JPH0812668A - 含フッ素環状エーテルおよびその製法 - Google Patents

含フッ素環状エーテルおよびその製法

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JPH0812668A
JPH0812668A JP7863595A JP7863595A JPH0812668A JP H0812668 A JPH0812668 A JP H0812668A JP 7863595 A JP7863595 A JP 7863595A JP 7863595 A JP7863595 A JP 7863595A JP H0812668 A JPH0812668 A JP H0812668A
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Masahiro Tojo
正弘 東條
Akihiro Kato
明宏 加藤
Masanori Ikeda
池田  正紀
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な含フッ素環状エーテルと、それを原料
として耐熱性の高いポリマーを得ること。 【構成】 一般式(1)で表される含フッ素環状エーテ
ル。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医農薬中間体として有
用な新規含フッ素環状エーテルならびにそれから製造さ
れる電子材料、光学材料として有用であり、耐熱性の高
い新規な含フッ素ポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】フルオロ−1,4−ジオキサン骨格を有
する化合物としては、フルオロ−1,4−ジオキサン類
やフルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキサン類
およびそれらの重合体が知られている。〔G.A.Ol
ah編.「SYNTHETICFLUORINE CH
EMISTRY」、313頁、John Wiley&
Sons(1992)および特開平5−43571号
公報〕。また、1,4−ジオキサン骨格に、ベンゼン環
が縮合した化合物も知られている(特開昭56−364
43号公報)。しかしながら、一般式(1)で表される
1,4−ジオキシンにベンゼン環が縮合した骨格をもつ
含フッ素環状エーテルおよび、そのポリマーについて
は、従来、知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱的
に安定で、透明性が高く、溶媒可溶性の新規含フッ素ポ
リマーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な構
造と特性を有する含フッ素ポリマーの製造方法を鋭意検
討した結果、芳香族環を有する含フッ素環状エーテルお
よびそのポリマーをみいだし、本発明に至った。本発明
は、下記一般式(1)
【0005】
【化7】
【0006】で示される含フッ素環状エーテル〔2,3
−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキシン〕を提供する
ものである。また本発明は、一般式(2)
【0007】
【化8】
【0008】(Xはハロゲン原子、スルホニウムラジカ
ル、アルキル第4級アンモニウムラジカル、オキシアミ
ノ基、アルコキシ基、カルボキシ基である。)で示され
る2,3−ジヒドロベンゾジオキシン誘導体に脱離反応
を行わせ、含フッ素環状エーテルを製造する方法を提供
するものである。また、本発明は、一般式(3)
【0009】
【化9】
【0010】(式中、MおよびM’は、アルカリ金属で
あり、互いに異なっていても同一の物であってもよ
い。)で示されるカテコールの二金属塩と、テトラフル
オロエチレンとを反応させ含フッ素環状エーテルを製造
する方法を提供するものである。また本発明は、一般式
(4)
【0011】
【化10】
【0012】の繰り返し単位よりなる成分を少なくとも
1wt%含有し、重量平均分子量が2×103〜1×1
6であることを特徴とする含フッ素ポリマーを提供す
るものである。また本発明は、一般式(5)の繰り返し
単位及び、一般式(6)の繰り返し単位からなる含フッ
素ポリマーであることを特徴とする前記の含フッ素ポリ
マーを提供するものである。
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】(式中、S1 は、フッ素、塩素、もしくは
水素であり、S2 は、フッ素、水素、RfまたはORf
を表わす。Rfはフッ素/炭素原子比が1以上で炭素原
子数1〜3のフルオロカーボン残基を表す。) 本発明の含フッ素環状エーテルの製造法として挙げた式
(2)の2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン
誘導体の脱離反応は、脱離により2,3−ジフルオロ−
