JPH08122922A - プロジェクションスクリーン - Google Patents

プロジェクションスクリーン

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JPH08122922A
JPH08122922A JP6256910A JP25691094A JPH08122922A JP H08122922 A JPH08122922 A JP H08122922A JP 6256910 A JP6256910 A JP 6256910A JP 25691094 A JP25691094 A JP 25691094A JP H08122922 A JPH08122922 A JP H08122922A
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JP
Japan
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linear fresnel
fresnel lens
lens
sheet
lens sheet
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Pending
Application number
JP6256910A
Other languages
English (en)
Inventor
Isoroku Watanabe
一十六 渡辺
Satoshi Nakamae
聡 中前
Hiroshi Kojima
弘 小島
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水平屈折用と垂直屈折用の2枚のリニアフレ
ネルレンズシートを含むプロジェクションスクリーン
で、迷光が原因で観察される白帯の発生を防止する。 【構成】 光投射側から順に水平屈折リニアフレネルレ
ンズシート22、垂直屈折リニアフレネルレンズシート
24及び水平方向光拡散用のレンチキュラーレンズシー
ト26が配置されてなるプロジェクションスクリーン2
0において、垂直屈折リニアフレネルレンズシート24
の入射側に、出射側のリニアフレネルレンズ24Bに平
行なマイクロレンチキュラーレンズ28を形成し、迷光
を拡散するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、背面投射型テレビ用の
プロジェクションスクリーンに係り、特に水平屈折リニ
アフレネルレンズシート及び垂直屈折リニアフレネルレ
ンズシートを含むスクリーンシートを備えたプロジェク
ションスクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】背面投射型テレビ用のプロジェクション
スクリーンは、プロジェクタ(光源)からの投射光を観
察側へ集光させるフレネルレンズ部と、投射光を散乱さ
せ、画像を形成するレンチキュラーレンズ部とからその
要部が構成され、これらが1枚のシートに形成されたシ
ングルスクリーンタイプもあるが、民生用プロジェクシ
ョンテレビの場合は、これらが別々のシートに形成され
たダブルスクリーンタイプが多く用いられている。
【0003】従来、フレネルレンズが形成されているフ
レネルレンズシートは、加熱した金型に透明樹脂平板を
押し付ける「プレス法」、金型セル内で熱重合させる
「キャスト法」、紫外線(UV)硬化樹脂を金型の上か
ら塗布し、その上から透明樹脂平板を被せ、紫外線を照
射する「UV法」等の方法で製造されてきた。
【0004】しかし、いずれの製造方法を採用するとし
ても、フレネルレンズが同心円状に形成されているサー
キュラーフレネルレンズシートであるため、1枚1枚個
別に生産せざるを得ず、押出し法による連続生産が可能
なレンチキュラーランズシートに比べて生産性が悪く、
それ故に生産コストを下げるのが困難であった。
【0005】そこで、実開昭56−74429号公報
や、実開昭56−74430号公報等に開示されている
ように、サーキュラーフレネルレンズの代わりに、多数
のレンズ部(プリズム群)の稜線を一方向に平行に連ね
