JPH08124956A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH08124956A
JPH08124956A JP26020595A JP26020595A JPH08124956A JP H08124956 A JPH08124956 A JP H08124956A JP 26020595 A JP26020595 A JP 26020595A JP 26020595 A JP26020595 A JP 26020595A JP H08124956 A JPH08124956 A JP H08124956A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
mold
semiconductor device
fluidity
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Pending
Application number
JP26020595A
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English (en)
Inventor
Hideto Suzuki
秀人 鈴木
Ryoichi Yamashita
良一 山下
Satoshi Okuda
悟志 奥田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】流動性,耐金型摩耗性,熱伝導性および低応力
性に優れた封止樹脂による半導体素子の封止により充分
な信頼性を備えている半導体装置を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含み、(C)
成分の含有量がエポキシ樹脂組成物全体の55〜90重
量%に設定されているエポキシ樹脂組成物を用いて半導
体素子を封止した半導体装置である。 (A)エポキシ樹脂組成物。 (B)硬化剤。 (C)摩砕処理されたものが20重量%以上含有されて
いる無機質充填剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流動性,耐金型
摩耗性に優れた樹脂組成物により樹脂封止された半導体
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ,IC,LSI,VLSI
等の半導体素子は、通常、セラミックパッケージもしく
はプラスチックパッケージ等により封止され、半導体装
置化されている。上記セラミックパッケージは、構成材
料そのものが耐熱性を有し、また熱放散性および耐湿性
にも優れているため、温度,湿度に対して強く、信頼性
の高い封止が可能である。しかしながら、構成材料が比
較的高価なものであること、量産性に劣る欠点があるた
め、最近では上記プラスチックパッケージを用いた樹脂
封止が主流になっている。この種の樹脂封止には、従来
から無機質充填剤を含有した熱硬化性樹脂組成物、特に
エポキシ樹脂組成物が使用されており、上記エポキシ樹
脂組成物を用いてトランスファー成形による樹脂封止が
行われており良好な成績を収めている。上記トランスフ
ァー成形による樹脂封止は、封止樹脂を加熱溶融して低
圧で金型のキャビティに流入させ、硬化させる方法であ
り、規格化されたパッケージを大量生産するのに適して
いる。このような状況下において、近年、半導体装置の
量産性向上のために、つぎのような方法が行われてい
る。トランスファー成形時に用いる金型を大形のもの
に変えて一度の成形で多数の半導体素子を樹脂封止す
る。成形方式のインライン化,成形サイクルの短縮,
封止樹脂の歩留の面で有利なマルチプランジャーモール
ド方式を採用する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法の中でも、例
えばの方法では、大形の金型を用いてトランスファー
成形する場合、末端のキャビティまで封止樹脂を充填さ
せるため、流動性に優れた封止樹脂でなければならな
い。しかしながら、従来から用いられている樹脂組成物
は、流動性向上のためには、樹脂粘度を低くしなければ
ならず、その結果、バリが生じるという問題を有してい
る。また、高流動性を確保するために樹脂の硬化性を低
