JPH0813355A - 複合繊維構造物の染色方法 - Google Patents
複合繊維構造物の染色方法Info
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- JPH0813355A JPH0813355A JP6137219A JP13721994A JPH0813355A JP H0813355 A JPH0813355 A JP H0813355A JP 6137219 A JP6137219 A JP 6137219A JP 13721994 A JP13721994 A JP 13721994A JP H0813355 A JPH0813355 A JP H0813355A
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- dyeing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】弾性繊維とポリエステル繊維とから構成される
複合繊維構造物を、あらゆる色相において染着差なく均
一に着色することが可能で、しかも染色後の洗濯堅牢度
が良好な複合繊維構造物を得ることができる、複合繊維
構造物の染色方法を提供すること。 【構成】弾性繊維とポリエステル繊維とから構成される
複合繊維構造物を染色するに際し、該複合繊維構造物を
易加水分解性分散染料で染色した後、アルカリ還元浴中
で弾性繊維に染着した分散染料を脱着すると共に、該還
元浴中で水溶化された建染染料、硫化染料および硫化建
染染料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の染料を
前記両繊維に吸着させる。
複合繊維構造物を、あらゆる色相において染着差なく均
一に着色することが可能で、しかも染色後の洗濯堅牢度
が良好な複合繊維構造物を得ることができる、複合繊維
構造物の染色方法を提供すること。 【構成】弾性繊維とポリエステル繊維とから構成される
複合繊維構造物を染色するに際し、該複合繊維構造物を
易加水分解性分散染料で染色した後、アルカリ還元浴中
で弾性繊維に染着した分散染料を脱着すると共に、該還
元浴中で水溶化された建染染料、硫化染料および硫化建
染染料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の染料を
前記両繊維に吸着させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合繊維構造物の染色方
法に関するものであり、さらに詳しくは、弾性繊維とポ
リエステル繊維とから構成される複合繊維構造物を、染
着差なく均一に着色することが可能で、しかも染色後の
洗濯堅牢度が良好な複合繊維構造物を得ることができ
る、複合繊維構造物の染色方法に関するものである。
法に関するものであり、さらに詳しくは、弾性繊維とポ
リエステル繊維とから構成される複合繊維構造物を、染
着差なく均一に着色することが可能で、しかも染色後の
洗濯堅牢度が良好な複合繊維構造物を得ることができ
る、複合繊維構造物の染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、弾性繊維を含む複合繊維構造
物としては、ポリウレタン系の弾性繊維とポリアミド繊
維とから構成される繊維構造物が主として使用されてお
り、該繊維構造物の染色には専ら酸性染料が用いられて
きた。
物としては、ポリウレタン系の弾性繊維とポリアミド繊
維とから構成される繊維構造物が主として使用されてお
り、該繊維構造物の染色には専ら酸性染料が用いられて
きた。
【0003】しかしながら、酸性染料で染色した場合は
洗濯堅牢度が劣り、特にスポーツ衣料用途等に使用でき
ない場合があるという問題を有していた。
洗濯堅牢度が劣り、特にスポーツ衣料用途等に使用でき
ない場合があるという問題を有していた。
【0004】一方、特公昭61−49433号公報に
は、上記ポリウレタン系弾性繊維に代えてブロック共重
合ポリエーテルポリエステル弾性繊維を使用することが
開示されており、該弾性繊維を使用した場合には、ポリ
エステル繊維と混用して分散染料で染色するのが通例で
ある。
は、上記ポリウレタン系弾性繊維に代えてブロック共重
合ポリエーテルポリエステル弾性繊維を使用することが
開示されており、該弾性繊維を使用した場合には、ポリ
エステル繊維と混用して分散染料で染色するのが通例で
ある。
【0005】しかしながら、上記ブロック共重合ポリエ
ーテルポリエステル弾性繊維は、ポリエステル繊維に比
べて分散染料に対する親和性が大きいので、該繊維構造
