JP4804008B2 - 重金属類含有物質の無害化処理方法とそのシステム - Google Patents

重金属類含有物質の無害化処理方法とそのシステム Download PDF

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Description

本発明は、汚染土壌、焼却灰、飛灰等に含まれる重金属類を無害化する技術であって、特に重金属類を塩化物化した後に加熱により揮散させて無害化する重金属類含有物質の無害化処理方法とそのシステムに関する。
一般廃棄物、産業廃棄物を焼却処理することにより発生する焼却灰、飛灰中には様々な種類の重金属類が含有されている。また、重金属類の処理設備を具備しない焼却設備からは大気、土壌、地下水に重金属類含有物質が漏出する惧れがあり、他にも工場跡地、廃棄物埋立地等の土壌中には環境基準で定められた濃度以上の重金属類が存在していることがある。重金属類は毒性が強いものが多く、環境に悪影響を与えるのみならず生体内に蓄積され害を及ぼす。近年は、焼却灰、飛灰、土壌等に含有される重金属類の環境基準が制定されるなど、重金属類に対する規制が厳しくなる傾向にある。
重金属類を含有する物質を無害化する方法の一つとして、特許文献1(特開2001−132930号公報)には、重金属類を含有する焼却灰を融点以下に保持した焙焼炉にて加熱し、重金属類を揮散させた後に冷却し、分離回収する方法が提案されている。しかし、焼却灰に含まれる重金属類の殆どは酸化物であり、酸化物の形態で存在する重金属類は高沸点化合物であるため除去され難く、処理物に残留してしまうという難点がある。
これを改善した方法として、特許文献2(特開2002−192118号公報)では、図4に示すようにタンク61に貯留された重金属類及び塩素を含有する廃棄物をロータリーキルン60内で加熱処理し、その際に発生する塩素系ガスにより重金属類を塩化物化して重金属類を揮散させる方法を開示している。
また、特許文献3(特開平11−114530号公報)では、まず加熱炉にて焼却灰等に塩素系ガスを供給して重金属類の塩化物化を図り、その後高温炉にて揮発処理を図る方法を開示している。
このように、重金属類含有物質を塩素系ガスの存在下で加熱し、重金属類を低沸点で揮散し易いように塩化物化した後に昇温し、塩化物化した重金属類を揮散させ、冷却、捕集して重金属類を回収する塩化揮散法が重金属類の分離に有効な方法として提案されている。
しかしながら、前記特許文献2では加熱処理により発生した塩素系ガスを焼却灰入口付近の排ガスラインに導き、排ガスの冷却、重金属類の回収を行なっているため、ロータリーキルン内で発生した塩素系ガスと重金属類とが十分に接触せず、重金属類の塩化物化が不十分となり処理物中に重金属類が残留してしまうことがある。また、特許文献3では、加熱炉の昇温に対して燃料消費が大きく、また加熱炉では塩素系ガスと処理物の接触効率が悪く、重金属類が残留してしまうなどの問題点がある。さらに、特許文献4(特開平11−179317号公報)では、前処理として、塩素系ガス源分解による塩素系ガス若しくは焼却炉排ガスを用い、焼却灰等の重金属類を600℃未満で加熱して塩化物化させ、その後600℃〜850℃程度の高温域で加熱処理を行ない重金属類を揮散して分離回収する方法を開示している。しかしこの場合、処理時間が長く温度制御が煩雑で手間がかかるという問題があり、また、焼却炉を具備しない設備には適用できないという問題がある。
特開2001−132930号公報 特開2002−192118号公報 特開平11−114530号公報 特開平11−179317号公報
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、重金属類と塩素系ガスが十分に接触し効率良く重金属類の塩化物化を行なうことができ、重金属類の除去効率を高く維持して処理後の重金属類の残留を最小限に抑えることが可能であり、また、熱エネルギの供給を抑えてコストを削減でき、且つ塩化物化に用いた塩素を含有する排ガスによる処理設備への負荷を軽減することを可能とした重金属類含有物質の無害化処理方法とそのシステムを提供することを目的とする。
