JPH0812432B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH0812432B2
JPH0812432B2 JP16004888A JP16004888A JPH0812432B2 JP H0812432 B2 JPH0812432 B2 JP H0812432B2 JP 16004888 A JP16004888 A JP 16004888A JP 16004888 A JP16004888 A JP 16004888A JP H0812432 B2 JPH0812432 B2 JP H0812432B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真方式の複写機、光プリンタ等に用
いられる電子写真感光体の製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 電子写真感光体において、光励起によりキャリア生成
を行う光導電層と、キャリア輸送を行う電荷移動層を別
々の材料で構成する機能分離型電子写真感光体が広く用
いられている。この様に機能によって材料を選ぶことに
よって、高感度な電子写真特性を持つ優れた感光体を提
供できるのみでなく、機械的強度、熱的安定性、耐刷
性、耐環境性、製造コストといったさまざまな面に渡っ
て幅広い材料の中から最適の組合せを検討することがで
きる。
このような材料の組合せの代表例である、有機材料を
用いた安価な電子写真感光体の例として、スクエアリッ
ク酸メチルとトリアリールピラゾリン、ダイアンブルー
とオキサジアゾール、ペリレン顔料とオキサジアゾー
ル、ビスアゾ顔料とスチリアアンスラセン等がある。
また、無機材料を光導電層とする例としては、無定型
セレンとポリビニルカルバゾール、特開昭54-143645号
公報には非晶質層シリコン系光導電層と有機半導体材料
を電荷移動層に用いた機能分離型の感光体が提案されて
いる。
しかし、前記の有機材料を用いた機能分離型感光体
は、耐刷性に乏しく寿命、信頼性といった点では解決す
べき課題も多い。
このような有機材料を用いた感光体は、インパクト法
等の成形法あるいは切削法で作られた円筒状のドラム、
あるいはエンドレスベルト等のシート基板上に、光導電
層、電荷移動層、更に、表面の硬度を上げるため表面層
等、電子写真プロセスに応じた各種の層を均一に形成す
る必要がある。
上記の各層を形成する方法としては、浸漬塗布法、ス
プレーガンによるスプレー塗布法あるいは超音波を用い
たUSスプレー塗布法等が用いられ、大きな設備投資を必
要とする。
また、後者では硬度の高い無機光導電層を表面に用い
耐刷性を向上させる試みがなされているが、耐刷性に優
れた光導電層の多くは、十分な特性を維持するためには
基板加熱を必要とし、あるいはプラズマ等の実効的には
表面温度が高温となるプロセスを必要とするため、従来
の耐熱性に劣る有機電荷移動層では十分な特性の感光体
が得られていないのが現状である。
この様な中で特開昭55-90954号公報、および特開昭60
-59353号公報には、電荷移動層としてPPS(ポリ−P−
フェニレンスルフィド)が、フィルム状で電荷移動層と
して用いることにより安価に製造できる優れた材料とし
て、あるいは高いキャリア移動度を持つ蒸着高分子膜と
して提案されている。
発明が解決しようとする課題 電子写真感光体において、より高感度の実現するに
は、より小さな誘電率を持ち、より大きな移動度とキャ
リア寿命を有し、高い電荷発生能力を持つことが必要で
ある。このため、機能分離型感光体においては、より大
きな移動度とキャリア寿命を有する電荷移動層と、高い
電荷発生能力を持つ光導電層の組合せが望ましい。しか
しそれぞれの要求される所の条件を満足しても両者の間
のキャリア注入が効率良く行われなければならない。
また電子写真プロセスに於て要求される電荷受容能
力、耐摩耗性、耐環境性、等に十分満足するものでなけ
ればならない。
特開昭60-59353号公報においては、PPSを真空蒸着法
によって薄膜化と電荷輸送能力を向上し電荷移動層とし
て形成することを述べているが、一般にこの状態では電
荷輸送能力は小さく、感度、残留電位ともに十分ではな