下させると、成形サイクルが長くなり生産性が低下する
という問題が生じる。さらに、大形金型を用いてトラン
スファー成形する際、末端キャビティまで無機質充填剤
含有の封止樹脂を充填しなければならず、そのため高圧
で金型内に封止樹脂を充填することになる。その結果、
金型が著しく摩耗するという問題が生じる。また、の
方法において、成形時間を短縮させる場合、封止樹脂の
構成成分である硬化促進剤の添加量を多くすることによ
り硬化性を速めて時間短縮がなされている。しかし、硬
化促進剤の添加量を増やすことで硬化性を速めた場合、
封止樹脂のゲル化時間が短くなるため、封止樹脂の粘度
が上昇し、流動性が低下してしまう。その結果、封止樹
脂内部にボイドが発生したり、半導体装置内のワイヤー
が切断するという問題が生じている。
【0004】ところで、半導体素子の高集積化,大形化
に伴い半導体装置の使用時に発生する熱による障害およ
び半導体素子のパッシベーション膜にクラックが発生し
たりアルミ配線が変形したりする不良が発生し易い状態
になっており、半導体装置の信頼性という点で不安があ
る。このため、上記封止樹脂の熱伝導性の向上ならびに
熱応力の低減について強い要請があり、そのような特性
を有する樹脂の開発が一方では望まれている。
【0005】しかしながら、これまで用いられてきたエ
ポキシ樹脂組成物では、組成物の50体積%程度を占め
る充填剤として、結晶性ないし溶融性シリカの粉砕物が
用いられている。この結晶性シリカは熱応力性に劣り、
溶融シリカは熱伝導性に劣るため、従来のエポキシ樹脂
組成物では上記要請に応ずることは困難である。充填剤
の選択使用という観点から離れて、封止樹脂に低応力性
を付与するため、エポキシ樹脂組成物中にゴム状物質を
分散させ、熱膨張係数や弾性率を低下させ、低熱応力性
を付与することが提案されている。しかし、この方法に
よっても、成形直後の高温における硬度や強度の低下現
象が生じる。また、この方法に使用するエポキシ樹脂組
成物についても、結晶性または溶融シリカの粉砕物が用
いられているため、熱伝導性の改善と低応力性の双方を
満足させることができないでいるのが実情である。ま
た、高熱伝導性を付与するため、充填剤として、シリカ
粉末に代えてアルミナ粉末を使用する提案もなされてい
る。しかし、アルミナ粉末は硬度が高いため成形用金型
の摩耗が激しく、またその使用によって封止樹脂の熱応
力が高くなるため実用化には問題がある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、流動性,耐金型摩耗性,熱伝導性および低応
力性に優れた封止樹脂による半導体素子の封止により充
分な信頼性を備えている半導体装置の提供をその目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の半導体装置は、下記の(A)〜(C)成
分を含み、(C)成分の含有量がエポキシ樹脂組成物全
体の55〜90重量%に設定されているエポキシ樹脂組
成物を用いて半導体素子を封止するという構成をとる。 (A)エポキシ樹脂組成物。 (B)硬化剤。 (C)摩砕処理されたものが20重量%以上含有されて
いる無機質充填剤。
【0008】すなわち、本発明者らは、流動性,耐金型
摩耗性,熱伝導性および低応力性に優れたエポキシ樹脂
組成物を得るための一連の研究の過程で、まず、封止樹
脂組成物の成分原料である無機質充填剤の形状によって
エポキシ樹脂組成物の流動性が変化することに着目し、
これを中心に研究を重ねた。その結果、無機質充填剤と
して、単なる粉砕物を用いるのではなく、さらに機械で
摩砕処理(角を落とした状態)したものを所定量以上使
用すると、流動性が向上するのはもちろんのこと、優れ
た耐金型摩耗性,熱伝導性および低応力性が得られるよ
うになることを見出しこの発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明に用いられるエポキシ樹
脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成
分)と、特定の無機質充填剤(C成分)とを用いて得ら
れるものであり、通常、粉末状もしくはそれを打錠した
タブレット状になっている。上記エポキシ樹脂組成物の