そこで、参考発明として重金属類を含有する被処理物を塩素系ガスとともに加熱し、前記重金属類を塩化物化した後に揮散させて分離除去する重金属類含有物質の無害化処理方法において、
前記被処理物を流動化炉に導入し、該流動化炉の炉底から塩素系ガスを吹き込み前記被処理物を流動させながら該被処理物中に含有される重金属類を塩化物化した後、
前記被処理物を500℃〜1200℃に加熱されたロータリーキルンに導入し、前記塩化物化した重金属類を該ロータリーキルン内で揮散分離する技術を提案している。
かかる参考発明によれば、炉底から吹き込んだ塩素系ガスにより被処理物を流動させる流動化炉を用いているため、塩素系ガスと被処理物との接触効率が向上し、重金属類の塩化物化が促進できる。
本発明はかかる課題を解決するために、重金属類を含有する被処理物を塩素系ガスとともに加熱し、前記重金属類を塩化物化した後に揮散させて分離する重金属類分離工程と、該分離した重金属類を含有する排ガスを再燃焼室にて再燃焼した後に冷却し、該冷却した排ガスの集塵を行なう排ガス処理工程と、を含む重金属類含有物質の無害化処理方法において、
前記重金属類分離工程が、前記被処理物を流動化炉に導入し、炉底からの塩素系ガス吹き込みにより前記被処理物を流動させながら前記重金属類を塩化物化した後、該被処理物を加熱炉に導入し、前記塩化物化した重金属類を揮散分離する工程であり、
前記塩素系ガスとして前記冷却より上流側で前記再燃焼した塩素系排ガスの少なくとも一部を抜き出し、該塩素系排ガスを前記流動化炉に導入するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、被処理物を塩素系ガスの導入により流動化させ、重金属類の塩化物化を主体的に行なうことにより、被処理物と塩素系ガスの接触効率が向上し、塩化物化が効率良く行なわれることとなる。また、再燃焼、又は再燃焼後で且つガス冷却前の塩素系排ガスを前記流動化に用いることにより、塩化物化において熱エネルギの投入を皆無若しくは削減することが可能となり、また揮散処理における熱エネルギの投入を削減することができる。これは、再燃焼排ガスの温度が約700〜900℃であることによる。さらに、塩素系排ガスを循環させることにより、その後段に設置される排ガス処理装置の脱塩処理の負荷軽減、及び配管やその他機器の腐食を抑えることができる。
尚、前記塩素系排ガスの冷却とは、空気等の媒体との熱交換による排ガスの冷却、水噴霧等の手段による排ガスの冷却を含む。
さらにまた、重金属類を含有する被処理物を塩素系ガスとともに加熱し、前記重金属類を塩化物化した後に揮散させて分離除去する重金属類含有物質の無害化処理装置において、
炉底に塩素系ガス導入手段を有し、塩素系ガスの導入により前記被処理物を流動させる流動化炉を備え、
該流動化炉の下方空間には前記重金属類を塩化物化する塩化物化域が形成され、上方空間には前記重金属類を揮散分離する揮散処理域が形成されることを特徴とする。
また、これらを好適に実施する装置の発明として、重金属類を含有する被処理物を塩素系ガスとともに加熱し、前記重金属類を塩化物化した後に揮散させて分離除去する重金属類分離装置と、
前記分離した重金属類を含有する排ガスの再燃焼室と、該再燃焼した排ガスを冷却するガス冷却装置と、該冷却した排ガスを集塵する集塵装置と、を含む排ガス処理設備と、を備えた重金属類含有物質の無害化処理システムにおいて、
前記重金属類分離装置が、炉底に塩素系ガス導入手段を有し、塩素系ガスの導入により前記被処理物を流動させながら重金属類を塩化物化する流動化炉と、該塩化物化した重金属類を揮散分離する加熱炉とからなり、
前記塩素系ガスが、前記再燃焼室から引き抜いた塩素系排ガス若しくは該再燃焼室の下流側で且つ前記ガス冷却装置の上流側から引き抜いた塩素系排ガスであることを特徴とする。
