JPH08133964A - 有害紫外線吸収性粘着シート - Google Patents
有害紫外線吸収性粘着シートInfo
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- JPH08133964A JPH08133964A JP29566294A JP29566294A JPH08133964A JP H08133964 A JPH08133964 A JP H08133964A JP 29566294 A JP29566294 A JP 29566294A JP 29566294 A JP29566294 A JP 29566294A JP H08133964 A JPH08133964 A JP H08133964A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 尋常性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対して、
ソラレンまたはその誘導体等と紫外線を併用する治療法
において、皮膚に有害な波長領域の紫外線を吸収し、治
療に有用な波長領域の紫外線のみを透過させることがで
きる有害紫外線吸収性粘着シートを提供すること。 【構成】 透明なプラスチックフィルム上に、透明な粘
着剤に紫外線吸収剤を配合した組成物からなる粘着層が
形成された粘着シートであって、UV−A(320〜4
00nm)の透過率が65%以上で、UV−B(290
〜320nm)の透過率が10%以下、UV−C(29
0nm以下)の透過率が0%の紫外線透過特性を有する
ことを特徴とする有害紫外線吸収性粘着シート。
ソラレンまたはその誘導体等と紫外線を併用する治療法
において、皮膚に有害な波長領域の紫外線を吸収し、治
療に有用な波長領域の紫外線のみを透過させることがで
きる有害紫外線吸収性粘着シートを提供すること。 【構成】 透明なプラスチックフィルム上に、透明な粘
着剤に紫外線吸収剤を配合した組成物からなる粘着層が
形成された粘着シートであって、UV−A(320〜4
00nm)の透過率が65%以上で、UV−B(290
〜320nm)の透過率が10%以下、UV−C(29
0nm以下)の透過率が0%の紫外線透過特性を有する
ことを特徴とする有害紫外線吸収性粘着シート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚疾患治療用に使用
される有害紫外線吸収性粘着シートに関し、さらに詳し
くは、尋常性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対して、ソラ
レンまたはその誘導体等と紫外線を併用する治療法にお
いて、皮膚に有害な波長領域の紫外線を吸収し、治療に
有用な波長領域の紫外線のみを透過させることができる
有害紫外線吸収性粘着シートに関する。
される有害紫外線吸収性粘着シートに関し、さらに詳し
くは、尋常性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対して、ソラ
レンまたはその誘導体等と紫外線を併用する治療法にお
いて、皮膚に有害な波長領域の紫外線を吸収し、治療に
有用な波長領域の紫外線のみを透過させることができる
有害紫外線吸収性粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】尋常性白斑や乾癬などの皮膚疾患の治療
に、ソラレン(psoralen)またはソラレン誘導
体と紫外線を併用する治療法が汎用されている。ソラレ
ンは、ある種の高等生物に見いだされるヘテロ多環式化
合物であり、その誘導体としては、8−メトキシソラレ
ン(8−MOP)、4,5′,8−トリメチルソラレン
(TMP)などがある。ソラレンとその誘導体は、ウ
イルス、細菌、高等生物の培養細胞などに光増感作用を
持つこと、暗所でDNAと可逆的に結合すること、
360nm付近の近紫外線を照射すると、ソラレン分子
を介してDNAの相補鎖間架橋が形成されることなどが
知られている。ソラレンとその誘導体は、局所・経口投
与用の光毒薬として、白斑症などの治療に使用されてい
る。
に、ソラレン(psoralen)またはソラレン誘導
体と紫外線を併用する治療法が汎用されている。ソラレ
ンは、ある種の高等生物に見いだされるヘテロ多環式化
合物であり、その誘導体としては、8−メトキシソラレ
ン(8−MOP)、4,5′,8−トリメチルソラレン
(TMP)などがある。ソラレンとその誘導体は、ウ
イルス、細菌、高等生物の培養細胞などに光増感作用を
持つこと、暗所でDNAと可逆的に結合すること、
360nm付近の近紫外線を照射すると、ソラレン分子
を介してDNAの相補鎖間架橋が形成されることなどが
知られている。ソラレンとその誘導体は、局所・経口投
与用の光毒薬として、白斑症などの治療に使用されてい
る。
【0003】一方、太陽光線は、皮膚に対して、ビタミ
ンDの合成などの重要な作用を及ぼす反面、炎症を起こ
したり、しみ・そばかすの原因となったり、あるいは老
化を促進する場合がある。太陽光線の中でも特に皮膚に
対して大きく作用するのは、紫外線である。紫外線は、
一般に、UV−A(320〜400nm)、UV−B
(290〜320nm)、及びUV−C(290nm以
下)の3つの波長領域に大別される。
ンDの合成などの重要な作用を及ぼす反面、炎症を起こ
したり、しみ・そばかすの原因となったり、あるいは老
化を促進する場合がある。太陽光線の中でも特に皮膚に
対して大きく作用するのは、紫外線である。紫外線は、
一般に、UV−A(320〜400nm)、UV−B
(290〜320nm)、及びUV−C(290nm以
下)の3つの波長領域に大別される。
【0004】UV−Aは、皮膚のメラニン色素の生成を
