JPH08129090A - 燃料棒の端栓及びその溶接方法 - Google Patents

燃料棒の端栓及びその溶接方法

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JPH08129090A
JPH08129090A JP6265882A JP26588294A JPH08129090A JP H08129090 A JPH08129090 A JP H08129090A JP 6265882 A JP6265882 A JP 6265882A JP 26588294 A JP26588294 A JP 26588294A JP H08129090 A JPH08129090 A JP H08129090A
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JP
Japan
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end plug
press
cladding tube
welding
fuel rod
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JP6265882A
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English (en)
Inventor
Hideshi Yoneda
英志 米田
Kazuo Murakami
和夫 村上
Junichi Oyama
潤一 大山
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Mitsubishi Nuclear Fuel Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Nuclear Fuel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度低下による管の延性低下や溶接領域の材
質劣化を防止する。 【構成】 端栓15は、管内径よりわずかに大きい最大
外径の圧入部16と管外径にほぼ等しい外径の溶接部1
7との間にV字形の凹部19を形成する。端栓15の圧
入部16を管内壁に圧入させ、溶接部17の先端側傾斜
面17bを管の端面1aに当接させた押圧状態で、抵抗
溶接して、内側膨出部6を凹部19と管内壁との空間2
0に充填させる。燃料棒の、燃料ペレット7が当接する
一方の端部では、圧入部16のγ発熱によって原子炉稼
働時の温度低下が小さくなる。他方の端部では、圧入部
16による高温状態のために、管中に溶け出した水素が
溶接領域4に移動するのを阻止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核燃料集合体の燃料棒
の製造過程において、被覆管の端部に溶接によって固定
する燃料棒の端栓、及び端栓の溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の燃料として用いられる燃料棒
は、円筒形の被覆管内に多数の燃料ペレットが挿入さ
れ、被覆管の両端にそれぞれ端栓が固定されて封止され
ている。更に、被覆管内には、一端側の端栓と燃料ペレ
ットとの間にプレナムスプリングが介装されて燃料ペレ
ットを他端側に押圧保持すると共に、ヘリウムガス等が
封入されている。このような構成を有する燃料棒の各端
栓を被覆管に溶接する方法として、例えば図8乃至図1
0に示すような、抵抗溶接方法が採られていた。この溶
接方法では、まず図8に示すように、被覆管1の端面1
aに、端栓3をはめ込む。端栓3は被覆管1の端面1a
との当接部が面取りされて、テーパ面2とされている。
そして、このテーパ面2を被覆管1の端面1aに圧接さ
せつつ、図示しない通電手段を介して端栓3と被覆管1
との間に電流を通じ、両者の当接面を抵抗溶接する。
尚、通常、被覆管1と端栓3とは、ジルコニウム合金
(ジルカロイ)によって構成されている。
【0003】この溶接方法によれば、図9に示すよう
に、被覆管1と端栓3との溶接領域4の外周面に溶接時
の加圧による外側膨出部(盛り上がり)5が生じる一
方、この溶接領域4の被覆管1の内側において、被覆管
1内壁と端栓3のテーパ面2との間にも同様に内側膨出
部6が生じることになる。外側膨出部5は、溶接領域4
の外径が被覆管1の外径より大きくなるために、溶接領
