JPH08135688A - 運動伝達制御方法および制御装置 - Google Patents

運動伝達制御方法および制御装置

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JPH08135688A
JPH08135688A JP27150894A JP27150894A JPH08135688A JP H08135688 A JPH08135688 A JP H08135688A JP 27150894 A JP27150894 A JP 27150894A JP 27150894 A JP27150894 A JP 27150894A JP H08135688 A JPH08135688 A JP H08135688A
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JP
Japan
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electrodes
fine particles
motion transmission
transmission control
control method
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Application number
JP27150894A
Other languages
English (en)
Inventor
Masazumi Ishikawa
川 正 純 石
Junichi Takimoto
本 淳 一 滝
Hiroshi Negita
啓 史 祢宜田
Yasuhiko Osawa
澤 康 彦 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 せん断速度(回転数など)に影響されること
なく印加する電圧を制御することのみで運動伝達特性を
任意に制御することができるようにする。 【構成】 相対的に運動しうる一対をなす電極2,3間
に、平均粒径が0.001〜1000μmでかつ電場に
より分極を生じる誘電体微粒子および/または電子伝導
体微粒子4を真空中ないしは気体中で1〜60容量%の
分散量で分散させ、電極2,3間に印加する電圧を電圧
印加手段9により制御して電極2,3間で伝達させる回
転運動(トルク)を制御するようにした運動伝達制御方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変位の伝達や応力の伝
達などを電気的に制御するのに利用される新規な運動伝
達制御方法および制御装置に関するものであり、例え
ば、電気的信号のみで容易に制御可能なクラッチ,ブレ
ーキ,振動吸収装置等への適用が可能である運動伝達制
御方法および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は、変位の伝達や応力の伝達など
を電気的に制御するのに利用される運動伝達制御方法お
よび制御装置に関するものであり、多方面での用途に適
用することが可能であるが、本発明の産業上の利用分野
として重要なクラッチを例にとって従来技術の説明をお
こなうこととする。
【0003】従来、クラッチを電気的に制御する方式と
しては、電磁式、電磁パウダー式、油圧の電気的制御に
よる方式、電気粘性流体を用いた方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このうち、電磁式は、
摩擦板を電磁石によって引きつけることにより動力伝達
をオン・オフさせる方式であり、徐々にトルク伝達特性
を変化させるといったことが難しいため、スムーズな動
力伝達のオン・オフが出来ないという問題点があった。
また、専用の電磁石が必要で、クラッチ部の重量も増加
してしまうという問題点もあった。
【0005】電磁パウダー式は、磁性粉体に電磁石によ
って磁場を印加し、動力側と駆動側の間に磁性粉体を凝
集させ、磁性粉体を介して動力を伝達させる方式であ
り、単純な電磁クラッチよりもスムーズな動力伝達のオ
ン・オフが可能とされているが、専用の電磁石が必要
で、クラッチ部の重量が増加する問題点は同様である。
【0006】油圧の電気的制御による方式は、クラッチ
板の押しつけ圧を油圧バルブの制御により行う方式であ
るが、機構および制御が複雑になるという問題点があ
る。
【0007】電気粘性流体を用いた方式は、シリカ,で
んぷん等の微粒子をケロシンやシリコーン等の液体に分
散させた系に電場をかけた時、粘性が増大するという現
象を利用する方式であるが、液体を介する方式のため回
転数を上げたとき液体の粘性により必然的に動力が伝達
されるという流体クラッチの特徴を引き継ぐ結果とな
り、高回転域では動力の伝達をしたくないといった場合
には使えないという大きな問題点を有している。
【0008】なお、ブレーキ等の他のデバイスについて