促進させる作用が大きく、サンタン(日焼け)を起こす
波長領域である。UV−Bは、皮膚に有害な紅斑を伴う
サンバーン(日焼けど)を起こす波長領域である。紅斑
が生じると、その後、皮膚の黒化が現れる。UV−C
は、UV−Bと同様に高エネルギーの短波長領域の紫外
線であり、皮膚に対して有害であるが、太陽光線の場
合、地表に到達する前に大気圏のオゾン層に吸収され、
実質的には影響のない領域である。
促進させる作用が大きく、サンタン(日焼け)を起こす
波長領域である。UV−Bは、皮膚に有害な紅斑を伴う
サンバーン(日焼けど)を起こす波長領域である。紅斑
が生じると、その後、皮膚の黒化が現れる。UV−C
は、UV−Bと同様に高エネルギーの短波長領域の紫外
線であり、皮膚に対して有害であるが、太陽光線の場
合、地表に到達する前に大気圏のオゾン層に吸収され、
実質的には影響のない領域である。
【0005】ソラレンまたはその誘導体を皮膚疾患の治
療に使用する場合、通常、経口投与するか、あるいはそ
れらを含有する軟膏やローションを局所に塗布して、近
紫外線を照射する。そうすると、DNA合成の阻害、ビ
タミンDの合成、メラニン色素の増殖などが起こり、そ
れによって、白斑症などに対する治療効果が得られると
考えられている。ところが、太陽光線や通常の紫外線ラ
ンプには、近紫外線のUV−Aだけではなく、短波長領
域のUV−Bも含まれているため、副作用として、紅斑
を生じ、ひどい場合には、水泡を生じることがある。
療に使用する場合、通常、経口投与するか、あるいはそ
れらを含有する軟膏やローションを局所に塗布して、近
紫外線を照射する。そうすると、DNA合成の阻害、ビ
タミンDの合成、メラニン色素の増殖などが起こり、そ
れによって、白斑症などに対する治療効果が得られると
考えられている。ところが、太陽光線や通常の紫外線ラ
ンプには、近紫外線のUV−Aだけではなく、短波長領
域のUV−Bも含まれているため、副作用として、紅斑
を生じ、ひどい場合には、水泡を生じることがある。
【0006】従来、ソラレン及びその誘導体と透明な感
圧性接着性組成物とを必須成分とする基剤を、315〜
380nmの紫外線を少なくとも30%以上透過しうる
透明度を有する支持体上に形成してなる皮膚疾患治療用
貼付剤が提案されている(特公昭63−42604号公
報)。この貼付剤を疾患部に貼り付けると、接着剤層か
らソラレン及びその誘導体が供給されるので、貼付剤の
上から紫外線を照射すると皮膚疾患に対する治療効果が
得られる。紫外線照射後に、貼付剤を剥すと、ソラレン
及びその誘導体の供給が停止されるため、治療時以外に
日光等の紫外線に触れても、炎症を起こすことがなく、
また、貼付剤を剥した後には、ソラレン及びその誘導体
が皮膚面に残留することもないとされている。しかし、
この貼付剤は、UV−Bの波長領域を遮断するものでは
ないので、治療時に副作用として紅斑が生じるのを防ぐ
ことができない。
圧性接着性組成物とを必須成分とする基剤を、315〜
380nmの紫外線を少なくとも30%以上透過しうる
透明度を有する支持体上に形成してなる皮膚疾患治療用
貼付剤が提案されている(特公昭63−42604号公
報)。この貼付剤を疾患部に貼り付けると、接着剤層か
らソラレン及びその誘導体が供給されるので、貼付剤の
上から紫外線を照射すると皮膚疾患に対する治療効果が
得られる。紫外線照射後に、貼付剤を剥すと、ソラレン
及びその誘導体の供給が停止されるため、治療時以外に
日光等の紫外線に触れても、炎症を起こすことがなく、
また、貼付剤を剥した後には、ソラレン及びその誘導体
が皮膚面に残留することもないとされている。しかし、
この貼付剤は、UV−Bの波長領域を遮断するものでは
ないので、治療時に副作用として紅斑が生じるのを防ぐ
ことができない。
【0007】そこで、透明性を有する支持体上に、ソラ
レンまたはその誘導体と紫外線吸収剤を配合した透明性
を有する感圧性接着剤層を積層してなる皮膚疾患治療用
貼付剤が提案されている(特開昭60−69014号公
報)。しかし、汎用の紫外線吸収剤は、UV−Bのみな
らずUV−Aの吸収が大きいため、前記治療効果が得ら
れないか、あるいは、UV−Aの透過性は良好であるも
のの、UV−Bについても部分的に高透過率で透過する
波長領域が存在するため、紅斑などの副作用の防止効果
が充分ではないという欠点を有している。また、前記の
貼付剤は、ソラレンまたはその誘導体を感圧性接着剤層
に添加しているため、治療後、糊残りなく剥離すること
ができるという利点を有するものの、これら薬剤の皮膚
疾患部に対する浸透に長時間を必要とする。
レンまたはその誘導体と紫外線吸収剤を配合した透明性
を有する感圧性接着剤層を積層してなる皮膚疾患治療用
貼付剤が提案されている(特開昭60−69014号公
報)。しかし、汎用の紫外線吸収剤は、UV−Bのみな
らずUV−Aの吸収が大きいため、前記治療効果が得ら
れないか、あるいは、UV−Aの透過性は良好であるも
のの、UV−Bについても部分的に高透過率で透過する
波長領域が存在するため、紅斑などの副作用の防止効果
が充分ではないという欠点を有している。また、前記の
貼付剤は、ソラレンまたはその誘導体を感圧性接着剤層
に添加しているため、治療後、糊残りなく剥離すること
ができるという利点を有するものの、これら薬剤の皮膚
疾患部に対する浸透に長時間を必要とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、尋常
性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対して、ソラレンまたは
その誘導体等と紫外線を併用する治療法において、皮膚
に有害な波長領域の紫外線を吸収し、治療に有用な波長
領域の紫外線のみを透過させることができる有害紫外線
吸収性粘着シートを提供することにある。本発明者ら
