JP2002164226A - 変換器用変圧器 - Google Patents

変換器用変圧器

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JP2002164226A
JP2002164226A JP2000363143A JP2000363143A JP2002164226A JP 2002164226 A JP2002164226 A JP 2002164226A JP 2000363143 A JP2000363143 A JP 2000363143A JP 2000363143 A JP2000363143 A JP 2000363143A JP 2002164226 A JP2002164226 A JP 2002164226A
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electrostatic shield
transformer
insulating
lead
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Makoto Tanaka
田中  誠
Hiroshi Sugihara
洋 杉原
Masayuki Hatano
雅幸 畑野
Kenji Kawaguchi
賢二 川口
Susumu Isaka
進 井坂
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Electric Power Development Co Ltd
Toshiba Corp
Kansai Electric Power Co Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
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Electric Power Development Co Ltd
Toshiba Corp
Kansai Electric Power Co Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流巻線の口出しリードと静電シールドの引
出し線との接続部分における絶縁強度が高く、絶縁性能
に優れた変換器用変圧器を提供する。 【解決手段】 絶縁油26が充填されたタンク21内
に、直流巻線23と交流巻線22とを同心円状に配置す
る。交流巻線22及び直流巻線23に、静電シールド2
4,25を取り付ける。直流巻線23と交流巻線22と
の間に、バーリア27を等間隔で同心円状に配置する。
直流巻線静電シールド25に凹形の切欠部25dを設
け、絶縁紙で被覆された直流巻線23の口出しリード3
1を挿通する。口出しリード31を外部接続端子に接続
する。直流巻線静電シールド25の凹形の切欠部25d
の中央部に、直流巻線静電シールド25の引出し線25
cと口出しリード31との接続部分を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流送電用の交直
変換器に使用される変圧器に係り、特に、変圧器内部に
おいて直流電圧が加わる静電シールド周囲の絶縁特性に
改良を施した変換器用変圧器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交流送電は電力の発生と利用、電圧の昇
降に有利なため、現在、最も広く使用されている。しか
し、交流送電は、送電距離が長くなると線路のリアクタ
ンスのため安定度の問題が生じ、送電電力が制限され
る。また、電力ケーブルで送電する場合に、線路の静電
容量を充電する電流や絶縁体の誘電体損失によって、送
電距離が制限される。これに対して、直流送電は、大容
量、長距離送電などの点で、系統運用上優れている。特
に、二つの交流の電力系統を直流で連係させる場合に
は、周波数やその変動に影響されないこと、事故時の短
絡電流を増加させないこと、電力系統の制御の面で優れ
ていること等の利点を有する。このため、一部地域にお
いては、系統を連係するために、250kVの直流送電
が実施されている。
【0003】このような系統連係用の直流送電において
は、交流を直流に変換するため、あるいは直流を交流に
変換するための交直変換所が必要となるが、この交直変
換所の一例を、図9に従って以下に説明する。すなわ
ち、交流線路1には、入力された交流電圧を直流電圧に
変換するサイリスタバルブ群3a,3bが、変換器用変
圧器2a,2bを介して接続されている。サイリスタバ