も基本的に類似の形式であり問題点も類似である。
【0009】
【発明の目的】本発明は、従来の技術が有していた上記
問題点を解決するためになされたものであって、簡単な
構成で、せん断速度(回転数など)に依存することなく
電圧を制御することのみで運動伝達特性を任意に制御す
ることができ、高回転域では動力の伝達をしたくないと
いった場合にも良好に適用可能である運動伝達制御方式
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる動力伝達
制御方法は、請求項1に記載しているように、相対的に
運動しうる対をなす電極間に、電場により分極を生じる
誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒子を真空中
ないしは気体中で分散させ、電極間に印加する電圧を制
御して前記電極間で伝達させる運動を制御する構成とし
たことを特徴としている。
【0011】そして、本発明に係わる動力伝達制御方法
の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、相対的に運動しうる対をなす電極は並進運動可能で
あって前記電極間で変位を伝達するものとしたり、請求
項3に記載しているように、相対的に運動しうる対をな
す電極は回転運動可能であって前記電極間で応力を伝達
するものとしたりすることができる。
【0012】同じく、本発明に係わる動力伝達制御方法
の実施態様においては、請求項4に記載しているよう
に、電極は平面を介して対をなしているものとしたり、
請求項5に記載しているように、電極は曲面を介して対
をなしているものとしたりすることができ、請求項6に
記載しているように、対をなす電極は一定の間隔をもっ
て離れているものとしたり、請求項7に記載しているよ
うに、対をなす電極は誘電体微粒子および/または電子
伝導体微粒子の粒径よりも大きい間隔をもって離れてい
るものとしたりすることができる。
【0013】同じく、本発明に係わる動力伝達制御方法
の実施態様においては、請求項8に記載しているよう
に、誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒子の平
均粒径が0.001〜1000μmであるものとした
り、請求項9に記載しているように、誘電体微粒子およ
び/または電子伝導体微粒子の分散割合が1〜60容量
%であるようにすることができ、同じく実施態様におい
ては、請求項10に記載しているように、気体は空気で
あるものとしたりすることができる。
【0014】本発明に係わる動力伝達制御装置は、請求
項11に記載しているように、相対的に運動しうる対を
なす電極と、前記電極間において真空中ないしは気体中
で分散しかつ電場により分極を生じる誘電体微粒子およ
び/または電子伝導体微粒子と、前記電極間に印加する
電圧を制御する電圧印加制御手段をそなえた構成とした
ことを特徴としている。
【0015】そして、本発明に係わる動力伝達制御装置
の実施態様においては、請求項12に記載しているよう
に、誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒子の平
均粒径が0.001〜1000μmであるようにした
り、請求項13に記載しているように、誘電体微粒子お
よび/または電子伝導体微粒子の分散割合が1〜60容
量%であるようにしたりすることができる。
【0016】
【発明の作用】本発明に係わる運動伝達制御方法は、請
求項1に記載しているように、相対的に運動しうる対を
なす電極間に、電場により分極を生じる誘電体微粒子お
よび/または電子伝導体微粒子を真空中ないしは気体中
で分散させ、電極間に印加する電圧を制御することによ
って前記電極間で伝達させる運動を制御する構成として
いるので、著しく簡単な構成で、せん断速度(回転数な
ど)に影響されることなく電圧を制御することのみで運
動伝達特性が任意に制御されることとなり、高回転域で
は動力の伝達をしたくない用途に対しても十分良好に適
用されうるものとなる。
【0017】本発明に係わる運動伝達制御方法における
対をなす電極は、請求項2に記載しているように、相対
的に並進運動可能であるものとしたり、請求項3に記載
しているように、相対的に回転運動可能であるものとし
たり、さらには場合によっては三次元運動可能であるも
のとしたりすることができ、並進運動可能であるものと
することによって、一方の電極の変位によって他方の電
極にも変位を生じるようになり、回転運動可能であるも
のとすることによって、一方の電極の回転運動によって
他方の電極にも回転運動を生じるようになり、一方の電
極から他方の電極へとトルクが伝達されることとなる。
【0018】また、本発明の運動伝達制御方法で用いる
電極は、当然のことながら、運動体の表面等に設けられ
ていて運動体により保持されているものとすることがで
きることはいうまでもない。