物を均一に着色できないばかりでなく、低温で分散染料
を大量に吸着できる反面、低温で徐々に染料を脱着させ
るので、特に中色ないし濃色に染色した場合、やはり洗
濯堅牢度が劣るという問題を有していた。
ーテルポリエステル弾性繊維は、ポリエステル繊維に比
べて分散染料に対する親和性が大きいので、該繊維構造
物を均一に着色できないばかりでなく、低温で分散染料
を大量に吸着できる反面、低温で徐々に染料を脱着させ
るので、特に中色ないし濃色に染色した場合、やはり洗
濯堅牢度が劣るという問題を有していた。
【0006】このような問題を解決するため、特開平4
−240278号公報には、弾性繊維を含有したポリエ
ステル系繊維構造物を易加水分解性分散染料で染色した
後、弾性繊維に染着した分散染料を脱色し、さらに紫外
線吸収剤を該弾性繊維に吸尽させる方法が開示されてい
る。
−240278号公報には、弾性繊維を含有したポリエ
ステル系繊維構造物を易加水分解性分散染料で染色した
後、弾性繊維に染着した分散染料を脱色し、さらに紫外
線吸収剤を該弾性繊維に吸尽させる方法が開示されてい
る。
【0007】しかしながら、上記方法において、弾性繊
維を着色するためには紫外線吸収剤に加えて染料を吸尽
させることが必須となるため、紫外線吸収剤と染料の使
用量が自ずと制限され、繊維構造物を構成する繊維間に
染着差が生じたり、充分な耐光性が得られない場合があ
ることが判明した。
維を着色するためには紫外線吸収剤に加えて染料を吸尽
させることが必須となるため、紫外線吸収剤と染料の使
用量が自ずと制限され、繊維構造物を構成する繊維間に
染着差が生じたり、充分な耐光性が得られない場合があ
ることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、弾性繊維とポリエス
テル繊維とから構成される複合繊維構造物を、あらゆる
色相において染着差なく均一に着色することが可能で、
しかも染色後の洗濯堅牢度が良好な複合繊維構造物を得
ることができる、複合繊維構造物の染色方法を提供する
ことにある。
従来技術の有する問題点を解消し、弾性繊維とポリエス
テル繊維とから構成される複合繊維構造物を、あらゆる
色相において染着差なく均一に着色することが可能で、
しかも染色後の洗濯堅牢度が良好な複合繊維構造物を得
ることができる、複合繊維構造物の染色方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、弾性繊維とポリエス
テル繊維とから構成される複合繊維構造物を、易加水分
解性分散染料で一旦染色し、次いで弾性繊維に染着した
分散染料を選択的に脱着させた後に、還元浴中で水溶性
を示す染料を用いて再度両繊維を染色するとき、所望の
複合繊維構造物が得られることを究明した。
達成するために鋭意検討した結果、弾性繊維とポリエス
テル繊維とから構成される複合繊維構造物を、易加水分
解性分散染料で一旦染色し、次いで弾性繊維に染着した
分散染料を選択的に脱着させた後に、還元浴中で水溶性
を示す染料を用いて再度両繊維を染色するとき、所望の
複合繊維構造物が得られることを究明した。
【0010】かくして本発明によれば、弾性繊維とポリ
エステル繊維とから構成される複合繊維構造物を染色す
るに際し、該複合繊維構造物を易加水分解性分散染料で
染色した後、アルカリ還元浴中で弾性繊維に染着した分
散染料を脱着すると共に、該還元浴中で水溶化された建
染染料、硫化染料および硫化建染染料よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の染料を前記両繊維に吸着させる
ことを特徴とする複合繊維構造物の染色方法が提供され
る。
エステル繊維とから構成される複合繊維構造物を染色す
るに際し、該複合繊維構造物を易加水分解性分散染料で
染色した後、アルカリ還元浴中で弾性繊維に染着した分
散染料を脱着すると共に、該還元浴中で水溶化された建
染染料、硫化染料および硫化建染染料よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の染料を前記両繊維に吸着させる
ことを特徴とする複合繊維構造物の染色方法が提供され
る。
【0011】本発明で使用する弾性繊維とは、ポリウレ
タン系弾性繊維やブロック共重合ポリエーテルポリエス
テル弾性繊維など、450%以上の伸度と70%以上の
弾性回復性(200%伸長時)を有する繊維をいい、中
でもポリブチレンテレフタレート系ポリエステルをハー
ドセグメントとし、ポリオキシブチレングリコール系ポ
リエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合ポ
