JPH081317B2 - 室内空間を水平方向および垂直方向とも恒温に維持する空調設備 - Google Patents
室内空間を水平方向および垂直方向とも恒温に維持する空調設備Info
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- JPH081317B2 JPH081317B2 JP19441487A JP19441487A JPH081317B2 JP H081317 B2 JPH081317 B2 JP H081317B2 JP 19441487 A JP19441487 A JP 19441487A JP 19441487 A JP19441487 A JP 19441487A JP H081317 B2 JPH081317 B2 JP H081317B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,室内の水平方向と垂直方向とも温度差のな
い空間を形成するための空調設備に係るものであり,例
えば3次元精密測定室のように3次元方向の超恒温室を
形成する空気処理設備に関する。
い空間を形成するための空調設備に係るものであり,例
えば3次元精密測定室のように3次元方向の超恒温室を
形成する空気処理設備に関する。
近年の超精密加工技術の進展によりその測定技術も高
度化し,3次元精密測定機室などの超恒温室が要求される
ようになってきた。これは,室内空間の水平方向の温度
分布はもとより,垂直方向の温度分布にも偏差が極く小
さくなるように(例えば,水平方向での偏差は室内にお
いて設定温度±0.3℃DB以内,垂直方向では設定温度±
0.5℃DB以内でなければならないと言った)設定温度に
恒温に維持されることが必要である。そしてこの恒温状
態は経時変化してはならない。
度化し,3次元精密測定機室などの超恒温室が要求される
ようになってきた。これは,室内空間の水平方向の温度
分布はもとより,垂直方向の温度分布にも偏差が極く小
さくなるように(例えば,水平方向での偏差は室内にお
いて設定温度±0.3℃DB以内,垂直方向では設定温度±
0.5℃DB以内でなければならないと言った)設定温度に
恒温に維持されることが必要である。そしてこの恒温状
態は経時変化してはならない。
かような恒温室では,精密機械や測定機器類が存在し
また作業者が入室しているのが普通であるから,これら
が熱発生源となり室内の温度分布を乱す原因となる。
また作業者が入室しているのが普通であるから,これら
が熱発生源となり室内の温度分布を乱す原因となる。
一般に,このような恒温室を構成するには,天井面か
ら室内全体に一定温度の空気を所定の気流速度でダウン
フローとして供給するのがよい。しかし、この場合に,
所定の気流速度で室内全体に空気を供給する場合に,そ
の吹出空気の温度を天井面の面積内に均一に維持するこ
とは,位置的にも時間変化的にも困難なことである。こ
れは,吹出面の材料温度や気流の乱れによる位置的な温
度変化が生じることと,熱負荷が存在する室内の空気を
還気として利用する場合や温湿度変化をもつ取入れ空気
を給気に変換する場合にその温度変化を経時的に消去す
ることが仲々困難であるからである。
ら室内全体に一定温度の空気を所定の気流速度でダウン
フローとして供給するのがよい。しかし、この場合に,
所定の気流速度で室内全体に空気を供給する場合に,そ
の吹出空気の温度を天井面の面積内に均一に維持するこ
とは,位置的にも時間変化的にも困難なことである。こ
れは,吹出面の材料温度や気流の乱れによる位置的な温
度変化が生じることと,熱負荷が存在する室内の空気を
還気として利用する場合や温湿度変化をもつ取入れ空気
を給気に変換する場合にその温度変化を経時的に消去す
ることが仲々困難であるからである。
本発明は,このような問題を克服し,これまでにない
高度な3次元恒温室を提供することを目的としたもので
ある。
高度な3次元恒温室を提供することを目的としたもので
ある。
本発明は,該目的を達成するための空調設備を提供す
るものであり,その要旨とするところは,室内の上部に
室内水平面積一杯に均一通気抵抗および高熱伝導性を有
する金属製材料からなる気体透過性層を水平方向に張り
渡し,この気体透過性層の上部空間を給気プレナムに形
成し,室外に設置されたフアンフイルタユニットに室内
の還気の少なくとも一部を還気すると共にこのフアンフ
イルタユニットから前記の給気プレナムに給気する空気
