JPH08125081A - ダムバー加工装置及びダムバー加工方法 - Google Patents

ダムバー加工装置及びダムバー加工方法

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JPH08125081A
JPH08125081A JP6258634A JP25863494A JPH08125081A JP H08125081 A JPH08125081 A JP H08125081A JP 6258634 A JP6258634 A JP 6258634A JP 25863494 A JP25863494 A JP 25863494A JP H08125081 A JPH08125081 A JP H08125081A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リードの配列状態の検出結果を基にダムバーの
所望の加工位置にパルスレーザ光を照射して加工を行う
際に、外乱光の影響を受けることなくリードの配列状態
の検出を確実かつ正確に行うことができ、またダムバー
の中央を確実に切断して高精度かつ良好な形状が得られ
るようにする。 【構成】検出光源41よりレーザ光軸13Cよりも先行
した位置に検出光41Aを照射し、レーザ光軸13Cに
対し加工進行方向とは逆に傾いた方向に反射した検出光
42Aを加工ノズル13に取り付けた光検出器42で検
出する。そして、ダムバー5の中央にパルスレーザ光1
3Aが照射されるよう光検出器42からの検出信号を信
号処理し、それに基づきパルスレーザ光13Aを発振さ
せながらレーザ光軸13Cを速度v0で相対的に移動さ
せ、順次ダムバー5を切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リードフレームに半導
体チップを搭載し樹脂モールドで一体的に封止した半導
体装置のダムバーをパルスレーザ光によって切断するダ
ムバー切断に係わり、特に、所望の加工位置を高速で加
工することが可能なダムバー加工装置及びダムバー加工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレームに半導体チップを搭載し
樹脂モールドでそれらリードフレーム及び半導体チップ
を一体に封止した半導体装置において、ダムバーはリー
ドフレームのリード間を連結するものであり、樹脂モー
ルドでリードフレームと半導体チップを一体に封止する
時に樹脂モールドがリードの間に流れ出てくるのを堰止
める役割を果たすものである。また、このダムバーは各
リードを補強する役割も有する。樹脂モールドによる封
止が終了すると、このダムバーは切断除去され、リード
フレームの各リード(アウターリード)が個々に切り離
される。尚、以下の説明では、上記のような樹脂モール
ドでリードフレーム及び半導体チップを一体に封止した
樹脂モールド型半導体装置のことを単に半導体装置とい
う。
【0003】従来では、このダムバーをパンチプレスに
より切断することが多かったが、最近では半導体装置の
高集積化や高性能化に伴ってリードフレームがさらに多
ピンかつ狭ピッチになってきており、その寸法精度が厳
しく要求されるため、従来のパンチプレスでは技術的に
対応できなくなってきた。
【0004】これに対し、最近ではレーザ光を使用した
ダムバーの切断方法が開発されている。レーザ光は極め
て小さく絞ることができるため微細な加工が可能であ
り、これをダムバーに照射するだけで非接触でダムバー
を切断することができるため寸法精度の良い加工が可能
である。このようなレーザ光による加工(以下、適宜レ
ーザ加工という)をダムバーの切断等に応用する従来技
術としては、例えば特開平6−142968号公報に記
載のものがある。
【0005】この従来技術は、加工光学系とほぼ同軸上
に配置した検出光学系(光検出手段)において被加工物
の状態(リードの配列状態)を光学的に検出し、その検
出信号を矩形化し、さらにその矩形化した信号に一定の
遅延時間を与え、遅延時間を与えた信号に基づいてパル
スレーザ光の発振を制御するものである。つまり、リー
ドの配列状態を直接視覚的に検出し、そのデータを利用
してパルスレーザ光の照射を行うものであり、これによ
って所望の加工位置、即ち切断すべきダムバーに確実に
パルスレーザ光を照射してそのダムバーを切断すること
が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】レーザ加工は、切断す
べき加工位置に小さく集光したパルスレーザ光を照射
し、被加工物を局部的かつ瞬間的に加熱及び溶融した
後、アシストガスでその溶融物を吹き飛ばして切断部
(切断溝)を形成するものである。それ故、レーザ加工
時には、上記溶融物の微粒子がスパッタとして飛散した
り、レーザプラズマやプルーム(ヒュームともいう)な
どが同時に発生したりする。このプルームは、レーザプ
ラズマと高温加熱による酸化反応とによって非常に明る
く発光する現象である。さらに、照射されたレーザ光は
その一部が反射または散乱される。
【0007】従って、特開平6−142968号公報に
記載のように加工光学系とほぼ同軸上に検出光学系(光
検出手段)を配置する場合、このようなスパッタの飛
散、レーザプラズマやプルームの発光、及び反射または
散乱されたレーザ光(以下、適宜外乱光という)に邪魔
されて、上記光検出手段によるリードの配列状態の検出
を確実かつ正確に行うことが困難になる。
【0008】また、リードフレームに半導体チップを搭
載後に樹脂モールドで封止する際には樹脂モールドの収
縮変形の影響により、リードピッチが一定値からずれる
ことが避けられない。特に、多ピンの半導体装置では樹
脂モールド部分の寸法も大きくなるため、個々のリード
において極わずかな変形が生じても多くのリードで見る
とそれらが累積され、結局大きな誤差となってしまう。
つまり、個々のリードの寸法精度がある程度確保されて
いて許容誤差範囲に入っていても全リードで見ると誤差
の累積により許容誤差範囲に入らない場合が生じる。ま
た、このようなリードフレームではリードピッチが狭
く、板厚も薄いために、剛性が弱く変形しやすい。その
ため、リードフレームの加工用治具への取り付け等のハ
ンドリング時にリードフレーム自体が変形することもあ
る。
【0009】特開平6−142968号公報に記載の従
来技術には、上記のような変形によるリードピッチのず
れに対する配慮がない。即ち、上記従来技術において
は、パルスレーザ光の発振を制御する信号に与えるべき
遅延時間はリードフレームの変形と関係なく一定値であ
り、リードの間隙(以下、適宜、スリット部という)の
寸法つまり1つのダムバーの寸法が個々に変化していた
としてもリード(以下、適宜、ウエブ部ともいう)側面
から常に一定の距離の位置にしかパルスレーザ光を照射
することができない。
【0010】この場合、パルスレーザ光の照射位置がダ
ムバーの中央(スリット部の中央)よりもリード側に偏
ることがあり、偏った側のダムバーの切り残し幅が小さ
くなり、反対側の切り残し幅が大きくなる。ダムバーの
切り残し幅はできるだけ小さくする必要があり、品質管
理上の許容値も決められているが、照射位置が偏ること
は大きな幅の切り残しを形成してしまう可能性があり、
好ましくない。また、上記のような偏りが大きくなる
と、リード(ウエブ部)自体に切欠き部分が形成されて
しまう可能性もあり、さらにその偏りがもっと大きくな
るとリード自体を溶断することにもなる。リード自体が
溶断されることは勿論絶対に避けるべきであるが、リー
ドに切欠き部分が形成されると、後工程において実施さ
れるリード(アウターリード)の折り曲げ成形時にリー
ドの折り曲げ精度を確保できなかったり破断が生じる原
因となるため、このような切欠き部の形成も避けるべき
である。従って、ダムバー切断によって高精度かつ良好
な形状を得るためには、パルスレーザ光の照射位置の偏
りを極力なくすことが必要である。
【0011】本発明の第1の目的は、リードの配列状態
の検出結果を基にダムバーの所望の加工位置にパルスレ
ーザ光を照射して加工を行うダムバー加工装置及びダム
バー加工方法において、外乱光の影響を受けることなく
リードの配列状態の検出を確実かつ正確に行うことがで
きるダムバー加工装置及びダムバー加工方法を提供する
ことである。
【0012】本発明の第2の目的は、リードの配列状態
の検出結果を基にダムバーの所望の加工位置にパルスレ
ーザ光を照射して加工を行うダムバー加工装置及びダム
バー加工方法において、ダムバーの中央を確実に切断し
て高精度かつ良好な形状を得ることができるダムバー加
工装置及びダムバー加工方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の第1及び第2の目
的を達成するため、本発明によれば、パルスレーザ光を