リエーテルポリエステル繊維が特に好ましく例示され
る。
タン系弾性繊維やブロック共重合ポリエーテルポリエス
テル弾性繊維など、450%以上の伸度と70%以上の
弾性回復性(200%伸長時)を有する繊維をいい、中
でもポリブチレンテレフタレート系ポリエステルをハー
ドセグメントとし、ポリオキシブチレングリコール系ポ
リエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合ポ
リエーテルポリエステル繊維が特に好ましく例示され
る。
【0012】また、本発明で使用するポリエステル繊維
は、エチレンテレフタレート単位を主たるくり返し単位
とするポリエステルから構成される繊維をいい、本発明
の目的を損なわない範囲で第3成分や他の重合体、その
他公知の添加剤を含有していてもよい。
は、エチレンテレフタレート単位を主たるくり返し単位
とするポリエステルから構成される繊維をいい、本発明
の目的を損なわない範囲で第3成分や他の重合体、その
他公知の添加剤を含有していてもよい。
【0013】本発明でいう複合繊維構造物とは、上記弾
性繊維とポリエステル繊維を混繊、交撚、混紡、交織、
交編などにより複合し、糸条、綿、ロープ、綱、織物、
編物、不織布などに成形した繊維構造物、および該繊維
構造物とフィルム、樹脂あるいは他の繊維構造物との複
合体などをいう。
性繊維とポリエステル繊維を混繊、交撚、混紡、交織、
交編などにより複合し、糸条、綿、ロープ、綱、織物、
編物、不織布などに成形した繊維構造物、および該繊維
構造物とフィルム、樹脂あるいは他の繊維構造物との複
合体などをいう。
【0014】上記複合繊維構造物中に含まれる弾性繊維
の割合は1〜50重量%が好ましく、4〜20重量%が
さらに好ましい。
の割合は1〜50重量%が好ましく、4〜20重量%が
さらに好ましい。
【0015】本発明においては、先ず、上記複合繊維構
造物を易加水分解性分散染料で染色した後、アルカリ還
元浴中で弾性繊維に染着した分散染料を選択的に脱着さ
せることが必要である。
造物を易加水分解性分散染料で染色した後、アルカリ還
元浴中で弾性繊維に染着した分散染料を選択的に脱着さ
せることが必要である。
【0016】ここで、易加水分解性分散染料としてはジ
エステル基を有する分散染料、アゾ系分散染料、ベンゾ
ジフィラノン型分散染料、アルキルアミン基を有する分
散染料などが例示され、中でもチアゾール型あるいはチ
オフェン型分散染料が特に好ましく例示される。
エステル基を有する分散染料、アゾ系分散染料、ベンゾ
ジフィラノン型分散染料、アルキルアミン基を有する分
散染料などが例示され、中でもチアゾール型あるいはチ
オフェン型分散染料が特に好ましく例示される。
【0017】染色する際の染色温度は120〜130
℃、染色時間は20〜60分が好ましい。
℃、染色時間は20〜60分が好ましい。
【0018】また、染料の脱着に使用するアルカリ還元
浴のアルカリ成分としては苛性ソーダ、ソーダ灰など
が、また、還元剤としてはハイドロサルファイト、ロン
ガリットC(ナトリウムスルホキシレートホルムアルデ
ヒド)、ロンガリットCL、ロンガリットZ、酸化第一
スズ、水硫化ソーダ、硫化ソーダなどが例示される。
浴のアルカリ成分としては苛性ソーダ、ソーダ灰など
が、また、還元剤としてはハイドロサルファイト、ロン
ガリットC(ナトリウムスルホキシレートホルムアルデ
ヒド)、ロンガリットCL、ロンガリットZ、酸化第一
スズ、水硫化ソーダ、硫化ソーダなどが例示される。
【0019】この際、アルカリ成分の濃度は1〜5g/
l、還元剤の濃度は1〜10g/lが好ましい。
l、還元剤の濃度は1〜10g/lが好ましい。
【0020】上記複合繊維構造物を易加水分解性分散染
料で染色した場合、弾性繊維はポリエステル繊維に比べ
てルーズな繊維構造を有しているので、より多くの染料
が吸着される一方、上記アルカリ還元浴中では選択的に
染料が脱着される。
料で染色した場合、弾性繊維はポリエステル繊維に比べ
てルーズな繊維構造を有しているので、より多くの染料
が吸着される一方、上記アルカリ還元浴中では選択的に
染料が脱着される。
【0021】この際、該アルカリ還元浴中に建染染料、
硫化染料および硫化建染染料よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の染料を溶解させておき、弾性繊維とポリ
エステル繊維に吸着させることが必要である。
硫化染料および硫化建染染料よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の染料を溶解させておき、弾性繊維とポリ