路を構成し,室外に設置された空気調和器から前記のフ
アンフイルタユニットは調和空気を供給する調和空気送
気路を構成し,前記還気とこの調和空気との合流点より
下流側におけるフアンフイルタユニット内通路に,熱伝
導と熱容量の大きな材料からなる気体透過性層とフイル
タ層とを配置したことを特徴とするものである。
るものであり,その要旨とするところは,室内の上部に
室内水平面積一杯に均一通気抵抗および高熱伝導性を有
する金属製材料からなる気体透過性層を水平方向に張り
渡し,この気体透過性層の上部空間を給気プレナムに形
成し,室外に設置されたフアンフイルタユニットに室内
の還気の少なくとも一部を還気すると共にこのフアンフ
イルタユニットから前記の給気プレナムに給気する空気
路を構成し,室外に設置された空気調和器から前記のフ
アンフイルタユニットは調和空気を供給する調和空気送
気路を構成し,前記還気とこの調和空気との合流点より
下流側におけるフアンフイルタユニット内通路に,熱伝
導と熱容量の大きな材料からなる気体透過性層とフイル
タ層とを配置したことを特徴とするものである。
すなわち本発明設備においては,天井面に均一通気抵
抗および高熱伝導性を有する金属製材料からなる気体透
過性層を張り渡すことによって,この背後(上部空間)
に給気プレナムを形成し,この給気プレナムでここに供
給される空気の動圧を静圧に変換すると共に,該気体透
過性層(熱の良伝導体である金属材料からなる)の伝熱
特性によって気体透過性層全体の材料温度の均一化を図
かりながら均一吹出気流を形成するようにした点に一つ
の特徴があり,また,熱負荷が存在する室内からなる還
気と調和空気とを合流して給気プレナムに給気すると共
に,この合流点よりも下流側に高熱伝導性を有し且つ熱
容量の大きな材料からなる気体透過性層とフイルタ層を
配することによって,混合気流がもつ温度の位置的な偏
在や時間的な変動を最少とするようにした点に大きな特
徴がある。そして,このために,フアンフイルタユニッ
トと空気調和器とを別途に設置し,還気と調和空気の処
理を前記の目的に沿うように精密な制御を行なえるよう
にしたものである。
抗および高熱伝導性を有する金属製材料からなる気体透
過性層を張り渡すことによって,この背後(上部空間)
に給気プレナムを形成し,この給気プレナムでここに供
給される空気の動圧を静圧に変換すると共に,該気体透
過性層(熱の良伝導体である金属材料からなる)の伝熱
特性によって気体透過性層全体の材料温度の均一化を図
かりながら均一吹出気流を形成するようにした点に一つ
の特徴があり,また,熱負荷が存在する室内からなる還
気と調和空気とを合流して給気プレナムに給気すると共
に,この合流点よりも下流側に高熱伝導性を有し且つ熱
容量の大きな材料からなる気体透過性層とフイルタ層を
配することによって,混合気流がもつ温度の位置的な偏
在や時間的な変動を最少とするようにした点に大きな特
徴がある。そして,このために,フアンフイルタユニッ
トと空気調和器とを別途に設置し,還気と調和空気の処
理を前記の目的に沿うように精密な制御を行なえるよう
にしたものである。
本発明において,恒温室およびフアンフイルタユニッ
トで使用する気体透過性層は,例えばアルミ箔をエキス
パンド状に加工した網状物を積層した層,銅,アルミ,
ステンレス鋼などの細い金属線を編んだ金属繊維の多層
の層などが挙げられ,かような金属製の網状物や繊維の
層は,平面的に同等の密度を有して均一な気流通過抵抗
を有するように構成されたものであるのが好ましい。こ
の金属製の網状物や繊維層は,熱スタビライザーおよび
ダンパーとして機能し,ここを通過する空気の熱を瞬間
的に蓄熱すると共に瞬間的に引き続く空気流に放熱する
ある種のコンデンサーの役割を果たす。したがって,こ
の面を横切って通過しようとする気流の温度に位置的な
偏りがあっても,ここを通過した途端にその位置的な偏
りが軽減するとともに,時間的な温度変化に対してもこ
れを減少するように作用する。なお,室内に配置する気
体透過性層の下流側に,パンチングボードなどを配置す
るとその吹出気流を一層整流化させることができる。ま
た,フアンフイルタユニットに配置する気体透過層は,
恒温層のものと同じ材料を使用することができるが,こ
の場合には,さらに熱容量を上げるために密度を高くし
たもの,或いは熱伝導性が良好であると共に熱容量も高
い別の材料を使用することもできる。これは金属であっ