発振するレーザ発振器と、そのパルスレーザ光を被加工
物の加工位置まで誘導する加工光学系と、その加工光学
系により誘導された前記パルスレーザ光を出射すると共
にアシストガスを噴射させる開口部を先端に備える加工
ノズルと、前記パルスレーザ光の光軸を前記被加工物に
対して所定の速度で相対的に移動させる搬送手段とを有
し、樹脂モールドで半導体チップをリードフレーム上に
封止した半導体装置を前記搬送手段に載せ前記リードフ
レームのダムバーに前記パルスレーザ光を照射してダム
バーを順次切断するダムバー加工装置において、前記ダ
ムバーに照射されるパルスレーザ光の光軸よりも先行し
た前記リードフレーム上の位置に、前記パルスレーザ光
の光軸に対し加工進行方向と反対側に傾いた方向に反射
するよう検出光を照射する検出光発生手段と、前記加工
ノズルに取り付けられ、前記リードフレーム上で反射し
加工ノズルの開口部を通過した検出光を入射させて対応
する検出信号を発生する光検出手段と、前記光検出手段
からの検出信号に基づいて前記パルスレーザ光を照射す
るタイミングを決定しダムバーの中央にパルスレーザ光
が照射されるよう前記レーザ発振器を制御する制御手段
とを有することを特徴とするダムバー加工装置が提供さ
れる。
【0014】上記ダムバー加工装置において、好ましく
は、前記制御手段は、前記検出信号を二値化して矩形波
信号を発生する比較手段と、ダムバーの中央に前記パル
スレーザ光が照射されるようその矩形波信号に個々のダ
ムバーの幅に応じた遅延時間を与える遅延手段とを備え
る。
【0015】上記の場合、好ましくは、前記検出光発生
手段によって検出光を照射する位置は、前記パルスレー
ザ光の光軸よりも、少なくとも前記ダムバー付近のリー
ド間隙の幅以上先行している。
【0016】また、好ましくは、前記レーザ発振器より
発振するパルスレーザ光を細長い断面形状に変換しかつ
そのパルスレーザ光断面をその光軸まわりに回転変位さ
せるビーム形状変更手段をさらに有する。
【0017】上記において、好ましくは、前記光検出手
段は複数個の検出要素から構成され、それらの検出要素
が前記ダムバーの幅よりも長い寸法の範囲を検出可能な
ように配列されている。
【0018】また、好ましくは、前記検出光発生手段は
細長い断面形状の検出用レーザ光を発生するものであ
り、かつその検出用レーザ光断面の長手方向の寸法が前
記ダムバーの幅よりも長い。
【0019】また、前述の第1及び第2の目的を達成す
るため、本発明によれば、樹脂モールドで半導体チップ
をリードフレーム上に封止した半導体装置のダムバーに
パルスレーザ光を照射しながらそのパルスレーザ光の光
軸を前記半導体装置に対して所定の速度で相対的に移動
させることにより、前記ダムバーを順次切断するダムバ
ー加工方法において、前記ダムバーに照射されるパルス
レーザ光の光軸よりも先行したリードフレーム上の位置
に、前記パルスレーザ光の光軸に対し加工進行方向と反
対側に傾いた方向に反射するよう前記リードフレーム上
に検出光を照射し、前記リードフレーム上で反射し前記
加工ノズルの開口部を通過した検出光を入射させて対応
する検出信号を発生し、その検出信号に基づいて前記パ
ルスレーザ光を照射するタイミングを決定し、そのタイ
ミングでダムバーの中央に前記パルスレーザ光が照射さ
れるようそのパルスレーザ光の発振を制御することを特
徴とするダムバー加工方法が提供される。
【0020】上記において、好ましくは、前記パルスレ
ーザ光を細長い断面形状に変換すると共にそのパルスレ
ーザ光の照射位置におけるスポットの長手方向の寸法を
前記ダムバーの幅よりも十分長くなるようにし、そのス
ポットの長手方向を前記リードフレームのリードの長手
方向とほぼ一致させて前記ダムバーを幅方向に差し渡す
ようにそのパルスレーザ光を照射する。
【0021】
【作用】上記のように構成した本発明においては、搬送
手段によって被加工物を所定の速度で移動させながら切
断すべきダムバーの位置の検出及び切断動作を行う。こ
の時、パルスレーザ光の光軸(以下、レーザ光軸とい
う)よりも先行したリードフレーム上の位置に検出光発
生手段からの検出光が照射されるが、その反射光がパル
スレーザ光の光軸に対して加工進行方向とは反対側に傾
いた方向に反射されるようにする。リードフレーム上で
反射し加工ノズルの開口部を通過した反射光は光検出手
段に入射する。これにより、パルスレーザ光が照射され
る加工位置よりも先行した位置のリードの配列状態(リ
ードの有無)を検出することが可能となる。また、レー
ザ光軸と検出光とが互いに傾斜しているため、スパッタ
や、レーザプラズマ、プルーム、加工用のパルスレーザ
光の反射光等の強烈な外乱光が光検出手段の方向に直接
入射することを防止できる。
【0022】また、光検出手段を加工ノズルに取り付
け、加工ノズルの開口部を通過した反射光をその光検出
手段に入射させることにより、スパッタや強烈な外乱
光、さらには外部から飛来するゴミやホコリの大部分が
加工ノズルによって遮られ、光検出手段が保護される。
さらに、レーザ光軸の直前の位置のリードの配列状態を
検出し、すぐにパルスレーザ光を照射して加工を行うた
め、検出時から加工時までの間に外部からの擾乱要素が
入りにくく、微細な加工に適している。それに加え、光
検出手段が加工ノズルと一体構造化されているため、レ
ーザ光軸と検出光が照射される位置(以下、検出位置と
いう)の相対的な位置関係が固定化され、加工ノズルが
何らかの原因によって振動や変形を起こしたり、または
取り付け誤差が発生した場合においても、レーザ光軸と
検出位置の相対的な位置関係は変わらず検出の精度が維
持される。また、光検出手段の構造を簡単にすることが
でき、強度及び耐久性が向上する。
【0023】また、半導体装置においては、前述のよう
な樹脂モールドの収縮変形等により、多数のリードにつ
いて見ると累積誤差が問題となるが、個々のリードにつ
いて見れば誤差は極わずかであり、ある程度の寸法精度
は維持されているとみなされる。本発明ではこのことを
利用してある程度の寸法精度が維持されている個々のリ
ードの配列状況を検出し、その検出信号を基にして個々
のダムバーに対する加工位置を決定し、加工を行う。
【0024】つまり、前述の光検出手段から発生した検
出信号は制御手段に送られ、その検出信号に基づいてパ
ルスレーザ光を照射するタイミングが決定され、そのタ
イミングでレーザ発振器が制御され、ダムバーの中央に
確実にそのパルスレーザ光が照射される。この結果、パ
ルスレーザ光の照射位置の偏りがなくなり、ダムバー切
断後に大きな幅の切り残しを形成すること避けられ、そ
の切り残し幅を品質管理上の許容値内に収めることがで
きる。さらに、リード(ウエブ部)自体に切欠き部分が
形成されたりリード自体が溶断されることもなく、高精
度かつ良好な形状を得ることが可能となる。
【0025】また、上記において、搬送手段によってレ
ーザ光軸を被加工物に対し所定の速度で相対的に移動さ
せるが、パルスレーザ光の照射時間(以下、パルス幅と
いう)は極めて短時間であり、その時間の移動距離は極
わずかであるから、ダムバーの溶断される部分はスポッ
トの幅程度とみなしてよく、従ってレーザ光軸を被加工
物に対して移動させるとそのパルスレーザ光の発振時刻
によってその照射位置が一義的に決定され、順次ダムバ
ーが切断され、確実かつ高速に加工が行える。
【0026】また、本発明においては、制御手段で次の
ような処理によりパルスレーザ光が照射される。即ち、
比較手段で検出信号が二値化されて矩形波信号となり、
遅延手段でその矩形波信号に所定の遅延時間が与えら
れ、それに基づいてパルスレーザ光が発振する。この遅
延時間を個々のダムバーの幅、即ちリード間隙(スリッ
ト部)の幅に応じて適当に選べば、ダムバーの中央に正
確にパルスレーザ光が照射される。
【0027】上記において、検出位置がリード(ウエブ
部)の端部(終わり)を検出し、スリット部に入って移
動して行き、次のリードの始まりを検出した時点で、そ
のスリット部の幅即ちダムバーの長さがわかる。ここ
で、レーザ光軸に対して光検出手段の検出位置が少なく
ともダムバー付近のスリット部の幅以上先行しているこ
とにより、検出位置がそのリードの始まりを検出した時
点では、レーザ光軸は検出位置よりスリット部の幅以上
遅れた位置(後方)、つまりスリット部の始まりの位置
よりも後方にあることになる。これにより、レーザ光軸
がスリット部の始まりの位置に到達するまでの間にその
スリットに対応するダムバーの長さがわかる。このダム
バーの長さをもとにその半分の長さ、即ちスリット部の
始まりの位置からダムバーの中央までの長さが求まり、
そのダムバーの中央までの長さを移動する時間が求ま
る。従って、レーザ光軸がスリット部の始まりの位置を
通過した時点から時間を計測して上記ダムバー中央まで
の時間が経過したところでパルスレーザ光を発振させる
ことができ、これにより、ダムバーの中央にパルスレー
