JPH08128989A - 酸素濃度検出装置 - Google Patents
酸素濃度検出装置Info
- Publication number
- JPH08128989A JPH08128989A JP6265901A JP26590194A JPH08128989A JP H08128989 A JPH08128989 A JP H08128989A JP 6265901 A JP6265901 A JP 6265901A JP 26590194 A JP26590194 A JP 26590194A JP H08128989 A JPH08128989 A JP H08128989A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- oxygen sensor
- sensor
- failure
- determination
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1438—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
- F02D41/1493—Details
- F02D41/1495—Detection of abnormalities in the air/fuel ratio feedback system
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸素センサの大気電極側に侵入した可燃物に
よる酸素センサの故障の誤判定を未然に防ぐ。 【構成】 可燃物侵入判定手段17により酸素センサ1
6の大気電極側に可燃物が侵入したか否かを判定し、侵
入有りと判定されたときには、酸欠状態回復判定手段3
2により酸素センサ16の大気電極19側が酸欠状態か
ら回復したか否かを判定する。そして、酸欠状態回復判
定手段32により、大気電極19側が酸欠状態から回復
したと判定されるまでセンサ故障判定手段30による故
障の判定を無効化すると共に、報知手段31による故障
の報知も取り止める。ここで、“無効化”とは、故障
の判定自体を行わない(つまり禁止する)ことと、故
障の判定を行ってもその判定結果をペンディング状態
(棚上げ状態)にすることの双方を含む概念である。
よる酸素センサの故障の誤判定を未然に防ぐ。 【構成】 可燃物侵入判定手段17により酸素センサ1
6の大気電極側に可燃物が侵入したか否かを判定し、侵
入有りと判定されたときには、酸欠状態回復判定手段3
2により酸素センサ16の大気電極19側が酸欠状態か
ら回復したか否かを判定する。そして、酸欠状態回復判
定手段32により、大気電極19側が酸欠状態から回復
したと判定されるまでセンサ故障判定手段30による故
障の判定を無効化すると共に、報知手段31による故障
の報知も取り止める。ここで、“無効化”とは、故障
の判定自体を行わない(つまり禁止する)ことと、故
障の判定を行ってもその判定結果をペンディング状態
(棚上げ状態)にすることの双方を含む概念である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気管中に設けられた
酸素センサの故障の有無を判定する機能を備えた酸素濃
度検出装置に関するものである。
酸素センサの故障の有無を判定する機能を備えた酸素濃
度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の排気管中に酸素セン
サを設け、この酸素センサの出力信号に基づいて空燃比
をフィードバック制御するシステムにおいては、特開昭
58−139548号公報、特開昭52−46890号
公報、特開平4−224250号公報に示すように、酸
素センサの出力が基準値以下又は負電位になったときに
酸素センサの故障と判定して運転者に報知するものがあ
る。
サを設け、この酸素センサの出力信号に基づいて空燃比
をフィードバック制御するシステムにおいては、特開昭
58−139548号公報、特開昭52−46890号
公報、特開平4−224250号公報に示すように、酸
素センサの出力が基準値以下又は負電位になったときに
酸素センサの故障と判定して運転者に報知するものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空燃比フィ
ードバック制御に一般に用いられている酸素センサは、
排気管内を流れる排出ガスに触れる排気電極と大気に触
れる大気電極とを備え、大気電極側の酸素濃度と排気電
極側の酸素濃度との間の酸素濃度差に応じた電圧を両電
極間に発生させて、この電圧から排気ガス中の酸素濃度
を判定するようになっている。通常の状態では、大気電
極側の酸素濃度は大気中の酸素濃度と同じであるが、大
気電極側に可燃物が侵入した場合にはこの可燃物が排熱
で燃焼(酸化反応)する際に大気電極側の酸素濃度が急
激に低下して酸欠状態となる。この際、大気電極側と排
気電極側との間の酸素濃度の大小関係が逆転するため、
酸素センサが故障していない場合でも、酸素センサの出
力が負電位になってしまい、故障と誤判定されてしまう
ことがあった。
ードバック制御に一般に用いられている酸素センサは、
排気管内を流れる排出ガスに触れる排気電極と大気に触
れる大気電極とを備え、大気電極側の酸素濃度と排気電
極側の酸素濃度との間の酸素濃度差に応じた電圧を両電
極間に発生させて、この電圧から排気ガス中の酸素濃度
を判定するようになっている。通常の状態では、大気電
極側の酸素濃度は大気中の酸素濃度と同じであるが、大
気電極側に可燃物が侵入した場合にはこの可燃物が排熱
で燃焼(酸化反応)する際に大気電極側の酸素濃度が急
激に低下して酸欠状態となる。この際、大気電極側と排
気電極側との間の酸素濃度の大小関係が逆転するため、
酸素センサが故障していない場合でも、酸素センサの出
力が負電位になってしまい、故障と誤判定されてしまう
ことがあった。
【0004】このような故障の誤判定を招く原因となる
可燃物としては、大気中の塵埃の他、排気ガス中に含ま
れる未燃焼の燃料があり、この燃料が酸素センサの排気
電極(排気管内に露出する面)に付着してその表面を伝
ってセンサシール部を浸透して外部にしみ出すことで、
大気電極側に侵入することが本発明者らの実験により判
明している。しかし、これらの可燃物の大気電極側への
侵入を完全に防ぐことは、酸素センサの構造上、極めて
困難であるので、これらの可燃物による故障の誤判定を
如何にして防ぐかが最近の重要な技術的課題となってい
る。
可燃物としては、大気中の塵埃の他、排気ガス中に含ま
れる未燃焼の燃料があり、この燃料が酸素センサの排気
電極(排気管内に露出する面)に付着してその表面を伝
ってセンサシール部を浸透して外部にしみ出すことで、
大気電極側に侵入することが本発明者らの実験により判
明している。しかし、これらの可燃物の大気電極側への
侵入を完全に防ぐことは、酸素センサの構造上、極めて
困難であるので、これらの可燃物による故障の誤判定を
如何にして防ぐかが最近の重要な技術的課題となってい
る。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、酸素センサの大気電
極側に侵入した可燃物による酸素センサの故障の誤判定
を未然に防ぐことができる酸素濃度検出装置を提供する
ことにある。
たものであり、従ってその目的は、酸素センサの大気電
極側に侵入した可燃物による酸素センサの故障の誤判定
を未然に防ぐことができる酸素濃度検出装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の酸素濃度検出装置は、排気管中
に、排出ガスに触れる排気電極と大気に触れる大気電極
とを有する酸素センサを設け、この酸素センサの出力に
よって酸素濃度を検出するものにおいて、前記酸素セン
サの出力に基づいて前記酸素センサの故障の有無を判定
するセンサ故障判定手段と、前記酸素センサの大気電極
側が酸欠状態から回復したか否かを判定する酸欠状態回
復判定手段と、この酸欠状態回復判定手段により前記酸
素センサの大気電極側が酸欠状態から回復していないと
判定されたときには酸欠状態から回復するまで前記セン
サ故障判定手段による故障の判定を無効化する故障判定
無効化手段とを備えた構成としたものである。
に、本発明の請求項1の酸素濃度検出装置は、排気管中
に、排出ガスに触れる排気電極と大気に触れる大気電極
とを有する酸素センサを設け、この酸素センサの出力に
よって酸素濃度を検出するものにおいて、前記酸素セン
サの出力に基づいて前記酸素センサの故障の有無を判定
するセンサ故障判定手段と、前記酸素センサの大気電極
側が酸欠状態から回復したか否かを判定する酸欠状態回
復判定手段と、この酸欠状態回復判定手段により前記酸
素センサの大気電極側が酸欠状態から回復していないと
判定されたときには酸欠状態から回復するまで前記セン
サ故障判定手段による故障の判定を無効化する故障判定
無効化手段とを備えた構成としたものである。
【0007】この構成において、請求項2のように、前
記酸素センサの大気電極側に可燃物が侵入したか否かを
判定する可燃物侵入判定手段を備え、この可燃物侵入判
定手段により可燃物の侵入と判定されたときに前記酸欠
状態回復判定手段による判定を行うようにしても良い。
記酸素センサの大気電極側に可燃物が侵入したか否かを
判定する可燃物侵入判定手段を備え、この可燃物侵入判
定手段により可燃物の侵入と判定されたときに前記酸欠
状態回復判定手段による判定を行うようにしても良い。
【0008】更に、請求項3のように、前記センサ故障
判定手段により前記酸素センサの故障と判定されたとき
にそれを報知する報知手段を備え、前記酸欠状態回復判
定手段により前記酸素センサの大気電極側が酸欠状態か
ら回復していないと判定されたときには前記報知手段に
よる故障の報知を取り止めるようにすることが好まし
い。
判定手段により前記酸素センサの故障と判定されたとき
にそれを報知する報知手段を備え、前記酸欠状態回復判
定手段により前記酸素センサの大気電極側が酸欠状態か
ら回復していないと判定されたときには前記報知手段に
よる故障の報知を取り止めるようにすることが好まし
い。
【0009】この場合、請求項4のように、前記センサ
故障判定手段により故障と判定されたときにその情報を
記憶する記憶手段を備え、前記酸素センサの大気電極側
が酸欠状態から回復した後の再度の故障の判定で前記酸
素センサが正常と判定されたときに、それ以前の酸欠状
態のときに前記記憶手段に記憶された故障の情報をクリ
アすると良い。
故障判定手段により故障と判定されたときにその情報を
記憶する記憶手段を備え、前記酸素センサの大気電極側
が酸欠状態から回復した後の再度の故障の判定で前記酸
素センサが正常と判定されたときに、それ以前の酸欠状
態のときに前記記憶手段に記憶された故障の情報をクリ
アすると良い。
【0010】また、請求項5のように、エンジン始動中
に噴射した燃料量を判定する噴射燃料量判定手段を備
え、前記可燃物侵入判定手段は、前記噴射燃料量判定手
段の判定結果に基づいて燃料が前記酸素センサの大気電
極側に侵入したか否かを判定するようにしても良い。
に噴射した燃料量を判定する噴射燃料量判定手段を備
え、前記可燃物侵入判定手段は、前記噴射燃料量判定手
段の判定結果に基づいて燃料が前記酸素センサの大気電
極側に侵入したか否かを判定するようにしても良い。
【0011】また、請求項6のように、前記可燃物侵入
判定手段は、前記酸素センサの出力が負電位であるか否
かによって前記酸素センサの大気電極側への可燃物の侵
入の有無を判定するようにしても良い。
判定手段は、前記酸素センサの出力が負電位であるか否
かによって前記酸素センサの大気電極側への可燃物の侵
入の有無を判定するようにしても良い。
【0012】また、酸欠が発生するのは酸素センサの温
度がある程度高くなってからであるため、請求項7のよ
うに、前記可燃物侵入判定手段は、前記酸素センサの温
度が所定温度になったと判断した後で、前記酸素センサ
の出力が所定値以下の状態が所定時間継続したか否か
で、前記酸素センサの大気電極側への可燃物侵入の有無
を判定するようにしても良い。
度がある程度高くなってからであるため、請求項7のよ
うに、前記可燃物侵入判定手段は、前記酸素センサの温
度が所定温度になったと判断した後で、前記酸素センサ
の出力が所定値以下の状態が所定時間継続したか否か
で、前記酸素センサの大気電極側への可燃物侵入の有無
を判定するようにしても良い。
【0013】一方、請求項8のように、前記酸欠状態回
復判定手段は、前記酸素センサへの通電時間、エンジン
冷却水温、排出ガス温度、エンジン負荷のうちの1つ若
しくは2つ以上の情報から前記酸素センサの温度を判定
し、この判定結果を考慮して前記酸素センサの大気電極
側が酸欠状態から回復したか否かを判定するするように
しても良い。
復判定手段は、前記酸素センサへの通電時間、エンジン
冷却水温、排出ガス温度、エンジン負荷のうちの1つ若
しくは2つ以上の情報から前記酸素センサの温度を判定
し、この判定結果を考慮して前記酸素センサの大気電極
側が酸欠状態から回復したか否かを判定するするように
しても良い。
【0014】また、請求項9のように、前記酸欠状態回
復判定手段は、前記酸素センサの温度が所定温度に達し
たと判定してから所定時間経過したか否かで、前記酸素
センサの大気電極側が酸欠状態から回復したか否かを判
定するようにしても良い。
復判定手段は、前記酸素センサの温度が所定温度に達し
たと判定してから所定時間経過したか否かで、前記酸素
センサの大気電極側が酸欠状態から回復したか否かを判
定するようにしても良い。
【0015】或は、請求項10のように、前記酸欠状態
回復判定手段は、前記酸素センサの温度が所定温度に達
したと判定されてから前記酸素センサの出力が正常な出
力範囲に戻ったか否かで、前記酸素センサの大気電極側
が酸欠状態から回復したか否かを判定するようにしても
良い。
回復判定手段は、前記酸素センサの温度が所定温度に達
したと判定されてから前記酸素センサの出力が正常な出
力範囲に戻ったか否かで、前記酸素センサの大気電極側
が酸欠状態から回復したか否かを判定するようにしても