い。また、真空蒸着法を用いるため、製膜速度も十分で
なく有機材料を用いた感光体としては高価である。
また、膜の硬度も小さく耐刷性においても十分な特性
とは言えない。
また、特開昭55-90954号公報においては、PPSフィル
ムを電荷移動層に用いることで、安価な感光体が提案さ
れている。しかし、電荷輸送能力が十分ではないことか
ら、光感度は全く今日の電子写真感光体の実用レベルに
は至っていない。
また、有機材料を用いた機能分離型感光体は負帯電極
性で使用されるため電子写真装置の小型化、オゾン発生
に伴う人体への影響等解決すべき問題も多い。
本発明の主たる目的は、塗布装置も不要な、生産性に
優れた安価な電子写真感光体を提供することを目的とし
ている。
また、更なる目的は、感度の高い、また耐刷性に優れ
た長寿命な高性能感光体を提供することを目的としてい
る。
また、正帯電で使用できる、高い感度の、低い残留電
位の電子写真感光体を、しかも安価に提供することを目
的としている。
課題を解決するための手段 導電性を有する支持体上に、少なくともPPS(ポリ−
p−フェニレンスルフィド)を主成分とする高分子フィ
ルムを形成し、更に酸素原子を有する雰囲気中での加熱
処理によってO原子を添加する工程を有する電子写真感
光体の製造法において、前記PPSを主成分とする高分子
フィルムを前記支持体上に形成する際、PPSの結晶化度
が30%以下とし、酸素を主成分とした雰囲気中にて加熱
融着する工程により形成する。
また、PPSが2軸延伸されたフィルムを用いる。
また、直鎖状高分子層フィルムとして2軸延伸された
フィルムを用いる。
作用 PPSフィルムの、キャリア移動度およびキャリア寿命
が小さいと言う欠点を克服するため種々検討を行った結
果、PPSを主成分とする高分子フィルムを、酸素原子を
含む雰囲気中で加熱処理を行うことによって、電荷輸送
能力が飛躍的に向上することを見いだした。
このような効果は、酸素原子に関与することが明らか
であり、例えば、真空中あるいは、窒素等の不活性ガス
中では電荷輸送能力の向上は見られないことからも確認
されている。
また、上記の処理後の高分子フィルムには1〜35atm
%の、好ましくは、1〜20atm%の酸素原子を含んでい
ることが確認できている。
このため、押しだしで急冷された膜を2軸延伸した結
晶化度の小さいフィルムを、150〜350℃の温度で、0.2
〜50時間の、好ましくは、250〜290℃1〜12時間の処理
を行うことによって、結晶性の向上と同時に酸素原子が
多く取り込まれ電荷輸送能力が飛躍的に向上すると考え
られる。
これらの処理はもちろん、数回に分けて繰り返しても
よい。
また、加熱処理にともない、高分子フィルムに硬化が
生じる。実際、2軸延伸によってフィルム化されたPPS
の硬度はマイクロビッカース硬度計では正確に測定でき
ないほど柔らかい。一方、上記の処理を施したフィルム
はビッカース硬度で10〜80と上昇し、電荷輸送能力を向
上させる酸素原子が、硬化と同時に、安定にフィルム中
に取り込まれ、耐熱性の向上と共に、高い電荷発生能力
を得ることができたものと考えられる。
ここで、上記のように電子写真プロセスにおいて要求
される電荷受容能力、耐摩耗性、耐環境性、高い光感
度、低い残留電位等、十分満足するものである必要があ
る。
しかし、一般にはビッカース硬度100以上高い光導電
性と硬度の高い光導電材料は高い基板加熱、あるいはプ
ラズマを用いた製膜プロセスが必要である。このような
処理によって、得られた層は、熱にも安定で、上記の光
導電材料の製膜にも変化することなく高い感度と、耐刷
性に優れた、低い残留電位の電子写真感光体を可能とす
ることができる。
PPS高分子フィルムは、直接に電子写真感光体の導電
性支持体上に加熱融着することによって製膜できる。こ
のため、蒸着装置あるいは塗布装置も必要とせず、安価
な感光体が製造できる。
実施例 第1図は、本発明における基本的な電子写真感光体の
一実施例の断面を模式的に示したものである。
第1図に示す電子写真感光体は、電子写真感光体とし
ての支持体1上に、高分子層からなる電荷移動層2と光
導電層3とを有し、前記光導電層3は一方で自由表面4
を有している。