ザ光を照射することができる。
【0028】光検出手段において前述のような信号処理
に従う場合には、遅延手段における遅延時間は、上記レ
ーザ光軸に対する検出位置の先行距離の移動時間と、そ
の光軸がスリット部の始まりを通過してからスリット部
の中央、即ちダムバーの中央に到達するまでの時間との
和となる。
【0029】また、本発明では、ビーム形状変更手段に
よってパルスレーザ光を細長い断面形状のパルスレーザ
光に変換する。この時、そのパルスレーザ光の照射位置
におけるスポットの長手方向の寸法がダムバーの幅より
も十分長くなるようにし、かつそのパルスレーザ光断
面、従ってスポットを光軸まわりに適宜回転変位させて
その長手方向をリードの長手方向とほぼ一致させる。そ
して、上記スポットがダムバーを幅方向に差し渡すよう
にすることにより、一回のパルスレーザ光の照射により
ダムバーを確実に切断することができる。
【0030】また、本発明のように被加工物を移動させ
ながらその進行方向に検出位置を移動させ順次ダムバー
を切断していく方式では、移動方向即ちリードの長手方
向に直交する方向の検出精度、従ってレーザ光軸の位置
決め精度が高く、リードの長手方向に直交する方向のパ
ルスレーザ光による加工精度の確保は十分にできる。こ
れに対し、リードの長手方向には検出位置を移動させな
いため、レーザ光軸の高い位置決め精度を確保すること
は難しい。ところが、上記のように細長い断面形状のパ
ルスレーザ光を用い、そのスポットの長手方向の寸法を
ダムバーの幅よりも十分長くしてその長手方向をリード
の長手方向とほぼ一致させることにより、リードの長手
方向におけるレーザ光軸の位置決め精度があまり高くな
くてもほとんど支障はなく、レーザ光軸がリードの長手
方向に少々ずれたとしても、やはり一回の照射によりダ
ムバーを幅方向に確実に切断することが可能である。
【0031】また、本発明では、光検出手段を複数の検
出要素で構成し、それらの検出要素がダムバーの幅より
も長い寸法の範囲を検出可能なように配列されているた
め、ダムバーの幅の変化、従ってダムバーの長手方向に
おける中心線を挟んだ両側の形状変化を容易に検出する
ことができ、これによってリードの配列状態、従って切
断すべきダムバーの位置を誤検出することなく正確に検
出することが可能となる。また、例えば個々の検出要素
の信号を互いに比較すれば、検出動作状況の妥当性の評
価、検出位置のねらいずれ寸法の測定、検出位置におけ
る検出光の光量の制御、各検出要素の故障検出等が行え
る。
【0032】上記の場合、検出光発生手段より細長い断
面形状の検出用レーザ光を発生させ、しかもその断面の
長手方向の寸法をダムバーの幅よりも長くすることによ
り、ダムバーを幅方向に検出用レーザ光を照射すること
ができ、これに対応して形状変化の検出が容易になる。
また、検出光として検出用レーザ光を使用することによ
り、形状変化に対応する検出信号の変化をシャープにす
ることができ、高い分解能で高精度な検出が行える。
【0033】
【実施例】本発明によるダムバー加工装置及びダムバー
加工方法の一実施例について、図1から図10を参照し
ながら説明する。
【0034】図1は、本実施例のダムバー加工装置の概
略構成を模式的に示す図、図2は図1の一部を拡大して
示す図である。本実施例のダムバー加工装置は、図1に
示すように、加工系として、レーザ発振器10、ビーム
形状変更器11、加工ヘッド12、加工ノズル13、及
び搬送手段である加工テーブル21を備え、制御系とし
て、検出信号増幅器31、比較手段であるレベル判別器
32、リードフレーム形状判別器33、遅延手段である
ディレイ回路34、レーザ電源回路35、ビーム制御部
36、光源用電源37、テーブル制御部38、及び制御
回路30を備える。
【0035】ビーム形状変更器11は、凸型シリンドリ
カルレンズ11a及び凹型シリンドリカルレンズ11b
を有し、レーザ発振器10からのパルスレーザ光10A
の断面形状を細長い楕円形に変換する。また、凸型シリ
ンドリカルレンズ11a及び凹型シリンドリカルレンズ
11bの間隔を調整することによって断面の楕円形の偏
平率が変更できるようになっており、さらにビーム形状
変更器11自体がパルスレーザ光の光軸まわりに(図中
矢印の方向に)回転することにより、パルスレーザ光1
1Aの楕円形の断面が光軸まわりに回転変位するように
なっている。これらのビーム形状変更器11の調整はビ
ーム制御部36によって行われる。
【0036】加工ヘッド12には、ベンディングミラー
14、及びカメラ15が備えられ、さらにカメラ15に
はモニターテレビ15aが接続されている。このカメラ
15及びモニターテレビ15aは加工前の取り付け状況
や加工中の加工状況を視覚的に観察するためのものであ
る。
【0037】図2に示すように、加工ノズル13はその
中心軸が被加工物であるワーク1(リードフレームに半
導体チップを搭載し樹脂モールドで一体的に封止した半
導体装置)に対して垂直になるように取り付けられてお
り、加工ノズル13内には、集光レンズ16、アシスト
ガス供給口17、検出光源41、及び光検出器42が備
えられている。検出光源41は、レーザ光軸13Cより
も先行した位置に検出光41Aを照射する。光検出器4
2は、受光面の法線がパルスレーザ光13Aのレーザ光
軸13Cに対して傾斜するように加工ノズル13に一体
的に取り付けられており、加工ノズル13の開口部13
aを通過した上記検出光41Aの反射光即ち検出光42
Aを入射させる。また、光検出器42にはバンドパスフ
ィルタ43、検出用レンズ44、フォトセンサ45が備
えられている。さらに、図1に矢印で示すように、加工
ノズル13全体は回転機構18により加工ヘッド12に
対して回転可能となっている。この回転機構18による
回転角度の調節は加工テーブル21の移動動作と連動し
てテーブル制御部38からの指令によって行われ、加工
進行方向が変更されたとしても、光検出器42の受光面
の法線がレーザ光軸13Cに対して常に加工進行方向と
は反対側に傾斜するようになっている。
【0038】上記加工ノズル13におけるレーザ光軸1
3C及び光検出器42に入射する検出光42Aの傾斜方
向の幾何学的関係を図3に示す。図3に示すように、集
光レンズ16で集光されるパルスレーザ光13Aのレー
ザ光軸13Cに対し、検出光42Aが角度βだけ傾斜す
るようになっている。レーザ光軸13Cと検出光42A
とが互いに傾斜しているため、スパッタや、レーザプラ
ズマ、プルーム、加工用のパルスレーザ光の反射光等の
強烈な外乱光が光検出器42の方向に直接入射すること
が防止できる。但し、ここでは、加工進行方向は紙面左
方から右方であり、検出光42Aとレーザ光軸13Cの
中心線との交点付近が加工ノズル13の下面の位置に相
当し、その加工ノズル13の下面とワーク1の表面との
距離がhで表されている。
【0039】また、光検出器42を加工ノズル13に一
体的に取り付け、加工ノズル13の開口部13aを通過
した検出光42Aを光検出器42に入射させるため、ス
パッタや強烈な外乱光、さらには外部から飛来するゴミ
やホコリの大部分が加工ノズル13によって遮られ、光
検出器42が保護される。また、検出光42Aを加工ノ
ズル13の外部で捕らえることがないため、その検出の
際に加工ノズル13の側面が障害となることがない。さ
らに、レーザ光軸13Cの直前の位置のリード3の配列
状態を検出し、すぐにパルスレーザ光13Aを照射して
加工を行うため、検出時から加工時までの間に外部から
の擾乱要素が入りにくい。それに加え、レーザ光軸13
Cと検出光42Aの相対的な位置関係が固定化され、加
工ノズル13が何らかの原因によって振動や変形を起こ
したり、または取り付け誤差が発生した場合において
も、レーザ光軸13Cと検出位置Pの相対的な位置関係
は変わらず検出の精度が維持される。また、光検出器4
2の構造を簡単にすることができ、強度及び耐久性が向
上する。
【0040】また、図3のように、光検出器42による
検出位置P(検出光42Aとワーク1表面との交点)が
パルスレーザ光13Aのワーク1上の集光位置Kに対し
て先行している距離(以下、先行距離という)ΔLはわ
ずかであるが、少なくともワーク1即ち半導体装置のダ
ムバー付近のスリット部の幅(図5のWm)以上の距離
に設定される。つまり、レーザ光軸13Cに対して検出
位置Pが少なくともダムバー付近のスリット部の幅以上
先行していることになる。尚、傾斜角度βをあまり大き
くすると、hのわずかな変化によっても検出位置の誤差
が大きくなってしまうから、この角度βは必要以上に大
きくすることは望ましくない。
【0041】検出光源41の発光動作や光量の調整等
は、光源用電源37によって行われる。検出光源41を
外乱光よりも十分大きな光量を有するものとすれば、外
乱光の影響を少なくすることができる。また、この検出
光源41としては、例えば可視光(波長:0.4〜0.