【0019】さらに、電極は、請求項4に記載している
ように、平面を介して対をなしているものとしたり、請
求項5に記載しているように、曲面を介して対をなして
いるものとしたりすることができ、前者の平面をなして
いるものとした場合には、一般的によく見られる円板が
対向するクラッチの構成としたり、矩形板が対向して変
位を伝達する構成としたりすることができ、後者の曲面
をなしているものとした場合には、円錐面形状の電極と
したり、円筒面形状の電極としたりすることができ、円
筒面形状とするときには例えば円柱形状の電極に対して
軸方向に1ないしは複数の円筒形状の電極を同心円形状
に配置して1対ないしは複数対の電極を形成させたりす
ることが可能である。
【0020】また、請求項6に記載しているように、対
をなす電極は一定間隔をもって離れているものとするこ
とによって、電圧を変えて電場強度を制御するのに有利
なものとなる。
【0021】本発明に係わる運動伝達制御方法において
電極間に真空中ないしは気体中で分散する誘電体微粒子
および/または電子伝導体微粒子は、電場により分極を
生じる誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒子で
あり、誘電体微粒子としては、例えば、水酸基,スルフ
ォン酸基,アミノ基などの親水性基を有し水を吸着し易
いでんぷん,セルロース,ガゼイン,イオン交換樹脂な
どの微粒子、シリカ,シリカアルミナ,アルミナ,水酸
化アルミニウム,水酸化亜鉛,酸化亜鉛,酸化チタン,
マイカ等の金属酸化物および金属水酸化物の微粒子、リ
ン酸アルミニム硫酸セシウムシリカアルミナ金属塩,硫
酸リチウム,塩化ニッケルなどの結晶水として水を強固
に保持し易い微粒子、カーボンブラック,酸化亜鉛,銅
フタロシアニン,ポリアセンキノン,ポリパラフェニレ
ン,ポリアニリン等の半導体微粒子、チタン酸バリウ
ム,ニオブ酸リチウム等の強誘電体微粒子などがある。
【0022】また、請求項7に記載しているように、対
をなす電極は誘電体微粒子および/または電子伝導体微
粒子の粒径よりも大きい間隔でもって離れているものと
することによって、電極間に微粒子を良好に分散させる
ことが可能であり、また、運動の伝達制御が良好に行わ
れることになると共に、せん断速度への依存性が小さな
ものとなる。
【0023】そして、請求項8および請求項12に記載
しているように、微粒子の粒径は0.001〜1000
μmの範囲で選ぶことが望ましく、粒径が小さくなった
場合に、凝集した2次粒子を形成する場合が多々ある
が、この場合でも使用可能であるものの、粒径があまり
小さいと製造性が悪化することとなり、また、粒径が大
きすぎると、電極間で分散させにくくなるので、0.0
01〜1000μmとすることが好ましい。
【0024】さらに、請求項9および請求項13に記載
しているように、電極間で分散する微粒子の分散濃度は
1〜60容量%とすることが好ましいが、必ずしも均一
に分散している必要はない。しかし、微粒子の分散濃度
が低すぎると、電圧を印加した時でも運動の伝達性能が
低下したものとなり、分散濃度が高すぎると電圧を印加
していない時にせん断速度への依存性が大きなものとな
るので、分散濃度は1〜60容量%とするのが良い。
【0025】さらにまた、電極の間隔は、請求項7に記
載しているように、使用する粒子の粒径よりも大きい必
要があり、電圧を変えて電場強度を制御する関係上、請
求項6に記載しているように、一定の間隔に保つことが
望ましい。
【0026】さらに、誘電体微粒子および/または電子
伝導体微粒子を分散させる気体としては、電気伝導性の
小さいものであれば可能であり、例えば、空気,窒素,
酸素,ヘリウム,ネオン等の通常の気体はすべて使用可
能であり、請求項10に記載しているように空気を使用
すると環境と同じである点で有利である。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の作用・効果を
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の微粒子充填率は初期状態の
ものである。
【0028】実施例1 この実施例では、図1に示すような基本構造の運動伝達
制御装置を用いて、運動伝達の制御を行った。この図1
に示す運動伝達制御装置1は、相対的に運動しうる対を
なす電極として、円柱電極(ただし、表面のみが導電性
であってももちろんかまわない)2と、この円柱電極2
の外側において同心状にかつ間隔dをあけて設けた円筒
電極(ただし、内周面のみが導電性であってももちろん
かまわない)3をそなえ、間隔dの電極2,3間におい
て空気中で分散しかつ電場により分極を生じる誘電体微
粒子4が収容された構成を有し、円柱電極2には導電性
軸5が接続されていると共に絶縁部材6を介してモータ
軸7が接続され、導電性軸6にはブラシ8を設け、この