A成分となるエポキシ樹脂は、特に制限するものではな
く、ノボラック系,ビスフェノール系等各種のものがあ
げられるが、特に軟化点(JIS落球法による)60〜
85℃のものが好ましい。上記ノボラツク系エポキシ樹
脂の代表例としては、フェノールノボラックエポキシ樹
脂,クレゾールノボラックエポキシ樹脂,ハロゲン化フ
ェノールノボラックエポキシ樹脂があげられ、ビスフェ
ノール系エポキシ樹脂の代表例としては、グリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂,グリシジルエステル型エポキシ
樹脂があげられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよ
いし2種以上を併用してもよい。
【0010】上記A成分のエポキシ樹脂とともに用いら
れるB成分の硬化剤としては、フェノール樹脂(ノボラ
ック系エポキシ樹脂のみ),酸無水物,アミン類等があ
げられる。このうち、フェノール樹脂硬化剤としては、
フェノールノボラック樹脂,クレゾールノボラック樹
脂,tert−ブチルフェノールノボラック樹脂等があ
げられ、酸無水物としては、無水フタル酸,無水テトラ
ヒドロフタル酸,無水ヘキサヒドロフタル酸等があげら
れる。また、アミン類としては、ジアミノジフェニルエ
タン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン等があげられる。上記化合物は、単独でもしくは併
せて用いられる。
【0011】上記のようなA成分のエポキシ樹脂および
B成分のフェノール樹脂としては、片方または双方が、
下記の特殊なポリジメチルシロキサンと反応しているも
のを用いることが好ましい。
【0012】上記特殊なポリジメチルシロキサンとして
は、エポキシ基,水酸基,カルボキシル基,アミノ基お
よびメルカプト基からなる群から選択された少なくとも
一種の官能基を分子鎖中に2個以上有するものがあげら
れる。このようなシロキサン変性エポキシ樹脂とシロキ
サン変性フェノール樹脂を単独でもしくは併用すること
によって、耐クラック性(低応力性)等が一層向上す
る。さらに、上記ポリジメチルシロキサンに加えてシリ
コーン樹脂を主成分とするゴム微細粉末状物を加えると
より一層耐クラック性(低応力性)等が向上する。
【0013】上記のようにポリジメチルシロキサンを用
いて変性する場合、ならびにシリコーン樹脂を主成分と
するゴム微細粉末状物を使用する場合において、シロキ
サン変性に使用するポリジメチルシロキサンと上記ゴム
微細粉末状物との総量がエポキシ樹脂組成物全体の5〜
25重量%(以下「%」と略す)となるよう設定するの
が好ましい。すなわち、上記ポリジメチルシロキサンの
使用量が5%を下回ると充分な低応力効果が少なくな
り、逆に25%を上回ると樹脂封止成形時に金型の汚れ
や捺印性の劣化傾向がみられるようになるからである。
なお、上記シロキサン変性エポキシ樹脂,シロキサン変
性フェノール樹脂およびシリコーン樹脂を主成分とする
ゴム微細粉末状物は必ずしも併用する必要はなく、いず
れか一つを用いることにより実用上充分な熱応力低減効
果が得られる。
【0014】また、上記A成分,B成分とともに用いら
れるC成分の無機質充填剤は、摩砕処理され角がとれた
特殊なものを含むものである。この発明は、これを使用
することを特徴としている。すなわち、上記C成分の無
機質充填剤は、特に封止樹脂の流動性,耐金型摩耗性お
よび低応力性の向上に有効に作用するものであり、その
含有量はエポキシ樹脂組成物全体の50〜90%の範囲
に設定される。すなわち、上記無機質充填剤の含有量が
50%未満では成形時にバリが多発し作業性に問題が生
じるとともにそれが原因でコストが高くなり、逆に90
%を超えると封止樹脂の流動性が低下し成形時に未充填
部分が生じることになるからである。そして、上記C成
分は、摩砕処理された特殊な無機質充填剤が全体の20
%以上含有されている。すなわち、摩砕処理された無機
質充填剤の含有量が20%未満ではエポキシ樹脂組成物
の流動性の改善効果が得られにくいからである。上記無
機質充填剤としては、例えばシリカ粉末,ケイ酸カルシ
ウム,炭酸カルシウム,アルミナ,クレー,タルク等が