7μm)、または可視光域のArレーザ(波長:0.5
14μm)またはHe−Neレーザ(波長:0.633
μm)等を発するものが好適である。これらを用いるこ
とにより、加工用のパルスレーザ光13A(10A)と
してよく用いられるCO2レーザ(波長:10.6μ
m)やYAGレーザ(波長:1.064μm)などのレ
ーザ光の反射光や散乱光の影響を減少することが可能で
あり、より確実かつ正確に検出を行うことができる。特
に、Arレーザはビームが広がりにくく、正規の設定位
置からずれると光検出器42に到達できないため、この
ことを利用して設定位置のくるいの検出を行うこともで
き、検出精度をさらに改善できる。バンドパスフィルタ
43は、必要とする波長の光のみを選択的に透過させる
ものであり、これによって外乱光の影響をできる限り排
除することができる。
【0042】加工テーブル21は被加工物であるワーク
1を搭載し、テーブル制御部38からの指令によってワ
ーク1を水平面内(これをXY平面内とする)に移動さ
せる。加工テーブル21は、図4に示すようにXテーブ
ル22、Yテーブル23、θテーブル24より構成され
ており、通常のダムバー加工時にはXテーブル22及び
Yテーブル23によってワーク1をレーザ光軸13Cに
対して移動させる。θテーブル24は、ワーク1を加工
テーブル21に搭載した後に、ワーク1の取り付け位置
の誤差の中でXY面内における回転角度誤差を補正する
ために用いる。即ち、ダムバー5の長手方向の中心線と
X軸またはY軸がほぼ一致するようにし、これにより、
ダムバー5の切断時の制御すべき軸数を削減することが
でき、一軸方向即ち送り方向のみの制御によって高い寸
法精度で加工することができる。
【0043】上記のような構成において、レーザ電源回
路35の制御のもとにレーザ発振器10よりパルスレー
ザ光10Aが発せられる。そして、ビーム形状変更器1
1を経て加工ヘッド12に入射したパルスレーザ光11
Aは、ベンディングミラー14で方向が変えられ、集光
レンズ16で集光されパルスレーザ光13Aとなって加
工ノズル13先端の開口部13aを通過し、ワーク1上
に照射される。また、検出光源41から発せられた検出
光41Aは、ワーク1表面の検出位置Pに照射された後
反射し、検出光42Aとなって光検出器42に入射す
る。光検出器42に入射した検出光42Aは、バンドパ
スフィルタ43で不必要な波長部分が除かれ、検出用レ
ンズ44でフォトセンサ45に集光される。フォトセン
サ45からは、ワーク1表面の情報、即ち半導体装置に
おけるリードの配列状態の情報を含んだ電気的な検出信
号が発せられる。ここで、検出光41Aとして前述のよ
うなレーザ光を用いれば、上記ワーク1表面のリードの
配列状態の情報(材料の有無や形状変化)に基づく検出
信号(図7参照)の立ち上がり(応答)がシャープにな
り、高い分解能で高精度な検出が行える。
【0044】また、アシストガス供給口17より供給さ
れたアシストガス17Aが加工ノズル13の開口部13
aより噴射される。このアシストガス17Aは、本実施
例に限らず溶断加工であるレーザ加工を行う際に、一般
的に用いられるものであり、溶融物の大部分を吹き飛ば
して良好な加工を行うためのものである。また、加工ノ
ズル13の開口部13aの直径は0.5〜1.5mmが
適当であり、加工ノズル13先端とワーク1の間隔hは
0.5〜1.5mmの範囲が望ましい。特に、加工ノズ
ル13先端とワーク1の間隔hを上記の範囲にすること
により、良好な加工結果が得られると共に、加工ノズル
13がワーク1表面やその表面上に付着した異物と接触
する事故を避けることができる。
【0045】さらに、加工ノズル13内部のアシストガ
ス17Aの噴射により、加工ノズル13内部にスパッ
タ、ゴミやホコリ等が入ってくることが防止され、光検
出器42にそれらスパッタ、ゴミやホコリ等が付着する
ことを防止される。また、通常、光検出器42のフォト
センサ45は一般に耐熱性が低いが、上記アシストガス
17Aによる空冷効果がある程度期待できるため、熱に
よる破損等を回避できる。
【0046】以上の構成のうち、レーザ電源回路35、
ビーム制御部36、光源用電源37、及びテーブル制御
部38は制御回路30によって制御される。
【0047】次に、以上のようなダムバー加工装置によ
って半導体装置の一辺にあるダムバーを切断する動作を
説明する。まず、ワーク1即ち半導体装置の構造を図5
(a)により説明する。図5(a)において、この半導
体装置1はリードフレーム2に半導体チップ(図示せ
ず)を搭載し、対応する端子間を金線等で電気的に接続
した後に樹脂モールド4で一体的に封止したものであ
る。ダムバー5はリードフレーム2の各リード3間に設
けられ、樹脂モールド4の封止時に樹脂がリード間から
流れ出るのを防止し、かつ各リード3を補強している。
本実施例では、このダムバー5を上記ダムバー加工装置
によって切断除去する。但し、図5(a)ではダムバー
5が切断されていないものが示されており、この半導体
装置1は厳密に言えば製造途中の段階にあるが、本発明
では簡単のためこのような製造途中の段階にあるものも
半導体装置と称することとする。
【0048】このような半導体装置1の樹脂モールド4
封止時に収縮変形等があった場合には、多数のリード3
について見ると累積誤差が問題となるが、個々のリード
3について見れば誤差は極わずかであり、ある程度の寸
法精度は維持されているとみなされる。本実施例ではこ
のことを利用してある程度の寸法精度が維持されている
個々のリード3の配列状況を検出し、その検出信号を基
にして個々のダムバー5に対する加工位置を決定し、加
工を行う。
【0049】図5(b)は、ダムバー5の加工状況の説
明図であって、図5(a)のB部拡大図である。ダムバ
ー5の切断に際しては、ワーク1を加工テーブル21に
よって移動させ、加工ノズル13のワーク1に対する位
置を例えばX軸の正方向に一定速度v0で相対的に移動
させる。但し、X軸及びY軸を図のように定める。ま
た、半導体装置ではスリット部6の幅がリード3の幅と
ほぼ等しいことが多いため、図5(b)においてもその
ように表した。
【0050】この時の検出光41Aの照射範囲41B
は、図に示すようにダムバー5の幅dよりも長く、かつ
ダムバー5の幅dを差し渡すようにする。このように照
射範囲41Bを設定することにより、ダムバー5付近に
おける特定の検出位置の情報を光検出器42によって容
易に検出することができる。また、前述のビーム形状変
更器11を適宜操作することにより、パルスレーザ光1
3Aの照射位置におけるスポット13Bを図のように長
手方向の寸法がダムバー5の幅dよりも十分長くなるよ
うにし、かつそのスポット13Bの長手方向をリード3
の長手方向とほぼ一致させる。そして、スポット13B
がダムバー5の幅dを差し渡すようにする。これによっ
て、一回のパルスレーザ光13Aの照射によりダムバー
を幅方向に切断することができる。
【0051】また、本実施例のようにワーク1を移動さ
せながらその進行方向に検出位置Pを移動させ順次ダム
バー5を切断していく方式では、移動方向即ちリード3
の長手方向に直交する方向の検出精度、従ってレーザ光
軸13Cの位置決め精度が高く、リード3の長手方向に
直交する方向のパルスレーザ光13Aによる加工精度の
確保は十分にできる。これに対し、リード3の長手方向
には検出位置を移動させないため、レーザ光軸13Cの
高い位置決め精度を確保することは難しい。ところが、
上記のように細長い断面形状のパルスレーザ光13Aを
用い、そのスポット13Bの長手方向の寸法をダムバー
5の幅よりも十分長くしてその長手方向をリード3の長
手方向とほぼ一致させることにより、リード3の長手方
向におけるレーザ光軸13Cの位置決め精度があまり高
くなくてもほとんど支障はなく、レーザ光軸13Cがリ