は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究し
た結果、アクリル系粘着剤などの透明な粘着剤にサリチ
ル酸系の紫外線吸収剤と2,2′−メチレン−ビス(4
−エチル−6−tertブチルフェノール)を配合した
組成物からなる層を、透明な支持体上に形成してなる粘
着シートが、皮膚に有害な波長領域のUV−Bを吸収
し、治療に有用な波長領域のUV−Aのみを高い透過率
で透過させることを見いだした。
性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対して、ソラレンまたは
その誘導体等と紫外線を併用する治療法において、皮膚
に有害な波長領域の紫外線を吸収し、治療に有用な波長
領域の紫外線のみを透過させることができる有害紫外線
吸収性粘着シートを提供することにある。本発明者ら
は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究し
た結果、アクリル系粘着剤などの透明な粘着剤にサリチ
ル酸系の紫外線吸収剤と2,2′−メチレン−ビス(4
−エチル−6−tertブチルフェノール)を配合した
組成物からなる層を、透明な支持体上に形成してなる粘
着シートが、皮膚に有害な波長領域のUV−Bを吸収
し、治療に有用な波長領域のUV−Aのみを高い透過率
で透過させることを見いだした。
【0009】この粘着シートは、UV−A(320〜4
00nm)の透過率が65%以上、UV−B(290〜
320nm)の透過率が10%以下、UV−C(290
nm以下)の透過率が0%である。したがって、皮膚疾
患部に、ソラレンまたはその誘導体の軟膏やローショ
ン、あるいはメラジニン・ローションを塗布し、その上
を本発明の粘着シートで被覆すると、紅斑等の副作用を
伴うことなく、太陽光線下での治療やUV−Bを含む紫
外線ランプを用いての治療が可能となる。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
00nm)の透過率が65%以上、UV−B(290〜
320nm)の透過率が10%以下、UV−C(290
nm以下)の透過率が0%である。したがって、皮膚疾
患部に、ソラレンまたはその誘導体の軟膏やローショ
ン、あるいはメラジニン・ローションを塗布し、その上
を本発明の粘着シートで被覆すると、紅斑等の副作用を
伴うことなく、太陽光線下での治療やUV−Bを含む紫
外線ランプを用いての治療が可能となる。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明な
プラスチックフィルム上に、透明な粘着剤に紫外線吸収
剤を配合した組成物からなる粘着層が形成された粘着シ
ートであって、UV−A(320〜400nm)の透過
率が65%以上で、UV−B(290〜320nm)の
透過率が10%以下、UV−C(290nm以下)の透
過率が0%の紫外線透過特性を有することを特徴とする
有害紫外線吸収性粘着シートが提供される。本発明の好
ましい実施態様として、透明な粘着剤に、紫外線吸収剤
としてサリチル酸系化合物と2,2′−メチレン−ビス
(4−エチル−6−tertブチルフェノール)を配合
した組成物からなる粘着層を、透明なプラスチックフィ
ルム上に形成してなる有害紫外線吸収性粘着シートが提
供される。
プラスチックフィルム上に、透明な粘着剤に紫外線吸収
剤を配合した組成物からなる粘着層が形成された粘着シ
ートであって、UV−A(320〜400nm)の透過
率が65%以上で、UV−B(290〜320nm)の
透過率が10%以下、UV−C(290nm以下)の透
過率が0%の紫外線透過特性を有することを特徴とする
有害紫外線吸収性粘着シートが提供される。本発明の好
ましい実施態様として、透明な粘着剤に、紫外線吸収剤
としてサリチル酸系化合物と2,2′−メチレン−ビス
(4−エチル−6−tertブチルフェノール)を配合
した組成物からなる粘着層を、透明なプラスチックフィ
ルム上に形成してなる有害紫外線吸収性粘着シートが提
供される。
【0011】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用する透明なプラスチックフィルムとしては、UV−
Aの透過率が高いものであれば特に限定されないが、具
体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムを挙
げることができる。これらのプラスチックフィルムは、
通常、10〜150μm程度の厚みを有し、UV−Aの
透過率が、好ましくは60%以上、より好ましくは70
%以上、最も好ましくは80%以上のものである。これ
らのプラスチックフィルムは、UV−Cの吸収性は高い
ものの、UV−Bについては、その全波長領域または一
部の波長領域において高い透過率を示す。これらのフィ
ルムの中でも、厚み10〜30μm程度のポリプロピレ
ンフィルムは、UV−Aの透過率が80%以上と高く、
柔軟で皮膚に対する順応性も良いため、特に好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、UV−
Aの透過率は比較的良好であるものの、固いため、皮膚
に対する順応性や貼付感に劣るという難点がある。
使用する透明なプラスチックフィルムとしては、UV−
Aの透過率が高いものであれば特に限定されないが、具
体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムを挙
げることができる。これらのプラスチックフィルムは、
通常、10〜150μm程度の厚みを有し、UV−Aの
透過率が、好ましくは60%以上、より好ましくは70
%以上、最も好ましくは80%以上のものである。これ
