JPH08131986A - 焼却炉の灰処理装置 - Google Patents

焼却炉の灰処理装置

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JPH08131986A
JPH08131986A JP6281779A JP28177994A JPH08131986A JP H08131986 A JPH08131986 A JP H08131986A JP 6281779 A JP6281779 A JP 6281779A JP 28177994 A JP28177994 A JP 28177994A JP H08131986 A JPH08131986 A JP H08131986A
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ash
incinerator
exhaust gas
furnace
melting
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JP6281779A
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Shigemi Ono
滋美 小野
Hiromichi Fujiwara
弘道 藤原
Manabu Yamamoto
学 山本
Naoki Fujiwara
直機 藤原
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 煙道中の重金属の析出トラブルや腐食を回避
した飛灰または焼却灰の溶融処理を行うこと。 【構成】 焼却炉1内で得られる灰はバグフィルタ6で
回収され、高温間接熱交換器であるキルン型の分解炉9
に供給される。分解炉9外套の加熱管23には溶融炉1
0の排ガスの一部が導入され、必要なら補助バーナ18
による加熱も行い、灰中の有害重金属、塩化物などを揮
散させる。また、溶融炉10の排ガスの一部は高温ダク
ト22を経由して直接分解炉9に導入され、パージガス
として分解炉9中を流れ、灰から揮散した濃厚な重金属
などを含む少量の分解炉9の排ガスを分解炉排ガス処理
装置15に向けて排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は都市ごみあるいは産業廃
棄物の焼却炉から発生する灰の処理装置である溶融装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】焼却炉から発生する焼却灰の処理のため
に電気、化石燃料などを熱源とする各種の溶融炉を備え
た溶融装置が開発されている。従来の溶融装置の共通課
題として、焼却灰を直接溶融炉に投入して溶融するた
め、次のような問題点があった。 (1)溶融エネルギーを多く必要とするため溶融排ガス
量を多く発生する。 (2)溶融排ガス中に重金属や塩化物などが共存し、温
度降下に伴い煙道中で重金属が析出したり、煙道に腐食
が発生する。 また、焼却炉から発生する焼却灰の処理用に、電気、化
石燃料などの熱源とする各種の溶融炉が提案されている
が、大部分は焼却灰の溶融を対象とするものであり、流
動床ごみ焼却炉の飛灰を対象とした溶融炉は殆どなかっ
た。
【0003】流動床ごみ焼却炉の飛灰は焼却灰と異な
り、塩素(Cl)イオンおよびナトリウム(Na)イオ
ンなどのアルカリイオンの含有量が高いために腐食性が
高いこと、およびカドミニウム(Cd)や鉛(Pb)な
どの有害金属の含有量が高い。したがって、飛灰を溶融
した場合、溶融炉の腐食が著しいとともに、排ガスの処
理が難しいために飛灰は溶融処理に適していないとされ
てきた。しかし、廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(廃棄物処理法)の改正に伴い、飛灰の中間処理が不可
欠になった。さらに都市部を初めとして埋め立て地の確
保が困難になってきた。そのため、灰の無害化のほかに
減容化が可能な溶融処理が飛灰を対象としても考えら
れ、旋回流溶融炉などが提案されている。
【0004】図2に従来法の流動床ごみ焼却炉の飛灰の
処理装置の一例のフローを示した。焼却炉1から排出す
る飛灰は排ガスダクト20からガス冷却塔2、熱交換器
3、ガス冷却塔4を経由した後、バグフィルタ6で集塵
され、煙突7から排出される。バグフィルター6で捕集
された飛灰は均一な組成の灰である。焼却炉1には空き
缶や釘他の金属や不燃物などの異物の混入は無いが、N
aClやCd、Pbなどの低沸点の有害重金属の含有量
が高い。また、HClの除去を目的としてホッパ5から
Ca(OH)2あるいはCaCO3を煙道あるいは炉内に