あげられ、これらのなかで摩砕処理を施す無機質充填剤
としては、シリカ粉末、特に溶融性シリカ粉末および結
晶性シリカ粉末を用いることが好ましい。また、結晶性
シリカ粉末を摩砕処理し、溶融性シリカ粉末は通常用い
られる粉砕物をそのまま使用するという組み合わせでも
よい。この場合、摩砕処理した結晶性シリカ粉末と粉砕
物である溶融性シリカ粉末の使用割合は、前者がシリカ
粉末全体の40〜85体積%となるように設定するのが
一般的である。上記摩砕処理された無機質充填剤の主成
分となるものとしては、粒径120μm以下のものが好
ましく、かつその粒度分布が下記の(a)〜(c)に示
すような割合に設定されているのが好適である。
【0015】 (a)粒径5μm 以下の粒度のものが20〜35%。 (b)粒径6〜10μm の粒度のものが10〜20%。 (c)粒径11〜50μm の粒度のものが30〜55
%。 (d)粒径50μm 以上の粒度のものが15%以下。
【0016】上記摩砕処理は、無機質充填剤をボールミ
ル等で粉砕し粒度分布調整したものをさらにフレットミ
ルあるいはローラーミル等に掛けて粒子の角を取ること
により行われる。
【0017】なお、この発明では、上記各成分以外に必
要に応じて硬化促進剤,難燃剤,離型剤,カップリング
剤および顔料等が用いられる。
【0018】上記硬化促進剤としては、下記の三級アミ
ン,四級アンモニウム塩,イミダゾール類およびホウ素
化合物を好適な例としてあげることができる。
【0019】三級アミン トリエタノールアミン、テトラメチルヘキサジアミン、
トリエチレンジアミン、ジメチルアニリン、ジメチルア
ミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノエチル)フェノール、N,
N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,
8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、
ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノ)メチ
ルフェノール
【0020】四級アンモニウム塩 ドデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド,セチル
トリメチルアンモニウムクロライド,ベンジルジメチル
テトラブチルアンモニウムクロライド,ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロライド
【0021】イミダゾール類 2−メチルイミダゾール,2−ウンデシルイミダゾー
ル,2−エチルイミダゾール,1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール,1−シアノエチル−2−ウンデシルイ
ミダゾール
【0022】ホウ素化合物 テトラフェニルボロン,トリフェニルホスフィン,テト
ラフェニルボレート,N−メチルモルホリンテトラフェ
ニルボレート
【0023】上記難燃剤としては、カーボンブラック,
三酸化アンチモン等をあげることができる。
【0024】また、離型剤としては、従来公知のステア
リン酸,パルミチン酸等の長鎖カルボン酸、ステアリン
酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム等の長鎖カルボン酸の
金属塩、カルナバワックス,モンタンワックス等のワッ
クス類等を用いることができる。
【0025】上記カップリング剤としては、シランカッ
プリング剤等が用いられる。
【0026】上記硬化促進剤,難燃剤,離型剤およびカ
ップリング剤として例示した化合物は、単独でもしくは
併せて用いることができる。
【0027】この発明に用いるエポキシ樹脂組成物は、
例えばつぎのようにして製造することができる。すなわ
ち、上記A〜C成分ならびに上記その他の添加剤を適宜
配合し、この混合物をミキシングロール機等の混練機に
掛け加熱状態で混練して溶融混合し、これを室温に冷却
した後公知の手段により粉砕し、必要に応じて打錠する
という一連の工程により、目的とするエポキシ樹脂組成
物を得ることができる。
【0028】このようなエポキシ樹脂組成物を用いての