ルブ群3a,3bの直流出力側には、直流リアクトル4
を介して直流線路5が接続されている。
【0004】サイリスタバルブ群3a,3bは、交流電
圧を直流電圧に、あるいは直流電圧を交流電圧に変換す
る主要素であるサイリスタバルブ6a,6bを備えてい
る。このサイリスタバルブ6a、6bとしては、現在の
ところ、運転実績、保守、点検の面から、空気絶縁方式
のものが多く使用されている。そして、この空気絶縁方
式のサイリスタバルブ6a,6bは、通常、バルブホー
ル7と称される建屋内に収納されている。なお、図中8
a,8bは変圧器用避雷器、9は直流リアクトル用避雷
器、10はサイリスタバルブ群3a,3bのA−K避雷
器である。
【0005】このようなサイリスタバルブ6と、バルブ
ホール7及び変換器用変圧器2などの周辺機器の配置構
成の一例を、図10に示す。この配置構成においては、
バルブホール7の外部に設けられた変換器用変圧器2
は、バルブホール7の壁を貫通する壁貫ブッシング11
を介して、バルブホール7内に収納されたサイリスタバ
ルブ6に接続されている。また、サイリスタバルブ6の
直流出力側は、直流ブッシング12を介して、バルブホ
ール7外に設置された直流リアクトル4に接続されてい
る。
【0006】以上のような交直変換所の一例における運
転時の作用は、以下の通りである。すなわち、交流線路
1から入力された交流電圧は、変換器用変圧器2におい
て適当な電圧に調整され、壁貫ブッシング11を介して
バルブホール7内に収納されたサイリスタバルブ6に送
られる。サイリスタバルブ6においては、交流が直流に
変換され、直流ブッシング12を介して屋外に設置され
た直流リアクトル4に送られる。なお、上記のような交
直変換所における主要素は、サイリスタバルブ6である
が、交流系統との結合箇所に用いられる変換器用変圧器
2の役割も重要であるといえる。
【0007】ところで、図9に示すような変換器用変圧
器2a,2b及び直流リアクトル4の絶縁方式として
は、現在のところ、交流送電系統において運転実績のあ
る油絶縁方式が採用されている。但し、これらの変換器
用変圧器2a,2b及び直流リアクトル4には、運転時
及び工場試験時に直流電圧が印加されるため、従来の交
流電圧に対する絶縁設計とは異なる絶縁設計が必要とな
る。すなわち、油絶縁方式は、絶縁油と絶縁紙との複合
絶縁構成になっており、この構成に直流電圧を印加する
と、絶縁抵抗の大きい絶縁紙に大きな電圧が加わり、絶
縁抵抗の小さい絶縁油にはあまり電圧が加わらない。従
って、従来の変換器用変圧器及び直流リアクトルにおい
ては、絶縁紙と絶縁油の双方に適当な電圧が加わるよう
に、絶縁紙の配置が工夫され、設計、製作されている。
【0008】このように絶縁紙の配置に工夫を施した変
換器用変圧器の内部構成の一例を、図11、図12に従
って以下に説明する。すなわち、図11に示すように、
変換器用変圧器は、絶縁油26が充填されたタンク21
と、このタンク21内に同心円状に収納された交流巻線
22及び直流巻線23を備えている。このうち、交流巻
線22は交流線路に結合され、直流巻線23はサイリス
タバルブに結合されている。交流巻線22及び直流巻線
23には、それぞれの巻線端部の電界を緩和するため
に、巻線端部と同電位の静電シールド24,25が取り
付けられている。この静電シールド24,25は、電極
シールド24a,25aの周囲を絶縁紙24b,25b
によって厚く被覆したものであり、交流巻線22及び直
流巻線23の巻線端部における過度の電界集中を抑制す
る機能を有する。
【0009】また、この変換器用変圧器の絶縁は、タン
ク21内に充填された絶縁油26と、紙製のバーリア2
7によって行われる構成となっている。バーリア27
は、交流巻線22及び直流巻線23の間及びその内外周
に配置されている。そして、このバーリア27の端部に
おける静電シールド24,25に対応する位置には、対
巻線間絶縁強化用のアングルバーリア28が設けられて
いる。
【0010】ここで、直流巻線23と交流巻線22との
間の巻線間絶縁部29には、直流電圧が加わることにな
る。そして、この直流電圧に対して、巻線間絶縁部29
は、絶縁油26と静電シールド24,25の絶縁紙24
b,25b、バーリア27ないしアングルバーリア28
とが直列になるように構成されている。
【0011】また、図12に示すように、同心円状に配
置された交流巻線22と直流巻線23との間には、バー
リア27がほぼ等間隔で同心円状に配置されている。そ
して、交流巻線22とバーリア27との間、隣接するバ
ーリア27間、バーリア27と直流巻線23との間に
