JPH08133715A - 均質なガラス状炭素材の製造方法 - Google Patents

均質なガラス状炭素材の製造方法

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JPH08133715A
JPH08133715A JP6305485A JP30548594A JPH08133715A JP H08133715 A JPH08133715 A JP H08133715A JP 6305485 A JP6305485 A JP 6305485A JP 30548594 A JP30548594 A JP 30548594A JP H08133715 A JPH08133715 A JP H08133715A
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JP
Japan
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glassy carbon
carbon material
firing
producing
inert atmosphere
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JP6305485A
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English (en)
Inventor
Shigeru Wataya
茂 綿谷
Ikuo Iwata
育穂 岩田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化焼成過程での金属系不純物の混入による
材料中の異常部の発生を抑えることができるガラス状炭
素材の製造方法を提供する。 【構成】 熱硬化性樹脂を成形硬化した後、非酸化性雰
囲気中で炭化焼成してガラス状炭素材となすガラス状炭
素材の製造方法であって、(1)前記成形体を室温80
0°C乃至1000°Cの温度まで大気圧下の不活性雰
囲気中で炭化焼成した後、(2)1torr以下の減圧
不活性雰囲気中又は真空下で、1200°C乃至200
0°Cの温度範囲まで炭化焼成することを要旨とするも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス状炭素材の製造
方法に係わり、特に、均質で、研磨により表面平滑性に
優れた鏡面を得ることができる磁気ディスク用基板、光
学レンズ用鋳型、磁気ヘッド用基材、及び光学用反射基
板などに適したガラス状炭素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フェノール樹脂、フラン樹脂な
どの3次元網目構造をもつ不溶不融の性質をもつ熱硬化
性樹脂を所定の形状に成形した硬化物を、大気圧下の不
活性気体雰囲気中で炭素化すると、ガラス状炭素材が得
られる。
【0003】熱硬化性樹脂を炭化焼成すると、熱分解に
より、フェノール、クレゾールなどの揮発性分解生成
物、及び水、二酸化炭素、一酸化炭素、水素などを生成
する。これらの発生ガスが焼成炉内に残留した場合、処
理物であるガラス状炭素材、ルツボなどの副資材、及び
焼成炉構造物を酸化等変質させるため有害である。従っ
て、酸化等変質を防止するため、焼成炉の内部では、不
活性ガスを連続的に大気圧下で供給し、雰囲気を制御す
ると同時に、前記生成物を強制的に炉外に排出してい
る。
【0004】このようにして製造されたガラス状炭素材
は、等方性組織を有し、ガス不透過性に優れ、硬度が高
く、耐熱性、耐薬品性、潤滑性、軽量性に優れる。この
ため、エレクトロニクス産業、原子力産業、化学、光学
をはじめ多くの工業分野での利用が期待されている。
【0005】ところで、ガラス状炭素をヘッド・スライ
ダーや磁気ディスク基板などに適用するためには、鏡面
研磨後の平均的な平滑度が高いだけでは不十分であり、
研磨面内に数個程度であっても微小な窪みや突起があっ
てはならない。このような研磨面に現れる微小な窪みや
突起は、材料中の空孔や局所的な結晶化組織が原因とな
っている。さらに、これらの空孔や局所的な結晶化組織
は、樹脂成形過程で発生する空孔、樹脂成形体を硬化・
炭化焼成する際に発生する分解ガスによる気泡、樹脂に
含まれる微小な異物などに由来している。そこで、これ
らを防止する技術が既に公開されている。例えば、特公
昭64−321では、原料として硬化前の初期縮合物状
態で20wt%以上の水を含むことができる熱硬化性樹
脂を用いることにより、樹脂の硬化過程で生じる縮合水
や分散ガスを母体樹脂中に均一分散させた状態で保てる
ようになり、ガラス状炭素材料中の閉気孔を減少できる
ことが示されている。あるいは、特公平4−55122
では、原料である熱硬化性樹脂初期縮合物を硬化させる
に際して、硬化剤として強酸性の触媒を用いることによ
り、縮合反応を緩徐かつ均一に進行させ、生成する縮合
水や分解ガスの効果的除去を可能にし、内部ポアの少な
い緻密組織構造のガラス状炭素を製造できることが示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】既に述べたように、従
来技術は、原料の特性や原料中の異物に対して対策を施
すことにより、閉気孔、局所的な結晶化組織の発生を抑
え、研磨面に微小な窪みや突起が現れないようにするも
のである。しかし、発明者らが検討したところ、このよ
うな対策では不十分であることがわかった。たとえ十分
に吟味された原料を用いたとしても、その炭化焼成過程
で金属不純物の混入が生じ、それがガラス状炭素中の微