前記発明において、例えば被処理物の重金属類の含有量に対して前記塩素系排ガスが不足である場合などには、前記塩素系排ガスとともに、前記加熱炉から排出された塩素系排ガスの少なくとも一部を前記流動化炉に導入することが好適である。また、前記塩素系排ガスとともに、処理系統外から供給する塩素ガス、塩化水素ガス等の塩素系ガスを用いてもよい。
以上記載のごとく本発明によれば、炉底から吹き込んだ塩素系ガスにより被処理物を流動させる流動化炉を用いて塩化物化を行なっているため、塩素系ガスと被処理物との接触効率が向上し、重金属類の塩化物化が促進できる。
さらに、排ガス処理設備において、再燃焼、又は再燃焼後で且つガス冷却前の塩素系排ガスを前記流動化炉に導入して被処理物を流動化させることにより、塩化物化において熱エネルギの投入を皆無若しくは削減することが可能となり、また揮散処理における熱エネルギの投入を削減することができる。さらにまた、塩素系排ガスを循環させることにより、その後段に設置される排ガス処理装置の脱塩処理の負荷軽減、及び配管やその他機器の腐食を抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本参考発明(参考例1)に係る重金属類含有物質の処理装置の構成図、図2は本参考例2に係る重金属類含有物質の処理装置の構成図、図3は本実施例に係る重金属類含有物質の処理装置を具備した灰処理システムの全体構成図である。
本実施例はPb、Zn、As、Cd、Cr、Se、Hg、Sb、Cuなどの重金属類を分離除去する技術であり、被処理物には例えば汚染土壌、焼却灰、飛灰等が挙げられるが、特に本実施例では一例として焼却灰の無害化処理につき説明する。
参考例1)
図1に示した重金属類含有物質の無害化装置は、焼却設備より排出された焼却灰30を無害化処理する装置であり、重金属類を含有する焼却灰30が導入され該焼却灰30を塩素系ガスの存在下で加熱し、重金属類の塩化物化を行なう流動化炉40と、前記塩化物化された重金属類を含む焼却灰30を加熱し、該重金属類を揮散処理する加熱炉10とから構成される。
前記流動化炉40は、底部に塩素系ガス導入口が設けられ、塩素系ガス32を吹き込み焼却灰30を流動させながら還元性雰囲気下で約400〜800℃の温度に加熱し、重金属類の塩化物化を図る。
前記塩素系ガス32としては、例えば塩素ガス、塩化水素ガス、塩素系排ガス等の塩素系ガスが挙げられる。
塩化物化された重金属類を含む焼却灰30は前記加熱炉10に導入され、還元性雰囲気下で焼却灰の融点以下、例えば500℃〜1200℃に加熱され、重金属類を揮散分離する。このとき、該加熱炉10にはロータリーキルンを用いることができる。揮散した重金属類は後段の排ガス処理設備(不図示)に導かれ、重金属類の融点以下に冷却されて分離、回収される。
このように、底部から吹き込んだ塩素系ガス32により焼却灰を流動させる流動化炉40を用いることにより、塩素系ガス32と被処理物との接触効率が向上し、重金属類の塩化物化が促進できる。
参考
参考例に係る重金属類含有物質の無害化処理装置は、図2に示すように、重金属類を含有する焼却灰30が導入され、塩化揮散処理を行なう流動化炉40から構成される。該流動化炉40は、底部から導入した塩素系ガス32により焼却灰30を流動させながら還元性雰囲気下で約400〜800℃に加熱し、焼却灰30中の重金属類を塩化物化する塩化物化域40Aが下方空間に形成され、その上方空間には、塩化物化した重金属類を含む被処理物を還元性雰囲気下で焼却灰30の融点以下、例えば800℃〜1200℃の温度域で加熱し、重金属類を揮散させる揮散処理域40Bが形成されている。
前記揮散処理域40Bで揮散した重金属類は、後段の排ガス処理設備に導かれ、重金属類の融点以下に冷却されて分離、回収される。
本実施例によれば、塩素系ガスと焼却灰30との接触効率が向上し、重金属類の塩化物化が促進できる。また、一基の流動化炉40で塩化物化と揮散処理を行なっているため、装置の小型化、設置コストの低減が達成できる。