域4の外周を研削して、図10に示すように、外側膨出
部5を除去する後処理が行われている。内周面の膨出部
6は研削作業ができないので、燃料ペレット7と直接当
接する他端側端栓3の被覆管内挿入長さは、図13に示
すような膨出部6と燃料ペレット7との干渉が起こらな
いように、テーパ面2の軸線方向長さが比較的大きく設
定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような理由で、燃
料ペレット7が直接当接する側の端栓3(これを符号3
Aで示す)の領域では、図11に示すように燃料ペレッ
ト7が当接するテーパ面2と被覆管内壁1bとの間に内
側膨出部6が張り出す空間9がリング状に形成されてい
る。そして、原子炉の稼動時には、燃料ペレット7が発
熱してその領域の被覆管1に熱伝導すると共に、端栓3
Aもγ発熱するが、空間9が接する被覆管1の部分1c
は両発熱部の中間に位置して管の温度が比較的低い(低
温部1cという)という現象が発生し、燃料棒の軸線方
向に図12に示すような温度分布を呈することになる。
【0005】一方、被覆管1の外部には冷却水が流れて
いるために、被覆管1の表面の微細な亀裂等から水素が
溶け込み、被覆管1を構成する素材であるジルコニウム
合金中で、水素は温度のより低い方向に移動するという
特性を有するために、被覆管1の上述した低温部1cに
水素が偏析し、これがジルコニウム合金と反応して、被
覆管1の延性等の機械的性能を低下させる水素脆化につ
ながるおそれがある。
【0006】又、図14に示すように、燃料棒のプレナ
ムスプリングが設けられた側の端栓3(これを符号3B
で示す)の領域では、被覆管1内において、端栓3Bの
近傍には燃料ペレット7が存在しないために、原子炉稼
働時に、被覆管1に水素が偏析するような部分的な低温
部1cは発生しない。しかしながら、プレナムスプリン
グ11が介装される空間12が大きいために、原子炉停
止時に徐冷された場合、被覆管1の端部は、図15に示
すような温度分布を呈することになり、空間12の領域
では広く低温であり、端栓3Bの領域では端栓3Bのγ
発熱のために高温となる。そして、溶接領域4が温度分
布の勾配の途中にさらされることになる。そのため、上
述のように被覆管1に溶け込んだ水素が低温部に隣接す
る溶接領域4方向に移動することになり、その経路上に
存在する水素の偏析し易い(溶接領域4とその周辺の)
被覆管熱影響部が水素脆化を起こし、溶接領域4及びそ
の近傍の被覆管1の延性が低下するという問題がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みて、溶接
部近傍の管の温度低下を小さくすることができるととも
に、端栓の溶接部等に水素が偏析しにくくして、管や溶
接部の延性の低下を抑止できるようにした燃料棒の端栓
及び端栓の溶接方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による燃料棒の端
栓は、被覆管の端部に、抵抗溶接法によって溶接される
燃料棒の端栓において、端栓は、被覆管の内側に位置す
る圧入部と、この圧入部の外側に位置し且つ被覆管に溶
接される溶接部とからなると共に、圧入部と溶接部の境
界外周に凹部が形成されてなることを特徴とするもので
ある。端栓は、圧入部と溶接部が一体又は別体に構成さ
れていることを特徴とする。端栓は、圧入部と溶接部が
別体に構成されていて、圧入部は、その外周面が被覆管
内壁に圧接するコレット構造に形成されていてもよい。
【0009】本発明による燃料棒の端栓の溶接方法は、
被覆管の端部に、端栓が抵抗溶接法によって溶接される
ようにした燃料棒の端栓の溶接方法において、端栓は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の端栓であって、抵抗
溶接時に、凹部と被覆管内壁との間に形成される空間に
溶接部の内側膨出部が充填されて、被覆管内で端栓の外
側に内側膨出部が露出しないようにしたことを特徴とす
るものである。被覆管の端部に、端栓が抵抗溶接法によ
って溶接されるようにした燃料棒の端栓の溶接方法にお
いて、被覆管の内壁に請求項3に記載の端栓の圧入部が
圧接された後、この圧入部に同軸的に溶接部が当接させ
られた状態で抵抗溶接が行われ、凹部と被覆管内壁との
間に形成される空間に溶接部の内側膨出部が充填され