ード3の長手方向に少々ずれたとしても、やはり一回の
照射によりダムバー5を幅dの方向に切断することが可
能である。
【0052】図6は、光検出器42におけるフォトセン
サ45の感光面の配列を示した図である。図6に示すよ
うに、フォトセンサ45を複数個(1,2,3,…,i-
1,i)の検出要素45aを直線上に配列したラインフォ
トセンサで構成する。また、フォトセンサ45はダムバ
ー5を含みかつダムバー5の幅dよりも十分長い寸法の
範囲を検出可能なように配置されている。但し、図にお
いて二点鎖線はダムバー5の形状に対応している。例え
ば、1,2,3,4及びi-3,i-2,i-1,iを付した検出
要素45a(図中斜線を付したもの)はダムバー5表面
からの反射光がないためローレベル(暗い状態)とな
り、それ以外の検出要素45a(図中斜線を付していな
いもの)はダムバー5表面からの反射光があるためハイ
ベル(明るい状態)となり、これによりダムバー5の近
傍のリードの配列状況、即ちリードの有無が検出され
る。
【0053】図5(b)に戻り、良好なダムバー切断を
行うためにはダムバー5の長手方向の中心線上、即ち軌
跡A1−A2上でレーザ光軸13Cを相対的に移動させる
ことが必要である。しかし、未加工状態ではこの軌跡A
1−A2上に形状変化は全くないため、この軌跡上ではリ
ードの配列状態を検出することが不可能である。これに
対し、軌跡A1−A2から少し離れた軌跡B1−B2または
軌跡C1−C2に沿って検出位置Pを移動させればリード
の配列状況を検出することができる。
【0054】このため、図6の検出要素45aのうち、
例えば1や2またはi-1やiを付したものにおける検出結
果(検出信号)を利用することとする。また、これによ
り、レーザ光軸13Cの軌跡がA1−A2からはずれた場
合には、各々の検出要素45aからの検出信号レベルの
変化状況から、速やかにはずれた状況を検出することが
可能であり、リードの配列状況の誤検出を避けることが
できる。このように、フォトセンサ45を多数の検出要
素45aで構成することにより、加工位置近傍における
検出動作の信頼性を向上することができる。但し、通常
は、ダムバー5付近のリード3の端面にはRが付いてい
ることが多く、検出に影響を与えることも考えられるの
で、検出位置Pの軌跡B1−B2またはC1−C2はこのR
を避けて少なくともリードの平行部を横切るように設定
するのが望ましい。さらに、ダムバー5の樹脂モールド
4側にはレジンばりが存在し、検出精度に影響する可能
性もあるため、検出位置Pの軌跡としては、B1−B2
選ぶ方がより望ましい。
【0055】また、例えば個々の検出要素45aの信号
を互いに比較すれば、検出動作状況の妥当性の評価、検
出位置Pのねらいずれ寸法の測定、検出位置Pにおける
検出光の光量の制御、各検出要素45aの故障検出等が
行える。
【0056】光検出器42からの検出信号は検出信号増
幅器31に送られ、増幅される。これ以下の信号処理に
ついて、図1、図7及び図8により説明する。検出信号
増幅器31で増幅された光検出器42からの検出信号S
1の変化は図7に示すようにリード(ウエブ部)3で高
い出力となり、スリット部6で低い出力となる。但し、
m番目のスリット部6の幅をWmとする。その後この信
号S1は、レベル判定器32に入力され、レベル判定器
32に内蔵されたコンパレータによって所定の敷居値E
0で二値化され(S2)、リードフレーム形状判別器33
に入力される。
【0057】リードフレーム形状判別器33は微分回路
で構成され、この微分回路でレベル判定器32からの信
号S2の立ち上がり及び立ち下がりに対応する信号S3
作成される。ここで、図7のtmはスリット部6の幅Wm
を速度v0で移動する時間であり、tm=Wm/v0であ
る。この段階でm番目のスリット部6の幅、即ちダムバ
ーの長さWmが測定されたことになる。上記、信号S3
ディレイ回路34に入力される。
【0058】ディレイ回路34はマイコンで構成され、
図8に示すように、第1積算カウンタ34a、減算カウ
ンタ34b、第1ホールド回路34c、第2積算カウン
タ34d、及び第2ホールド回路34eを備える。ディ
レイ回路34では、まずリードフレーム形状判別器33
からの信号S3に対応して第1積算カウンタ34aで信
号S4が作成される。この第1積算カウンタ34aで
は、信号S3が正のパルス出力(スリット部6の始まり
に対応する)を発した時刻Tm0から負のパルス出力を発
するまでの間(tmの間)に積算が行われ、その後次の
正のパルス出力までの間にその積算した値が保持され、
次の正のパルス出力を発した時点で積算された値がリセ
ットされて再び積算が行われる。この時、ディレイ回路
34のマイコンのクロックタイム(処理を行うための単
位発振周期)をΔtとすると、tmの間のクロックタイ
ムΔtの個数はtm/Δtであるが、信号S4における積
算値nmは、上記tm/Δtの1/2、即ち次式(1)を
満たすように決められる。
【0059】
【数1】
【0060】上記nmの値はWmの間を移動する間
(tm)に刻まれるクロックタイムΔtの数の半分の値
である。従って、第1積算カウンタ34aでnmの値ま
で積算することは、m番目のダムバー5(長さWm)の
中央(Wm/2)を求めること、従ってスリット部6の
始まりを検出した時刻Tm0からダムバー5の中央までの
移動時間(tm/2)を求めることと同等である。
【0061】次に、この信号S4に対応して減算カウン
タ34bで信号S5が作成される。この減算カウンタ3
4bでは、第1積算カウンタ34aの積算開始時Tm0
り基準値Nより減算が開始される動作と、0になったと
ころ(時刻Tm1)で再び基準値Nにセットされる動作が
繰り返される。ここで、信号S5における基準値Nは、
前述の先行距離(図3のPKの距離)ΔLを用いて、次
の式を満たすように決められる。
【0062】
【数2】
【0063】上記基準値Nは、先行距離ΔLを移動する
間に刻まれるクロックタイムΔtの数を表す。従って、
減算カウンタ34bで基準値Nの値から0まで減算する
ことは、光検出器42でスリット部6の始まりを検出し
た時刻Tm0に、先行距離ΔLを移動する間の遅延時間t
Lを加えることと同等である。但し、tL=ΔL/v0
ある。この条件のもとでは、光検出器42でスリット部
6の始まりを検出してから遅延時間tL後の時刻Tm1
レーザ光軸13Cがスリット部6の始まりの位置に来る
ことになる。
【0064】ここで、レーザ光軸13Cに対して検出位
置Pがスリット部6の幅Wm以上先行していること、即
ちΔL≧Wmであることにより、tL≧tmとなり、光検
出器42がリード3の始まりを検出した時点(Tm0+t
m)では、レーザ光軸13Cは検出位置PよりΔL(≧
m)だけ遅れた後方にある。その後さらにレーザ光軸
13Cが移動してスリット部6の始まりの位置に到達す
る(時刻Tm1)。次の第1ホールド回路34c以下にお
ける信号処理は、上記時刻Tm1に、レーザ光軸13Cが
スリット部6の始まりからダムバー5の中央まで移動す
る時間(tm/2)を遅延時間として与えるものであ
る。
【0065】即ち、第1ホールド回路34cで信号S5
に対応して第1ホールド信号S6が作成される。この第
1ホールド回路34cでは、減算カウンタ34bにおい
て減算が行われている間(時刻Tm0〜Tm1)はパルスを
発生させず、減算カウンタ34bにおいて基準値Nが保
持されている間のみパルスを発生させる。
【0066】続いて、上記第1ホールド信号S6に基づ
き第2積算カウンタ34dで信号S7が作成される。こ
の第2積算カウンタ34dでは、第1ホールド信号S6
の立ち上がり時Tm1から積算値nmまで積算が行われ、
保持された後、次の第1ホールド信号S6の立ち上がり
時にリセットされて再び積算が行われる。この時の積算
値nmは第1積算カウンタ34aより与えられる。