図3に示した灰処理システムは、焼却設備より排出された焼却灰、飛灰を無害化処理するシステムであり、焼却灰30の粉砕処理等を行う前処理装置20と、前処理された焼却灰30に適宜細粒炭を混合して塩素系ガスの存在下にて加熱し、重金属類の塩化物化を行なう流動化炉40と、該塩化物化した焼却灰30中に含まれる重金属類を揮散分離するロータリーキルン10と、該ロータリーキルン10より排出される排ガスを処理する排ガス処理設備と、から構成される。
前記排ガス処理設備は、前記流動化炉40及び前記ロータリーキルン10より排出される重金属類を含む排ガスを補助燃料34の供給により燃焼させ、該排ガス中に含まれるダイオキシン類等の分解除去を行なう再燃焼室21と、該再燃焼室21から排出される高温排ガスと燃焼用空気36とを熱交換し、該燃焼用空気36を予熱するとともに前記高温排ガスを冷却する空気予熱器22と、該空気予熱器22により冷却された排ガスを冷却水噴霧等により約250℃以下まで冷却するガス冷却塔25と、冷却された排ガス中の飛灰37を捕集するバグフィルタ26と、該バグフィルタから誘引ファン27により排出された排ガスを外部に排気する煙突28と、を備えている。
前記流動化炉40は、焼却灰30を貯留する耐熱ホッパ41と、前処理した焼却灰30を炉内に供給するコンベア42と、塩化物化した焼却灰30を所定量ずつ排出するバルブ43と、塩素系排ガスを加圧する加圧機45と、該加圧した塩素系排ガスを前記耐熱ホッパ41の底部より導入する噴出ノズルを複数備えた塩素系排ガス噴出口44と、を備えており、400〜800℃に維持されたホッパ内にて前記塩素系排ガス噴出口44から噴出する塩素系排ガスにより焼却灰30を流動しながら該塩素系排ガスと接触させ、焼却灰中に含有する重金属類を塩化物化する。このとき、低沸点の重金属類の一部は揮散分離されて、排ガス中に移行する。
前記ロータリーキルン10は、前記流動化炉40により塩化物化した焼却灰を適宜細粒炭と混合してキルン内に供給する投入ホッパ11と、該焼却灰30を投入ホッパ11から他端側に移送する手段を有する円筒状の炉本体12と、該炉本体12の前記投入ホッパ11と他端側に設けられた灰排出口15と、前記炉本体12の灰排出口15側に設けられたバーナ部13と、を有する構成となっている。ロータリーキルン10内に導入された焼却灰30は、前記灰排出口15に移送されながら、前記バーナ部13が空気33及び補助燃料34の供給により生成した火炎によって約500〜1200℃の温度で焙焼される。このとき、ロータリーキルン10内は、酸素不足状態若しくは無酸素状態の還元性雰囲気とし、焼却灰30が酸化燃焼されないようにする。
前記炉本体12内は、焼却灰30の融点以下、例えばバーナ部13側の温度が1200℃程度となるように、前記空気33及び補助燃料34の供給量を制御する。
本実施例において、前記ロータリーキルン10内では、前記流動化炉40により塩化物化された重金属類がバーナ部13の加熱により揮散分離し、揮散した重金属類はガス中に混入して前記排ガス排出口より排出される。このとき、焼却灰30中に含有される塩素系物質の作用により、塩化物化されずに残留する重金属類の塩化物化も同時に進行する。
尚、前記排ガスに含まれて排出された重金属類は、前記再燃焼室21、空気予熱器22を経てガス冷却塔25に導入され、該ガス冷却塔25にて重金属類の融点以下まで冷却され、析出した重金属類は回収され、再利用又は廃棄される。また、前記炉本体12で無害化された灰は灰冷却装置16にて冷却され、焙焼灰35として排出される。
また、本実施例3では、前記流動化炉40に導入する塩素系ガスを、前記排ガス処理設備の再燃焼室21の直後の排ガスラインから分岐させた塩素系排ガスA、又は前記再燃焼室21から抜き出した塩素系排ガスBとする。前記塩素系排ガスA及び前記塩素系排ガスBは、前記ロータリーキルン10にて焼却灰30が加熱されることにより焼却灰に含有する塩素分が揮発して排ガス中に移行するため、塩素成分を含んでいる。さらに、前記再燃焼室21では、補助燃料34の供給により加熱されているため、ここから排出される前記塩素系排ガスA、Bは700〜900℃の高温状態となっている。従って、該塩素系排ガスA又はBを前記流動化炉40に導入することにより、外部からの熱エネルギの供給を必要とせず、或いは少ない熱エネルギで流動化炉40を加熱することができ、重金属類の塩化物化を行なうことができる。