ブラシ8を電圧印加制御手段9を介して電源10のプラ
ス側に接続することによって、円柱電極2には電源10
のプラス側が接続されうるようになっていると共に、円
筒電極3には導電性トルクセンサー軸11が接続され、
軸受12およびアース接続13を介して円筒電極3には
電源10のマイナス側が接続される構造となっているも
のである。
【0029】このような構造の装置において、円柱電極
(内筒)2と円筒電極(外筒)3との間(電極間隔d=
1mmの部分)にチタン酸バリウム誘電体微粒子(平均
粒径0.05μm)4を空気に対して約20容量%の割
合で収容し、モータ軸7を介して円柱電極2を回転させ
たときに円筒電極3に伝達されるトルクをトルクセンサ
ー軸11に接続した図示しないトルクセンサーにより測
定することによって、せん断速度に対するせん断応力を
測定した。この結果を図2に示す。
【0030】図2に示すように、電圧印加制御手段9を
オフ操作して電圧を印加しない場合(E=0kV/mm
の場合)に伝達されるせん断応力は、モータ軸7の回転
速度を変えたときの全せん断速度領域において0.03
g/cm以下(装置の測定限界以下)であったのに対
して、電圧印加制御手段9をオン操作してE=1.5k
V/mm(AC)の電圧を印加した場合は、モータ軸7
の回転速度を変えたときの全せん断速度領域にわたり約
1.0g/cmのほぼ一定したせん断応力を発生する
ことが認められた。そして、この時の電流値は約0.1
mA/cmであった。
【0031】したがって、電圧を印加した場合には、全
せん断速度領域においてほぼ一定したせん断応力を得る
ことが可能であって、トルクの伝達が行えると共に、電
圧を印加しないときには、せん断速度(回転数)に依存
することなく全せん断速度領域においてトルクの伝達を
行わないオン・オフ特性の良好な運動伝達制御を実施す
ることが可能であった。
【0032】比較例1 この比較例では、図1に示した実施例1で用いた基本構
造の運動伝達制御装置1を使用して、運動伝達の制御を
行った。そして、円柱電極(内筒)2と円筒電極(外
筒)3との間(電極間隔d=1mmの部分)にナトリウ
ム・モルデナイト(ゼオライトの一種)誘電体微粒子
(平均粒径7μm)4をシリコンオイル(動粘度:20
センチストークス)に対して約34重量%の割合で収容
し、モータ軸7を介して円柱電極2を回転させたときに
円筒電極3に伝達されるトルクをトルクセンサー軸11
に接続した図示しないトルクセンサーにより測定するこ
とによって、せん断速度に対するせん断応力を測定し
た。この結果を図3に示す。
【0033】図3に示すように、電圧印加制御手段9を
オフ操作して電圧を印加しない場合(E=0kV/mm
の場合)に伝達されるせん断応力は、モータ軸7の回転
速度を増大したときに増加するものとなっており、電圧
印加制御手段9をオン操作してE=1.5kV/mm
(AC)の電圧を印加した場合は、モータ軸7の回転速
度を増大したときにせん断応力は約1.0g/cm
上で次第に増加することが認められた。
【0034】したがって、電圧を印加しない場合および
電圧を印加する場合のいずれにおいても、せん断応力は
回転数に影響されるものとなっており、高回転域で動力
を伝達したくない場合には使用しがたいものであった。
【0035】実施例2 岩本製作所製IR200型回転粘度計(電圧を印加でき
るように改造したもの)を用いて類似の実験を行い、電
極間隔d=1mmの部分にチタン酸バリウム誘電体微粒
子(平均粒径0.05μm)を空気に対して約20容量
%添加した系において回転速度を一定速度として360
/secの一定せん断速度をあたえ、電圧印加制御手段
を操作して印加電圧を制御し、電圧の変化に対するせん
断応力の変化を測定した。この結果は図4に示すものと
なり、印加電圧に対してせん断応力が単調に増加するこ
とが認められた。
【0036】したがって、電圧を印加しないときには、
せん断速度(回転数)に影響されることなくトルクの伝
達を行わず、電圧を次第に増加させることによって伝達
トルクを次第に増加させることができるトルク伝達特性
の良好な運動伝達制御を実施することが可能であった。
【0037】実施例3 実施例2と同様に、岩本製作所製IR200型回転粘度
計を用い、電極間隔d=1mmの部分にシリカ誘電体微
粒子(平均粒径3μm)を空気に対して55容量%添加
した系を用い、回転速度を一定速度として360/se
cの一定せん断速度をあたえ、電圧印加制御手段を操作
して電圧を印加しないときのせん断応力を測定したとこ
ろ、このときのせん断応力はほぼ0g/cmであった
のに対して、電圧印加制御手段を操作して1.5kV
(DC)の電圧を印加したときには、約1g/cm
せん断応力が誘起されることが認められた。そして、こ
のときの電流値は約0.3mA/cmであった。
【0038】したがって、電圧を印加しないときには、
トルクの伝達を行わず、電圧を印加したときにはトルク
伝達を行うオン・オフ特性に優れた運動伝達制御を実施