吹き込んでいるため、それらがHClと反応してできた
CaCl2の含有量も高い。また、バグフィルタ6で回
収された飛灰は灰抜き出しライン26から灰ホッパ8を
経由して溶融炉10に供給される。溶融炉10からはス
ラグ27が取り出される。
【0005】ここで、上記NaClやCd、Pbなどの
低沸点の有害重金属の含有量が高い飛灰を溶融した場
合、第1に溶融炉10の腐食が焼却灰の場合よりはるか
にひどくなり、第2にNaClなどの塩化物が溶融過程
で灰中の水分と反応して生成した高濃度のHClとN
a、Cd、Pbなどの大部分が排ガス中に移行するた
め、溶融炉排ガスは高温で、かつ腐食成分や有害成分の
濃度が高くなり、その処理が難しく、高温の溶融炉排ガ
スの廃熱の効率の良い熱回収も不可能となる。
【0006】溶融炉排ガスは焼却炉本体の排ガスライン
20に戻して、焼却炉排ガスとともに処理する方法が考
えられる。しかし、飛灰の場合は、上述したように排ガ
ス中の有害金属や塩化物イオンが系内に蓄積し、高濃度
のこれらの成分が系内を循環することになる。したがっ
て、溶融炉排ガスを対象とした排ガス処理装置14を焼
却炉とは別に設置せざるを得ない。また、排ガス処理装
置14に溶融炉排ガスを導入する前に、ガス冷却塔1
1、熱交換器12およびガス冷却塔13を順次経由させ
て冷却した後、排ガス処理を行う。また、溶融炉排ガス
中のHClの除去を目的としてホッパ5からライン25
を経由させてCa(OH)2あるいはCaCO3を煙道に
導入する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記焼却灰の溶融装置
および飛灰の溶融装置における共通の課題は、焼却灰溶
融装置で焼却灰を直接溶融する過程で重金属や塩化物な
どが焼却灰の溶融中に揮散するため、あるいは飛灰中に
重金属や塩化物などが含まれるため、これらの重金属や
塩化物などを含む溶融排ガスの温度が降下すると煙道中
で重金属などが析出することがあった。この析出重金属
などは煙道内部や溶融装置制御部に付着してトラブルや
塩化物による煙道の腐食が発生することがあり、これが
前記焼却灰の溶融装置および飛灰の溶融装置の連続運転
を阻害する要因となっていた。また、前記溶融装置では
飛灰または焼却灰(以下、単に灰と言うことがある。)
を直接溶融炉へ投入して溶融するため、溶融エネルギー
を多く必要とし、溶融排ガス量が多く発生することも解
決すべき問題点としてあった。本発明の目的は、煙道中
の重金属の析出トラブルや腐食を回避した飛灰または焼
却灰の溶融処理を行うことである。また、本発明の目的
は飛灰または焼却灰の溶融排ガス量を減少させることで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、次
の構成によって達成される。すなわち、焼却炉から排出
する飛灰または焼却灰を溶融して固形化処理する溶融炉
を備えた焼却炉の灰処理装置において、溶融炉の前段に
飛灰または焼却灰を予熱して飛灰または焼却灰中の重金
属、塩化物を揮散させる間接熱交換器を設けた焼却炉の
灰処理装置である。本発明の上記焼却炉の灰処理装置に
おいて、間接熱交換器には飛灰または焼却灰が導入され
る分解炉と溶融炉から排出する排ガスを導入して飛灰ま
たは焼却灰を間接加熱する分解炉加熱管を設けた構成を
採用することができる。
【0009】本発明の上記目的は、次の構成によって達
成される。すなわち、焼却炉から排出する飛灰または焼
却灰を溶融して固形化処理する溶融炉を備えた焼却炉の
灰処理装置において、溶融炉の前段に焼却灰を予熱して
飛灰または焼却灰中の重金属、塩化物を揮散させる間接
熱交換器を設け、該間接熱交換器には溶融炉排ガスの一
部をパージガスとして導入して飛灰または焼却灰から揮
散した重金属、塩化物を取り出す分解炉を設けると同時
に、溶融炉から排出する溶融炉排ガスの他の一部を導入
して飛灰または焼却灰を間接加熱する分解炉加熱管を設
け、さらに分解炉から取り出した揮散重金属、塩化物を
処理する分解炉排ガス処理装置を設けた焼却炉の灰処理
装置である。上記本発明の焼却炉の灰処理装置におい
て、間接熱交換器の分解炉加熱管には補助バーナを設け
ることができる。また、前記間接熱交換器で飛灰または
焼却灰を800〜1100℃に加熱することが望まし
い。
【0010】
【作用】飛灰または焼却灰の溶融過程で発生するHCl
などによる腐食を防ぎ、低沸点のCd、Pbなどの有害
重金属が揮散することにより生ずる排ガス処理の難しさ
を防ぐ方法としては、 これらの元素が揮散しないように低い温度で溶融を行
う。 添加剤を加えてこれらの元素を溶融スラグに固定す
る。 飛灰または焼却灰中のこれらの元素を予め除去した後
