JPH08124440A - 直流油入ブッシング - Google Patents

直流油入ブッシング

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JPH08124440A
JPH08124440A JP26021994A JP26021994A JPH08124440A JP H08124440 A JPH08124440 A JP H08124440A JP 26021994 A JP26021994 A JP 26021994A JP 26021994 A JP26021994 A JP 26021994A JP H08124440 A JPH08124440 A JP H08124440A
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JP
Japan
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bushing
insulating
oil
filled
shield
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JP26021994A
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English (en)
Inventor
Shigeru Mogi
茂 茂木
Tomohiko Mitani
智彦 三谷
Yasuhiko Taniguchi
安彦 谷口
Haruhisa Wada
治寿 和田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ブッシング本体の下部の絶縁を改良
し、電位分布を改善して直流耐電圧を著しく向上させる
ことを最も主要な目的としている。 【構成】内部が絶縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁
油が収容された接地タンク内に固定されると共に、下部
側にブッシング端子が取り付けられたブッシング本体
と、一端側がブッシング本体のブッシング端子に結合さ
れる共に、他端側が直流油入機器に結合された絶縁リー
ドと、ブッシング本体の下部側の外部に電気的かつ機械
的に結合され、絶縁リードとブッシング端子との結合部
分をシールドするブッシング用シールドと、ブッシング
用シールドの内部に位置する絶縁リードとブッシング端
子との結合部の近傍の絶縁リードの周囲に設けられた環
状の第1の絶縁バリアと、ブッシング用シールドの上部
に接するように、ブッシング本体の下部の周囲に設けら
れた環状の第2の絶縁バリアとを備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流送電における変換
器用変圧器,直流リアクトル等の直流油入機器の入出力
の引き出しに用いられる直流油入ブッシングに係り、特
にブッシング本体の下部の絶縁を改良し、電位分布を改
善して直流耐電圧を著しく向上させるようにした直流油
入ブッシングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量、長距離送電、および異周
波連係等、系統運用上多くのメリットを有する直流送電
が多方面で使用され、一部地域において系統を連係する
250kv直流送電が実施されてきている。そして、一
般に、このような直流送電においては、交流を直流に、
あるいは直流を交流に変換するための交直変換所が設置
される。
【0003】図4は、この種の一般的な交直変換所の構
成例を示す配線図である。すなわち、交直変換所は、図
4に示すように、交流線路31から入力した交流電圧
を、変換器用変圧器32,33、サイリスタバルブ群3
4,35を通して直流電圧に変換し、直流リアクトル3
6を通して直流線路37に送電するものである。また、
各サイリスタバルブ2a,2bのアノードとカソードと
の間には、図示のように避雷器38,39をそれぞれ設
置している。
【0004】ここで、サイリスタバルブ群34,35を
形成するサイリスタバルブ2a,2bは、交流電圧を直
流電圧に、あるいは直流電圧を交流電圧に変換する要素
であり、現在のところ、運転実績、保守、点検の面か
ら、空気絶縁方式のものが多用されている。
【0005】そして、この空気絶縁方式のサイリスタバ
ルブは、通常、バルブホール45と称される建屋内に収
納される。図5は、上記バルブホール45内外の機器の
配置構成例を示す鳥瞰図である。
【0006】図5において、交流線路41から入力した
交流電圧は、変換器用変圧器42で適当な電圧に調整さ
れ、壁貫ブッシング43を介して、バルブホール45内
に収納されたサイリスタバルブ44に送られ、このサイ
リスタバルブ44によって直流電圧に変換された後に、
