JPH08132468A - ポリプロピレン製蓄電池電槽 - Google Patents

ポリプロピレン製蓄電池電槽

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JPH08132468A
JPH08132468A JP6277371A JP27737194A JPH08132468A JP H08132468 A JPH08132468 A JP H08132468A JP 6277371 A JP6277371 A JP 6277371A JP 27737194 A JP27737194 A JP 27737194A JP H08132468 A JPH08132468 A JP H08132468A
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JP
Japan
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storage battery
talc
polypropylene
deformation
battery case
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Application number
JP6277371A
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English (en)
Inventor
Tamio Kawasumi
民生 川住
Masaru Abe
阿部  勝
Shunji Ueda
俊司 上田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリプロピレン樹脂100重量部とタルク0.
01〜0.10重量部とからなるポリプロピレン系樹脂
組成物を射出成形してなる蓄電池電槽。 【効果】本発明のポリプロピレン製蓄電池電槽は、通常
のポリプロピレン製蓄電池電槽に比べて充電等の発熱に
伴う隔壁の変形が小さいため、蓄電池電槽の気密性に関
する性能低下を防ぎ、充電後に蓋を融着する開放充電方
式の蓄電池電槽に対して効果を発揮するとともに生産性
の向上に極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン製蓄電
池電槽に関し、詳しくはポリプロピレン樹脂とタルクか
らなるポリプロピレン製蓄電池電槽の充電に伴う隔壁の
変形改良に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄電池電槽用材料としては、もともとガ
ラス製に始まり、エボナイト製、プラスチック製へと小
型軽量化が進歩したが、現在では特に耐熱性、耐薬品
性、耐衝撃性に優れ、しかも安価で成形し易いことを特
徴とするポリプロピレン製のものが普及している。
【0003】ポリプロピレンは結晶性樹脂であるため、
特に射出成形体においては成形中または成形後に樹脂の
結晶化が起こり、成形体にソリや収縮等の変形が生じ易
いことが知られている。この性質は、蓄電池電槽に対し
ても電槽の寸法変化や、電槽の内ゾリに伴う側壁や隔壁
の曲がりをもたらし、特に成形後の充電に伴う電解液の
温度上昇は一層顕著に隔壁の曲がりをもたらす。この蓄
電池電槽の変形を少なくするための対策としては、以下
に示すような方法がある。 (1)金型において、電槽の側壁部を肉厚にしたり、上
面周囲にフランジを設ける、側壁または隔壁にリブを設
けて電槽全体の剛性を高める。 (2)金型形状を予め変形を見込んだ形状にする。 (3)成形条件において、成形温度を変えたり、コア側
とキャビティ側の金型温度を変える等により、変形の起
こりにくい条件で成形する。 (4)蓄電池電槽用材料として、上記のポリプロピレン
の結晶性を抑えるために、ポリプロピレン樹脂に無機充
填剤を高濃度に添加する。 などの方法が一般的に挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した充電時の隔壁
の変形は、特に電槽の本体に蓋を融着する前に電極板と
電解液を満たして充電を行う、開放充電を必要とする蓄
電池電槽において重大な欠陥が生じる。即ち、電槽の各
部屋を仕切る隔壁の上面部は、通常電槽の蓋の裏側にあ
る直線の溝に合わさるようになっているものが多いが、
このような場合隔壁が変形して曲がると直線でなくなる
ため、隔壁が蓋の溝に合わず融着が不可能になるか若し
くは融着が難しくなり、蓄電池の性能に大きく影響する
気密性を損なうことにもなる。例えば、およそ図1に示
すような大きさ(200H×230W×130D、単位
はmm)の蓄電池電槽の場合、蓋の融着に影響を及ぼす
隔壁変形量は、最大値で約2mmであり、2mmを超え
る場合には隔壁が蓋の溝に合いにくくなるため、蓄電池
の性能および生産性に影響を与えることになる。従っ
て、開放充電を必要とする蓄電池電槽に対しては、充電
時の隔壁変形が小さいことが要求される。
【0005】上記(1)(2)(3)の対策では、主に
成形中の金型から電槽を取り出した時の変形を抑える効