【0067】さらに、この信号S7に基づき第2ホール
ド回路34eで第2ホールド信号S8が作成される。こ
の第2ホールド回路34eでは、第2積算カウンタ34
dにおいて積算が行われている間はパルスを発生させ
ず、第2積算カウンタ34dにおいて積算値nmが保持
されている間のみパルスを発生させる。第2ホールド信
号S8において、積算値nmまでの積算が完了した時刻T
m2は、光検出器42でスリット部6の始まりを検出した
時刻Tm0に、先行距離ΔLを移動する間の遅延時間tL
を加え(時刻Tm1)、さらにm番目のダムバー5の中央
まで移動する遅延時間tm/2を加えた時刻となる。
尚、上記では、リードフレーム形状判別器33とディレ
イ回路34とを別々の回路として説明したが、これらの
処理は1チップのマイコンで容易に実現できるため、リ
ードフレーム形状判別器33とディレイ回路34とをマ
イコンで構成された1つの回路としてまとめてもよい。
【0068】上記ディレイ回路34からの第2ホールド
信号S8は図1のレーザ電源回路35に入力される。レ
ーザ電源回路35では、第2ホールド信号S8の立ち上
がり(時刻Tm2)をもとにレーザ用トリガ信号が発生
し、これがレーザ発振器10に入力されて、パルスレー
ザ光10Aが発振する。以上の信号処理により、ダムバ
ー5の中央にパルスレーザ光13Aが照射されるように
することができる。尚、図7では、パルスレーザ光の発
振時刻の延長線上にダムバー5の中央が位置していない
が、これは図7のダムバー5の位置が光検出器42で検
出すべき時刻(パルスレーザ光の発振時刻よりもtL
け先行している)に対応して描かれているからであり、
パルスレーザ光の発振時刻に対応させてダムバー5の位
置が知りたければ、図7のダムバー5の位置を横軸の正
方向にtLだけずらせばよく、これによってダムバー5
の中央でパルスレーザ光の発振が行われることが理解で
きる。
【0069】上記において、パルスレーザ光のパルス幅
は、実際には0.1〜1msec程度と極めて短時間で
あり、その間にレーザ光軸13Cがワーク1に対して相
対的に移動する移動距離は極わずかであり、ダムバー5
の溶断される部分はスポット13Bの幅程度とみなして
よい。従って、パルスレーザ光を発振させながら加工テ
ーブル21によってレーザ光軸13Cを速度v0で相対
的に移動させると、パルスレーザ光13Aの発振時刻に
よってその照射位置が一義的に決定され、順次ダムバー
5が切断され、確実かつ高速に加工が行える。
【0070】また、ダムバー5の中央にパルスレーザ光
13Aが照射されるため、その照射位置の偏りがなくな
り、図5(b)におけるダムバー5の切り残し幅w1
びwはほぼ等しくなる。従って、ダムバー5の切断後
に大きな幅の切り残しを形成すること避けられ、その切
り残し幅を品質管理上の許容値内に収めて高精度かつ良
好な形状を得ることが可能となる。さらに、リード3自
体に切欠き部分が形成されたりリード3自体が溶断され
るような事故を防ぐことができる。
【0071】また、図7において、光検出器42でスリ
ット部6の始まりを検出してからパルスレーザ光10A
の発振までの信号処理に利用される時間はTm2−Tm0
であり、この時間内において検出信号を上記のような手
順で信号処理し、安定かつ確実にパルスレーザ光を発振
するための時間的余裕を確保することができる。
【0072】以上の説明では、レーザ光軸13Cに対し
て検出位置Pがスリット部6の幅Wm以上先行している
こと(ΔL≧Wm)としたが、ΔL<Wmとしても原理的
には上記と同様の信号処理が可能である。この場合は、
mを示す式(1)にΔLを入れて変更する必要があ
る。しかし、ΔL<Wmの場合にはtL<tmとなり、光
検出器42がリード3の始まりを検出した時刻(Tm0
m)において既にレーザ光軸13Cがスリット部6の
中に入っており、信号処理のための時間的余裕が少なく
なる。従って、ΔL≧Wmとするのが望ましい。
【0073】図7のような信号処理を繰り返して半導体
装置の全ダムバーを切断する手順について図9及び図1
0により説明する。図9は、半導体装置1の全てのダム
バー5を切断する際の加工ノズル13の移動軌跡の一例
を示す図である。また、これはレーザ光軸13Cの移動
軌跡を示す図にもなっている。但し、前述したように、
実際には加工ノズル13が移動するのではなく、加工テ
ーブル21の移動によって加工ノズル13が半導体装置
1に対して相対的に移動するものとする。
【0074】図9に示すように、リードフレーム2の各
辺のダムバー5の延長線が交わる位置に基準穴7a〜7
dを設けておき、そのうち例えば基準穴7aの位置から
移動を開始する。まず、基準穴7aから軌跡D10に沿っ
て加工ノズル13を移動させるが、この時基準穴7bに
到達するまでの間に移動速度を一定速度(上記v0)に
する。そして、基準穴7bから一定速度v0で軌跡D11
に沿って加工ノズル13を移動させながら、図5及び図
7のようにダムバー5の切断を行う。さらに、基準穴7
aから軌跡D20に沿って加工ノズル13を基準穴7cま
で移動させ、一定速度v0で軌跡D21に沿って移動させ
ながらダムバー5の切断を行う。その後、基準穴7dか
ら軌跡D30、基準穴7b、軌跡D31、基準穴7d、軌跡
40、基準穴7c、軌跡D41、基準穴7aに沿って順次
加工ノズル13を移動させつつ全てのダムバー5を切断
する。上記において、ダムバー5上にない軌跡D10,D
20,D30,D40は、それぞれ一定速度v0に達するまで
の助走区間となる。
【0075】上記のようにダムバー5を切断する際に
は、ビーム形状変更器11(図1参照)を適宜操作し、
半導体装置1の各辺におけるダムバー5に対してパルス
レーザ光13Aのスポット13Bの長手方向をリード3
の長手方向とほぼ一致させる。
【0076】また、ダムバーを切断する際には、例えば
図10に示すように3個の半導体装置101〜103を
一体とし、この複数個一体の半導体装置を適当なホルダ
ー100に固定し、このホルダー100をワークとして
加工テーブル21上に搭載してもよい。この時の加工ノ
ズル13の移動軌跡は、図9を基本として任意に選定す
ることができる。さらに図10のような3個一体に限ら
ず、3個一体の半導体装置を3組一体として合計9個一
体にするなど、3個以外の複数個の半導体装置をまとめ
て取り扱ってもよい。これにより、ダムバー切断を含め
た半導体装置の生産性が向上すると共に、製造工程途中
におけるハンドリング等によってリードフレームが変形
することが避けられ、高精度かつ良好な形状を維持する
ことができる。
【0077】以上のような本実施例によれば、検出光4
1Aをレーザ光軸13Cよりも先行した位置に照射する
ので、実際に加工すべき位置よりも先行した位置のリー
ドの配列状態(リードの有無)を検出することができ
る。また、レーザ光軸13Cに対して加工進行方向とは
反対に傾いた方向からの検出光42Aを光検出器42に
入射させるので、スパッタや強烈な外乱光が光検出器4
2の方向に直接入射することが防止できる。また、光検
出器42を加工ノズル13に一体的に取り付け、加工ノ
ズル13の開口部13aを通過した検出光42Aを光検
出器42に入射させるので、スパッタや強烈な外乱光、
さらには外部から飛来するゴミやホコリの大部分から光
検出器42が保護され、検出の際に加工ノズル13の側
面が障害となることがなく、外部からの擾乱要素が入り
にくい。また、光検出器42の構造の簡単化及び強度や
耐久性の向上を図ることができる。さらに、レーザ光軸
13Cと検出位置Pの相対的な位置関係が固定化され、
検出の精度が維持される。
【0078】また、アシストガス17Aの噴射によって
光検出器42にスパッタ、ゴミやホコリ等が付着するこ
とが防止され、フォトセンサ45の空冷効果も期待でき
る。
【0079】また、樹脂モールド4が収縮変形してもあ