小な異常部を形成させることを発見した。そして、この
ような異常部は、研磨面に微小な窪みとなって現れる。
この窪みの典型的な大きさは数10μm、深さは数10
nmであり、軽微なものである。しかし、磁気ディスク
やヘッド・スライダーにガラス状炭素を応用しようとし
た場合には、近年の記録密度の向上の結果、この程度の
軽微な窪みでも実用上支障をきたすようになってきた。
【0007】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点を解決することを目標に、炭化焼成過程での金属
系不純物の混入による材料中の異常部の発生を抑えるこ
とができる均質なガラス状炭素材の製造方法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
する本発明の均質なガラス状炭素材の製造方法は、均質
なガラス状炭素材の製造方法は、熱硬化性樹脂を硬化成
形した後、非酸化性雰囲気中で炭化焼成してガラス状炭
素材となすガラス状炭素材の製造方法であって、(1)
前記硬化成形体を室温800°C乃至1000°Cの温
度範囲まで大気圧下の不活性雰囲気中で炭化焼成した
後、(2)1torr以下の減圧不活性雰囲気下又は真
空下で、1200°C乃至2000°Cの温度範囲まで
炭化焼成することを要旨とする方法である。そして、上
記(1)工程に用いられた焼成炉を用いて上記(2)工
程に移行する方法と、上記(1)工程に用いられた焼成
炉とは別の焼成炉を用いて前記(2)工程に移行する方
法とがある。
【0009】つぎに、このような焼成炉を用いて、ガラ
ス状炭素材の製造方法を用いることにより、該材料に鏡
面研磨を施した場合に現れる大きさ数十μm、高さが数
十nmの凹凸部の欠陥を低減することができる。これは
以下のような機構にて説明される。すなわち、組成が異
なる異質部が形成される原因はいくつか考えられるが、
2つに大別でき、1つは原料樹脂中に含まれる不純物に
由来するもの、もう1つは炭化焼成中に材料外部から内
部に侵入する金属系不純物であることが判っている。本
発明は後者の原因による異質部を低減するものである。
【0010】ガラス状炭素材を炭化焼成するときに、炉
の構造物から、特に1000°C以上の温度領域で、金
属系の不純物(例えば、Al、Si、Ca、Ni、Co
やFe)が飛散する。これらの不純物は雰囲気の不活性
ガスの対流により輸送され、一部はガラス状炭素材の表
面又はガラス状炭素材に接するルツボ等の副資材の表面
に付着し、拡散によりガラス状炭素材の内部の特異点に
集積される。このような特異点は周囲のガラス状炭素材
とは異なる組成をもち、微量の金属元素を含むため、特
異点の結晶性が正常部より進行する。この性質の違いは
研磨時の局所的な切削抵抗の違いを生み、異質部の材料
除去速度が正常部のそれとは異なることから、結果とし
て前出の凹凸部が発生する。この異形状部は、例えばガ
ラス状炭素材をハードディスクの基板材料として用いる
場合、不良品の原因となっていた。
【0011】本発明の焼成方法を用いることにより、ガ
ラス状炭素材内部への不純物金属元素の侵入を低減し、
同時に、雰囲気制御の本来の目的、すなわち、樹脂の分
解生成物の排出とガラス状炭素材の酸化防止を行うこと
ができる。すなわち、分解生成物の発生は水素を除いて
炭化焼成温度が800°C乃至1000°Cの範囲に達
するまでに終了するため、この温度領域まで大気圧下で
不活性ガスを流入・排出させることにより、分解生成物
の処理を行う。また、800℃乃至1000°C以上で
の減圧不活性雰囲気下または真空下における熱処理は、
対流を抑制し、炉材から飛散した金属系不純物をガラス
状炭素材表面へ移動させる媒体を希薄にする、又はなく
すことにより、ガラス状炭素材への金属系不純物の侵入
を防ぐことができる。この結果、上記処理を行ったガラ
ス状炭素材は、原料樹脂中に不純物が含まれない場合、
異質部を含まず、高い研磨速度にて研磨した場合でも異
形状部のない平滑な面が得られる。なお、800℃乃至
1000°C以上での減圧不活性雰囲気下または真空下
における熱処理は、同一炉で引き続き行っても、また別
の炉で行っても同様の効果が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例と対比
して説明する。
【0013】〔実施例1〕粉末状フェノール樹脂を金型
に充填し、金型温度160°C、面圧30kgf/cm
2 で10分間硬化させたあと、樹脂成形体を取り出し
た。この成形体を大気圧の窒素雰囲気中で窒素ガス流量
10リットル/分の下、1000°Cまで炭化焼成処理
した後、引き続き10-1torr以下の真空下で160
0°Cまで熱処理を行った。昇温速度は、150°Cま
で20°C/h、150°Cから500°Cまで5°C
/h、500°Cから1000°Cまで20°C/h、
1000°Cから1600°Cまで50°C/hであ
り、1600°Cでの保持時間は5時間であった。
【0014】このようにして製造したガラス状炭素材に
含まれる炭素以外の金属系不純物を定量分析したとこ
ろ、Ni、Co、Fe、は検出限界以下であり、Niは
0.2ppm以下、Coは0.1ppm以下、Feは
1.0ppm以下であった。また、Alは5.0pp
m、Siは1.0ppm、Caは11.0ppmであっ
た。なお、焼成前の樹脂成形体に含まれる金属系不純物
量は検出限界以下であった。得られたガラス状炭素材を
研磨したところ、均質な鏡面を得ることができた。ま
た、微分干渉顕微鏡を用い、50倍の倍率にて研磨面を
観察したところ、欠陥を見つけることができなかった。
