JPH08134739A - 耐摩耗性に優れる織編物およびその製造方法 - Google Patents
耐摩耗性に優れる織編物およびその製造方法Info
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- JPH08134739A JPH08134739A JP6275321A JP27532194A JPH08134739A JP H08134739 A JPH08134739 A JP H08134739A JP 6275321 A JP6275321 A JP 6275321A JP 27532194 A JP27532194 A JP 27532194A JP H08134739 A JPH08134739 A JP H08134739A
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- Knitting Of Fabric (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Abstract
が少なく、耐摩耗性、表面のシャリ感、および光沢に優
れた織編物、およびその製造方法を提供する。 【構成】 本発明の織編物は、平均繊維長が25mm以
上50mm以下の短繊維からなる紡績糸を複数本撚り合
わせた合撚糸を含有する織編物であって、該合撚糸にお
ける末端フリーの毛羽指数が10mあたり120以下で
あり、かつ該合撚糸がループ状毛羽を有する。さらに、
本発明は、(a)平均繊維長が25mm以上50mm以
下の短繊維から紡績糸を製造する工程、(b)複数本の
該紡績糸を合撚角度を持たせて撚り合わせて、末端フリ
ーの毛羽指数が10mあたり120以下であり、かつル
ープ状毛羽を有する、合撚糸を製造する工程、および
(c)毛羽焼き工程を経ずに、該合撚糸を用いて織編物
を製造する工程を包含する、上記織編物の製造方法を提
供する。
Description
を複数本撚り合わせた合撚糸を含有する織編物およびそ
の製造方法に関し、特に毛羽焼きをしないにも関わら
ず、末端フリーの毛羽が少ない、耐摩耗性に優れた織編
物およびその製造方法に関する。
本撚り合わせた合撚糸においては、末端フリーの毛羽、
特に1mm以上の長い毛羽が多く、そのため合撚糸の品
質が低下して、製織性、製編性などが悪くなるという問
題があった。
よび、これらの織編物を用いた最終製品においては、洗
濯した場合に毛羽立ちが生じたり、ピリングなどが発生
したりするといった耐摩耗性に劣るという問題があっ
た。
な上記製品を得るために、従来から、上記合撚糸の毛羽
をガスや電気で焼くこと、すなわち毛羽焼き、が広く行
われている。
得られる織編物においては、工程が増えたためにコスト
が上昇するなどの問題があった。また、製造工程におい
ては、毛羽焼きによって作業環境が悪化したり、焼スス
が合撚糸に残留しているために、製織時あるいは製編時
の機台に焼ススが詰まり、トラブルが発生したりするな
どの問題があった。
25mm以上50mm以下の短繊維からなる紡績糸を複
数本撚り合わせた合撚糸を含有する織編物であって、該
合撚糸における末端フリーの毛羽指数が10mあたり1
20以下であり、かつ該合撚糸がループ状毛羽を有す
る、耐摩耗性に優れる織編物を提供する。ここで、末端
フリーの毛羽指数とは、F−indexテスター(敷島
紡績株式会社製)を用いて、合撚糸に存在する末端がフ
リーの1mm以上の毛羽の本数をJIS−L−1008
6.20のB法に基づいて測定し、合撚糸10mあた
りに換算した値のことをいう。
5mm以上50mm以下の短繊維から紡績糸を製造する
工程、(b)複数本の該紡績糸を、一定の間隔をあけて
仕掛けることにより合撚角度を持たせて撚り合わせて、
末端フリーの毛羽指数が10mあたり120以下であ
り、かつループ状毛羽を有する、合撚糸を製造する工
程、および(c)毛羽焼き工程を経ずに該合撚糸を用い
て織編物を製造する工程を包含する、上記織編物の製造
方法を提供する。ここで合撚角度とは、上記複数本の紡
績糸を合撚する直前の紡績糸の入り側の角度のことをい
い、合撚角度を持たせて撚り合わせるとは、上記合撚角
度が0度でないことをいう。
繊維長は25mm以上50mm以下である。これは、上
記平均繊維長が25mm以下の場合には紡績が難しく、
50mm以上の場合には、得られる織編物が、ふくらみ
感に劣ったフィラメントタッチとなり、短繊維を用いた
織編物特有のしゃり感がなくなるからである。そして、
この短繊維の素材としては、綿、ウール、麻などの天然