ブッシング46を介して、屋外に設置された直流リアク
トル47に送られるように構成されている。
【0007】以上のような構成から分かるように、交直
変換所における主要素は、サイリスタバルブ44である
ものの、交流線路41と結合する変換器用変圧器42、
直流リアクトル47も、重要な機器であると認識され
る。なお、48は避雷器を示している。
【0008】ここで、変換器用変圧器42、および直流
リアクトルとしては、運転実績のある油絶縁方式のもの
が用いられている。また、この変換器用変圧器42、直
流リアクトルの入出力の引き出しには、直流油入ブッシ
ングが用いられる。
【0009】図6は、この種の従来の直流油入ブッシン
グの一般的な構成例を示す縦断面図である。なお、図6
では、ブッシングの下部、特にブッシング用シールドと
絶縁リードの周囲について示している。
【0010】図6において、変換器用変圧器、直流リア
クトル等に用いられる直流油入ブッシング本体(以下、
単にブッシング本体と称する)1は、その周囲が絶縁油
2で覆われており、接地タンク3内に収納されている。
また、ブッシング本体1は、接地タンク3にフランジ4
にて固定されている。ここで、ブッシング本体1の内部
は、絶縁紙と絶縁油で構成され、碍管内に収納して構成
されている。
【0011】一方、ブッシング本体1の下部には、絶縁
リード5を結合する部分をシールドするために、ブッシ
ング用シールド6が取り付けられている。このブッシン
グ用シールド6は、絶縁強化のために、絶縁紙7を多数
巻いて構成されている。また、ブッシング用シールド6
は、ボルト8によってブッシング本体1に、電気的、機
械的に結合されている。さらに、絶縁リード5は、その
一端であるリード端子9が、ブッシング本体1の下端部
に設けられた下部金具10により取り付けたブッシング
端子11に結合され、他端は例えば変換器用変圧器の巻
線に結合されている。なお、ブッシング用シールド6の
絶縁紙7の厚さは、対タンクを加味した電位分布を考慮
して決定される。
【0012】さて、かかる構成の直流油入ブッシングに
直流電圧が印加されると、直流特有の現象を示す。例え
ば図7に示すような電位分布になる。すなわち、ブッシ
ング本体1の下部に、極端に集中した電位分布になる。
そして、このような電位分布になると、一部分だけに電
圧が加わるため、ブッシング本体1の長さが有効に作用
しなくなる。これは、絶縁紙と絶縁油との絶縁抵抗の差
が、極端に異なるために生じる現象である。
【0013】絶縁紙と絶縁油との抵抗比は、温度、電界
等によって異なるが、10〜300倍程度あり、絶縁紙
の方が大きい。直流電圧は、2つ以上の絶縁物が直列に
なっているならば、絶縁抵抗の大きい方のものに大きく
電圧分担される。この場合、直流油入ブッシングにおい
ては、ブッシング用シールド6と絶縁リード5に絶縁紙
が巻かれており、対タンク(接地)間で、絶縁油2との
電圧分担になり、絶縁紙7に大きな電圧が加わることに
なる。
【0014】図7に示すような電位分布になると、ボル
ト8と下部金具10の一部において、電界が大きくな
る。この様子を示すと、図8のようになる。図8におい
て、矢印12は、下部金具10の電界の大きさと方向を
示し、矢印13は、ボルト8の電界の大きさと方向を示
している。特に、シールド固定用のボルト8部の電界が
大きくなる。
【0015】これは、絶縁油に加わる電界を示している
が、絶縁油は絶縁紙に比べて直流耐圧が低いため、この
部分から破壊することがある。このことを示すと、図9
のようになる。
【0016】すなわち、図9に示すように、ボルト8部
から、ブッシング用シールド6を越えて、接地タンク3
に放電する。14はその放電経路を示している。そし
て、ブッシング用シールド6内部からのこのような放電
は、直流特有のものであり、交流絶縁においては生じな
い現象である。これは、交流電圧が誘電率の逆比で電圧
分担し、絶縁紙と絶縁油との誘電率比が高々1.5〜
2.0程度であり、比較的均等な電位分布になるためで
ある。
【0017】なお、上記では、ブッシング用シールド6
内部のボルト8部からの放電について説明したが、図7
に示すような電位分布から下部金具10部の電界も大き
くなり、この部分からの放電もあり得る。
【0018】今後、直流送電電圧は高電圧化する傾向に
あり、直流機器もこれに伴って高電圧化する。そして、
直流油入ブッシングを高電圧化するには、上述したよう
な絶縁弱点部分について、直流電圧に対する絶縁強化を
図る必要がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
直流油入ブッシングにおいては、次のような解決すべき
問題がある。すなわち、直流電圧を印加すると、絶縁紙
に加わる電圧分担分が大きくなる。例えば、ブッシング
用シールドの絶縁部、絶縁リードの絶縁部等に大きな電
