JPH08130508A - 光伝送システム、双方向光伝送システム、光多重伝送システム、空間光伝送システム、および空間光多重伝送システム - Google Patents

光伝送システム、双方向光伝送システム、光多重伝送システム、空間光伝送システム、および空間光多重伝送システム

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JPH08130508A
JPH08130508A JP6266765A JP26676594A JPH08130508A JP H08130508 A JPH08130508 A JP H08130508A JP 6266765 A JP6266765 A JP 6266765A JP 26676594 A JP26676594 A JP 26676594A JP H08130508 A JPH08130508 A JP H08130508A
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JP
Japan
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light
wavelength
transmission system
light receiving
optical
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Application number
JP6266765A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takahashi
高橋  健
Tsunehiro Unno
恒弘 海野
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】膨大な潜在需要が見込まれる建屋内及び室内設
置の機器間あるいは機器内等における光通信手段とし
て、安価、簡便でかつ高信頼な近距離光伝送システムを
提供する。 【構成】受光素子3a、3bに、狭い波長範囲にのみ感
度を有する受光素子(単一波長受光素子)を使う。一方
の地点Aに波長λ1 の光を放射するLD1aと、感度波
長がλ2 の単一波長受光素子3bとを設ける。他方の地
点BにLD1aの光を受光する感度波長がλ1 の単一波
長受光素子3aと、波長λ2 の光を放射するLD1bと
を設ける。両地点A、B間を1本の光ファイバ2でつな
ぎ、A側、B側でそれぞれ光ファイバ2を分岐して各L
D1a、受光素子3b、およびLD1b、受光素子3a
と結合する。光ファイバ2の分岐は、分波器を使用せ
ず、ファイバの融着接続による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光伝送システム、双方向
光伝送システム、光多重伝送システム、空間光伝送シス
テム、および空間光多重伝送システムに係り、特に単一
波長受光素子を用いたものに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザダイオード(LD)や発光ダイオ
ード(LED)等の発光素子と、受光素子とを用いた光
伝送システムは、海底光ファイバケーブルを介した遠距
離光通信から、機器間や機器内における近距離光通信に
至る非常に広範な分野で利用されている。特に後者にお
いては、近年のOA機器等の普及拡大に伴い、潜在需要
が急速に高まりつつある。このような状況下、高信頼で
かつ簡易、廉価な近距離光伝送システムの実現が切望さ
れている。
【0003】光伝送システムを構成する主要部品として
は、発光素子と受光素子が挙げられる。発光素子では、
AlGaAsやInGaAsP等のIII −V族化合物半
導体を構成材料としたものが実用化されており、その発
光ピーク波長は、光電変換を担う半導体結晶層のバンド
ギャップエネルギーに対応する。この光電変換層のバン
ドギャップエネルギーを変化させることにより目的にあ
った発光ピーク波長を得ることができる。また、これら
の発光素子の発光スペクトルはピーク波長を中心にLD
で数nm、LEDで50nm程度と狭い波長範囲に分布する
ため基本的に単色光とみなせる。
【0004】一方、受光素子は半導体のpn接合または
pin構造からなる固体受光素子が多く用いられ、Al
GaAs系発光素子に対してはSi系受光素子が、In
GaAsP系発光素子に対してはInP及びその混晶系
受光素子が使用されている。これらの受光素子は光電変
換層のバンドギャップエネルギーよりも高エネルギーの
光に対して感度を有する。例えば、最も多く使用されて
いるSi系受光素子は、ほぼ350nm〜1000nmの広
い波長範囲に感度を有している。
【0005】一般に光伝送システムは、発光素子と受光
素子の一組を最小単位として構成される。この最小単位