た形状からなるリニアフレネルレンズが形成されたシー
トを2枚用意し、そのリニアフレネルレンズを直交させ
て用いることが提案されている。このリニアフレネルレ
ンズシートは、その製造に「押出し法」やUV樹脂を樹
脂フィルム上で硬化させる方法等の成形方法が適用でき
るため、連続生産が可能であり、製造コストを低減する
ことができる。
【0006】図4は、上記リニアフレネルレンズシート
10の断面と、該シートに対してプロジェクタ(図示せ
ず)から光を投射した場合の光路を示した図である。こ
のリニアフレネルレンズシート10は、ポリエステル等
からなるベースフィルム12上に、紫外線(UV)硬化
樹脂によりレンズ部(リニアフレネルレンズ)14を形
成して作成されいる。
【0007】このリニアフレネルレンズシート10で
は、プロジェクタから投射された光は、図中ベースフィ
ルム12の左側の平滑面から入射し、屈折し、リニアフ
レネルレンズ14が形成されている側の観察側から画像
光として出射するが、その一部がリニアフレネルレンズ
14と空気の界面で反射し、レンズシート10内に戻っ
て迷光となる。この迷光は、レンズシート内で1〜数回
反射を繰返した後、その多くは観察側に破線で示す不用
光として出射する。この不用光は、サーキュラーフレネ
ルレンズシートの場合には、一般にレインボーとして観
察される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リニア
フレネルレンズが水平方向と垂直方向に直交するように
2枚のシートを重ねて用いる光学系の場合、上記不用光
は白帯として観察される。即ち、プロジェクションスク
リーンの光拡散特性が、通常は垂直方向に狭く水平方向
に広くなるようように設定されているため、水平方向に
屈折させるリニアフレネルレンズに起因する垂直方向に
延びる白帯は観察されないが、プロジェクタ内の投射管
の並びが、垂直方向に屈折させるリニアフレネルレンズ
の延びる方向と同一方向であるために同方向の迷光が色
分解しないこともあって、この垂直屈折リニアフレネル
レンズに起因する水平方向に延びる白帯のみが強く観察
される。この水平方向に延びる白帯は、サーキュラーフ
レネルレンズシートのレインボー以上に画像観察上好ま
しくないという問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、水平屈折リニアフレネルレンズシー
トと垂直屈折リニアフレネルレンズシートとを含むスク
リーンシートを備えたプロジェクションスクリーンに、
迷光に起因する白帯が発生することを防止できるプロジ
ェクションスクリーンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、背面投射型テ
レビに用いる、複数のレンズシートから構成されるスク
リーンシートを備えた背面投射型テレビ用のプロジェク
ションスクリーンにおいて、スクリーンシートが、投射
光を主として水平方向に屈折させる、稜線が垂直方向に
延びるリニアフレネルレンズが形成された水平屈折リニ
アフレネルレンズシートと、投射光を主として垂直方向
に屈折させる、稜線が水平方向に延びるリニアフレネル
レンズが形成された垂直屈折リニアフレネルレンズシー
トと、水平方向光拡散用のレンチキュラーレンズシート
の少なくとも3枚を含み、且つ、スクリーンの光拡散角
が大きい方向とリニアフレネルレンズの稜線が延びる方
向とが同一のリニアフレネルレンズシートの入射側に、
該リニアフレネルレンズに平行なマイクロレンチキュラ
ーレンズを形成した構成とすることにより、前記目的を
達成したものである。
【0011】又、請求項2のように、上記プロジェクシ
ョンスクリーンにおいて、水平屈折リニアフレネルレン
ズシート、垂直屈折リニアフレネルレンズシート及びレ
ンチキュラーレンズシートを、光源側からこの順に配設
し、垂直屈折リニアフレネルレンズシートの入射側に、
出射側のリニアフレネルレンズに平行なマイクロレンチ
キュラーレンズを形成してもよい。
【0012】又、請求項3のように、上記プロジェクシ
ョンスクリーンにおいて、リニアフレネルレンズシート
の入射側に形成したマイクロレンチキュラーレンズが、