の灰を溶融する。 などの方法が考えられ、これらの方法を検討した。
【0011】の低い温度で焼却灰を溶融する方法はC
d、Pbなどの元素が揮散する温度が低いため、その揮
散する温度以下で溶融するためにはかなり多量の融剤が
必要であり、溶融の利点の一つである減容が不可能であ
り、実用には適さないことが分かった。また、のスラ
グに有害な重金属を固定する方法の検討のために、灰と
混合して溶融するための各種の添加剤を試験した。しか
し、添加剤を加えてスラグへの固定化率を向上させるた
めには多量の添加剤を使用する必要があり、この場合も
減容化はできず、実用的でないことが分かった。
【0012】の飛灰または焼却灰中の有害重金属など
を予め除去した後に灰を溶融する方法について、湿式お
よび乾式の処理方法を検討した結果、灰を850〜12
00℃で加熱することにより塩化物や問題の元素が灰か
ら分離できることが分かった。この方法について検討を
加えた結果、灰溶融の前処理として加熱分解処理を行う
方法が、上記の目的を解決する手段として有効であるこ
とが分かり、本発明に至ったものである。上記したよう
に、本発明は飛灰または焼却灰中の重金属または塩化物
を高温(850〜1200℃)に加熱すると前記重金属
や塩化物が短時間で蒸発する特性があるため、その特性
を利用して溶融炉前段に高温に加熱する間接熱交換器を
設置し、ここに飛灰または焼却灰を通すことにより灰中
の重金属や塩化物を蒸発除去するものである。
【0013】本発明の特徴は溶融炉前段に高温に加熱す
る熱交換器として 間接熱交換器を利用することと 熱交換器の加熱源として溶融炉排ガスを利用すること である。本発明では溶融炉前段での飛灰または焼却灰の
高温加熱処理に用いるガスとして重金属、塩化物などの
有害物質を除去した後の灰の溶融炉からの排出ガスを用
い、これを循環再利用し、しかも灰の溶融炉からの排出
ガスの熱エネルギーをそのまま灰の溶融熱エネルギーを
有効利用できる。
【0014】また、本発明の間接熱交換器内で発生する
重金属を含むガスは、熱交換器内を負圧にするだけの最
小限の量が置換される。また、発生ガスは重金属を回収
する装置へ導かれ、該装置で重金属が回収される。一
方、灰は高温のまま、重金属が除去された状態で溶融炉
に投入されて溶融される。溶融する際に灰は高温状態で
あり、溶融に必要な補助燃料(石油、石炭など)が大幅
に低減可能となり、これにより溶融排ガスも大幅に減少
し、ガス処理設備もコンパクトとなる。さらに、前段で
重金属および塩化物が除去されているため、ガス処理設
備に重金属の析出や塩酸による煙道の腐食のトラブルも
回避できる。
【0015】また、特開平6−174223号公報にも
焼却灰の溶融炉前段に焼却灰を高温に加熱する熱交換器
を設けて重金属を回収する発明が記載されている。しか
し、上記公報記載の発明は本発明のように焼却灰溶融炉
排ガスを熱交換器の加熱源としていないので、熱エネル
ギーコスト的に本発明より不利である。また、上記公報
記載の発明は400℃程度の温度に焼却灰を加熱するだ
けであるので、ダイオキシンは分解できても、本発明の
ように十分重金属、塩化物などの除去ができるものとは
考えられない。
【0016】また、特開平3−196887号公報には
溶融炉前段に飛灰または焼却灰を高温に加熱する直接熱
交換器を設けて前記灰から重金属を回収する発明が記載
されている。しかし、上記発明では焼却炉の高温排ガス
を熱交換器に直接導入して、灰と混合するものであり、
灰を加熱して有害成分を揮散させるためには、多量の高
温排ガスを必要とする。すなわち、灰を1000℃程度
に加熱するためおよび揮散した有害成分を溶融炉の反対
側に排出させるために多量の高温排ガスが必要となる。
その上、灰は飛散しやすいため、これに高温排ガスを直
接当てると熱交換器中でのダスト量が増えることにな
る。これに対して、本発明では灰の加熱を溶融炉排ガス
で主に行うが、加熱不足分は補助バーナで行い、これで
1000℃程度の温度に灰を加熱できる。そして、揮散
した有害成分を溶融炉の反対側に排出させるためのパー
ジガスとしてわずかな流量の灰溶融炉排ガスを分解炉に
導入するだけで良い。また、パージガスとしての溶融炉
排ガス流量は分解炉中の灰から発生した有害重金属、塩
化物などを分離できる範囲で、その流量はいくらでも下
げることができる。このため前記直接熱交換器を用いる
発明に比較して本発明の灰加熱用の溶融炉排ガス量は少
量ですむ。また、本発明は間接的に灰を加熱するので、
灰は飛散しないので、分解炉からの排出ダスト量を増加
させるおそれはない。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を図面とともに説明する。