【0015】〔実施例2〕粉末状フェノール樹脂を金型
に充填し、金型温度160°C、面圧30kgf/cm
2 で10分間硬化させたあと、樹脂成形体を取り出し
た。この成形体を大気圧の窒素雰囲気中で800°Cま
で熱処理して炭化焼成した。昇温速度は、150°Cま
で20°C/h、150°Cから500°Cまで5°C
/h、500°Cから800°Cまで10°C/hであ
った。800°Cで熱処理した焼成体を、別の炉にて窒
素ガスで置換した後、10-1torr以下の真空下で1
500°Cまで熱処理して炭化焼成した。昇温速度は、
1500°Cまで100°C/h、1500°Cでの保
持時間は10時間であった。処理したガラス状炭素材は
炉内温度が150°C以下になった後、炉から取り出し
た。
【0016】このようにして製造したガラス状炭素材に
含まれる炭素以外の金属系不純物を定量分析したとこ
ろ、Ni、Co、Fe、は検出限界以下であり、Niは
0.2ppm以下、Coは10.0ppm以下、Feは
1.0ppm以下であった。また、Alは6.0pp
m、Siは3.0ppm、Caは10.0ppmであっ
た。なお、800°C焼成基板に含まれる金属系不純物
量は、Caで4.0ppm検出された以外は、検出限界
以下であった。得られたガラス状炭素材を研磨したとこ
ろ、均質な鏡面を得ることができた。また、微分干渉顕
微鏡を用い、50倍の倍率にて研磨面を観察したとこ
ろ、欠陥を見つけることができなかった。
【0017】〔比較例1〕粉末状フェノール樹脂を金型
に充填し、金型温度160°C、面圧30kgf/cm
2 で10分間硬化させたあと、樹脂成形体を取り出し
た。この成形体を大気圧の窒素雰囲気中で窒素ガス流量
10リットル/分の下、1600°Cまで炭化焼成処理
を行った。昇温速度は、150°Cまで20°C/h、
150°Cから500°Cまで5°C/h、500°C
から700°Cまで10°C/h、700°Cから16
00°Cまで20°C/hであり、1600°Cでの保
持時間は5時間であった。
【0018】このようにして製造したガラス状炭素材に
含まれる炭素以外の金属系不純物を定量分析したとこ
ろ、Niは4.8ppm、Coは1.5ppm、Feは
4.0ppmであった。また、Alは1.5ppm、S
iは3.0ppm、Caは14.0ppmであった。な
お、焼成前の樹脂成形体に含まれる金属系不純物量は検
出限界以下であった。このようにして得られたガラス状
炭素材を研磨したところ、鏡面を得ることはできたが、
微分干渉顕微鏡を用いて研磨面を観察したところ、欠陥
が1cm2 あたり2〜数個確認された。また、非接触粗
さ計にて表面の形状を測定したところ、20〜50μm
の大きさにわたって、10〜数十nmの凹凸が観測され
た。この異形状部を波長分散型のEPMAにて元素分析
したところ、Ni、Co、Feを検出した。
【0019】
【発明の効果】上述のように、本発明のガラス状炭素材
の製造方法によれば、硬化成形体を室温800°C乃至
1000°Cの温度範囲まで大気圧下の不活性雰囲気中
で炭化焼成した後、同一炉又は別炉内において1tor
r以下の減圧不活性雰囲気下又は真空下で、1200°
C乃至2000°Cの温度範囲まで炭化焼成することに
より、金属系不純物の侵入による異質部を含まないよう
にすることができるので、均質で、研磨により優れた表
面平滑性が得られるガラス状炭素材を製造することが可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/84 Z 7303−5D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を成形硬化した後、非酸化
    性雰囲気中で炭化焼成してガラス状炭素材となすガラス
    状炭素材の製造方法であって、(1)前記成形体を室温
    800°C乃至1000°Cの温度まで大気圧下の不活
    性雰囲気中で炭化焼成した後、(2)1torr以下の
    減圧不活性雰囲気中又は真空下で、1200°C乃至2
    000°Cの温度範囲まで炭化焼成することを特徴とす
    る均質なガラス状炭素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記(1)工程に用いられた焼成炉を用
    いて上記(2)工程に移行する請求項1記載の均質なガ
    ラス状炭素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記(1)工程に用いられた焼成炉とは
    別の焼成炉を用いて前記(2)工程に移行する請求項1
    記載の均質なガラス状炭素材の製造方法。
JP6305485A 1994-11-14 1994-11-14 均質なガラス状炭素材の製造方法 Pending JPH08133715A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112830784A (zh) * 2021-01-20 2021-05-25 郑州大学 一种玻璃碳体材料及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112830784A (zh) * 2021-01-20 2021-05-25 郑州大学 一种玻璃碳体材料及其制备方法
CN112830784B (zh) * 2021-01-20 2022-07-22 郑州大学 一种玻璃碳体材料及其制备方法

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