第2図に示す電子写真感光体は、電子写真感光体とし
ての支持体5上に、顔料あるいはCdS等の無機光導電体
を含む高分子層からなる光導電層6とを有し、前記光導
電層6は一方で自由表面7を有している。
本発明において、光導電層3として硬度の高いシリコ
ンを含有する非晶質層を用い、光導電層としては、a−
Si(:H:X)、a−Si1-yCy(:H:X)(0<y<1)、a
−Si1-yOy(:H:X)(0<y<1)、a−Si1-yNy(:H:
X)(0<y<1)、a−Si1-zGez(:H:X)(0<z<
1)、a−(Si1-zGez)1-yNy(:H:X)(0<y,z<1)、
a−(Si1-zGez)1-yOy(:H:X)(0<y,z<1)、または
a−(Si1-zGez)1-yCy(:H:X)(0<y,z<1)の単層、
あるいはこれらの積層からなる。また、yを連続的に変
化させた場合も使用できる。
一方、有機材料の代表的なものとして、無金属フタロ
シアニン(H2Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、マグネ
シウムフタロシアニン(MgPc)に代表される金属フタロ
シアニン、インジウムフタロシアニン(InClPc)、アル
ミニウムフタロシアニン(AlClPc)、あるいはAlClPcCl
に代表される金属ハロゲン化フタロシアニン、TiOPc等
のフタロシアニン系の原料を蒸着等によって形成するこ
とができる。
この時の膜厚は、電荷移動層は5〜50μm好適には10
〜25μm、また光導電層の膜厚は0.5〜10μm好適には
1〜5μmとすれば良い。
本発明において、更に電子写真特性を向上させるため
に、第1図において、支持体1と電荷移動層2との間
に、支持体1から電荷移動層2に注入するキャリアを効
果的に阻止するため障壁層を設けてもよい。
障壁層を形成する材料としては、Al2O3、BaO、BaO2、Be
O、Bi2O3、CaO、CeO2、Ce2O3、La2O3、Dy2O3、Lu2O3、Cr2O3、Cu
O、Cu2O、FeO、PbO、MgO、SrO、Ta2O3、ThO2、ZrO2、HfO2、TiO2、T
iO、SiO2、GeO2、SiO、GeO等の金属酸化物またはTiN、AlN、
SnN、NbN、TaN、GaN等の金属窒化物、またはWC、SnC、T
iC、等の金属炭化物またはSiC,SiN、GeC、GeN、BC、BN
等の絶縁物、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアク
リルニトリル等の耐熱性を有する有機化合物が使用され
る。
また、クリーニング性あるいは耐摩耗性あるいは耐コ
ロナ性を向上させるため、第1図および第2図におい
て、自由表面4上に表面被覆層を形成する。表面被覆層
に好適な材料としては、SixO1-x、SixC1-x、SixN1-x、GexO
1-x、GexC1-x、GexN1-x、BxN1-x、BxC1-x、AlxN1-x(0<x
<1)、カーボンおよびこれらに水素あるいはハロゲン
を含有する層等の無機物などが上げられる。
シリコンを含有する光導電層であるa−Si(:H:X)の
作成には、SiH4、Si2H6、Si3H8、SiF4、SiCl4、SiHF3、SiH
2F2、SiH3F、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Cl等のSi原子の原料ガ
スを用いたプラズマCVD法、または多結晶シリコンをタ
ーゲットとし、ArとH2(さらにF2又はCl2を混合しても
良い)の混合ガス中での反応性スパッタ法が用いられ
る。また、a−Si1-yCy(:H:X)(0<y<1)、a−S
i1-yOy(:H:X)(0<y<1)、a−Si1-yNy(:H:X)
(0<y<1)の作成には、更に炭素源として、CH4、C2
H6、C3H8、C4H10、C2H4、C3H6、C4H8、C2H2、C3H4、C4H6、C6H6
の炭化水素、CH3F、CH3Cl、CH3I、C2H5Cl、C2H5Br、等のハ
ロゲン化アリル、CClF3、CF4、CHF3、C2F6、C3F8等のフロン
ガス、C6H6-mFm(m=1〜6)の弗化ベンゼン等のC原
子の原料ガスをプラズマCVD法に用いるシリコン原料ガ