圧が加わる。この現象により、ブッシング用シールド内
部のボルト、あるいはブッシングの下部金具の一部か
ら、対タンクに向けて放電する。そして、この現象に対
して、対タンク間距離を大きくする(油ギャップを大き
くする)ことは、ほとんど意味をなさない。なぜなら、
絶縁抵抗が桁違いに異なる絶縁物の寸法を大きくして
も、電位分布に与える影響は少ない。
【0020】従って、電位分布を改善して高耐圧化を図
ることが必要であり、そのためのブッシング用シールド
の周囲の絶縁構成の改良が、最近では強く要望されてき
ている。
【0021】本発明の目的は、ブッシング本体の下部の
絶縁を改良し、電位分布を改善して直流耐電圧を著しく
向上させることが可能な直流油入ブッシングを提供する
ことにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、直流送電における変換器用変圧器,直流リアクト
ル等の直流油入機器の入出力の引き出しに用いられる直
流油入ブッシングにおいて、まず、請求項1に係る発明
では、内部が絶縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁油
が収容された接地タンク内に固定されると共に、下部側
にブッシング端子が取り付けられたブッシング本体と、
一端側がブッシング本体のブッシング端子に結合される
共に、他端側が直流油入機器に結合された絶縁リード
と、ブッシング本体の下部側の外部に電気的かつ機械的
に結合され、絶縁リードとブッシング端子との結合部分
をシールドするブッシング用シールドと、ブッシング用
シールドの内部に位置する絶縁リードとブッシング端子
との結合部の近傍の絶縁リードの周囲に設けられた環状
の第1の絶縁バリアと、ブッシング用シールドの上部に
接するように、ブッシング本体の下部の周囲に設けられ
た環状の第2の絶縁バリアとを備えて成る。
【0023】また、請求項2に係る発明では、内部が絶
縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁油が収容された接
地タンク内に固定されると共に、下部側にブッシング端
子が取り付けられたブッシング本体と、一端側がブッシ
ング本体のブッシング端子に結合される共に、他端側が
直流油入機器に結合された絶縁リードと、ブッシング本
体の下部側の外部に電気的かつ機械的に結合され、絶縁
リードとブッシング端子との結合部分をシールドするブ
ッシング用シールドと、ブッシング用シールドの最下面
に接するように、絶縁リードの周囲に設けられた環状の
第3の絶縁バリアとを備えて成る。ここで、特に上記第
1、第2、および第3の各絶縁バリアの材質としては、
直流油入機器絶縁油以上の高抵抗体のものを用いる。
【0024】
【作用】従って、まず、請求項1に係る発明の直流油入
ブッシングにおいては、ブッシング用シールドの内部に
位置する絶縁リードとブッシング端子との結合部の近傍
の絶縁リードの周囲に環状の第1の絶縁バリアを設ける
と共に、ブッシング用シールドの上部に接するように、
ブッシング本体の下部の周囲に環状の第2の絶縁バリア
を設けることにより、環状の各絶縁バリアに電位線が集
中する電位分布となるため、絶縁バリアの内部に位置す
る、従来電界が大きくなっていたブッシング本体下部の
電界を低減することが可能となる。
【0025】また、請求項2に係る発明の直流油入ブッ
シングにおいては、ブッシング用シールドの最下面に接
するように、絶縁リードの周囲に環状の第3の絶縁バリ
アを設けることにより、同様に環状の各絶縁バリアに電
位線が集中する電位分布となるため、絶縁バリアの内部
に位置する、従来電界が大きくなっていたブッシング本
体下部の電界を低減することが可能となる。これによ
り、電位分布を改善して、直流耐電圧を著しく向上させ
ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例による
直流油入ブッシングの構成例を示す縦断面図であり、図
6乃至図9と同一または対応する要素には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0027】なお、図1では、変換器用変圧器に用いら
れる直流油入ブッシングの場合について示している。す
なわち、本実施例の直流油入ブッシングは、図1に示す
ように、前記ブッシング用シールド6の内部に位置する
絶縁リード5とブッシング端子11との結合部の近傍の
絶縁リード5の周囲に、環状(本例では、リング状)の
第1の絶縁バリア15を設けると共に、ブッシング用シ
ールド6の上部に接するように、ブッシング本体1の下
部の周囲に、環状(本例では、リング状)の第2の絶縁
バリア16を設けた構成としている。
【0028】ここで、第1の絶縁バリア15は、固定用
絶縁紙17を絶縁リード5の周囲に巻くことによって固