らのプラスチックフィルムは、UV−Cの吸収性は高い
ものの、UV−Bについては、その全波長領域または一
部の波長領域において高い透過率を示す。これらのフィ
ルムの中でも、厚み10〜30μm程度のポリプロピレ
ンフィルムは、UV−Aの透過率が80%以上と高く、
柔軟で皮膚に対する順応性も良いため、特に好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、UV−
Aの透過率は比較的良好であるものの、固いため、皮膚
に対する順応性や貼付感に劣るという難点がある。
【0012】本発明では、透明性に優れた粘着剤を使用
する。透明な粘着剤としては、UV−Aの透過率が高い
アクリル系粘着剤及びポリビニルエーテル系粘着剤が好
ましい。これらの透明な粘着剤は、支持体上に、通常、
10〜100μm、好ましくは20〜50μm程度の厚
みに塗工される。これらの中でも、厚み20〜50μm
程度に塗工され、かつ、単体層のUV−Aの透過率が8
0%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95
%以上のアクリル系粘着剤が特に好ましい。アクリル系
粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレートなど
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマ
ー、コポリマー、あるいはアクリル酸や酢酸ビニル等の
他のモノマーとのコポリマーなどが挙げられる。
する。透明な粘着剤としては、UV−Aの透過率が高い
アクリル系粘着剤及びポリビニルエーテル系粘着剤が好
ましい。これらの透明な粘着剤は、支持体上に、通常、
10〜100μm、好ましくは20〜50μm程度の厚
みに塗工される。これらの中でも、厚み20〜50μm
程度に塗工され、かつ、単体層のUV−Aの透過率が8
0%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95
%以上のアクリル系粘着剤が特に好ましい。アクリル系
粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレートなど
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマ
ー、コポリマー、あるいはアクリル酸や酢酸ビニル等の
他のモノマーとのコポリマーなどが挙げられる。
【0013】本発明で使用する紫外線吸収剤としては、
UV−Bを吸収し、UV−Aを80%以上、好ましくは
90%以上、より好ましくは95%以上の透過率で透過
させることができ、透明な粘着剤と相溶性のあるものが
望ましい。このような紫外線吸収剤としては、サリチル
酸系化合物と2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−
6−tertブチルフェノール)との組み合わせが好ま
しい。これらの紫外線吸収剤は、透明な粘着剤層に含有
させて使用する。
UV−Bを吸収し、UV−Aを80%以上、好ましくは
90%以上、より好ましくは95%以上の透過率で透過
させることができ、透明な粘着剤と相溶性のあるものが
望ましい。このような紫外線吸収剤としては、サリチル
酸系化合物と2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−
6−tertブチルフェノール)との組み合わせが好ま
しい。これらの紫外線吸収剤は、透明な粘着剤層に含有
させて使用する。
【0014】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例え
ば、サリチル酸フェニルエステル、サリチル酸p−te
rtブチルフェニルエステル、サリチル酸p−オクチル
フェニルエステル等のサリチル酸系化合物を挙げること
ができる。これらの中でも、サリチル酸p−tertブ
チルフェニルエステルが特に好ましい。汎用の紫外線吸
収剤のうち、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物は、
UV−BのみならずUV−Aの吸収性が大きいため、本
発明の目的に使用することができないが、サリチル酸系
化合物は、UV−Aを高い透過率で透過する。しかしな
がら、本発明者らの検討結果によれば、サリチル酸系化
合物は、UV−Bの波長領域に属する280nm近辺で
比較的高い透過率を示すことが判明した。
ば、サリチル酸フェニルエステル、サリチル酸p−te
rtブチルフェニルエステル、サリチル酸p−オクチル
フェニルエステル等のサリチル酸系化合物を挙げること
ができる。これらの中でも、サリチル酸p−tertブ
チルフェニルエステルが特に好ましい。汎用の紫外線吸
収剤のうち、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物は、
UV−BのみならずUV−Aの吸収性が大きいため、本
発明の目的に使用することができないが、サリチル酸系
化合物は、UV−Aを高い透過率で透過する。しかしな
がら、本発明者らの検討結果によれば、サリチル酸系化
合物は、UV−Bの波長領域に属する280nm近辺で
比較的高い透過率を示すことが判明した。
【0015】一方、2,2′−メチレン−ビス(4−エ
チル−6−tertブチルフェノール)は、UV−Aを
高い透過率で透過させ、かつ、260nm近辺でも比較
的高い透過率を示すが、280nm近辺の波長領域を選
択的に吸収することが判明した。そこで、サリチル酸系
化合物と2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−
tertブチルフェノール)を併用したところ、皮膚疾
患の治療に有用なUV−Aを高い透過率で透過させ、か