は、それぞれの間隔を一定に保持するために、バーリア
27とほぼ同じ材質のダクトピース30が配置されてい
る。
【0012】以上のように、交流巻線22と直流巻線2
3との間にバーリア27を挿入したり、静電シールド2
4,25を絶縁紙24b,25bによって被覆するの
は、バーリア27や絶縁紙24b,25bの絶縁強度
が、絶縁油26単体よりも大きいことを利用して、絶縁
強化を図るためである。
【0013】例えば、工場試験においては、直流巻線2
3に直流電圧を印加する一方で、交流巻線22を接地す
る場合がある。この場合、絶縁抵抗の大きいバーリア2
7や絶縁紙24b,25bに大きな電圧が加わり、抵抗
の小さい絶縁油26にはあまり電圧が加わらないことに
なる。この場合、バーリア27や静電シールド絶縁紙2
4b,25bの直流耐電圧は、絶縁油26の数十倍の大
きさを有しているため、バーリア27や静電シールド絶
縁紙24b,25bさえ健全であれば、直流耐電圧は十
分に確保できる。
【0014】さらに、上記の図11、図12に示すよう
な変換器用変圧器における直流巻線23の口出しリード
部分は、一般に以下のように構成されている。すなわ
ち、図13の断面図に示すように、絶縁紙で被覆された
直流巻線の口出しリード31が、直流巻線23から外部
接続端子まで配線されている。また、図14の平面図に
示すように、口出しリード31を通すため、静電シール
ド25には、凹形の切欠部25dが設けられている。そ
して、口出しリード31はこの切欠部25dを通って外
部接続端子まで配線されている。
【0015】また、静電シールド25は、直流巻線23
の端部の電界緩和を目的として設けられているため、そ
のシールド25aの電位は直流巻線23と同電位にする
必要がある。このため、一般に、静電シールド25の切
欠部25dには、その凹形の開口部近傍の端部に、絶縁
紙25bによって被覆された引出し線25cが設けら
れ、この引出し線25cを口出しリード31に接続する
ことにより必要な電位を得ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、変換器
用変圧器の従来例における静電シールド25の絶縁構成
は、凹形の切欠部25dが形成され、そこに貫かれた口
出しリード31が静電シールド25の引出し線25cに
接続されるという複雑な構成となっている。
【0017】このため、静電シールド25の絶縁紙25
bに分担されていた直流電圧は、切欠部25dがあるた
めに連続したスムーズな移行ができず、不連続な電圧分
担となる。この結果、この静電シールド25の引出し線
25cの部分が絶縁的に弱点となり、絶縁耐力が低下す
ることになる。
【0018】このような絶縁耐力の低下について、以下
に詳述する。まず、口出しリード31がない部分では、
直流巻線23と交流巻線22との間に直流電圧が印加さ
れた場合、静電シールド24,25の周囲の電位分布平
面図は、図15に示すようになる。すなわち、絶縁抵抗
の大きい静電シールド絶縁紙24b,25b部分とバー
リア27部分とに等電位線32が集中し、絶縁油26の
部分にはあまり集中しない。
【0019】これに対し、口出しリード31がある部分
では、直流巻線23と交流巻線22との間に直流電圧が
印加された場合、静電シールド25の周囲の電位分布平
面図は、図16に示すようになる。すなわち、この部分
の静電シールド25には、口出しリード31を通すため
に凹形の切欠部25dが設けられている。そして、この
切欠部25dの開口部近傍の端部には、静電シールド2
5の引出し線25cが設けられ、口出しリード31に接
続されることにより、所要の電位を得ている。このた
め、直流巻線23の円周方向に連続した絶縁構成とはな
らない。
【0020】さらに、口出しリード31の厚い絶縁被覆
から引出し線25cの薄い絶縁被覆へ電位が移行し、ま
た絶縁被覆の厚い静電シールド絶縁紙25bに移行す
る。このため、引出し線25cの薄い絶縁被覆部分では
電圧を分担しきれず、引出し線25c表面周囲の油ギャ
ップ部26aに電位が集中してしまう。従って、図17
に示すように、切欠部25dの開口部における絶縁紙2
5bや引出し線25c側面近傍の油ギャップ部26aの
電界33が大きくなり、このことが直流耐電圧の低下に
つながる。
【0021】なお、上記のように油ギャップ部26aの
電界33が大きくなる現象は、直流電圧印加時に特有の
ものであり、交流電圧印加時には発生しない現象であ
る。これは、交流電圧印加時には絶縁油26と絶縁紙2
5bの比誘電率εrがそれぞれεr=2.3とεr=4.