また、前記塩素系排ガスA又はBは、前記加圧機45により高圧とされ前記塩素系排ガス噴出口44より噴出する構成となっているため、ホッパ底部に溜まった焼却灰30は高圧噴出ガスにより激しく流動、撹拌されて、ガス中の塩素成分と焼却灰中の重金属類との接触効率が非常に高くなり、塩化物化の効率が向上する。
また、本実施例3では、重金属類の揮散処理を行うロータリーキルン10に供給される焼却灰30が、前記流動化炉40により予め加熱されているため、前記ロータリーキルン10に供給する熱エネルギを削減することが可能となる。
このとき、前記焼却灰30中の重金属類の含有量と、焼却灰30中の塩素含有量及び/又は前記塩素系排ガスA、B中の塩素含有量を検出して、この検出値に基づき前記塩素系排ガスA、Bの流動化炉40への供給量を設定すると良い。また、前記塩素系排ガスA、Bの両方を前記流動化炉40へ供給するようにしても良い。
さらに、焼却灰40中の重金属類含有量に対して塩素系排ガスA、Bの塩素分が不足する場合には、前記ロータリーキルン10から排出する塩素系排ガスCを供給しても良いし、又、外部から塩素系ガスを添加するようにしても良い。前記塩素系ガス32としては、例えば塩素ガス、塩化水素ガス等の塩素系ガスが挙げられる。その他に、前記バグフィルタ26より上流側から分岐した塩素系排ガスを供給するようにしても良い。
一方、前記流動化炉40にて発生した排ガスはサイクロン46に導かれ、該サイクロン46にて灰47を分離された排ガスは、前記バグフィルタ26より上流側の排ガスラインに戻す。この排ガス戻し位置は、例えば、前記ロータリーキルン10から排出される排ガスラインD、前記再燃焼室21と前記空気予熱器22の間の排ガスラインE、前記空気予熱器22と前記ガス冷却塔25の間の排ガスラインF、前記ガス冷却塔25と前記バグフィルタ26の間の排ガスラインG等が挙げられる。また、前記分離灰47が発生する場合には、前記焼却灰30とともに再度処理することが好ましい。
このように、本実施例によれば、ロータリーキルン10の前段に流動化炉40を設け、流動化状態で焼却灰と塩素系排ガスを接触させることにより、効率の良い塩化物化が可能となる。また、再燃焼室21より排出される塩素系排ガスA又はBは、700〜900℃と高温であり、流動化炉40を高温状態にすることが可能である。従って、特に流動化炉40を加熱することなく、熱エネルギの供給の削減が可能となる。さらに、塩素系排ガスを循環させることにより、その後段に設置される排ガス処理装置の脱塩処理の負荷軽減、及び配管やその他機器の腐食を抑えることができる。
尚、本実施例3を適用した試験機による試験結果を以下に示す。このとき、流動化炉40に供給する塩素系排ガスとして、前記再燃焼室21から排出される塩素系排ガスAを用いた。Pb含有量が778mg/kgである乾燥灰42.6kgを試験機により処理し、処理後のPb含有量が252mg/kgとなるまで低減させた時に要したHCl量は以下の通りである。処理時間は1時間とする。
(HCl濃度) ×(HCl添加量)÷ (HClモル質量)×(処理時間)
=(1200×10-3[g/l])×(6.6×10-3[l/h])÷(36.461[g/mol]) × 1[h]
=0.000217[mol]
このように、試験機での必要HCl量は0.000217[mol]となる。
さらに、実機を想定した処理装置に必要なHCl量を、試験機による試験結果から比例計算により求める。
(試験機の処理量):(試験機の必要HCl量)=(実機想定処理量):(実機必要HCl量)
0.0426[kg] : 0.000217[mol] = 7750[kg] : X