スと混合して、あるいは、反応性スパッタ法にはAr等の
スパッタガスと混合して用いる。また、酸素源としては
O2、CO、CO2、NO、NO2等、また、窒素源としてはN2、NH3、NO
等を混合して用いる。
また、a−Si(:H:X)にGeを添加する場合もGeH4、Ge2
H6、Ge3H8、GeF4、GeCl4、GeHF3、GeH2F2、GeH3F、GeHCl3、GeH2
Cl2、GeH3Cl等のガスを上記Si原子の原料ガスと混合しプ
ラズマCVD法によって形成することも出来る。
さらに、本発明において、上記のa−Si(:H:X),a−
Si1-yCy(:H:X)(0<y<1)、a−Si1-yOy(:H:X)
(0<y<1)、a−Si1-yNy(:H:X)(0<y<
1)、あるいはこれらにGe添加のこれらの膜中に、不純
物を添加することにより伝導性を制御し、所望の電子写
真特性を得ることができる。p型伝導性を与えるp型不
純物としては、周期律表第III族bに属するB、Al、G
a、In等があり、好適にはB、Al、Gaが用いられ、n型
伝導性を与えるn型不純物としては、周期律表第V族b
に属するN、P、As、Sb等が有り、好適にはP、Asが用
いられる。
また、これらの不純物を添加する方法として、p型不
純物の場合は、B2H6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H12、B6H14、BF
3、BCl3、BBr3、AlCl3、(CH3)3Al、(C2H5)3Al、(i-C4H9)3Al、
(CH3)3Ga、(C2H5)3Ga、InCl3、(C2H5)3Inを、n型不純物の
場合は、N2、NH3、NO、N2O、NO2、PH3、P2H4、PH4I、PF3、PF5、PC
l3、PCl5、PBr3,PBr5、PI3、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、SbH3、S
bF3、SbF5、SbCl3、SbSl5等のガスを、あるいはこれらのガ
スをH2,He、Arで希釈したガスを、プラズマCVD法では、
それぞれの膜形成時において、使用する上記のC原子,S
i原子等の原料ガスと混合して用いれば良く、反応性ス
パッタ法では、ArまたはH2あるいはF2、Cl2に混合して用
いれば良い。
他の無機光導電層として、カルコゲン元素を含む、As
2Se3等の非晶質層を用いてもよい。As2Se3は、蒸着の際
の基板加熱温度等によって硬度が異なるが、60〜120℃
の基板温度では、ビッカース硬度100〜140を示した。ま
た、可視光あるいは近赤外に高い感度を持たせるため、
Teを添加したAsSeTeを、単層あるいはこれらの積層を光
導電層として用いることもできる。この他にも、CdS、C
dSeの結晶粉体を樹脂により結着した層を形成してもよ
い。後者のような、カルコゲン元素を含む光導電性の結
晶を樹脂により結着した層の硬度を測定するのは困難で
あったため、As2Se3膜との相対比較を行った結果、若干
の脆さがあるものの硬度はAs2Se3膜以上であった。
参考に、熱処理の進行状態を把握するため、PPSを主
成分とする高分子フィルムの硬度の測定を行った。硬度
の測定にはマイクロピッカース硬度計を用い、ダイアモ
ンドの圧子の加重を10gとして測定を行った。
また、光導電層6として用いる場合、フィルムに混合
する顔料の例として、フタロシアニン系の原料を用い
た。
これには、無金属フタロシアニン(H2Pc)、銅フタロ
シアニン、(CuPc)、マグネシウムフタロシアニン(Mg
Pc)に代表される金属フタロシアニン、インジウムフタ
ロシアニン(InClPc)、アルミニウムフタロシアニン
(AlClPc)、あるいはAlClPcClに代表される金属ハロゲ
ン化フタロシアニン、TiOPc等が用いられる。
フィルムに混合して用いる無機光導電体としては、Cd
S、CdSe等が用いられる。
この時、光導電層を単層で使用する場合の膜厚は、5
〜50μm好適には10〜25μmとすることが望ましい。ま
た、光導電層6を、0.5〜10μm好適には1〜5μmの
膜厚として使用すれば第1図の光導電層3として用いる
ことも可能である。
また、直鎖状化合物高分子膜の結晶性は、X線回折か