て、被覆管内で端栓の外側に内側膨出部が露出しないよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】端栓は、抵抗溶接の際に、被覆管内側に張り出
す膨出部が被覆管内壁と凹部とで形成される空間に充填
され、端栓の外側に露出しないから、端栓と管内壁と管
内の内装物との間の空間が小さくてすみ、しかも、原子
炉稼働時に内装物と溶接部とにおける各高温部の間に圧
入部が位置することでこの領域が比較的高温となるか
ら、空間に接する管の温度低下は小さくなり、この領域
に水素が偏析することを抑制でき、しかも膨出金属が管
内部に露出して飛散したり、内装物と干渉することもな
い。端栓は、圧入部と溶接部が一体に構成されていれ
ば、両者の管に対する同軸度が高く、圧入部と溶接部が
別体に構成されていれば、管内への挿入が比較的容易と
なる。端栓の圧入部は、管への挿入時に縮径させ、挿入
後にこれを解除することで拡径してその外周面が管内壁
に圧接される。
【0011】本発明による燃料棒の端栓の溶接方法で
は、管と溶接部を抵抗溶接法によって溶接する際、溶接
部の膨出部が凹部と被覆管内壁との間の空間を充填して
埋めることになり、膨出部が管内で端栓の外部に露出す
ることがなく、そのために、燃料棒を原子炉で稼働する
時に発熱部である燃料ペレットと端栓の間の温度低下が
小さいために、管中の水素の偏析や、管を構成する金属
との反応による水素脆化による延性の低下を抑え、しか
も膨出金属が管内部で飛散したり、内装物と干渉するこ
ともない。又、端栓の圧入部は、縮径状態で管内へ容易
に挿入できると共に、その後に拡径して管内壁に圧接で
き、しかも管内の圧入部に溶接部を同軸的に当接させる
ことで、管との同軸度を高く保持できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面により説明
するが、上述の従来技術と同様の部分または部材には同
一の符号を用いてその説明を省略する。図1乃至図4は
本発明の第一実施例を示すものであり、図1は溶接前の
被覆管と端栓の嵌合構造を示す要部断面図、図2は溶接
後の被覆管と端栓の嵌合構造を示す要部断面図、図3は
原子炉稼動時における燃料棒端部の被覆管及び端栓の温
度の変化を示す図、図4は原子炉停止時における徐冷の
際の、燃料棒端部の被覆管及び端栓の温度の変化を示す
図である。図1に示す燃料棒端部の溶接前の段階におい
て、端栓15は例えばジルコニウム合金からなり、被覆
管1の内径より若干外径の大きい圧入部16と、その後
端側に連結されていてその外径が被覆管1の外径にほぼ
等しい溶接部17とによって構成されている。そして、
圧入部16と溶接部17との連結部18の外周は、圧入
部16の最大外径より小さい外径となるように断面視V
字型の凹部19が全周に亘って形成されている。
【0013】圧入部16の周側面に関して、後端側が凹
部19の底部に続く傾斜面16aとされた最大外径部1
6bは、被覆管1の内径よりわずかに大きい最大外径を
有して被覆管1内に圧接されており、その先端側に被覆
管1内への挿入が容易となるように小さい傾斜角のテー
パ面16cと面取り面16dが順次形成されている。
又、溶接部17は凹部19の底部と円柱状本体部17a
との間に傾斜面17bが形成され、更に後端が面取りさ
れて面取り面17cとされている。そして、端栓15の
嵌合状態で、被覆管1の端面1aは凹部19の溶接部1
7側の傾斜面17bに当接した状態に保持されて、凹部
19と被覆管端面1a近傍の内壁とで仕切られた内側膨
出部6用のリング状の空間20が、形成されたことにな
る。図2は、抵抗溶接後の段階において、外側膨出部5
が研削によって除去された状態を示すものである。図
中、図1における凹部19には、被覆管1と溶接部17
との間の抵抗溶接の際に、内周側に押し出される内側膨
出部6が充填されている。そして、被覆管1の外周面の
延長線上に溶接領域4を介して溶接部17の外周面が一
体化して形成された形状とされている。
【0014】本実施例による燃料棒の端栓は上述のよう
な構成を有しており、次にその溶接方法について説明す
る。先ず、被覆管1の端部に、端栓15の圧入部16を
テーパ面16d側から挿入して、最大外径部16bを被
覆管1の内壁に圧接させ、被覆管1の端面1aが凹部1
9の溶接部17側の傾斜面17bに当接するまで圧入す
る(図1参照)。この状態で、凹部19と被覆管1の内
周壁との間に全周に亘って断面略三角形のリング状の閉
鎖空間20が形成される。そして、従来技術と同様にし
て、端栓15の傾斜面17bを被覆管1の端面に圧接さ