果を有するものの、充電時の変形を抑えることは難し
い。即ち、ポリプロピレンの結晶化に起因する変形を抑
える根本的な解決策にはなっていない。また(4)の対
策では、ポリプロピレン樹脂に熱変形の非常に小さい無
機充填剤を添加することにより、ポリプロピレンの結晶
化に伴う変形を小さくすることができるため、充電時の
変形抑制にある程度の効果を持つが、効果を発現させる
ためには無機充填剤を高濃度に添加する必要があり、こ
のような材料の場合、ポリプロピレン樹脂が持つ本来の
力学物性とかなり異なるものになる。即ち剛性が高くな
り、耐衝撃性は著しく低下し、成形性にも悪影響を及ぼ
すため蓄電池電槽には好ましくない。本発明の目的は、
上記問題点を解決した充電中の隔壁の変形が少ないポプ
ロピレン製蓄電池電槽を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、充電中に隔壁の変形が起こりにくいポリプロピレ
ン製蓄電池電槽について鋭意検討を重ねた結果、ポリプ
ロピレンに極少量のタルクを添加することで成形性を低
下せしめることなく得られた成形体により、充電時の発
熱による変形を抑えることを見出し、本発明を完成する
に至ったものである。即ち、本発明は、ポリプロピレン
樹脂100重量部とタルク0.01〜0.10重量部と
からなるポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形してな
る蓄電池電槽である。
【0007】本発明において用いられるポリプロピレン
樹脂は、通常ポリプロピレンを製造することができる公
知の触媒系、例えばチタン化合物と有機アルミニウム化
合物を使用して重合することができ、重合方法について
も溶媒法、塊状法、気相法等公知の方法で実施できる。
【0008】本発明において用いられるポリプロピレン
樹脂としては、剛性または耐衝撃性が著しく低いもので
なければ特に限定されるものではないが、プロピレン単
独重合体またはプロピレンとエチレンおよび/またはα
−オレフィンとの共重合体が好ましく用いられ、特に蓄
電池電槽に必要な剛性と耐衝撃性とを考慮すると、プロ
ピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンとのブ
ロック共重合体が好ましく使用できる。またプロピレン
単独重合体を使用する場合、耐衝撃性を補うためのエラ
ストマーの添加や、プロピレンとエチレンおよび/また
はα−オレフィンとのブロック共重合体をブレンドする
等の方法が可能である。更に透明性が要求されるような
場合は、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレ
フィンとのランダム共重合体を使用し、剛性と耐衝撃性
を補うためにそれぞれプロピレン単独重合体とエラスト
マーを添加する等の方法が可能である。
【0009】ここでいうα−オレフィンとは、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オク
テン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン
−1、ビニルシクロヘキサン、スチレン等が挙げられ
る。
【0010】このようにして得られるポリプロピレン樹
脂の分子量は、メルトフローインデックス(以下、MF
Iと略記する)として1〜100g/10min、好ま
しくは2〜50g/10min、更に好ましくは5〜2
0g/10minの範囲である。
【0011】本発明において用いられるタルクは特に限
定されないが、本発明においてタルクをポリプロピレン
樹脂に添加する理由は、タルクを無機充填剤として剛性
を高めるために使用するのではなく、ポリプロピレン樹
脂の結晶化速度を速めるための結晶造核剤としての効果
をねらって使用するのであって、なるべくタルクが成形
品中に効率よく分散されることが好ましい。従って、タ
ルクの粒径は小さい方が少量で効率的に本発明の効果を
生じるため、平均粒径が5μm以下のものが好ましく、
平均粒径が2μm以下のものは更に好ましい。タルクの
平均粒径が5μmを超える場合、単位重量あたりの粒子
数が少ないため結晶造核剤としての効果が効率的でな
く、発明の効果も小さくなる。また、タルクをより効果
的に分散させるために、予めシラン系、チタニウム系等
のカップリング剤、あるいは界面活性剤等によりタルク
の表面をコーティングする方法等も好ましく適用でき
る。
【0012】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の持
つべき特徴としては、上記タルクの結晶造核剤の効果に
より結晶化速度が速くなることが必要であり、136℃
において測定された半結晶化時間(t 1/2、詳細は後
述)が10分以下、好ましくは8分以下である。
【0013】本発明においては、ポリプロピレン樹脂1
00重量部とタルク0.01〜0.10重量部とからな
るポリプロピレン系樹脂組成物を使用するが、この際の
タルクの最適添加量は、用いるポリプロピレン樹脂の結
晶性や造粒方法等を考慮して選択され、好ましくは0.