5であり、両者の比が小さいことから、ほとんど電位分
布の偏りは生じないためである。
【0022】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
直流巻線の口出しリードと静電シールドの引出し線との
接続部分における絶縁強度が高く、絶縁性能に優れた変
換器用変圧器を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の発明は、絶縁油が充填された容
器内に、交流線路に接続される交流巻線とサイリスタバ
ルブに接続される直流巻線とが収納され、前記交流巻線
及び前記直流巻線の端部には、それぞれ絶縁性の材料に
よって被覆された静電シールドが設けられ、前記交流巻
線と前記直流巻線との間に、絶縁材料製の複数のバーリ
アと前記絶縁油とによって巻線間絶縁部が構成された変
換器用変圧器において、前記静電シールドにおける前記
直流巻線の口出しリードに対応する位置に、凹形の切欠
部が形成され、前記口出しリードと前記静電シールドか
らの引出し線との接続部が、前記切欠部の凹形の中央に
設けられていることを特徴とする。以上のような請求項
1記載の発明では、直流巻線の口出しリードと静電シー
ルドの引出し線との接続部分が、切欠部の凹形の中央に
設けられているので、当該接続部分は同電位の静電シー
ルドに囲まれることになる。従って、静電シールドの絶
縁紙の電圧分担が軽減されるので、引出し線の表面近傍
部の電位集中が抑えられ、直流耐電圧の低下が防止され
る。
【0024】請求項2記載の発明は、請求項1記載の変
換器用変圧器において、前記引出し線に、前記静電シー
ルドの被覆と等しい厚さの絶縁被覆が施されていること
を特徴とする。以上のような請求項2記載の発明では、
静電シールドの引出し線の絶縁被覆が、静電シールドの
絶縁被覆と等しい厚さなので、引出し線の表面周囲の電
位集中の発生が防止され、直流耐電圧が一段と向上す
る。
【0025】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の変換器用変圧器において、前記直流巻線にお
ける前記静電シールドの被覆の厚さが、前記交流巻線に
おける前記静電シールドの被覆よりも薄いことを特徴と
する。以上のような請求項3記載の発明では、直流巻線
における静電シールドの被覆の厚さが、交流巻線におけ
る静電シールドの被覆よりも薄いので、直流巻線におけ
る静電シールドの被覆に分担される直流電圧が軽減さ
れ、その分が巻線間のバーリアに多く分担される。従っ
て、静電シールドの切欠部での不連続な電位の移行が低
減され、切欠部近傍の直流絶縁耐力が向上する。
【0026】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の変換器用変圧器において、前記静電
シールドの切欠部に、その凹形の開口部分を覆う絶縁材
料製のバーリア片が取り付けられていることを特徴とす
る。以上のような請求項4記載の発明では、静電シール
ドの切欠部に、その開口部を覆うバーリア片が取り付け
られているので、静電シールドの絶縁被覆から切欠部の
開口部分へと連続した絶縁構成とすることができる。こ
のため、電圧分担の移行がスムーズに行われ、切欠部に
おける電位集中が抑制されるので、絶縁強度が向上す
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明による変換器用変圧器の実
施の形態を、図面に従って以下に説明する。なお、図9
〜17に示した従来技術と同様の部材は同一の符号を付
し、説明を省略する。
【0028】(1)第1の実施の形態 請求項1記載の発明に対応する一つの実施の形態を、第
1の実施の形態として図1〜3に従って以下に説明す
る。 (構成)まず、本実施の形態の構成を説明する。すなわ
ち、図1に示すように、直流巻線静電シールド25の引
出し線25cは、切欠部25dの凹部の中央部に設けら
れ、この部分において直流巻線23の口出しリード31
に接続されている。なお、本実施の形態は、上記の引出
し線25cを設ける位置以外の構成は、図14に示した
従来の変換器用変圧器と同様の構成である。
【0029】(作用・効果)以上のような構成を有する
本実施の形態の作用・効果は以下の通りである。すなわ
ち、直流巻線23に直流電圧が印加された場合には、上
述の従来技術と同様に、絶縁抵抗の大きい静電シールド
25の絶縁紙25bや直流巻線23の口出しリード31
の絶縁被覆部分の電圧分担が大きくなる。しかし、本実
施の形態においては、静電シールド25の引出し線25
cが、切欠部25dの凹形の中央に位置している。この
ため、引出し線25cと口出しリード31との接続部分
は、周囲を同電位で囲まれることになり、分担する電圧
が低減される。
【0030】従って、図2、図3に示すように、引出し
線25cの表面近傍の油ギャップ部26aに、過度の電
位集中が発生することがなく、この部分の電界33は著