出射側のリニアフレネルレンズに同期するようにしても
よい。
【0013】又、請求項4のように、上記プロジェクシ
ョンスクリーンにおいて、マイクロレンチキュラーレン
ズが形成されたリニアフレネルレンズシートが、ベース
フィルムの一方の面にレンズ群を、他方の面にマイクロ
レンチキュラーレンズを、いずれも紫外線硬化型樹脂を
硬化させて作成されるようにしてもよい。この場合は更
に、請求項5のように、マイクロレンチキュラーレンズ
の屈折率が、ベースフィルムの屈折率以下であるように
してもよい。
【0014】
【作用】本発明において、プロジェクションスクリーン
が備えているスクリーンシートが、水平屈折リニアフレ
ネルレンズと、垂直屈折リニアフレネルレンズと、レン
チキュラーレンズシートを含むと共に、スクリーンの光
拡散角が大きい方向とリニアフレネルレンズの稜線が延
びる方向とが同一のリニアフレネルレンズシートの入射
側に、該リニアフレネルレンズに平行なマイクロレンチ
キュラーレンズを形成したので、迷光により白帯が生じ
る方のリニアフレネルレンズシートについて、迷光を上
記マイクロレンチキュラーレンズにより拡散することが
可能となるため、白帯が観察されることを防止できる。
【0015】又、本発明において、水平屈折リニアフレ
ネルレンズシート、垂直屈折リニアフレネルレンズシー
ト及びレンチキュラーレンズシートを、光源側からこの
順に配設し、垂直屈折リニアフレネルレンズシートの入
射側に、出射側のリニアフレネルレンズに平行なマイク
ロレンチキュラーレンズを形成した場合には、各レンズ
シートの配置が次に説明するスクリーン設計上好適であ
る上に、光拡散角が大きい方向にリニアフレネルレンズ
が延びているために白帯を生じさせる垂直屈折リニアフ
レネルレンズシートに対して、入射側に形成したマイク
ロレンチキュラーレンズで迷光を拡散できるため、水平
方向に広がる白帯の発生を防止できる。
【0016】リニアフレネルレンズシートから出射され
る光は外周部ほど内向し、垂直屈折リニアフレネルレン
ズシートを投射側に配置した場合は内向の度合いが垂直
方向に強く、水平屈折リニアフレネルレンズシートを投
射側に配置した場合はその度合いが水平方向に強くな
る。一方、通常レンチキュラーレンズシートは、垂直方
向に比べて、水平方向に圧倒的に大きな拡散角を有する
ように配置されるので、スクリーン上における光の出射
角のばらつきに対しては、水平方向により大きな許容力
がある。そのため、上記順番でレンズシートを配置し、
水平屈折リニアフレネルレンズシートを光投射側に配置
することにより、水平方向の出射角のばらつきをレンチ
キュラーレンズシートにより緩和し、画質の向上を図る
ことができる。
【0017】又、本発明において、リニアフレネルレン
ズシートの入射側に形成したマイクロレンチキュラーレ
ンズが、出射側のリニアフレネルレンズに同期している
場合には、マイクロレンチキュラーレンズとリニアフレ
ネルレンズとの間に生じるモアレの発生を防止できる。
なお、ここでマイクロレンチキュラーレンズがリニアレ
ネルレンズに同期するとは、光学的に入射側のマイクロ
レンチキュラーレンズが出射側のリニアフレネルレンズ
とが対応していることを意味する。任意の1つのマイク
ロレンチキュラーレンズに入射した光が、リニアフレネ
ルレンズの1つの単位プリズムから出射するように1:
1で対応しているように形成されている場合は、両者が
同期している典型的な例である。更に詳しく説明すれ
ば、リニアフレネルレンズシートの厚みをt、投射距離
をl、マクイロレンチキュラーレンズの屈折率をn、リ
ニアフレネルレンズシート上での中心からの距離をrと
すると、入射側のマイクロレンチキュラーレンズに対し
て出射側のリニアフレネルレンズの単位プリズムは、以
下に示す式で計算される長さだけ外側に形成されること
になる。
【0018】 r・t/(n2 (r2 +l2 )−r2 1/2
【0019】このとき、リニアフレネルレンズのピッチ
を約0.1mmとし、100μmの厚みのベースフィル
ム上に形成した場合には、両者は上端や下端ではおよそ
半ピッチずれることになる。