ら求めた。PPSでは約21℃に2θのピークが測定でき
る。この鋭い結晶ピークの面積(Ikとする)と、このピ
ークの裾に広がる幅広い非晶質ピークの面積(Iaとす
る)の比Ik/(Ik+Ia)を結晶化度とした。
実施例1 鏡面研磨したアルミニウム基板上に、VI族としてSを
有するフィルム形状のPPS(ポリ p−フェニレン ス
ルフィド)を、貼りつけ、フッ素樹脂シートをフィルム
に上側より巻き付け熱処理炉において加熱し、PPSフィ
ルムを、アルミニウム基板上に融着させた。
このフィルムは融解状態の材料を押しだし急冷した非
晶質のフィルムを1.5倍に2軸延伸したものを用いた。
このときの結晶化度は1%以下であった。
加熱温度は、PPSの、融解温度である285℃より高い29
0℃とし、3時間の処理を行った。加熱雰囲気は、大気
圧の酸素中である。熱処理炉より基板を取り出した後、
フッ素樹脂シートを取り外し、再び熱処理炉に設置し、
更に酸素雰囲気で、加熱処理を、施した。加熱温度は、
265℃〜300℃の範囲内で、制御し、加熱処理時間は、3
時間とした。この処理後、PPSフィルムの膜厚は、10〜2
5μmとした。この層を、第1図の電荷移動層2とし、
光導電層3としてAs2Se3を、基板加熱温度140℃にて、
約0.8μmの膜厚に真空蒸着法によって形成し、電子写
真感光体とした。
この時、12μmの膜厚のPPSを電荷移動層とした電子
写真感光体を表面電位+500Vに帯電処理を行い、500nm
の光で露光を行ったところ照度換算で、半減電位露光量
は0.5lux・secと非常に高い感度を示した。また、残留
電位も90V以下と優れた特性を示した。
また、25μmの膜厚のPPSを電荷移動層とした電子写
真感光体は、上記と同じ条件で評価を行ったところ、半
減電位露光量は0.7lux・secと高いものの残留電位が100
〜120Vとやや多い結果となった。
一方、2軸延伸後、フィルムを固定し150〜200℃で処
理を行ったフィルムはフィルムの硬さが増し取り扱いが
容易になる。しかし、同時に結晶化度は30〜50%に上昇
する。このような結晶化度が30%超のフィルムを用いた
場合、例えば25μmの膜厚のPPSを電荷移動層とした電
子写真感光体を上記と同じ条件で制作した場合、半減電
位露光量は0.7lux・secと同程度であるものの、残留電
位が150〜220Vと上昇し、実用に耐えなくなる。
実施例2 インフレーション法によって15μm膜厚の円筒状のPP
Sフィルムを作成した。この時のフィルムの結晶化度は2
0〜30%程度で、円筒フィルムの直径は92φとした。
電子写真感光体の作成には上記の円筒フィルムに88φ
のアルミニウムドラムを挿入し、ドラム基板上に電荷移
動層としてPPSフィルムを加熱収縮によって形成する
際、処理雰囲気に電子受容体として、TCNQ(7,7,8,8−
テトラシアノキノジメタン)を添加した雰囲気で加熱処
理をおこなった。更に、酸素中の加熱処理装置に設置
し、250℃6時間の処理を行った。
同じく、硬度測定用の試料としてフィルムを同時に処
理し、石英基板上に接着し硬度を測定した。このときの
フィルムのビッカース硬度は25±4であった。
また、上記ドラムをCdS光導電性粉体と、結着樹脂を1
00:20重量部加えた(結着樹脂はポリウレタン樹脂)溶
液中に浸漬し、170℃で30分乾燥処理を行い5μmの光
導電層を形成した。
このようにして得られた感光ドラムを、表面電位+60
0Vに帯電処理を行った後、白色光にて露光を行ったとこ
ろ、半減電位露光量は2.3lux・secと高い感度を示し、
残留電位も90V以下と十分小さい感光ドラムが得られ
た。
このようにして得られた電子写真感光体は8万枚以上
の寿命を有し、長寿命で安価である。
実施例3 表面研磨したアルミニウムドラム基板にドラム外径よ
り僅かに小さい円筒状の〜20μm厚の、0.05〜20wt%の
H2Pcを混合した実施例2と同様な方法で制作したPPSフ
ィルムを用いる。
ドラム基板を乾燥雰囲気中で冷却し熱収縮によって小
さくなった外径のドラムを上記PPS内に挿入し、常温ま
で上昇させるとフィルムと基板とが密着し、ドラム状の
基板においても初期の均一な膜厚で覆うことができる。
このようなドラム基板を酸素中にて280〜260℃にて0.
