JPH08126909A - サイドトリミング方法及びサイドトリマ - Google Patents

サイドトリミング方法及びサイドトリマ

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JPH08126909A
JPH08126909A JP26344094A JP26344094A JPH08126909A JP H08126909 A JPH08126909 A JP H08126909A JP 26344094 A JP26344094 A JP 26344094A JP 26344094 A JP26344094 A JP 26344094A JP H08126909 A JPH08126909 A JP H08126909A
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JP
Japan
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steel plate
blade
blades
cooling
temperature
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Application number
JP26344094A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Osono
隆一 大園
Akizane Makabe
彰実 真加部
Osamu Miyamoto
治 宮本
Ryoji Taura
良治 田浦
Keiji Mizuta
桂司 水田
Junichi Iifushi
順一 飯伏
Yukio Kanda
行雄 神田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刃物による切れの鈍化を抑制すると共に刃先
の磨耗や損傷を低減して刃物の寿命の延長を図ったサイ
ドトリミング方法及びサイドトリマを提供する。 【構成】 鋼板11の両端部を加熱装置41によって加
熱するか、あるいは冷却装置51によって冷却すること
で、200℃〜700℃の適正温度範囲とし、この20
0℃〜700℃の温度範囲にて鋼板11の搬送方向両側
にそれぞれ設けられた上下一対の刃物21,22及び3
1,32によってトリミングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板をその搬送方向両
側にそれぞれ設けられた上下一対の刃物によってトリミ
ングを行うサイドトリミング方法及びサイドトリマに関
する。
【0002】
【従来の技術】図14に従来のサイドトリマによる鋼板
のサイドトリミング状態を表す平面視、図15にその側
面視、図16に正面視を示す。
【0003】図14乃至図16に示すように、従来のサ
イドトリマにおいて、連続鋳造された鋼板11は水平を
なして支持された状態で長手方向に沿って搬送されるよ
うになっており、この鋼板11の搬送方向両側にはそれ
ぞれ上下一対の刃物21,22及び31,32が回転自
在に支持されている。この各刃物21,22及び31,
32は回転軸方向にずれて位置しており、図示しない駆
動装置によって図15に示す矢印方向に駆動回転できる
ようになっている。
【0004】従って、従来のサイドトリマによって連続
鋳造された鋼板11をサイドトリミングするには、搬送
された鋼板11に対して駆動装置によって各刃物21,
22及び31,32が回転することで、鋼板11の幅方
向各端部が切り落とされ、スクラップ12,13として
処理される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】サイドトリマによる鋼
板11各端部のサイドトリミングは、一般に冷間鋳造後
の鋼板に対して行われるものであるが、鋼板の巻取りや
巻戻し等、サイドトリミングに伴う後工程を省略するた
めに熱間鋳造後の鋼板に対しても行われることがある。
特に、連続鋳造された鋼板に対して熱間サイドトリミン
グを適用することにより、鋼板の両側部の凝固遅れ部の
インライン除去による材質改善や冷間トリミングの際に
起きる端部加工硬化の防止、後工程における鋼板の巻取
り形状の改善、ストリップコイルの搬送時のコイルエッ
ジの損傷防止など多くのメリットが挙げられる。
【0006】ところが、上述した従来のサイドトリマに
よって冷間鋳造後の鋼板に対してサイドトリミングを行