1,4−ベンゾジオキシンを生成する方法ならばいずれ
の方法によっても行なうことができる。各種の方法が可
能であるが、例えば、下記一般式(7)に示すごとく、
ベンゾジオキシン誘導体の脱HX反応により2,3−ジ
フルオロ−1,4−ベンゾジオキシンを製造する方法が
挙げられる。
【0016】
【化13】
【0017】上記式(7)中、Xはハロゲン、スルホニ
ウムラジカル、アルキル第4級アンモニウムラジカル、
オキシアミノ基、アルコキシ基、カルボキシ基であり、
好ましくは、ハロゲン原子が用いられる。2,3−ジヒ
ドロベンゾジオキシン誘導体の脱HX反応は、塩基によ
り、もしくは、加熱による方法が用いられる。
【0018】まず、塩基を用いた脱HX反応であるが、
上記の2,3−ジヒドロベンゾジオキシン誘導体は、塩
基存在下において脱ハロゲン化水素、脱アルキルアンモ
ニウム、脱アルキルスルホン酸、脱アルコールを行い
2,3−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキシンを生成
する。塩基としては、各種塩基を用いることができる。
例えば、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化
物、NaHCO3 、KHCO3 などのアルカリ金属炭酸
塩、NaNH2 などのアルカリ金属アミド、NaOt
u、KOt Buなどのアルカリ金属アルコラートや、P
hLi、BuLiなどのアルキル金属があげられる。
【0019】本反応は、通常、下記の述べる条件下で行
われる。使用する溶媒としては、各種の芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素溶媒を用いることができる。例え
ば、トルエン、クロロホルム等を挙げることができる。
溶媒の量は、使用する2,3−ジヒドロベンゾジオキシ
ン誘導体に対し、通常3〜1000重量%用いられる。
反応温度は通常−10〜100℃、好ましくは20〜6
0℃で行われる。
【0020】次に、加熱による脱HX反応であるが、
2,3−ジヒドロベンゾジオキシン誘導体は加熱条件下
で脱アルキルアミンオキシド、脱カルボン酸を行なうこ
とができる。脱アルキルアミンオキシドについては、反
応温度は、通常50〜300℃、好ましくは100〜2
00℃で行われ、脱カルボン酸については、通常150
〜600℃、好ましくは300〜500℃で行われる。
また、脱離反応により2,3−ジフルオロ−1,4−ベ
ンゾジオキシンを得る別の方法として、式(8)に示す
ように、ジハロゲノベンゾジオキサン誘導体の脱ハロゲ
ン反応による方法がある。脱ハロゲンを行なう金属とし
ては、Zn、Mgなどがあげられる。反応温度は、通常
10〜200℃、好ましくは20〜100℃で行われ
る。
【0021】
【化14】
【0022】上記式(8)のYはハロゲン原子である。
さらに、本発明の2,3−ジフルオロ−1,4−ベンゾ
ジオキシンを得る他の方法としては、式(9)のように
カテコールの二金属塩とテトラフルオロエチレンの反応
により製造する方法も有用である。
【0023】
【化15】
【0024】上記式(9)中、MおよびM’は、アルカ
リ金属であり、互いに異なっていても同一の物であって
もよい。本反応で原料として用いるカテコール二金属塩
は、カテコールとアルカリ金属または、金属アルコキシ
ドとを反応させることで容易に得られる。アルカリ金属
は、通常、Li、Na、K、Cs等が用いられ、好まし
くは、Na、Kが用いられる。
【0025】式(9)に示す反応は、通常、下記に述べ
る条件下で行われる。使用する溶媒としては、各種の極
性溶媒を用いることができる。例えば、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、スルホラン、テトラグ
ライム等を挙げることができる。極性溶媒に量は、使用
するカテコール二金属塩に対し、通常3〜1000重量
%用いられる。反応温度は、通常0〜180℃、好まし
くは25〜100℃で行われる。反応圧力は、反応温度
によっても変わりうるが、通常0.1〜20kg/cm
2 −Gで行われる。また、本発明の2,3−ジフルオロ
−1,4−ベンゾジオキシンを得るさらに他の方法とし
て、式(10)のようにカテコールの一置換エーテル化
合物を塩基を用いて環化反応を行わせて含フッ素環状エ
ーテルを得る方法も使用できる。
【0026】
【化16】
【0027】上記式(10)中、Zは、ハロゲン原子で
ある。尚、上記式(2)、(7)、(8)、(10)の
ハロゲン原子にはフッ素原子を含んでいても良く、ま
た、各々は同じ原子であっても、異なる原子であっても
構わない。本発明の含フッ素ポリマーは、一般式(4)
の繰り返し単位を少なくとも1重量%含有するものであ
り、通常30重量%、好ましくは50重量%、さらに好
ましくは80重量%以上含有する。前記の含フッ素ポリ
マーの、一般式(4)の繰り返し単位以外の部分は、一
般式(1)で示される含フッ素エーテルと共重合して含