定する。また、第1の絶縁バリア15の外径は、ブッシ
ング用シールド6の内径よりも小さいサイズとする。
【0029】一方、第2の絶縁バリア16は、ブッシン
グ用シールド6に対し接着して固定する。また、第2の
絶縁バリア16の外径は、ブッシング用シールド6の内
径よりも大きく、ブッシング用シールド6の外径よりも
小さいサイズとする。
【0030】なお、第1の絶縁バリア15、および第2
の絶縁バリア16の厚さは、電位分布を考慮して決定
し、特に限定されるものではない。また、第1の絶縁バ
リア15、および第2の絶縁バリア16の材質として
は、直流油入機器絶縁油(本例では、変換器用変圧器絶
縁油)以上の高抵抗体のものを用いることが好ましい。
具体的には、例えばプレスボードが使用に最も適してい
る。
【0031】次に、以上のように構成した本実施例の直
流油入ブッシングにおいては、直流電圧が印加される
と、図2に示すような電位分布になる。すなわち、ブッ
シング本体1の下部(ブッシング用シールド6の絶縁紙
7と絶縁リード5)に電位線が集中するのは、前述した
従来の直流油入ブッシングの場合と同様である。
【0032】しかし、この場合、本実施例では、ブッシ
ング用シールド6の内部に位置する絶縁リード5とブッ
シング端子11との結合部の近傍の絶縁リード5の周囲
に、環状の第1の絶縁バリア15を設け、さらにブッシ
ング用シールド6の上部に接するように、ブッシング本
体1の下部の周囲に、環状の第2の絶縁バリア16を設
けていることにより、環状の各絶縁バリア15,16に
電位線18が集中する電位分布(現象)となる。
【0033】これは、ブッシング本体1とブッシング用
シールド6間の電位線18の渡り部と、ブッシング用シ
ールド6と絶縁リード5間の電位線18の渡り部に、そ
れぞれ絶縁バリア15,16が存在するため、絶縁バリ
ア15,16が電位線18のガイド役になるような分布
になる。
【0034】このため、従来の直流油入ブッシングで生
じていたブッシング用シールド6内部のボルト8部の電
界19は、大幅に低減される。同様に、下部金具10の
一部の電界20も大幅に低減される。これは、どちらも
絶縁バリア15,16が存在することから、電位線18
がブッシング用シールド6内部まで入らないため生じる
現象である。
【0035】このことにより、従来電界が大きくなり、
放電する可能性のあった部分がなくなり、直流耐電圧を
著しく向上させることができる。上述したように、本実
施例の変換器用変圧器用の直流油入ブッシングは、内部
が絶縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁油2が収容さ
れた接地タンク3内にフランジ4により固定されると共
に、下部側にブッシング端子11が取り付けられたブッ
シング本体1と、一端側がブッシング本体1のブッシン
グ端子11に結合される共に、他端側が変換器用変圧器
の巻線に結合された絶縁リード5と、ブッシング本体1
の下部側の外部にボルト8により電気的かつ機械的に結
合され、絶縁リード5とブッシング端子11との結合部
分をシールドするブッシング用シールド6と、ブッシン
グ用シールド6の内部に位置する絶縁リード5とブッシ
ング端子11との結合部の近傍の絶縁リード5の周囲に
設けられた環状の第1の絶縁バリア15と、ブッシング
用シールド6の上部に接するように、ブッシング本体1
の下部の周囲に設けられた環状の第2の絶縁バリア16
とから構成したものである。
【0036】従って、環状の各絶縁バリア15,16に
電位線18が集中する電位分布となるため、絶縁バリア
15,16の内部に位置する、従来電界が大きくなって
いたブッシング本体1下部、すなわちブッシング用シー
ルド6周辺部の電界を低減することができる。
【0037】これにより、電位分布を改善して、直流耐
電圧を著しく向上させることが可能となる。 (第2の実施例)図3は、本発明の第2の実施例による
直流油入ブッシングの構成例を示す縦断面図であり、図
6乃至図9と同一または対応する要素には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0038】なお、図3では、上記第1の実施例の場合
と同様に、変換器用変圧器に用いられる直流油入ブッシ
ングの場合について示している。すなわち、本実施例の
直流油入ブッシングは、図3に示すように、前記ブッシ
ング用シールド6の最下面に接するように、絶縁リード
5の周囲に、環状(本例では、リング状)の第3の絶縁
バリア21を設けた構成としている。
【0039】ここで、第3の絶縁バリア21は、固定用
絶縁紙22を絶縁リード5の周囲に巻くことによって固
定する。また、第3の絶縁バリア21の外径は、ブッシ
ング用シールド6の内径よりも大きく、ブッシング用シ
ールド6の外径よりも小さいサイズとする。
【0040】なお、第3の絶縁バリア21の厚さは、電