繊維、ポリエステルなどの合成繊維、およびレーヨン、
ポリノジックなどの再生繊維からなる群から選択される
素材を用い得るが、好適には綿が用いられる。
れる手段により紡績して、本発明に用いられる紡績糸が
得られる。
2.0より大きく8.0未満であることが好ましく、さ
らに好ましくは3.5より大きく4.5未満である。こ
れは、紡績糸の撚係数Kaが2.0未満の場合には紡績
性が悪くなるからである。また、紡績糸の撚係数Kaが
8.0以上の場合は、従来の合撚糸においても、毛羽が
少なく、上記問題点の発生がないからである。
の間隔をあけて仕掛けることにより合撚角度を持たせて
撚り合わせることにより、本発明に用いられる、末端フ
リーの毛羽指数が10mあたり120以下であり、かつ
ループ状毛羽を有する、合撚糸が得られる。
本、一定の間隔をあけて仕掛けることにより合撚角度を
持たせて撚り合わせて、本発明に用いられる合撚糸を製
造する工程としては、例えば、上記紡績糸の移送経路に
沿ってローラを設け、該紡績糸が該ローラに接触して移
送された直後にすべての該紡績糸を合撚することにより
得られ、このような構成を備えた撚糸機を用いてもよ
い。この撚糸機においては、移送経路に沿って下流側か
ら順に設けられた、テンション装置、ガイドロール、給
仕ガイド、移送ローラ、および合撚前ローラを介して、
紡績された2種類の紡績糸が一定の間隔をあけて移送さ
れ、合撚ローラに接触して移送された直後に所定の合撚
角度で合撚され、合撚糸が得られる。そして、この合撚
角度は、撚り合わせる一方の紡績糸の毛羽と、他方の紡
績糸あるいはその毛羽とが接触する頻度の点から、10
度以上40度以下であることが好ましく、さらに好まし
くは20度以上30度以下である。そして、この合撚角
度は、上記各紡績糸を平行に移送する際の各紡績糸の間
隔、紡出時のテンション、合撚糸の撚数を変化させるこ
とによって、容易に変更し得る。この紡出時のテンショ
ンとしては、0.05g/d以上0.3g/d以下であ
る。これは、0.3g/dを越えると、糸切れが多発
し、0.05g/d未満では、糸締まりが悪く、耐摩耗
性が劣るようになるからである。紡出安定性をさらに良
くし、毛羽の減少率を高くするためには、この紡出時の
テンションは0.1g/d以上0.15g/d以下であ
ることが好ましい。
とにより、それぞれの紡績糸に存在している毛羽は、他
の紡績糸あるいはそれらの毛羽と接触し、折り曲げられ
て合撚糸に捲き込まれる。そのため、図1に示すよう
に、表面11にループ状毛羽21を有する合撚糸1が得
られる。そして、図2に示すように、この合撚糸1は、
末端フリーの毛羽22が存在していても、この末端フリ
ーの毛羽22は合撚糸に全長のほとんどが捲き込まれて
おり、短い先端22aのみが突出した形となっている。
は、末端フリーの毛羽指数が10mあたり120以下で
あり、従来の毛羽焼きを行った後の合撚糸の毛羽指数に
近いレベルとなる。さらに、この合撚糸における上撚の
撚方向と下撚の撚方向とが、同方向であっても、逆方向
であっても、上記のような合撚糸が得られる。特に、合
撚糸における上撚の撚方向と下撚の撚方向とを同方向に
することにより、得られる織編物の品質をさらに向上さ
せることができる。この場合、上記末端フリーの毛羽指
数は10mあたり60以下にし得る。また、合撚する前
に上記紡績糸の毛羽を、例えば空気を吹き付けたり、水
を含んだスポンジ層に接触させたりして、強制的にねか
せておくと、末端フリーの毛羽指数がさらに低下する。
Kb1と下撚の撚係数Kb2との比Kb1/Kb2は0.5以上
3.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは
1.0以上1.5以下である。これは、上記Kb1/Kb2
が0.5以下の場合には毛羽の捲き込み量が少なくな
り、3.0以上では、撚りのトルクが大きくなりすぎ
て、編地にした場合などに斜向の問題が発生するからで
ある。
績糸の本数は、実質的には2本以上4本以下であること
が好ましく、撚形態のくずれにくいことから2本である
ことがさらに好ましい。
例えば、コアヤーンなどの長短複合紡績糸とをさらに合
撚してもよい。
と、および、毛羽焼き工程を経ないこと以外は、公知の
通常の工程により本発明の織編物が得られる。
て、114's番手、撚係数Ka3.5、撚り方向Z撚
(左撚)の紡績糸を得た。この紡績糸を2本用いて、合
撚角度30度、テンション0.09g/dで撚り合わせ
て、上撚の撚係数Kb14.5、撚り方向Z撚(左撚)の
合撚糸を得た。この合撚糸は双糸であるので、上記紡績
糸の撚係数Kaが下撚の撚係数Kb2となり、この合撚糸