てもよいし,場合によってはセラミックやガラス繊維等
で構成されてもよい。
トで使用する気体透過性層は,例えばアルミ箔をエキス
パンド状に加工した網状物を積層した層,銅,アルミ,
ステンレス鋼などの細い金属線を編んだ金属繊維の多層
の層などが挙げられ,かような金属製の網状物や繊維の
層は,平面的に同等の密度を有して均一な気流通過抵抗
を有するように構成されたものであるのが好ましい。こ
の金属製の網状物や繊維層は,熱スタビライザーおよび
ダンパーとして機能し,ここを通過する空気の熱を瞬間
的に蓄熱すると共に瞬間的に引き続く空気流に放熱する
ある種のコンデンサーの役割を果たす。したがって,こ
の面を横切って通過しようとする気流の温度に位置的な
偏りがあっても,ここを通過した途端にその位置的な偏
りが軽減するとともに,時間的な温度変化に対してもこ
れを減少するように作用する。なお,室内に配置する気
体透過性層の下流側に,パンチングボードなどを配置す
るとその吹出気流を一層整流化させることができる。ま
た,フアンフイルタユニットに配置する気体透過層は,
恒温層のものと同じ材料を使用することができるが,こ
の場合には,さらに熱容量を上げるために密度を高くし
たもの,或いは熱伝導性が良好であると共に熱容量も高
い別の材料を使用することもできる。これは金属であっ
てもよいし,場合によってはセラミックやガラス繊維等
で構成されてもよい。
本設備において,フアンフイルタユニットから給気プ
レナム内に給気するさいに,給気プレナム内において空
気の吹出方向を上方に向けた複数個の吹出口から給気す
るのが好ましく,また,フアンフイルタユニット内通路
の該気体透過性層の上流側に,該空気調和器からの調和
空気が空気の吹出方向を上流側に向けた吹出口から供給
されるのが好ましい。
レナム内に給気するさいに,給気プレナム内において空
気の吹出方向を上方に向けた複数個の吹出口から給気す
るのが好ましく,また,フアンフイルタユニット内通路
の該気体透過性層の上流側に,該空気調和器からの調和
空気が空気の吹出方向を上流側に向けた吹出口から供給
されるのが好ましい。
以下に図面に示した本発明の実施例について説明す
る。
る。
第1図は本発明設備の一例を全体的に示したもので,1
は3次元恒温室である。この恒温室1は所定の大きさを
もった閉鎖空間であり,例えば精密3次元測定機室であ
る。この恒温室1の天井部近くに,均一通気抵抗および
高熱伝導性を有する金属製材料からなる気体透過性層2
が水平に張り渡されており,この気体透過性層2の直下
にパンチングボード3が平行に張り渡されている。この
気体透過性層2は,先に説明したように,アルミ箔をエ
キスパンド状に加工した網状物を積層した層,或いはこ
れに代えて,銅,アルミ,ステンレス鋼などの細い金属
線を編んだ金属繊維の多層の層等が使用される。また,
該網状物と金属繊維とを組合せた層であってもよい。い
ずれにしても,この気体透過性層2は全体にわたって均
一な気流通過抵抗を有するものであり,したがって,こ
の気体透過性層2より上部の空間4は給気プレナムとし
て機能する閉鎖空間となる。
は3次元恒温室である。この恒温室1は所定の大きさを
もった閉鎖空間であり,例えば精密3次元測定機室であ
る。この恒温室1の天井部近くに,均一通気抵抗および
高熱伝導性を有する金属製材料からなる気体透過性層2
が水平に張り渡されており,この気体透過性層2の直下
にパンチングボード3が平行に張り渡されている。この
気体透過性層2は,先に説明したように,アルミ箔をエ
キスパンド状に加工した網状物を積層した層,或いはこ
れに代えて,銅,アルミ,ステンレス鋼などの細い金属
線を編んだ金属繊維の多層の層等が使用される。また,
該網状物と金属繊維とを組合せた層であってもよい。い
ずれにしても,この気体透過性層2は全体にわたって均
一な気流通過抵抗を有するものであり,したがって,こ
の気体透過性層2より上部の空間4は給気プレナムとし
て機能する閉鎖空間となる。
この給気プレナム4には平面的に所定間隔で配置した
複数個の空気吹出口5から給気が吹き出される。この空
気吹出口5はいずれもその空気吹出方向を上に向けたも
のであり,この複数個の上向き空気吹出口5からの給気
と気体透過性層2の存在によって,給気プレナム4内で
は吹出気流のもつ動圧が静圧に変換されたうえ,恒温室
1内にダウンフローとして供給される。そのさい,気体
透過性層2が既述のように熱スタビライザーとして機能