しく低減される。また、油ギャップ部26aの電界33
を著しく低減できることから、引出し線25cの表面部
における直流耐電圧を著しく向上させることができ、優
れた直流絶縁特性が得られる。
【0031】(2)第2の実施の形態 請求項1及び請求項2記載の発明に対応する一つの実施
の形態を、第2の実施の形態として図4に従って以下に
説明する。 (構成)まず、本実施の形態の構成を説明する。すなわ
ち、本実施の形態は、直流巻線静電シールド25の引出
し線25cを覆う引出し線絶縁紙25eの厚さを、直流
巻線静電シールド25を覆う絶縁紙25bと同じ厚さと
したものである。なお、本実施の形態は、引出し線絶縁
紙25eを絶縁紙25bと同じ厚さとした以外は、上記
第1の実施の形態と同様の構成である。
【0032】(作用・効果)以上のような本実施の形態
の作用・効果は以下の通りである。すなわち、静電シー
ルド25の引出し線25cが、絶縁紙25bと同じ厚さ
の引出し線絶縁紙25eによって被覆されているので、
引出し線25cの表面周囲の電位集中の発生が防止さ
れ、絶縁耐力を一段と向上させることができる。
【0033】(3)第3の実施の形態 請求項1〜3記載の発明に対応する一つの実施の形態
を、第3の実施の形態として図5及び図6に従って以下
に説明する。 (構成)まず、本実施の形態の構成を説明する。すなわ
ち、本実施の形態においては、図5に示すように、直流
巻線静電シールド25における絶縁紙25bの絶縁被覆
厚さが、交流巻線静電シールド24における絶縁紙24
bの絶縁被覆厚さよりも薄く形成されている。なお、本
実施の形態は、絶縁紙25bを絶縁紙25bよりも薄く
した以外は、上記第2の実施の形態と同様の構成であ
る。
【0034】(作用・効果)以上のような構成を有する
本実施の形態の作用・効果は以下の通りである。すなわ
ち、直流巻線静電シールド25を覆う絶縁紙25bが、
交流巻線静電シールド24を覆う絶縁紙24bよりも薄
く形成されているので、図6に示すように、絶縁紙25
bに分担される直流電圧が軽減され、その分が巻線間の
バーリア27に分担される。すると、静電シールド25
の切欠部25dの開口部周辺での不連続な電位の移行が
抑えられ、その結果、開口部周辺の油ギャップ部の電位
の集中が抑制されるので、この部分の絶縁耐圧を格段に
向上させることができる。
【0035】(4)第4の実施の形態 請求項4記載の発明に対応する一つの実施の形態を、第
4の実施の形態として図7及び図8に従って以下に説明
する。 (構成)まず、本実施の形態の構成を説明する。すなわ
ち、本実施の形態においては、図7に示すように、静電
シールド25における切欠部25dの凹形の開口部を覆
う位置に、絶縁材料製のバーリア片34が取り付けられ
ている。このバーリア片34は、静電シールド25の絶
縁紙25bに対して円周方向に連続した絶縁構成となる
ように設けられている。なお、本実施の形態は、切欠部
25dの開口部にバーリア片34を設けた以外は、上記
第1の実施の形態と同様の構成である。
【0036】(作用・効果)以上のような構成を有する
本実施の形態の作用・効果は以下の通りである。すなわ
ち、切欠部25dの開口部を覆うバーリア片34が設け
られているので、図8に示す等電位線32によって表さ
れるように、静電シールド25の絶縁紙25bに分担さ
れていた直流電圧の一部が、スムーズにバーリア片34
に移行することができる。このように、等電位線32が
スムーズに移行する連続した絶縁構成となっているの
で、口出しリード31や絶縁紙25bの側面近傍におけ
る油ギャップ部に過度に電位が集中することが抑制され
る。従って、当該油ギャップ部分の電界が低減され、絶
縁耐圧が飛躍的に向上する。
【0037】(5)他の実施の形態 なお、本発明の変換器用変圧器は、上記の実施の形態に
限定されるものではない。例えば、上記第4の実施の形
態と第2の実施の形態を組み合わせることにより、ま
た、第4の実施の形態と第3の実施の形態とを組み合わ
せることにより、より一層絶縁性能に優れた変換器用変
圧器を構成することができる。
【0038】さらに、各部材の大きさ、数、形状、材質
等は適宜変更可能である。例えば、バーリアの数は、上
記実施の形態に示した数には限定されず、自由に増減変
更可能である。また、バーリアや各部材の絶縁被覆の材
料は紙には限定されず、適切な絶縁材料であればどのよ
うなものであってもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
直流巻線の口出しリードと静電シールドからの引出し線
との接続部を、静電シールドにおける凹形の切欠部の中
央に設けるという構成によって、口出しリードと引出し
線との接続部分における絶縁強度が高く、絶縁性能に優
れた変換器用変圧器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変換器用変圧器の第1の実施の形
態を示す平面図である。