【0020】なお、上記の例ではマイクロレンチキュラ
ーレンズとリニアフレネルレンズが1:1に対応する場
合について説明したが、マイクロレンチキュラーレンズ
の2ピッチ又は3ピッチを1つのグループとして、この
マイクロレンチキュラーレンズ群1グループとリニアフ
レネルレンズとが光学的に1:1に対応する場合も、同
期しているということができる。本発明において、マイ
クロレンチキュラーレンズとリニアフレネルレンズが同
期しているとは、これらのいずれの場合も包含するもの
である。
【0021】又、本発明において、マイクロレンチキュ
ラーレンズが形成されたリニアフレネルレンズシート
が、ベースフィルムの一方の面にリニアフレネルレンズ
を、他方の面にマイクロレンチキュラーレンズを、いず
れも紫外線硬化型樹脂を硬化させて作成される場合に
は、容易且つ確実にマイクロレンチキュラーレンズが付
設されたリニアフレネルレンズシートを製造することが
でき、又、各レンズ部を対応する型が周囲に形成された
型ロールを用いてベースフィルム上に形成する場合に
は、連続生産することもできる。
【0022】更に、本発明において、マイクロレンチキ
ュラーレンズの屈折率が、ベースフィルムの屈折率以下
である場合には、入射光の反射損失が低減できるため投
射光の利用効率を向上できると共に、レンズシート内で
生じた迷光を入射側へ逃し易くなるため白帯の発生をよ
り有効に防止することができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0024】図1は、本発明に係る一実施例のプロジェ
クションスクリーンの要部を、その一部を破断して示し
た斜視図である。
【0025】本実施例のプロジェクションスクリーン2
0は、プロジェクタ(図示せず)に面した投射側に配さ
れた水平屈折リニアフレネルレンズシート22と、その
外側(観察者側)の垂直屈折リニアフレネルレンズ24
と、更にその外側(観察者側)の観察側に位置するレン
チキュラーレンズシート26とを含むスクリーンシート
を備えている。
【0026】上記水平屈折リニアフレネルレンズシート
22は、プロジェクタから投射される光を水平方向に屈
折する働きを有しており、ベースフイルム22A上に多
数の連続したプリズムからなるリニアフレネルレンズ
(レンズ部)22Bが、その稜線を垂直方向に平行にし
て形成された構造を有している。
【0027】上記垂直屈折リニアフレネルレンズシート
24は、投射光を垂直方向に屈折する働きを有し、ベー
スフィルム24A上に水平方向に平行に延びるリニアフ
レネルレンズ(レンズ部)24Bが形成された構造を有
し、丁度上記水平屈折リニアフレネルレンズシート22
を90°回転させたものに相当する。
【0028】上記レンチキュラーレンズ26は、上記水
平屈折リニアフレネルレンズシート22で水平方向に、
垂直屈折リニアフレネルレンズシート24で垂直方向に
それぞれ屈折された投射光を、映像光として主として水
平方向に拡散する働きをし、入射面側に垂直方向に延び
る入光レンチキュラーレンズ26Aが形成され、出射面
側に垂直方向に延びる出光レンチキュラーレンズ26B
と、表面に黒色インキが塗られた凸状の遮光部26Cと
が交互に形成されている。
【0029】又、上記プロジェクションスクリーン20
では、上記垂直屈折レンチキュラーレンズシート24の
入射面側に、該リニアフレネルレンズシート24に形成
されているリニアフレネルレンズ24Bに平行なマイク
ロレンチキュラーレンズ28が形成されている。
【0030】マイクロレンチキュラーレンズ28は、前
述したように、そのピッチが出射側に形成されたリニア
フレネルレンズと光学的に同期するような関係をもって
形成されている。即ち、単一のマイクロレンチキュラー
レンズあるいは複数ピッチのマイクロレンチキュラーレ
ンズからなるレンズ群とリニアフレネルレンズとが、前
者に入射する光が後者を通過して出射するように1:1
に対応して形成する必要がある。又、マイクロレンチキ
ュラーレンズの断面形状は円又は楕円の一部となる凸レ
ンズとして形成することができるが、凹レンズとて形成
してもよい。マイクロレンチキュラーレンズ28の拡散