半導体素子の封止は、特に制限するものではなく、通常
のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行
うことができる。
【0029】このようにして得られる半導体装置は、エ
ポキシ樹脂組成物中に含まれる特定の無機質充填剤(C
成分)の作用により、優れた流動性および耐金型摩耗性
を有する封止樹脂により半導体素子が封止されるため未
充填部分等が生じず、性能的に問題がなく、また熱伝導
性,低応力性に優れている。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明の半導体装置
は、特定の無機質充填剤(C成分)を含む特殊なエポキ
シ樹脂組成物を用いて封止されている。すなわち、上記
半導体装置は、優れた流動性および耐金型摩耗性を有す
る封止樹脂による樹脂封止の結果、製造過程において生
じる、未充填部分等に起因する性能の低下が生じず良好
な特性を備えている。さらに、低応力性,耐熱衝撃性に
おいても優れた信頼性を有している。特に、上記特殊な
エポキシ樹脂組成物による封止により、大形の金型を用
いて一度に多数の半導体素子を封止するという作業に充
分対応できるようになる。また、トランスファー成形時
のバリの発生も低減できる。
【0031】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0032】
【実施例1〜6、比較例1,2】まず、下記の表1に示
すような無機質充填剤(溶融シリカ粉末および結晶性シ
リカ粉末)を準備した。
【0033】
【表1】 *:エポキシ樹脂組成物全体に対する割合を示す。
【0034】つぎに、上記表1に示した無機質充填剤、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
10,軟化点80℃)100部、フェノールノボラック
樹脂(水酸基当量110,軟化点78℃)57部、2−
メチルイミダゾール(硬化促進剤)0.3部、カルナバ
ワックス4部を配合し、温度90〜100℃の熱ロール
機に掛けて10分間混練し冷却した後粉砕して粉末状の
エポキシ樹脂組成物を得た。
【0035】このようにして得られたエポキシ樹脂組成
物の流動性,耐金型摩耗性を調べ下記の表2に示した。
また、半導体素子をトランスファー成形によって樹脂封
止して半導体装置を組み立てその熱伝導性を調べ下記の
表2に併せて示した。なお、表2において、各特性の評
価は下記に示す方法により測定し行った。
【0036】 スパイラルフロー 得られたエポキシ樹脂組成物の粉末を用いてEMMI規
格に準じた金型を使用し、金型温度170℃,プランジ
ャー圧力70kg/cm2 で成形したときの流れ値を測
定した。
【0037】 耐金型摩耗性
【0038】図1に示すような金型を準備し、トランス
ファー成形機のゲート部3の摩耗度合いを表面粗さ計に
て測定した。図において、1は上型、2は下型である。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2の結果から、実施例品はスパイラ
ルフローの値から流動性に優れ、かつ耐金型摩耗性にも
優れていることがわかる。さらに、実施例品は比較例品
に比べて熱伝導率に優れている。
【0041】
【実施例7〜11 、比較例3,4】無機質充填剤を下記
の表3に示すものに代えた。それ以外は実施例1と同様
にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0042】このようにして得られたエポキシ樹脂組成
物の流動性,耐金型摩耗性を上記と同様の方法で調べ下
記の第4表に示した。
【0043】
【表3】 *:エポキシ樹脂組成物全体に対する割合を示す。
【0044】
【表4】
【0045】上記表4の結果から、実施例品は比較例品
に比べて流動性および耐金型摩耗性の双方に優れている
ことがわかる。
【0046】
【実施例12〜16、比較例5,6】下記の表5にした
がって、各原料を配合し熱ロール機(ロール温度120
℃)で5分間溶融混練を行い、冷却固化した後粉砕し粉
末状のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0047】