02〜0.08重量部である。タルクの添加量が0.0
1重量部未満の場合は、発明の効果が期待できず好まし
くなく、また0.1重量部を超える場合も、樹脂の結晶
化速度を速めるものの、結晶量が増大して発明の効果が
期待できない。
【0014】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に
は、本発明の効果を著しく損なうものでなければ必要に
応じて、通常ポリプロピレン系樹脂に用いられている熱
安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、耐放射線剤、結晶造核
剤、無機充填剤、滑剤、可塑剤、有機過酸化物、中和
剤、架橋剤、顔料等の各種添加剤や、機械物性を改質す
るためにエラストマー等の副原料が添加できる。
【0015】ここでいうエラストマー等の副原料とは、
例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共
重合体ゴム、プロピレン−ブテン共重合体ゴム、スチレ
ン−ジエンブロック共重合体ゴムおよびその水素添加ゴ
ムなどの各種エラストマー、低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げら
れ、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂がプロピレ
ン単独重合体またはプロピレンとエチレンおよび/また
はαオレフィンとのランダム共重合体である場合、耐衝
撃性の改良剤となる。
【0016】本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成
物を得る方法は、ポリプロピレン樹脂とタルク、必要に
応じて各種添加剤やエラストマー等を、ヘンシェルミキ
サー等の混合機により混合した後、押出機、バンバリー
ミキサー、加圧ニーダー、ロール等を用いて溶融混練
し、造粒することで得られる。また、タルクを効果的に
分散させる手段としては、例えば二軸押出機等を用いて
樹脂の混練を強化する方法、混練前に予めタルクの分散
状態の良好な高濃度のマスターバッチを二軸押出機等に
より造粒し、このマスターバッチを本発明のタルクの濃
度になるようにポリプロピレン樹脂に添加して再度造粒
する方法、またこのマスターバッチの造粒に際してタル
クを効果的に分散させるために、ステアリン酸塩等の分
散助剤を添加する方法等が挙げられる。
【0017】本発明により得られるポリプロピレン製蓄
電池電槽とは、図1に示すような箱型の電槽本体であ
り、通常自動車に用いられる隔壁により複数の部屋に分
割された、鉛蓄電池用の電槽であって、二輪車用の小型
のものから大型車用の大型のものも含まれる。また、基
本的に図1のような構造を有していれば、肉厚やリブ補
強等電槽のデザイン面での制約を受けない。
【0018】本発明の特徴は、本発明に用いられるポリ
プロピレン系樹脂組成物が、射出成形中金型内で起こる
樹脂の結晶化を速めることにある。即ち、蓄電池電槽の
充電に伴う隔壁の変形は、成形中の樹脂の結晶化に伴う
収縮を1次収縮とした場合、成形後の樹脂の結晶化に伴
う収縮を2次収縮と考えることができ、この2次収縮を
抑えるためには蓄電池電槽の成型中の樹脂の結晶化を速
め、最大限の1次収縮を生じせしめ、その後の2次収縮
を小さくすることが本発明の目的である。よって、上記
の通りポリプロピレン樹脂にタルクを比較的低濃度で添
加したポリプロピレン系樹脂組成物を、射出成形して蓄
電池電槽とすることで、これまで大きかった充電時の隔
壁の変形を小さくすることができる。
【0019】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下に実
施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。尚、実施例における各種測定方法は下記の通りで
ある。 (1)メルトフローインデックス:ASTM D−12
38に準拠した。 (2)曲げ弾性率:ASTM D−790に準拠した。 (3)アイゾット衝撃強度:ASTM D−256に準
拠した。 (4)半結晶化時間:脱偏光強度法により測定した結晶
化速度を示す数値であり、136℃の系において溶融樹
脂サンプルを直交させた偏光板の間に置き、結晶化させ
た時に起こる脱偏光強度の変化値を測定し、その変化の
半分が起こるまでの時間を半結晶化時間(分)とした。 (5)隔壁変形量:常温下にて成形1日後の蓄電池電槽
に、90℃の湯を電槽の各部屋の上面部より4cm下
(蓄電池電解液充填量のUpperレベルとLowレベ
ルの中間点)まで均等に入れ、10分間放置後湯を捨
て、更に1日後の隔壁変形量を見た。変形量の測定は、
図2に示すように電槽1個の中の5枚ある隔壁について
それぞれ、図3の点線で示した、隔壁変形が全く生じて
いないと仮定した場合の電槽上面の隔壁直線からの最大
ずれ(太線部)を測定し、5枚の平均値を隔壁変形の平
均値、5枚中の最大値を隔壁変形の最大値とした。ま
た、1種類の評価につき蓄電池電槽4個の平均値を取
り、最終評価値とした。
【0020】実施例1 ヘプタンを用いた溶媒重合法に於いて、四塩化チタンを
金属アルミニウムで還元して得た三塩化チタンと、有機
アルミニウム化合物との触媒系を用いてプロピレンを重
合し、次いでエチレン/プロピレンを共重合して得られ
た共重合体のヘプタンスラリーに対して、メタノールで
触媒残査を分解し水洗除去する方法により製造した、エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(エチレン含有量
8.7重量%、共重合部18重量%、MFIが9.0g
/10min)100重量部に対し、結晶造核剤として
タルク(MMR、平均粒径1μm、浅田製粉社製)0.