本実施例の溶融装置を用いた焼却システムの例を図1に
示した。焼却炉1内で焼却されたごみの一部は飛灰とし
て排ガスダクト20からガス冷却塔2、熱交換器3、ガ
ス冷却塔4を経由した後、バグフィルタ6で集塵され、
煙突7から排出される。バグフィルタ6で回収された灰
は灰抜き出しライン26から灰ホッパ8を経由して高温
間接熱交換器であるキルン型の分解炉9に供給される。
分解炉9では灰の加熱を溶融炉排ガスで主に行うが、加
熱不足分は加熱管23に設けられた補助バーナ18で加
熱される。こうして分解炉9内の灰は、1000℃程度
の温度に加熱される。そして、これらの加熱で有害重金
属、塩化物などが灰中から揮散して除去される。分解炉
9で重金属などが除去された灰は溶融炉10に供給され
る。溶融炉10からはスラグ27が取り出されるが、溶
融炉10からの排ガスの一部は焼却炉1、溶融炉10に
供給される空気を熱交換器3と熱交換器16で加熱する
ために使用される。なお、溶融炉10にはバーナ17を
介して加熱空気が供給される。また、溶融炉10からの
排ガスの他の一部は分解炉9外套の加熱管23に導入さ
れる。加熱管23に設けられた補助バーナ18は、必要
な場合には随時使用される。また、高温ダクト21内の
溶融炉10からの排ガスの一部は高温ダクト22を経由
して直接分解炉9に導入される。分解炉9内に直接導入
される排ガスはパージガスとして、分解炉排ガスライン
28に設けた図示していない吸引ファンにより導かれ、
分解炉9中を流れ、灰から揮散した濃厚な重金属などを
含む少量の分解炉排ガスは溶融炉10とは反対側に位置
する出口から分解炉排ガス処理装置15に向けて排出さ
れる。このパージガスは有害金属、塩化物などを灰から
分離できる範囲で、その流量はいくらでも下げることが
できる。
【0018】分解炉9で塩化物、有害重金属などを除去
された灰は、溶融炉10に供給され、溶融されるが、こ
の溶融炉10内の排ガスは腐食性が極めて低いため、そ
のまま高温ダクト21で分解炉9の加熱管23に導入さ
れ、分解炉9の加熱に使用されるとともに、分解炉9の
パージガスとして高温ダクト22から分解炉9内に導入
され、残りは熱交換器16にて溶融炉燃焼ガスの加熱に
利用された後、そのまま焼却炉1側の排ガスライン20
に戻される。溶融炉10から取り出さたスラグ27は有
害重金属、塩化物などを含まない灰の固化物であり、ま
た、灰の容積が減容したものであるので取り扱いが容易
になる。
【0019】図1では、分解炉9としては外熱式のキル
ンの例を示したが、溶融炉排ガスを高温ダクト21を経
由させて加熱管23に導き、さらにガスあるいは油バー
ナーからなる補助バーナ18で分解炉9内の灰を補助的
に加熱し、分解に必要な温度800〜1100℃を得
る。分解炉9は前記タイプの外熱式キルンに限るもので
はなく、電気加熱式キルン、あるいは必要最小限のガス
あるいは油バーナーで加熱する内熱式のキルンであって
もよい。
【0020】溶融炉10は、灰の穏やかな全体的な加熱
が可能なガスあるいは油バーナーを用いた反射炉などが
用いられるが、電気抵抗炉、あるいはプラズマ炉のよう
な電気方式の溶融炉であっても構わない。分解炉9に導
入するパージガスとして溶融炉排ガスの外に灰の加熱が
十分可能ならば、空気あるいは窒素ガスのような不活性
ガスを用いても良い。
【0021】上記本発明の実施例において、焼却炉1と
して流動床ごみ焼却炉からの飛灰を一定時間加熱し、加
熱後の飛灰の分析値から求めたNa、Pb、Cd、Cl
の揮散率の一例を表1に示す。
【表1】
【0022】CdやPbは1000℃でほぼ定量的にガ
ス側に移行することが分かる。Naも1000℃では5
0%以上がガスに移行する。これらの元素の移動に伴っ
て、Clも900℃から減少を始め、1000℃では大
部分が灰に残っていないことが確認できた。したがっ
て、灰を800〜1200℃、好ましくはこれら有害物
が除去でき、しかも灰が溶融しない温度である900〜
1100℃に加熱することにより、飛灰中のこれらの元
素を灰から除去するという目的が達成できる。なお、灰
の溶融を考えないで塩化物および有害重金属などを揮散
させることだけを考えると1200℃またはそれ以上の
温度に加熱することができる。
【0023】分解炉9中の灰から気化した有害金属、塩
化物などは、このパージガスとともに分解炉9から排出
され、有害金属、塩化物などを除去されたクリーンな灰
が後段の溶融炉10に供給される。分解炉9のパージガ
スは分解炉9専用の排ガス処理装置15を設けて処理す
るが、溶融炉排ガスを処理する場合と比較すると、分解
炉排ガスは溶融炉排ガスより300℃程度低温であり、
排ガス処理装置15の腐食が低減できる。また処理すべ