う場合や熱間鋳造後の鋼板に対してサイドトリミングを
行あ場合には、鋳造後の鋼板とサイドトリミングを行う
刃物21,22,31,32との温度差が発生し、その
温度差が大きい場合には刃物21,22,31,32の
磨耗が激しくなって寿命が短くなってしまうという問題
がある。
【0007】また、従来のサイドトリマによって熱間鋳
造後の鋼板に対してサイドトリミングを行うと、刃物2
1,22,31,32が直接高温の鋼板と接触すること
となり、長時間にわたって稼働する間にこの刃物21,
22,31,32あるいは装置全体の温度が上昇してし
まう。すると、熱変位による刃先のクリアランス量や上
下刃のラップ量の変化による切れの鈍化、あるいは刃の
摩耗や損傷の促進によって刃の寿命の低下が生じてしま
うという問題がある。また、刃物21,22,31,3
2の回転軸の支持部にぐらつきなどが発生し、前述した
ように、切れの鈍化、あるいは刃の摩耗や損傷の促進な
どによって刃の寿命が低下してしまう。更に、装置全体
の高温度化によって刃物21,22,31,32の回転
軸の支持部に焼付きが発生してしまうことも考えられて
いる。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、刃物による切れの鈍化を抑制すると共に刃先の
磨耗や損傷を低減して刃物の寿命の延長を図ったサイド
トリミング方法及びサイドトリマを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のサイドトリミング方法は、鋼板を該鋼板の
搬送方向両側にそれぞれ設けられた上下一対の刃物によ
ってトリミングを行うサイドトリマにおいて、前記鋼板
の両端部を冷却あるいは加熱することで200℃〜70
0℃の温度範囲とし、該200℃〜700℃の温度範囲
にて前記刃物によってトリミングを行うことを特徴とす
るものである。
【0010】また、本発明のサイドトリマは、連続鋳造
直後の高温の鋼板を該鋼板の搬送方向両側にそれぞれ設
けられた上下一対の刃物によってトリミングを行うサイ
ドトリマにおいて、前記刃物あるいは前記鋼板の両端部
の少なくともいずれか一方を冷却する冷却装置が設けら
れたことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のサイドトリマは、鋼板を該
鋼板の搬送方向両側にそれぞれ設けられた上下一対の刃
物によってトリミングを行う熱間サイドトリマにおい
て、前記刃物を冷却する冷却装置が設けられたことを特
徴とするものである。
【0012】
【作用】鋼板をその両側に設けられた上下一対の刃物に
よってトリミングを行うサイドトリマにおいて、その鋼
板の両端部を冷却あるいは加熱して200℃〜700℃
の温度範囲とし、その温度範囲で刃物によりトリミング
を行うようにしたことで、トリミングはこの適正温度に
て行われることとなり、刃物による切れの鈍化も少な
く、刃先の磨耗や損傷も低減され、刃物の寿命が長くな
る。
【0013】連続鋳造直後の高温の鋼板をその両側に設
けられた上下一対の刃物によってトリミングを行うサイ
ドトリマにおいて、その刃物あるいは鋼板の両端部のい
ずれか一方を冷却する冷却装置を設けたことで、高温の
鋼板をサイドトリミングするときに冷却装置によって刃
物あるいは鋼板の両端部のいずれか一方が冷却され、適
正温度にて作業が行われることとなり、刃物による切れ
の鈍化も少なく、刃先の磨耗や損傷も低減され、刃物の
寿命が長くなる。
【0014】鋼板をその両側に設けられた上下一対の刃
物によってトリミングを行う熱間サイドトリマにおい
て、その刃物を冷却する冷却装置を設けたことで、刃物
は高温の鋼板をサイドトリミングするときに冷却装置に
よって冷却され、適正温度にて作業が行われることとな
り、刃物による切れの鈍化も少なく、刃先の磨耗や損傷
も低減され、刃物の寿命が長くなる。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】図1に本発明の一実施例に係るサイドトリ
マの平面視、図2に本実施例のサイドトリマに装着され
た加熱装置の正面視、図3に本実施例のサイドトリマに
装着された冷却装置の正面視、図4に本実施例のサイド
トリマにおける鋼板の適正温度を表すグラフ、図5に鋼
板温度に対するせん断力を表すグラフ、図6に鋼板温度
に対する刃物温度を表すグラフ、図7に硬さ比に対する
比摩耗量を表すグラフ、図8に鋼板温度に対するせん断
面厚さを表すグラフを示す。なお、従来の技術で説明し
たものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付し
て重複する説明は省略する。
【0017】図1及び図2、図3に示すように、本実施
例のサイドトリマにおいて、連続鋳造された鋼板11は
水平をなして支持された状態で長手方向一方(図1の矢
印方向)に沿って搬送されるようになっている。そし
て、この鋼板11の搬送方向両側にはそれぞれ上下一対
の刃物21,22及び31,32が回転自在に支持され
ている。この各刃物21,22及び31,32は円板状
をなし、互いに回転軸方向にずれて位置されており、図
示しない駆動装置によって図1及び図3に示す矢印方向
に駆動回転できるようになっている。
【0018】鋼板11の両側にはそれぞれ各刃物21,
22及び31,32の鋼板搬送方向上流側に隣接して鋼
板11の各端部を加熱する加熱装置41及び冷却する冷
却装置51が設けられている。なお、この加熱装置41
及び冷却装置51は鋼板11の両側にそれぞれ一組づつ
設けられているが、図1では、鋼板11の搬送方向右側
(図1の上側)に加熱装置41を、鋼板11の搬送方向
左側(図1の下側)に冷却装置51をそれぞれ示してい
る。
【0019】この加熱装置41において、図1及び図2
に示すように、鋼板11の側方の本体42上には鋼板1
1の搬送方向と直交する水平方向に沿ってガイドレール
43,44が上下に位置して設けられ、このガイドレー
ル43に上部加熱炉45が移動自在に支持され、ガイド
レール44には下部加熱炉46が移動自在に支持されて
いる。そして、各加熱炉45,46にはスライド用シリ
ンダ47が連結されており、鋼板11の端部から側方に
離れた退避位置と鋼板11の各端部の上方及び下方に接
近した加熱位置との間で移動することができる。
【0020】一方、冷却装置51において、図1及び図
3に示すように、鋼板11の端部の上方及び下方には鋼
板11の搬送方向と直交する垂直方向に上部冷却体52
及び下部冷却体53が移動自在に支持されており、この
上部冷却体52及び下部冷却体53にはそれぞれ複数の
冷却水噴射用のスプレーノズル54,55が装着されて
いる。そして、各冷却体52,53にはスライド用シリ
ンダ56,57が連結されており、鋼板11の端部から
上方及び下方に離れた退避位置と鋼板11の各端部の上
方及び下方に接近した加熱位置との間で移動することが
できる。
【0021】また、鋼板11の両側には前述した加熱装
置41及び冷却装置51の鋼板搬送方向上流側に隣接し
て鋼板11の各端部の温度を検出する温度検出計61,
62が設けられており、この温度検出計61,62は鋼
板11の各端部の上下面に近接して位置している。
【0022】本実施例のサイドトリマにあっては、刃物
21,22及び31,32によって所定の適正温度範囲
内にある鋼板11をサイドトリミングするようにしてい
る。即ち、刃物21,22及び31,32による鋼板1
1のサイドトリミング前に、この鋼板11の両端部の温
度を温度検出計61,62によって計測し、所定の適正
温度範囲内にない場合には、加熱装置41による加熱、
あるいは冷却装置51による冷却を行い、鋼板11の温
度を所定の適正温度範囲としてから刃物21,22及び
31,32によって鋼板11のサイドトリミングを行
う。そして、この鋼板11をサイドトリミングする際の
適正温度範囲を200℃〜700℃と設定している。
【0023】ここで、この鋼板11をサイドトリミング
する際の適正温度範囲である200℃〜700℃の設定
基準について説明する。
【0024】図5に示すグラフは鋼板温度Tに対するせ
ん断力PC を表すものであって、鋼板温度Tが高くなる
とせん断力PC は小さくなっており、これは鋼板の変形
抵抗や硬度が小さくなることに起因している。一方、図
6に示すグラフは鋼板温度Tに対する刃物温度CTを表
すものであって、鋼板温度Tが高くなると刃物温度CT
も高くなっており、これは刃物の硬度が低下し、摩耗し
易くなることを表している。なお、この場合、鋼板は板
厚3mmのSUS材を使用し、SKH材の刃物を水冷却し
ている。従って、鋼板温度Tが高いとせん断力PC は小
さくなるが、刃物温度CTが上昇するために刃物が磨耗
しやすくなることがわかる。
【0025】また、刃物の寿命は刃物の磨耗量によって
決定されるものであり、この摩耗量はせん断力(押付
力)PC と、刃物と鋼板とが接触するときの滑り量とが
促進要素であり、刃物の硬度が磨耗の抑制要素である。