フッ素ポリマーを形成するオレフィンに由来する成分で
ある。また、本発明の含フッ素ポリマーの分子量は、通
常は重量平均分子量で2×103 〜1×10 6 であり、
好ましくは3×103 〜2×105 、さらに好ましくは
5×103 〜1×105 である。
【0028】一般式(4)で示される本発明の含フッ素
ポリマーは、一般式(1)で示される含フッ素環状エー
テルとオレフィンとのラジカル共重合または含フッ素環
状エーテルのみのアジカル重合により製造される。ラジ
カル開始剤としては、各種過酸化物を用いることができ
る。例えば、過酸化ベンゾイル、ビス(パーフルオロプ
ロピオニル)パーオキシド、パーオキシ炭酸ジイソプロ
ピルなどの過酸化ジアシル、過酸化t−ブチルなどの過
酸化ジアルキル、アゾビスイソブチロニトリルなどのア
ゾ化合物があげられる。オレフィンとしては、炭素−炭
素二重結合を有する各種化合物を用いることができ、通
常、炭化水素系オレフィンやそのハロゲン原子または、
極性置換基による置換体が使用され、好ましくは一般式
(11)
【0029】
【化17】
【0030】(式中、S1 は、フッ素、塩素、もしくは
水素であり、S2 は、フッ素、水素、RfまたはORf
を表わす。Rfはフッ素/炭素原子比が1以上で炭素原
子数1〜3のフルオロカーボン残基を表す。)で示され
る含フッ素オレフィンが用いられる。含フッ素オレフィ
ンとしては、各種フッ素オレフィンを用いることがで
き、例えば、CF2 =CF2 、CF3 CF=CF2 など
のパーフルオロオレフィンやCF2 =CF2 、CF2
CHFなどのポリフルオロオレフィンやCF2 =CFO
CF2 CF2 CF3 などのパーフルオロビニルエーテル
やCF2 =CFClなどのクロロフルオロオレフィンな
どがあげられる。
【0031】ラジカル重合反応は、通常、下記に述べる
条件下で行われる。開始剤は、含フッ素環状エーテルの
仕込み量に対して0.01〜10mol%用いられる。
オレフィンとの共重合を行なう場合には、用いるオレフ
ィンの量は、2,3−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオ
キシンに対する重量比で、通常0.1〜100で用いら
れる。また、オレフィンを使用しないで含フッ素環状エ
ーテルのみを重合させろこともできる。反応圧力は、反
応温度やオレフィンの性質によっても変わり得るが、通
常0.1〜20kg/cm2 −G、好ましくは0.1〜
10kg/cm 2 −Gで行われる。使用する溶媒として
は、種々の溶媒を用いることができるが、連鎖移動反応
が起こりにくいものが好ましい。例えば、1,1,2−
トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン等のフッ
素系溶媒や、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系
溶媒、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒など
を挙げることができる。溶媒の量は、使用する2,3−
ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキシンに対する重量比
で、通常0.1〜100で用いられる。反応温度は、オ
レフィンの反応性や使用する開始剤の半減期温度によっ
ても変わりうるが、通常、−10〜200℃、好ましく
は20〜150℃で行われる。
【0032】
【実施例】以下に、この発明の実施例を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0033】
【実施例1】 〔含フッ素環状エーテルの合成〕窒素雰囲気下で、ナト
リウムアミド4.0g(52mmol)、ナトリウムt
−ブトキシド2.6g(26mmol)、トルエン15
mlを内容量100ml三口フラスコに入れた。これ
に、2,2,3−トリフルオロ−2,3−ジヒドロ−
1,4−ベンゾジオキシン1.71g(9mmol)を
20分かけて、ゆっくりと滴下し室温で2時間攪拌し
た。ガスクロマトグラフィーで原料転化率100%にな
ったことを確認した後、エタノール50ml、水50m
l、塩化メチレン50mlを加えて攪拌した。有機相を
分離し、塩化メチレンを留去することにより得られる残
留物を常圧で蒸留精製を行い、目的物の含フッ素環状エ
ーテル(2,3−ジフルオロ1,4−ベンゾジオキシ
ン)を得た。(融点34℃、収率65%) このものの物性を、表1に示す。質量スペクトル、赤外
線吸収スペクトル、 1H−NMR、および19F−NMR
の測定結果から、式(1)の含フッ素環状エーテルであ
ることが、確認された。
【0034】このものの質量スペクトルおよび赤外吸収
スペクトルを図1、図2にそれぞれ示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例2】窒素雰囲気下で、カテコール4.5g(4
0mmol)、テトラグライム180mlを内容量30