03重量部、酸化防止剤としてイルガホス168(チバ
・ガイギー社製)0.10重量部、およびイルガノック
ス1010(チバ・ガイギー社製)0.10重量部、中
和剤としてステアリン酸カルシウム0.10重量部をヘ
ンシェルミキサーにて混合した後、65mmφフルフラ
イトスクリュー単軸押出機にてシリンダー温度210℃
で造粒した。
【0021】この造粒したペレットを、図1に示す大き
さの蓄電池電槽を成形できる金型(1個取り、ゲートが
電槽底部に6ヵ所、ホットランナータイプ)を取り付け
た型締め力400tの射出成形機(日本精鋼所社製)を
用いてシリンダー温度220℃、ホットランナー温度2
30℃、金型コア部温度20℃、金型キャビティ部温度
60℃、射出時間5sec、保圧時間20sec、冷却
時間30secで射出成形し、図1に示す外寸法の蓄電
池電槽を得た。尚、電槽の厚みは隔壁部で1mm、側壁
部で1.5mmであり、電槽1個の重量は640gであ
った。この蓄電池電槽の隔壁変形テストにおける最大値
と平均値は、それぞれ1.53mm、1.03mmであ
り、隔壁変形は小さかった。
【0022】実施例2 タルクの添加量が0.02重量部である他は実施例1と
同様の方法で蓄電池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔壁
変形テストにおける最大値と平均値はそれぞれ1.98
mm、1.29mmであった。
【0023】実施例3 タルクの添加量が0.08重量部である他は実施例1と
同様の方法で蓄電池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔壁
変形テストにおける最大値と平均値はそれぞれ1.66
mm、1.25mmであった。
【0024】実施例4 造粒方法として、35mmφ噛み合わせ同方向回転式2
軸押出機にてシリンダー温度210℃で造粒した他は、
実施例1と同様の方法で蓄電池電槽を得た。この蓄電池
電槽の隔壁変形テストにおける最大値と平均値はそれぞ
れ0.90mm、0.67mmであり、樹脂の混練を強
化し、タルクを効果的に分散せしめることにより蓋の融
着に問題を与えない良好なレベルに達した。
【0025】実施例5 実施例1に用いたエチレン−プロピレンブロック共重合
体98重量部に対し、結晶造核剤としてタルク(MM
R、平均粒径1μm、浅田製粉社製)1.0重量部、酸
化防止剤としてイルガホス168(チバ・ガイギー社
製)0.10重量部、およびイルガノックス1010
(チバ・ガイギー社製)0.10重量部、中和剤として
ステアリン酸カルシウム0.10重量部およびタルク分
散助剤としてステアリン酸亜鉛1.0重量部をヘンシェ
ルミキサーにて混合した後、実施例4で用いた2軸押出
機にて210℃で造粒し、タルクのマスターペレットと
した。続いて実施例1に用いたエチレン−プロピレンブ
ロック共重合体97重量部に対し、上記マスターペレッ
ト3重量部、酸化防止剤としてイルガホス168(チバ
・ガイギー社製)0.10重量部、およびイルガノック
ス1010(チバ・ガイギー社製)0.10重量部、中
和剤としてステアリン酸カルシウム0.10重量部をヘ
ンシェルミキサーにて混合した後、実施例1と同様に単
軸押出機にて210℃で再度造粒し、射出成形して蓄電
池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔壁変形テストにおけ
る最大値と平均値はそれぞれ0.94mm、0.69m
mであり、実施例4同様に非常に良好なレベルであっ
た。
【0026】実施例6 平均粒径の異なるタルク(JA−80R、平均粒径9μ
m、浅田製粉社製)を用いた他は、実施例1と同様の方
法で蓄電池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔壁変形テス
トにおける最大値と平均値はそれぞれ1.95mm、
1.44mmであった。