つ、皮膚に有害なUV−Bをほぼ完全に吸収することを
見いだした。
チル−6−tertブチルフェノール)は、UV−Aを
高い透過率で透過させ、かつ、260nm近辺でも比較
的高い透過率を示すが、280nm近辺の波長領域を選
択的に吸収することが判明した。そこで、サリチル酸系
化合物と2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−
tertブチルフェノール)を併用したところ、皮膚疾
患の治療に有用なUV−Aを高い透過率で透過させ、か
つ、皮膚に有害なUV−Bをほぼ完全に吸収することを
見いだした。
【0016】サリチル酸系化合物は、粘着剤100重量
部に対して、通常、0.5〜10重量部、好ましくは1
〜9重量部、より好ましくは2〜8重量部の割合で使用
し、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−te
rtブチルフェノール)は、粘着剤100重量部に対し
て、通常、0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量
部、より好ましくは1〜6重量部の割合で使用する。サ
リチル酸系化合物:2,2′−メチレン−ビス(4−エ
チル−6−tertブチルフェノール)の割合は、1:
1〜3:2(重量比)の範囲が特に好ましい。本発明の
粘着剤組成物には、紫外線吸収剤の他に、本発明の目的
を損なわない範囲内において、老化防止剤や増粘剤等の
各種添加剤を適宜配合することができる。
部に対して、通常、0.5〜10重量部、好ましくは1
〜9重量部、より好ましくは2〜8重量部の割合で使用
し、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−te
rtブチルフェノール)は、粘着剤100重量部に対し
て、通常、0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量
部、より好ましくは1〜6重量部の割合で使用する。サ
リチル酸系化合物:2,2′−メチレン−ビス(4−エ
チル−6−tertブチルフェノール)の割合は、1:
1〜3:2(重量比)の範囲が特に好ましい。本発明の
粘着剤組成物には、紫外線吸収剤の他に、本発明の目的
を損なわない範囲内において、老化防止剤や増粘剤等の
各種添加剤を適宜配合することができる。
【0017】本発明の粘着剤組成物は、通常、粘着剤溶
液に紫外線吸収剤等の添加剤を配合し、均一に混合する
ことにより調製することができる。粘着剤組成物を含む
溶液は、プラスチックフィルムからなる透明な支持体上
に塗布し、乾燥させて、粘着剤層を形成させる。粘着剤
組成物を離型ライナー上に塗布し、乾燥後、透明な支持
体上に転写してもよい。乾燥後の粘着剤層の厚みは、前
記したとおり、通常、10〜100μm、好ましくは2
0〜50μm程度とする。本発明の粘着シートは、UV
−Aの透過率が65%以上であって、UV−Bの透過率
が10%以下、UV−Cの透過率が0%の紫外線透過特
性を示す。UV−Aの透過率は、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上であり、UV−Bの透過
率は、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下で
ある。
液に紫外線吸収剤等の添加剤を配合し、均一に混合する
ことにより調製することができる。粘着剤組成物を含む
溶液は、プラスチックフィルムからなる透明な支持体上
に塗布し、乾燥させて、粘着剤層を形成させる。粘着剤
組成物を離型ライナー上に塗布し、乾燥後、透明な支持
体上に転写してもよい。乾燥後の粘着剤層の厚みは、前
記したとおり、通常、10〜100μm、好ましくは2
0〜50μm程度とする。本発明の粘着シートは、UV
−Aの透過率が65%以上であって、UV−Bの透過率
が10%以下、UV−Cの透過率が0%の紫外線透過特
性を示す。UV−Aの透過率は、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上であり、UV−Bの透過
率は、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下で
ある。
【0018】本発明の粘着剤組成物には、ソラレンまた
はその誘導体等を配合することもできるが、通常は、尋
常性白斑や乾癬などの皮膚疾患の病変部に、ソラレンま
たはその誘導体の軟膏やローション(尋常性乾癬などの
場合)、あるいはメラジニン・ローション(尋常性白斑
などの場合)を塗布し、その上を本発明の粘着シートで
被覆して使用する。本発明の粘着シートは、皮膚疾患の
治療に有用なUV−Aのみを選択的に高透過率で透過
し、皮膚に有害なUV−B及びUV−Cを吸収して透過
させないため、該粘着シートを疾患部に貼付したままで
太陽光線下で治療したり、あるいは、UV−Aだけでは
なくUV−Bをも含む紫外線ランプを用いた治療も可能
である。治療後は、粘着シートを剥せばよい。
はその誘導体等を配合することもできるが、通常は、尋
常性白斑や乾癬などの皮膚疾患の病変部に、ソラレンま
たはその誘導体の軟膏やローション(尋常性乾癬などの
場合)、あるいはメラジニン・ローション(尋常性白斑
などの場合)を塗布し、その上を本発明の粘着シートで
被覆して使用する。本発明の粘着シートは、皮膚疾患の
治療に有用なUV−Aのみを選択的に高透過率で透過
し、皮膚に有害なUV−B及びUV−Cを吸収して透過
させないため、該粘着シートを疾患部に貼付したままで
太陽光線下で治療したり、あるいは、UV−Aだけでは
なくUV−Bをも含む紫外線ランプを用いた治療も可能
である。治療後は、粘着シートを剥せばよい。
【0019】また、本発明の粘着シートは、エリマトー