良い。
【0016】また、本発明の他の酸素濃度検出装置は、
請求項11のように、酸素センサの出力に基づいて前記
酸素センサの故障の有無を判定するセンサ故障判定手段
と、前記酸素センサの出力が負電位の間は前記センサ故
障判定手段による故障の判定を無効化する故障判定無効
化手段とを備えた構成となっている。
請求項11のように、酸素センサの出力に基づいて前記
酸素センサの故障の有無を判定するセンサ故障判定手段
と、前記酸素センサの出力が負電位の間は前記センサ故
障判定手段による故障の判定を無効化する故障判定無効
化手段とを備えた構成となっている。
【0017】
【作用】本発明の請求項1の酸素濃度検出装置によれ
ば、酸素センサの出力に基づいてセンサ故障判定手段に
より酸素センサの故障の有無を判定するものであるが、
この際、酸欠状態回復判定手段により酸素センサの大気
電極側が酸欠状態であるか否かを判定し、酸欠状態であ
れば、それが回復するまで、前記センサ故障判定手段に
よる故障の判定を故障判定無効化手段により無効化す
る。ここで、“無効化”とは、故障の判定自体を行わ
ない(つまり禁止する)ことと、故障の判定を行って
もその判定結果をペンディング状態(棚上げ状態)にす
ることの双方を含む概念である。
ば、酸素センサの出力に基づいてセンサ故障判定手段に
より酸素センサの故障の有無を判定するものであるが、
この際、酸欠状態回復判定手段により酸素センサの大気
電極側が酸欠状態であるか否かを判定し、酸欠状態であ
れば、それが回復するまで、前記センサ故障判定手段に
よる故障の判定を故障判定無効化手段により無効化す
る。ここで、“無効化”とは、故障の判定自体を行わ
ない(つまり禁止する)ことと、故障の判定を行って
もその判定結果をペンディング状態(棚上げ状態)にす
ることの双方を含む概念である。
【0018】更に、請求項2では、酸素センサの大気電
極側に可燃物が侵入したか否かを可燃物侵入判定手段に
より判定し、この可燃物侵入判定手段により可燃物の侵
入と判定されたときに前記酸欠状態回復判定手段による
判定を行う。これにより、可燃物の侵入の判定と酸欠状
態回復の判定とを組み合わせた高精度な判定が可能とな
る。
極側に可燃物が侵入したか否かを可燃物侵入判定手段に
より判定し、この可燃物侵入判定手段により可燃物の侵
入と判定されたときに前記酸欠状態回復判定手段による
判定を行う。これにより、可燃物の侵入の判定と酸欠状
態回復の判定とを組み合わせた高精度な判定が可能とな
る。
【0019】また、請求項3では、センサ故障判定手段
により酸素センサの故障と判定されたときにはそれを報
知手段で報知するものであるが、この際、酸欠状態回復
判定手段により酸素センサの大気電極側が酸欠状態から
回復していないと判定されたときには報知手段による故
障の報知を取り止める。これにより、誤った故障の報知
を未然に防ぐことができる。この後、酸欠状態から回復
した後にセンサ故障判定手段により再び故障と判定され
たときに初めて報知手段に故障の報知を行わせる。
により酸素センサの故障と判定されたときにはそれを報
知手段で報知するものであるが、この際、酸欠状態回復
判定手段により酸素センサの大気電極側が酸欠状態から
回復していないと判定されたときには報知手段による故
障の報知を取り止める。これにより、誤った故障の報知
を未然に防ぐことができる。この後、酸欠状態から回復
した後にセンサ故障判定手段により再び故障と判定され
たときに初めて報知手段に故障の報知を行わせる。
【0020】この場合、請求項4では、センサ故障判定
手段により故障と判定されたときにその情報を記憶手段
に記憶して、後で故障診断(ダイアグノーシス)等に利
用できるようにする。この際、酸欠状態から回復する以
前に記憶手段に記憶された故障の情報は、酸欠状態から
回復した後の再度の判定で酸素センサが正常と判定され
たときにクリアされる。これにより、酸欠状態のときに
記憶された誤った故障の情報が保持されることが防がれ
る。
手段により故障と判定されたときにその情報を記憶手段
に記憶して、後で故障診断(ダイアグノーシス)等に利
用できるようにする。この際、酸欠状態から回復する以
前に記憶手段に記憶された故障の情報は、酸欠状態から
回復した後の再度の判定で酸素センサが正常と判定され
たときにクリアされる。これにより、酸欠状態のときに
記憶された誤った故障の情報が保持されることが防がれ
る。
【0021】ところで、酸素センサの故障の誤判定を招
く原因となる可燃物としては、大気中の塵埃や、整備時
に使用される潤滑油等のオイル類の他、排気ガス中に含
まれる未燃焼の液状の燃料があり、この液状の燃料が酸
素センサの排気電極(排気管内に露出する面)に付着し
てその表面を伝ってセンサシール部を浸透して外部にし
み出すことで、大気電極側に侵入することが本発明者ら
の実験により判明している。排気ガス中に未燃焼の燃料
が含まれる現象は、主にエンジン始動中に発生するた
め、排気ガス中の未燃焼の液状の燃料が酸素センサの排
気電極に付着する現象は、主にエンジン始動中に発生す
る。従って、エンジン始動中に噴射した燃料量が多くな
るほど、酸素センサの排気電極に付着する燃料量が多く
なり、それに伴って、排気電極の表面を伝って外部にし
み出して大気電極側に侵入する燃料量が増えるという関
係がある。
く原因となる可燃物としては、大気中の塵埃や、整備時
に使用される潤滑油等のオイル類の他、排気ガス中に含
まれる未燃焼の液状の燃料があり、この液状の燃料が酸
素センサの排気電極(排気管内に露出する面)に付着し
てその表面を伝ってセンサシール部を浸透して外部にし
み出すことで、大気電極側に侵入することが本発明者ら
の実験により判明している。排気ガス中に未燃焼の燃料
が含まれる現象は、主にエンジン始動中に発生するた
め、排気ガス中の未燃焼の液状の燃料が酸素センサの排
気電極に付着する現象は、主にエンジン始動中に発生す
る。従って、エンジン始動中に噴射した燃料量が多くな
るほど、酸素センサの排気電極に付着する燃料量が多く
なり、それに伴って、排気電極の表面を伝って外部にし
み出して大気電極側に侵入する燃料量が増えるという関
係がある。
【0022】この関係に着目し、請求項5では、エンジ
ン始動中に噴射した燃料量を噴射燃料量判定手段により
判定し、その判定結果に基づいて燃料が酸素センサの大
気電極側に侵入したか否かを判定する。
ン始動中に噴射した燃料量を噴射燃料量判定手段により
判定し、その判定結果に基づいて燃料が酸素センサの大
気電極側に侵入したか否かを判定する。
【0023】また、酸素センサの大気電極側に侵入した
可燃物が燃焼する際には、大気電極側の酸素濃度が急激
に低下して酸欠状態となる。この状態では、大気電極側
の酸素濃度と排気電極側の酸素濃度との間の大小関係が
逆転して酸素センサの出力が負電位になる。
可燃物が燃焼する際には、大気電極側の酸素濃度が急激
に低下して酸欠状態となる。この状態では、大気電極側
の酸素濃度と排気電極側の酸素濃度との間の大小関係が
逆転して酸素センサの出力が負電位になる。
【0024】この関係に着目し、請求項6では、可燃物
侵入判定手段は、酸素センサの出力が負電位であるか否
かによって酸素センサの大気電極側への可燃物の侵入の
有無を判定する。
侵入判定手段は、酸素センサの出力が負電位であるか否
かによって酸素センサの大気電極側への可燃物の侵入の
有無を判定する。
【0025】しかしながら、酸素センサの出力回路の構
成上、負の電位が検出できない場合がある。このような
場合には、上述した酸欠状態が発生する条件を考慮し、
請求項7のように、酸素センサの温度が所定温度になっ
てから酸素センサの出力が所定値以下の状態が所定時間
継続したか否かで、前記酸素センサの大気電極側への可
燃物侵入の有無を判定することができる。
成上、負の電位が検出できない場合がある。このような
場合には、上述した酸欠状態が発生する条件を考慮し、
請求項7のように、酸素センサの温度が所定温度になっ
てから酸素センサの出力が所定値以下の状態が所定時間
継続したか否かで、前記酸素センサの大気電極側への可
燃物侵入の有無を判定することができる。
【0026】この場合は、真の故障と区別をつけるため
に、酸素センサの出力が所定値以下の状態が所定時間継
続した時に仮の故障判定を行っておき、酸欠状態回復判
定手段により酸欠状態から回復したと判断した後に、所
定値以上の出力とならない場合は、仮の故障判定結果を
故障コードとして記憶するように処理することが望まし
い。
に、酸素センサの出力が所定値以下の状態が所定時間継
続した時に仮の故障判定を行っておき、酸欠状態回復判
定手段により酸欠状態から回復したと判断した後に、所
定値以上の出力とならない場合は、仮の故障判定結果を
故障コードとして記憶するように処理することが望まし
い。
【0027】ところで、酸素センサの大気電極側に侵入
した可燃物が燃焼(酸化反応)するときの温度は、酸素
センサの温度によって推定可能である。この酸素センサ
の温度は、酸素センサに温度センサを取り付けて検出す
るようにしても良いが、酸素センサの温度は、酸素セン
サへの通電時間、エンジン冷却水温、排出ガス温度、エ
ンジン負荷によって推定可能である。
した可燃物が燃焼(酸化反応)するときの温度は、酸素
センサの温度によって推定可能である。この酸素センサ
の温度は、酸素センサに温度センサを取り付けて検出す
るようにしても良いが、酸素センサの温度は、酸素セン
サへの通電時間、エンジン冷却水温、排出ガス温度、エ
ンジン負荷によって推定可能である。
【0028】そこで、請求項8では、酸素センサへの通
電時間、エンジン冷却水温、排出ガス温度、エンジン負
荷のうちの1つ若しくは2つ以上の情報から酸欠状態回
復判定手段によって酸素センサの温度を判定し、この判
定結果を考慮して酸素センサの大気電極側が酸欠状態か
ら回復したか否かを判定する。
電時間、エンジン冷却水温、排出ガス温度、エンジン負
荷のうちの1つ若しくは2つ以上の情報から酸欠状態回
復判定手段によって酸素センサの温度を判定し、この判
定結果を考慮して酸素センサの大気電極側が酸欠状態か
ら回復したか否かを判定する。
【0029】また、請求項9では、酸素センサの温度が
所定温度に達したと判定してから所定時間経過したか否
かで、酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復した
か否かを判定する。ここで、“所定温度”は例えば可燃
物が燃焼(酸化反応)する温度又は酸素センサが活性化
する温度であり、“所定時間”は可燃物が燃え尽きるの
に十分な時間である。これにより、大気電極側に侵入し
た可燃物が完全に燃え尽きるまで、故障の判定を確実に
無効化できる。
所定温度に達したと判定してから所定時間経過したか否
かで、酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復した
か否かを判定する。ここで、“所定温度”は例えば可燃
物が燃焼(酸化反応)する温度又は酸素センサが活性化
する温度であり、“所定時間”は可燃物が燃え尽きるの
に十分な時間である。これにより、大気電極側に侵入し
た可燃物が完全に燃え尽きるまで、故障の判定を確実に
無効化できる。
【0030】また、請求項10では、酸素センサの温度
が所定温度に達したと判定してから酸素センサの出力が
正常な出力範囲に戻ったか否かで、前記酸素センサの大
気電極側が酸欠状態から回復したか否かを判定する。つ
まり、大気電極側に侵入した可燃物が燃え尽きると、大
気電極側の酸素濃度が正常値(大気中の酸素濃度)に復
帰して酸素センサの出力が正常な出力範囲に戻る。従っ
て、酸素センサの出力が正常な出力範囲に戻ったとき
に、大気電極側に侵入した可燃物が燃え尽きたものと判
定することが可能である。
が所定温度に達したと判定してから酸素センサの出力が
正常な出力範囲に戻ったか否かで、前記酸素センサの大
気電極側が酸欠状態から回復したか否かを判定する。つ
まり、大気電極側に侵入した可燃物が燃え尽きると、大
気電極側の酸素濃度が正常値(大気中の酸素濃度)に復
帰して酸素センサの出力が正常な出力範囲に戻る。従っ
て、酸素センサの出力が正常な出力範囲に戻ったとき
に、大気電極側に侵入した可燃物が燃え尽きたものと判
定することが可能である。
【0031】一方、前述したように酸素センサの大気電
極側に侵入した可燃物が燃え尽きるまでの間、大気電極
側が酸欠状態となって酸素センサの出力が負電位になる
点に着目し、本発明の請求項11の酸素濃度検出装置に
よれば、酸素センサの出力が負電位の間はセンサ故障判
定手段による故障の判定を故障判定無効化手段により無
効化する。これにより、極めて簡単な構成で、大気電極
側に侵入した可燃物が燃え尽きるまで、故障の判定を無
効化することが可能となる。
極側に侵入した可燃物が燃え尽きるまでの間、大気電極
側が酸欠状態となって酸素センサの出力が負電位になる
点に着目し、本発明の請求項11の酸素濃度検出装置に
よれば、酸素センサの出力が負電位の間はセンサ故障判
定手段による故障の判定を故障判定無効化手段により無
効化する。これにより、極めて簡単な構成で、大気電極
側に侵入した可燃物が燃え尽きるまで、故障の判定を無
効化することが可能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図12に
基づいて説明する。図1において、エンジン11には、
燃料噴射制御手段12によって制御されるインジェクタ
13から燃料が噴射される。上記燃料噴射制御手段12
は、エンジン冷却水温を検出する温度センサ14や、図
示しないエンジン回転数センサ、エアフローセンサ、ス
ロットル開度センサ等の各種のセンサからの情報に基づ
いて、燃料噴射量TAUを図3のルーチンによって次の
ように演算する。
基づいて説明する。図1において、エンジン11には、
燃料噴射制御手段12によって制御されるインジェクタ
13から燃料が噴射される。上記燃料噴射制御手段12
は、エンジン冷却水温を検出する温度センサ14や、図
示しないエンジン回転数センサ、エアフローセンサ、ス
ロットル開度センサ等の各種のセンサからの情報に基づ
いて、燃料噴射量TAUを図3のルーチンによって次の
ように演算する。