そして、刃物の刃先の摩耗が進むと、鋼板をきれいにせ
ん断する見かけの限界クリアランス(上下の刃物の隙
間)が小さくなって同一のクリアランス設定ではせん断
限界に達し、刃物の寿命がなくなってしまう。
【0026】即ち、刃物の摩耗箇所における押付力Pが
一定に作用するとした場合、滑り長さをLS 、比摩耗量
をKとすると、磨耗量δは、 δ=K・P・LS と表される。そして、サイドトリマとしての実際の限界
クリアランスをC1 、見かけのクリアランスをCa とす
ると、限界磨耗量δ1 は、 δ1 =(C1 −Ca )/2 となり、δ=δ1 がせん断限界となり、刃物寿命を定め
る。一方、刃物の摩耗箇所は側面であり、刃物の側面方
向に作用する力が押付力となり、刃物の1回転当たりの
滑り量はせん断面におけるせん断厚さHS となる。そし
て、刃物の側面方向に押付力が働く側面長さをLとする
と、押付力Fは、 F=(P・L・HS )/3 となる。また、刃物の外径をDとすると、刃物寿命に達
するせん断長さLは、 L=(π・D・δ1 )/(K・P・HS ) となる。
【0027】また、図7に示すグラフは硬さ比に対する
比摩耗量Kを表すものであって、刃物材料をSKD材、
鋼板をSUS304材とし、硬さ比を刃物強度と鋼板の
変形抵抗の比として表すと、鋼板温度T=50℃ではK
=1.0×10-7mm/〔(kgf/mm2)・mm〕であり、鋼板
温度T=600℃ではK=1.43×10-7mm/〔(kg
f/mm2)・mm〕となる。刃物材料をSKH材にすると、鋼
板温度T=800℃ではK=0.84×10-7mm/
〔(kgf/mm2)・mm〕となる。更に、図8に示すグラフは
鋼板温度Tに対するせん断面厚さHS を表すものであっ
て、せん断面厚さH S は鋼板温度にほとんど影響されず
に一定値となっている。
【0028】以上のような関係データから、刃物の寿命
になるまでのせん断可能な鋼板長さLを求めた結果、図
4に示すように、鋼板の適正温度はT=200℃〜70
0℃の範囲がこのせん断可能な鋼板長さLが長いことが
わかった。なお、この場合、鋼板は板厚3mmのSUS材
である。
【0029】従って、本実施例のサイドトリマにおい
て、図1乃至図3に示すように、矢印方向に搬送された
鋼板11に対して、まず、この鋼板11の両端部の温度
を温度検出計61,62によって計測し、計測温度が適
正温度範囲、即ち、200℃〜700℃の範囲にあるか
どうかを判定する。そして、鋼板11の両端部の温度が
200℃より低い場合には、加熱装置41によって鋼板
11を加熱する。即ち、退避位置にある各冷却体52,
53をスライド用シリンダ56,57によって移動し、
鋼板11の端部の上面及び下面に接近した加熱位置に移
動する。加熱方法としては、鋼板搬送速度と炉長によっ
て異なるが、誘導加熱方式が適している。なお、加熱温
度や加熱時間は鋼板搬送速度と炉長、鋼板温度によって
異なるものであり、予め、プログラミングされている。
【0030】一方、鋼板11の両端部の温度が700℃
より高い場合には、冷却装置51によって鋼板11を冷
却する。即ち、退避位置にある各加熱炉45,46をス
ライド用シリンダ47によって移動し、鋼板11の端部
に接近した加熱位置に移動する。そして、各冷却体5
2,53の複数のスプレーノズル54,55から鋼板1
1の端部に冷却水を噴射して冷却する。なお、冷却水を
噴射するスプレーノズル54,55の個数や噴射量、噴
射時間は鋼板搬送速度と鋼板温度によって異なるもので
あり、予め、プログラミングされている。
【0031】このようにして加熱装置41によって鋼板
11が加熱されるか、または、冷却装置51によって鋼
板11が冷却されることで、鋼板11が適正温度である
200℃〜700℃の範囲となり、その後、各刃物2
1,22及び31,32が回転することで、この鋼板1
1の幅方向各端部が切り落とされ、スクラップ12,1
3として処理される。
【0032】なお、前述の実施例にあっては、各刃物2
1,22及び31,32の鋼板搬送方向上流側に鋼板1
1の各端部を加熱する加熱装置41及び冷却する冷却装
置51が設けたが、熱間サイドトリマにおいて、加熱装
置41のみを設けてもよく、また、連続鋳造された高温
の鋼板に対するサイドトリマにおいて、冷却装置51の
みを設けてもよいものである。
【0033】図9に本発明の他の実施例に係るサイドト
リマの側面視、図10に本実施例のサイドトリマの正面
視を示し、図11に本実施例のサイドトリマの第1の変