デス、皮膚筋炎、日光過敏症などの患者が日光に曝され
る危険を防止するためにも使用できる。即ち、本シート
を病変部である鼻や頬、手指などの炎症部位に予め貼っ
ておけば、その部分をUV−Bなどを含む日光から保護
することができる。さらに、炎症部位に治療のためにス
テロイドなどの外用抗炎症剤を塗布し、その上を本発明
の粘着シートで被覆すれば、有害光線の遮断と治療を同
時に行うことができる。
デス、皮膚筋炎、日光過敏症などの患者が日光に曝され
る危険を防止するためにも使用できる。即ち、本シート
を病変部である鼻や頬、手指などの炎症部位に予め貼っ
ておけば、その部分をUV−Bなどを含む日光から保護
することができる。さらに、炎症部位に治療のためにス
テロイドなどの外用抗炎症剤を塗布し、その上を本発明
の粘着シートで被覆すれば、有害光線の遮断と治療を同
時に行うことができる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。なお、物性の
測定方法は、以下のとおりである。
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。なお、物性の
測定方法は、以下のとおりである。
【0021】(1)紫外線吸収スペクトル 測定機器:228A形 日立 ダブルビーム分光光度計 測定範囲:400nm〜200nm 測定条件:Scan speed:Medium Slit:2.0nm Response:Fast Rep scan:1 Cycle time:0 min. (2)粘着力 JIS Z−0237の8に従って測定した。ただし、
測定用の被着体パネルは、ベークライト板を用い、テー
プの測定巾を15mmとした。測定環境(雰囲気)は、
温度23℃、相対湿度65%RHであった。 (3)プローブタック JIS Z−0237の参考5に従って、温度23℃、
相対湿度65%RHの条件下で、直径5mmの金属棒の
平滑な先端の面を、粘着剤の表面に100gの荷重をか
けて1秒間接着させ、毎秒10mmの速さで引き剥した
ときの抵抗値を測定した。 (4)保持力 JIS Z−0237の11に準じて、試験片巾12m
m、貼付面積12×20mm2で測定した。ただし、測
定用被着体パネルはガラス板で、規定荷重は500g、
規定時間は1時間のずれを測定した。測定環境(雰囲
気)は、温度23℃、相対湿度65%RHであった。
測定用の被着体パネルは、ベークライト板を用い、テー
プの測定巾を15mmとした。測定環境(雰囲気)は、
温度23℃、相対湿度65%RHであった。 (3)プローブタック JIS Z−0237の参考5に従って、温度23℃、
相対湿度65%RHの条件下で、直径5mmの金属棒の
平滑な先端の面を、粘着剤の表面に100gの荷重をか
けて1秒間接着させ、毎秒10mmの速さで引き剥した
ときの抵抗値を測定した。 (4)保持力 JIS Z−0237の11に準じて、試験片巾12m
m、貼付面積12×20mm2で測定した。ただし、測
定用被着体パネルはガラス板で、規定荷重は500g、
規定時間は1時間のずれを測定した。測定環境(雰囲
気)は、温度23℃、相対湿度65%RHであった。
【0022】[合成例1]反応器に、2−エチルヘキシ
ルアクリレート100重量部、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.1重量部、及び酢酸エチル150重量部を仕込
み、80℃で10時間溶液重合を行ってアクリル系粘着
剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を35μmの乾燥厚
みに塗工した粘着剤層(単層)のUV−A透過率は、約
95%であった。
ルアクリレート100重量部、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.1重量部、及び酢酸エチル150重量部を仕込
み、80℃で10時間溶液重合を行ってアクリル系粘着
剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を35μmの乾燥厚
みに塗工した粘着剤層(単層)のUV−A透過率は、約
95%であった。
【0023】[比較例1]合成例1で調製したアクリル
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール(登録商標名チヌビンP)を3重量
部の割合で添加し、次いで、粘着剤溶液をポリプロピレ
ンフィルム(厚み16μm:UV−Aの透過率86%)
上に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布し、乾
燥させて粘着シートを作成した。得られた粘着シートの
紫外線吸収スペクトルを図1に示す。図1から明らかな
ように、この粘着シートは、UV−BのみならずUV−
Aの吸収が大きく(透過率が小さく)、皮膚疾患の治療
には不適当なものである。
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール(登録商標名チヌビンP)を3重量
部の割合で添加し、次いで、粘着剤溶液をポリプロピレ
ンフィルム(厚み16μm:UV−Aの透過率86%)
上に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布し、乾
燥させて粘着シートを作成した。得られた粘着シートの
紫外線吸収スペクトルを図1に示す。図1から明らかな
ように、この粘着シートは、UV−BのみならずUV−
Aの吸収が大きく(透過率が小さく)、皮膚疾患の治療
には不適当なものである。
【0024】[比較例2]合成例1で調製したアクリル
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、サリチル酸p−tertブチルフェニルエステルを