0ml三口フラスコに入れた。これに、カリウムt−ブ
トキシド13.8g(120mmol)をテトラグライ
ム50mlに溶かした溶液を室温下で1時間かけて滴下
し100℃まで昇温して71時間攪拌した。t−ブチル
アルコールの生成量をガスクロマトグラフィーで定量し
てカテコールが96%転化していることを確認した後、
テトラグライムを減圧除去した。得られたカテコール二
カリウム塩を真空乾燥機中で24時間乾燥させた後、窒
素雰囲気下でカテコール二カリウム塩3.6g(19m
mol)および、テトラグライム10mlを内容量30
0mlステンレス製反応管に仕込み、系内を窒素ガスで
置換した後にテトラフルオロエチレンガスを導入し、圧
力を4.0kg/cm2 −Gとした。反応の進行ととも
に圧力が減少するので、テトラフルオロエチレンガスを
追加導入し、系内の圧力を3.0〜4.0kg/cm2
−Gに保ちながら48時間攪拌した。エタノール、水を
50ml、塩化メチレン50mlを加えて攪拌した。有
機相を分離し、を留去することにより得られる残留物を
常圧で蒸留精製し、目的物の含フッ素環状エーテル
(2,3−ジフルオロ1,4−ベンゾジオキシン)を得
た。(融点34℃、収率34%) このものは、質量スペクトル、赤外線吸収スペクトル、
1H−NMR、および 19F−NMRの測定結果から、実
施例1で得た含フッ素環状エーテルと同一の物質である
ことが、確認された。
【0037】
【実施例3】 〔含フッ素ホモポリマーの合成〕窒素雰囲気下で、含フ
ッ素エーテル1.0g(5.8mmol)および、過酸
化ベンゾイル1.4mg(5.8×10-6mol)を内
容量50mlステンレス製反応管に仕込み80℃まで昇
温し14時間攪拌した。室温まで冷却した後、固体をと
りだし、塩化メチレンに溶かした後、n−ヘキサンで再
沈殿を行った。その後、真空乾燥器中で、110℃で1
時間乾燥を行いホモポリマー0.5gを得た。このもの
の赤外吸収スペクトルを図3に示す。
【0038】また、上記ポリマーのGPC法によるポリ
スチレン換算重量平均分子量は、75000であった。
空気中における10%熱減量温度は、450℃であっ
た。このポリマーの10wt%クロロホルム溶液を石英
ガラス上にキャストして室温で乾燥させ、得られたフィ
ルムの可視光での光線透過率を測定した。370〜70
0nmの波長領域において99%以上であった。
【0039】
【実施例4】 〔含フッ素ホモポリマーの合成〕窒素雰囲気下で、含フ
ッ素エーテル1.0g(5.8mmol)および、1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
20g、ビス(パーフルオロプロピオニル)パーオキシ
ド溶液0.5g(日本油脂製5wt%1,1,2−トリ
クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン溶液)を内容
量50mlステンレス製反応管に仕込み室温で14時間
攪拌した。溶媒留去後、得られた残留物を塩化メチレン
に溶かした後、n−ヘキサンで再沈殿を行った。その
後、真空乾燥器中で、110℃で1時間乾燥を行いホモ
ポリマー0.5gを得た。上記ポリマーのGPC法によ
るポリスチレン換算重量平均分子量は、35000であ
った。このものの、空気中における10%熱減量温度
は、430℃であった。
【0040】
【実施例5】 〔含フッ素コポリマーの合成〕窒素雰囲気下で、含フッ
素エーテル0.2g(1.2mmol)および1,1,
2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン20
g、ビス(パーフルオロプロピオニル)パーオキシド溶
液0.5g(日本油脂製5wt%1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタン溶液)を氷冷中の
内容量300mlステンレス製反応管に仕込み、系内を
窒素ガスで置換した後にテトラフルオロエチレンガスを
導入し、圧力を4.0cm2 −Gとした。反応の進行と
ともに圧力が減少するので、テトラフルオロエチレンガ
スを追加導入し、系内の圧力を3.0〜4.0kg/c
2 −Gに保ちながら、室温中で66時間攪拌した。未
反応テトラフルオロエチレンガスを系外に放出し系内を
窒素ガスで置換した後、固体をとりだし塩化メチレンで
抽出した。n−ヘキサンで再沈殿を行った後、真空乾燥
器中で、110℃で1時間乾燥を行ない、コポリマー
0.1gを得た。
【0041】このものは、赤外吸収スペクトル、1 H−
NMR、および19fF−NMRの測定結果から、2,3
−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキシンが85重量%
及びテトラフルオロエチレン15重量%の共重合体であ
ることが確認された。上記ポリマーのGPC法によるポ
リスチレン換算重量平均分子量は、10000であっ
た。このものの、空気中における10%熱減量温度は、
430℃であった。
【0042】
