JPH081267A - ばね材料の製造方法及びばねの製造方法 - Google Patents

ばね材料の製造方法及びばねの製造方法

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JPH081267A
JPH081267A JP14023094A JP14023094A JPH081267A JP H081267 A JPH081267 A JP H081267A JP 14023094 A JP14023094 A JP 14023094A JP 14023094 A JP14023094 A JP 14023094A JP H081267 A JPH081267 A JP H081267A
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spring
rolling
precision
wire
wire rod
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JP14023094A
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English (en)
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Yukio Ito
幸生 伊藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばね材料及びばねを製造する工程を簡略化
し、製造コストを低減できるばね材料の製造方法及びば
ねの製造方法を提供すること。 【構成】 サイジングミル5を使用して、線材の精密圧
延を行なって精密圧延線材(精圧線材)を製造する。次
に、この精圧線材に対して、ローラ式の矯正機9を使用
して矯正を行なう。次に、矯正を行った線材に対して、
スキンパス伸線機11を使用して、減面率5%以内の軽
伸線を行なう。そして、この軽伸線を行った線材を、フ
ライングカッター13を用いて所定長さに切断して棒材
とする。その後、傷検査機15を用いて棒材の傷の有無
をチェックして、ばね材料を完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車等に使用
されるコイルばね等のばね材料の製造方法及びばねの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車のサスペンション等
に使用されるコイルばねを製造する場合には、例えば下
記(1)〜(11)の工程にて行なっている。 (1) まず、アーク炉にてばね材料として好適な鉄鋼の材
料を溶解する。
【0003】(2) 次に、溶湯の取鍋精錬を行った後に脱
ガスを行なう。 (3) 次に、連続鋳造にて鋳片を得る。 (4) 鋳片の分塊圧延を行なってビレットを得る。 (5) 次に、この圧延したビレットの検査を行なう。
【0004】(6) 次に、例えば1対以上のロールを備え
たブロックミルにて、公差±0.25程度まで圧延を行
なって、所定径の線材を形成する。 (7) そして、場合によっては、次工程での伸線による欠
陥(カッピー割れの傷発生)を防止するために線材の焼
鈍を行なう。
【0005】(8) 次に、コンバインドマシン(CM機)
を使用し、この線材をCM機のダイスに通して減面率1
0〜20%程度伸線し、公差±0.05程度まで精密に
寸法を調節すると同時に、定尺の直線棒に切断する。 (9) その後、この伸線を行った線材に対して、渦流探
傷、超音波探傷等の検査を行って、ばね材料を完成す
る。
【0006】(10)次に、このばね材料を加熱炉内にて加
熱する。 (11)最後に、加熱されたばね材料を熱間にて巻取って
(熱間ばね成形)、ばねを完成させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
にしてばね材料を作成してばねを製造する作業には、上
述した様に多くの工程を必要とするので、手間がかか
り、製造コストも上昇するという問題があった。
【0008】また、コンバインドマシンを使用して線材
を大きく伸線すると、鋳造時の偏析に起因するカッピー
割れと呼ばれる傷が生じることがあるので、カッピー割
れを防止するための焼鈍を行なう必要があり、作業工程
が増加しコスト高となっていた。