形例を表す側面視、図12に本実施例の第2のサイドト
リマの変形例を表す断面、図13に本実施例のサイドト
リマにおける鋼板温度に対する鋼板せん断長さを表すグ
ラフを示す。なお、前述した実施例で説明したものと同
様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する
説明は省略する。
【0034】図9及び図10に示すように、本実施例の
熱間サイドトリマにおいて、連続鋳造された鋼板11の
搬送方向両側にはそれぞれ上下一対の刃物21,22が
回転自在に支持されており、この各刃物21,22は円
板状をなし、互いに回転軸方向にずれて位置され、図示
しない駆動装置によって回転できるようになっている。
そして、この刃物21,22に隣接して刃物21,22
を冷却する冷却装置71が設けられている。なお、この
冷却装置71は鋼板11の両側に設けられているが、図
示では、鋼板11の搬送方向一方のみを表している。
【0035】この冷却装置71において、刃物21,2
2の側方には支持板72,73を介して上部冷却体74
及び下部冷却体75が取付けられており、この上部冷却
体74及び下部冷却体75にはそれぞれ複数の冷却水噴
射用のノズル76,77が装着されると共に、冷却水供
給管78,79が接続されている。なお、ノズル76,
77は刃物21,22の外周部に対して切断部から所定
角度範囲(例えば、0度〜270度)を冷却するように
位置している。
【0036】従って、本実施例の熱間サイドトリマにお
いて、矢印方向に搬送された鋼板11は連続鋳造処理さ
れており、一般的に高温となっている。そのため、この
高温の鋼板11を刃物21,22によってサイドトリミ
ングすると、この刃物21,22の温度が上昇してその
刃先の磨耗や損傷が促進して切れが圧下し、刃物21,
22の寿命が低下してしまう。そこで、鋼板11をトリ
ミングする刃物21,22を冷却装置71によって冷却
する。即ち、冷却水供給管78,79から上部冷却体7
4及び下部冷却体75に供給された冷却水をノズル7
6,77から噴射し、刃物21,22を冷却する。この
ように刃物21,22を冷却装置71によって冷却する
ことで、鋼板11のトリミング温度を適正温度範囲と
し、各刃物21,22が回転することで、この鋼板11
の幅方向各端部が切り落とされる。
【0037】また、図12に示すように、本実施例の第
1の変形例としての熱間サイドトリマにおいて、連続鋳
造された鋼板11の搬送方向両側にはそれぞれ上下一対
の刃物21,22が回転自在に支持されており、この各
刃物21,22は円板状をなし、互いに回転軸方向にず
れて位置され、図示しない駆動装置によって回転できる
ようになっている。そして、この刃物21,22に隣接
して刃物21,22を冷却する冷却装置81が設けられ
ている。即ち、図示しない架台には上下の刃物21,2
2の一部を覆うように上部水槽82及び下部水槽83が
取付けられており、この上部水槽82及び下部水槽83
にはそれぞれ冷却水供給管84,85が接続されると共
に、冷却水排出管86,87が接続されている。なお、
各水槽82,83は刃物21,22の外周部に対して切
断部から所定角度範囲(例えば、0度〜270度)を冷
却するような形状となっており、水槽82,83と刃物
21,22との接触部には冷却水の漏洩を防止する図示
しないシール部材が装着されているが、このシール部材
は刃物21,22の回転時に摩擦抵抗とならないような
構造となっている。
【0038】従って、本実施例の熱間サイドトリマにお
いて、矢印方向に搬送された鋼板11は連続鋳造処理さ
れており、一般的に高温となっており、この高温の鋼板
11に対してサイドトリミングする刃物21,22を冷
却装置81によって冷却する。即ち、冷却水供給管8
4,85から上部水槽82及び下部水槽83に冷却水を
供給し、この上部水槽82及び下部水槽83内に冷却水
を充満させることで、刃物21,22に冷却水を浸透さ
せて冷却する。一方、刃物21,22を冷却して温まっ
た水は冷却水排出管86,87から排出される。このよ
うに冷却水によって刃物21,22を冷却することで、
鋼板11のトリミング温度を適正温度範囲とし、各刃物
21,22が回転することで、この鋼板11の幅方向各
端部が切り落とされる。
【0039】更に、図13に示すように、本実施例の第
2の変形例としての熱間サイドトリマにおいて、連続鋳
造された鋼板11の搬送方向両側にはそれぞれ上下一対
の刃物21,22が回転自在に支持されており、この各