5〜10時間加熱し融着と同時に熱処理を加え、光導電層
とした。
この光導電層を用いた単層型感光体を+900Vに帯電さ
せ、白色光にて露光したところ、半減電位露光量は3.0l
ux・sec以下と良好な感度を示した。
また、表面層として、ポリイミドを0.2μm形成して
感光体とした場合には、繰り返し使用にも表面電位変化
も少なく、良好な特性が得られた。
実施例4 表面研磨したアルミニウムドラム基板に障壁層とし
て、0.5μmのGexN1-x層を形成し、光導電層としてa−
Si:H層を1μm形成した。このドラム外径より僅かに大
きい実施例2と同様な方法で制作された円筒状の〜25μ
m厚のPPSフィルムの内部に挿入し、全体を150〜250℃
に酸素中で加熱する。この時PPSフィルムは熱収縮し光
導電層上に密着する。その後、さらに250〜290℃に酸素
雰囲気中にて加熱し電荷移動層として形成する。
このドラムを負帯電において−500〜800Vの表面電位
で鮮明な画像を確認した。このドラムの半減電位露光量
は1lux・secと高い感度を示し、残留電位は−100〜200V
であった。
また、a−Si:HにGeを添加したa−(Si1-zGez):Hを
用いれば更に感度の向上が計られた。
また、フェニレン基の2,5位置に、あるいは3,4位置に
水素の替わる置換基を設けても大きな特性変化は見られ
なかった。
発明の効果 本発明によれば、低い結晶化度のPPS高分子フィルム
を、酸素を主成分とする雰囲気中で加熱処理を行うこと
によって、電荷輸送能力を飛躍的に向上させることがで
きる。
この酸素を含む高分子フィルムを、光励起によって移
動可能なキャリアを発生する光導電層として、あるい
は、光励起によって移動可能なキャリアを発生する光導
電層と、電荷移動層とを積層する電子写真感光体として
用いることにより、高い光感度の、耐刷性に優れた電子
写真感光体を安価に提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ本発明の実施例における
電子写真感光体の断面図である。 1、5……支持体、2……電荷移動層、3、6……光導
電層、4、7……自由表面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 正則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−133061(JP,A) 特開 平1−142731(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性を有する支持体上に、少なくともポ
    リ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする高分子フ
    ィルムを形成し、更に酸素原子を有する雰囲気中での加
    熱処理によってO原子を添加する工程を有する電子写真
    感光体の製造法において、前記ポリ−p−フェニレンス
    ルフィドを主成分とする高分子フィルムを前記支持体上
    に形成する際、ポリ−p−フェニレンスルフィドの結晶
    化度が30%以下とし、酸素を主成分とした雰囲気中にて
    加熱融着する工程により形成することを特徴とした電子
    写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分
    とする高分子フィルムが2軸延伸されたフィルムを用い
    る特許請求の範囲第1項記載の電子写真感光体の製造方
    法。
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