【0027】比較例1 タルクを添加しない他は、実施例1と同様の方法で蓄電
池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔壁変形テストにおけ
る最大値と平均値はそれぞれ3.33mm、2.24m
mであり、蓋を融着することができないレベルであっ
た。
【0028】比較例2 タルクの添加量が0.008重量部である他は実施例1
と同様の方法で蓄電池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔
壁変形テストにおける最大値と平均値はそれぞれ2.5
5mm、1.99mmであり、蓋の融着に困難を生じる
レベルであった。
【0029】比較例3 タルクの添加量が0.20重量部である他は実施例1と
同様の方法で蓄電池電槽を得た。この蓄電池電槽の隔壁
変形テストにおける最大値と平均値はそれぞれ2.90
mm、1.87mmであり、蓋の融着に困難を生じるレ
ベルで、しかも耐衝撃性の低下が見られた。
【0030】比較例4 結晶造核剤としてタルクに代え、有機リン酸系のアデカ
スタブNA−11(旭電化工業社製)0.08重量部を
添加する他は、実施例1と同様の方法で蓄電池電槽を得
た。この蓄電池電槽の隔壁変形テストにおける最大値と
平均値はそれぞれ6.70mm、4.22mmであり、
蓋を融着することができないレベルであった。
【0031】比較例5 結晶造核剤としてタルクに代え、有機アルミニウム系の
Al−PTBBA(シェル化学社製)0.08重量部を
添加する他は、実施例1と同様の方法で蓄電池電槽を得
た。この蓄電池電槽の隔壁変形テストにおける最大値と
平均値はそれぞれ4.95mm、3.88mmであり、
蓋を融着することができないレベルであった。
【0032】比較例6 結晶造核剤としてタルクに代え、ソルビトール系のゲル
オールMD(新日本理科社製)0.08重量部を添加す
る他は、実施例1と同様の方法で蓄電池電槽を得た。こ
の蓄電池電槽の隔壁変形テストにおける最大値と平均値
はそれぞれ2.44mm、1.77mmであり、蓋の融
着に困難を生じるレベルであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン製蓄電池電槽
は、通常のポリプロピレン製蓄電池電槽に比べて充電等
の発熱に伴う隔壁の変形が小さいため、蓄電池電槽の気
密性に関する性能低下を防ぎ、充電後に蓋を融着する開
放充電方式の蓄電池電槽に対して効果を発揮するととも
に生産性の向上に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施例に用いた蓄電池電槽の斜
視図である。
【図2】本発明に係わる実施例に用いた蓄電池電槽の上
面図である。
【図3】蓄電池電槽の隔壁変形量の測定において、太線
部を最大変形値とする隔壁変形を示す上面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン樹脂100重量部とタルク
    0.01〜0.10重量部とからなるポリプロピレン系
    樹脂組成物を射出成形してなる蓄電池電槽。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン樹脂が、プロピレン単独重
    合体またはプロピレンとエチレンおよび/またはα−オ
    レフィンとの共重合体である請求項1記載の蓄電池電
    槽。
  3. 【請求項3】タルクの平均粒子径が5μm以下である請
    求項1記載の蓄電池電槽。
  4. 【請求項4】ポリプロピレン系樹脂組成物の半結晶化時
    間が10分以下である請求項1記載の蓄電池電槽。
JP6277371A 1994-11-11 1994-11-11 ポリプロピレン製蓄電池電槽 Pending JPH08132468A (ja)

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