5重量部の割合で添加し、次いで、粘着剤溶液をポリエ
チレンフィルム(厚み120μm、UV−A透過率75
%)上に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布
し、乾燥させて粘着シートを作成した。得られた粘着シ
ートの紫外線吸収スペクトルを図2に示す。図2から明
らかなように、この粘着シートは、UV−Aの透過率が
高いものの、UV−Bに属する約280nm付近で比較
的高い透過率を示す。したがって、この粘着シートを皮
膚疾患の治療に使用すると、紅斑などの副作用を伴うこ
とになる。
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、サリチル酸p−tertブチルフェニルエステルを
5重量部の割合で添加し、次いで、粘着剤溶液をポリエ
チレンフィルム(厚み120μm、UV−A透過率75
%)上に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布
し、乾燥させて粘着シートを作成した。得られた粘着シ
ートの紫外線吸収スペクトルを図2に示す。図2から明
らかなように、この粘着シートは、UV−Aの透過率が
高いものの、UV−Bに属する約280nm付近で比較
的高い透過率を示す。したがって、この粘着シートを皮
膚疾患の治療に使用すると、紅斑などの副作用を伴うこ
とになる。
【0025】[比較例3]合成例1で調製したアクリル
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−te
rtブチルフェノール)を3重量部の割合で添加し、次
いで、粘着剤溶液をポリプロピレンフィルム(厚み16
μm:UV−Aの透過率86%)上に、乾燥後の厚みが
35μmとなるように塗布し、乾燥させて粘着シートを
作成した。得られた粘着シートの紫外線吸収スペクトル
を図3に示す。図3から明らかなように、この粘着シー
トは、UV−Aを高い透過率で透過させ、260nm近
辺でも比較的高い透過率を示すが、280nm付近で大
きな吸収を示す。この粘着シートは、260nm付近で
比較的高い透過率を示すため、皮膚疾患の治療に使用す
ると、紅斑などの副作用を伴うことになる。
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−te
rtブチルフェノール)を3重量部の割合で添加し、次
いで、粘着剤溶液をポリプロピレンフィルム(厚み16
μm:UV−Aの透過率86%)上に、乾燥後の厚みが
35μmとなるように塗布し、乾燥させて粘着シートを
作成した。得られた粘着シートの紫外線吸収スペクトル
を図3に示す。図3から明らかなように、この粘着シー
トは、UV−Aを高い透過率で透過させ、260nm近
辺でも比較的高い透過率を示すが、280nm付近で大
きな吸収を示す。この粘着シートは、260nm付近で
比較的高い透過率を示すため、皮膚疾患の治療に使用す
ると、紅斑などの副作用を伴うことになる。
【0026】[実施例1]合成例1で調製したアクリル
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、サリチル酸p−tertブチルフェニルエステル3
重量部及び2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6
−tertブチルフェノール)2重量部を添加し、次い
で、粘着剤溶液をポリプロピレンフィルム(厚み16μ
m:UV−Aの透過率86%)上に、乾燥後の厚みが3
5μmとなるように塗布し、乾燥させて粘着シートを作
成した。得られた粘着シートの紫外線吸収スペクトルを
図4に示す。図4から明らかなように、この粘着シート
は、UV−Aを高い透過率で透過させ、UV−B以下の
短波長領域については、ほぼ完全に吸収していることが
分かる。この粘着シートの粘着特性は、粘着力が420
g/15mmで、プローブタックが440g/5mmφ
probeであった。
系粘着剤溶液に、アクリル系粘着剤100重量部に対し
て、サリチル酸p−tertブチルフェニルエステル3
重量部及び2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6
−tertブチルフェノール)2重量部を添加し、次い
で、粘着剤溶液をポリプロピレンフィルム(厚み16μ
m:UV−Aの透過率86%)上に、乾燥後の厚みが3
5μmとなるように塗布し、乾燥させて粘着シートを作
成した。得られた粘着シートの紫外線吸収スペクトルを
図4に示す。図4から明らかなように、この粘着シート
は、UV−Aを高い透過率で透過させ、UV−B以下の
短波長領域については、ほぼ完全に吸収していることが
分かる。この粘着シートの粘着特性は、粘着力が420
g/15mmで、プローブタックが440g/5mmφ
probeであった。
【0027】臨床例 22才の女子であって、約1年前から右腕全面に脱色斑
が発生し、その後、徐々に増大して、現在では、境界不
鮮明の不規則な白斑が多発し、尋常性白斑(限極型)と
診断された患者に対して、8−メトキシソラレンを0.
3重量%含有する軟膏を疾患部に週2回塗布し、その上
を実施例1で得られた粘着シートで被覆して、処置部を
日光に1日数時間暴露するように指導した。この処置を
続けたところ、1か月目より点状褐色班が出現し、白斑
周縁部からも色素の再生が見られるようになり、3か月
目には、ほぼ100%近く色素が再生したことが確認さ
れた。この処置の間、患者には紅斑等の副作用は見られ
なかった。
が発生し、その後、徐々に増大して、現在では、境界不
鮮明の不規則な白斑が多発し、尋常性白斑(限極型)と
診断された患者に対して、8−メトキシソラレンを0.