することが可能であった。
【0039】実施例4 実施例2と同様に、岩本製作所製IR200型回転粘度
計を用い、電極間隔d=1mmの部分にナトリウム・モ
ルデナイト(ゼオライトの一種)誘電体微粒子(平均粒
径7μm)を空気に対して約28容量%添加した系を用
い、回転速度を一定速度として360/secの一定せ
ん断速度をあたえ、電圧印加制御手段を操作して電圧を
印加しないときのせん断応力を測定したところ、このと
きのせん断応力はほぼ0g/cmであったのに対し
て、電圧印加制御手段を操作して2kV(DC)の電圧
を印加したときには、約0.5g/cmのせん断応力
が誘起されることが認められた。そして、このときの電
流値は約0.15mA/cmであった。
【0040】したがって、電圧を印加しないときには、
トルクの伝達を行わず、電圧を印加したときにはトルク
の伝達を行うオン・オフ特性に優れた運動伝達制御を実
施することが可能であった。
【0041】実施例5 実施例2と同様に、岩本製作所製IR200型回転粘度
計を用い、電極間隔d=1mmの部分にカーボンブラッ
ク(メソフェーズカーボン、550℃×6時間の熱処理
を施した後のもの)電子伝導体微粒子(平均粒径6μ
m)を空気に対して32容量%添加した系を用い、回転
速度を一定速度として360/secの一定せん断速度
をあたえ、電圧印加制御手段を操作して電圧を印加しな
いときのせん断応力を測定したところ、このときのせん
断応力はほぼ0g/cmであったのに対して、2kV
(DC)の電圧を印加したときには、約0.2g/cm
のせん断応力が誘起されることが認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明に係わる動力伝達制御方法は、請
求項1に記載しているように、相対的に運動しうる対を
なす電極間に、電場により分極を生じる誘電体微粒子お
よび/または電子伝導体微粒子を真空中ないしは気体中
で分散させ、電極間に印加する電圧を制御して前記電極
間で伝達させる運動を制御する構成としたから、著しく
簡単な構成で、せん断速度(回転数など)に影響される
ことなく電圧を制御することのみで運動伝達特性が制御
されることになり、高回転域においては動力の伝達をし
たくない場合であっても十分良好に適用可能であるとい
う著しく優れた効果がもたらされる。
【0043】そして、本発明に係わる動力伝達制御方法
の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、相対的に運動しうる対をなす電極は並進運動可能で
あって前記電極間で変位を伝達するものとすることによ
って、一方の電極の変位を他方の電極の変位として制御
することが可能であって、位置の変化を制御することが
可能となり、請求項3に記載しているように、相対的に
運動しうる対をなす電極は回転運動可能であって前記電
極間で応力を伝達するものとすることによって、一方の
電極の回転運動を他方の電極の回転運動として制御する
ことが可能であって、トルクの伝達を制御することがで
きるという効果がもたらされる。
【0044】同じく、本発明に係わる動力伝達制御方法
の実施態様においては、請求項4に記載しているよう
に、電極は平面を介して対をなしているものとすること
によって変位やトルクの伝達制御が可能であり、請求項
5に記載しているように、電極は曲面を介して対をなし
ているものとすることによっても変位やトルクの伝達制
御が可能であり、請求項6に記載しているように、対を
なす電極は一定の間隔をもって離れているものとするこ
とによって、電圧を変えて電場強度を制御するものに適
したものとなり、請求項7に記載しているように、対を
なす電極は誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒
子の粒径よりも大きい間隔をもって離れているものとす
ることによって、電極間に微粒子を良好に分散させるこ
とが可能であり、また、運動の伝達制御を良好に行うこ
とが可能であると共に、せん断速度による影響を小さな
ものとすることが可能であるという優れた効果がもたら
される。
【0045】同じく、本発明に係わる動力伝達制御方法
の実施態様においては、請求項8に記載しているよう
に、誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒子の平
均粒径が0.001〜1000μmであるものとするこ
とによって、微粒子の製造性が良く、電極間での微粒子
の分散を良好なものとすることが可能であり、請求項9
に記載しているように、誘電体微粒子および/または電
子伝導体微粒子の分散割合が1〜60容量%であるよう
にすることによって、電圧を印加したときの運動の伝達
性能を良好なものとすることが可能であるとともに電圧
を印加しないときにせん断速度の影響を受けがたいもの
とすることが可能であり、請求項10に記載しているよ