き排ガス量が比較的少量であるため、処理が容易になる
点もメリットである。この方法で有害元素を除去した灰
を溶融炉10で溶融する場合、溶融炉10の腐食は著し
く低減される。また、溶融炉排ガスの処理のために排ガ
ス処理装置を設置する必要がなく、焼却炉1側の処理系
にそのまま戻しても問題がないとともに、高温排ガスか
らの効率の良い熱回収も可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明では、焼却炉灰中の有害重金属、
塩化物などを予め分解除去することができ、焼却炉灰の
溶融後の排ガス処理系の腐食の低減が可能である。さら
に処理すべき排ガスの量が予め前記有害物を分解除去し
ないで、焼却炉灰の溶融処理する場合の排ガス量より少
ないため、焼却炉の灰処理系をコンパクトなものにする
ことが可能になる。また、溶融処理される灰はクリーン
になっており、溶融炉の腐食や、排ガスによるダクト、
熱交換機のほかの腐食も少なく、溶融炉の安定な運転、
溶融炉排ガスからの効率よい熱回収などを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の焼却炉の灰処理装置の系
統図である。
【図2】 従来技術の焼却炉の灰処理装置の系統図であ
る。
【符号の説明】
1…焼却炉、2、4…ガス冷却塔、3、16…熱交換
器、6…バグフィルタ、8…灰ホッパ、9…分解炉、1
0…溶融炉、15…分解炉排ガス処理装置、18…補助
バーナ、20…排ガスダクト、21、22…高温ダク
ト、23…加熱管、26…灰抜き出しライン、27…ス
ラグ、28…分解炉排ガスライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/64 B01D 53/34 136 A B09B 3/00 ZAB (72)発明者 山本 学 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 藤原 直機 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉から排出する飛灰または焼却灰を
    溶融して固形化処理する溶融炉を備えた焼却炉の灰処理
    装置において、 溶融炉の前段に飛灰または焼却灰を予熱して飛灰または
    焼却灰中の重金属、塩化物を揮散させる間接熱交換器を
    設けたことを特徴とする焼却炉の灰処理装置。
  2. 【請求項2】 間接熱交換器には飛灰または焼却灰が導
    入される分解炉と溶融炉から排出する排ガスを導入して
    飛灰または焼却灰を間接加熱する分解炉加熱管を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の焼却炉の灰処理装置。
  3. 【請求項3】 焼却炉から排出する飛灰または焼却灰を
    溶融して固形化処理する溶融炉を備えた焼却炉の灰処理
    装置において、 溶融炉の前段に焼却灰を予熱して飛灰または焼却灰中の
    重金属、塩化物を揮散させる間接熱交換器を設け、該間
    接熱交換器には溶融炉排ガスの一部をパージガスとして
    導入して飛灰または焼却灰から揮散した重金属、塩化物
    を取り出す分解炉を設けると同時に、溶融炉から排出す
    る溶融炉排ガスの他の一部を導入して飛灰または焼却灰
    を間接加熱する分解炉加熱管を設け、さらに分解炉から
    取り出した揮散重金属、塩化物を処理する分解炉排ガス
    処理装置を設けたことを特徴とする焼却炉の灰処理装
    置。
  4. 【請求項4】 間接熱交換器の分解炉加熱管には補助バ
    ーナを設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の焼却炉の灰処理装置。
  5. 【請求項5】 間接熱交換器で飛灰または焼却灰を80
    0〜1100℃に加熱することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載の焼却炉の灰処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006095383A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 汚染物質浄化装置における分解ガス処理方法及び装置
CN114608326A (zh) * 2022-03-28 2022-06-10 北京一亚高科能源科技有限公司 小型飞灰熔融装置

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