の上撚の撚係数Kb1と下撚の撚係数Kb2との比Kb1/K
b2は1.29である。これらの条件をまとめて表1に示
す。
毛羽指数、ループ状毛羽数、強度、伸度、および耐摩耗
性をそれぞれ以下のようにして評価した。得られた各評
価結果を表2に示す。
て、合撚糸に存在する末端がフリーの1mm以上の毛羽
の本数をJIS−L−1008 6.20のB法に基づ
いて測定し、合撚糸10mあたりに換算した値を末端フ
リーの毛羽指数とした。
倍に拡大した画面において、合撚糸20cmあたりのル
ープ状毛羽の本数を、ランダムに10回測定して、その
平均値を計算し、合撚糸10mあたりに換算した値をル
ープ状毛羽数とした。
把持長500mm、引裂強度300mm/分の条件下で
測定した。
/インチのコーム3列に上記合撚糸を通し、屈曲角度を
116°に固定して400gの分銅でテンションをかけ
た状態でコームの土台に150回/分、幅27mmの往
復運動を与えた。そして、1000回摩擦した後の合撚
糸の毛羽状態をマイクロスコープ(スカラ株式会社製)
を用いて拡大して、熟練者5人が観察して、以下の基
準; ○:通常の双糸の毛羽立ちが多い状態と比較して、毛羽
立ちが少ない ◎:毛羽立ちが非常に少ない で評価し、その結果の平均を耐摩耗性の評価とした。
を用いて、フライス16インチ、19ゲージの編地を得
た。
および光沢を、熟練者5人が、以下の基準; △:時に感じられない ○:感じられる ◎:非常に感じられる で評価し、その結果の平均を各シャリ感および光沢の評
価とした。得られた各評価結果を表2に示す。
よび合撚糸を得たこと以外は、実施例1と同様にして、
得られた合撚糸および編地の評価を行った。得られた各
評価結果を表2に示す。
紡績糸の毛羽を強制的にねかせた後、この紡績糸2本を
用いて、表1に示す条件で合撚糸を得たこと以外は、実
施例1と同様にして、得られた合撚糸および編地の評価
を行った。得られた各評価結果を表2に示す。
び合撚糸を得た後、この合撚糸に通常の方法で毛羽焼き
を行ったこと、この毛羽焼き後の合撚糸を用いて合撚糸
の評価を行ったこと、および編地を作成したこと以外
は、実施例1と同様にした。ここで、紡績糸の番手は実
施例1と比較して3〜4%太いものを用いた。これは、
合撚糸を毛羽焼きした際に焼き減りが起こる量を見込ん
だためである。得られた各評価結果を表2に示す。
紡績糸および合撚糸を得たこと以外は、比較例1と同様
にして、得られた合撚糸および編地の評価を行った。得
られた各評価結果を表2に示す。
較例1の合撚糸と比較して、実施例2の合撚糸は比較例
2の合撚糸と比較して、さらに、実施例3の合撚糸は比
較例3の合撚糸と比較して、それぞれループ状毛羽数が
非常に多いにもかかわらず、1mm以上の毛羽指数に大
きな差はなかった。
撚糸に比べて、実施例2の合撚糸は比較例2の合撚糸に
比べて、それぞれ耐摩耗性に大きな差が認められ、耐摩
耗性に優れていることが明らかとなった。
て、実施例2の編地は比較例2の編地と比較して、さら
に、実施例3の編地は比較例3の編地と比較して、その
風合いにおけるシャリ感および光沢ともに差がなく、毛
羽焼きの有無による風合いの差は認められなかった。
m以上50mm以下の短繊維からなる紡績糸を複数本撚
り合わせた合撚糸を含有する織編物であって、該合撚糸
における末端フリーの毛羽指数が10mあたり120以
下であり、かつ該合撚糸がループ状毛羽を有する。その
ため、本発明の織編物は、合撚糸の毛羽焼きを行わなく
ても、毛羽立ちが少なく、耐摩耗性、表面のシャリ感、
および光沢に優れている。さらに、本発明の織編物は、
末端フリーの毛羽が少ないので、洗濯による毛羽立ちや
ピリングが発生しにくい。
ては、紡績糸を合撚角度を持たせて撚り合わせることに
より、毛羽焼きをした合撚糸と同様の合撚糸を簡単に得
ることができ、コストを低下し得るだけでなく、作業環
境が悪化することもない。
す、説明図である。
す、説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 平均繊維長が25mm以上50mm以下
の短繊維からなる紡績糸を複数本撚り合わせた合撚糸を
含有する織編物であって、 該合撚糸における末端フリーの毛羽指数が10mあたり
120以下であり、かつ該合撚糸がループ状毛羽を有す
る、耐摩耗性に優れる織編物。 - 【請求項2】 前記紡績糸のそれぞれの撚係数Kaが
2.0より大きく8.0未満である、請求項1記載の織
編物。 - 【請求項3】 前記合撚糸における上撚の撚係数Kb1と
下撚の撚係数Kb2との比Kb1/Kb2が0.5以上3.0