【0033】まず、所定空燃比(一般的には理論空燃比
14.7)を実現するための基本燃料噴射量TPを演算
し(ステップ100)、空燃比補正係数FAFを演算す
る(ステップ101)。次いで、これら基本燃料噴射量
TP、空燃比補正係数FAF等から次式により燃料噴射
量TAUを演算する(ステップ103)。
14.7)を実現するための基本燃料噴射量TPを演算
し(ステップ100)、空燃比補正係数FAFを演算す
る(ステップ101)。次いで、これら基本燃料噴射量
TP、空燃比補正係数FAF等から次式により燃料噴射
量TAUを演算する(ステップ103)。
【0034】TAU=TP×FAF×FC+TV FC:各種の補正係数 TV:インジェクタ13の無効噴射時間 また、燃料噴射制御手段12は、排気管15の途中に設
けられた酸素センサ16の出力(排気ガス中の酸素濃
度)をセンサ出力検出手段17により検出し、現在の空
燃比が目標空燃比に対してリッチであるかリーンである
かを判別して空燃比のフィードバック制御を図4及び図
5のルーチンによって次のように行う。
けられた酸素センサ16の出力(排気ガス中の酸素濃
度)をセンサ出力検出手段17により検出し、現在の空
燃比が目標空燃比に対してリッチであるかリーンである
かを判別して空燃比のフィードバック制御を図4及び図
5のルーチンによって次のように行う。
【0035】まず、図4のステップ111で、フィード
バック条件が成立したか否かを判定する。ここで、フィ
ードバック条件とは、酸素センサ16が活性状態(高温
状態)であること、エンジン冷却水温が所定温度以上で
あること等である。このフィードバック条件が成立して
いれば、ステップ112に進み、フィードバック禁止中
であるか否かを判定し、フィードバック禁止中であれ
ば、オープンループ制御を行い(ステップ113)、フ
ィードバック禁止中でなければ、空燃比フィードバック
制御を行う(ステップ114)。尚、フィードバック禁
止の判定は、後述する図8のフィードバック禁止処理ル
ーチンによって行われ、可燃物の燃焼中は空燃比フィー
ドバック制御を禁止する。
バック条件が成立したか否かを判定する。ここで、フィ
ードバック条件とは、酸素センサ16が活性状態(高温
状態)であること、エンジン冷却水温が所定温度以上で
あること等である。このフィードバック条件が成立して
いれば、ステップ112に進み、フィードバック禁止中
であるか否かを判定し、フィードバック禁止中であれ
ば、オープンループ制御を行い(ステップ113)、フ
ィードバック禁止中でなければ、空燃比フィードバック
制御を行う(ステップ114)。尚、フィードバック禁
止の判定は、後述する図8のフィードバック禁止処理ル
ーチンによって行われ、可燃物の燃焼中は空燃比フィー
ドバック制御を禁止する。
【0036】空燃比フィードバック制御は、図5に示す
ように、まず、ステップ115で、今回の空燃比がリッ
チであるか否かを判定し、リッチであれば、前回の判定
結果と比較して、空燃比がリーンからリッチに反転した
か否かを判定する(ステップ119)。ここで、リーン
からリッチに反転したと判定されると、現在の空燃比補
正係数FAFからスキップ量αを差し引いた値を新たな
空燃比補正係数FAFとする(ステップ121)。これ
に対し、リーンからリッチに反転していない場合、つま
り前回もリッチの場合には、現在の空燃比補正係数FA
Fから積分量β(α>β)を差し引いた値を新たな空燃
比補正係数FAFとする(ステップ120)。
ように、まず、ステップ115で、今回の空燃比がリッ
チであるか否かを判定し、リッチであれば、前回の判定
結果と比較して、空燃比がリーンからリッチに反転した
か否かを判定する(ステップ119)。ここで、リーン
からリッチに反転したと判定されると、現在の空燃比補
正係数FAFからスキップ量αを差し引いた値を新たな
空燃比補正係数FAFとする(ステップ121)。これ
に対し、リーンからリッチに反転していない場合、つま
り前回もリッチの場合には、現在の空燃比補正係数FA
Fから積分量β(α>β)を差し引いた値を新たな空燃
比補正係数FAFとする(ステップ120)。
【0037】一方、前述したステップ115で、空燃比
がリーンであると判定された場合には、ステップ116
に進み、空燃比がリッチからリーンに反転したか否かを
判定し、リッチからリーンに反転したと判定されると、
現在の空燃比補正係数FAFにスキップ量αを加えた値
を新たな空燃比補正係数FAFとする(ステップ11
7)。これに対し、リッチからリーンに反転していない
場合、つまり前回もリーンの場合には、現在の空燃比補
正係数FAFに積分量βを加えた値を新たな空燃比補正
係数FAFとする(ステップ118)。
がリーンであると判定された場合には、ステップ116
に進み、空燃比がリッチからリーンに反転したか否かを
判定し、リッチからリーンに反転したと判定されると、
現在の空燃比補正係数FAFにスキップ量αを加えた値
を新たな空燃比補正係数FAFとする(ステップ11
7)。これに対し、リッチからリーンに反転していない
場合、つまり前回もリーンの場合には、現在の空燃比補
正係数FAFに積分量βを加えた値を新たな空燃比補正
係数FAFとする(ステップ118)。
【0038】一方、図1に示す可燃物侵入判定手段17
は、燃料噴射制御手段12やセンサ出力検出手段18等
から得られた情報に基づいて酸素センサ16の大気電極
19側(図2参照)に可燃物が侵入したか否かを判定す
る。ここで、酸素センサ16の大気電極19側に可燃物
が侵入するメカニズムを説明するために、まず、酸素セ
ンサ16の構造を図2に基づいて説明する。
は、燃料噴射制御手段12やセンサ出力検出手段18等
から得られた情報に基づいて酸素センサ16の大気電極
19側(図2参照)に可燃物が侵入したか否かを判定す
る。ここで、酸素センサ16の大気電極19側に可燃物
が侵入するメカニズムを説明するために、まず、酸素セ
ンサ16の構造を図2に基づいて説明する。
【0039】酸素センサ16は、センサホルダ21を介
して排気管15に取り付けられ、排出ガス中の酸素濃度
に応じた電圧を発生するセンサ部20はセンサホルダ2
1にセンサシール部22を介して固定されている。この
センサシール部22は、耐熱性を要求されることから、
セラミック粉末を圧縮したものを使用している。センサ
部20は有底筒状に形成され、その内部に大気電極19
が設けられている。この大気電極19は、センサホルダ
21に被せられた上部カバー23の大気導入口24から
導入される大気に触れるようになっている。上部カバー
23内にはフィルタ27が装着され、大気導入口24か
ら導入される大気に含まれる塵埃をフィルタ27で取り
除くようになっている。
して排気管15に取り付けられ、排出ガス中の酸素濃度
に応じた電圧を発生するセンサ部20はセンサホルダ2
1にセンサシール部22を介して固定されている。この
センサシール部22は、耐熱性を要求されることから、
セラミック粉末を圧縮したものを使用している。センサ
部20は有底筒状に形成され、その内部に大気電極19
が設けられている。この大気電極19は、センサホルダ
21に被せられた上部カバー23の大気導入口24から
導入される大気に触れるようになっている。上部カバー
23内にはフィルタ27が装着され、大気導入口24か
ら導入される大気に含まれる塵埃をフィルタ27で取り
除くようになっている。
【0040】一方、センサ部20の外表面は排気電極2
5となっており、排気管15内を流れる排出ガスの一部
が下部カバー26の多数の小孔から侵入して排気電極2
5に触れるようになっている。また、センサ部20の下
部内側にはヒータ28が設けられ、このヒータ28によ
ってセンサ部20を加熱することで、活性化するまでの
時間を短くするようにしている。
5となっており、排気管15内を流れる排出ガスの一部
が下部カバー26の多数の小孔から侵入して排気電極2
5に触れるようになっている。また、センサ部20の下
部内側にはヒータ28が設けられ、このヒータ28によ
ってセンサ部20を加熱することで、活性化するまでの
時間を短くするようにしている。
【0041】この酸素センサ16の大気電極19側に侵
入する可燃物としては、大気中の塵埃や、整備時に使用
される潤滑油等のオイル類の他、排気ガス中に含まれる
未燃焼の液状の燃料があり、この液状の燃料が酸素セン
サ16の排気電極19(排出ガスに露出する面)に付着
してその表面を伝ってセンサシール部22を浸透して外
部にしみ出すことで、大気電極19側に侵入することが
本発明者らの実験により判明している。排気ガス中に未
燃焼の液状の燃料が含まれる現象は、主にエンジン11
の始動中に発生するため、排気ガス中の未燃焼の燃料が
酸素センサ16の排気電極25に付着する現象は、主に
エンジン11の始動中に発生する。従って、エンジン1
1の始動中に噴射した燃料量が多くなるほど、酸素セン
サ16の排気電極25に付着する燃料量が多くなり、そ
れに伴って、排気電極25の表面を伝って外部にしみ出
して大気電極19側に侵入する燃料量が増えるという関
係がある。
入する可燃物としては、大気中の塵埃や、整備時に使用
される潤滑油等のオイル類の他、排気ガス中に含まれる
未燃焼の液状の燃料があり、この液状の燃料が酸素セン
サ16の排気電極19(排出ガスに露出する面)に付着
してその表面を伝ってセンサシール部22を浸透して外
部にしみ出すことで、大気電極19側に侵入することが
本発明者らの実験により判明している。排気ガス中に未
燃焼の液状の燃料が含まれる現象は、主にエンジン11
の始動中に発生するため、排気ガス中の未燃焼の燃料が
酸素センサ16の排気電極25に付着する現象は、主に
エンジン11の始動中に発生する。従って、エンジン1
1の始動中に噴射した燃料量が多くなるほど、酸素セン
サ16の排気電極25に付着する燃料量が多くなり、そ
れに伴って、排気電極25の表面を伝って外部にしみ出
して大気電極19側に侵入する燃料量が増えるという関
係がある。
【0042】この関係に着目し、この実施例では、図6
の可燃物侵入判定ルーチンによってエンジン11の始動
中に噴射した燃料量を判定し、その判定結果に基づいて
燃料が酸素センサ16の大気電極19側に侵入したか否
かを判定するものである。
の可燃物侵入判定ルーチンによってエンジン11の始動
中に噴射した燃料量を判定し、その判定結果に基づいて
燃料が酸素センサ16の大気電極19側に侵入したか否
かを判定するものである。
【0043】このルーチンでは、まず、ステップ131
で、可燃物侵入フラグXO2INHが“0”か否かを判
定する。ここで、XO2INH=0のときには燃料(可
燃物)が大気電極19側に侵入していないことを意味
し、XO2INH=1のときには燃料が大気電極19側
に侵入していることを意味する。もし、XO2INH=
0(燃料侵入無し)と判定されれば、ステップ132に
進んで、エンジン11の始動前に、STS(今回の始動
で噴射した総燃料量)を“0”にクリアして、エンジン
11が始動されるまで(スタータが投入されるまで)待
機する(ステップ133)。
で、可燃物侵入フラグXO2INHが“0”か否かを判
定する。ここで、XO2INH=0のときには燃料(可
燃物)が大気電極19側に侵入していないことを意味
し、XO2INH=1のときには燃料が大気電極19側
に侵入していることを意味する。もし、XO2INH=
0(燃料侵入無し)と判定されれば、ステップ132に
進んで、エンジン11の始動前に、STS(今回の始動
で噴射した総燃料量)を“0”にクリアして、エンジン
11が始動されるまで(スタータが投入されるまで)待
機する(ステップ133)。
【0044】この後、エンジン11が始動されて始動時
燃料噴射量TSTが噴射されると、エンジン回転数Ne
が500rpmを越えたか否か、つまり、エンジン11
の始動が完了したか否かを判定し(ステップ134)、
始動中であれば、ステップ135に進んで、今回の始動
中に噴射した総燃料量STSに前記始動時燃料噴射量T
STを加算すると共に、前回以前の始動中に噴射された
総燃料量STSBにも前記始動時燃料噴射量TSTを加
算する(ステップ136)。
燃料噴射量TSTが噴射されると、エンジン回転数Ne
が500rpmを越えたか否か、つまり、エンジン11
の始動が完了したか否かを判定し(ステップ134)、
始動中であれば、ステップ135に進んで、今回の始動
中に噴射した総燃料量STSに前記始動時燃料噴射量T
STを加算すると共に、前回以前の始動中に噴射された
総燃料量STSBにも前記始動時燃料噴射量TSTを加
算する(ステップ136)。
【0045】エンジン11の始動中(エンジン回転数N
e≦500rpm)の間は、上記ステップ133〜13
6の処理を繰り返して、今回の始動中に噴射した総燃料
量STSを積算すると共に、前回以前の始動中に噴射さ
れた総燃料量STSBも積算する。ここで、前回以前の
始動中に噴射された総燃料量STSBを積算する理由
は、前回以前の始動でエンジン11がかからなかった場
合(この場合には酸素センサ16に燃料が付着したまま
放置される)を考慮するためである。このSTSBはバ
ッテリでバックアップされたRAM(図示せず)に記憶
され、イグニッションスイッチがオフされても、前回に
始動操作したときの総燃料量STSBが保持される。
e≦500rpm)の間は、上記ステップ133〜13
6の処理を繰り返して、今回の始動中に噴射した総燃料
量STSを積算すると共に、前回以前の始動中に噴射さ
れた総燃料量STSBも積算する。ここで、前回以前の
始動中に噴射された総燃料量STSBを積算する理由
は、前回以前の始動でエンジン11がかからなかった場
合(この場合には酸素センサ16に燃料が付着したまま
放置される)を考慮するためである。このSTSBはバ
ッテリでバックアップされたRAM(図示せず)に記憶
され、イグニッションスイッチがオフされても、前回に
始動操作したときの総燃料量STSBが保持される。
【0046】一方、エンジン回転数Neが500rpm
を越えると、エンジン11の始動が完了したものとみな
して、ステップ137に進み、前回以前の始動により酸
素センサ16に付着したと考えられる燃料量に基づい
て、酸素センサ16の大気電極19側に燃料が侵入した