し,この面を通過しようとする気流の温度に位置的な偏
在があっても,ここを通過した途端にその位置的な偏在
が軽減するとともに,時間的な温度変化に対してもこれ
を減少するように作用する。そして,この気体透過性層
2の気流通過抵抗が均一であれば,気流の整流体として
も機能し,さらにパンチングボードで整流されて,恒温
室1には,位置的な偏在のない均一温度の気流が均等な
吹出速度をもって一様に下降する。この吹出風速として
は,例えば0.1〜0.5m/secの範囲の或る値に設定するこ
とができる。そのさい,気体透過性層2の圧損抵抗を選
定するにあたっては,(吹出面の圧力損失/(給気プレ
ナム4への給気速度による動圧)≧5の関係が維持され
るように選定するのがよいことが実験的に確認された。
複数個の空気吹出口5から給気が吹き出される。この空
気吹出口5はいずれもその空気吹出方向を上に向けたも
のであり,この複数個の上向き空気吹出口5からの給気
と気体透過性層2の存在によって,給気プレナム4内で
は吹出気流のもつ動圧が静圧に変換されたうえ,恒温室
1内にダウンフローとして供給される。そのさい,気体
透過性層2が既述のように熱スタビライザーとして機能
し,この面を通過しようとする気流の温度に位置的な偏
在があっても,ここを通過した途端にその位置的な偏在
が軽減するとともに,時間的な温度変化に対してもこれ
を減少するように作用する。そして,この気体透過性層
2の気流通過抵抗が均一であれば,気流の整流体として
も機能し,さらにパンチングボードで整流されて,恒温
室1には,位置的な偏在のない均一温度の気流が均等な
吹出速度をもって一様に下降する。この吹出風速として
は,例えば0.1〜0.5m/secの範囲の或る値に設定するこ
とができる。そのさい,気体透過性層2の圧損抵抗を選
定するにあたっては,(吹出面の圧力損失/(給気プレ
ナム4への給気速度による動圧)≧5の関係が維持され
るように選定するのがよいことが実験的に確認された。
恒温室1ではこの室の使用によって,照明機器や測定
機器の発生熱や作業員の体温から発生する熱を常時室外
に取り出すために,排熱処理用の排気口6が床面近くに
設けられている。この排気口6は,還気取入口となり,
ここから室外に取り出された還気は還気ダクト7を経て
室外に設置された空調機器に送られる。排気口6を設け
てもこの排気口6に吸い込まれる気流は,気体透過性層
2から吹き出される吹出気流の分布に大きな影響を与え
ることはない。これは,吸い込み気流は排気口6の極近
傍にのみ若干速度の早い気流が存在するが,排気口6か
ら離れるに従ってその気流速度は急激に低下し50〜60cm
も排気口6から離れた場所ではもはや吸込気流なるもの
は実質上存在しなくなるからである。
機器の発生熱や作業員の体温から発生する熱を常時室外
に取り出すために,排熱処理用の排気口6が床面近くに
設けられている。この排気口6は,還気取入口となり,
ここから室外に取り出された還気は還気ダクト7を経て
室外に設置された空調機器に送られる。排気口6を設け
てもこの排気口6に吸い込まれる気流は,気体透過性層
2から吹き出される吹出気流の分布に大きな影響を与え
ることはない。これは,吸い込み気流は排気口6の極近
傍にのみ若干速度の早い気流が存在するが,排気口6か
ら離れるに従ってその気流速度は急激に低下し50〜60cm
も排気口6から離れた場所ではもはや吸込気流なるもの
は実質上存在しなくなるからである。
以上のように気流処理を行なうようにした恒温室1に
おいて,給気プレナム4の各空気吹出口5から設定温度
と設定湿度の空気(好ましくは清浄空気)を経時変化さ
せることなく供給することによって3次元的にも時間的
にも温度差のない恒温室となる。このために本発明設備
では,室外にフアンフイルタユニット8と空気調和器9
を別々に室外に設置し,いずれにも,還気ダクト7から
の還気を取り入れる。
おいて,給気プレナム4の各空気吹出口5から設定温度
と設定湿度の空気(好ましくは清浄空気)を経時変化さ
せることなく供給することによって3次元的にも時間的
にも温度差のない恒温室となる。このために本発明設備
では,室外にフアンフイルタユニット8と空気調和器9
を別々に室外に設置し,いずれにも,還気ダクト7から
の還気を取り入れる。
フアンフイルタユニット8は,ケーシング9内に一次
フイルタ10,中性能フイルタ11およびフアン12を収納し
たユニットであるが,本発明においては,このフアンフ
