JPH08132104A - 圧延方法および圧延機群 - Google Patents

圧延方法および圧延機群

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JPH08132104A
JPH08132104A JP6277391A JP27739194A JPH08132104A JP H08132104 A JPH08132104 A JP H08132104A JP 6277391 A JP6277391 A JP 6277391A JP 27739194 A JP27739194 A JP 27739194A JP H08132104 A JPH08132104 A JP H08132104A
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JP
Japan
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rolling
rolling mill
width
plate
roll
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Application number
JP6277391A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Saito
好弘 斎藤
Yutaka Utsunomiya
裕 宇都宮
Kenichi Yasuda
健一 安田
Yoshio Takakura
芳生 高倉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延方法及び圧延機群において、アスペクト
比の大きい広幅薄板材でも最少の圧延回数で大きな拡幅
量を得ることができ、かつ板幅調整の自由度を高く、ロ
ールの維持管理を容易にできるようにする。 【構成】 まず最初に、軸方向に複数の溝部2aが形成
された凹凸断面形状のロール2と平坦なロール3とによ
る第1工程の圧延により、複数の圧延部1a及び未圧延
部1bが板幅方向に混在された板材1Xを得る。次に、
上下ともに平坦なロール4,5による第2段階の圧延に
より、第1段階での圧延における未圧延部1bのみを圧
延し板材1Yを得る。次に、上下ともに平坦なロール
6,7による第3段階の圧延により、板材1Yの板幅方
向のすべての部分を圧延し平板1Zを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平坦な板を得る圧延方法
および圧延機群に係り、特に薄板材の板幅を拡げるのに
好適な圧延方法および圧延機群に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延製品に要求される寸法精度は年々厳
しくなってきており、それにともなって各種制御手段が
開発されている。板厚については、自動板厚制御装置
(AGC)の発達により十分満足できる精度が得られて
いる。また、板幅方向の板厚精度すなわち板クラウンや
形状(平坦度)についても、ロールベンダ、ロールシフ
ト機構などを始めとする様々な制御手段が実用化され、
これらの精度もほぼ満足しうるレベルに達している。
【0003】一方、もう一つの要素である板幅について
も、要求寸法に応じてきめ細かく調整することは歩留ま
り向上のために重要である。これについては、従来次の
ような手段が実用化されている。まず、連続鋳造などに
よって得られたスラブ材を対象とした幅方向プレスによ
る板幅縮小技術の開発により、一種類の板幅の材料から
任意の範囲の板幅に作り分けできるようになった。これ
により、連鋳の鋳型寸法を少ない種類に集約化でき、鋳
型交換の回数が減り、時間ロスが減少して生産性が向上
した。ただし、このためには幅プレス装置を製作するた
めの大きな費用が必要となる。
【0004】また、粗圧延や仕上圧延の前段における板
厚の大きい段階では、エッジャロールによる幅圧延が行
われているが、板端部付近の局部的変形(ドッグボー
ン)が起きるため、調整しろは大きくない。すなわち、
幅圧延による変形はドッグボーン部に集中し、その後の
水平圧延においてこの部分が再び幅拡がりを起こすた
め、最終的な幅圧延効率はよくない。また、仕上圧延の
後段における板厚の小さい段階では、ドッグボーンの発
生とともに座屈による限界が生じ、調整しろはさらに小
さく10mm以下となる。これは板幅の1%以下であ
り、コイル内のわずかな板幅変動を修正することしかで
きない。さらに板厚の小さい冷間圧延では、板端部をト
リミングする以外に板幅調整手段はなかった。
【0005】そこで、板材の板幅調整を行うための数々
の方法が開発されてきている。例えば特公昭57−1
5961号公報では、まず局部圧下型水平ロールにより
板幅方向で圧下率を変えて板幅全体を圧延して断面が凹
凸状の板とし、ついで水平ロールの圧延により凹凸状の
板を平坦な板にすることにより板幅を拡げる方法が開示
されている。
【0006】また、特開平3−258404号公報で
は、まず上下互いにかみあう波形のロールによる圧延に
より波板状の板とし、ついでダイスを有する鍛造機によ
る幅方向中央部から端部への押し拡げ加工により波板状
の板を平坦な板にすることにより板幅を拡げる方法が開
示されている。
【0007】さらに、特開昭60−64708号公報
では、上下の少なくとも一方に溝を有しその溝幅が異な
る複数組の溝付きロール及び複数組の水平ロールを用意
し、まず最も溝幅の広い溝付きロールにより板材の幅方
向両側を圧延して板材中央部を溝内へ座屈変形させ、つ
いで水平ロールによる圧延により座屈変形した部分を平
坦にし、以下溝幅の広い溝付きロールから順番に板材の