位分布を考慮して決定し、特に限定されるものではな
い。また、第3の絶縁バリア21の材質としては、直流
油入機器絶縁油(本例では、変換器用変圧器絶縁油)以
上の高抵抗体のものを用いることが好ましい。具体的に
は、例えばプレスボードが使用に最も適している。
【0041】次に、以上のように構成した本実施例の直
流油入ブッシングにおいては、直流電圧が印加される
と、ブッシング本体1の下部(ブッシング用シールド6
の絶縁紙7と絶縁リード5)に電位線が集中するのは、
前述した従来の直流油入ブッシングの場合と同様であ
る。
【0042】しかし、この場合、本実施例では、ブッシ
ング用シールド6の最下面に接するように、絶縁リード
5の周囲に、環状の第3の絶縁バリア21を設けている
ことにより、環状の絶縁バリア21に電位線が集中する
電位分布(現象)となる。
【0043】これは、ブッシング用シールド6と絶縁リ
ード5間の電位線の渡り部に、それぞれ絶縁バリア21
が存在するため、絶縁バリア21が電位線のガイド役に
なるような分布になる。
【0044】このため、従来の直流油入ブッシングで生
じていたブッシング用シールド6内部のボルト8部の電
界は、大幅に低減される。同様に、下部金具10の一部
の電界20も大幅に低減される。これは、どちらも絶縁
バリア21が存在することから、電位線がブッシング用
シールド6内部まで入らないため生じる現象である。
【0045】このことにより、従来電界が大きくなり、
放電する可能性のあった部分がなくなり、直流耐電圧を
著しく向上させることができる。上述したように、本実
施例の変換器用変圧器用の直流油入ブッシングは、内部
が絶縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁油2が収容さ
れた接地タンク3内にフランジ4により固定されると共
に、下部側にブッシング端子11が取り付けられたブッ
シング本体1と、一端側がブッシング本体1のブッシン
グ端子11に結合される共に、他端側が変換器用変圧器
の巻線に結合された絶縁リード5と、ブッシング本体1
の下部側の外部にボルト8により電気的かつ機械的に結
合され、絶縁リード5とブッシング端子11との結合部
分をシールドするブッシング用シールド6と、ブッシン
グ用シールド6の最下面に接するように、絶縁リード5
の周囲に設けられた環状の第3の絶縁バリア21とから
構成したものである。
【0046】従って、環状の絶縁バリア21に電位線が
集中する電位分布となるため、絶縁バリア21の内部に
位置する、従来電界が大きくなっていたブッシング本体
1下部、すなわちブッシング用シールド6周辺部の電界
を低減することができる。
【0047】これにより、上記第1の実施例の場合と同
様に、電位分布を改善して、直流耐電圧を著しく向上さ
せることが可能となる。尚、本発明は上記各実施例に限
定されるものではなく、次のようにしても同様に実施で
きるものである。
【0048】(a)上記各実施例では、本発明を直流油
入機器としての変換器用変圧器に適用する場合について
説明したが、何らこれに限定されるものではなく、本発
明を直流リアクトル等の他の直流油入機器についても同
様に適用することが可能であり、前述の場合と同様の作
用効果が得られることは言うまでもない。 (b)上記各実施例の直流絶縁構成を組み合わせた構成
とするようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、直
流送電における変換器用変圧器,直流リアクトル等の直
流油入機器の入出力の引き出しに用いられる直流油入ブ
ッシングにおいて、内部が絶縁紙と絶縁油からなり、上
部側が絶縁油が収容された接地タンク内に固定されると
共に、下部側にブッシング端子が取り付けられたブッシ
ング本体と、一端側がブッシング本体のブッシング端子
に結合される共に、他端側が直流油入機器に結合された
絶縁リードと、ブッシング本体の下部側の外部に電気的
かつ機械的に結合され、絶縁リードとブッシング端子と
の結合部分をシールドするブッシング用シールドと、ブ
ッシング用シールドの内部に位置する絶縁リードとブッ
シング端子との結合部の近傍の絶縁リードの周囲に設け
られた環状の第1の絶縁バリア、およびブッシング用シ
ールドの上部に接するように、ブッシング本体の下部の
周囲に設けられた環状の第2の絶縁バリアと、もしくは
ブッシング用シールドの最下面に接するように、絶縁リ
ードの周囲に設けられた環状の第3の絶縁バリアとから
構成するようにしたので、ブッシング本体の下部の絶縁
を改良し、電位分布を改善して直流耐電圧を著しく向上
させることが可能な直流油入ブッシングが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直流油入ブッシングの第1の実施
例を示す縦断面図。