【0009】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、ばね材料及びばねを製造する工程を簡
略化し、製造コストを低減できるばね材料の製造方法及
びばねの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの請求項1の発明は、鋼材を圧延し、熱間ばね成形に
用いられるばね材料を製造する方法において、前記圧延
による加工を精密圧延にて行って、ばね材料用の精密圧
延線材を形成することを特徴とするばね材料の製造方法
を要旨とする。
【0011】請求項2の発明は、鋼材を圧延してばね材
料を作成し、該ばね材料に対して熱間ばね成形を行なう
ことによってばねを製造する方法において、前記圧延に
よる加工を精密圧延にて行なって精密圧延線材を形成
し、該精密圧延線材に対して減面率5%以下の軽伸線加
工を行ない、この軽伸線加工線材に対して熱間ばね成形
を行なうことを特徴とするばねの製造方法を要旨とす
る。
【0012】請求項3の発明は、鋼材を圧延してばね材
料を作成し、該ばね材料に対して熱間ばね成形を行なう
ことによってばねを製造する方法において、前記圧延に
よる加工を精密圧延にて行なって精密圧延線材を形成
し、該精密圧延線材に対して矯正機にて矯正加工を行な
い、この矯正加工線材に対して熱間ばね成形を行なうこ
とを特徴とするばねの製造方法を要旨とする。
【0013】請求項4の発明は、鋼材を圧延してばね材
料を作成し、該ばね材料に対して熱間ばね成形を行なう
ことによってばねを製造する方法において、前記圧延に
よる加工を精密圧延にて行なって精密圧延線材を形成
し、該精密圧延線材に対してピーリング機にて表面削り
加工を行ない、この表面削り加工線材に対して熱間ばね
成形を行なうことを特徴とするばねの製造方法を要旨と
する。
【0014】請求項5の発明は、前記ばね材料に、高周
波加熱又は直接通電加熱を行ない、その後ばね成形を連
続工程で行なうことを特徴とする前記請求項1〜4のい
ずれか記載のばねの製造方法を要旨とする。
【0015】
【作用】請求項1の発明では、例えば鋳造にて製造され
た鋼材に対して、例えば特開平1−202302号に示
す様なサイジングミル等を用いた精密圧延や、例えば特
開昭59−229204号等の精密圧延を行なって、ば
ね材料として必要な精度及び特性を有する精密圧延線材
を形成する。この精密圧延線材は、寸法公差±0.1程
度、偏径差0.2程度であるので、熱間ばね成形に供す
るばね材料として、十分な精度を有し好適である。更
に、この様な寸法精度の場合には、ばね定数に与える影
響(ばね定数の変動)も小さく、許容範囲内である。
【0016】ここで、製造するばねとしては例えばコイ
ルばねが挙げられ、鋼材を製造する方法としては例えば
丸断面連続鋳造法が挙げられる。請求項2の発明では、
上述した様なサイジングミル等を用いて精密圧延を行な
って精密圧延線材を形成し、圧延の仕上がり寸法にバラ
ツキが少ないので、従来のコンバインドマシンとは異な
る簡易な構成の伸線機(スキンパス伸線機)を使用し
て、この精密圧延線材に対して減面率5%以下の軽伸線
加工を行ない、この軽伸線加工線材に対して熱間ばね成
形を行なうことによってばねを製造することもできる。
この方法は、より精密なばねに適用される。
【0017】つまり、本発明では、従来の様にワイヤロ
ールを用いて荒い精度の線材圧延を行ない、その後コン
バインドマシンを用いて減面率が大きな伸線を行なって
寸法調整するのではなく、精密圧延によってほぼ所望の
寸法まで圧延を行なって、その後僅かな減面率の軽伸線
を行なうので、伸線の程度が小さくて済み、大きな減面
率の伸線に伴って生じるカッピー割れを防止できる。そ
のため、カッピー割れ防止のための焼鈍や、カッピー割
れ検査の超音波探傷等を省略することが可能となり、十
分な寸法精度を確保できるだけでなく、作業工程を簡易
化できる。
【0018】請求項3の発明では、前記サイジングミル
等を用いて精密圧延を行なって精密圧延線材を形成し、
この精密圧延線材に対して矯正機(例えば回転矯正機;
これは、線材を千鳥に配置した回転ごまを通し、全体を
回転させることによって矯正を行なうものである)にて
直線化(及び切断加工)を行ない、この矯正加工線材に
対して熱間ばね成形を行なうことによってばねを製造す
る。