角は、民生用の背面投射型テレビに用いるスクリーンの
垂直方向の拡散半値角が通常5〜10°であることか
ら、この範囲内とする。
【0031】水平屈折リニアフレネルレンズシート2
2、垂直屈折リニアフレネルレンズシート24、レンチ
キュラーレンズシート26はいずれも柔軟性のあるフィ
ルムレンズシートなので、これら3枚を組合わせてプロ
ジェクションスクリーンを構成しても、自立する機械的
強度は持っていない。従って、透明樹脂板を組合わせ
て、一緒に枠(共に図示省略)に固定することにより、
レンズシートを補強し、自立性等の構造的な強度や表面
の摩擦等に対する強度を付与している。
【0032】上述した如く、本実施例のプロジェクショ
ンスクリーン20では、光投射側から数えて2番目の垂
直屈折リニアフレネルレンズシート24の入射面側に、
垂直(V)方向に光を拡散させるマイクロレンチキュラ
ーレンズ(以下、Vレンチと言う)を施したので、内部
迷光を有効に拡散させることが可能となり、それ故に、
上記図1に示したようなリニアフレネルレンズシートを
用いたプロジェクションスクリーン20においては、白
帯を効率よく除去することが可能となる。
【0033】本実施例では、前述したようにスクリーン
の光拡散特性が水平方向に広いために、垂直方向には白
帯は観察されないため、投射側から数えて1番目の水平
屈折リニアフレネルレンズシート22には、マイクロレ
ンチキュラーレンズを設ける必要はない。
【0034】本実施例により白帯を除去できる原理を、
前記図4に相当する図2を用いて説明する。この図2
は、上記図1に示した垂直屈折リニアフレネルレンズシ
ート24の縦断面と、投射された光の光路とを示した図
である。
【0035】図中左側から投射された光が、マイクロレ
ンチキュラーレンズ28から入射されると(マイクロレ
ンチキュラーレンズ28の表面で一部反射される)、入
射光はリニアフレネルレンズ24Bと空気の界面で一部
が反射され、迷光となって垂直屈折リニアフレネルレン
ズシート24内に戻るが、この迷光はマイクロレンチキ
ュラーレンズ28の内面で再反射されるときに散乱され
ることになるため、迷光が該リニアフレネルレンズシー
ト24外に出射する位置が広がることになり、結果とし
て白帯が観察され難くなる。
【0036】上記プロジェクションスクリーンでVレン
チ28の屈折率は、ベースフィルム24Aの屈折率より
も低屈折率にすることが好ましい。その理由は、このV
レンチ28の屈折率が低いほど、投射光の利用効率が高
くなると共に、迷光が投射側に抜け易くなるからであ
る。
【0037】又、リニアフレネルレンズシートを水平屈
折と垂直屈折に用いる場合には、水平屈折リニアフレネ
ルレンズシート22とレンチキュラーレンズシート26
との間でモアレが生じる可能性があるが、本発明のよう
に、垂直屈折リニアフレネルレンズシート24にマイク
ロレンチキュラーレンズを持たせることにより上記モア
レを低減することができる。
【0038】又、モアレとしてはVレンチ28とリニア
フレネルレンズ24Bとの間に生じるものもある。この
モアレは、サーキュラーフレネルレンズシートの場合で
あれば、ピッチ比の選定により見え難くすることはでき
るものの、原理的に完全除去することが不可能である。
これに対し、本実施例のように、垂直方向に屈折させる
リニアフレネルレンズ24Bと、Vレンチ28との間に
生じるモアレは、入射面側のVレンチ(マイクロレンチ
キュラーレンズ)28と出射面側のリニアフレネルレン
ズ24Bのレジ合せにより完全に同期させることによ
り、発生しなくすることが可能である。
【0039】次に、本実施例に適用されるリニアフレネ
ルレンズシートの製造方法の一例を図3を用いて説明す
る。
【0040】この図3に示した製造装置は上記垂直屈折
リニアフレネルレンズシート24を連続生産できるもの
で、リニアフレネルレンズ24Bの逆形状の型(凹凸)
が周囲に形成された第1型ロール40と、Vレンチ28
の逆形状の型が周囲に形成された第2型ロール42とを
備えている。
【0041】ここでは、原反ロール44から引き出され
たベースフィルム24Aがニップロール46と第1型ロ