イルタユニット8に前記の還気の一部を還気分岐ダクト
13によって導入すると共に,空気調和器9によって調温
調湿されて調和空気を導入し,この還気と調和空気とを
ミキシングしたうえで,中性能フイルタ11で浄化したあ
とフアン12の稼働によって給気ダクト14を経て前記の給
気プレナム4の空気吹出口5に給気する。
フイルタ10,中性能フイルタ11およびフアン12を収納し
たユニットであるが,本発明においては,このフアンフ
イルタユニット8に前記の還気の一部を還気分岐ダクト
13によって導入すると共に,空気調和器9によって調温
調湿されて調和空気を導入し,この還気と調和空気とを
ミキシングしたうえで,中性能フイルタ11で浄化したあ
とフアン12の稼働によって給気ダクト14を経て前記の給
気プレナム4の空気吹出口5に給気する。
この還気と調和空気とのミキシングのさいに,ミキシ
ングされた気流は,還気の温度が室内の発生負荷の程度
によって変化することは避けられないので,時間的な温
度変動を起こし,また互いに温度差のある空気をミキシ
ングするさいにそのミキシングの仕方によっては気流の
温度に位置的な偏在を発生させる。これを防止する手段
として,本発明設備では,フアンフイルタユニット8内
における還気と調和空気との合流点より下流側に,熱ス
タビライザー15を配置する。そして,還気と調和空気の
合流は,この熱スタビライザー15の上流側のユニット内
通路に調和空気吹出口16を配置することによって行な
う。
ングされた気流は,還気の温度が室内の発生負荷の程度
によって変化することは避けられないので,時間的な温
度変動を起こし,また互いに温度差のある空気をミキシ
ングするさいにそのミキシングの仕方によっては気流の
温度に位置的な偏在を発生させる。これを防止する手段
として,本発明設備では,フアンフイルタユニット8内
における還気と調和空気との合流点より下流側に,熱ス
タビライザー15を配置する。そして,還気と調和空気の
合流は,この熱スタビライザー15の上流側のユニット内
通路に調和空気吹出口16を配置することによって行な
う。
熱スタビライザー15は,恒温室1に配置した気体透過
性層2と同様に金属製材料からなる気体透過性層を使用
することができる。しかしこの場合には時間的な気流の
温度変化を減少させることを主にするので,蓄熱容量の
大きな材料のものを使用するのがよい。金属の網状物や
繊維の層によってもその層厚と嵩密度の調整によってこ
の目的が十分に達成できるが,場合によってはセラミッ
クス多孔体やガラス繊維を使用することもできる。そし
て,この熱スタビライザー15の下流側に中性能或いは高
性能フイルタ11を配置することによって,熱スタビライ
ザー15とフイルタ11がダンパーの役割を果たし,調和空
気の吹出流がもつ動圧が緩和される。そして,この熱ス
タビライザー15の上流側空間に配置する調和空気吹出口
16は,好ましくはその空気吹出方向を還気の流れと逆行
する方向,つまりユニット内の気流の流れ方向に対して
上流側に向かう方向とする。この調和空気吹出口16の具
体的例については後述の第3図で説明する。
性層2と同様に金属製材料からなる気体透過性層を使用
することができる。しかしこの場合には時間的な気流の
温度変化を減少させることを主にするので,蓄熱容量の
大きな材料のものを使用するのがよい。金属の網状物や
繊維の層によってもその層厚と嵩密度の調整によってこ
の目的が十分に達成できるが,場合によってはセラミッ
クス多孔体やガラス繊維を使用することもできる。そし
て,この熱スタビライザー15の下流側に中性能或いは高
性能フイルタ11を配置することによって,熱スタビライ
ザー15とフイルタ11がダンパーの役割を果たし,調和空
気の吹出流がもつ動圧が緩和される。そして,この熱ス
タビライザー15の上流側空間に配置する調和空気吹出口
16は,好ましくはその空気吹出方向を還気の流れと逆行
する方向,つまりユニット内の気流の流れ方向に対して
上流側に向かう方向とする。この調和空気吹出口16の具
体的例については後述の第3図で説明する。
このフアンフイルタユニット8内の調和空気吹出口16
には,別途に設置した空気調和器9から調和空気を供給
する。この空気調和器9は,ケーシング18内に,冷水が
その中を通水する冷却コイル19,電気ヒータ20,加湿器2
1,フアン22が収納されている。加湿器21にはスチーム源
23からスチームが供給され,これが通気気流に噴霧され