る程度の寸法精度が維持されている個々のリード3の配
列状況を検出し、その検出信号を基にして個々のダムバ
ー5に対する加工位置を決定するので、高精度な加工を
行うことが可能である。そして、パルスレーザ光13A
を発振させながら加工テーブル21によってレーザ光軸
13Cを速度v0で相対的に移動させるだけで順次ダム
バー5が切断され、確実かつ高速に加工が行える。
【0080】また、本実施例の信号処理においては、レ
ベル判別器32でリード配列状態に基づく検出信号S1
を二値化して信号S2とし、リードフレーム形状判別器
33及びディレイ回路34において、検出位置Pと集光
位置Kの間の先行距離ΔLを移動する間の遅延時間(t
L)及びダムバー5の中央まで移動する遅延時間(tm
2)を与え、これによってレーザ発振器10の発振を制
御するので、ダムバー5の中央に正確にパルスレーザ光
13Aを照射することができる。これにより、照射位置
の偏りがなくなり、ダムバー5の切り残し幅w1,w2
ほぼ等しくなってその切り残し幅を品質管理上の許容値
内に収めて高精度かつ良好な形状を得ることが可能とな
る。さらに、リード3自体に切欠き部分が形成されたり
リード3自体が溶断されるような事故を防ぐこともでき
る。
【0081】また、ビーム形状変更器11を適宜操作し
て、パルスレーザ光13Aのスポット13Bの長手方向
の寸法をダムバー5の幅dよりも十分長くなるように
し、かつそのスポット13Bの長手方向をリード3の長
手方向とほぼ一致させ、スポット13Bがダムバー5の
幅dを差し渡すようにするので、一回のパルスレーザ光
13Aの照射によりダムバー5を幅方向に切断すること
ができる。この場合、リード3の長手方向におけるレー
ザ光軸13Cの位置決め精度があまり高くなくてもほと
んど支障はなく、レーザ光軸13Cがリード3の長手方
向に少々ずれたとしても、一回の照射によりダムバーを
幅方向に確実に切断することが可能である。
【0082】また、光検出器42のフォトセンサ45を
複数の検出要素45aで構成し、それらをダムバー5の
幅よりも長い寸法の範囲を検出可能なように配列するの
で、ダムバー5の幅の変化を検出することができる。ま
た、レーザ光軸13Cの軌跡のずれを、各々の検出信号
レベルの変化状況より速やかに検出することが可能であ
り、リードの配列状況の誤検出を避けることができる。
さらに、検出動作状況の妥当性の評価、検出位置Pのね
らいずれ寸法の測定、検出位置Pにおける検出光の光量
の制御、各検出要素45aの故障検出等も行える。
【0083】また、検出光41Aの照射範囲41Bを、
ダムバー5の幅dよりも長く、かつダムバー5の幅dを
差し渡すように設定するので、ダムバー5付近における
特定の検出位置の情報を光検出器42によって容易に検
出することができる。さらに、検出光41Aとしてレー
ザ光を用いれば、リード3の配列状態の情報に基づく検
出信号の立ち上がりがシャープになり、高い分解能で高
精度な検出が行える。
【0084】尚、一回のパルスレーザ光の照射によりダ
ムバーがで貫通しない(完全に切断できない)場合には
数回のパルスレーザ光照射によって切断する必要があ
る。この場合は、上記のような軌跡に沿った加工を数回
繰り返せばよい。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、検出光をレーザ光軸よ
りも先行したリードフレーム上の位置に照射するので、
加工位置よりも先行した位置リードの配列状態(リード
の有無)を検出することができる。また、レーザ光軸に
対して加工進行方向と反対に傾いた方向からの検出光を
光検出手段に入射させるので、スパッタや外乱光が光検
出手段の方向に直接入射することが防止できる。また、
光検出手段を加工ノズルに取り付け、加工ノズルの開口
部を通過した反射光をその光検出手段に入射させるの
で、スパッタや外乱光等から光検出手段が保護され、検
出の際の障害や擾乱を避けることができ、光検出手段の
構造の簡単化及び強度や耐久性の向上を図ることができ
る。さらに、レーザ光軸と検出位置の相対的な位置関係
が固定化され、検出の精度が維持される。
【0086】また、アシストガスによって光検出手段に
スパッタ等が付着することが防止され、光検出手段の空
冷効果も期待できる。
【0087】また、ある程度寸法精度が維持されている
個々のリードの配列状況を検出し、その検出信号を基に
個々のダムバーの中央にパルスレーザ光が照射されるよ
うにその照射タイミングを制御するので、高精度かつ確
実にダムバーの中央を切断することが可能である。その
結果、照射位置の偏りがなくなり、ダムバーの切り残し
幅がほぼ等しくなって高精度かつ良好な形状を得ること
が可能となる。また、リード自体に切欠き部分が形成さ
れたり溶断されるような事故を防ぐこともできる。さら
に、パルスレーザ光を発振させながらその光軸を相対的
に移動させるだけで順次ダムバーが切断され、確実かつ
高速に加工が行える。
【0088】また、リード配列状態に基づく検出信号を
二値化し、それに所定の遅延時間を与え、それに基づい
てパルスレーザ光の発振を行うので、ダムバーの中央に
正確にパルスレーザ光を照射することができる。
【0089】また、ビーム形状変更手段によってパルス
レーザ光を細長い断面形状のパルスレーザ光に変換し、
しかもそのスポットの長手方向の寸法がダムバーの幅よ
りも十分長くなるようにし、かつその長手方向をリード
の長手方向とほぼ一致させてダムバーを幅方向に差し渡
すようにするので、一回のパルスレーザ光の照射により
ダムバーを幅方向に切断することができる。この場合、
リードの長手方向におけるレーザ光軸の位置決め精度が
あまり高くなくてもほとんど支障はなく、パルスレーザ
光の光軸がリードの長手方向に少々ずれたとしても、一
回の照射によりダムバーを確実に幅方向に切断すること
が可能である。
【0090】また、光検出手段を複数の検出要素で構成
し、それらの検出要素をダムバーの幅よりも長い寸法の
範囲が検出可能なように配列するので、ダムバーの幅の
変化を容易かつ正確に検出することができる。また、検
出動作状況の妥当性の評価、検出位置のねらいずれ寸法
の測定、検出位置における検出光の光量の制御、各検出
要素の故障検出等も行える。
【0091】また、検出用レーザ光をダムバーの幅より
も長い範囲に照射するので、形状変化の検出が容易にな
る。また、検出光として検出用レーザ光を使用すれば、
形状変化に対応する検出信号の変化をシャープにするこ
とができ、高い分解能で高精度な検出が行える。
【0092】従って、本発明によれば、高品質かつ高精
度の半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるダムバー加工装置の概
略構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のダムバー加工装置の一部を拡大して示す
図である。
【図3】図1及び図2の加工ノズルにおけるレーザ光軸
及び検出光の傾斜方向の幾何学的関係を示す図である。
【図4】図1の加工テーブルの構成を示す図である。
【図5】(a)はワーク即ち半導体装置の平面図であ
り、(b)はダムバーの切断状況の説明図であって
(a)のB部拡大図である。
【図6】光検出器におけるフォトセンサの感光面の配列
を示した図である。
【図7】リードの配列状況の検出からパルスレーザ光の
発振までの信号処理を示すタイムチャートである。
【図8】ディレイ回路の構成を示す図である。
【図9】半導体装置の全てのダムバーを切断する際の加
工ノズル、従ってレーザ光軸の移動軌跡の一例を示す図
である。
【図10】3個の半導体装置を一体とし、その複数個一