【表5】
【0048】得られたエポキシ樹脂組成物の流動性を評
価するため、175℃におけるスパイラルフロー,ゲル
化時間および粘度を調べその結果を下記の表6に示し
た。
【0049】
【表6】
【0050】上記表6の結果から、実施例品は比較例品
に比べて流動性に優れていることがわかる。
【0051】
【実施例17】2−メチルイミダゾールを除去した。そ
れ以外は実施例12と同様にして粉末状のエポキシ樹脂
組成物を得た。
【0052】
【比較例7】2−メチルイミダゾールを除去した。それ
以外は比較例5と同様にして粉末状のエポキシ樹脂組成
物を得た。
【0053】このようにして得られたエポキシ樹脂組成
物を用いて、図2(A)および(B)に示すような摩耗
性検討用金型に上記エポキシ樹脂組成物を流し込みゲー
ト部5の摩耗量を測定することで耐金型摩耗性を評価し
下記の表7に示した。3は上型、4は下型である。な
お、評価条件は、通常のトランスファー成形と同様の条
件である金型温度175℃,注入時間20秒,高周波予
熱により75℃とし総樹脂量1kgに設定して行った。
【0054】
【表7】
【0055】上記表7の結果から、実施例品は比較例品
に比べて耐金型摩耗性に優れていることがわかる。
【0056】
【実施例18,19、比較例8,9】下記の表8に示す
ような無機質充填剤(結晶性シリカ粉末)に代えた。そ
れ以外は実施例1と同様にして粉末状のエポキシ樹脂を
得た。
【0057】
【表8】 *:摩砕処理された結晶性シリカ粉末/結晶シリカ粉末
全体
【0058】このようにして得られたエポキシ樹脂組成
物を用いて、図2(A)および(B)に示すような摩耗
性検討用金型に上記エポキシ樹脂組成物を流し込み成形
してゲート部5の摩耗量を測定することで耐金型摩耗性
を評価し、その結果を成形回数を横軸にとり線図にして
図3に示した。曲線Aは比較例8、曲線Bは比較例9、
曲線Cは実施例18、曲線Dは実施例19である。な
お、評価条件は、通常のトランスフアー成形と同様の条
件である金型温度175℃,注入時間20秒,高周波予
熱により75℃とし総樹脂量1kgに設定して行った。
上記図3から、実施例品は比較例品に比べてゲート部5
の摩耗量が少ないことから耐金型摩耗性に優れているこ
とがわかる。
【0059】
【実施例20,21、比較例10〜12】各原料を下記
の表9に示すような割合に代えた。それ以外は実施例1
と同様にして粉末状のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0060】
【表9】
【0061】上記のようにして得られたエポキシ樹脂組
成物を用い、試験用半導体素子を175℃×3分の条件
でトランスファー成形し、さらに175℃×5時間のポ
ストキュアを行って半導体装置を製造した。また、上記
エポキシ樹脂組成物を用いて封止樹脂を作製し、この封
止樹脂の熱伝導率を測定し、さらに半導体素子−外気間
の熱抵抗も測定し、その結果を下記の表10に示した。
なお、上記熱伝導率および熱抵抗はつぎのようにして測
定した。
【0062】〔熱伝導率〕上記エポキシ樹脂組成物を用
い、50×30×10mmの成形物(封止樹脂に相当す
る)を作製し、熱線法により熱伝導率を測定した。
【0063】〔熱抵抗〕42アロイフレーム上に半導体
素子をマウントし、14pinDIPを作製した際の半
導体素子−外気間の熱抵抗を測定した。
【0064】
【表10】
【0065】上記表10の結果から、実施例品は比較例
品に比べて熱伝導率に優れていることがわかる。
【0066】
【実施例22,23】まず、下記の表11に示すような
粒径分布を有する摩砕処理された無機質充填剤Aおよび
Bを準備した。
【0067】
【表11】
【0068】つぎに、上記無機質充填剤A,Bと下記の
表12に示す原料を同表に示す割合で配合し、この配合
物を熱ロール機(温度90〜110℃)に掛け10分間
溶融混練し、冷却固化した後粉砕し粉末状のエポキシ樹
脂組成物を得た。
【0069】得られたエポキシ樹脂組成物の流動性を評
価するため、175℃におけるスパイラルフロー,ゲル
化時間および粘度を調べ、その結果を下記の表12に併
せて示した。
【0070】
【表12】
【0071】上記表12の結果から、実施例品は比較例