幅方向両側を圧延していき板材中央部の座屈変形した部
分の幅を徐々に減少させ、最終的に平坦な板を得ること
により板幅を拡げる方法が開示されている。
【0008】また、特開昭60−64701号公報で
は、まず上下少なくとも一方に溝を有する溝付きロール
により板材の幅方向両側を圧延してその板材を溝内へ座
屈変形させ、ついで水平ロールによる圧延により座屈変
形した部分を平坦にし、ついで他の溝付きロールにより
板幅全体を圧延して所定の断面寸法に仕上げることによ
り板幅を拡げる方法が開示されている。
【0009】また、特開昭60−83702号公報で
は、まず上下両方に溝を有するロールまたは堅ロール群
による圧延によりH形鋼のウェブの高さを所定値に調整
し、ついでH形鋼のウェブの断面寸法に応じて2分割水
平ロールの間隔を調整して仕上圧延することにより板幅
を拡げる方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、以下の問題点が存在する。従来技術
は、熱間圧延におけるスラブ等板厚の大きい材料の圧
延に適するものであり、冷間圧延における板厚の小さい
領域では、局部圧下型水平ロールによる圧延により得ら
れる凹凸状の板の凹凸の段差が小さくならざるを得な
い。このため、水平ロールによる圧延により最終的に得
られる平坦な板の拡幅量も極めて小さくなり、板幅調整
の自由度としては不十分である。
【0011】従来技術においては、上下互いにかみあ
う波形のロールは、その波形の形状が上下で少しでもず
れると最終的に得られる平坦な板の板厚分布は不均一に
なるが、互いにかみあう形状に正しくロールを研磨する
ことは極めて難しく、ロールの管理に手間がかかる。
【0012】従来技術においては、複数組の溝付きロ
ール及び複数組の水平ロールを用い、数多い圧延回数に
より拡幅された平坦な板を得ているため、圧延機群全体
として装置が大規模化し、コスト的にも高価になる。
【0013】従来技術においては、発明の主旨は板材
の板幅を拡げることではなく、異形断面板を製造するこ
とであり、結果として最終的に得られる異形断面板の板
幅が拡がるに過ぎない。したがって、従来技術では拡
幅された平坦な板を得ることはできない。
【0014】従来技術においても、発明の主旨は板材
の板幅を拡げることではなく、H形鋼のウェブを製造す
ることであり、結果として最終的に得られるH形鋼のウ
ェブの幅が拡がるに過ぎない。したがって、従来技術
では拡幅された平坦な板を得ることはできない。
【0015】本発明の目的は、アスペクト比の大きい広
幅薄板材でも最少の圧延回数で大きな拡幅量を得ること
ができ、かつ板幅調整の自由度が高く、ロールの維持管
理が容易な圧延方法及び圧延機群を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、板材の板幅を拡げる圧延方法におい
て、前記板材に複数の圧延部分及び未圧延部分が板幅方
向に混在するよう板材を部分圧下圧延する第1工程と、
前記第1工程における未圧延部分のみを圧延する第2工
程と、前記第2工程で圧延された板材の板幅方向のすべ
ての部分を圧延する第3工程とを含む。
【0017】上記圧延方法において、好ましくは、前記
第1工程及び第2工程の少なくとも一工程にて圧下率を
変えることにより前記板材の拡幅量を調整する。
【0018】また、好ましくは、前記第1工程にて前記
圧延部分の領域幅を変えることにより前記板材の拡幅量
を調整する。
【0019】さらに、好ましくは、前記第1工程での圧
延前及び前記第3工程での圧延後の少なくとも一方にお
ける前記板材の板幅を測定し、その測定値を基に前記第
1工程及び第2工程の少なくとも一工程にて圧下率を制
御することにより前記板材の拡幅量を調整する。
【0020】また、好ましくは、前記第1工程での圧延
前及び前記第3工程での圧延後の少なくとも一方におけ
る前記板材の板幅を測定し、その測定値を基に前記第1
工程にて前記圧延部分の領域幅を制御することにより前
記板材の拡幅量を調整する。
【0021】また、好ましくは、前記圧延部分の領域幅
の変更は、上下ともに軸方向に複数の凹凸が形成されか
つ少なくとも一方が軸方向に移動可能な一対のロールを
用いて、これらロールの一方に対する他方の軸方向移動
量を調整することにより行う。
【0022】また、上記の目的を達成するために、本発
明は、板材を圧延する一対の作業ロールを含む複数台の
圧延機を用いて前記板材の板幅を拡げる圧延機群におい
て、一対の作業ロールが少なくとも一方に軸方向に複数
の凹凸が形成されたロールである第1圧延機と、前記第
1圧延機より後段に配置され、一対の作業ロールが上下
ともに平坦なロールである少なくとも1台の第2圧延機
とを有する。
【0023】上記圧延機群において、好ましくは、前記
複数の凹凸が形成されたロールは、軸方向に所定のピッ
チで形成された円周方向の溝部を有する。
【0024】また、好ましくは、前記第1圧延機の作業
ロールは、上下ともに軸方向に複数の凹凸が形成されか
つ少なくとも一方が軸方向移動可能である。
【0025】さらに、好ましくは、前記第1圧延機の入
側及び前記第2圧延機の出側のうち少なくとも一方にお
ける前記板材の板幅を計測する板幅計測手段と、前記板
幅計測手段により検出された板幅検出値とあらかじめ設
定された目標板幅値との差を計算する計算手段と、前記
板幅検出値と目標板幅値との差が所定値よりも大きくな
った場合に前記板材の拡幅量を制御する制御手段とを有
する。
【0026】好ましくは、前記制御手段は、前記第1圧
延機及び第2圧延機の少なくとも一方の圧下率を変更す
る手段である。
【0027】また、好ましくは、前記第1圧延機は前記