【図2】同第1の実施例における直流油入ブッシングの
作用を説明するための縦断面図。
【図3】本発明による直流油入ブッシングの第2の実施
例を示す横断面図。
【図4】一般的な交直変換所の構成例を示す配線図。
【図5】バルブホール内外の機器の配置構成例を示す鳥
瞰図。
【図6】従来の直流油入ブッシングの一般的な構成例を
示す縦断面図。
【図7】従来の直流油入ブッシングにおける巻線間絶縁
部のダクトピース部の直流等電位線を示す図。
【図8】従来の直流油入ブッシングにおける直流電界強
度を示す図。
【図9】従来の直流油入ブッシングにおける放電経路を
示す図。
【符号の説明】
1…ブッシング本体、 2…絶縁油、 3…接地タンク、 4…フランジ、 5…絶縁リード、 6…ブッシング用シールド、 7…絶縁紙、 8…ボルト、 9…リード端子、 10…下部金具、 11…ブッシング端子、 12…下部金具10の電界、 13…ボルト8の電界、 14…放電経路、 15…第1の絶縁バリア、 16…第2の絶縁バリア 17…固定用絶縁紙、 18…電位線、 19…ボルト8部の電界、 20…下部金具10の電界、 21…第3の絶縁バリア、 22…固定用絶縁紙、 31…交流線路、 32,33…変換器用変圧器、 34,35…サイリスタバルブ群、 36…直流リアクトル、 37…直流線路、 38,39…避雷器、 2a,2b…サイリスタバルブ、 41…交流線路、 42…変換器用変圧器、 43…壁貫ブッシング、 44…サイリスタバルブ、 45…バルブホール、 46…ブッシング、 47…直流リアクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 治寿 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流送電における変換器用変圧器,直流
    リアクトル等の直流油入機器の入出力の引き出しに用い
    られる直流油入ブッシングにおいて、 内部が絶縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁油が収容
    された接地タンク内に固定されると共に、下部側にブッ
    シング端子が取り付けられたブッシング本体と、 一端側が前記ブッシング本体のブッシング端子に結合さ
    れる共に、他端側が前記直流油入機器に結合された絶縁
    リードと、 前記ブッシング本体の下部側の外部に電気的かつ機械的
    に結合され、前記絶縁リードとブッシング端子との結合
    部分をシールドするブッシング用シールドと、 前記ブッシング用シールドの内部に位置する絶縁リード
    とブッシング端子との結合部の近傍の前記絶縁リードの
    周囲に設けられた環状の第1の絶縁バリアと、 前記ブッシング用シールドの上部に接するように、ブッ
    シング本体の下部の周囲に設けられた環状の第2の絶縁
    バリアと、 を備えて成ることを特徴とする直流油入ブッシング。
  2. 【請求項2】 直流送電における変換器用変圧器,直流
    リアクトル等の直流油入機器の入出力の引き出しに用い
    られる直流油入ブッシングにおいて、 内部が絶縁紙と絶縁油からなり、上部側が絶縁油が収容
    された接地タンク内に固定されると共に、下部側にブッ
    シング端子が取り付けられたブッシング本体と、 一端側が前記ブッシング本体のブッシング端子に結合さ
    れる共に、他端側が前記直流油入機器に結合された絶縁
    リードと、 前記ブッシング本体の下部側の外部に電気的かつ機械的
    に結合され、前記絶縁リードとブッシング端子との結合
    部分をシールドするブッシング用シールドと、 前記ブッシング用シールドの最下面に接するように、前
    記絶縁リードの周囲に設けられた環状の第3の絶縁バリ
    アと、 を備えて成ることを特徴とする直流油入ブッシング。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2、および第3の各絶縁バ
    リアの材質としては、直流油入機器絶縁油以上の高抵抗
    体のものを用いることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の直流油入ブッシング。
JP26021994A 1994-10-25 1994-10-25 直流油入ブッシング Pending JPH08124440A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015220261A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 株式会社東芝 変換器用変圧器

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