品に比べてゲル化時間は同じであるが、スパイラルフロ
ーおよび粘度の値から流動性に優れていることがわか
る。
【0072】
【実施例24〜26、比較例13〜16】まず、変性エ
ポキシ樹脂および変性フェノールノボラック樹脂をつぎ
のようにして製造した。
【0073】〈変性エポキシ樹脂の製造〉クレゾールノ
ボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量195,軟化点7
0℃)100部を170〜180℃に加熱して溶融し、
これを撹拌しながらアミノ基を2個分子鎖中に含む分子
量2000のポリジメチルシロキサン30部を添加し3
時間撹拌混合してエポキシ樹脂とポリジメチルシロキサ
ンとを反応させ、反応生成物を冷却した後粉砕して変性
エポキシ樹脂を製造した。
【0074】〈変性フェノール樹脂の製造〉フェノール
ノボラック樹脂(水酸基当量105,軟化点82℃)1
00部を170〜180℃に加熱して溶融し、撹拌しな
がらエポキシ基を2個分子鎖中に含む分子量1500の
ポリジメチルシロキサンを60部添加混合し反応させ、
変性フェノール樹脂を製造した。
【0075】つぎに、上記のようにして得られた変性エ
ポキシ樹脂,変性フェノール樹脂および通常のエポキシ
樹脂,通常のフェノール樹脂ならびにその他の原料を下
記の表13に示す割合で配合し熱ロール機(温度100
℃)に掛けて5分間混練して冷却固化した後、粉砕し粉
末状のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0076】
【表13】
【0077】上記のようにして得られたエポキシ樹脂組
成物を用い、試験用半導体素子を175℃×3分の条件
でトランスファー成形し、さらに175℃×5時間のポ
ストキュアを行って半導体装置を製造した。
【0078】このようにして得られた半導体装置の低応
力性をヒートサイクル試験によって測定した。また、上
記エポキシ樹脂組成物を用いて封止樹脂をつくり、この
封止樹脂の熱伝導率を測定し、エポキシ樹脂組成物の流
動性を評価するためスパイラルフローを測定した。その
結果を下記の表14に示した。なお、上記ヒートサイク
ル試験および熱伝導率の測定はつぎのようにして行われ
た。
【0079】〈ヒートサイクル試験〉半導体装置を−8
0℃から200℃に昇温させ、ついで200℃から−8
0℃に温度降下させこれを1サイクルとし、各5分間の
強制ヒートサイクル試験を行い、所定サイクル数で半導
体装置を取り出し発煙硝酸で封止樹脂を取り除いて半導
体素子表面のパッシベーション膜に生成したクラック数
を数えた。
【0080】〈熱伝導率〉上記実施例および比較例で得
られたエポキシ樹脂組成物を用い、50×30×10m
mの成形物(封止樹脂に相当する)を作製し、熱線法に
より熱伝導率を測定した。
【0081】
【表14】
【0082】上記表14において、実施例品はヒートサ
イクル試験の結果から低応力性に優れていることがわか
る。また、同表の値から実施例品は熱伝導率および流動
性にも優れていることがわかる。
【0083】
【実施例27〜30、比較例17,18】各原料を下記
の表15に示すような割合に代えた。それ以外は実施例
1と同様にして粉末状のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0084】
【表15】
【0085】上記のようにして得られたエポキシ樹脂組
成物を用いて、封止樹脂の流動性としてスパイラルフロ
ー,バリテストおよび曲げ強度を調べた。さらに、上記
エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止し低応力
性を調べて、その結果を下記の表16に示した。なお、
上記スパイラルフロー,バリテスト,曲げ強度および低
応力性はつぎのようにして測定した。
【0086】〈スパイラルフロー〉金型とトランスファ
ープランジャーの温度を所定の温度に上げ下記,の
成形条件でエポキシ樹脂組成物をトランスファーポット
に入れ、すぐにトランスファー成形を行った。2分の硬
化の後金型を開き、スパイラルフローの連続した最長の
長さを読み取った。
【0087】 トランスファー圧力 70±2kg/cm2 プランジャースピード 6.0±1.0cm/s