【図2】図1の変換器用変圧器の直流電圧分布を示す平
面図である。
【図3】図1の変換器用変圧器の油ギャップ部における
直流電界強度分布を示す平面図である。
【図4】本発明による変換器用変圧器の第2の実施の形
態を示す平面図である。
【図5】本発明による変換器用変圧器の第3の実施の形
態を示す平面図である。
【図6】図5の変換器用変圧器の直流電圧分布を示す平
面図である。
【図7】本発明による変換器用変圧器の第4の実施の形
態を示す平面図である。
【図8】図7の変換器用変圧器の直流電圧分布を示す平
面図である。
【図9】一般的な交直変換所の一例を示す配線図であ
る。
【図10】図9のバルブホール内外の配置の一例を示す
鳥瞰図である。
【図11】図9及び図10の変換器用変圧器内部の絶縁
構成の一例を示す断面図である。
【図12】図11の変換器用変圧器における巻線間絶縁
部を示す平面図である。
【図13】図11の変換器用変圧器における巻線間絶縁
部の口出しリード部分の断面図である。
【図14】図11の変換器用変圧器における巻線間絶縁
部の口出しリード部分の平面図である。
【図15】図11の変換器用変圧器における直流電圧分
布を示す平面図である。
【図16】図11の変換器用変圧器における巻線間絶縁
部の口出しリード部分の直流電圧分布を示す平面図であ
る。
【図17】図11の変換器用変圧器における油ギャップ
部における直流電界強度分布を示す平面図である。
【符号の説明】 1…交流線路 2,2a,2b…変換器用変圧器 3a,3b…サイリスタバルブ群 4…直流リアクトル 5…直流線路 6,6a,6b…サイリスタバルブ 7…バルブホール 8a,8b…変換器用避雷器 9…直流リアクトル用避雷器 10…サイリスタバルブ群A−K避雷器 11…壁貫ブッシング 12…直流ブッシング 21…タンク 22…交流巻線 23…直流巻線 24…交流巻線静電シールド 24a,25a…電極シールド 24b,25b…絶縁紙 25…直流巻線静電シールド 25c…引出し線 25d…切欠部 25e…引出し線絶縁紙 26…絶縁油 27…バーリア 28…アングルバーリア 29…巻線間絶縁部 30…ダクトピース 31…口出しリード 32…等電位線 33…電界 34…バーリア片
フロントページの続き (71)出願人 000003078 株式会社東芝 東京都港区芝浦一丁目1番1号 (72)発明者 田中 誠 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 杉原 洋 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力株 式会社内 (72)発明者 畑野 雅幸 東京都中央区銀座6丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 川口 賢二 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 井坂 進 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 5E043 EA05 EA06 5E044 CA07 DA01 5E058 CC05 CC07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁油が充填された容器内に、交流線路
    に接続される交流巻線とサイリスタバルブに接続される
    直流巻線とが収納され、前記交流巻線及び前記直流巻線
    の端部には、それぞれ絶縁性の材料によって被覆された
    静電シールドが設けられ、前記交流巻線と前記直流巻線
    との間に、絶縁材料製の複数のバーリアと前記絶縁油と
    によって巻線間絶縁部が構成された変換器用変圧器にお
    いて、 前記静電シールドにおける前記直流巻線の口出しリード
    に対応する位置に、凹形の切欠部が形成され、 前記口出しリードと前記静電シールドからの引出し線と
    の接続部が、前記切欠部の凹形の中央に設けられている
    ことを特徴とする変換器用変圧器。
  2. 【請求項2】 前記引出し線に、前記静電シールドの被
    覆と等しい厚さの絶縁被覆が施されていることを特徴と
    する請求項1記載の変換器用変圧器。
  3. 【請求項3】 前記直流巻線における前記静電シールド
    の被覆の厚さが、前記交流巻線における前記静電シール
    ドの被覆よりも薄いことを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の変換器用変圧器。
  4. 【請求項4】 前記静電シールドの切欠部に、その凹形
    の開口部分を覆う絶縁材料製のバーリア片が取り付けら
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の変換器用変圧器。
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