か否かを判定する。
を越えると、エンジン11の始動が完了したものとみな
して、ステップ137に進み、前回以前の始動により酸
素センサ16に付着したと考えられる燃料量に基づい
て、酸素センサ16の大気電極19側に燃料が侵入した
か否かを判定する。
【0047】ここで、燃料の侵入の有無を判定する判定
基準を説明する。酸素センサ16の排気電極25の表面
に付着した燃料が大気電極19側に侵入するための条件
は、酸素センサ16の排気電極25に付着した燃料量
が所定量以上になること(この条件はステップ137で
判定される)、燃料が付着した状態でセンサシール部
22を浸透するために必要な所定時間以上放置されてい
ることである。
基準を説明する。酸素センサ16の排気電極25の表面
に付着した燃料が大気電極19側に侵入するための条件
は、酸素センサ16の排気電極25に付着した燃料量
が所定量以上になること(この条件はステップ137で
判定される)、燃料が付着した状態でセンサシール部
22を浸透するために必要な所定時間以上放置されてい
ることである。
【0048】本発明者らの実験結果によれば、燃料がセ
ンサシール部22を浸透するには1時間程度必要であっ
た。従って、酸素センサ16に燃料が付着した状態で放
置されたことを検出するために、始動操作を行ってから
所定の温度条件(酸素センサ16に付着した燃料が蒸発
するのに必要な温度条件)が成立するまでにイグニッシ
ョンスイッチがオフされた場合には、ステップ136で
求めた前回以前の始動中に噴射された総燃料量STSB
を“0”にクリアせずに次回の始動まで保持する必要が
ある。
ンサシール部22を浸透するには1時間程度必要であっ
た。従って、酸素センサ16に燃料が付着した状態で放
置されたことを検出するために、始動操作を行ってから
所定の温度条件(酸素センサ16に付着した燃料が蒸発
するのに必要な温度条件)が成立するまでにイグニッシ
ョンスイッチがオフされた場合には、ステップ136で
求めた前回以前の始動中に噴射された総燃料量STSB
を“0”にクリアせずに次回の始動まで保持する必要が
ある。
【0049】ステップ137において、上記の条件を
判定するために、ステップ136で求めた前回以前の始
動中に噴射された総燃料量STSBから、ステップ13
5で求めた今回の始動中に噴射した総燃料量STSを差
し引いた値によって、前回以前の始動により酸素センサ
16に付着したと考えられる燃料量を推定し、STSB
−STSの値を所定値Kと比較して、STSB−STS
>Kの場合には、酸素センサ16の大気電極19側に燃
料が侵入したものと推定して、ステップ138に進み、
可燃物侵入フラグXO2INHを“1”にセットする。
判定するために、ステップ136で求めた前回以前の始
動中に噴射された総燃料量STSBから、ステップ13
5で求めた今回の始動中に噴射した総燃料量STSを差
し引いた値によって、前回以前の始動により酸素センサ
16に付着したと考えられる燃料量を推定し、STSB
−STSの値を所定値Kと比較して、STSB−STS
>Kの場合には、酸素センサ16の大気電極19側に燃
料が侵入したものと推定して、ステップ138に進み、
可燃物侵入フラグXO2INHを“1”にセットする。
【0050】これに対し、STSB−STS≦Kの場合
には、酸素センサ16に付着している燃料量が少ないた
め、大気電極19側への燃料の侵入を無視できるとみな
して、ステップ139に進み、可燃物侵入フラグXO2
INHを“0”にセットする。この場合には、所定の温
度条件(酸素センサ16に付着した燃料がすべて蒸発す
るのに必要な温度条件)が成立するまで、ステップ14
0で待機し、前述したバッテリでバックアップされたR
AMに記憶されているSTSBを“0”にクリアせずに
保持する。所定の温度条件が成立するまでにイグニッシ
ョンスイッチがオフされた場合に対処するためである。
ここで、所定の温度条件は、後述する故障判定禁止を解
除する温度条件とは異なり、酸素センサ16に付着した
燃料がすべて蒸発するまでの時間であれば良く、例えば
エンジン水温が80℃以上になることを条件としても良
い。
には、酸素センサ16に付着している燃料量が少ないた
め、大気電極19側への燃料の侵入を無視できるとみな
して、ステップ139に進み、可燃物侵入フラグXO2
INHを“0”にセットする。この場合には、所定の温
度条件(酸素センサ16に付着した燃料がすべて蒸発す
るのに必要な温度条件)が成立するまで、ステップ14
0で待機し、前述したバッテリでバックアップされたR
AMに記憶されているSTSBを“0”にクリアせずに
保持する。所定の温度条件が成立するまでにイグニッシ
ョンスイッチがオフされた場合に対処するためである。
ここで、所定の温度条件は、後述する故障判定禁止を解
除する温度条件とは異なり、酸素センサ16に付着した
燃料がすべて蒸発するまでの時間であれば良く、例えば
エンジン水温が80℃以上になることを条件としても良
い。
【0051】上記ステップ140で所定の温度条件が成
立するまで運転が継続された場合には、酸素センサ16
に付着した燃料がすべて蒸発したものとみなすことがで
きるため、ステップ141に進み、前回以前の始動中に
噴射された総燃料量STSBを“0”にクリアする。ま
た、前述したステップ138で、可燃物侵入フラグXO
2INHを“1”にセットした場合(つまり燃料の侵入
有りと判定した場合)も、ステップ141に進み、ST
SBを“0”にクリアする。これは、後述するように故
障判定禁止期間中に大気電極19側に侵入している燃料
が燃え尽きるためである。
立するまで運転が継続された場合には、酸素センサ16
に付着した燃料がすべて蒸発したものとみなすことがで
きるため、ステップ141に進み、前回以前の始動中に
噴射された総燃料量STSBを“0”にクリアする。ま
た、前述したステップ138で、可燃物侵入フラグXO
2INHを“1”にセットした場合(つまり燃料の侵入
有りと判定した場合)も、ステップ141に進み、ST
SBを“0”にクリアする。これは、後述するように故
障判定禁止期間中に大気電極19側に侵入している燃料
が燃え尽きるためである。
【0052】以上説明した図6のルーチンは、エンジン
11の始動中に酸素センサ16の排気電極25の表面に
付着した燃料が大気電極19側に侵入して燃焼(酸化反
応)することで、大気電極19側が酸欠状態になること
に対処するためのものであり、酸素センサ16に付着し
た燃料量を推定して大気電極19側が酸欠状態になるで
あろうことを予測して故障判定を禁止するものである。
11の始動中に酸素センサ16の排気電極25の表面に
付着した燃料が大気電極19側に侵入して燃焼(酸化反
応)することで、大気電極19側が酸欠状態になること
に対処するためのものであり、酸素センサ16に付着し
た燃料量を推定して大気電極19側が酸欠状態になるで
あろうことを予測して故障判定を禁止するものである。
【0053】酸素センサ16の大気電極19側に侵入す
る可燃物としては、燃料の他、大気中の可燃性の塵埃や
オイル等があり、この塵埃やオイル等が酸素センサ16
の大気導入口24から大気電極19側に侵入した場合に
もこの塵埃やオイル等が燃焼(酸化反応)する際に大気
電極19側が酸欠状態になる。この場合、大気電極19
側が酸欠状態になると、大気電極19側と排気電極25
側との間の酸素濃度の大小関係が逆転して、酸素センサ
16の出力が負電位になるので、大気電極19側が酸欠
状態になったことを酸素センサ16の出力によって検出
したときに、大気電極19側に可燃物が侵入していると
判定して故障判定を禁止(無効化)するようにしても良
い。
る可燃物としては、燃料の他、大気中の可燃性の塵埃や
オイル等があり、この塵埃やオイル等が酸素センサ16
の大気導入口24から大気電極19側に侵入した場合に
もこの塵埃やオイル等が燃焼(酸化反応)する際に大気
電極19側が酸欠状態になる。この場合、大気電極19
側が酸欠状態になると、大気電極19側と排気電極25
側との間の酸素濃度の大小関係が逆転して、酸素センサ
16の出力が負電位になるので、大気電極19側が酸欠
状態になったことを酸素センサ16の出力によって検出
したときに、大気電極19側に可燃物が侵入していると
判定して故障判定を禁止(無効化)するようにしても良
い。
【0054】燃料以外の可燃物の侵入に対する判定は、
図7のルーチンによって行われる。このルーチンでは、
まず、ステップ151で、酸素センサ16が活性状態に
なったか否かを判定するため、酸素センサ16の出力を
活性レベル電圧Vth(例えば0.4〜0.5V程度)と
比較し、酸素センサ16の出力が活性レベル電圧Vthに
上昇するまで待機する。この後、酸素センサ16の出力
が活性レベル電圧Vthを越えた時点で、ステップ512
に進んで、酸素センサ16の出力が負電位になったか否
かを判断する。
図7のルーチンによって行われる。このルーチンでは、
まず、ステップ151で、酸素センサ16が活性状態に
なったか否かを判定するため、酸素センサ16の出力を
活性レベル電圧Vth(例えば0.4〜0.5V程度)と
比較し、酸素センサ16の出力が活性レベル電圧Vthに
上昇するまで待機する。この後、酸素センサ16の出力
が活性レベル電圧Vthを越えた時点で、ステップ512
に進んで、酸素センサ16の出力が負電位になったか否
かを判断する。
【0055】もし、大気電極19側に可燃物が侵入して
いると、酸素センサ16が活性状態になる頃には、当該
可燃物が燃えて大気電極19側が酸欠状態になり、大気
電極19側と排気電極25側との間の酸素濃度の大小関
係が逆転して、酸素センサ16の出力が負電位になる。
従って、ステップ152で、酸素センサ16の出力が負
電位になっていると判定された場合には、大気電極19
側に可燃物が侵入していると推定して、ステップ153
に進み、可燃物侵入フラグXO2INHを“1”にセッ
トする。
いると、酸素センサ16が活性状態になる頃には、当該
可燃物が燃えて大気電極19側が酸欠状態になり、大気
電極19側と排気電極25側との間の酸素濃度の大小関
係が逆転して、酸素センサ16の出力が負電位になる。
従って、ステップ152で、酸素センサ16の出力が負
電位になっていると判定された場合には、大気電極19
側に可燃物が侵入していると推定して、ステップ153
に進み、可燃物侵入フラグXO2INHを“1”にセッ
トする。
【0056】一方、ステップ152で、酸素センサ16
の出力が0V以上であると判定された場合には、大気電
極19側に可燃物が侵入していないと推定して、ステッ
プ154に進み、可燃物侵入フラグXO2INHを
“0”にセットする。この場合には、ステップ152に
戻り、酸素センサ16の出力が負電位であるか否かによ
る可燃物侵入の有無の判定を繰り返し、酸素センサ16
の出力が負電位になった時点で、大気電極19側に可燃
物が侵入していると推定して、ステップ153に進み、
可燃物侵入フラグXO2INHを“1”にセットする。
の出力が0V以上であると判定された場合には、大気電
極19側に可燃物が侵入していないと推定して、ステッ
プ154に進み、可燃物侵入フラグXO2INHを
“0”にセットする。この場合には、ステップ152に
戻り、酸素センサ16の出力が負電位であるか否かによ
る可燃物侵入の有無の判定を繰り返し、酸素センサ16
の出力が負電位になった時点で、大気電極19側に可燃
物が侵入していると推定して、ステップ153に進み、
可燃物侵入フラグXO2INHを“1”にセットする。
【0057】以上説明した図6又は図7のルーチンによ
って可燃物の侵入が検出されると、図8のルーチンによ
って可燃物が燃え尽きる(酸化反応が終了する)まで空
燃比フィードバック制御が禁止される。このルーチンで
は、まず、ステップ161で可燃物が大気電極19側に
侵入したか否かを可燃物侵入フラグXO2INHが
“1”であるか否かによって判定し、可燃物が大気電極
19側に侵入していなければ、ステップ164に進ん
で、空燃比フィードバック制御を許可する。
って可燃物の侵入が検出されると、図8のルーチンによ
って可燃物が燃え尽きる(酸化反応が終了する)まで空
燃比フィードバック制御が禁止される。このルーチンで
は、まず、ステップ161で可燃物が大気電極19側に
侵入したか否かを可燃物侵入フラグXO2INHが
“1”であるか否かによって判定し、可燃物が大気電極
19側に侵入していなければ、ステップ164に進ん
で、空燃比フィードバック制御を許可する。
【0058】一方、ステップ161で、可燃物侵入と判
定された場合には、ステップ162に進んで、酸素セン
サ16の出力が正常範囲(K1<センサ出力<K2)で
あるか否かを判定し、酸素センサ16の出力が正常範囲
であれば、既に可燃物が燃え尽きたものと判断できるの
で、ステップ164に進んで、空燃比フィードバック制
御を許可し、F/Bフラグを“1”にセットする。も
し、ステップ162で、酸素センサ16の出力が正常範
囲から外れていると判断されている場合には、ステップ
163に進んで、空燃比フィードバック制御を禁止し、
F/Bフラグを“0”にセットする。
定された場合には、ステップ162に進んで、酸素セン
サ16の出力が正常範囲(K1<センサ出力<K2)で
あるか否かを判定し、酸素センサ16の出力が正常範囲
であれば、既に可燃物が燃え尽きたものと判断できるの
で、ステップ164に進んで、空燃比フィードバック制
御を許可し、F/Bフラグを“1”にセットする。も
し、ステップ162で、酸素センサ16の出力が正常範
囲から外れていると判断されている場合には、ステップ
163に進んで、空燃比フィードバック制御を禁止し、
F/Bフラグを“0”にセットする。
【0059】また、図1に示すセンサ故障判定手段30
は、図9のルーチンによって酸素センサ16の故障の有
無を判定する。このルーチンでは、まず、ステップ17
1で、故障判定条件が成立しているか否かを判定する。
ここで、故障判定条件とは、酸素センサ16が活性状態
(高温状態)であること、エンジン冷却水温が所定温度
以上であること等である。この故障判定条件が成立して
いれば、ステップ172に進んで、故障判定禁止中であ
るか否かを図10の故障判定禁止処理ルーチンによって