【0088】〈バリテスト〉図4(A)および(B)に
示すような金型6とトランスファープランジャーを所定
の温度に上げ、エポキシ樹脂組成物をトランスファーポ
ットに入れ、すぐに下記の,の条件でトランスファ
ー成形する。そして、所定のキュア時間を経た後、プレ
スを開けて金型を開き、各溝から出たバリの長さをノギ
スで0.1mmまで測定した。図において、各溝に示し
た数値は溝の幅および深さを表しており、7はピンであ
る。
【0089】 トランスファー圧力 70±5kg/cm2 トランスファーラム速度 3〜6cm/s
【0090】〈曲げ強度〉得られたエポキシ樹脂組成物
を用いて長さ80mm以上、高さh4±0.2mm、幅
W10±0.5mmの試験片を作製し、つぎに16h±
0.5mmの支点間距離L(64mm)で試験片を支
え、図5に示すような方法で、試験片10の中央部に先
端に5±0.1mmの丸みを有した金属製の加圧楔11
で荷重を加え、試験片10が折れた時の荷重Pを0.1
kgまで測定した。図において、12は金属製の支点で
ある。そして、下記の式により曲げ強度を算出した。
【0091】
【数1】σf=(3PL)/(2Wh2
【0092】〈リードピンの折り曲げのクラックテス
ト〉得られたエポキシ樹脂組成物を用いて26ピンスモ
ールアウトJラインパッケージ(SOJ)を封止して半
導体装置を作製し、リードピン折り曲げ機にてリードピ
ンを折り曲げ、その結果生じたクラック数を測定した。
【0093】〈パッシベーション膜のクラックテスト〉
6×6mmの半導体チップをHClで温度90℃×2分
煮沸した後、Al配線の腐食部を光学顕微鏡で観察し
た。その後、このチップを得られたエポキシ樹脂組成物
で樹脂封止して半導体装置を作製した。そして、発煙H
NO3 80℃下で半導体装置を解体しチップのAl配線
部の腐食を光学顕微鏡で観察し、初期の状態より増えた
Al腐食部を測定した。
【0094】
【表16】
【0095】上記表16の結果から、実施例品はスパイ
ラルフローおよびバリテストの結果が良好なことから、
流動性に優れていることがわかる。また、曲げ強度に優
れクラック数が少ないことから、実施例品は比較例品に
比べて低応力性等に優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐金型摩耗性を評価するための試験用金型の縦
断面図である。
【図2】(A)は他の形状の試験用金型の正面図であ
り、(B)はその試験用金型の縦断面である。
【図3】試験用金型のゲート部の摩耗量を示す曲線図で
ある。
【図4】(A)はバリテスト評価用金型の正面図であ
り、(B)はその縦断面図である。
【図5】曲げ試験方法の説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 23/31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含み、
    (C)成分の含有量がエポキシ樹脂組成物全体の50〜
    90重量%に設定されているエポキシ樹脂組成物を用い
    て半導体素子を封止してなる半導体装置。 (A)エポキシ樹脂組成物。 (B)硬化剤。 (C)摩砕処理されたものが20重量%以上含有されて
    いる無機質充填剤。
  2. 【請求項2】 下記の(A)〜(C)成分を含み、
    (C)成分の含有量がエポキシ樹脂組成物全体の65〜
    90重量%に設定されている半導体封止用エポキシ樹脂
    組成物。 (A)エポキシ樹脂組成物。 (B)硬化剤。 (C)摩砕処理されたものが20重量%以上含有されて
    いる無機質充填剤。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6296568A (ja) * 1985-10-24 1987-05-06 Denki Kagaku Kogyo Kk 半導体封止用樹脂組成物
JPS63282109A (ja) * 1987-05-13 1988-11-18 Seitetsu Kagaku Co Ltd シリカ微粉末粒子の製造方法

Patent Citations (2)

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