刃物21,22は円板状をなし、互いに回転軸方向にず
れて位置され、図示しない駆動装置によって回転できる
ようになっている。そして、この刃物21,22に隣接
して刃物21,22を冷却する冷却装置91が設けられ
ている。即ち、架台92には一端部に上下の刃物21,
22が取付けられた中空の回転軸93,94が回転自在
に支持されており、この各回転軸93,94には内部に
水やメタノール等の冷却媒体が収納されたヒートパイプ
95,96が内蔵されている。そして、この回転軸9
3,94の他端部はそれぞれ冷却室97,98内に挿入
されている。
【0040】従って、本実施例の熱間サイドトリマにお
いて、矢印方向に搬送された鋼板11は連続鋳造処理さ
れており、一般的に高温となっており、この高温の鋼板
11に対してサイドトリミングする刃物21,22を冷
却装置91によって冷却する。即ち、鋼板11のサイド
トリミングが開始されて刃物21,22が回転すると、
この刃物21,22と共に回転軸93,94及びヒート
パイプ95,96が回転する。すると、その遠心力によ
ってヒートパイプ95,96の一端部(刃物21,22
への取付側)内の冷却媒体が外周部に押し付けられ、同
時にこの冷却媒体は高温の鋼板11をサイドトリミング
して加熱した刃物21,22を冷却する。そして、刃物
21,22の熱を奪って加熱・蒸発した蒸気はヒートパ
イプ95,96の他端部側に流動し、冷却室97,98
内に供給される冷却水あるいあ冷却エアによって冷却さ
れ、再び、ヒートパイプ95,96の一端部側に流動す
る。このように冷却媒体が循環して刃物21,22を冷
却することで、鋼板11のトリミング温度を適正温度範
囲とし、各刃物21,22が回転することで、この鋼板
11の幅方向各端部が切り落とされる。
【0041】以上のように、冷却装置71,81,91
によって刃物21,22を冷却することで、その刃先温
度の上昇が抑制され、この刃物21,22に温度計を装
着してその温度を制御することで、刃物21,22の切
れを保証する。なお、図13に示すように、1一つの刃
物でトリミングし得る鋼板のせん断長さは鋼板温度が5
00℃前後で最大値となり、800℃以上で急激に低下
しており、鋼板温度が200℃〜700℃の範囲にある
ときが刃物にとって適正と言える。従って、前述した各
実施例のように、冷却装置71,81,91によって刃
物21,22を冷却することで、鋼板温度が200℃〜
700℃の範囲でトリミングを行うことができる。
【0042】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明のサイドトリミング方法によれば、鋼板をそ
の搬送方向両側に設けられた上下一対の刃物によってト
リミングを行うサイドトリマにおいて、鋼板の両端部を
冷却あるいは加熱することで200℃〜700℃の温度
範囲としてその200℃〜700℃の温度範囲にて刃物
によってトリミングを行うようにしたので、刃先の磨耗
や損傷を低減すると共に刃物の切れの鈍化を抑制して刃
物の寿命を延長することができる。
【0043】また、本発明のサイドトリマによれば、連
続鋳造直後の高温の鋼板をその搬送方向両側に設けられ
た上下一対の刃物によってトリミングを行うサイドトリ
マにおいて、刃物あるいは鋼板の両端部の少なくともい
ずれか一方を冷却する冷却装置を設けたので、高温の鋼
板をサイドトリミングするときに冷却装置によって刃物
あるいは鋼板の両端部のいずれか一方が冷却され、適正
温度にて作業が行われることとなり、刃先の磨耗や損傷
を低減すると共に刃物の切れの鈍化を抑制して刃物の寿
命を延長することができる。
【0044】また、本発明のサイドトリマによれば、鋼
板をその搬送方向両側に設けられた上下一対の刃物によ
ってトリミングを行う熱間サイドトリマにおいて、刃物
を冷却する冷却装置を設けたので、刃物は高温の鋼板を
サイドトリミングするときに冷却装置によって冷却され
て適正温度にて作業が行われることとなり、刃先の磨耗
や損傷を低減すると共に刃物の切れの鈍化を抑制して刃
物の寿命を延長することができる。
【0045】その結果、刃物の寿命の延長により、サイ
ドトリマによるサイドトリミング作業の作業性を向上す
ることができると共に作業コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るサイドトリマの平面図
である。
【図2】本実施例のサイドトリマに装着された加熱装置
の正面図である。