判定する。
は、図9のルーチンによって酸素センサ16の故障の有
無を判定する。このルーチンでは、まず、ステップ17
1で、故障判定条件が成立しているか否かを判定する。
ここで、故障判定条件とは、酸素センサ16が活性状態
(高温状態)であること、エンジン冷却水温が所定温度
以上であること等である。この故障判定条件が成立して
いれば、ステップ172に進んで、故障判定禁止中であ
るか否かを図10の故障判定禁止処理ルーチンによって
判定する。
【0060】この故障判定禁止処理ルーチンでは、ま
ず、ステップ191で、可燃物が大気電極19側に侵入
したか否かを可燃物侵入フラグXO2INHが“1”で
あるか否かによって判定し、可燃物が大気電極19側に
侵入していなければ、ステップ196に進んで、故障判
定を許可する。一方、ステップ191で、可燃物侵入と
判定された場合には、ステップ192に進んで、エンジ
ン冷却水温度TMPが所定温度C2(例えば90℃)よ
りも高いか否かを判断し、TMP≦C2の場合には、ス
テップ195に進んで、故障判定を許可する。TMP≦
C2の場合には、酸素センサ16の温度が大気電極19
側に侵入した可燃物が燃える温度まで上昇しておらず、
大気電極19側が酸欠状態にはなっていないと推定でき
るからである。
ず、ステップ191で、可燃物が大気電極19側に侵入
したか否かを可燃物侵入フラグXO2INHが“1”で
あるか否かによって判定し、可燃物が大気電極19側に
侵入していなければ、ステップ196に進んで、故障判
定を許可する。一方、ステップ191で、可燃物侵入と
判定された場合には、ステップ192に進んで、エンジ
ン冷却水温度TMPが所定温度C2(例えば90℃)よ
りも高いか否かを判断し、TMP≦C2の場合には、ス
テップ195に進んで、故障判定を許可する。TMP≦
C2の場合には、酸素センサ16の温度が大気電極19
側に侵入した可燃物が燃える温度まで上昇しておらず、
大気電極19側が酸欠状態にはなっていないと推定でき
るからである。
【0061】これに対し、ステップ192でTMP>C
2と判定された場合には、酸素センサ16の温度が大気
電極19側に侵入した可燃物が燃える温度まで上昇した
ものと推定できるので、ステップ193に進んで、タイ
マカウンタCNTを1カウントアップして、可燃物の燃
焼時間を積算する。次いで、ステップ194で、タイマ
カウンタCNTのカウント値(可燃物の燃焼時間)が所
定時間C3に達したか否かを判定し、所定時間C3に達
していなければ、大気電極19側に侵入した可燃物が燃
え尽きていないと判断して、ステップ195に進んで、
故障判定を禁止する。従って、所定時間C3は、可燃物
が燃え尽きるのに十分な時間に設定されている。その
後、タイマカウンタCNTのカウント値が所定時間C3
に達すれば、可燃物が燃え尽きたものと判断して、ステ
ップ196に進み、故障判定を許可し、タイマカウンタ
CNTをクリアする(ステップ197)。
2と判定された場合には、酸素センサ16の温度が大気
電極19側に侵入した可燃物が燃える温度まで上昇した
ものと推定できるので、ステップ193に進んで、タイ
マカウンタCNTを1カウントアップして、可燃物の燃
焼時間を積算する。次いで、ステップ194で、タイマ
カウンタCNTのカウント値(可燃物の燃焼時間)が所
定時間C3に達したか否かを判定し、所定時間C3に達
していなければ、大気電極19側に侵入した可燃物が燃
え尽きていないと判断して、ステップ195に進んで、
故障判定を禁止する。従って、所定時間C3は、可燃物
が燃え尽きるのに十分な時間に設定されている。その
後、タイマカウンタCNTのカウント値が所定時間C3
に達すれば、可燃物が燃え尽きたものと判断して、ステ
ップ196に進み、故障判定を許可し、タイマカウンタ
CNTをクリアする(ステップ197)。
【0062】上記ステップ192〜194の処理は、図
1に示す酸欠状態回復判定手段32が実行する。但し、
この酸欠状態回復判定手段32,燃料噴射制御手段1
2,可燃物侵入判定手段17及びセンサ故障判定手段3
0の機能は、マイクロコンピュータを主体としたエンジ
ン制御回路(図示せず)のソフトウエアによって実現さ
れる。
1に示す酸欠状態回復判定手段32が実行する。但し、
この酸欠状態回復判定手段32,燃料噴射制御手段1
2,可燃物侵入判定手段17及びセンサ故障判定手段3
0の機能は、マイクロコンピュータを主体としたエンジ
ン制御回路(図示せず)のソフトウエアによって実現さ
れる。
【0063】上述した故障判定禁止処理ルーチンによ
り、故障判定禁止と判定された場合には、図9のステッ
プ173に進んで、時間計測処理を行う。この時間計測
処理では、図11に示すように、まず、ステップ181
で、今回の空燃比がリッチであるか否かを判定し、今回
がリッチであれば、前回もリッチであるか否かを判定し
(ステップ182)、前回もリッチであれば、タイマカ
ウンタINTを1カウントアップするが(ステップ18
3)、前回がリーンであれば、タイマカウンタINTを
クリアする(ステップ184)。一方、ステップ181
で、今回の空燃比がリーンと判定されれば、前回もリー
ンであるか否かを判定し(ステップ185)、前回もリ
ーンであれば、タイマカウンタINTを1カウントアッ
プするが(ステップ187)、前回がリッチであれば、
タイマカウンタINTをクリアする(ステップ18
6)。
り、故障判定禁止と判定された場合には、図9のステッ
プ173に進んで、時間計測処理を行う。この時間計測
処理では、図11に示すように、まず、ステップ181
で、今回の空燃比がリッチであるか否かを判定し、今回
がリッチであれば、前回もリッチであるか否かを判定し
(ステップ182)、前回もリッチであれば、タイマカ
ウンタINTを1カウントアップするが(ステップ18
3)、前回がリーンであれば、タイマカウンタINTを
クリアする(ステップ184)。一方、ステップ181
で、今回の空燃比がリーンと判定されれば、前回もリー
ンであるか否かを判定し(ステップ185)、前回もリ
ーンであれば、タイマカウンタINTを1カウントアッ
プするが(ステップ187)、前回がリッチであれば、
タイマカウンタINTをクリアする(ステップ18
6)。
【0064】このような処理を行うことによって、酸素
センサ16の出力がリッチ側出力レベルとリッチ側出力
レベルになっている時間INTをそれぞれ計測し、その
時間INTが所定時間C1を越えて継続した場合には、
図9のステップ174の判定結果が「Yes」となり、
ステップ176に進んで、酸素センサ16の故障と判定
してフェイルフラグを“1”にセットし、図1に示す報
知手段31に故障信号を送信して、酸素センサ16の故
障をインジケータランプ等の点灯によって運転者に知ら
せる。一方、ステップ174で、計測時間INTが所定
時間C1以下であると判定された場合には、ステップ1
75に進んで、酸素センサ16は正常であると判定し
て、フェイルフラグを“0”にセットする。
センサ16の出力がリッチ側出力レベルとリッチ側出力
レベルになっている時間INTをそれぞれ計測し、その
時間INTが所定時間C1を越えて継続した場合には、
図9のステップ174の判定結果が「Yes」となり、
ステップ176に進んで、酸素センサ16の故障と判定
してフェイルフラグを“1”にセットし、図1に示す報
知手段31に故障信号を送信して、酸素センサ16の故
障をインジケータランプ等の点灯によって運転者に知ら
せる。一方、ステップ174で、計測時間INTが所定
時間C1以下であると判定された場合には、ステップ1
75に進んで、酸素センサ16は正常であると判定し
て、フェイルフラグを“0”にセットする。
【0065】以上の処理内容の一例をタイミングチャー
トで表すと、図11のようになる。この図11におい
て、酸欠回復条件が成立する(“1”になる)のは、可
燃物侵入フラグXO2INHが“1”から“0”に判定
するときである。酸欠期間中は、酸素センサ16の出力
の検出を停止すると共に、空燃比フィードバック制御
(FAFの算出)も停止する。酸欠期間終了後、断線等
の故障が発生した時点で、フェイル(故障)有りと判定
される。
トで表すと、図11のようになる。この図11におい
て、酸欠回復条件が成立する(“1”になる)のは、可
燃物侵入フラグXO2INHが“1”から“0”に判定
するときである。酸欠期間中は、酸素センサ16の出力
の検出を停止すると共に、空燃比フィードバック制御
(FAFの算出)も停止する。酸欠期間終了後、断線等
の故障が発生した時点で、フェイル(故障)有りと判定
される。
【0066】以上説明した実施例によれば、酸素センサ
16の出力に基づいて酸素センサ16の故障の有無を判
定するものであるが、この際、酸素センサ16の大気電
極19側に可燃物が侵入したか否かを、酸素センサ16
に付着した燃料量の推定又は酸素センサ16の出力によ
って判定し、可燃物の侵入と判定されたときには、所定
の条件を満たすまで(つまり大気電極19側に侵入した
可燃物が燃え尽きるまで)、故障の判定を禁止するよう
にしたので、可燃物の侵入による酸素センサ16の故障
の誤判定を未然に防ぐことができて、故障判定精度を向
上することができる。
16の出力に基づいて酸素センサ16の故障の有無を判
定するものであるが、この際、酸素センサ16の大気電
極19側に可燃物が侵入したか否かを、酸素センサ16
に付着した燃料量の推定又は酸素センサ16の出力によ
って判定し、可燃物の侵入と判定されたときには、所定
の条件を満たすまで(つまり大気電極19側に侵入した
可燃物が燃え尽きるまで)、故障の判定を禁止するよう
にしたので、可燃物の侵入による酸素センサ16の故障
の誤判定を未然に防ぐことができて、故障判定精度を向
上することができる。
【0067】この実施例では、可燃物の侵入と判定され
たときに、故障の判定を禁止する(つまり故障の判定自
体を行わない)ようにしたが、故障の判定を行ってもそ
の判定結果をペンディング状態(棚上げ状態)にするよ
うにしても良い。要するに、可燃物の侵入と判定された
ときに故障の判定を実質的に無効化すれば良い。
たときに、故障の判定を禁止する(つまり故障の判定自
体を行わない)ようにしたが、故障の判定を行ってもそ
の判定結果をペンディング状態(棚上げ状態)にするよ
うにしても良い。要するに、可燃物の侵入と判定された
ときに故障の判定を実質的に無効化すれば良い。
【0068】可燃物の侵入と判定されたときに、故障の
判定結果をペンディング状態にする場合(可燃物の侵入
時に故障の判定を禁止しない場合)には、大気電極19
側の酸欠状態が回復するまで(つまり大気電極19側に
侵入した可燃物が燃え尽きるまで)、報知手段31によ
る故障の報知を停止する。これにより、可燃物の侵入時
に故障の判定を禁止しなくても誤った故障の報知を未然
に防ぐことができる。この後、酸欠状態が回復した後
に、再び故障の有無を判定して、再び故障と判定された
ときに初めて報知手段31に故障の報知を行わせ、それ
以外の場合、つまり、再度の判定で酸素センサ16が正
常と判定された場合には故障の報知を取り止める。
判定結果をペンディング状態にする場合(可燃物の侵入
時に故障の判定を禁止しない場合)には、大気電極19
側の酸欠状態が回復するまで(つまり大気電極19側に
侵入した可燃物が燃え尽きるまで)、報知手段31によ
る故障の報知を停止する。これにより、可燃物の侵入時
に故障の判定を禁止しなくても誤った故障の報知を未然
に防ぐことができる。この後、酸欠状態が回復した後
に、再び故障の有無を判定して、再び故障と判定された
ときに初めて報知手段31に故障の報知を行わせ、それ
以外の場合、つまり、再度の判定で酸素センサ16が正
常と判定された場合には故障の報知を取り止める。
【0069】この場合、故障と判定されたときには、そ
の情報をバッテリでバックアップされたRAM(図示せ
ず)に記憶して、後で故障診断(ダイアグノーシス)等
に利用できるようにする。但し、酸欠状態のときにRA
Mに記憶された故障の情報は、酸欠状態が回復した後の
再度の判定で酸素センサが正常と判定されたときにクリ
アする。これにより、酸欠状態のときに記憶された誤っ
た故障の情報が保持されることが防がれる。
の情報をバッテリでバックアップされたRAM(図示せ
ず)に記憶して、後で故障診断(ダイアグノーシス)等
に利用できるようにする。但し、酸欠状態のときにRA
Mに記憶された故障の情報は、酸欠状態が回復した後の
再度の判定で酸素センサが正常と判定されたときにクリ
アする。これにより、酸欠状態のときに記憶された誤っ
た故障の情報が保持されることが防がれる。
【0070】ところで、前述した実施例では、故障の判
定を禁止(無効化)する期間を判定するための“所定の
条件”として、エンジン冷却水温TMPが所定温度C2
を越えてから所定時間C3経過することとしたが、ここ
で、「エンジン冷却水温TMPが所定温度C2を越えて
から」の意味は、「酸素センサ16の温度が大気電極1
9側で可燃物が燃える温度になってから」という意味で
あり、また、「所定時間C3経過する」の意味は、「可
燃物が燃え尽きる」という意味である。要するに、大気
電極19側で可燃物が燃える温度と可燃物が燃え尽きる
時期とを判定できれば良い。大気電極19側で可燃物が
燃える温度(酸素センサ16の温度)は、酸素センサ1
6に温度センサを取り付けて検出するようにしても良い
が、以下に示すような種々の方法が考えられる。
定を禁止(無効化)する期間を判定するための“所定の
条件”として、エンジン冷却水温TMPが所定温度C2
を越えてから所定時間C3経過することとしたが、ここ
で、「エンジン冷却水温TMPが所定温度C2を越えて
から」の意味は、「酸素センサ16の温度が大気電極1
9側で可燃物が燃える温度になってから」という意味で
あり、また、「所定時間C3経過する」の意味は、「可
燃物が燃え尽きる」という意味である。要するに、大気
電極19側で可燃物が燃える温度と可燃物が燃え尽きる
時期とを判定できれば良い。大気電極19側で可燃物が
燃える温度(酸素センサ16の温度)は、酸素センサ1
6に温度センサを取り付けて検出するようにしても良い
が、以下に示すような種々の方法が考えられる。