せつつ、図示しない通電手段を介して端栓15と被覆管
1との間に電流を通じ、両者の当接面を抵抗溶接する。
【0015】この溶接方法によれば、図2に一点鎖線で
示すように、被覆管1と端栓15の溶接部17との溶接
領域4の外周面に溶接時の加圧による外側膨出部5が突
出する。他方、被覆管1の内周側の空間20内にも、溶
接部17の傾斜面17bから内側膨出部6が張り出す
が、この場合、内側膨出部6は、溶融状態で凹部19内
に充填されて、空間20が埋められることになる。その
ため、内側膨出部6は被覆管1の内側に突出して露出す
ることはない(図2参照)。そして、冷却後に外側膨出
部5を研削して除去すれば、被覆管1と端栓15の溶接
部17との溶接領域4は、被覆管1の外周面の延長上
に、則ち同一円筒面状に形成されることになり、TIG
溶接等で得られる燃料棒とほぼ同様な形状となる。
【0016】さて、このようにして得られた燃料棒が燃
料集合体に組み立てられて、原子炉内で使用される場
合、原子炉稼働時における燃料棒の、端栓15に燃料ペ
レット7が当接する側の端部の温度分布は図3に示すよ
うになる。図中、従来の燃料棒端栓では、燃料ペレット
7と端栓との間に大きな空間9が形成されるために、こ
の領域の温度変化は、一点鎖線で示すように下に凸をな
す比較的低温状態となるが、本実施例による燃料棒端栓
によれば、この領域に端栓15の圧入部16が被覆管1
内壁に圧接されて配置されているから、圧入部16のγ
発熱によって実線で示すような温度分布となり、温度低
下が抑制される。そのため、テーパ面16cと面取り面
16dとを臨む領域pで、若干の温度低下がみられるに
すぎず、全体に低温部の温度が従来技術よりかなり高い
という効果が得られる。従って、被覆管1の外部から管
中に水素が溶け込むとしても、低温部の温度低下が小さ
いために、被覆管1中の水素の量が少なく、水素脆性に
よる延性の低下を抑制できる。
【0017】又、本実施例による端栓15が、プレナム
スプリング11が介装されている側に溶接されている場
合、原子炉停止時に燃料棒が徐冷されると、燃料棒端部
は、図4に示すような温度分布を呈することになる。則
ち、プレナムスプリング11が介装された空間12(図
14参照)に接する被覆管1の領域では広く低温状態と
なり、溶接部17の領域ではγ発熱のために高温状態と
なることは従来例と同様であるが、空間12と溶接部1
7との間に圧入部16が位置してγ発熱しているため
に、低温領域と高温領域との境界付近に、圧入部16に
よる高温部qが存在する。そのため、圧入部16と溶接
部17との間の溶接領域4における温度低下は小さく、
しかも溶接領域4の最低温度は高温部qの最高温度より
も小さくなる。従って、被覆管1の空間12に接する低
温部で外部から水素が溶け込んで、溶接領域4の低温部
に移動しようとしても、その途中に圧入部16による高
温部qが存在するために、溶接領域4迄には移動しにく
くなり、溶接領域4での水素の偏析による、ジルコニウ
ム合金との反応による水素脆化が抑えられるから、溶接
領域4が保護されることになる。そのため、溶接領域4
の材質劣化が抑えられる。
【0018】以上のように、本実施例によれば、燃料棒
1の一方の端部においては、燃料ペレット7と端栓15
の溶接部17との間の温度低下を圧入部16によって抑
えて、この領域における被覆管1の水素の偏析による延
性低下を抑制できて、被覆管1の水素脆化を抑えられ
る。又、燃料棒1の他方の端部においても、プレナムス
プリングが設けられた空間12に接する被覆管1と溶接
領域4との間の温度勾配領域に圧入部16による高温部
qが存在することで、水素の偏析を抑え、これによる溶
接領域4の材質の劣化を抑えて、溶接領域4を保護する
ことができる。更に、内側膨出部6が凹部19と被覆管
内壁による空間20内に張り出して充填されるようにし
たから、内側膨出部6の金属が溶接時に被覆管1内に飛
散したり、内側膨出部6が大きく張り出して燃料ペレッ
ト7等の内装物と干渉したりするおそれがないという利
点もある。又、溶接部17と一体形状の圧入部16の最
大外径部16aが被覆管1の内壁に嵌合圧接すること
で、溶接時の被覆管1と端栓15との軸精度を高く保持
できる。
【0019】次に、本発明の第二実施例を図5により説
明する。本実施例では、端栓15の圧入部16と溶接部
17との連結部18の外周側に、上述のV字型の凹部1
9に代えて断面コの字型の凹部22が全周に亘ってリン