【図3】本実施例のサイドトリマに装着された冷却装置
の正面図である。
【図4】本実施例のサイドトリマにおける鋼板の適正温
度を表すグラフである。
【図5】鋼板温度に対するせん断力を表すグラフであ
る。
【図6】鋼板温度に対する刃物温度を表すグラフであ
る。
【図7】硬さ比に対する比摩耗量を表すグラフである。
【図8】鋼板温度に対するせん断面厚さを表すグラフで
ある。
【図9】本発明の他の実施例に係るサイドトリマの側面
図である。
【図10】本実施例のサイドトリマの正面図である。
【図11】本実施例のサイドトリマの第1の変形例を表
す側面図である。
【図12】本実施例の第2のサイドトリマの変形例を表
す断面図である。
【図13】本実施例のサイドトリマにおける鋼板温度に
対する鋼板せん断長さを表すグラフである。
【図14】従来のサイドトリマによる鋼板のサイドトリ
ミング状態を表す平面図である。
【図15】従来のサイドトリマによる鋼板のサイドトリ
ミング状態を表す側面図である。
【図16】従来のサイドトリマによる鋼板のサイドトリ
ミング状態を表す正面図である。
【符号の説明】
11 鋼板 21,22,31,32 刃物 41 加熱装置 45,46 加熱炉 47 スライド用シリンダ 51 冷却装置 52,53 冷却体 54,55 スプレーノズル 56,57 スライド用シリンダ 61,62 温度検出計 71 冷却装置 74,75 冷却体 76,77 ノズル 81 冷却装置 82,83 水槽 91 冷却装置 93,94 回転軸 95,96 ヒートパイプ 97,98 冷却室
フロントページの続き (72)発明者 田浦 良治 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 水田 桂司 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 飯伏 順一 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 神田 行雄 広島県広島市西区南観音6丁目4番31号 株式会社リョーセンエンジニアズ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を該鋼板の搬送方向両側にそれぞれ
    設けられた上下一対の刃物によってトリミングを行うサ
    イドトリマにおいて、前記鋼板の両端部を冷却あるいは
    加熱することで200℃〜700℃の温度範囲とし、該
    200℃〜700℃の温度範囲にて前記刃物によってト
    リミングを行うことを特徴とするサイドトリミング方
    法。
  2. 【請求項2】 連続鋳造直後の高温の鋼板を該鋼板の搬
    送方向両側にそれぞれ設けられた上下一対の刃物によっ
    てトリミングを行うサイドトリマにおいて、前記刃物あ
    るいは前記鋼板の両端部の少なくともいずれか一方を冷
    却する冷却装置が設けられたことを特徴とするサイドト
    リマ。
  3. 【請求項3】 鋼板を該鋼板の搬送方向両側にそれぞれ
    設けられた上下一対の刃物によってトリミングを行う熱
    間サイドトリマにおいて、前記刃物を冷却する冷却装置
    が設けられたことを特徴とするサイドトリマ。
JP26344094A 1994-10-27 1994-10-27 サイドトリミング方法及びサイドトリマ Pending JPH08126909A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010511516A (ja) * 2006-12-09 2010-04-15 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト 特にエッジカッター(Besaeumscheren)用の駆動ローラ
CN104874665A (zh) * 2015-06-04 2015-09-02 上海交通大学 等温塑性下料剪料方法
JP2019136785A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 太平電業株式会社 鉛板の切断方法および装置
WO2023170882A1 (ja) * 2022-03-10 2023-09-14 Jfeスチール株式会社 鋼板の製造方法、トリミング装置、製造装置、圧延鋼板、コイル材、及びブランク材

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