一対の作業ロールとして上下ともに軸方向に複数の凹凸
が形成されかつ少なくとも一方が軸方向移動可能なロー
ルを有し、前記制御手段は、これら作業ロールの一方に
対する他方の軸方向移動量を変更する手段である。
【0028】
【作用】以上のように構成した本発明の圧延方法におい
ては、まず第1工程において、板材に複数の圧延部分及
び未圧延部分が板幅方向に混在するよう板材を部分圧下
圧延することにより、板材の圧延部分は未圧延部分に長
手方向の伸びを拘束されつつ幅方向に拡がり、かつ板材
の未圧延部分は圧延部分の幅拡がりにより幅方向に圧縮
を受け座屈する。次に第2工程において、第1工程にお
ける未圧延部分のみを圧延することにより、板材の圧延
部分(第1工程における未圧延部分)は未圧延部分(第
1工程における圧延部分)に長手方向の伸びを拘束され
つつ幅方向に拡がると共に、第1工程における未圧延部
分の座屈が修正される。次に第3工程において、第2工
程で圧延された板材の板幅方向のすべての部分を圧延す
ることにより、第2工程における圧延部分と未圧延部分
とのわずかな板厚差が修正される。以上のように、第1
工程で複数の圧延部分及び未圧延部分が板幅方向に混在
するよう板材を部分圧下圧延し、第2及び第3工程を実
施することにより、薄板材でも3回という最少の圧延回
数で大きな拡幅量を得ることができる。また、後述する
ように、第1工程及び第2工程の少なくとも一工程での
圧下率や第1工程での圧延部分の領域の占める割合を変
化させることにより、拡幅量を自由に調整することがで
き、高い自由度で板幅調整を行うことができる。また、
板材を長手方向のみならずそれと直角方向の幅方向にも
伸ばすことにより、材料特性の異方性は減少し、2次加
工であるプレス成形性が向上する。さらに、ロールを再
研磨する際、通常のロールと同様の研磨機により板材を
圧延する部分のみを研削すればよく、特に複雑な装置や
管理を必要としないため、ロールの維持管理が容易にな
る。
【0029】また、第1工程及び第2工程の少なくとも
一方での圧下率を変えることにより、板材の拡幅量が変
化する。また、第1工程での圧延部分の領域幅を変える
ことによっても、圧延部分の領域の占める割合が変わ
り、板材の拡幅量が変化する。したがって、板材の板幅
調整を行うには、第1工程及び第2工程の少なくとも一
工程での圧下率もしくは第1工程での圧延部分の領域幅
を制御すればよい。
【0030】また、第1工程での圧延前及び第3工程で
の圧延後の少なくとも一方における板材の板幅値を基
に、第1工程及び第2工程の少なくとも一工程にて圧下
率を制御したり、第1工程にて圧延部分の領域幅を制御
することにより板材の拡幅量を調整することにより、板
幅の小さい部分の拡幅量を大きく、板幅の大きい部分の
拡幅量を小さく制御することができ、これにより長手方
向に板幅の均一な板材が得られる。
【0031】また、圧延部分の領域幅の変更は、上下と
もに軸方向に複数の凹凸が形成されかつ少なくとも一方
が軸方向に移動可能な一対のロールを用いて、これらロ
ールの一方に対する他方の軸方向移動量を調整すること
により行うことにより、上下の凸部が合わさる部分すな
わち圧延部分の長さを変化させることができる。
【0032】また、以上のように構成した本発明の圧延
機群においては、まず第1圧延機により上記圧延方法第
1工程の圧延を行い、板材の圧延部分を幅方向に拡げ
る。このとき、一対の作業ロールが少なくとも一方に軸
方向に複数の凹凸が形成されたロールであることによ
り、ロール凸部でのみ圧延が行われるため、部分圧下圧
延を行う作用があり、ロール凹部は未圧延部分の幅方向
への座屈を逃がし、自由に座屈できるようにする作用が
ある。次に、一対の作業ロールが上下ともに平坦なロー
ルである第2圧延機により上記圧延方法の第2工程の圧
延を行い、板材の圧延部分(第1工程における未圧延部
分)を幅方向に拡げると共に、第1工程における未圧延
部分の座屈を修正する。次に、上記圧延方法の第3工程
の圧延において、これまでの圧延部分と未圧延部分との
わずかな板厚差を修正する。このとき、タンデム圧延機
を用いるとすると一対の作業ロールが上下ともに平坦な
ロールである第3圧延機を追加設置することにより第3
工程の圧延が行える。また、レバース圧延機を用いると
すると第2圧延機により第3工程の圧延が行える。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。まず、本発明の圧延方法の第1の実施例を図1〜
図3により説明する。
【0034】本実施例の圧延方法では、まず図1(a)
に示すように、軸方向に規則的に複数の円周方向の溝部
2aが形成されたすなわち複数の凹部2a及び凸部2b
からなる凹凸断面形状のロール2と、通常の平坦なロー
ル3とにより第1工程の圧延が行われる。この第1工程
では、圧延材料1は凹凸断面形状のロール2と平坦なロ
ール3に挟まれ、凹凸断面形状のロール2の凸部2bの
みでの部分圧下圧延が行われる。もちろんこの場合、凹
凸断面形状のロール2及び平坦なロール3はどちらが上
でもかまわない。この第1工程の圧延により、圧延材料
1は凹凸断面形状のロール2の凸部2bにより圧延され
た圧延部分1a及び圧延されていない未圧延部分1bが
それぞれ板幅方向に複数混在する板材1Xとなる。この
とき、板材1Xの圧延部分1aは未圧延部分1bに長手
方向の伸びを拘束されるため幅方向に拡がり、未圧延部
分1bは圧延部分1aの幅拡がりにより幅方向の圧縮を
受け凹凸断面形状のロール2の凹部2a内で座屈する。
凹凸断面形状のロール2の凹部2aは板材1Xの未圧延
部分1bの幅方向への座屈を逃がし自由に座屈できるよ
うにする。ちなみにこの座屈が拘束されると圧延部分1
aの幅広がりが拘束されることになり、板材1Xに十分