エステル繊維に吸着させることが必要である。
【0022】上記建染染料、硫化染料および硫化建染染
料の色相は、分散染料の色相と同じであっても異なって
いても良い。
料の色相は、分散染料の色相と同じであっても異なって
いても良い。
【0023】ここで、建染染料とは、その分子内に2個
以上のカルボニル基を有する水不溶性の染料で、アルカ
リ性還元浴で還元されて水に可溶性のロイコ化合物とな
る染料である。
以上のカルボニル基を有する水不溶性の染料で、アルカ
リ性還元浴で還元されて水に可溶性のロイコ化合物とな
る染料である。
【0024】具体的には、アシルアミノアントラキノン
系、アントリイミド系、アントラキノンカルバゾール
系、アントラキノンアクリドン系、アントラキノンオキ
サゾール系、アントラキノンチアゾール系、アントラキ
ノン・N−ヒドラジン系、ピレン系、アザピレン系、ペ
リレン系、ベンザントロン系、ジピラゾールアントロン
系、アセジアントロン系、アントラピリミジン系の建染
染料が例示される。
系、アントリイミド系、アントラキノンカルバゾール
系、アントラキノンアクリドン系、アントラキノンオキ
サゾール系、アントラキノンチアゾール系、アントラキ
ノン・N−ヒドラジン系、ピレン系、アザピレン系、ペ
リレン系、ベンザントロン系、ジピラゾールアントロン
系、アセジアントロン系、アントラピリミジン系の建染
染料が例示される。
【0025】また、硫化染料とは、その分子内に多くの
硫黄結合を含む水不溶性の染料で、建染染料と同様、還
元浴で還元されて水に可溶性のロイコ化合物となる染料
を言う。
硫黄結合を含む水不溶性の染料で、建染染料と同様、還
元浴で還元されて水に可溶性のロイコ化合物となる染料
を言う。
【0026】具体的には、加硫によって染料分子中にチ
アジン環やチアントレン環、チアゾール環などを生成す
る染料などが例示される。
アジン環やチアントレン環、チアゾール環などを生成す
る染料などが例示される。
【0027】また、硫化建染染料とは、建染染料の構造
を持ちながら硫化染料で用いる還元浴で還元して使用す
る染料であり、具体的にはカルバゾール系、アンスラキ
ノン系硫化建染染料などが例示される。
を持ちながら硫化染料で用いる還元浴で還元して使用す
る染料であり、具体的にはカルバゾール系、アンスラキ
ノン系硫化建染染料などが例示される。
【0028】上記アルカリ還元浴の温度は40〜100
℃が好ましく、また、脱着および吸着のための処理時間
は10〜90分間が好ましい。
℃が好ましく、また、脱着および吸着のための処理時間
は10〜90分間が好ましい。
【0029】さらに、上記還元浴には、必要に応じて繊
維膨潤剤を0.5〜5g/l程度添加してもよい。
維膨潤剤を0.5〜5g/l程度添加してもよい。
【0030】具体的にはクロルベンゼン系、メチルナフ
タレン系、オルソフェニルフェノール系、芳香族エーテ
ル系、芳香族エステル系のキャリアーの他、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルベンジルアンモニウムクロライド、ア
ルキルピコリニウムクロライドなどが例示される。
タレン系、オルソフェニルフェノール系、芳香族エーテ
ル系、芳香族エステル系のキャリアーの他、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルベンジルアンモニウムクロライド、ア
ルキルピコリニウムクロライドなどが例示される。
【0031】また、上記水溶性染料で染色された複合繊
維構造物を酸化処理し、染料を不溶化させておくと、洗
濯堅牢度がさらに向上するので好ましい。
維構造物を酸化処理し、染料を不溶化させておくと、洗
濯堅牢度がさらに向上するので好ましい。
【0032】かくして得られた複合繊維構造物は、いか
なる色相においても構成繊維間に染着差が生じることな
く均一に着色されており、しかも染色後の洗濯堅牢度が
良好である。
なる色相においても構成繊維間に染着差が生じることな
く均一に着色されており、しかも染色後の洗濯堅牢度が
良好である。
【0033】
【作用】本発明においては、弾性繊維とポリエステル繊
維とから構成される複合繊維構造物を易加水分解性分散
染料で一旦染色し、次いで弾性繊維に染着した分散染料
を選択的に脱着させて、弾性繊維とポリエステル繊維の
染着差を予め補償しておいてから、再度建染染料などの
水溶性染料を用いて両繊維を染色するので、あらゆる色
相において、構成繊維間に染着差が生じることなく均一
に着色することが可能となる。
維とから構成される複合繊維構造物を易加水分解性分散