る。この空気調和器9に取り入れる空気は,恒温室1の
還気の一部と,外気処理用空気調和器25からの調温空気
からなり,これが,冷却コイル19,電気ヒータ20および
加湿器21を通過することによって設定温度および設定湿
度に調節されたあと,その全てが前記のフアンフイルタ
ユニット8に送気される。
には,別途に設置した空気調和器9から調和空気を供給
する。この空気調和器9は,ケーシング18内に,冷水が
その中を通水する冷却コイル19,電気ヒータ20,加湿器2
1,フアン22が収納されている。加湿器21にはスチーム源
23からスチームが供給され,これが通気気流に噴霧され
る。この空気調和器9に取り入れる空気は,恒温室1の
還気の一部と,外気処理用空気調和器25からの調温空気
からなり,これが,冷却コイル19,電気ヒータ20および
加湿器21を通過することによって設定温度および設定湿
度に調節されたあと,その全てが前記のフアンフイルタ
ユニット8に送気される。
外気処理用空気調和器25は,恒温室1が存在する建物
に外気を取り入れるのに共用される外調器であり,フイ
ルタ26,加熱コイル27,冷却コイル28およびフアン29を内
装している。この空気調和器25には外気が取り入れら
れ,除塵と所定の温度に調節したあと,建物内の各所に
供給されるが,その調温外気の送気ダクト30から分岐ダ
クト31を採り,これを前記の空気調和器9の取入れ側に
接続して,その一部を空気調和器9に供給する。
に外気を取り入れるのに共用される外調器であり,フイ
ルタ26,加熱コイル27,冷却コイル28およびフアン29を内
装している。この空気調和器25には外気が取り入れら
れ,除塵と所定の温度に調節したあと,建物内の各所に
供給されるが,その調温外気の送気ダクト30から分岐ダ
クト31を採り,これを前記の空気調和器9の取入れ側に
接続して,その一部を空気調和器9に供給する。
破線33で示す範囲の機器は,その建物に設置された熱
源機器類であり,34は温水ボイラ,35は冷水クッションタ
ンク,36はチリングユニット(冷凍機),37は冷却塔であ
る。このような熱源機器は外気処理用空気調和器25およ
びそのほかの空気調和器にも利用されが,本発明設備で
はこの熱源機器のうち,冷水クッションタンク35内の冷
水を共用し,これを恒温室1用の空気調和器9の冷却コ
イル19に供給している。
源機器類であり,34は温水ボイラ,35は冷水クッションタ
ンク,36はチリングユニット(冷凍機),37は冷却塔であ
る。このような熱源機器は外気処理用空気調和器25およ
びそのほかの空気調和器にも利用されが,本発明設備で
はこの熱源機器のうち,冷水クッションタンク35内の冷
水を共用し,これを恒温室1用の空気調和器9の冷却コ
イル19に供給している。
第2図は,恒温室1の上部に水平方向に張り渡たす気
体透過性層2の詳細を示したものである。図示の例で
は,開口率が20%のパンチングボード3の上に,アルミ
箔をエキスパンドメタル状(ラス網状)に加工したもの
を数枚重ね合わせてなる厚み20mmの気体透過性層2を,
積層したものである。40はアルミ製のTバーであり,こ
のTバー40を格子状に張り渡してフレームを構成し,こ
のフレームにパンチングボード3をパッキン40を介して
装着し,シール42を隙間に埋めてある。そしてこのパン
チングボード3の全表面に該気体透過性層2を同面積で
セットしたものである。
体透過性層2の詳細を示したものである。図示の例で
は,開口率が20%のパンチングボード3の上に,アルミ
箔をエキスパンドメタル状(ラス網状)に加工したもの
を数枚重ね合わせてなる厚み20mmの気体透過性層2を,
積層したものである。40はアルミ製のTバーであり,こ
のTバー40を格子状に張り渡してフレームを構成し,こ
のフレームにパンチングボード3をパッキン40を介して
装着し,シール42を隙間に埋めてある。そしてこのパン
チングボード3の全表面に該気体透過性層2を同面積で
セットしたものである。
この構成により,給気プレナム4内の空気が気体透過
性層2を通過するさいに,その通過前の気流の温度が仮
に位置的に異なっていても,気体透過性層2の良好な熱
伝導性の故に,気体透過性層2は同一温度に維持されよ
うとするから,この気体透過性層2を通過した気流は,
すぐに位置的には偏在しない同一温度の気流となる。そ
して,パンチングボード3の存在によってさらに整流性
が向上し,良好な整流を維持したダウンフローがどの位
置でも同じ温度を保って室内に供給される。