従って、実機想定HCl量は、39.48[mol]となる。尚、想定した処理装置における処理能力は7.75t/h(186t/d)であり、処理時間は1時間とする。
また、想定した実機より、再燃焼室から一時間当りに排出される塩素系排ガスのHCl濃度は、以下の通りである。
(乾きガス量) ×(HCl濃度) ÷(HClモル質量)×(時間)
=(13200[m3 N/h])×(1500×10-3[g/m3 N])÷(36.461[g/mol])×(1[h])
このように、塩素系排ガスのHCl濃度は543.054[mol]となる。
従って、想定した実機の流動化炉において、再燃焼室から排出される塩素系排ガスを適用し、塩化物化する方法を実施する場合、塩化物化に要する塩素系排ガス量の割合は以下の通りである。
(実機想定必要HCl量)÷(実機想定排出HCl量) ×100
= 39.48[mol] ÷ 543.05[mol] ×100
= 7.3%
乾きガス量;13200[m3 N/h] ×0.073 = 963.6[m3 N/h]
このように本実施例によれば、実機を想定した場合にも十分に実現可能なシステムとすることができる。
参考例1に係る重金属類含有物質の処理装置の構成図である。 参考例2に係る重金属類含有物質の処理装置の構成図である。 本実施例に係る重金属類含有物質の処理装置を具備した灰処理システムの全体構成図である。 従来の重金属類含有物質の処理装置を示す構成図である。
10 ロータリーキルン
12 炉本体
13 バーナ部
16 灰冷却装置
20 前処理装置
21 再燃焼室
22 空気予熱器
25 ガス冷却塔
26 バグフィルタ
30 焼却灰
32 塩素系ガス
35 焙焼灰
40 流動化炉
40A 塩化物化域
40B 揮散処理域
41 耐熱ホッパ
42 コンベア
43 バルブ
44 塩素系排ガス噴出口
45 加圧機
46 サイクロン

Claims (3)

  1. 重金属類を含有する被処理物を塩素系ガスとともに加熱し、前記重金属類を塩化物化した後に揮散させて分離する重金属類分離工程と、該分離した重金属類を含有する排ガスを再燃焼室にて再燃焼した後に冷却し、該冷却した排ガスの集塵を行なう排ガス処理工程と、を含む重金属類含有物質の無害化処理方法において、
    前記重金属類分離工程が、前記被処理物を流動化炉に導入し、炉底からの塩素系ガス吹き込みにより前記被処理物を流動させながら前記重金属類を塩化物化した後、該被処理物を加熱炉に導入し、前記塩化物化した重金属類を揮散分離する工程であり、
    前記塩素系ガスとして前記冷却より上流側で前記再燃焼した塩素系排ガスの少なくとも一部を抜き出し、該塩素系排ガスを前記流動化炉に導入するようにしたことを特徴とする重金属類含有物質の無害化処理方法。
  2. 重金属類を含有する被処理物を塩素系ガスとともに加熱し、前記重金属類を塩化物化した後に揮散させて分離除去する重金属類分離装置と、
    前記分離した重金属類を含有する排ガスの再燃焼室と、該再燃焼した排ガスを冷却するガス冷却装置と、該冷却した排ガスを集塵する集塵装置と、を含む排ガス処理設備と、を備えた重金属類含有物質の無害化処理システムにおいて、
    前記重金属類分離装置が、炉底に塩素系ガス導入手段を有し、塩素系ガスの導入により前記被処理物を流動させながら重金属類を塩化物化する流動化炉と、該塩化物化した重金属類を揮散分離する加熱炉とからなり、
    前記塩素系ガスが、前記再燃焼室から引き抜いた塩素系排ガス若しくは該再燃焼室の下流側で且つ前記ガス冷却装置の上流側から引き抜いた塩素系排ガスであることを特徴とする重金属類含有物質の無害化処理システム。
  3. 前記塩素系排ガスとともに、前記加熱炉から排出された塩素系排ガスの少なくとも一部を前記流動化炉に導入することを特徴とする請求項記載の重金属類含有物質の無害化処理システム。
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