ール40との間に導かれると、ベースフィルム24Aの
表面と第1型ロールの型との間に紫外線硬化樹脂(UV
樹脂)が供給され、充填された後、この状態で該ベース
フィルム24に対して、第1型ロール40の下方からU
Vランプ48でUV照射されてリニアフレネルレンズ部
が硬化される。
【0042】次いで、ベースフィルム24Aは第2型ロ
ール42に送られ、ファニッシャーロール50で引き上
げられたUV樹脂がベースフィルム24Aの裏面と該第
2型ロール42の型との間に供給されると共に、上方か
らUVランプ48Aで照射されることにより、マイクロ
レンチキュラーレンズ28が形成され、表裏両面にレン
ズが形成されたレンズシートが連続的に製造され、巻取
ロール52で巻取られる。
【0043】又、リニアフレネルレンズだけを形成する
(Vレンチを形成しない)水平屈折リニアフレネルレン
ズシート22は、上記第2型ロールによる成形工程を省
くことにより製造できる。
【0044】このように、本実施例に有する水平屈折リ
ニアフレネルレンズシート22、垂直屈折リニアフレネ
ルレンズシート24は、いずれも連続生産することがで
きるため、コストを低減することができる。
【0045】水平屈折と垂直屈折の両リニアフレネルレ
ンズシートとを用いる光学系としては、水平方向に屈折
するリニアフレネルレンズに比較して、垂直方向に屈折
するリニアフレネルレンズの屈折率を低屈折率とするこ
とが好ましいから、例えば、ベースフィルムとしてPE
T(屈折率比1.6以上)等のポリエステルを用いて、
水平方向に屈折させるリニアフレネルレンズ部を、屈折
率1.55〜1.57(あるいはそれ以上)の高屈折率
ウレタンアクリレート系UV樹脂で形成し、垂直方向に
屈折させるリニアフレネルレンズ、及びその入射面のV
レンチを1.49程度の通常屈折率のウレタンアクリレ
ート系UV樹脂で形成することができる。
【0046】この場合、水平屈折リニアフレネルレンズ
シート22の入射面側に、より低屈折率の樹脂を、平坦
形状の型により成形しても、コーティング等で塗布して
もよい。
【0047】なお、プロジェクションスクリーンとして
は、スクリーンの光拡散角が垂直方向に大きい場合であ
ってもよく、又、マイクロレンチキュラーレンズを形成
するリニアフレネルレンズシートには、例えばベースフ
ィルムに光拡散材を混入してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1の発明によ
れば、水平屈折用と垂直屈折用の2枚のリニアフレネル
レンズシートを含むスクリーンシートを備えたプロジェ
クションスクリーンで、迷光が原因で光拡散角の大きな
方向に観察される白帯の発生を防止することができる。
【0049】又、請求項2の発明によれば、各レンズシ
ートの配置がスクリーン設計上好適である上に、光拡散
角が大きい方向にリニアフレネルレンズが延びているた
めに白帯を生じさせる垂直屈折リニアフレネルレンズシ
ートに対して、入射側に形成されているマイクロレンチ
キュラーレンズで迷光を拡散できるため、水平方向に広
がる白帯の発生を防止できる。
【0050】又、請求項3の発明によれば、マイクロレ
ンチキュラーレンズとリニアフレネルレンズとの間に生
じるモアレの発生を防止できる。
【0051】又、請求項4の発明によれば、容易且つ確
実にマイクロレンチキュラーレンズが付設されたリニア
フレネルレンズシートを製造することができ、又、各レ
ンズ部を対応する型が周囲に形成された型ロールを用い
てベースフィルム上に形成する場合には、連続生産する
こともできる。
【0052】更に、請求項5の発明によれば、入射光の
反射損失が防止されるため投射光の利用効率を向上でき
ると共に、レンズシート内で生じた迷光を入射側へ逃し
易くなるため白帯の発生をより有効に防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例のプロジェクションスク
リーンの要部を一部破断して示す斜視図
【図2】上記プロジェクションスクリーンで白帯の発生
が防止される原理を示す説明図
【図3】上記プロジェクションスクリーンの製造方法を
示す説明図
【図4】プロジェクションスクリーンに白帯が生じる原