グ状に形成されている。そして、この凹部22と溶接部
17の円柱状本体部17aとの境界は、被覆管1の端面
1aが当接する傾斜面17cとされている。又、圧入部
16の外周面にはテーパ面16cは形成されておらず、
最大外径面16eはその外径が被覆管内径よりわずかに
大きい円柱状とされ、その先端に面取り面16dが設け
られている。本第二実施例の場合、凹部22によって、
内側膨出部6の充填領域がより大きくなる。又、圧入部
16には円柱状の最大外径面16eが形成されているこ
とで、この領域の高温領域が広くなり、被覆管1や溶接
領域4の水素脆化による延性低下や材質の劣化が一層小
さくなると共に、被覆管1と端栓15との軸精度が更に
高くなるという利点もある。
【0020】次に、本発明の第三実施例を図6及び図7
により説明する。図6は本実施例による燃料棒の溶接前
の端部の要部断面図、図7は図6のA−A線断面図であ
る。本実施例においては、端栓24は圧入部25と溶接
部26とが別体として形成されている。圧入部25は最
大外径が被覆管1の内径よりわずかに大きい略リング状
を呈しており、その外周面において、最大外径部25a
の先端側にテーパ面25bと面取り面25cが形成さ
れ、最大外径部25aの後端側にテーパ状の傾斜面25
dが形成されている。しかも、この圧入部25は、その
外周面から内周面に至る径方向のスリット27がほぼ等
間隔に複数穿設されて断面略円弧状の複数の小片28に
分割されており、これら小片28が径方向に進退するコ
レット構造をなしている。又、溶接部26はその外径が
被覆管1の外径に等しい略円柱形状を呈しており、その
先端側には被覆管1の端面が当接する傾斜面26aが設
けられ、後端側は面取りが施されている。
【0021】本実施例においては、溶接に先だって被覆
管1の端部に、圧入部25を圧入すると、各小片28が
縮径しつつ挿入されて被覆管1の内壁に圧接する。次い
で、この圧入部25の後端面に溶接部26を当接させる
ように同軸的に押しつけて、その傾斜面26aを被覆管
1の端面に当接させる。この状態で、圧入部25の傾斜
面25dと溶接部26の先端面26aとで凹部30が形
成され、この凹部30被覆管1の内壁との間に、内側膨
出部6を受け入れる空間29が形成されることになる。
そして、溶接部26を圧入部25と被覆管1の端面1a
とに押圧させた状態で抵抗溶接を行えば、溶接部26と
圧入部25と被覆管1とが一体化されて、図2に示す第
一実施例と同一の断面形状を有する、燃料棒の端栓の固
定状態が得られる。
【0022】本実施例によれば、圧入部25はコレット
構造によって被覆管1の内壁に各小片28毎に個別に圧
接されるので、被覆管1との高い密着度を保持すること
ができ、この領域のγ発熱による熱を一層確実に被覆管
1に伝導できることになる。尚、圧入部25の内周円を
形成する孔に嵌合する、例えばテーパ状の凸部を溶接部
26の先端面に形成してもよく、これによって圧入部2
5と溶接部26の同軸度が向上すると共にコレット構造
の複数の小片28を拡径させることができる。又、圧入
部25は溶接部26と別体で構成する場合でも、必ずし
もコレット構造に形成する必要はなく、例えば第一、第
二実施例における端栓15を適宜の境界(例えば溶接部
17と連結部18又は圧接部16と)で分離した構成と
してもよいし、或いはそれぞれ略円柱形状としてもよい
し、その際、いんろう関係等による溶接部26との嵌
合、連結等の構造を設けるようにしてもよい。尚、内側
膨出部6の充填領域を規定する凹部19、22、30の
断面形状は上述の各実施例のものに限定されることな
く、適宜形状に形成できる。
【0023】
【発明の効果】上述のように、本発明による燃料棒の端
栓及び端栓の溶接方法によれば、燃料棒の一方の端部に
おいては、原子炉稼働時に、内装物と端栓の溶接部との
間の温度低下を圧入部による発熱によって抑えて、この
領域における管中の水素の偏析による延性低下を抑制で
きる。又、燃料棒の他方の端部においても、原子炉停止
後の徐冷時に、空間に接する管の領域と溶接領域との間
の温度勾配領域に圧入部による高温部が存在すること
で、水素の偏析を抑え、これによる溶接領域の材質の劣
化を抑えて、溶接領域を保護することができる。更に、
膨出部が管内で端栓の外側に露出していないから、膨出
部の金属が溶接時に管内に飛散したり、膨出部が大きく
張り出して燃料ペレット等の内装物と干渉したりするお
それがないという利点もある。又、端栓は、圧入部と溶
接部が別体に構成されていて、圧入部は、その外周面が