【0019】つまり、本発明では、精密圧延によってほ
ぼ所望の寸法の線材が得られるので、矯正→切断→熱間
ばね成形のみでばねの製造が可能となり、従って、ばね
製造工程が大幅に短縮される。この方法は、比較的寸法
精度が緩やかなばねに適用される。
【0020】請求項4の発明では、前記サイジングミル
等を用いて精密圧延を行なって精密圧延線材を形成し、
この精密圧延線材に対してピーリング機にて表面削り加
工を行ない、この表面削り加工線材に対して熱間ばね成
形を行なうことによってばねを製造する。
【0021】つまり、本発明では、精密圧延によってほ
ぼ所望の寸法まで圧延を行なって、その後ピーリング機
にて表面削り加工を行なうので、皮削り代を従来より大
幅に低減して、歩留りの向上を図ることができる。ま
た、当然ながら、十分な寸法精度を確保できる。
【0022】請求項5の発明では、前記サイジングミル
等を用いて精密圧延にて行なって精密圧延線材を形成
し、必要に応じて軽伸線或はピーリング加工を施し、こ
の線材に対して高周波加熱又は直接通電加熱を行ない、
この加熱によって高温となった状態にてばね成形を行な
ってばねを製造する。
【0023】つまり、本発明では、精密圧延線材の直線
化(矯正)工程、高周波加熱や直接通電加熱による加熱
工程、熱間ばね成形、焼入、焼戻し等の工程を連続工程
で行ない、多品種少量生産の高効率化の要求に答えるも
のである。
【0024】
【実施例】次に、本発明を一層明らかにするために、好
適な第1〜第4実施例を説明する。尚、各実施例の製造
工程の要点を、図1に記す。 (第1実施例)本実施例は、精密圧延によって形成した
線材(精圧線材)に対し、軽度の伸線を施してばね材料
を製造し、その後このばね材料を用いてばね成形するも
のである。以下、図2及び図3を用いて順を追って説明
する。尚、図2は精密圧延を行なうサイジングミルを示
し、図3は本実施例の要部の作業工程を示している。 <a>ばね材料の製造工程 初めに、ばね材料の製造工程について説明する。
【0025】(1) まず、アーク炉にてばね材料として好
適な鉄鋼の材料を溶解する。 (2) 次に、溶湯の取鍋精錬を行った後に脱ガスを行な
う。 (3) 次に、連続鋳造にて鋳片を形成する。 (4) 更に、この鋳片の分塊圧延等を行なってビレットを
形成する。
【0026】(5) 次に、この圧延したビレットの検査を
行なう。 (6) 次に、検査を終了した線材に対して、例えば特開平
1−202302号に示す様なサイジングミル等を用い
た精密圧延を行なって、ばね材料として必要な精度及び
特性を有する精圧線材を形成する。具体的には、図2に
示す様に、互いに直行する様に配置された4対のローラ
1a〜4bを備えたサイジングミル5の間に、線材を通
すことによって精密圧延を行なう。この精圧線材は、寸
法公差±0.1程度、偏径差0.2程度であるので、熱
間ばね成形に供するばね材料として、十分な精度を有し
ている。
【0027】(7) 次に、この精圧線材を巻取り、図3に
示す様に、コイルスタンド7に配置する。 (8) 次に、コイルスタンド7から線材を引き出し、ロー
ラ式の矯正機9を使用して予備矯正を行なう。
【0028】(9) 次に、予備矯正を行った線材に対し
て、伸線を行なうCRD(Caset Roller Disc)11a
を備えたスキンパス伸線機11を使用して、減面率5%
以内の軽伸線を行なう。 (10)そして、この軽伸線を行った線材を、フライングカ
ッター13を用いて所定長さに切断して棒材とする。
【0029】(11)その後、傷検査機15を用いて棒材の
傷の有無をチェックして、ばね材料を完成する。 <b>ばねの製造工程 次に、上述の様にして製造したばね材料を用いたばねの
製造工程について説明する。
【0030】(12)まず、ばね材料を受け入れた部署(工
場等)では、材料の寸法や傷等の受け入れ検査を行な
う。 (13)そして、検査に合格したばね材料に対して、その先
端を細くするテーパーロール加工を施す。
【0031】(14)次に、このばね材料を加熱炉15内に
入れて加熱する。 (15)次に、加熱によって温度が高い状態にて、ばね材料
を巻いてコイル状にする熱間ばね成形(成形コイリン
グ)を行なう。 (16)その後、このコイルを焼き入れする。
【0032】(17)次に、所定のばね特性を持たせるため
に、焼き戻しを行なう。 (18)次に、表面を硬化させるために、ショットピーニン