【0071】(1)酸素センサ16がヒータ28付きの
場合、エンジン冷却水温が上昇する以前に、酸素センサ
16の温度が上昇して活性化する。更に、酸素センサ1
6に排気熱も加わるため、その両方を用いて酸素センサ
16の温度を推定可能である。例えば、酸素センサ16
のヒータ28の通電時間と、エンジン冷却水温、エンジ
ン負荷、排出ガス温度に基づいて、酸素センサ16に与
えられる熱量から酸素センサ16の温度を推定しても良
い。但し、酸素センサ16の通電時間、エンジン冷却水
温、排出ガス温度、エンジン負荷のすべての情報を考慮
する場合に限定されず、これらのうちの1つ若しくは2
つ以上の情報から酸素センサ16の温度を判定すれば良
い。これにより、温度センサを設けること無く、酸素セ
ンサ16の温度の判定が可能となる。
場合、エンジン冷却水温が上昇する以前に、酸素センサ
16の温度が上昇して活性化する。更に、酸素センサ1
6に排気熱も加わるため、その両方を用いて酸素センサ
16の温度を推定可能である。例えば、酸素センサ16
のヒータ28の通電時間と、エンジン冷却水温、エンジ
ン負荷、排出ガス温度に基づいて、酸素センサ16に与
えられる熱量から酸素センサ16の温度を推定しても良
い。但し、酸素センサ16の通電時間、エンジン冷却水
温、排出ガス温度、エンジン負荷のすべての情報を考慮
する場合に限定されず、これらのうちの1つ若しくは2
つ以上の情報から酸素センサ16の温度を判定すれば良
い。これにより、温度センサを設けること無く、酸素セ
ンサ16の温度の判定が可能となる。
【0072】(2)酸素センサ16の温度が低い間は出
力が0Vであり、高温になって活性化すると、所定電圧
(例えば0.5V)以上の出力が得られる。このことか
ら、酸素センサ16の出力をモニタし、その出力が所定
電圧以上になったか否か、つまり酸素センサ16が活性
化したか否かを検出することで、酸素センサ16の温度
が所定温度になったか否かを判定するようにしても良
い。
力が0Vであり、高温になって活性化すると、所定電圧
(例えば0.5V)以上の出力が得られる。このことか
ら、酸素センサ16の出力をモニタし、その出力が所定
電圧以上になったか否か、つまり酸素センサ16が活性
化したか否かを検出することで、酸素センサ16の温度
が所定温度になったか否かを判定するようにしても良
い。
【0073】また、可燃物が燃え尽きる時期の判定も、
所定時間の計時によって判定するものに限定されない。
つまり、故障判定禁止が必要なのは、酸素センサ16の
大気電極19側が酸欠状態になっている間だけであるの
で、酸素センサ16が十分に活性化することが可能な温
度状態になったことを前記(1)又は(2)の方法で検
出してから、酸素センサ16の出力が正常範囲に戻った
か否かで可燃物が燃え尽きたか否かを判定し、故障判定
禁止を解除するようにしても良い。つまり、大気電極1
9側に侵入した可燃物が燃え尽きると、大気電極19側
の酸素濃度が正常値(大気中の酸素濃度)に復帰して酸
素センサ16の出力が正常な出力範囲に戻る。従って、
酸素センサ16の出力が正常な出力範囲に戻ったとき
に、大気電極19側に侵入した可燃物が燃え尽きたもの
と判定することが可能である。
所定時間の計時によって判定するものに限定されない。
つまり、故障判定禁止が必要なのは、酸素センサ16の
大気電極19側が酸欠状態になっている間だけであるの
で、酸素センサ16が十分に活性化することが可能な温
度状態になったことを前記(1)又は(2)の方法で検
出してから、酸素センサ16の出力が正常範囲に戻った
か否かで可燃物が燃え尽きたか否かを判定し、故障判定
禁止を解除するようにしても良い。つまり、大気電極1
9側に侵入した可燃物が燃え尽きると、大気電極19側
の酸素濃度が正常値(大気中の酸素濃度)に復帰して酸
素センサ16の出力が正常な出力範囲に戻る。従って、
酸素センサ16の出力が正常な出力範囲に戻ったとき
に、大気電極19側に侵入した可燃物が燃え尽きたもの
と判定することが可能である。
【0074】尚、図6の可燃物侵入判定ルーチンでは、
エンジン11の始動中に酸素センサ16に付着した燃料
が蒸発せずにイグニッションスイッチがオフされた場合
の燃料量のみで、酸素センサ16の大気電極19側に燃
料が侵入したか否かを判定するようにしたが、前述した
ように、燃料が酸素センサ16の排気電極25の表面に
付着してから大気電極19側に侵入するには、ある程度
の時間を必要とするため、イグニッションスイッチのオ
フ後にエンジン11を再始動するまでの時間を計測する
タイマ手段を設け、酸素センサ16に付着した燃料量と
タイマ手段の計時時間の双方を考慮して、酸素センサ1
6の大気電極19側に燃料が侵入したか否かを判定する
ようにしても良い。
エンジン11の始動中に酸素センサ16に付着した燃料
が蒸発せずにイグニッションスイッチがオフされた場合
の燃料量のみで、酸素センサ16の大気電極19側に燃
料が侵入したか否かを判定するようにしたが、前述した
ように、燃料が酸素センサ16の排気電極25の表面に
付着してから大気電極19側に侵入するには、ある程度
の時間を必要とするため、イグニッションスイッチのオ
フ後にエンジン11を再始動するまでの時間を計測する
タイマ手段を設け、酸素センサ16に付着した燃料量と
タイマ手段の計時時間の双方を考慮して、酸素センサ1
6の大気電極19側に燃料が侵入したか否かを判定する
ようにしても良い。
【0075】次に、本発明の第2実施例を図13乃至図
16に基づいて説明する。まず、図13のステップ20
0で、故障判定条件が成立しているか否かを判定する。
この判定は、図15に示すルーチンによって次のように
行われる。まず、ステップ201で、空燃比フィードバ
ック制御中であるか否かを判定し、空燃比フィードバッ
ク制御中でなければ、故障判定条件が成立する(ステッ
プ205)。空燃比フィードバック制御中であれば、ス
テップ202,203に進み、空燃比フィードバック補
正係数FAFが上限値KU以上であるか、或は下限値K
L以下のときには、故障判定条件が成立し(ステップ2
05)、KL<FAF<KUであれば、故障判定条件が
不成立となる(ステップ204)。
16に基づいて説明する。まず、図13のステップ20
0で、故障判定条件が成立しているか否かを判定する。
この判定は、図15に示すルーチンによって次のように
行われる。まず、ステップ201で、空燃比フィードバ
ック制御中であるか否かを判定し、空燃比フィードバッ
ク制御中でなければ、故障判定条件が成立する(ステッ
プ205)。空燃比フィードバック制御中であれば、ス
テップ202,203に進み、空燃比フィードバック補
正係数FAFが上限値KU以上であるか、或は下限値K
L以下のときには、故障判定条件が成立し(ステップ2
05)、KL<FAF<KUであれば、故障判定条件が
不成立となる(ステップ204)。
【0076】故障判定条件が不成立の場合には、図13
のステップ200の判定が「No」となり、図13の故
障判定ルーチンを終了する。一方、故障判定条件が成立
している場合には、ステップ210に進み、F/Bへば
りつき判定タイマCTを0とする。次いで、ステップ2
11で、酸素センサ16の出力が0V以上であるか、負
電位であるかを判定し、負電位であれば、酸素センサ1
6の大気電極19側に可燃物が侵入しているものと推定
して、可燃物侵入判定フラグXO2INHを“1”にセ
ットする(ステップ212)。
のステップ200の判定が「No」となり、図13の故
障判定ルーチンを終了する。一方、故障判定条件が成立
している場合には、ステップ210に進み、F/Bへば
りつき判定タイマCTを0とする。次いで、ステップ2
11で、酸素センサ16の出力が0V以上であるか、負
電位であるかを判定し、負電位であれば、酸素センサ1
6の大気電極19側に可燃物が侵入しているものと推定
して、可燃物侵入判定フラグXO2INHを“1”にセ
ットする(ステップ212)。
【0077】続いて、ステップ213〜216では、空
燃比フィードバック補正係数FAFが上限値KU以上、
又は下限値KL以下である時間をF/Bへばりつき判定
タイマCTでカウントし、そのカウント値が所定値C1
に達するまで、上述したステップ210〜216の処理
を繰り返す。この過程で、ステップ213,214の判
定が共に「Yes」となった場合、つまり、KL<FA
F<KUになった場合には、酸素センサ16の出力が正
常な範囲に戻ってきているので、本故障判定ルーチンを
終了する。
燃比フィードバック補正係数FAFが上限値KU以上、
又は下限値KL以下である時間をF/Bへばりつき判定
タイマCTでカウントし、そのカウント値が所定値C1
に達するまで、上述したステップ210〜216の処理
を繰り返す。この過程で、ステップ213,214の判
定が共に「Yes」となった場合、つまり、KL<FA
F<KUになった場合には、酸素センサ16の出力が正
常な範囲に戻ってきているので、本故障判定ルーチンを
終了する。
【0078】一方、酸素センサ16の出力が正常な範囲
に戻らない間に、F/Bへばりつき判定タイマCTのカ
ウント値が所定値C1に達した場合には、図14のステ
ップ217以降の故障判定処理に進む。この処理では、
まず、F/Bへばりつき判定タイマCTのカウント値が
所定値C1に達してから、更に所定時間フェイル(故
障)と判定しないように待機するために、タイマに初期
値をセットし(ステップ217)、このタイマをダウン
カウントさせる。次いで、可燃物侵入判定フラグXO2
INHが“0”であるか否か、つまり、可燃物の侵入無
しと判定されているか否かを判定し、可燃物の侵入有り
(つまりXO2INH=1)の場合には、ステップ22
3に進んで、フェイルフラグを“0”に設定し、酸素セ
ンサ16の故障とは判定しないで、本故障判定ルーチン
を終了する。
に戻らない間に、F/Bへばりつき判定タイマCTのカ
ウント値が所定値C1に達した場合には、図14のステ
ップ217以降の故障判定処理に進む。この処理では、
まず、F/Bへばりつき判定タイマCTのカウント値が
所定値C1に達してから、更に所定時間フェイル(故
障)と判定しないように待機するために、タイマに初期
値をセットし(ステップ217)、このタイマをダウン
カウントさせる。次いで、可燃物侵入判定フラグXO2
INHが“0”であるか否か、つまり、可燃物の侵入無
しと判定されているか否かを判定し、可燃物の侵入有り
(つまりXO2INH=1)の場合には、ステップ22
3に進んで、フェイルフラグを“0”に設定し、酸素セ
ンサ16の故障とは判定しないで、本故障判定ルーチン
を終了する。
【0079】一方、可燃物の侵入無し(つまりXO2I
NH=0)の場合には、ステップ219,221にて、
前記ステップ217でセットしたタイマが0になるま
で、酸素センサ16の出力が負電位になるか否かをモニ
タする。もし、タイマが0になるまでに、酸素センサ1
6の出力が負電位になった場合には、酸素センサ16の
大気電極19側に可燃物が侵入しているものと推定し
て、可燃物侵入判定フラグXO2INHを“1”にセッ
トし(ステップ220)、ステップ223に進んで、フ
ェイルフラグを“0”に設定し、酸素センサ16の故障
とは判定しないで、本故障判定ルーチンを終了する。
NH=0)の場合には、ステップ219,221にて、
前記ステップ217でセットしたタイマが0になるま
で、酸素センサ16の出力が負電位になるか否かをモニ
タする。もし、タイマが0になるまでに、酸素センサ1
6の出力が負電位になった場合には、酸素センサ16の
大気電極19側に可燃物が侵入しているものと推定し
て、可燃物侵入判定フラグXO2INHを“1”にセッ
トし(ステップ220)、ステップ223に進んで、フ
ェイルフラグを“0”に設定し、酸素センサ16の故障
とは判定しないで、本故障判定ルーチンを終了する。
【0080】一方、酸素センサ16の出力が0V以上の
状態を維持している間に、タイマが0になれば、酸素セ
ンサ16が故障しているものと判定して、ステップ22
2に進み、フェイルフラグを“1”にセットして、本故
障判定ルーチンを終了する。
状態を維持している間に、タイマが0になれば、酸素セ
ンサ16が故障しているものと判定して、ステップ22
2に進み、フェイルフラグを“1”にセットして、本故
障判定ルーチンを終了する。
【0081】前述したステップ214,223を経て本
故障判定ルーチンを終了した場合で、XO2INH=1
となっているときには、酸欠状態回復判定手段32によ
り酸欠状態から回復したと判定されるまで、故障判定そ
のものが禁止される。
故障判定ルーチンを終了した場合で、XO2INH=1
となっているときには、酸欠状態回復判定手段32によ
り酸欠状態から回復したと判定されるまで、故障判定そ
のものが禁止される。
【0082】また、空燃比フィードバック処理について
は、故障判定中であるステップ200からステップ21
6までは、フィードバックを許可しているが、ステップ
216からステップ217に進んで、フェイル判定待機
状態に入ったときには、空燃比フィードバック制御を停
止し、空燃比が無用にオーバーリッチ或はオーバーリー
ンになることを防止する。
は、故障判定中であるステップ200からステップ21
6までは、フィードバックを許可しているが、ステップ
216からステップ217に進んで、フェイル判定待機
状態に入ったときには、空燃比フィードバック制御を停
止し、空燃比が無用にオーバーリッチ或はオーバーリー
ンになることを防止する。
【0083】以上の処理内容の一例をタイミングチャー
トで表すと、図16のようになる。この図16におい
て、酸欠回復条件が不成立になる(“0”になる)の
は、可燃物侵入フラグXO2INHが“1”の期間であ
り、この期間は酸欠期間に対応する。酸欠期間終了後、
断線等の故障が発生した時点で、フェイル(故障)有り
と判定される。
トで表すと、図16のようになる。この図16におい
て、酸欠回復条件が不成立になる(“0”になる)の
は、可燃物侵入フラグXO2INHが“1”の期間であ
り、この期間は酸欠期間に対応する。酸欠期間終了後、
断線等の故障が発生した時点で、フェイル(故障)有り
と判定される。
【0084】以上説明した第1及び第2の両実施例で