な拡幅が得られない。
【0035】次に図1(b)に示すように、上下ともに
平坦なロール4,5により第2工程の圧延が行われる。
この第2工程の圧延により、図1(a)に示す板材1X
の未圧延部分1bの座屈が修正されると共に、この部分
のみが圧延され板材1Yが得られる。このとき、板材1
Yの圧延部分1c(第1工程の圧延における未圧延部分
1b)は板材1Yの未圧延部分1d(第1工程の圧延に
おける圧延部分1a)に長手方向の伸びを拘束されるた
め幅方向に拡がる。
【0036】最後に図1(c)に示すように、上下とも
に平坦なロール6,7により第3工程の圧延が行われ
る。この第3工程の圧延により、図1(b)に示す板材
1Yの板幅全体が圧延され、第2工程の圧延における圧
延部分1c及び未圧延部分1dのわずかな板厚差が修正
され、板厚が一定でありかつ十分に拡幅された平板1Z
が得られる。
【0037】次に、本実施例の圧延方法による実験結果
を説明する。本実験では凹凸断面形状のロール2として
図2に示すロールA及びロールBの2種類を用意した。
ロールA及びロールBはともに直径100mmの軸方向
に規則的に複数の凹部2a及び凸部2bを有し、ロール
Aは凸部2bの幅が5mmであるのに対して凹部2aの
幅が10mmであり、ロールBは凸部2bの幅が5mm
であるのに対して凹部2aの幅が15mmである。すな
わち、ロール幅全体に占める凸部2bの割合はロールB
よりもロールAの方が高い。また、圧延材料1のモデル
材としてはプラスティシン(油粘土)で作られた板幅1
00mm、板厚1.0mmの薄板材を用いた。また、各
工程での圧下率は図3に示すように、いずれも10%,
20%,30%の3パターンとした。
【0038】上記圧延方法により圧延した時の第1〜第
3圧延工程におけるそれぞれの拡幅率(拡幅量/板幅)
を図3に示す。これにより、次のことが明らかとなっ
た。まず、最終的な拡幅率は各ロールの圧下率により決
定される。例えばロールBを用い、各工程の圧下率を3
0%とした時の最終的な拡幅率として5%(図中B3)
という大きな値が得られた。
【0039】また、全体の拡幅に最も寄与するのは第1
工程の圧延で、ついで第2工程の圧延となる。第3工程
の圧延は板を平坦にすることが主な目的のため、拡幅に
はほとんど寄与しない。したがって、第1及び第2工程
での圧下率を変化させることにより、最終的な拡幅率を
調整することができる。
【0040】また、ロールの断面形状については、ロー
ルAよりもロールBの方が拡幅率が大きかった。この原
因としては、ロール幅全体に占める凸部2bの割合はロ
ールBよりもロールAの方が高いため、ロールAでは板
材1Xの板幅全体に占める圧延部分1aの割合が高く、
幅拡がりの小さい平圧延に近づいたためと考えられる。
このように、板材1Xの圧延部分1aの領域の占める割
合を変化させることによっても、拡幅率を調整すること
ができる。
【0041】以上のように本実施例によれば、第1工程
で板材1Xに複数の圧延部分1a及び未圧延部分1bが
板幅方向に混在するよう部分圧下圧延を行い、第2工程
で板材1Xの第1工程における未圧延部分1bのみを圧
延するので、最終的な平板1Zを5%以上(例えば10
00mm幅の板で50mm以上)も拡幅することが可能
となり、3回という最少の圧延回数で大きな拡幅量を得
ることができる。また、圧下率や圧延部分の領域の占め
る割合を変化させることにより拡幅量を自由に調整する
ことができ、自由度の高い板幅調整を行うことができ
る。さらに、拡幅量を大きく変えられるので素材の寸法
を集約化でき、上工程での生産性を向上させることがで
きる。すなわち、幅変更によるスケジュール変更などに
要する時間が短縮できる。また、従来最終工程で行って
いたトリミング量を減少させることができ、歩留まりを
向上させることができる。
【0042】また、圧延材料1を長手方向以外に幅方向
にも伸ばすことができるため、材料の異方性が従来製品
に比べて小さくなり、2次加工におけるプレス成形性が
向上するという効果も得られる。また、凹凸断面形状の
ロール2を再研磨する場合、通常の平坦なロールと同様
の研磨機により凹凸断面形状のロール2の凸部2bのみ
研削すればよく、特に複雑な装置や管理を必要としない
ため、ロールの維持管理が容易になるという効果も得ら
れる。
【0043】図3の実験結果からも明かなように、圧延
材料1の拡幅量を制御するには、第1及び第2工程での
圧下率を調整する方法と、圧延部分の領域の占める割合
を変化させる方法がある。圧下率の調整は特別な装置を
必要とせず、容易に行える。すなわち、拡幅量を大きく
したいときは第1及び第2工程での圧下率を大きくし、
拡幅量を小さくしたいときは第1及び第2工程での圧下
率を小さくする。もちろん最終的な板厚は一定にする必
要があるため、第1及び第2工程での圧下率調整に伴う
板厚変化は、第3工程で修正する。
【0044】次に、本発明の圧延方法の第2の実施例と
して、圧延部分の領域幅を変化させることで圧延部分の
領域の占める割合を変化させ拡幅量を調整する実施例を
図4及び図5により説明する。図中、図1に示す部材と
同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施例は第1の実施例において、第1工程の圧延に用
いる下ロールを平坦なロール3の代わりに、図4に示す
ように、軸方向に規則的に複数の円周方向の溝部8aが
形成されたすなわち複数の凹部8a及び凸部8bとから
なる凹凸断面形状のロール8としたものである。ここ
で、凹凸断面形状のロール2,8は、図示しないロール
移動手段により軸方向に移動可能とする。図4におい
て、凹凸断面形状のロール2,8の凸部2b,8bの位