3重量%含有する軟膏を疾患部に週2回塗布し、その上
を実施例1で得られた粘着シートで被覆して、処置部を
日光に1日数時間暴露するように指導した。この処置を
続けたところ、1か月目より点状褐色班が出現し、白斑
周縁部からも色素の再生が見られるようになり、3か月
目には、ほぼ100%近く色素が再生したことが確認さ
れた。この処置の間、患者には紅斑等の副作用は見られ
なかった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚に有害な波長領域
の紫外線を吸収し、治療に有用な波長領域の紫外線のみ
を透過させることができる有害紫外線吸収性粘着シート
が提供される。尋常性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対し
て、ソラレンまたはその誘導体等と紫外線を併用する治
療法において、本発明の粘着シートを疾患部に被覆して
使用すれば、太陽光線やUV−Bを含む紫外線ランプに
よる照射を行っても、紅斑等の副作用を生じることな
く、治療効果を得ることができる。また、太陽光線中の
有害紫外線によって皮膚症状の悪化するエリテマトーデ
ス、皮膚筋炎、ポルフィリィン症などの日光過敏症の予
防あるいは治療用として、本発明の粘着シートを単独ま
たはステロイドなどの外用抗炎症剤を塗布した上に被覆
した形で使用することができる。
の紫外線を吸収し、治療に有用な波長領域の紫外線のみ
を透過させることができる有害紫外線吸収性粘着シート
が提供される。尋常性白斑や乾癬などの皮膚疾患に対し
て、ソラレンまたはその誘導体等と紫外線を併用する治
療法において、本発明の粘着シートを疾患部に被覆して
使用すれば、太陽光線やUV−Bを含む紫外線ランプに
よる照射を行っても、紅斑等の副作用を生じることな
く、治療効果を得ることができる。また、太陽光線中の
有害紫外線によって皮膚症状の悪化するエリテマトーデ
ス、皮膚筋炎、ポルフィリィン症などの日光過敏症の予
防あるいは治療用として、本発明の粘着シートを単独ま
たはステロイドなどの外用抗炎症剤を塗布した上に被覆
した形で使用することができる。
【図1】比較例1の粘着テープの紫外線吸収スペクトル
【図2】比較例2の粘着テープの紫外線吸収スペクトル
【図3】比較例3の粘着テープの紫外線吸収スペクトル
【図4】実施例1の粘着テープの紫外線吸収スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 俊男 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチバ ン株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 透明なプラスチックフィルム上に、透明
な粘着剤に紫外線吸収剤を配合した組成物からなる粘着
層が形成された粘着シートであって、UV−A(320
〜400nm)の透過率が65%以上で、UV−B(2
90〜320nm)の透過率が10%以下、UV−C
(290nm以下)の透過率が0%の紫外線透過特性を
有することを特徴とする有害紫外線吸収性粘着シート。 - 【請求項2】 紫外線吸収剤が、サリチル酸系化合物と
2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert
ブチルフェノール)とを組み合わせたものである請求項
1記載の粘着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29566294A JPH08133964A (ja) | 1994-11-05 | 1994-11-05 | 有害紫外線吸収性粘着シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29566294A JPH08133964A (ja) | 1994-11-05 | 1994-11-05 | 有害紫外線吸収性粘着シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08133964A true JPH08133964A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17823558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29566294A Pending JPH08133964A (ja) | 1994-11-05 | 1994-11-05 | 有害紫外線吸収性粘着シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08133964A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004141613A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-05-20 | Japan Vilene Co Ltd | 医療衛生用基材 |
WO2004098575A1 (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-18 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | 紫外線遮蔽性貼付剤 |
GB2463566A (en) * | 2008-09-16 | 2010-03-24 | Syntopix Group Plc | Formulations active against propionibacteria |
US8057785B2 (en) | 2004-12-22 | 2011-11-15 | Omj Ireland Limited | Phototherapy compositions and methods |
JP6438542B1 (ja) * | 2017-07-27 | 2018-12-12 | 日機装株式会社 | 半導体発光素子 |
-
1994
- 1994-11-05 JP JP29566294A patent/JPH08133964A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004141613A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-05-20 | Japan Vilene Co Ltd | 医療衛生用基材 |
WO2004098575A1 (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-18 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | 紫外線遮蔽性貼付剤 |
US8057785B2 (en) | 2004-12-22 | 2011-11-15 | Omj Ireland Limited | Phototherapy compositions and methods |
US8481008B2 (en) | 2004-12-22 | 2013-07-09 | Therakos, Inc. | Phototherapy compositions and methods |
GB2463566A (en) * | 2008-09-16 | 2010-03-24 | Syntopix Group Plc | Formulations active against propionibacteria |
GB2463566B (en) * | 2008-09-16 | 2010-11-24 | Syntopix Group Plc | Formulations active against propionibacteria |
JP6438542B1 (ja) * | 2017-07-27 | 2018-12-12 | 日機装株式会社 | 半導体発光素子 |
WO2019021684A1 (ja) * | 2017-07-27 | 2019-01-31 | 日機装株式会社 | 半導体発光素子 |
JP2019029438A (ja) * | 2017-07-27 | 2019-02-21 | 日機装株式会社 | 半導体発光素子 |
CN110998876A (zh) * | 2017-07-27 | 2020-04-10 | 日机装株式会社 | 半导体发光元件 |
US11302845B2 (en) | 2017-07-27 | 2022-04-12 | Nikkiso Co., Ltd. | Semiconductor light-emitting element |
CN110998876B (zh) * | 2017-07-27 | 2023-04-18 | 日机装株式会社 | 半导体发光元件 |
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