管内壁に圧接するコレット構造に形成されているから、
圧入部の管内への挿入が容易であると共に、確実にかつ
大きな圧力で管内壁に当接することになり、この領域の
温度低下を一層抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例による燃料棒の一方の端部
を示すものであって、溶接前の被覆管と端栓の嵌合構造
を示す要部断面図である。
【図2】溶接後の被覆管と端栓の嵌合構造を示す要部断
面図である。
【図3】原子炉稼動時における燃料棒端部の被覆管及び
端栓の温度の変化を示す図である。
【図4】原子炉停止後の徐冷時の、燃料棒端部の被覆管
及び端栓の温度の変化を示す図である。
【図5】本発明の第二実施例による燃料棒の端部につい
て、溶接前の被覆管と端栓の嵌合構造を示す要部断面図
である。
【図6】本発明の第三実施例による燃料棒の端部につい
て、溶接前の被覆管と端栓の嵌合構造を示す図7のB−
B線要部断面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】従来の燃料棒の端部について、溶接前の被覆管
と端栓の嵌合構造を示す要部断面図である。
【図9】従来の燃料棒の端部について、溶接後の被覆管
と端栓の接合構造を示す要部断面図である。
【図10】図9の燃料棒の端部について、外側膨出部を
研削した後の状態を示す図である。
【図11】図10の燃料棒端部について燃料ペレットが
装着された部分拡大図である。
【図12】図10の燃料棒の端部に関して、原子炉稼動
時における燃料棒端部の被覆管及び端栓の温度の変化を
示す図である。
【図13】膨出部用のスペースを小さくした状態の図1
2と同様な図である。
【図14】燃料棒端部についてプレナムスプリングが装
着された部分拡大図である。
【図15】燃料棒の端部に関して、原子炉停止後の徐冷
時における燃料棒端部の被覆管及び端栓の温度の変化を
示す図である。
【符号の説明】
1…被覆管、4…溶接領域、7…燃料ペレット、15,
24…端栓、16,25…圧入部、17,26…溶接
部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆管の端部に、抵抗溶接法によって溶
    接される燃料棒の端栓において、前記端栓は、被覆管の
    内側に位置する圧入部と、この圧入部の外側に位置し且
    つ被覆管に溶接される溶接部とからなると共に、前記圧
    入部と溶接部の境界外周に凹部が形成されてなることを
    特徴とする燃料棒の端栓。
  2. 【請求項2】 前記端栓は、圧入部と溶接部が一体又は
    別体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の燃料棒の端栓。
  3. 【請求項3】 前記端栓は、圧入部と溶接部が別体に構
    成されていて、前記圧入部は、その外周面が被覆管内壁
    に圧接するコレット構造に形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の燃料棒の端栓。
  4. 【請求項4】 被覆管の端部に、端栓が抵抗溶接法によ
    って溶接されるようにした燃料棒の端栓の溶接方法にお
    いて、前記端栓は、請求項1乃至3のいずれかに記載の
    端栓であって、抵抗溶接時に、前記凹部と被覆管内壁と
    の間に形成される空間に前記溶接部の内側膨出部が充填
    されて、被覆管内で端栓の外側に内側膨出部が露出しな
    いようにしたことを特徴とする燃料棒の端栓の溶接方
    法。
  5. 【請求項5】 被覆管の端部に、端栓が抵抗溶接法によ
    って溶接されるようにした燃料棒の端栓の溶接方法にお
    いて、被覆管の内壁に請求項3に記載の端栓の前記圧入
    部が圧接された後、この圧入部に同軸的に前記溶接部が
    当接させられた状態で抵抗溶接が行われ、前記凹部と被
    覆管内壁との間に形成される空間に前記溶接部の内側膨
    出部が充填されて、被覆管内で端栓の外側に内側膨出部
    が露出しないようにしたことを特徴とする燃料棒の端栓
    の溶接方法。
JP6265882A 1994-10-28 1994-10-28 燃料棒の端栓及びその溶接方法 Withdrawn JPH08129090A (ja)

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