グを行なう。 (19)そして、ばねとして所定の長さを規定するためのセ
ッチングを行なう。 (20)次に、塗装を行なう。
【0033】(21)その後、荷重試験を行なって、ばねを
完成する。 この様に、本実施例では、サイジングミル5を使用して
精密圧延して精圧線材を製造し、この精圧線材に対して
軽度のスキンパス伸線を行なってばね材料を製造するの
で、従来の様に、(精密圧延ではない)通常の圧延を行
なって線材を形成した後にコンバインドマシンを使用し
て大きな伸線を行った場合と比較して、伸線の際のカッ
ピー割れを防止できるという効果がある。
【0034】その上、カッピー割れが防止できるのであ
るから、カッピー割れ対策としての焼鈍工程が不要とな
り、更にカッピー割れの存在を確認するための超音波検
査が不要となり、その点で製造工程が簡易化されるとい
う特長がある。また、本実施例では、精密圧延を行なっ
た後にスキンパス伸線を行なうので、寸法精度に優れて
おり、ばね定数の許容範囲の厳しいアイテムに適用する
ことができる。 (第2実施例)本実施例は、精密圧延によって形成した
精圧線材に対し、これを黒皮状態のままで直線化し、そ
の後切断してばねに成形するものである。尚、本実施例
においては、上記第1実施例と同様な部分については、
その説明を省略又は簡略化した。
【0035】最初に、<a>ばね材料の製造工程におい
ては、原材料から精密圧延を行なう工程までは、上記第
1実施例の(1)〜(7)の工程と同様であるので説明は省略
し、(8)の工程から説明する。 (8) まず、図5に示す様に、コイルスタンド21から線
材を引き出し、ローラ式の矯正機22を使用して予備矯
正を行なう。
【0036】(9) 次に、予備矯正を行った線材に対し
て、回転矯正機23を用いて直線化・矯正加工を行な
う。 (10)そして、この矯正を行った線材を、フライングカッ
ター24を用いて更に所定長さに切断して棒材とする。
【0037】(11)その後、傷検査機25を用いて棒材の
傷の有無をチェックして、ばね材料を完成する。 尚、以下の<b>ばねの製造の工程は、上記第1実施例
と同様であるので、説明は省略する。
【0038】この様に、本実施例では、精圧線材に対し
て回転矯正機23を用いて矯正を行なっているので、ば
ね材料として好適なまっすぐな棒材が容易に得られる。
また、このばね材料自体の精度は、精密圧延にて必要な
程度確保されているので、具体的には、寸法公差±0.
1程度、偏径差0.2程度であるので、熱間ばね成形に
供するばね材料として、十分な精度を有し好適である。
尚、この寸法精度の場合には、ばね定数に与える影響
(ばね定数の変動)も、例えば12φmmの場合で6.7
%以下と小さく、十分に許容範囲内である。
【0039】従って、従来の様なコンバインドマシンに
よる伸線工程を省略できるので、製造工程が簡易化さ
れ、製造コストが低減できるという利点がある。更に、
コンバインドマシンによる伸線工程が省略できるのであ
るから、大きな伸線に伴うカッピー割れも防止でき、よ
って品質が向上するというという効果がある。
【0040】その上、カッピー割れが防止できるのであ
るから、カッピー割れ防止のためのコンバインド工程前
の焼鈍工程が不要になり、その点で製造工程が簡易化さ
れるという特長がある。 (第3実施例)本実施例は、精密圧延によって形成した
精圧線材に対し、ピーリング機にて僅かに皮削りを行な
うものである。尚、本実施例においては、上記第1実施
例と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化
した。
【0041】最初に、<a>ばね材料の製造工程におい
ては、原材料から精密圧延を行なう工程までは、上記第
1実施例の(1)〜(7)の工程と同様であるので説明は省略
し、(8)の工程から説明する。 (8) まず、図6に示す様に、コイルスタンド31から線
材を引き出し、ローラ式の矯正機32を使用して予備矯
正を行なう。
【0042】(9) 次に、予備矯正を行った線材に対し
て、ピーリング機33を用いて線材の僅かな皮削りを行
なう。このピーリング機33とは、回転カッター33a
に線材を通すことによって、線材の表面を全周に亘って
切削して、線材の寸法を調整できるものであり、本実施
例の場合は、削り代0.15mmの切削を行なう。
【0043】(10)そして、この表面切削を行った線材