【実施例6】 〔含フッ素コポリマーの合成〕窒素雰囲気下で、含フッ
素エーテル0.2g(1.2mmol)および1,1,
2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン20
g、ビス(パーフルオロプロピオニル)パーオキシド溶
液0.9g(日本油脂製5wt%1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタン溶液)を氷冷中の
内容量300mlステンレス製反応管に仕込み、系内を
窒素ガスで置換した後ヘキサフルオロプロピレンガスを
導入し、圧力を4.0cm2 −Gとした。反応の進行と
ともに圧力が減少するので、ヘキサフルオロプロピレン
ガスを追加導入し、系内の圧力を3.0〜4.0kg/
cm2 −Gに保ちながら、室温中で66時間攪拌した。
未反応テトラフルオロエチレンガスを系外に放出し系内
を窒素ガスで置換した後、固体をとりだし塩化メチレン
で抽出した。n−ヘキサンで再沈殿を行った後、真空乾
燥器中で、110℃で1時間乾燥を行ないコポリマー
0.1gを得た。
【0043】このものは、赤外吸収スペクトル、1 H−
NMR、および19fF−NMRの測定結果から、2,3
−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキシンが90重量%
及びヘキサフルオロプロピレン10重量%の共重合体で
あることが確認された。上記ポリマーのGPC法による
ポリスチレン換算重量平均分子量は、8000であっ
た。このものの、空気中における10%熱減量温度は、
410℃であった。
【0044】
【発明の効果】本発明により、新規構造の含フッ素環状
エーテルとそれを原料とした新規な含フッ素ポリマーが
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における含フッ素環状エーテル(2,
3−ジフルオロ−1,4−ベンゾオキシン)の質量スペ
クトルを示す図である。
【図2】実施例1における含フッ素環状エーテル(2,
3−ジフルオロ−1,4−ベンゾオキシン)の赤外吸収
スペクトルを示す図である。
【図3】実施例3における含フッ素環状エーテル(2,
3−ジフルオロ−1,4−ベンゾオキシン)のホモポリ
マーの赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図4】実施例5における含フッ素環状エーテル(2,
3−ジフルオロ−1,4−ベンゾオキシン)とテトラフ
ルオロエチレンとのコポリマーの赤外吸収スペクトルを
示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される含フッ素環状エ
    ーテル。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(2)で示される2,3−ジヒド
    ロベンゾジオキシン誘導体に脱離反応を行わせることを
    特徴とする請求項1の含フッ素環状エーテルの製造方
    法。 【化2】 (式中Xはハロゲン原子、スルホニウムラジカル、アル
    キル第4級アンモニウムラジカル、オキシアミノ基、ア
    ルコキシ基、カルボキシ基である。)
  3. 【請求項3】 一般式(3)で示されるカテコールの二
    金属塩と、テトラフルオロエチレンとを反応させること
    を特徴とする請求項1の含フッ素環状エーテルの製造方
    法。 【化3】 (式中、MおよびM’はアルカリ金属であり、互いに異
    なっていても同一の物であってもよい。)
  4. 【請求項4】 一般式(4)の繰り返し単位からなる成
    分をポリマー鎖中に少なくとも1wt%含有し、重量平
    均分子量が2×103 〜1×106 であることを特徴と
    する含フッ素ポリマー。 【化4】
  5. 【請求項5】 一般式(5)の繰り返し単位及び、一般
    式(6)の繰り返し単位からなる含フッ素ポリマーであ
    ることを特徴とする請求項4の含フッ素ポリマー。 【化5】 【化6】 (式中、S1 は、フッ素、塩素、もしくは水素であり、
    2 は、フッ素、水素、RfまたはORfを表わす。R
    fはフッ素/炭素原子比が1以上で炭素原子数1〜3の
    フルオロカーボン残基を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006001464A1 (en) * 2004-06-24 2006-01-05 Fuji Photo Film Co., Ltd. Copolymer having cyclic ether structure in main chain, optical member comprising the copolymer, and method of producing the same

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