において受光素子は、発光素子の発光波長範囲にのみ感
度があればよいわけであるが、前述したように現在使用
されている受光素子は、発光素子の発光波長範囲を含む
非常に広い波長範囲に感度を有している。このため、対
応する発光素子以外からの光が入射した場合に、その光
に対しても受光素子が反応し、雑音が発生する危険性が
非常に大きくなっている。これは光伝送システムの高信
頼化を図る上で大きな障害であり、この問題に対する種
々の対策が施されている。
【0006】図9はLDと受光素子との組合わせによる
従来の双方向伝送システムの概念図を示すものである。
これは上がり、下りの電気信号を発光波長の異なるLD
1a、LD1bでそれぞれ波長がλ1 、λ2 の光信号に
変換し、一本の光ファイバ2により両方向から通信する
ものである。ここでは、λ1 →(受信1)、λ2 →(受
信2)というように、所望の波長光λ1 、λ2 のみがそ
れぞれの受光素子3a、3bに導かれるようにするため
に、分波器4が2個使用され、(送信1)から送られた
λ1 の光信号が(受信2)の受光素子3bや、(送信
2)から送られたλ2 の光信号が(受信1)の受光素子
3aに導かれるのを防ぐようにしてある。図10は同じ
くLD1a、LD1b…と、受光素子3a、3b…との
組合わせによる従来の波長分割多重伝送システムの概念
図を示すものである。これは信号(S1〜SN)を複数
の波長(λ1 〜λN )に振り分け、これらの波長光を合
波器5で合成した後、一本の光ファイバ2で一括して受
信側へ導くものである。受信側に置かれた受光素子3
a、3b…には波長選択の機能がないため、前段に設け
た分波器4により再び各波長成分に分波し、対応する受
光素子に導いている。図11はLEDと受光素子との組
合わせによる空間光伝送システムの概念図を示すもので
ある。これはLED6で光に変換された信号が空間(空
気中)を伝播して受光素子3に達し、ここで再び電気信
号に変換されるものである。ここでは、室内光等の受光
素子3への入射による雑音の発生を抑えるため、可視光
カットフィルタ7が受光素子3の前段に設けられてい
る。
【0007】また、機器内のプリント基板間等における
信号伝達では電気信号をそのまま多心の電線を介して伝
送する方法が採られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の双方向伝送ある
いは波長分割多重伝送システムでは、受光素子に所望の
波長光のみを導くための分波器が不可欠であった。この
分波器は高精度に加工された回折格子、フィルタ等で構
成されるもので、半導体素子に代表される量産技術の適
用が困難なため価格が高く、またシステムへ実装する際
も微妙な光軸合せ等が必要であり、結果として光伝送系
の低価格化を阻害するものであった。
【0009】また、従来の空間光伝送システムでは、室
内光等が受光素子に入射するのを防ぐカットフィルタが
不可欠であった。このカットフィルタは透過波長域の光
についてもそのエネルギー損失が大きく、このフィルタ
を設けることにより、受光素子に入射する光のエネルギ
ーが極端に低下してしまう。このため伝送距離が長くで
きず、ごく限られた近距離通信にしか適用できないとい
う問題があった。
【0010】更に、機器内のプリント基板間等の通信で
は、電気信号をそのまま多心の電線を介して伝送する方
法が採られていて、配線を引き回すためのスペースを確
保する必要性から小型化が困難であった。また電磁誘導
による雑音対策が必要であると同時に、伝送容量を増や
すことが難しかった。
【0011】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、安価、簡便でかつ高信頼な近距離光伝送シス
テムを実現できる光伝送システムを提供することにあ
る。また、本発明の目的は、高価で実装作業が煩雑な分
波器を不要とし、安価で高信頼な双方向光伝送システム
及び波長分割多重伝送システムを提供することにある。
また、本発明の目的は、光損失の大きなカットフィルタ
を不要とし、伝送距離が長く、高信頼かつ安価な空間光
伝送システムを提供することにある。更に、本発明の目
的は、従来は不可能であった空間光伝送方式による波長
分割多重伝送システムを可能とし、省スペースで、低雑
音かつ大容量の空間光多重伝送システムを提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、光伝送
システムにおいて、その受信側に受光素子自体に波長選
択機能を有する単一波長受光素子を設けたことにあり、
それによってシステムの大幅なコスト低減と、簡便化、
高信頼化及び伝送距離の延長を可能としたものであり、
更に空間光伝送方式による波長分割多重伝送システムの
実現を可能としたものである。
【0013】すなわち、本発明の光伝送システムは、受