体の半導体装置をホルダーに固定した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ワーク(半導体装置) 2 リードフレーム 3 リード(ウエブ部) 4 樹脂モールド 5 ダムバー 6 スリット部 7a〜7d 基準穴 10 レーザ発振器 10A パルスレーザ光 11 ビーム形状変更器 11a 凸型シリンドリカルレンズ 11b 凹型シリンドリカルレンズ 11A パルスレーザ光 12 加工ヘッド 13 加工ノズル 13a (加工ノズル13の)開口部 13A パルスレーザ光 13B (パルスレーザ光13Aの)スポット 13C レーザ光軸 14 ベンディングミラー 16 集光レンズ 17 アシストガス供給口 17A アシストガス 18 回転機構 21 加工テーブル 22 Xテーブル 23 Yテーブル 24 θテーブル 30 制御回路 31 検出信号増幅器 32 レベル判別器(比較手段) 33 リードフレーム形状判別器 34 ディレイ回路(遅延手段) 34a 第1積算カウンタ 34b 減算カウンタ 34c 第1ホールド回路 34d 第2積算カウンタ 34e 第2ホールド回路 35 レーザ電源回路 36 ビーム制御部 37 光源用電源 38 テーブル制御部 41 検出光源 41A 検出光 41B (検出光41Aの)照射範囲 42 光検出器 42A 検出光 43 バンドパスフィルタ 44 検出用レンズ 45 フォトセンサ 45a 検出要素 100 ホルダー 101〜103 半導体装置 β (レーザ光軸13Cと検出光42Aの間の)傾斜角 P 光検出器42による検出位置 K パルスレーザ光13Aのワーク1上の集光位置 ΔL PとKの間の先行距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美野本 泰 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機エ ンジニアリング株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスレーザ光を発振するレーザ発振器
    と、前記パルスレーザ光を被加工物の加工位置まで誘導
    する加工光学系と、前記加工光学系により誘導された前
    記パルスレーザ光を出射すると共にアシストガスを噴射
    させる開口部を先端に備える加工ノズルと、前記パルス
    レーザ光の光軸を前記被加工物に対して所定の速度で相
    対的に移動させる搬送手段とを有し、樹脂モールドで半
    導体チップをリードフレーム上に封止した半導体装置を
    前記搬送手段に載せ、前記リードフレームのダムバーに
    前記パルスレーザ光を照射して前記ダムバーを順次切断
    するダムバー加工装置において、 前記ダムバーに照射されるパルスレーザ光の光軸よりも
    先行した前記リードフレーム上の位置に、前記パルスレ
    ーザ光の光軸に対し加工進行方向と反対側に傾いた方向
    に反射するよう検出光を照射する検出光発生手段と、 前記加工ノズルに取り付けられ、前記リードフレーム上
    で反射し前記加工ノズルの開口部を通過した検出光を入
    射させて対応する検出信号を発生する光検出手段と、 前記光検出手段からの検出信号に基づいて前記パルスレ
    ーザ光を照射するタイミングを決定し前記ダムバーの中
    央にパルスレーザ光が照射されるよう前記レーザ発振器
    を制御する制御手段とを有することを特徴とするダムバ
    ー加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のダムバー加工装置におい
    て、前記制御手段は、前記検出信号を二値化して矩形波
    信号を発生する比較手段と、前記ダムバーの中央に前記
    パルスレーザ光が照射されるよう前記矩形波信号に個々
    のダムバーの幅に応じた遅延時間を与える遅延手段とを
    備えることを特徴とするダムバー加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のダムバー加工装置におい
    て、前記検出光発生手段によって前記検出光を照射する
    位置は、前記パルスレーザ光の光軸よりも、少なくとも
    前記ダムバー付近のリード間隙の幅以上先行しているこ
    とを特徴とするダムバー加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のうちいずれか1項記載
    のダムバー加工装置において、前記レーザ発振器より発
    振するパルスレーザ光を細長い断面形状に変換しかつそ
    のパルスレーザ光断面をその光軸まわりに回転変位させ
    るビーム形状変更手段をさらに有することを特徴とする
    ダムバー加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のうちいずれか1項記載
    のダムバー加工装置において、前記光検出手段は複数個
    の検出要素から構成され、それらの検出要素が前記ダム
    バーの幅よりも長い寸法の範囲を検出可能なように配列
    されていることを特徴とするダムバー加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のダムバー加工装置におい
    て、前記検出光発生手段は細長い断面形状の検出用レー
    ザ光を発生するものであり、かつその検出用レーザ光断
    面の長手方向の寸法が前記ダムバーの幅よりも長いこと
    ことを特徴とするダムバー加工装置。
  7. 【請求項7】 樹脂モールドで半導体チップをリードフ
    レーム上に封止した半導体装置のダムバーにパルスレー
    ザ光を照射しながらそのパルスレーザ光の光軸を前記半
    導体装置に対して所定の速度で相対的に移動させること
    により、前記ダムバーを順次切断するダムバー加工方法
    において、 前記ダムバーに照射されるパルスレーザ光の光軸よりも
    先行した前記リードフレーム上の位置に、前記パルスレ
    ーザ光の光軸に対し加工進行方向と反対側に傾いた方向
    に反射するよう検出光を照射し、前記リードフレーム上
    で反射し前記加工ノズルの開口部を通過した検出光を入
    射させて対応する検出信号を発生し、その検出信号に基
    づいて前記パルスレーザ光を照射するタイミングを決定
    し、そのタイミングで前記ダムバーの中央に前記パルス
    レーザ光が照射されるようそのパルスレーザ光の発振を
    制御することを特徴とするダムバー加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のダムバー加工方法におい
    て、前記パルスレーザ光を細長い断面形状に変換すると
    共にそのパルスレーザ光の照射位置におけるスポットの
    長手方向の寸法を前記ダムバーの幅よりも十分長くなる
    ようにし、前記スポットの長手方向を前記リードフレー
    ムのリードの長手方向とほぼ一致させて前記ダムバーを
    幅方向に差し渡すようにそのパルスレーザ光を照射する
    ことを特徴とするダムバー加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009505838A (ja) * 2005-08-26 2009-02-12 エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド 半導体集積回路に関するレーザビームスポットの位置決めを計測ターゲットとして処理ターゲットを使用して行う方法およびシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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