性層2を通過するさいに,その通過前の気流の温度が仮
に位置的に異なっていても,気体透過性層2の良好な熱
伝導性の故に,気体透過性層2は同一温度に維持されよ
うとするから,この気体透過性層2を通過した気流は,
すぐに位置的には偏在しない同一温度の気流となる。そ
して,パンチングボード3の存在によってさらに整流性
が向上し,良好な整流を維持したダウンフローがどの位
置でも同じ温度を保って室内に供給される。
第3図は,フアンフイルタユニット8内における調和
空気吹出口16の例を示したものであり,円筒形の風道44
の壁面に垂直なスリット状の吹出口45を取りつけた構造
を示す。図示の例では,風道44はフアンフイルタユニッ
ト8の熱スタビライザー15の上流側ユニット内空間に垂
直に2本設置され,各風道44には,空気吹出方向が上流
側に対してやや斜めにして2個のスリット状の吹出口45
が設けてある。この構造により,既述の空気調和器9か
ら供給される調和空気は,各スリット状の吹出口45か
ら,還気の流れに対向する方向にやや斜め方向に上下方
向に延びる膜流状に吹き出されるので,還気の流れと全
断面的に向かい合うことになり,全断面的に均一なミキ
シングを行なうことができる。したがって,局部的なミ
キシングによる気流の温度の位置的な偏在をこの調和空
気吹出口16の使用によって軽減できると共に調和空気の
動圧も静圧に変換され,そして,この下流側に存在する
熱スタビライザー15による既述のコンデンサー作用と均
熱化作用によって時間的な気流温度の変動も軽減するこ
とができる。
空気吹出口16の例を示したものであり,円筒形の風道44
の壁面に垂直なスリット状の吹出口45を取りつけた構造
を示す。図示の例では,風道44はフアンフイルタユニッ
ト8の熱スタビライザー15の上流側ユニット内空間に垂
直に2本設置され,各風道44には,空気吹出方向が上流
側に対してやや斜めにして2個のスリット状の吹出口45
が設けてある。この構造により,既述の空気調和器9か
ら供給される調和空気は,各スリット状の吹出口45か
ら,還気の流れに対向する方向にやや斜め方向に上下方
向に延びる膜流状に吹き出されるので,還気の流れと全
断面的に向かい合うことになり,全断面的に均一なミキ
シングを行なうことができる。したがって,局部的なミ
キシングによる気流の温度の位置的な偏在をこの調和空
気吹出口16の使用によって軽減できると共に調和空気の
動圧も静圧に変換され,そして,この下流側に存在する
熱スタビライザー15による既述のコンデンサー作用と均
熱化作用によって時間的な気流温度の変動も軽減するこ
とができる。
以上のようにして,本発明によると,恒温室1には,
水平方向に温度差のない気流が一様に整流となって下降
し,また,その下降気流は時間的にも温度変化が少なく
なるので,水平方向にも垂直方向にも温度差のない恒温
の状態が維持され,3次元恒温室が形成される。したがっ
て,従来のものでは達成できなかったような均一温度の
室内空間が形成され,近年の超精密加工技術における高
度な測定精度を要求される3次元精密測定室等に対して
本発明設備は大きな威力を発揮する。
水平方向に温度差のない気流が一様に整流となって下降
し,また,その下降気流は時間的にも温度変化が少なく
なるので,水平方向にも垂直方向にも温度差のない恒温
の状態が維持され,3次元恒温室が形成される。したがっ
て,従来のものでは達成できなかったような均一温度の
室内空間が形成され,近年の超精密加工技術における高
度な測定精度を要求される3次元精密測定室等に対して
本発明設備は大きな威力を発揮する。
第1図は本発明の空調設備の機器の配置を示す全体機器
配置系統図,第2図は本発明に従う恒温室の気体透過性
層の詳細を示す部分断面図,第3図は本発明に従うフア
ンフイルタユニットへの調和空気吹出口の詳細を示す透
視斜視図である。 1……恒温室,2……均一通気抵抗および高熱伝導性を有
する金属製材料からなる気体透過層,3……パンチングボ
ード,4……給気プレナム,5……空気吹出口,6……排気
口,7……還気ダクト,8……フアンフイルタユニット,9…
…空気調和器,11……中高性能フイルタ,12……フアン,1
5……熱スタビライザー(熱伝導と熱容量の大きな材料
からなる気体透過性層),16……調和空気吹出口,19……
冷却コイル,20……電気ヒーター,25……外気処理用空気
調和器。
配置系統図,第2図は本発明に従う恒温室の気体透過性