染料で一旦染色し、次いで弾性繊維に染着した分散染料
を選択的に脱着させて、弾性繊維とポリエステル繊維の
染着差を予め補償しておいてから、再度建染染料などの
水溶性染料を用いて両繊維を染色するので、あらゆる色
相において、構成繊維間に染着差が生じることなく均一
に着色することが可能となる。
【0034】つまり、上記の方法を用いて染色した複
合、複合繊維構造物の構成繊維のうち、ポリエステル繊
維には分散染料と建染染料などの水溶性染料の両方が染
着されており、一方、弾性繊維には水溶性染料しか染着
されていないので、染着性能が劣るポリエステル繊維で
あっても弾性繊維と同程度に発色することが可能とな
る。
合、複合繊維構造物の構成繊維のうち、ポリエステル繊
維には分散染料と建染染料などの水溶性染料の両方が染
着されており、一方、弾性繊維には水溶性染料しか染着
されていないので、染着性能が劣るポリエステル繊維で
あっても弾性繊維と同程度に発色することが可能とな
る。
【0035】さらに、分散染料で一旦染色した後、染料
を脱着させ、再度建染染料などの水溶性染料で染色され
た弾性繊維は、常法(直接、水溶性染料で染色する)で
染色された弾性繊維に比べて洗濯堅牢度が格段に向上す
る。
を脱着させ、再度建染染料などの水溶性染料で染色され
た弾性繊維は、常法(直接、水溶性染料で染色する)で
染色された弾性繊維に比べて洗濯堅牢度が格段に向上す
る。
【0036】その理由の詳細は不明であるが、一旦染料
が吸着された弾性繊維は染料分子によって内部構造が乱
されており、再度水溶性染料で染色された場合、該染料
が繊維内部まで浸透し固定化されるので、洗濯時に染料
の脱落が起こり難くなるためであろうと推定される。
が吸着された弾性繊維は染料分子によって内部構造が乱
されており、再度水溶性染料で染色された場合、該染料
が繊維内部まで浸透し固定化されるので、洗濯時に染料
の脱落が起こり難くなるためであろうと推定される。
【0037】特に、本発明で使用する建染染料や硫化染
料は大きな分子構造を有しているので、繊維内部にまで
浸透し固定化された染料は脱落しにくく、また、染料自
体の分解が起こりにくいので、上記効果が顕著に発現す
るものと考えられる。
料は大きな分子構造を有しているので、繊維内部にまで
浸透し固定化された染料は脱落しにくく、また、染料自
体の分解が起こりにくいので、上記効果が顕著に発現す
るものと考えられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の各物性は下記の方法により
測定した。
説明する。なお、実施例中の各物性は下記の方法により
測定した。
【0039】(1)均染性 複合繊維構造物を構成する弾性繊維とポリエステル繊維
の染着差に起因する、染斑の有無を視感判定し、○(染
斑なし)、△(やや染斑あり)、×(染斑が目立つ)の
3段階で評価した。 (2)洗濯堅牢度 AATCC II−A法により測定した。
の染着差に起因する、染斑の有無を視感判定し、○(染
斑なし)、△(やや染斑あり)、×(染斑が目立つ)の
3段階で評価した。 (2)洗濯堅牢度 AATCC II−A法により測定した。
【0040】[実施例1]ポリブチレンテレフタレート
単位45重量%と、分子量2500のポリオキシブチレ
ンテレフタレート単位55重量%とからなるブロック共
重合ポリエーテルポリエステル繊維(40デニール/6
フィラメント)と、ポリエチレンテレフタレート繊維
(75デニール/36フィラメント)とを重量比で2
0:80になるように交編し、トリコット編地を作成し
た。
単位45重量%と、分子量2500のポリオキシブチレ
ンテレフタレート単位55重量%とからなるブロック共
重合ポリエーテルポリエステル繊維(40デニール/6
フィラメント)と、ポリエチレンテレフタレート繊維
(75デニール/36フィラメント)とを重量比で2
0:80になるように交編し、トリコット編地を作成し
た。
【0041】該編地を常法により精錬した後、表1に示
す染浴を用い、130℃で60分間染色した。
す染浴を用い、130℃で60分間染色した。
【0042】
【表1】
【0043】次いで、染色された編地を表2に示す還元
浴を用い、90℃で30分間処理して、弾性繊維の脱色
と建染染料による染色を行なった。
浴を用い、90℃で30分間処理して、弾性繊維の脱色
と建染染料による染色を行なった。
【0044】
【表2】
【0045】得られた編地の均染性と洗濯堅牢度を表3
に示す。
に示す。
【0046】[実施例2]実施例1において、染料を三
井東圧染料 (株) 製Mikethrene Red FBBに代えた以外は
実施例1と同様に実施した。