は、いずれも、可燃物の侵入の有無を判定するようにし
たが、酸素センサ16の大気電極19側に侵入した可燃
物が燃え尽きるまでの間、大気電極19側が酸欠状態と
なって酸素センサ16の出力が負電位になる点に着目
し、酸素センサ16の出力が負電位の間は故障の判定を
無効化するようにしても良い。
は、いずれも、可燃物の侵入の有無を判定するようにし
たが、酸素センサ16の大気電極19側に侵入した可燃
物が燃え尽きるまでの間、大気電極19側が酸欠状態と
なって酸素センサ16の出力が負電位になる点に着目
し、酸素センサ16の出力が負電位の間は故障の判定を
無効化するようにしても良い。
【0085】以下、これを具体化したのが図17に示す
本発明の第3実施例である。この第3実施例では、ステ
ップ301で、酸素センサ16の出力を0Vと比較して
負電位であるか正電位であるかを比較し、負電位であれ
ば、ステップ302に進んで、故障判定を禁止する。こ
れにより、極めて簡単な処理で、大気電極19側に侵入
した可燃物が燃え尽きるまで、故障の判定を禁止するこ
とが可能となる。一方、酸素センサ16の出力が正電位
であれば、故障判定が許容され、例えば図9に示す故障
判定ルーチンによって故障判定が行われる。
本発明の第3実施例である。この第3実施例では、ステ
ップ301で、酸素センサ16の出力を0Vと比較して
負電位であるか正電位であるかを比較し、負電位であれ
ば、ステップ302に進んで、故障判定を禁止する。こ
れにより、極めて簡単な処理で、大気電極19側に侵入
した可燃物が燃え尽きるまで、故障の判定を禁止するこ
とが可能となる。一方、酸素センサ16の出力が正電位
であれば、故障判定が許容され、例えば図9に示す故障
判定ルーチンによって故障判定が行われる。
【0086】この場合も、故障判定を禁止することのみ
に限定されず、故障の判定を行ってもその判定結果をペ
ンディング状態(棚上げ状態)にするようにしても良
い。その他、本発明は、酸素センサ16の構造・形状を
適宜変更したり、図9に示す故障判定ルーチンの処理内
容等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施はできることは言うまでもない。
に限定されず、故障の判定を行ってもその判定結果をペ
ンディング状態(棚上げ状態)にするようにしても良
い。その他、本発明は、酸素センサ16の構造・形状を
適宜変更したり、図9に示す故障判定ルーチンの処理内
容等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施はできることは言うまでもない。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の酸素濃度検出装置によれば、酸素センサの
大気電極側が酸欠状態であるか否かを判定し、酸欠状態
であれば、それが回復するまで、故障の判定を無効化す
るようにしたので、酸素センサの大気電極側に侵入した
可燃物による酸素センサの故障の誤判定を未然に防ぐこ
とができて、故障判定精度を向上することができる。
の請求項1の酸素濃度検出装置によれば、酸素センサの
大気電極側が酸欠状態であるか否かを判定し、酸欠状態
であれば、それが回復するまで、故障の判定を無効化す
るようにしたので、酸素センサの大気電極側に侵入した
可燃物による酸素センサの故障の誤判定を未然に防ぐこ
とができて、故障判定精度を向上することができる。
【0088】更に、請求項2では、酸素センサの大気電
極側に可燃物が侵入したか否かを判定し、可燃物の侵入
と判定されたときに、酸欠状態が回復したか否かの判定
を行うようにしたので、可燃物の侵入の判定と酸欠状態
回復の判定とを組み合わせた高精度な判定を行うことが
できる。
極側に可燃物が侵入したか否かを判定し、可燃物の侵入
と判定されたときに、酸欠状態が回復したか否かの判定
を行うようにしたので、可燃物の侵入の判定と酸欠状態
回復の判定とを組み合わせた高精度な判定を行うことが
できる。
【0089】また、請求項3では、酸素センサの大気電
極側が酸欠状態から回復していないと判定されたときに
は故障の報知を取り止めるようにしたので、誤った故障
の報知を未然に防ぐことができる。
極側が酸欠状態から回復していないと判定されたときに
は故障の報知を取り止めるようにしたので、誤った故障
の報知を未然に防ぐことができる。
【0090】しかも、請求項4では、酸欠状態から回復
する以前に記憶手段に記憶された故障の情報は、酸欠状
態から回復した後の再度の判定で酸素センサが正常と判
定されたときにクリアされるようになっているので、酸
欠状態のときに記憶された誤った故障の情報が保持され
ることを防止することができる。
する以前に記憶手段に記憶された故障の情報は、酸欠状
態から回復した後の再度の判定で酸素センサが正常と判
定されたときにクリアされるようになっているので、酸
欠状態のときに記憶された誤った故障の情報が保持され
ることを防止することができる。
【0091】また、請求項5では、エンジン始動中に噴
射した燃料量を判定し、その判定結果に基づいて燃料が
酸素センサの大気電極側に侵入したか否かを判定するの
で、大気電極側に侵入する燃料の有無を検出するセンサ
を設けなくても、燃料の侵入の有無を検出することがで
きる。
射した燃料量を判定し、その判定結果に基づいて燃料が
酸素センサの大気電極側に侵入したか否かを判定するの
で、大気電極側に侵入する燃料の有無を検出するセンサ
を設けなくても、燃料の侵入の有無を検出することがで
きる。
【0092】一方、請求項6では、酸素センサの出力が
負電位であるか否かによって酸素センサの大気電極側へ
の可燃物の侵入の有無を判定するようにしたので、燃料
のみならず大気中の可燃性の塵埃の侵入の有無をも検出
することができる。
負電位であるか否かによって酸素センサの大気電極側へ
の可燃物の侵入の有無を判定するようにしたので、燃料
のみならず大気中の可燃性の塵埃の侵入の有無をも検出
することができる。
【0093】また、請求項7では、酸素センサの温度が
所定温度になってから酸素センサの出力が所定値以下の
状態が所定時間継続したか否かで、酸素センサの大気電
極側への可燃物侵入の有無を判定するようにしたので、
酸素センサの出力回路が負の電位を検出できない場合で
も可燃物の侵入を検知することができる。
所定温度になってから酸素センサの出力が所定値以下の
状態が所定時間継続したか否かで、酸素センサの大気電
極側への可燃物侵入の有無を判定するようにしたので、
酸素センサの出力回路が負の電位を検出できない場合で
も可燃物の侵入を検知することができる。
【0094】また、請求項8では、酸素センサへの通電
時間、エンジン冷却水温、排出ガス温度、エンジン負荷
のうちの1つ若しくは2つ以上の情報から酸素センサの
温度を判定するようにしたので、温度センサを設けるこ
と無く、酸素センサの温度の判定を行うことができる。
時間、エンジン冷却水温、排出ガス温度、エンジン負荷
のうちの1つ若しくは2つ以上の情報から酸素センサの
温度を判定するようにしたので、温度センサを設けるこ
と無く、酸素センサの温度の判定を行うことができる。
【0095】また、請求項9では、酸素センサの温度が
所定温度に達したと判定してから所定時間経過したか否
かで、酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復した
か否かを判定するようにしたので、大気電極側に侵入し
た可燃物が完全に燃え尽きるまで、故障の判定を確実に
無効化できる。
所定温度に達したと判定してから所定時間経過したか否
かで、酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復した
か否かを判定するようにしたので、大気電極側に侵入し
た可燃物が完全に燃え尽きるまで、故障の判定を確実に
無効化できる。
【0096】また、請求項10では、酸素センサの温度
が所定温度に達したと判定してから酸素センサの出力が
正常な出力範囲に戻ったか否かで、前記酸素センサの大
気電極側が酸欠状態から回復したか否かを判定するよう
にしたので、上記請求項7の場合と同じく、酸素センサ
の大気電極側に侵入した可燃物が完全に燃え尽きるまで
故障の判定を確実に無効化することができる。
が所定温度に達したと判定してから酸素センサの出力が
正常な出力範囲に戻ったか否かで、前記酸素センサの大
気電極側が酸欠状態から回復したか否かを判定するよう
にしたので、上記請求項7の場合と同じく、酸素センサ
の大気電極側に侵入した可燃物が完全に燃え尽きるまで
故障の判定を確実に無効化することができる。
【0097】一方、本発明の請求項11の酸素濃度検出
装置によれば、酸素センサの大気電極側に侵入した可燃
物が燃え尽きるまでの間、大気電極側が酸欠状態となっ
て酸素センサの出力が負電位になる点に着目し、酸素セ
ンサの出力が負電位の間は故障の判定を無効化するよう
にしたので、極めて簡単な構成・処理で、大気電極側に
侵入した可燃物が燃え尽きるまで、故障の判定を無効化
することができる。
装置によれば、酸素センサの大気電極側に侵入した可燃
物が燃え尽きるまでの間、大気電極側が酸欠状態となっ
て酸素センサの出力が負電位になる点に着目し、酸素セ
ンサの出力が負電位の間は故障の判定を無効化するよう
にしたので、極めて簡単な構成・処理で、大気電極側に
侵入した可燃物が燃え尽きるまで、故障の判定を無効化
することができる。
【図1】本発明の第1実施例を示すシステム全体の概略
構成を示すブロック図
構成を示すブロック図
【図2】(a)は(b)のA−A縦断面図、(b)は酸
素センサの縦断面図
素センサの縦断面図
【図3】燃料噴射量演算ルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
ローチャート
【図4】空燃比フィードバックルーチンの処理の流れを
示すフローチャート
示すフローチャート
【図5】空燃比フィードバック制御ルーチンの詳細な処
理の流れを示すフローチャート
理の流れを示すフローチャート
【図6】可燃物侵入判定ルーチン(1)の処理の流れを
示すフローチャート
示すフローチャート
【図7】可燃物侵入判定ルーチン(2)の処理の流れを
示すフローチャート
示すフローチャート
【図8】フィードバック禁止処理ルーチンの処理の流れ
を示すフローチャート
を示すフローチャート
【図9】故障判定ルーチンの処理の流れを示すフローチ
ャート
ャート
【図10】故障判定禁止処理ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート
すフローチャート
【図11】時間計測処理ルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
ローチャート
【図12】第1実施例の処理の一例を示すタイムチャー
ト
ト
【図13】本発明の第2実施例における故障判定ルーチ
ンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
ンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図14】故障判定ルーチンの処理の流れを示すフロー
チャート(その2)
チャート(その2)
【図15】故障判定条件の成立・不成立の判定を行うル
ーチンの処理の流れを示すフローチャート
ーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図16】第2実施例の処理の一例を示すタイムチャー
ト
ト
【図17】本発明の第3実施例における故障判定禁止ル
ーチンの処理の流れを示すフローチャート
ーチンの処理の流れを示すフローチャート
11…エンジン、12…燃料噴射制御手段、13…イン
ジェクタ、14…温度センサ、15…排気管、16…酸
素センサ、17…可燃物侵入判定手段、18…センサ出
力検出手段、19…大気電極、22…センサシール部、
24…大気導入口、25…排気電極、28…ヒータ、3
0…センサ故障判定手段、31…報知手段、32…酸欠
状態回復判定手段。
ジェクタ、14…温度センサ、15…排気管、16…酸
素センサ、17…可燃物侵入判定手段、18…センサ出
力検出手段、19…大気電極、22…センサシール部、
24…大気導入口、25…排気電極、28…ヒータ、3
0…センサ故障判定手段、31…報知手段、32…酸欠
状態回復判定手段。
Claims (11)
- 【請求項1】 排気管中に、排出ガスに触れる排気電極
と大気に触れる大気電極とを有する酸素センサを設け、
この酸素センサの出力によって酸素濃度を検出する酸素
濃度検出装置において、 前記酸素センサの出力に基づいて前記酸素センサの故障
の有無を判定するセンサ故障判定手段と、 前記酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復したか
否かを判定する酸欠状態回復判定手段と、 この酸欠状態回復判定手段により前記酸素センサの大気
電極側が酸欠状態から回復していないと判定されたとき
には酸欠状態から回復するまで前記センサ故障判定手段
による故障の判定を無効化する故障判定無効化手段とを
備えたことを特徴とする酸素濃度検出装置。 - 【請求項2】 前記酸素センサの大気電極側に可燃物が
侵入したか否かを判定する可燃物侵入判定手段を備え、 この可燃物侵入判定手段により可燃物の侵入と判定され
たときに前記酸欠状態回復判定手段による判定を行うよ
うにしたことを特徴とする請求項1に記載の酸素濃度検
出装置。 - 【請求項3】 前記センサ故障判定手段により前記酸素
センサの故障と判定されたときにそれを報知する報知手
段を備え、 前記酸欠状態回復判定手段により前記酸素センサの大気
電極側が酸欠状態から回復していないと判定されたとき
には前記報知手段による故障の報知を取り止めるように
したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素濃度
検出装置。 - 【請求項4】 前記センサ故障判定手段により故障と判
定されたときにその情報を記憶する記憶手段を備え、 前記酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復した後
の再度の故障の判定で前記酸素センサが正常と判定され
たときに、それ以前の酸欠状態のときに前記記憶手段に
記憶された故障の情報をクリアすることを特徴とする請
求項1乃至3のいずれかに記載の酸素濃度検出装置。 - 【請求項5】 エンジン始動中に噴射した燃料量を判定
する噴射燃料量判定手段を備え、 前記可燃物侵入判定手段は、前記噴射燃料量判定手段の
判定結果に基づいて燃料が前記酸素センサの大気電極側
に侵入したか否かを判定することを特徴とする請求項2
乃至4のいずれかに記載の酸素濃度検出装置。 - 【請求項6】 前記可燃物侵入判定手段は、前記酸素セ
ンサの出力が負電位であるか否かによって前記酸素セン
サの大気電極側への可燃物の侵入の有無を判定すること
を特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の酸素濃
度検出装置。 - 【請求項7】 前記可燃物侵入判定手段は、前記酸素セ
ンサの温度が所定温度になったと判断した後で、前記酸
素センサの出力が所定値以下の状態が所定時間継続した
か否かで、前記酸素センサの大気電極側への可燃物侵入
の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至6のい
ずれかに記載の酸素濃度検出装置。 - 【請求項8】 前記酸欠状態回復判定手段は、前記酸素
センサへの通電時間、エンジン冷却水温、排出ガス温
度、エンジン負荷のうちの1つ若しくは2つ以上の情報
から前記酸素センサの温度を判定し、この判定結果を考
慮して前記酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復
したか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至7
のいずれかに記載の酸素濃度検出装置。 - 【請求項9】 前記酸欠状態回復判定手段は、前記酸素
センサの温度が所定温度に達したと判定してから所定時
間経過したか否かで、前記酸素センサの大気電極側が酸
欠状態から回復したか否かを判定することを特徴とする
請求項1乃至8のいずれかに記載の酸素濃度検出装置。 - 【請求項10】 前記酸欠状態回復判定手段は、前記酸
素センサの温度が所定温度に達したと判定されてから前
記酸素センサの出力が正常な出力範囲に戻ったか否か
で、前記酸素センサの大気電極側が酸欠状態から回復し
たか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至9の
いずれかに記載の酸素濃度検出装置。 - 【請求項11】 排気管中に、排出ガスに触れる排気電
極と大気に触れる大気電極とを有する酸素センサを設
け、この酸素センサの出力によって酸素濃度を検出する
酸素濃度検出装置において、 前記酸素センサの出力に基づいて前記酸素センサの故障
の有無を判定するセンサ故障判定手段と、 前記酸素センサの出力が負電位の間は前記センサ故障判
定手段による故障の判定を無効化する故障判定無効化手
段とを備えたことを特徴とする酸素濃度検出装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6265901A JPH08128989A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 酸素濃度検出装置 |
US08/550,465 US5629473A (en) | 1994-10-31 | 1995-10-30 | Oxygen concentration detection device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6265901A JPH08128989A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 酸素濃度検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08128989A true JPH08128989A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=17423682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6265901A Pending JPH08128989A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 酸素濃度検出装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5629473A (ja) |
JP (1) | JPH08128989A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1172471A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-16 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 酸素センサ |
JP2005189018A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Nissan Motor Co Ltd | 酸素センサのヒータ制御装置 |
JP2008008174A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Denso Corp | 電子制御装置 |
JP2018128353A (ja) * | 2017-02-08 | 2018-08-16 | 日本特殊陶業株式会社 | ガスセンサ制御装置 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3711582B2 (ja) * | 1995-03-31 | 2005-11-02 | 株式会社デンソー | 酸素濃度検出装置 |
US5781877A (en) * | 1997-01-16 | 1998-07-14 | Ford Global Technologies, Inc. | Method for detecting the usage of a heater in a block of an internal combustion engine |
US6220076B1 (en) * | 1999-05-06 | 2001-04-24 | Queen's University At Kingston | Differential gas analyzer |
IT1310507B1 (it) * | 1999-10-06 | 2002-02-18 | Magneti Marelli Spa | Metodo di stima della temperatura dei gas di scarico a monte di unprecatalizzatore disposto lungo un condotto di scarico di un motore a |
US6382013B1 (en) * | 2000-05-12 | 2002-05-07 | Daimlerchrysler Corporation | Method of reading an oxygen sensor input |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5246890A (en) * | 1975-10-13 | 1977-04-14 | Nissan Motor Co Ltd | Circuit for detecting roubles of oxygen sensors |
ZA828993B (en) * | 1981-12-22 | 1983-09-28 | Westinghouse Brake & Signal | Railway singalling receiver |
JPS62131941A (ja) * | 1985-12-05 | 1987-06-15 | Mazda Motor Corp | エンジンの空燃比制御装置 |
JP3165840B2 (ja) * | 1990-12-21 | 2001-05-14 | 大阪瓦斯株式会社 | 空燃比制御装置における酸素センサの劣化検出装置 |
JPH06174682A (ja) * | 1992-12-09 | 1994-06-24 | Mazda Motor Corp | エンジンの空燃比制御装置 |
DE4243732A1 (de) * | 1992-12-23 | 1994-06-30 | Bosch Gmbh Robert | Sensoranordnung zur Bestimmung von Gaskomponenten und/oder Gaskonzentrationen von Gasgemischen |
DE4311849C2 (de) * | 1992-12-23 | 2003-04-24 | Bosch Gmbh Robert | Sensor zur Bestimmung von Gaskomponenten und/oder Gaskonzentrationen von Gasgemischen |
US5325711A (en) * | 1993-07-06 | 1994-07-05 | Ford Motor Company | Air-fuel modulation for oxygen sensor monitoring |
JPH07259612A (ja) * | 1994-03-18 | 1995-10-09 | Honda Motor Co Ltd | 内燃エンジンの排気ガス濃度センサ異常検出装置 |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP6265901A patent/JPH08128989A/ja active Pending
-
1995
- 1995-10-30 US US08/550,465 patent/US5629473A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1172471A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-16 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 酸素センサ |
JP2005189018A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Nissan Motor Co Ltd | 酸素センサのヒータ制御装置 |
JP2008008174A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Denso Corp | 電子制御装置 |
JP2018128353A (ja) * | 2017-02-08 | 2018-08-16 | 日本特殊陶業株式会社 | ガスセンサ制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5629473A (en) | 1997-05-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10883410B2 (en) | Systems and methods for performing a NOx self-diagnostic test | |
JPH08128989A (ja) | 酸素濃度検出装置 | |
JP4949470B2 (ja) | 亀裂した多室固体電解質ガスセンサの診断 | |
US20160363030A1 (en) | SYSTEMS AND METHODS FOR RUNNING A NOx SELF-DIAGNOSTIC TEST | |
JP2008014670A (ja) | 排気ガスセンサの異常診断装置 | |
US5513522A (en) | Abnormality-detecting device for exhaust gas component concentration sensor of internal combustion engine | |
JP3500976B2 (ja) | ガス濃度センサの異常診断装置 | |
JP4919169B2 (ja) | 酸素センサの故障診断装置 | |
JP3904621B2 (ja) | クランク角センサの異常検出装置 | |
JPH01217253A (ja) | 酸素センサの故障診断装置 | |
JPH07317611A (ja) | エバポシステムの診断装置 | |
JP2006274824A (ja) | 点火プラグのくすぶり汚損検出装置 | |
US6957563B2 (en) | Abnormality detection device for air-fuel ratio sensor | |
JP2006336591A (ja) | 酸素センサの異常検出装置 | |
JP2006077659A (ja) | 排出ガスセンサの異常診断装置 | |
JP2005030334A (ja) | エバポガスパージシステムのリーク診断装置 | |
JP2007092585A (ja) | 蒸発燃料処理システムのリーク診断装置 | |
JP4061872B2 (ja) | エンジンの排気浄化装置 | |
JP2020101393A (ja) | 粒子状物質検出装置 | |
JP3446400B2 (ja) | 内燃機関の空燃比制御システム異常診断装置 | |
JP3314567B2 (ja) | 空燃比検出装置の異常診断装置 | |
JP4321409B2 (ja) | ガス濃度検出装置 | |
JP2527930B2 (ja) | 内燃機関におけるo2センサの劣化判定方法 | |
JP2009097962A (ja) | 酸素センサの故障診断装置 | |
JP4089088B2 (ja) | 空燃比センサの故障診断装置 |