信側に単一波長受光素子設け、送信側にこの単一波長受
光素子の感度波長範囲の光を放射する発光素子を設けた
ものである。
【0014】また、本発明の双方向光伝送システムは、
一方の地点に波長λ1 の光を放射する発光素子と、上記
波長λ1 と異なる波長λ2 の光を感度波長範囲の光とす
る単一波長受光素子とを設け、他方の地点に波長λ1
光を感度波長範囲の光とする単一波長受光素子と、波長
λ2 の光を放射する発光素子とを設け、両地点間の光の
送受信を1本の光ファイバを介して行うものである。
【0015】また、本発明の光多重伝送システムは、受
信側に感度波長範囲が異なる複数の単一波長受光素子を
設け、送信側にこれらの受光素子それぞれの感度波長範
囲の光を放射する複数の発光素子を設け、受信側の受光
素子と送信側の発光素子間の光の送受信を1本の光ファ
イバを介して行うものである。
【0016】また、本発明の空間光伝送システムは、受
信側に単一波長受光素子を設け、送信側にこの受光素子
の感度波長範囲の光を放射する発光素子を設け、受信側
の受光素子と送信側の発光素子との間の光の送受信を空
間を介して行うものである。また、本発明の空間光多重
伝送システムは、受信側に感度波長範囲が異なる複数の
単一波長受光素子を設け、送信側にこれらの受光素子の
それぞれの感度波長範囲の光を放射する複数の発光素子
を設け、受信側の受光素子と送信側の発光素子との間の
光の送受信を空間を介して行うものである。
【0017】
【作用】本発明の目的は、前述したように、膨大な潜在
需要が見込まれる建屋内及び室内設置の機器間あるいは
機器内等における光通信手段として、安価、簡便でかつ
高信頼な近距離光伝送システムを提供することにある。
このためには、システムを構成する主要部品のコストを
考慮する必要がある。先ず発光素子であるが、これは現
在最も普及しているAlGaAs系発光素子が適してい
る。例えば、AlGaAs系LDは、コンパクトディス
クの読み取り用光源や光プリンタの記録用光源として大
量に生産されている。また、AlGaAs系LEDにつ
いても、ディスプレイ用やリモコン用としてLD以上に
大量に普及している。これらの素子は発光ピーク波長の
制御が容易で、かつ量産技術が確立しており、高信頼の
素子が安価に入手できる。
【0018】単一波長受光素子についても、やはりAl
GaAs系が適している。AlGaAs系単一波長受光
素子は、感度波長範囲の制御が容易であり、所望波長以
外の光が素子に入射した際の雑音の発生が、−20dB以
下と極めて低雑音の素子が実現されている。また、Al
GaAs系発光素子とほぼ同一の製造技術が適用できる
ため、量産効果により安価な素子が入手可能である。A
lGaAs系発光素子と受光素子の組合わせによる光伝
送系では、ほぼ640nm〜880nmの範囲で任意の波長
光が通信に利用できる。
【0019】光信号の伝送媒体としては空気及び光ファ
イバが考えられる。光源としてLDを用いる場合は石英
系光ファイバが適している。石英系の光ファイバとして
は、現在最も広く普及し、かつコストの安価なグレイデ
ッドインデックス型のマルチモードファイバが適してい
る。このファイバをAlGaAs系受発光素子による光
伝送系に適用した場合、ファイバでの伝送損失を考慮し
ても中継なしで1km程度までの伝送距離が確保できる。
また、100m程度までの短距離通信には石英製ファイ
バよりも更に安価で敷設も容易なプラスチック製光ファ
イバが適用できる。このファイバはコアがφ1mm程度と
太いため、LEDとの結合特性も優れており、これを光
源とした伝送システムの構築が可能である。
【0020】空間光伝送系の光源としては放射光の指向
性が少ないLEDが適している。また室内の機器間等の
通信に用いる場合の波長領域としては800nm以上が良
い。この波長域は、蛍光灯等の光には殆ど含まれていな
いため、単一波長受光素子での雑音発生が抑えられる。
一方、機器内等外部の光が入り込まないような環境で
は、通信波長を前述した640nm〜880nmの間で自由
に選べる。この場合、従来は不可能であった空間光伝送
方式による波長分割多重伝送システムが可能となる。こ
れをプリント基板間等の通信に適用すれば、安価で省ス
ペース、かつ電磁誘導等の影響を受けない低雑音な伝送
システムが可能となる。また、LED及び受光素子の遮
断周波数は50MHz程度まで容易に高めることがで
き、大容量伝送が実現できる。
【0021】以上、AlGaAs系の発光素子及び受光
素子を用いた場合の光伝送システムについて述べたが、
他の材料系の素子を用いることにより、利用波長範囲を
拡大することができる。例えば、880nmよりも長波長
側については、発光素子としてInGaAsP系の素子
を、単一波長受光素子としてInGaAsP系やSiG
e系の素子を用いることにより、1600nm程度まで拡