井東圧染料 (株) 製Mikethrene Red FBBに代えた以外は
実施例1と同様に実施した。
【0047】得られた編地の均染性と洗濯堅牢度を表3
に示す。
に示す。
【0048】[実施例3]実施例1において、染料を旭
化学工業 (株) 製Asathisol Black S-BN(硫化染料)に
代えた以外は実施例1と同様に実施した。
化学工業 (株) 製Asathisol Black S-BN(硫化染料)に
代えた以外は実施例1と同様に実施した。
【0049】得られた編地の均染性と洗濯堅牢度を表3
に示す。
に示す。
【0050】[比較例1]実施例1において、還元浴中
での処理を行なわずに分散染料のみで染色した。得られ
た編地の均染性と洗濯堅牢度を表3に示す。
での処理を行なわずに分散染料のみで染色した。得られ
た編地の均染性と洗濯堅牢度を表3に示す。
【0051】[比較例2]実施例1において、分散染料
による染色を行なわずに建染染料のみで染色した。得ら
れた編地の均染性と洗濯堅牢度を表3に示す。
による染色を行なわずに建染染料のみで染色した。得ら
れた編地の均染性と洗濯堅牢度を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、あらゆる色相に均一に
着色することが可能で、しかも洗濯堅牢度の良好な、弾
性繊維とポリエステル繊維とから構成される複合繊維構
造物の染色方法が提供される。
着色することが可能で、しかも洗濯堅牢度の良好な、弾
性繊維とポリエステル繊維とから構成される複合繊維構
造物の染色方法が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 弾性繊維とポリエステル繊維とから構成
される複合繊維構造物を染色するに際し、該複合繊維構
造物を易加水分解性分散染料で染色した後、アルカリ還
元浴中で弾性繊維に染着した分散染料を脱着すると共
に、該還元浴中で水溶化された建染染料、硫化染料およ
び硫化建染染料よりなる群から選ばれた少なくとも1種
の染料を前記両繊維に吸着させることを特徴とする複合
繊維構造物の染色方法。 - 【請求項2】 弾性繊維が、ポリブチレンテレフタレー
ト系ポリエステルをハードセグメントとし、ポリオキシ
ブチレングリコール系ポリエーテルをソフトセグメント
とするブロック共重合ポリエーテルポリエステル繊維で
ある請求項1記載の複合繊維構造物の染色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6137219A JPH0813355A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 複合繊維構造物の染色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6137219A JPH0813355A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 複合繊維構造物の染色方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0813355A true JPH0813355A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15193575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6137219A Pending JPH0813355A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 複合繊維構造物の染色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813355A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102619111A (zh) * | 2012-04-11 | 2012-08-01 | 太仓荣文合成纤维有限公司 | 一种导电涤纶纤维的染色方法 |
-
1994
- 1994-06-20 JP JP6137219A patent/JPH0813355A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102619111A (zh) * | 2012-04-11 | 2012-08-01 | 太仓荣文合成纤维有限公司 | 一种导电涤纶纤维的染色方法 |
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