを吸入するのではなく、上室52
よりバイパス通路112及び低圧通路56を経て吸入
し、またポンプ(104)により上室52へ供給される
オイルはバイパス通路112を経て低圧通路56へ戻る
ので、ポンプは低圧室22より上室52等へオイルを供
給せず、従って車高は増大しない。
【0036】従って車輌がキャリアカー等により搬送さ
れる状況に於て、車輌がキャリアカー等の振動によって
加振され、ショックアブソーバが大きく伸縮せしめられ
るような場合にも、上室52及び下室(54)内のオイ
ルの量及び圧力は上昇しないので、ポンプ(104)の
ポンプ作用によって車高が漸次増大されることに起因し
てワイヤロープ等に過剰の応力が作用することが確実に
防止される。
【0037】またこの場合弁装置122が第二の位置に
あるときには低圧通路56の連通が遮断されるので、弁
装置122を第一の位置より第二の位置へ迅速に切換え
ることにより、上室52内の多量のオイルが低圧通路5
6を経て低圧室22へ流出することを回避することがで
き、これにより高圧室32、上室52、下室54内の圧
力が低下し低圧室22内の圧力と等しくなること及びこ
れに起因して車高が大きく低下することを防止すること
ができる。
【0038】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0039】例えば上述の二つの実施例に於ては、ショ
ックアブソーバはその縮み行程に於てのみポンプの吐出
行程が行われるよう構成されているが、本発明のショッ
クアブソーバは本願出願人による特願平6−
号(整理番号AT−5027)明細書及び図面に記載さ
れている如く伸び行程及び縮み行程の両者に於てポンプ
の吐出行程が行われるよう構成されてもよく、また本願
出願人による特開平6−245547号公報に記載され
ている如く伸び行程に於てのみポンプの吐出行程が行わ
れるよう構成されてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、上述
の請求項1の構成によれば、弁装置が第二の位置に切換
えられバイパス通路が連通されると、ショックアブソー
バが大きく伸縮されても、ポンプにより高圧室へ供給さ
れる作動流体はバイパス通路を経て低圧室へ戻り、ポン
プが本来のポンプ作用を行わない状態と等価な状態にな
るので、車輌がキャリアカーの振動や輸送船の揺れによ
って加振されショックアブソーバが大きく伸縮されて
も、作動流体室内の作動流体の量及び圧力は増大せず、
これによりショックアブソーバが漸次伸張し車高が漸次
増大すること及びこれに起因してワイヤロープ等に過剰
の応力が作用することを確実に防止することができる。
【0041】また請求項2の構成によれば、弁装置が第
二の位置に切換えられバイパス通路が連通されると共に
低圧通路手段の連通が遮断されると、ショックアブソー
バが大きく伸縮されても、ポンプは低圧室より作動流体
を吸入するのではなく作動流体室より吸入し、またポン
プにより高圧室へ供給される作動流体は作動流体室及び
バイパス通路を経て低圧通路手段へ戻り、ポンプは本来
のポンプ作用を行わないので、この構成の場合にも車輌
がキャリアカーの振動や輸送船の揺れによって加振され
ショックアブソーバが大きく伸縮されても、作動流体室
内の作動流体の量及び圧力は増大せず、これによりショ
ックアブソーバが漸次伸張し車高が漸次増大すること及
びこれに起因してワイヤロープ等に過剰の応力が作用す
ることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縮み行程に於てポンピングの吐出行程を行うよ
う構成された本発明によるセルフポンピング式ショック
アブソーバの第一の実施例を示す縦断面図である。
【図2】第一の実施例の吸入弁及びその近傍を示す拡大
部分縦断面図である。
【図3】第一の実施例の吐出弁及びその近傍を示す拡大
部分縦断面図である。
【図4】第一の実施例の弁装置及びその近傍を示す拡大
部分縦断面図である。
【図5】縮み行程に於てポンピングの吐出行程を行うよ
う構成された本発明によるセルフポンピング式ショック
アブソーバの第二の実施例の弁装置及びその近傍を示す
拡大部分縦断面図である。
【図6】第二の実施例の弁装置の第一の位置(A)及び
第二の位置(B)を示す拡大部分縦断面図である。
【符号の説明】
10…シリンダ 22…低圧室 32…高圧室 34…ピストン 40、42…減衰力発生機構 46…ポンプシリンダ部材 48…ポンプロッド 52…上室 54…下室 55…高圧通路 56…低圧通路 62…連通孔 64…吸入弁 78…吐出弁 92…バイパス通路 94…弁装置 104…ポンプ 112…バイパス通路 122…弁装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に往復動可能に互いに嵌合し互いに
    共働して作動流体室を郭定するピストン及びシリンダ
    と、前記ピストン若しくは前記シリンダに設けられた減
    衰力発生機構と、低圧室と、前記作動流体室と連通する
    高圧室と、前記ピストン及び前記シリンダの相対運動に
    より前記低圧室より前記高圧室へ作動流体を供給するポ
    ンプとを有するセルフポンピング式ショックアブソーバ
    に於て、前記低圧室と前記高圧室とを連通接続するバイ
    パス通路と、ショックアブソーバの外部より操作される
    ことにより前記バイパス通路の連通を遮断する第一の位
    置と、前記バイパス通路の連通を許す第二の位置とに切
    換わる弁装置とを有していることを特徴とするセルフポ
    ンピング式ショックアブソーバ。
  2. 【請求項2】相対的に往復動可能に互いに嵌合し互いに
    共働して作動流体室を郭定するピストン及びシリンダ
    と、前記ピストン若しくは前記シリンダに設けられた減
    衰力発生機構と、低圧室と、前記作動流体室と連通する
    高圧室と、前記ピストン及び前記シリンダの相対運動に
    より前記低圧室より前記高圧室へ作動流体を供給するポ
    ンプとを有し、前記ポンプは前記ピストンのロッド部に
    設けられたポンプシリンダ孔と、一端にて前記シリンダ
    に固定され前記ポンプシリンダ孔に往復動可能に嵌合し
    前記ポンプシリンダ孔と共働してポンプ室を郭定するポ
    ンプロッドと、少くとも前記ポンプピストン内に延在し
    前記低圧室と前記ポンプ室とを連通接続する低圧通路手
    段とを有するセルフポンピング式ショックアブソーバに
    於て、前記ポンプロッドに設けられ前記低圧通路手段と
    前記作動流体室とを連通接続するバイパス通路と、ショ
    ックアブソーバの外部より操作されることにより前記バ
    イパス通路の連通を遮断し且つ前記低圧通路手段の連通
    を許す第一の位置と、前記バイパス通路の連通を許し且
    つ前記低圧通路手段の連通を遮断する第二の位置とに切
    換わる弁装置とを有していることを特徴とするセルフポ
    ンピング式ショックアブソーバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100965918B1 (ko) * 2002-05-16 2010-06-24 체에프 작스 아게 자동 펌프식 하이드로뉴매틱 스트럿 유닛

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