因を示す説明図
【符号の説明】
10…リニアフレネルレンズシート 12、22A、24A…ベースフィルム 14…レンズ部(リニアフレネルレンズ) 20…プロジェクションスクリーン 22…水平屈折リニアフレネルレンズシート 22B、24B…リニアフレネルレンズ 24…垂直屈折リニアフレネルレンズシート 26…レンチキュラーレンズシート 26A…入光レンチキュラーレンズ 26B…出光レンチキュラーレンズ 26C…遮光部 28…マイクロレンチキュラーレンズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背面投射型テレビに用いる、複数のレンズ
    シートから構成されるスクリーンシートを備えた背面投
    射型テレビ用のプロジェクションスクリーンにおいて、 スクリーンシートが、投射光を主として水平方向に屈折
    させる、稜線が垂直方向に延びるリニアフレネルレンズ
    が形成された水平屈折リニアフレネルレンズシートと、
    投射光を主として垂直方向に屈折させる、稜線が水平方
    向に延びるリニアフレネルレンズが形成された垂直屈折
    リニアフレネルレンズシートと、水平方向光拡散用のレ
    ンチキュラーレンズシートの少なくとも3枚を含み、 且つ、スクリーンの光拡散角が大きい方向とリニアフレ
    ネルレンズの稜線が延びる方向とが同一のリニアフレネ
    ルレンズシートの入射側に、該リニアフレネルレンズに
    平行なマイクロレンチキュラーレンズを形成したことを
    特徴とするプロジェクションスクリーン。
  2. 【請求項2】請求項1のプロジェクションスクリーンに
    おいて、 水平屈折リニアフレネルレンズシート、垂直屈折リニア
    フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズシート
    を、光源側からこの順に配設し、 垂直屈折リニアフレネルレンズシートの入射側に、出射
    側のリニアフレネルレンズに平行なマイクロレンチキュ
    ラーレンズを形成したことを特徴とするプロジェクショ
    ンスクリーン。
  3. 【請求項3】請求項1のプロジェクションスクリーンに
    おいて、 リニアフレネルレンズシートの入射側に形成したマイク
    ロレンチキュラーレンズが、出射側のリニアフレネルレ
    ンズに同期していることを特徴とするプロジェクション
    スクリーン。
  4. 【請求項4】請求項1のプロジェクションスクリーンに
    おいて、 マイクロレンチキュラーレンズが形成されたリニアフレ
    ネルレンズシートが、ベースフィルムの一方の面にリニ
    アフレネルレンズを、他方の面にマイクロレンチキュラ
    ーレンズを、いずれも紫外線硬化型樹脂を硬化させて作
    成されていることを特徴とするプロジェクションスクリ
    ーン。
  5. 【請求項5】請求項4のプロジェクションスクリーンに
    おいて、 マイクロレンチキュラーレンズの屈折率が、ベースフィ
    ルムの屈折率以下であることを特徴とするプロジェクシ
    ョンスクリーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001029614A1 (fr) * 1999-10-18 2001-04-26 Bolin Sun Ecran de projection de grande dimension

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001029614A1 (fr) * 1999-10-18 2001-04-26 Bolin Sun Ecran de projection de grande dimension
US6816307B1 (en) 1999-10-18 2004-11-09 Bolin Sun Large sized rear projection screen

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