張できる。また、650nmよりも短波長側については発
光素子、単一波長受光素子として、InGaAlP系、
AlGaN系の素子を用いることにより、350nm程度
まで拡張できる。
【0022】
【実施例】本実施例による光伝送システムを説明する前
に、先ず単一波長受光素子について説明する。
【0023】図8(a)は本実施例に用いたAlGaA
s系単一波長受光素子の代表的な構造を示すものであ
る。この受光素子は、n型AlGaAs基板8上に、n
型AlGaAs障壁層9、p型AlGaAs活性層1
0、p型AlGaAs障壁層11、p型AlGaAs電
極コンタクト層12をこの順にエピタキシャル成長させ
てエピタキシャルウェハを形成し、このエピタキシャル
ウェハのエピタキシャル層側の表面にアノード電極13
を、これと反対側の表面にカソード電極14をそれぞれ
形成した構造である。p型AlGaAs電極コンタクト
層12のアノード電極13で被覆されている部分以外の
表面及び、pn接合のメサ分離溝15の側面は保護膜と
して酸化シリコン膜16が形成されている。また、光の
入射側であるn型AlGaAs基板8の表面には反射防
止膜としてシリコンナイトライド膜17が形成されてい
る。
【0024】図8(b)は単一波長受光素子のエネルギ
ーバンド構造を示すものである。この図に示すようにA
lAs混晶比は、障壁層9、11が最も高く、続いて基
板8、活性層10の順となっている。AlGaAsはA
lAs混晶比を変えることによりバンドギャップエネル
ギーを制御することができる。単一波長受光素子では、
基板、活性層、障壁層のバンドギャップエネルギーを制
御することにより、感度波長範囲及び感度波長幅を変え
ることができる。
【0025】次に同図を用いて動作を簡単に説明する。
受光素子に光Lが入射すると、n型AlGaAs基板8
のバンドギャップエネルギーよりも大きなエネルギーの
光は、AlGaAs基板8で吸収され電子と正孔にな
る。しかし、正孔はn型障壁層9のヘテロ障壁18によ
り障壁層9側へ拡散できずAlGaAs基板8内で再結
合する。AlGaAs基板8のバンドギャップエネルギ
ーよりも小さなエネルギーの光は、AlGaAs基板8
を透過し、更にn型AlGaAs障壁層9も透過して活
性層10へ到達する。活性層10へ達した光の中で、活
性層10のバンドギャップエネルギーより高いエネルギ
ーの光は、活性層10内で吸収され電子−正孔対を発生
させる。活性層10のバンドギャップエネルギーより低
いエネルギーの光は、活性層10、障壁層11を透過し
電極コンタクト層12へ達しここで吸収されて電子と正
孔が励起されるが、電子はヘテロ障壁18により障壁層
11側へ拡散できずこの層内で再結合する。したがって
活性層10内で励起されたキャリアのみが電極13及び
14から電流として取り出される。すなわち、活性層1
0で吸収される光のエネルギーは、活性層10のバンド
ギャップエネルギーよりも高く、AlGaAs基板8の
バンドギャップエネルギーよりも低い範囲となり、Al
GaAs基板8と活性層10のバンドギャップエネルギ
ーを制御することにより受光波長範囲を制御することが
できる。
【0026】図1は、本実施例による2点間A、Bの双
方向光伝送システムを示す図である。一方の地点Aに波
長λ1 の光を放射するLD1aと、波長λ1 と異なる波
長λ2 の光を感度波長範囲の光とする単一波長受光素子
3bとを設け、他方の地点Bに波長λ1 の光を感度波長
範囲の光とする単一波長受光素子3aと、波長λ2 の光
を放射する発光素子LD1bとを設け、両地点A、B間
を1本の光ファイバ2でつなぎ、A側、B側でそれぞれ
光ファイバ2を分岐してLD1a、受光素子3b、およ
びLD1b、受光素子3aと結合するようにした。
【0027】(送信1)、(送信2)の光源としては発
光ピーク波長がそれぞれ780nm(λ1 )及び850nm
(λ2 )のAlGaAs系LD1a、LD1bを用い
た。(受信1)、(受信2)に用いたAlGaAs系単
一波長受光素子3a、3bは、感度ピーク波長がそれぞ
れ780nm及び850nm、−20dBにおける感度波長幅
が50nm、−3Vの逆バイアス印加時の放射感度及び遮
断周波数が0.6A/W及び50MHzである。図2に
これらの受光素子の分光感度特性を示す。光ファイバと
しては、コア径が50μmのグレイデッドインデックス
型マルチモードファイバを用い、ファイバ長は1000
mとした。
【0028】A側、B側でそれぞれ光ファイバ2が分岐
されているが、これはファイバの融着接続による簡単な
ものよい。このような場合、各受光素子3a、3bには
λ1とλ2 の二つの波長の光が共に導かれるが、それぞ
れの受光素子3a、3bが波長選択機能をもつため、
(受信1)の受光素子3aではλ1 の光信号のみが、
(受信2)の受光素子3bではλ2 の光信号のみがそれ
ぞれ電気信号に変換される。