を、フライングカッター34を用いて所定長さに切断し
て棒材とし、傷検査を行なうことなく、ばね材料を完成
する。 尚、以下の<b>ばねの製造の工程は、上記第1実施例
と同様であるので、説明は省略する。
【0044】この様に、本実施例では、精圧線材に対し
てピーリング機33を用いて皮削りを行なっているの
で、寸法精度の優れたばね材料が得られる。しかも、皮
削りによって、表面の傷等が除去されるので、従来の傷
検査を省略でき、製造工程を簡易化できるという効果が
ある。
【0045】また、精圧線材における寸法精度がかなり
高く、かつ任意の寸法の線径を供給可能であるため、皮
削りは僅かですみ、材料の歩留りも向上するという利点
がある。 (第4実施例)本実施例は、上記第1〜3実施例とは異
なり、<b>ばねの製造工程における加熱方法を、従来
の加熱炉から高周波加熱又は直接通電加熱に変更し、精
圧線材の投入からばねの完成までの全工程の連続ライン
化を可能にした点に大きな特徴がある。従って、第1〜
第3実施例のばね材料を製造した後の工程に適用可能で
あるが、ここでは、第2実施例のばねの製造工程を例に
とって説明する。尚、本実施例においても、上記実施例
と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化し
た。
【0046】最初に、<a>ばね材料の製造工程におい
ては、原材料から精密圧延を行なう工程までは、上記第
1実施例の(1)〜(7)の工程と同様であるので説明は省略
し、(8)の工程から説明する。 (8) まず、図7に示す様に、コイルスタンド41から線
材を引き出し、ローラ式の矯正機42を使用して予備矯
正を行なう。
【0047】(9) 次に、予備矯正を行った線材に対し
て、回転矯正機43を用いて2次の矯正を行なう。 (10)そして、この2次の矯正を行った線材に対し、傷検
査機45を用いて棒材の傷の有無をチェックする。
【0048】(12)次に、このばね材料を、高周波加熱装
置47にて850〜900℃に加熱する。この高周波加
熱装置47とは、図8(a)に示す様に、ばね材料の棒
材が通過するルートに棒材の周囲を囲む様にコイル47
aを配置し、このコイル47aに高周波の(交流)電流
を流すことにより、誘導電流の原理によって棒材を加熱
するものである。
【0049】(13)次に、この高周波加熱された線材を所
定長さに切断して成形コイリングを行なう。 以下、第1実施例と同様に、(16)〜(21)の処理を施し
て、ばねを完成する。この様に、本実施例では、高周波
加熱を行なってばね材料の熱間ばね成形を行なうので、
従来の加熱炉を用いた工程に比較して、短時間で加熱す
るため、脱炭等の組織変化の心配がないといった点で優
れているので、ばねの品質向上に寄与するという利点が
ある。
【0050】更に、従来の加熱炉に対して、必要な時に
必要なだけ通電すればよく、エネルギー的にランニング
コストが低減できるという効果がある。また、上記高周
波加熱に換えて、図8(b)に示す様な、直接通電加熱
装置51を用いた直接通電による加熱方法を採用でき
る。この直接通電加熱は、ばね材料に当接する上流及び
下流のローラ51a,51bに直流電流を流して、その
ジュール熱によってばね材料を加熱する方法である。
【0051】この方法によれば、上記高周波加熱と同様
な効果を奏するとともに、更に加熱効率が大幅に向上す
るという効果が得られる。以上本発明の実施例を説明し
たが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内で種々なる態様にて実
現することができることはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】上述した様に、請求項1の発明では、鋼
材に対して精密圧延を行なうことによって、ばね材料と
して十分に仕様に耐える精度及び特性をする精密圧延線
材を形成することができる。よって、このばね材料を用
いて容易に優れたばねを製造することができる。特に、
鋳造方法として丸断面連続鋳造を採用する場合には、軽
伸線を行った場合でもカッピー割れが発生しにくいの
で、カッピー割れ防止のための焼鈍工程や、カッピー割
れ検出の超音波探傷等の検査工程を省略できるという顕
著な効果がある。
【0053】請求項2の発明では、精密圧延によってほ