層の詳細を示す部分断面図,第3図は本発明に従うフア
ンフイルタユニットへの調和空気吹出口の詳細を示す透
視斜視図である。 1……恒温室,2……均一通気抵抗および高熱伝導性を有
する金属製材料からなる気体透過層,3……パンチングボ
ード,4……給気プレナム,5……空気吹出口,6……排気
口,7……還気ダクト,8……フアンフイルタユニット,9…
…空気調和器,11……中高性能フイルタ,12……フアン,1
5……熱スタビライザー(熱伝導と熱容量の大きな材料
からなる気体透過性層),16……調和空気吹出口,19……
冷却コイル,20……電気ヒーター,25……外気処理用空気
調和器。
Claims (5)
- 【請求項1】室内の上部に室内水平面積一杯に均一通気
抵抗および高熱伝導性を有する金属製材料からなる気体
透過性層を水平方向に張り渡し, この気体透過性層の上部空間を給気プレナムに形成し, 室外に設置されたフアンフイルタユニットに室内の還気
の少なくとも一部を還気すると共にこのフアンフイルタ
ユニットから前記の給気プレナムに給気する空気路を構
成し, 室外に設置された空気調和器から前記のフアンフイルタ
ユニットに調和空気を供給する調和空気送気路を構成
し, 前記還気とこの調和空気との合流点より下流側における
フアンフイルタユニット内通路に,熱伝導と熱容量の大
きな材料からなる気体透過性層とフイルタ層とを配置し
てなる, 室内空間を水平方向および垂直方向とも恒温に維持する
空調設備。 - 【請求項2】フアンフイルタユニットからの給気が給気
プレナム内に,空気の吹出方向を上方に向けた複数個の
吹出口から給気される特許請求の範囲第1項記載の空調
設備。 - 【請求項3】フアンフイルタユニット内通路の該気体透
過性層の上流側に,該空気調和器からの調和空気が空気
の吹出方向を上流側に向けた吹出口から供給される特許
請求の範囲第1項または第2項記載の空調設備。 - 【請求項4】室内の還気の他部が前記の空気調和器に供
給される特許請求の範囲第1項,第2項または第3項記
載の空調設備。 - 【請求項5】該空気調和器には,別の空気調和器で調温
された空気が供給される特許請求の範囲第1項,第2
項,第3項または第4項記載の空調設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19441487A JPH081317B2 (ja) | 1987-08-05 | 1987-08-05 | 室内空間を水平方向および垂直方向とも恒温に維持する空調設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19441487A JPH081317B2 (ja) | 1987-08-05 | 1987-08-05 | 室内空間を水平方向および垂直方向とも恒温に維持する空調設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6438536A JPS6438536A (en) | 1989-02-08 |
JPH081317B2 true JPH081317B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=16324207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19441487A Expired - Fee Related JPH081317B2 (ja) | 1987-08-05 | 1987-08-05 | 室内空間を水平方向および垂直方向とも恒温に維持する空調設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH081317B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6258250B2 (ja) * | 2015-04-20 | 2018-01-10 | 株式会社日本製鋼所 | 加熱シリンダのカバー |
-
1987
- 1987-08-05 JP JP19441487A patent/JPH081317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6438536A (en) | 1989-02-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |