JPH08127653A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH08127653A
JPH08127653A JP26398394A JP26398394A JPH08127653A JP H08127653 A JPH08127653 A JP H08127653A JP 26398394 A JP26398394 A JP 26398394A JP 26398394 A JP26398394 A JP 26398394A JP H08127653 A JPH08127653 A JP H08127653A
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馨 森本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、特定のモノマー組成から得
られる、耐熱性に優れ、さらには良好な成形性を有する
ポリアミド樹脂を提供することにある。 【構成】 パラキシリレンジアミン15〜65モル%と
メタキシリレンジアミン85〜35モル%からなるジア
ミンと、炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸
45〜80モル%と芳香族ジカルボン酸55〜20モル
%からなるジカルボン酸から形成されるポリアミドであ
って、ガラス転移点(Tg)が90〜130℃(363
〜403K)であり、ガラス転移点(Tg)と融点(T
m)との比が式(1)の範囲にあるポリアミドを主成分
とするポリアミド樹脂。 0.707≦(Tg/Tm)≦0.750 (1) 式(1)中、Tm、Tgは絶対温度(K)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的高温に曝される
部材に使用可能な耐熱性、特に剛性保持に優れ、さらに
良好な成形性を有する成形用ポリアミド樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6やナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂は、靱性、耐化学薬品性、電気特性等に
優れており、成形材料として自動車部品、機械部品、電
気・電子機器部品等に広く利用されている。その中で、
ジアミン成分にメタキシリレンジアミンを、ジカルボン
酸成分にアジピン酸を用いたナイロンMXD6は、従来
のポリアミド樹脂に比べて高い強度、高い弾性率、低吸
水性という特長を有しており、金属代替材料として、軽
量・小型化を要求される電気・電子機器部品や自動車部
品への利用が進み、近年、その需要の増加が著しい。
【0003】しかしながら、比較的高温に曝される自動
車のエンジン周辺の部材や前照灯反射板等の用途へのナ
イロンMXD6の利用を進めているものの、耐熱性、特
に高温時の剛性をより高める必要性が生じている。高分
子材料の耐熱性、特に剛性は、ガラス転移点を超える
と、大きく低下する傾向にある。そこで、高温での剛性
保持を目指した高いガラス転移点を有する共重合ポリア
ミド樹脂が、近年、検討されている。これらポリアミド
樹脂は、ナイロン66のモノマー組成(ヘキサメチレン
ジアミンとアジピン酸)を基本構造としており、ジカル
ボン酸成分にイソフタル酸やテレフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸を一部または全部に用いることで耐熱性が改
善されている(公告特許昭64−11073号公報、公
告特許平3−56576号公報)。しかしながら、これ
ら共重合ポリアミド樹脂は融点が300℃前後、あるい
は、それ以上であることから、成形時の加熱により熱劣
化し易く、成形が容易でないという問題を抱えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高いガラス
転移点を有し、かつ熱分解を起こさない温度での成形が
可能な融点を有するポリアミドを用いることで、良好な
耐熱性、例えば比較的高温に曝される自動車のエンジン
周辺の部材や前照灯反射板等への利用が可能な高い剛性
を有し、かつ良好な成形性を有するポリアミド成形材料
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定のモノマー組成から得られるポリアミド樹
脂を用いたポリアミド樹脂組成物が、耐熱性に優れ、さ
らには良好な成形性を有することを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、パラキシリレンジア
ミン15〜65モル%とメタキシリレンジアミン85〜
35モル%からなるジアミンと、炭素数6〜12のα,
ω−脂肪族ジカルボン酸45〜80モル%と芳香族ジカ
ルボン酸(ここで、芳香族ジカルボン酸は、テレフタル
酸を90〜100モル%とイソフタル酸および/または
2,6−ナフタレンジカルボン酸を10〜0モル%含む
芳香族ジカルボン酸である)55〜20モル%からなる
ジカルボン酸から形成されるポリアミドであって、ガラ
ス転移点(Tg)が90〜130℃(363〜403
K)であり、ガラス転移点(Tg)と融点(Tm)との
比が式(1)の範囲にあるポリアミドを主成分とするポ
リアミド樹脂 0.707≦(Tg/Tm)≦0.750 (1) 式(1)中、Tm、Tgは絶対温度(K)である。
【0007】および上記ポリアミド樹脂100重量部
に、無機充填物10〜150重量部を配合してなる、耐
熱性に優れ、良好な成形性を有する成形用ポリアミド樹
脂組成物に関する発明である。
【0008】本発明で用いるポリアミド樹脂のジアミン
成分は、パラキシリレンジアミンを15〜65モル%、
メタキシリレンジアミンを85〜35モル%含有し、所
望によって残部は脂肪族ジアミン、例えばテトラメチレ
ンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン等や、芳香族ジアミン、例えばメタフェニレンジア
ミン、パラフェニレンジアミン等、さらに脂環族ジアミ
ン、例えば1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、
1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の中から一
種以上を適宜選んで用いることができる。
【0009】ジアミン成分中のパラキシリレンジアミン
含有率が15モル%未満では、ジカルボン酸成分が二種
以上のモノマーからなる場合に、得られるポリアミド樹
脂の結晶化度が低下してしまうことが多く、それを用い
た樹脂組成物の機械的性能が低下してしまう。また、結
晶化させた成形品を得ようとすると、金型温度を高くし
たり、金型保持時間を長くしなければならない等、成形
性が低下してしまう。また、ジアミン成分中のパラキシ
リレンジアミン含有率が65モル%を超えると、得られ
るポリアミド樹脂の融点が300℃に近づき、成形時の
加熱による熱劣化を引き起こし易くなり、成形が容易で
なくなる。
【0010】ジカルボン酸成分は、炭素数が6〜12で
あるα,ω−脂肪族ジカルボン酸、好ましくはアジピン
酸を45〜80モル%、テレフタル酸を90〜100モ
ル%とイソフタル酸及び/または2,6−ナフタレンジ
カルボン酸を10〜0モル%含む芳香族ジカルボン酸を
55〜20モル%含有し、残部は脂肪族ジカルボン酸、
例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデ
カン二酸等や、芳香族ジカルボン酸、例えば1,5−ナ
フタレンジカルボン酸等の中から一種以上を所望に応じ
て適宜選択されればよい。ただし、ジカルボン酸成分中
の芳香族ジカルボン酸含有率が20モル%未満では、得
られるポリアミド樹脂のガラス転移点が低く、耐熱性が
十分ではなくなる。また、ジカルボン酸成分中の芳香族
ジカルボン酸含有率が55モル%を超えると、得られる
ポリアミド樹脂の溶融粘度が高くなる傾向にあり、成形
性が著しく悪化する。
【0011】本発明のポリアミド樹脂のガラス転移点は
90〜130℃である。ガラス転移点が90℃未満の場
合、得られる成形品の耐熱性、特に高温での剛性が不足
する。また、一般に、ガラス転移点Tgと融点Tmの関
係は、一般式(2)で表せられることが下記の〜等
の著書から知られている。
【0012】 Tg/Tm=1/2〜2/3(Tm、Tg:絶対温度[K]) (2)
【0013】高分子学会編、「高分子の分子設計」
(1972年)178頁、灰左雅夫著 「現代物理化学講座13,高分子」、東京化学同人発
行(1967年)222頁、和田八三久著 「高分子の固体物性」,培風館発行(1971年)6
2頁 「高分子化学講座14,高分子材料試験法」、地人書
館発行(1963年)184頁 「合成高分子」、朝倉書店発行(1970年)17
頁、村橋、井本、谷共著)
【0014】(2)式より、高いガラス転移点を有する
高分子材料を得ようとすると、ガラス転移点が高くなる
に伴い、融点も高くなる。よって、ガラス転移点が13
0℃を超える場合、それに伴ってポリアミドの融点は高
くなる傾向にあり、成形時に300℃以上の成形温度に
することが多くなり、成形が困難になる。本発明におい
ては、一般に知られている値よりも高いTg/Tmの値
を有するポリアミドを用いることで、耐熱性と良好な成
形性を兼ね備えたポリアミド樹脂を得ることができた。
【0015】Tg/Tmの値が小さければ、融点の割に
ガラス転移点が低いことを示し、Aの値が大きければ、
融点の割にガラス転移点が高いことを示す。Tg/Tm
の値が0.707未満の場合、高いガラス転移点を有す
るポリアミドの融点は高くなる傾向にあり、それに伴い
成形温度も高く設定することになり、ポリアミド樹脂が
熱分解しやすくなり、成形性が悪化する。また、Tg/
Tmの値が0.750を超える場合、ガラス転移点の割
に低い融点を有し、その低さ故、耐熱性が低下すること
になる。
【0016】ここで用いられるポリアミドの相対粘度
(96%硫酸溶液1g/100mL)は、成形時の溶融
粘度及び成形後の機械的性質強度を考慮すると、1.5
〜4.0であることが好ましい。
【0017】本発明で成形材料として使用する際に配合
する無機充填物は、この種の組成物一般に用いられるも
のであれば特に制限はなく、粉末状、繊維状、粒状及び
フレーク状の無機充填物もしくはこれらを併用したもの
が使用できる。
【0018】粉末状充填物としては、好ましくは100
μm以下、さらに好ましくは80μm以下の粒径を有し
たものであり、カオリナイト、シリカ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫
酸マグネシウム等の硫酸塩、硫化物及び金属酸化物等が
使用できる。繊維状充填物としては、ガラス繊維、チタ
ン酸カリウムや硫酸カルシウムのウィスカー、カーボン
繊維及びアルミナ繊維等が使用できる。その他、必要に
応じて、1種以上の添加剤、例えば、難燃剤、帯電防止
剤、滑剤、可塑剤、酸化や熱及び紫外線による劣化に対
する安定剤、着色剤等を使用することができる。
【0019】本発明の樹脂組成物中に使用する無機充填
物は、ポリアミド樹脂100重量部に対し、無機充填物
10〜150重量部配合される。配合割合が上記10重
量部未満では、得られるポリアミド樹脂組成物成形品の
強度が不足する場合がある。一方、上記150重量部を
越えるとポリアミド樹脂組成物の流動性が悪化し、溶融
混練、成形等が困難となる。
【0020】さらに、本発明の樹脂組成物中に使用する
タルクは、好ましくは100μm以下、さらに好ましく
は80μm以下の粒径を有したものであり、ポリアミド
樹脂100重量部に対し0.3〜30重量部配合され
る。タルクの配合割合がポリアミド樹脂100重量部に
対し0.3重量部未満の場合、ポリアミド樹脂組成物の
組成物の結晶化速度が低下し、結晶化させた成形品を得
ようとすると、金型温度を高くしたり、金型保持時間を
長くしなければならない等、成形性が低下してしまう。
また、タルクの配合割合が上記30重量部を超えると、
成形時の樹脂の流動性の低下や、得られる成形品の機械
的性能が低下する等の弊害を招くので、好ましくない。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実
施例中特にことわりのない限り、「部」は重量部を表
す。実施例1〜4及び6の成形条件は以下に示すとおり
である。 シリンダー温度 280℃ 金型温度 150℃ 射出圧力 1000kgf/cm2
【0022】実施例5の成形条件は以下に示すとおりで
ある。 シリンダー温度 300℃ 金型温度 150℃ 射出圧力 1000kgf/cm2
【0023】比較例1の成形条件は以下に示すとおりで
ある。 シリンダー温度 270℃ 金型温度 130℃ 射出圧力 1000kgf/cm2
【0024】比較例2の成形条件は以下に示すとおりで
ある。 シリンダー温度 280℃ 金型温度 130℃ 射出圧力 1000kgf/cm2
【0025】評価は以下の方法によった。 (1)転移温度 :JIS K−7121(ただし、測
定試料の水分含有率を0.1重量%以下とした。) (2)曲げ試験 :ASTM D790
【0026】実施例1 アジピン酸を70モル%、テレフタル酸を30モル%含
有する混合ジカルボン酸を、窒素雰囲気の反応缶内で加
熱溶融させた。その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレ
ンジアミンを30モル%、メタキシリレンジアミンを7
0モル%含有する混合キシリレンジアミンを逐次滴下
し、生成物の融点を常に上回るように反応温度を保ちつ
つ攪拌した。滴下終了後、所定の粘度に達するまで攪
拌、反応を続け、達した時点で生成物を反応缶より排出
し、水冷し、ペレット化した。得られたポリアミド樹脂
を以下「ポリアミドA」と記す。ポリアミドAのガラス
転移点は108℃、融点は243℃、相対粘度(96%
硫酸溶液1g/100mL)は2.09であった。
【0027】上記条件で合成したポリアミドA100部
に対し、タルク4部及びガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度280℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。得られた樹脂組成物を用いて、射
出成形機にてASTM D790曲げ試験用テストピー
スを成形した。配合組成と曲げ試験の評価結果を表1に
示す。
【0028】実施例2 アジピン酸を70モル%、テレフタル酸を30モル%含
有する混合ジカルボン酸を、窒素雰囲気の反応缶内で加
熱溶融させた。その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレ
ンジアミンを40モル%、メタキシリレンジアミンを6
0モル%含有する混合キシリレンジアミンを逐次滴下
し、生成物の融点を常に上回るように反応温度を保ちつ
つ攪拌した。滴下終了後、所定の粘度に達するまで攪
拌、反応を続け、達した時点で生成物を反応缶より排出
し、水冷し、ペレット化した。得られたポリアミド樹脂
を以下「ポリアミドB」と記す。ポリアミドBのガラス
転移点は110℃、融点は257℃、相対粘度(96%
硫酸溶液1g/100mL)は1.90であった。
【0029】上記条件で合成したポリアミドB100部
に対し、タルク4部及びガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度280℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。得られた樹脂組成物を用いて、射
出成形機にてASTM D790曲げ試験用テストピー
スを成形した。配合組成と曲げ試験の評価結果を表1に
示す。
【0030】実施例3 アジピン酸を80モル%、テレフタル酸を20モル%含
有する混合ジカルボン酸を、窒素雰囲気の反応缶内で加
熱溶融させた。その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレ
ンジアミンを30モル%、メタキシリレンジアミンを7
0モル%含有する混合キシリレンジアミンを逐次滴下
し、生成物の融点を常に上回るように反応温度を保ちつ
つ攪拌した。滴下終了後、所定の粘度に達するまで攪
拌、反応を続け、達した時点で生成物を反応缶より排出
し、水冷し、ペレット化した。得られたポリアミド樹脂
を以下「ポリアミドC」と記す。ポリアミドCのガラス
転移点は94℃、融点は245℃、相対粘度(96%硫
酸溶液1g/100mL)は2.02であった。
【0031】上記条件で合成したポリアミドC100部
に対し、タルク4部及びガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度280℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。得られた樹脂組成物を用いて、射
出成形機にてASTM D790曲げ試験用テストピー
スを成形した。配合組成と曲げ試験の評価結果を表1に
示す。
【0032】実施例4 アジピン酸を60モル%、テレフタル酸を40モル%含
有する混合ジカルボン酸を、窒素雰囲気の反応缶内で加
熱溶融させた。その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレ
ンジアミンを30モル%、メタキシリレンジアミンを7
0モル%含有する混合キシリレンジアミンを逐次滴下
し、生成物の融点を常に上回るように反応温度を保ちつ
つ攪拌した。滴下終了後、所定の粘度に達するまで攪
拌、反応を続け、達した時点で生成物を反応缶より排出
し、水冷し、ペレット化した。得られたポリアミド樹脂
を以下「ポリアミドD」と記す。ポリアミドDのガラス
転移点は117℃、融点は256℃、相対粘度(96%
硫酸溶液1g/100mL)は1.92であった。
【0033】上記条件で合成したポリアミドD100部
に対し、タルク4部及びガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度280℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。得られた樹脂組成物を用いて、射
出成形機にてASTM D790曲げ試験用テストピー
スを成形した。配合組成と曲げ試験の評価結果を表1に
示す。
【0034】実施例5 アジピン酸を50モル%、テレフタル酸を50モル%含
有する混合ジカルボン酸を、窒素雰囲気の反応缶内で加
熱溶融させた。その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレ
ンジアミンを30モル%、メタキシリレンジアミンを7
0モル%含有する混合キシリレンジアミンを逐次滴下
し、生成物の融点を常に上回るように反応温度を保ちつ
つ攪拌した。滴下終了後、反応を続け、所定の粘度に達
した時点で生成物を反応缶より排出し、水冷し、ペレッ
ト化した。得られたポリアミド樹脂を以下「ポリアミド
E」と記す。ポリアミドEのガラス転移点は125℃、
融点は280℃、相対粘度(96%硫酸溶液1g/10
0mL)は1.89であった。
【0035】上記条件で合成したポリアミドE100部
に対し、タルク4部及びガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度300℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。得られた樹脂組成物を用いて、射
出成形機にてASTM D790曲げ試験用テストピー
スを成形した。配合組成と曲げ試験の評価結果を表2に
示す。
【0036】実施例6 アジピン酸を67モル%、テレフタル酸を30モル%及
びイソフタル酸3モル%含有する混合ジカルボン酸を、
窒素雰囲気の反応缶内で加熱溶融させた。その溶融ジカ
ルボン酸に、パラキシリレンジアミンを40モル%、メ
タキシリレンジアミンを60モル%含有する混合キシリ
レンジアミンを逐次滴下し、生成物の融点を常に上回る
ように反応温度を保ちつつ攪拌した。滴下終了後、所定
の粘度に達するまで攪拌、反応を続け、達した時点で生
成物を反応缶より排出し、水冷し、ペレット化した。得
られたポリアミド樹脂を以下「ポリアミドF」と記す。
ポリアミドFのガラス転移点は114℃、融点は253
℃、相対粘度(96%硫酸溶液1g/100mL)は
1.98であった。
【0037】上記条件で合成したポリアミドF100部
に対し、タルク4部及びガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機(ナカタニ機械(株)製)を用い
て、シリンダー温度280℃で溶融混練した後、水冷
し、ペレット化した。得られた樹脂組成物を用いて、射
出成形機にてASTM D790曲げ試験用テストピー
スを成形した。配合組成と曲げ試験の評価結果を表2に
示す。
【0038】比較例1 ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、ガラス転移
点82℃、融点237℃)100部に対し、タルク4部
及びガラス繊維100部を配合し、ベント式単軸押出機
(ナカタニ機械(株)製)を用いて、シリンダー温度2
70℃で溶融混練した後、水冷し、ペレット化した。得
られた樹脂組成物を用いて、射出成形機にてASTM
D790曲げ試験用テストピースとD638引張試験用
テストピースを成形した。配合組成と曲げ試験及び飽和
吸水率の評価結果を表2に示す。
【0039】比較例2 アジピン酸を窒素雰囲気の反応缶内で加熱溶融させた。
その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレンジアミンを3
0モル%、メタキシリレンジアミンを70モル%含有す
る混合キシリレンジアミンを逐次滴下し、生成物の融点
を常に上回るように反応温度を保ちつつ攪拌した。滴下
終了後、所定の粘度に達するまで攪拌、反応を続け、達
した時点で生成物を反応缶より排出し、水冷し、ペレッ
ト化した。得られたポリアミド樹脂を以下「ポリアミド
G」と記す。
【0040】ポリアミドGのガラス転移点は89℃、融
点は258℃、相対粘度(96%硫酸溶液1g/100
mL)は2.08であった。上記条件で合成したポリア
ミドG100部に対し、タルク4部及びガラス繊維10
0部を配合し、ベント式単軸押出機(ナカタニ機械
(株)製)を用いて、シリンダー温度280℃で溶融混
練した後、水冷し、ペレット化した。得られた樹脂組成
物を用いて、射出成形機にてASTM D790曲げ試
験用テストピースを成形した。配合組成と曲げ試験の評
価結果を表1に示す。
【0041】比較例3 アジピン酸30モル%、テレフタル酸を70モル%含有
する混合ジカルボン酸を、窒素雰囲気の反応缶内で加熱
溶融させた。その溶融ジカルボン酸に、パラキシリレン
ジアミンを30モル%、メタキシリレンジアミンを70
モル%含有する混合キシリレンジアミンを逐次滴下し、
生成物の融点を常に上回るように反応温度を保ちつつ攪
拌した。しかしながら、滴下終了後のポリアミド樹脂の
粘度の増大が激しく、内容物の攪拌及び取り出しはでき
なかった。
【0042】実施例1〜6は比較例1及び2に比べる
と、80℃、100℃及び120℃において曲げ強さや
曲げ弾性率が保持されていた。
【発明の効果】本発明により、良好な耐熱性、例えば比
較的高温に曝される自動車エンジン周辺の部材や前照灯
反射板等への利用が可能な高い剛性を有し、かつ良好な
成形性を有するポリアミド生成材料を提供することが可
能となった。
【0043】 表1 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 ポリアミド樹脂 A B C D ガラス転移点(℃) 108 110 94 117 融点(℃) 243 257 245 256 Tg/Tmの値 0.738 0.723 0.709 0.737 成分の配合割合(重量部) 上記ポリアミド樹脂 100 100 100 100 ガラス繊維 100 100 100 100 タルク 4 4 4 4 曲げ強さ(MPa) 20℃ 345 341 339 350 80℃ 310 296 291 326 100℃ 281 279 232 291 120℃ 231 243 185 268 曲げ弾性率(GPa) 20℃ 17 17 17 18 80℃ 16 16 16 17 100℃ 15 15 12 16 120℃ 12 13 10 14
【0044】 表2 実施例5 実施例6 比較例1 比較例2 ポリアミド樹脂 E F MXD6 G ガラス転移点(℃) 125 114 82 89 融点(℃) 280 253 237 258 Tg/Tmの値 0.720 0.736 0.696 0.682 成分の配合割合(重量部) 上記ポリアミド樹脂 100 100 100 100 ガラス繊維 100 100 100 100 タルク 4 8 4 4 曲げ強さ(MPa) 20℃ 322 336 385 359 80℃ 309 325 288 286 100℃ 289 283 215 215 120℃ 282 255 178 171 曲げ弾性率(GPa) 20℃ 18 17 18 17 80℃ 18 16 14 15 100℃ 17 15 10 9 120℃ 15 14 8 7
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 宣義 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラキシリレンジアミン15〜65モル
    %とメタキシリレンジアミン85〜35モル%からなる
    ジアミンと、炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボ
    ン酸45〜80モル%と芳香族ジカルボン酸(ここで、
    芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸を90〜100モ
    ル%とイソフタル酸および/または2,6−ナフタレン
    ジカルボン酸を10〜0モル%含む芳香族ジカルボン酸
    である)55〜20モル%からなるジカルボン酸から形
    成されるポリアミドであって、ガラス転移点(Tg)が
    90〜130℃(363〜403K)であり、ガラス転
    移点(Tg)と融点(Tm)との比が式(1)の範囲に
    あるポリアミドを主成分とするポリアミド樹脂。 0.707≦(Tg/Tm)≦0.750 (1) 式(1)中、Tm、Tgは絶対温度(K)である。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミド樹脂100重
    量部に、無機充填物10〜150重量部を配合してな
    る、耐熱性に優れ、良好な成形性を有する成形用ポリア
    ミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリアミド樹脂100重
    量部に、タルク0.3〜30重量部および無機充填物1
    0〜150重量部を配合してなる、耐熱性に優れ、良好
    な成形性を有する成形用ポリアミド樹脂組成物。
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