ぼ所望の寸法まで圧延を行なって、その後僅かな減面率
の軽伸線を行なうので、伸線の程度が小さくて済み、伸
線に伴って生じるカッピー割れを防止できる。そのた
め、カッピー割れを防止するための焼鈍工程やその検査
工程を省略することができ、十分な寸法精度を確保でき
るだけでなく、作業工程を簡易化できる。
【0054】請求項3の発明では、精密圧延によってほ
ぼ所望の寸法まで圧延を行なって、その後矯正機にて矯
正を行なうのみで、ばね材料として供給することがで
き、その作業工程も大幅に簡易化できる。請求項4の発
明では、精密圧延によってほぼ所望の寸法まで圧延を行
なって、その後ピーリング機にて表面削り加工を行なう
ので、十分な寸法精度を確保できるだけでなく、歩留り
の向上に大きく寄与する。
【0055】請求項5の発明では、高周波加熱や直接通
電加熱によってばね材料を加熱するので、加熱する工程
をばね材料を形成する工程の連続工程とすることがで
き、作業工程を簡易化できる。また、加熱のためのエネ
ルギーを節約できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各実施例の製造工程の要点を示す説明図であ
る。
【図2】 精密圧延に使用するサイジングミルを示す斜
視図である。
【図3】 第1実施例のばね材料の製造工程を示す説明
図である。
【図4】 第1実施例のばねの製造工程を示す説明図で
ある。
【図5】 第2実施例のばね材料の製造工程を示す説明
図である。
【図6】 第3実施例のばね材料の製造工程を示す説明
図である。
【図7】 第4実施例のばねの製造工程を示す説明図で
ある。
【図8】 第4実施例の加熱装置を示す説明図であり、
(a)は高周波加熱装置を示し、(b)は直接通電加熱
装置を示している。
【符号の説明】
5…サイジングミル、 11…スキンパス伸
線機、15…加熱炉、 23…回転矯
正機 33…ピーリング機、 47…高周波加熱装
置 51…直接通電加熱装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材を圧延し、熱間ばね成形に用いられ
    るばね材料を製造する方法において、 前記圧延による加工を精密圧延にて行って、ばね材料用
    の精密圧延線材を形成することを特徴とするばね材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼材を圧延してばね材料を作成し、該ば
    ね材料に対して熱間ばね成形を行なうことによってばね
    を製造する方法において、 前記圧延による加工を精密圧延にて行なって精密圧延線
    材を形成し、該精密圧延線材に対して減面率5%以下の
    軽伸線加工を行ない、この軽伸線加工線材に対して熱間
    ばね成形を行なうことを特徴とするばねの製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼材を圧延してばね材料を作成し、該ば
    ね材料に対して熱間ばね成形を行なうことによってばね
    を製造する方法において、 前記圧延による加工を精密圧延にて行なって精密圧延線
    材を形成し、該精密圧延線材に対して矯正機にて矯正加
    工を行ない、この矯正加工線材に対して熱間ばね成形を
    行なうことを特徴とするばねの製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼材を圧延してばね材料を作成し、該ば
    ね材料に対して熱間ばね成形を行なうことによってばね
    を製造する方法において、 前記圧延による加工を精密圧延にて行なって精密圧延線
    材を形成し、該精密圧延線材に対してピーリング機にて
    表面削り加工を行ない、この表面削り加工線材に対して
    熱間ばね成形を行なうことを特徴とするばねの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記ばね材料に、高周波加熱又は直接通
    電加熱を行ない、その後ばね成形を連続工程で行なうこ
    とを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか記載のばね
    の製造方法。
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