以下である、請求項1または2に記載の織編物。 - 【請求項4】 前記合撚糸における上撚の撚方向と下撚
の撚方向とが同方向である、請求項1から3のいずれか
に記載の織編物。 - 【請求項5】 前記合撚糸における末端フリーの毛羽指
数が10mあたり60以下である、請求項4に記載の織
編物。 - 【請求項6】 前記合撚糸における上撚の撚方向と下撚
の撚方向とが逆方向である、請求項1から3のいずれか
に記載の織編物。 - 【請求項7】 請求項1に記載の織編物の製造方法であ
って、 (a)平均繊維長が25mm以上50mm以下の短繊維
から紡績糸を製造する工程、 (b)複数本の該紡績糸を、一定の間隔をあけて仕掛け
ることにより合撚角度を持たせて撚り合わせて、末端フ
リーの毛羽指数が10mあたり120以下であり、かつ
ループ状毛羽を有する、合撚糸を製造する工程、および (c)毛羽焼き工程を経ずに、該合撚糸を用いて織編物
を製造する工程を包含する、方法。 - 【請求項8】 工程(b)において、前記紡績糸の移送
経路に沿ってローラを設け、該紡績糸が該ローラに接触
して移送された直後にすべての該紡績糸を合撚する、請
求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 工程(b)における前記合撚角度が10
度以上40度以下である、請求項7または8に記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27532194A JP3511611B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 耐摩耗性に優れる織編物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27532194A JP3511611B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 耐摩耗性に優れる織編物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134739A true JPH08134739A (ja) | 1996-05-28 |
JP3511611B2 JP3511611B2 (ja) | 2004-03-29 |
Family
ID=17553826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27532194A Expired - Lifetime JP3511611B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 耐摩耗性に優れる織編物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3511611B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012102770A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 弾性継手 |
JP2019137942A (ja) * | 2018-02-09 | 2019-08-22 | グンゼ株式会社 | 綿繊維含有の紡績糸を素材とする生地 |
JP2019137941A (ja) * | 2018-02-09 | 2019-08-22 | グンゼ株式会社 | 甘撚り紡績糸及び甘撚り紡績糸の製造方法 |
-
1994
- 1994-11-09 JP JP27532194A patent/JP3511611B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012102770A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 弾性継手 |
JP2019137942A (ja) * | 2018-02-09 | 2019-08-22 | グンゼ株式会社 | 綿繊維含有の紡績糸を素材とする生地 |
JP2019137941A (ja) * | 2018-02-09 | 2019-08-22 | グンゼ株式会社 | 甘撚り紡績糸及び甘撚り紡績糸の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3511611B2 (ja) | 2004-03-29 |
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