【0029】このような伝送系において、先ず(送信
1)、(送信2)のLD1a、LD1bを同時に駆動さ
せ、(受信1)、(受信2)の受光素子3a、3bの出
力信号を調べた。(受信1)の受光素子3aからは(送
信1)のLD1aの駆動信号に対応した出力信号が得ら
れた。一方、(受信2)の受光素子3bからは(送信
2)のLD1bの駆動信号に対応した出力信号が得られ
た。出力信号の雑音はいずれも−25dB以下であり、低
雑音の双方向伝送が実現されていることが確認できた。
【0030】図3は2個のLDと2個の単一波長受光素
子との組合わせによる光多重伝送系を示すものである。
受信側に感度波長範囲が異なる2個の単一波長受光素子
3a、3bを設け、送信側にこれらの受光素子3a、3
bのそれぞれの感度波長範囲の光を放射する2個のLD
1a、LD1bを設け、受信側の受光素子3a、3bと
送信側のLD1a、LD1bとを1本の光ファイバ2で
つないだものである。ここで用いたLD、受光素子及び
光ファイバは図1の実施例と同じものである。ここで
も、(受信1)と(受信2)の受光素子3a、3bから
それぞれ(送信1)及び(送信2)のLD1a、LD1
bの駆動信号に対応した出力信号が得られ、これらの雑
音レベルはいずれも−25dB以下であった。
【0031】図4はLEDと単一波長受光素子との組合
わせによる空間光伝送系を示すものである。受信側に単
一波長受光素子3を設け、送信側にこの受光素子3の感
度波長範囲の光を放射するLED6を設け、受信側の受
光素子3と送信側のLED6との間を空間結合したもの
である。
【0032】LED6はAlGaAs系の裏面反射型D
H構造のものであり、発光ピーク波長が850nm、発光
出力が12mmW、遮断周波数が50MHzである。受光
素子3は、図1の実施例に用いた感度ピーク波長が85
0nmのものである。これらのLED6と受光素子3を蛍
光灯照明下の室内で30m離して送信を試みたところ、
可視光カットフィルタを用いなくても雑音レベルが−2
0dB以下の低雑音空間光伝送が実現できた。図11に示
した従来の伝送系では、−20dBに雑音レベルが抑えら
れる伝送距離は10m以下であったから、従来の方式と
比べ、伝送距離を3倍以上にできる。
【0033】図5は発光波長の異なる4個のLEDと、
感度ピーク波長の異なる4個の単一波長受光素子との組
合わせによる空間光多重伝送系を示すものである。受信
側に感度波長範囲が異なる4個の単一波長受光素子3
a、3b、3c、3dを設け、送信側にこれらの受光素
子のそれぞれの感度波長範囲の光を放射する4個のLE
D6a、6b、6c、6dを設け、受信側の受光素子と
送信側のLEDとの間を空間結合したものである。
【0034】LED6はAlGaAs系の裏面反射型D
H構造であり、ピーク発光波長が655nm、715nm、
780nm及び850nm、発光出力がそれぞれ4mmW、
8.5mmW、11mmW及び12mmWである。一方、受光
素子3の感度ピーク波長はそれぞれ655nm、715n
m、780nm及び850nmである。図6に示すように、
4個のLEDと受光素子をそれぞれリードフレーム21
上に実装し、透明樹脂22で樹脂モールドした。サイズ
はLEDの場合、長さlが9mm、幅wが3mm、高さhが
2.5mmであり、受光素子の場合はそれぞれ18mm、6
mm、2.5mmである。この樹脂モールドされたLED2
3と受光素子24を図7に示すようにプリント基板2
5、26上に実装し暗中で2m離して送信を試みたとこ
ろ、個々の受光素子の出力信号における雑音レベルが−
25dB以下と低雑音の空間光多重伝送系が実現できた。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本実施例によれば次の
効果がある。
【0036】(1)受信側に単一波長受光素子を用いた
光伝送システムによれば、安価、簡便でかつ高信頼な近
距離光伝送システムが実現できる。
【0037】(2)受信側に単一波長受光素子を用いた
双方向光伝送システムによれば、従来最低2個は必要で
あった分波器が不要となり、簡便で施工が容易で安価な
システムが実現できる。
【0038】(3)受信側に単一波長受光素子を用いた
光多重伝送システムによれば、従来は不可欠であった、
合分波器と分波器が不要になり、簡便で施工が容易で安
価なシステムが実現できる。
【0039】(4)受信側に単一波長受光素子を用いた
空間光伝送システムによれば、従来不可欠であった、可
視光カットフィルタが不要となり、簡便かつ安価で光損
失のの少ないシステムが実現できる。
【0040】(5)受信側に単一波長受光素子を用いた
空間光多重伝送システムによれば、伝送容量が大きく、
簡便かつ安価で低雑音の伝送システムが実現できる。特
に、この伝送系を機器内のプリント基板間の通信に適用