置が一致しているときの板材1Xの圧延部分1aの幅は
凹凸断面形状のロール2,8の凸部2b,8bの幅と等
しくW1となる。この状態から図5に示すように、凹凸
断面形状のロール2,8をS方向すなわちそれぞれ反対
方向に軸方向移動させると、板材1Xの圧延部分1aの
幅はW2へと変化する。このように、図示しないロール
移動手段により凹凸断面形状のロール2,8の軸方向移
動量を変更することにより、板材1Xの圧延部分1aの
幅を変化させ、板材1Xの拡幅量を調整することができ
る。
【0045】なお、本実施例では、凹凸断面形状のロー
ル2,8は上下ともに軸方向に移動可能としたが、上下
の少なくとも一方を軸方向に移動可能とすればよい。
【0046】次に、上記方法を実施する圧延機群の基本
的な実施例を図6により説明する。図中、図1に示す部
材と同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略す
る。図6において、本実施例の圧延機群は2段の圧延機
9,10,11を備え、まず圧延機9により第1工程の
圧延を行い、次に圧延機10により第2工程の圧延を行
い、最後に圧延機11により第3工程の圧延を行う。圧
延材料1はこれら3台の圧延機9〜11を通過すること
により拡幅される。圧延機9は図1(a)に示す一対の
作業ロール2,3を有し、圧延機10は図1(b)に示
す一対の作業ロール4,5を有し、圧延機11は図1
(c)に示す一対の作業ロール6,7を有している。
【0047】本実施例によれば、前述した圧延方法によ
り、圧延材料1は3回という最少の圧延回数で大きな拡
幅量を得ることができかつ板幅調整の自由度の高い圧延
が可能となる。また、凹凸断面形状のロール2の凸部2
bのみ研削すればよく、特に複雑な装置や管理を必要と
しないため、ロールの維持管理が容易になる。
【0048】なお、ここで示した圧延機はすべて2段圧
延機であるが、もちろんこれに限らず、補強ロールを有
する4段圧延機でも、その他の形式でも構わない。
【0049】次に、通常のタンデム圧延機に本発明を適
用した圧延機群の実施例を図7により説明する。図中、
図1及び図6に示す部材と同等の部材には同じ符号を付
し、その説明を省略する。本実施例の圧延機群は4段の
圧延機12,13,14,15,16を備えた既存の5
スタンドのタンデム圧延機の前段に図6の圧延機9が追
加設置されている。また、圧延機12の作業ロール4,
5及び圧延機13の作業ロール6,7は全て平坦なロー
ルである。本実施例では、まず圧延機9により第1工程
の圧延を行い、次にタンデム圧延機の第1スタンドであ
る圧延機12により第2工程の圧延を行い、最後にタン
デム圧延機の第2スタンドである圧延機13により第3
工程の圧延を行う。
【0050】本実施例においては、既存のタンデム圧延
機の第1スタンドである圧延機12の前段に凹凸断面形
状のロールを有する圧延機9を増設したので、圧延機1
2〜16での圧延によるそれぞれの減厚能力を損なうこ
となく拡幅を行うことができ、全スタンドの能力をフル
に必要とする薄物製品の圧延にも十分適用可能となる。
【0051】また、図示はしないが、凹凸断面形状のロ
ールを有する圧延機9を増設せずに、タンデム圧延機の
第1〜第3スタンドの圧延機12〜14をそのまま各第
1〜第3工程の圧延機として使用してもよい。このと
き、第1スタンドである圧延機12の作業ロール4,5
の少なくとも一方を軸方向に複数の溝部を有する凹凸断
面形状のロールとする。この場合には、圧延機の増設に
要する設備費を節約できるという利点があるが、比較的
厚い製品の圧延にしか適用できないという弱点もある。
すなわち、通常1回の圧延で行う減厚を本発明では第1
及び第2工程の2回の圧延で行うことになるため、圧延
機を増設しないと1スタンド不足することになる。した
がって、圧下率が大きく、全スタンドの能力をフルに必
要とする薄物製品の圧延には適さない。
【0052】次に、通常のレバース圧延機に本発明を適
用した圧延機群の実施例を図8により説明する。図中、
図1及び図6に示す部材と同等の部材には同じ符号を付
し、その説明を省略する。本実施例の圧延機群は既存の
レバース圧延機17の入側に図6の圧延機9が設置され
ている。レバース圧延機17の作業ロール18,19は
どちらも平坦なロールである。また、圧延機9の入側に
はローラーテーブル20が設置され、圧延機9とレバー
ス圧延機17との間にはローラーテーブル21が設置さ
れ、レバース圧延機17のローラーテーブル21と反対
側にはローラーテーブル22が設置されている。本実施
例では、まず圧延機9により第1工程の圧延を行い、圧
延材料1はローラーテーブル21によりレバース圧延機
17に送られる。次にレバース圧延機17により第2及
び第3工程の往復圧延を行う。本実施例においても、本
発明の圧延方法を実施できる。
【0053】また、図示はしないが、凹凸断面形状のロ
ールを有する圧延機9を増設せずに、レバース圧延機1
7のみをそのまま各第1〜第3工程の圧延機として使用
してもよい。このとき、レバース圧延機17の作業ロー
ル18,19の少なくとも一方を軸方向に複数個の溝部
を有する凹凸断面形状のロールとし、第1工程の圧延を
行った後に凹凸断面形状のロールを平坦なロールに交換
し、第2及び第3工程の圧延を行う。この場合には、ロ
ール交換を必要とするため、その分時間がかかるが、圧
延機の増設が不要なため、設備費が節約できるという利
点がある。
【0054】次に、本発明の板幅制御する方法を実施す
る圧延機群の実施例を図9により説明する。図中、図1
及び図6に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、
その説明を省略する。本実施例の圧延機群は図6の圧延
機群と同様の2段の圧延機である。図9において、上作
業ロール2の上方には圧延機9の圧下率を調整する圧下
ネジ29が取り付けられ、この圧下ネジ29は圧下モー
タ27の回転により駆動され、圧下モータ27は圧下制
御装置25により制御される。このとき、圧下制御装置
25は圧下率を大きくするときは圧下ネジ29を締め込
むよう圧下モータ27を制御する。また、上作業ロール
4の上方には圧延機10の圧下率を調整する圧下ネジ3
0が取り付けられ、この圧下ネジ30は圧下モータ28
の回転により駆動され、圧下モータ28は圧下制御装置
26により制御される。このとき、圧下制御装置26は
圧下率を大きくするときは圧下ネジ30を締め込むよう
圧下モータ28を制御する。
【0055】圧延機9の入側には圧延材料1の移動速度
を測定するローラ40a付きの速度計40と、圧延材料
1の板幅を測定する板幅計23が設置されている。速度
計40及び板幅計23により測定された速度値及び板幅
値は計算機24に入力される。計算機24は入力した速
度値と、速度計40と圧延機9との間の距離L1及び速
度計40と圧延機10との間の距離L2とから圧延材料
1が圧延機9,10に到達する時間を計算すると共に、
入力した板幅値とあらかじめ設定された圧延機9の入側
での目標値との差を計算する。すなわち、計算機24は
入力した板幅値を目標値と比較して圧下率の調整量を前
述の関係図(図3)より求め、圧延材料1が圧延機9に
到達する時に圧下制御装置25に第1工程の圧延時の圧
下率指令信号Sa1を出力し、圧延材料1が圧延機10
に到達する時に圧下制御装置26に第2工程の圧延時の
圧下率指令信号Sa2を出力する。圧下制御装置25,
26は計算機24により算出された板幅値と目標値との
差が所定値よりも大きくなった場合にそれぞれ圧延機
9,10の圧下率を変更する。
【0056】以上において、圧延機9の入側における圧
延材料1の板幅値が目標値よりも小さい場合には、第1
及び第2工程の圧延時の圧下率を大きくし、板材1X,
1Yの拡幅率を大きくする。すなわち、計算機24は圧
延機9,10の圧下率を大きくするよう圧下率指令信号
Sa1,Sa2をそれぞれ圧下制御装置25,26に出
力し、圧下制御装置25,26は圧下ネジ29,30を
締め込むよう圧下モータ27,28を制御する。
【0057】一方、圧延機9の入側における圧延材料1
の板幅値が目標値よりも大きい場合には、第1及び第2
工程の圧延時の圧下率を小さくし、板材1X,1Yの拡
幅率を小さくする。すなわち、計算機24は圧延機9,
10の圧下率を小さくするよう圧下率指令信号Sa1,
Sa2をそれぞれ圧下制御装置25,26に出力し、圧
下制御装置25,26は圧下ネジ29,30を緩めるよ
う圧下モータ27,28を制御する。
【0058】本実施例によれば、圧延機9の入側に配置
された板幅計23により圧延材料1の板幅を測定し、そ
の測定値を基に第1及び第2工程での圧下率を制御する
ので、板幅の小さい部分の拡幅量を大きく、板幅の大き
い部分の拡幅量を小さくすることができ、これにより長
手方向に板幅の均一な平板1Zが得られる。
【0059】この実施例の変形を図10により説明す
る。この変形実施例は上記実施例において、圧延機9の
入側に板幅計23及び速度計40を設置する代わりに、
圧延機11の出側に板幅計23を設置し、計算機24は
入力した板幅値とあらかじめ設定された最終的な平板1
Zの目標値との差を計算し、その差を基に圧下制御装置
25,26にそれぞれ圧下率指令信号Sa1,Sa2を
出力するフィードバック制御を行う。すなわち、圧延機
11の出側における平板1Zの板幅値が目標値よりも小
さい場合には、第1及び第2工程の圧延時の圧下率を大
きくし、板材1X,1Yの拡幅率を大きくする。一方、
圧延機11の出側における平板1Zの板幅値が目標値よ
りも大きい場合には、第1及び第2段階の圧延時の圧下
率を小さくし、板材1X,1Yの拡幅率を小さくする。
【0060】また、図示はしないが、圧延機9の入側に
板幅計23及び速度計40を設置し、かつ圧延機11の
出側に板幅計23を設置してもよい。この場合には、ま
ず圧延機9の入側における圧延材料1の板幅値を基に板
材1X,1Yの拡幅量を制御し、次に圧延機11の出側
における板材1Zの板幅値を基に板材1X,1Yの拡幅
量を制御するフィードバック制御を行う。この実施例に
おいては、圧延機11の出側におけるフィードバック制
御により、圧延機9の入側における圧延材料1の板幅値
から決定された拡幅量が補正されるため、より長手方向
に板幅の均一な平板1Zが得られる。
【0061】なお、上記実施例では、圧延機9,10の
両方の圧下率を制御することにより圧延材料1の拡幅量
を調整するものとしたが、圧延機9,10のいずれか一
方の圧下率を制御すればよい。
【0062】次に、本発明の板幅制御する方法を実施す
る圧延機群の他の実施例を図11により説明する。図
中、図1及び図6に示す部材と同等の部材には同じ符号
を付し、その説明を省略する。本実施例は本発明の圧延
方法の第2の実施例を実施するものである。図11にお
いて、本実施例の圧延機群は2段の圧延機9,10,1
1を備え、圧延機9は図4に示す一対の作業ロール2,
8を有し、圧延機10は図1(b)に示す一対の作業ロ
ール4,5を有し、圧延機11は図1(c)に示す一対
の作業ロール6,7を有している。
【0063】圧延機9は作業ロール2,8を軸方向に移
動可能とするロール移動装置31,32を有している。
計算機24は速度計40からの速度値と、速度計40と
圧延機9との間の距離L1とから圧延材料1が圧延機9
に到達する時間を計算すると共に、板幅計23からの板
幅値とあらかじめ設定された圧延機9の入側での目標値
との差を計算する。すなわち、計算機24は入力した板
幅値を目標値と比較して作業ロール2,8の軸方向移動
量を求め、圧延材料1が圧延機9に到達する時にロール
移動装置31,32にそれぞれロール移動指令信号Si
1,Si2を出力する。ロール移動装置31,32は計
算機24により算出された板幅値と目標値との差が所定
値よりも大きくなった場合に作業ロール2,8の軸方向
移動量を変更する。
【0064】以上において、圧延機9の入側における圧
延材料1の板幅値が目標値よりも小さい場合には、計算
機24は図4に示すように、板材1Xの圧延部分1aの
領域幅が大きくなるようロール移動指令信号Si1,S
i2をそれぞれロール移動装置31,32に出力し、板
材1Xの拡幅率を大きくする。
【0065】一方、圧延機9の入側における圧延材料1
の板幅値が所定幅よりも大きい場合には、計算機24は
図5に示すように、板材1Xの圧延部分1aの領域幅が
小さくなるようロール移動指令信号Si1,Si2をそ
れぞれロール移動装置31,32に出力し、板材1Xの
拡幅率を小さくする。
【0066】本実施例によれば、圧延機9の入側に配置
された板幅計23により圧延材料1の板幅を測定し、そ
の測定値を基に作業ロール2,8の軸方向移動量を制御
することにより板材1Xの圧延部分1aの領域幅を変更
するので、板幅の小さい部分の拡幅量を大きく、板幅の
大きい部分の拡幅量を小さくすることができ、これによ
り長手方向に板幅の均一な平板1Zが得られる。
【0067】なお、本実施例では、圧延機9の作業ロー
ル2,8は上下ともに軸方向に移動可能としたが、作業
ロール2,8の少なくとも一方を軸方向に移動可能とし
てもよい。
【0068】また、板幅計23を圧延機9の入側に配置
するものとしたが、圧延機11の出側に配置し、圧延機
11の出側における平板1Zの板幅値を基に板材1Xの
拡幅量を制御するフィードバック制御を行ってもよい。
また、圧延機9の入側及び圧延機11の出側の各々に配
置し、まず圧延機9の入側における圧延材料1の板幅値
を基に板材1Xの拡幅量を制御し、次に圧延機11の出
側における板材1Zの板幅値を基に板材1Xの拡幅量を
制御するフィードバック制御を行ってもよい。
【0069】以上のように本発明のいくつかの実施例を
説明したが、これら実施例は本発明の精神の範囲内で種
々変更可能である。例えば、軸方向に複数個の溝部を有
する凹凸断面形状のロールについて様々な形状が考えら
れる。すなわち、凹凸断面形状は図1(a)に示すよう
な規則正しい台形状の溝とは限らず、角にRを付けた
り、曲線的な波形でもよい。また、溝のピッチも図1
(a)に示すような均等でなく、例えば中央部と端部で
変化させてもよい。
【0070】また、上記凹凸断面形状のロールを組み込
む圧延機の形式も、上記実施例の圧延機には限らず、ど
のような機種にも適用できる。さらに、レイアウトに関
しても、例えばタンデム圧延機の中段スタンドに凹凸断
面形状のロールを組み込むことなどが考えられる。この
ように、本発明はその基本を逸脱することなく種々の変
形が可能である。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、3回という最少の圧延
回数で薄板材を十分に拡幅することができると共に、板
幅調整の自由度の高い圧延が可能となる。また、素材の
寸法を集約化でき、上工程での生産性を向上させること
ができ、かつ従来最終段階で行っていたトリミング量を
減少させることができ、歩留まりを向上させることがで
きる。また、材料の異方性が従来製品に比べて小さくな
り、2次加工におけるプレス成形性が向上する。さら
に、複雑な装置や管理を必要とせず、ロールの維持管理
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による圧延方法を示す図
である。
【図2】図1に示す圧延方法による実験に使用したロー
ルの軸方向の凹凸断面形状を示す図である。
【図3】図1に示す圧延方法による実験によって得られ
た各工程での拡幅率の特性を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例による圧延方法を示す図
である。
【図5】図4に示す圧延方法においてロールを軸方向に
移動させることにより圧延部分の幅を変更したときの図
である。
【図6】本発明の圧延方法を実施する基本的な実施例に
よる圧延機群の構成図である。
【図7】本発明をタンデム圧延機に適用した実施例によ
る圧延機群の構成図である。
【図8】本発明をレバース圧延機に適用した実施例によ
る圧延機群の構成図である。
【図9】本発明の板幅を制御する方法を実施する実施例
による圧延機群の構成図である。
【図10】図9に示す実施例の変形による圧延機群の構
成図である。
【図11】本発明の板幅を制御する方法を実施する他の
実施例による圧延機群の構成図である。
【符号の説明】
1 圧延材料 1a 圧延部分 1b 未圧延部分 2 凹凸断面形状のロール 2a 凹部 2b 凸部 3,4,5,6,7 平坦なロール 8 凹凸断面形状のロール 8a 凹部 8b 凸部 9,10,11 圧延機 12,13,14,15,16 タンデム圧延機 17 レバース圧延機 23 板幅検出器 24 計算機 25,26 圧下制御装置 27,28 圧下モータ 29,30 圧下ネジ 31,32 ロール移動装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 37/00 BBL 37/22 (72)発明者 安田 健一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高倉 芳生 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材の板幅を拡げる圧延方法において、 前記板材に複数の圧延部分及び未圧延部分が板幅方向に
    混在するよう板材を部分圧下圧延する第1工程と、前記
    第1工程における未圧延部分のみを圧延する第2工程
    と、前記第2工程で圧延された板材の板幅方向のすべて
    の部分を圧延する第3工程とを含むことを特徴とする圧
    延方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧延方法において、前記
    第1工程及び第2工程の少なくとも一工程にて圧下率を
    変えることにより前記板材の拡幅量を調整することを特
    徴とする圧延方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧延方法において、前記
    第1工程にて前記圧延部分の領域幅を変えることにより
    前記板材の拡幅量を調整することを特徴とする圧延方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の圧延方法において、前記
    第1工程での圧延前及び前記第3工程での圧延後の少な
    くとも一方における前記板材の板幅を測定し、その測定
    値を基に前記第1工程及び第2工程の少なくとも一工程
    にて圧下率を制御することにより前記板材の拡幅量を調
    整することを特徴とする圧延方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の圧延方法において、前記
    第1工程での圧延前及び前記第3工程での圧延後の少な
    くとも一方における前記板材の板幅を測定し、その測定
    値を基に前記第1工程にて前記圧延部分の領域幅を制御
    することにより前記板材の拡幅量を調整することを特徴
    とする圧延方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または5記載の圧延方法におい
    て、前記圧延部分の領域幅の変更は、上下ともに軸方向
    に複数の凹凸が形成されかつ少なくとも一方が軸方向に
    移動可能な一対のロールを用いて、これらロールの一方
    に対する他方の軸方向移動量を調整することにより行う
    ことを特徴とする圧延方法。
  7. 【請求項7】 板材を圧延する一対の作業ロールを含む
    複数台の圧延機を用いて前記板材の板幅を拡げる圧延機
    群において、 一対の作業ロールが少なくとも一方に軸方向に複数の凹
    凸が形成されたロールである第1圧延機と、 前記第1圧延機より後段に配置され、一対の作業ロール
    が上下ともに平坦なロールである少なくとも1台の第2
    圧延機とを有することを特徴とする圧延機群。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の圧延機群において、前記
    複数の凹凸が形成されたロールは、軸方向に所定のピッ
    チで形成された円周方向の溝部を有することを特徴とす
    る圧延機群。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の圧延機群において、前記
    第1圧延機の作業ロールは、上下ともに軸方向に複数の
    凹凸が形成されかつ少なくとも一方が軸方向移動可能で
    あることを特徴とする圧延機群。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の圧延機群において、前
    記第1圧延機の入側及び前記第2圧延機の出側のうち少
    なくとも一方における前記板材の板幅を計測する板幅計
    測手段と、前記板幅計測手段により検出された板幅検出
    値とあらかじめ設定された目標板幅値との差を計算する
    計算手段と、前記板幅検出値と目標板幅値との差が所定
    値よりも大きくなった場合に前記板材の拡幅量を制御す
    る制御手段とを有することを特徴とする圧延機群。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の圧延機群において、
    前記制御手段は、前記第1圧延機及び第2圧延機の少な
    くとも一方の圧下率を変更する手段であることを特徴と
    する圧延機群。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の圧延機群において、
    前記第1圧延機は前記一対の作業ロールとして上下とも
    に軸方向に複数の凹凸が形成されかつ少なくとも一方が
    軸方向移動可能なロールを有し、前記制御手段は、これ
    ら作業ロールの一方に対する他方の軸方向移動量を変更
    する手段であることを特徴とする圧延機群。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104178714A (zh) * 2014-08-06 2014-12-03 上海交通大学 一种轧制结合滚压处理镁合金板材的加工装置与方法
KR101660676B1 (ko) * 2016-04-15 2016-09-27 천성우 씰 내장용 철심 제조 방법
CN110280585A (zh) * 2019-07-31 2019-09-27 西安泰力松新材料股份有限公司 一种分段式三角焊带的压延设备

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