うに、気体は空気であるものとすることによって、格別
の気体を用いたり厳密なシールを施したりすることなく
運動伝達の制御を行うことが可能であるという優れた効
果がもたらされる。
【0046】本発明に係わる動力伝達制御装置は、請求
項11に記載しているように、相対的に運動しうる対を
なす電極と、前記電極間において真空中ないしは気体中
で分散しかつ電場により分極を生じる誘電体微粒子およ
び/または電子伝導体微粒子と、前記電極間に印加する
電圧を制御する電圧印加制御手段をそなえた構成とした
から、著しく簡単な構成で、せん断速度(回転数など)
に影響されることなく電圧を制御することのみで運動伝
達特性を制御することが可能になり、高回転域において
は動力の伝達を行いたくない用途においても十分適用可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および比較例1で使用した運
動伝達制御装置の基本構造を示す断面説明図である。
【図2】本発明の実施例1において測定したせん断速度
とせん断応力との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の比較例1において測定したせん断速度
とせん断応力との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例2で測定した電圧とせん断応力
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 運動伝達制御装置 2 電極 3 電極 4 誘電体微粒子および/または電子伝導体微粒子 9 電圧印加制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 澤 康 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に運動しうる対をなす電極間に、
    電場により分極を生じる誘電体微粒子および/または電
    子伝導体微粒子を真空中ないしは気体中で分散させ、電
    極間に印加する電圧を制御して前記電極間で伝達させる
    運動を制御することを特徴とする運動伝達制御方法。
  2. 【請求項2】 相対的に運動しうる対をなす電極は並進
    運動可能であって前記電極間で変位を伝達する請求項1
    に記載の運動伝達制御方法。
  3. 【請求項3】 相対的に運動しうる対をなす電極は回転
    運動可能であって前記電極間で応力を伝達する請求項1
    または2に記載の運動伝達制御方法。
  4. 【請求項4】 電極は平面を介して対をなしている請求
    項1ないし3のいずれかに記載の運動伝達制御方法。
  5. 【請求項5】 電極は曲面を介して対をなしている請求
    項1ないし4のいずれかに記載の運動伝達制御方法。
  6. 【請求項6】 対をなす電極は一定の間隔をもって離れ
    ている請求項1ないし5のいずれかに記載の運動伝達制
    御方法。
  7. 【請求項7】 対をなす電極は誘電体微粒子および/ま
    たは電子伝導体微粒子の粒径よりも大きい間隔をもって
    離れている請求項1ないし6のいずれかに記載の運動伝
    達制御方法。
  8. 【請求項8】 誘電体微粒子および/または電子伝導体
    微粒子の平均粒径が0.001〜1000μmである請
    求項1ないし7のいずれかに記載の運動伝達制御方法。
  9. 【請求項9】 誘電体微粒子および/または電子伝導体
    微粒子の分散割合が1〜60容量%である請求項1ない
    し8のいずれかに記載の運動伝達制御方法。
  10. 【請求項10】 気体は空気である請求項1ないし9の
    いずれかに記載の運動伝達制御方法。
  11. 【請求項11】 相対的に運動しうる対をなす電極と、
    前記電極間において真空中ないしは気体中で分散しかつ
    電場により分極を生じる誘電体微粒子および/または電
    子伝導体微粒子と、前記電極間に印加する電圧を制御す
    る電圧印加制御手段をそなえたことを特徴とする運動伝
    達制御装置。
  12. 【請求項12】 誘電体微粒子および/または電子伝導
    体微粒子の平均粒径が0.001〜1000μmである
    請求項11に記載の運動伝達制御装置。
  13. 【請求項13】 誘電体微粒子および/または電子伝導
    体微粒子の分散割合が1〜60容量%である請求項11
    または12に記載の運動伝達制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117404405A (zh) * 2023-12-15 2024-01-16 成都乐创自动化技术股份有限公司 一种独立式运动控制器及其使用方法

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