すれば、フラットケーブルが不要となり大幅な省スペー
ス化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による双方向光伝送系を示す
図。
【図2】本実施例による2個の単一波長受光素子の放射
感度特性を示す図。
【図3】本実施例による光多重伝送系を示す図。
【図4】本実施例による空間光伝送系を示す図。
【図5】本実施例による空間光多重伝送系を示す図。
【図6】本実施例による4個のLED又は単一波長受光
素子の樹脂モールド後の形状を示す図。
【図7】本実施例によるプリント基板間の空間光多重伝
送系を示す図。
【図8】本実施例による単一波長受光素子の説明図であ
って、(a)は断面構造図、(b)はバンド構造図。
【図9】従来の双方向光伝送系を示す図。
【図10】従来の光多重伝送系を示す図。
【図11】従来の空間伝送系を示す図。
【符号の説明】
1a、1b レーザダイオード(LD) 2 光ファイバ 3a、3b 受光素子(LED) 6 発光ダイオード 8 AlGaAs基板 9 AlGaAs障壁層 10 AlGaAs活性層 11 AlGaAs障壁層 12 AlGaAs電極コンタクト層 13 アノード電極 14 カソード電極 15 メサ分離溝 16 酸化シリコン膜 17 シリコンナイトライド膜 18 ヘテロ障壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/105 10/10 10/22 H04B 9/00 R

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信側に、狭い波長範囲にのみ感度を有す
    る受光素子(以下、単一波長受光素子という)を設け、
    送信側に、この単一波長受光素子の感度波長範囲の光を
    放射する発光素子を設けたことを特徴とする光伝送シス
    テム。
  2. 【請求項2】一方の地点に、波長λ1 の光を放射する発
    光素子と、上記波長λ1 と異なる波長λ2 の光を感度波
    長範囲の光とする単一波長受光素子とを設け、他方の地
    点に、波長λ1 の光を感度波長範囲の光とする単一波長
    受光素子と、波長λ2 の光を放射する発光素子とを設
    け、両地点間の光の送受信を1本の光ファイバを介して
    行うことを特徴とする双方向光伝送システム。
  3. 【請求項3】受信側に、感度波長範囲が異なる複数の単
    一波長受光素子を設け、送信側に、これらの受光素子の
    それぞれの感度波長範囲の光を放射する複数の発光素子
    を設け、受信側の受光素子と送信側の発光素子間の光の
    送受信を1本の光ファイバを介して行うことを特徴とす
    る光多重伝送システム。
  4. 【請求項4】受信側に、単一波長受光素子を設け、送信
    側に、この受光素子の感度波長範囲の光を放射する発光
    素子を設け、受信側の受光素子と送信側の発光素子との
    間の光の送受信を空間を介して行うことを特徴とする空
    間光伝送システム。
  5. 【請求項5】受信側に、感度波長範囲が異なる複数の単
    一波長受光素子を設け、送信側に、これらの受光素子の
    それぞれの感度波長範囲の光を放射する複数の発光素子
    を設け、受信側の受光素子と送信側の発光素子との間の
    光の送受信を空間を介して行うことを特徴とする空間光
    多重伝送システム。
JP6266765A 1994-10-31 1994-10-31 光伝送システム、双方向光伝送システム、光多重伝送システム、空間光伝送システム、および空間光多重伝送システム Pending JPH08130508A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001160647A (ja) * 1999-09-24 2001-06-12 Sharp Corp 半導体レーザ装置、光伝送装置、光伝送システム、電子機器、制御装置、接続コネクタ、通信装置、ならびに光伝送方法、データ送受信方法
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WO2009050770A1 (ja) * 2007-10-15 2009-04-23 Fujitsu Limited 信号伝送回路及び記憶装置
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US7706692B2 (en) 2004-09-29 2010-04-27 Finisar Corporation Consumer electronics with optical communication interface
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