JPH0812221B2 - 直流送電系の故障点標定装置 - Google Patents

直流送電系の故障点標定装置

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JPH0812221B2
JPH0812221B2 JP59259626A JP25962684A JPH0812221B2 JP H0812221 B2 JPH0812221 B2 JP H0812221B2 JP 59259626 A JP59259626 A JP 59259626A JP 25962684 A JP25962684 A JP 25962684A JP H0812221 B2 JPH0812221 B2 JP H0812221B2
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圭司 和田
昭二 奥村
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Meidensha Corp
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は直流送電線の短絡事故(地絡事故)の発生
点の位置を送電端側で検出する直流送電系の故障点標定
装置に関する。
従来の技術 故障点標定装置としては、マーレーループ法やバレー
ループ法のように線路を含むブリッジ形の回路を構成
し、その平衡条件から故障点までの距離を求めるものが
良く知られている。この種の装置ではブリッジ形測定回
路を平衡させるような測定操作が必要で、直流送電系に
おいて、その電流値の変化から瞬時にかつ直接的に故障
点を標定することはできなかった。
発明が解決しようとする問題点 近年、一定時間Δtでサンプリングされた電流データ
を用いて故障点を即座に標定する手段が考えられるよう
になって来た。この標定手段は第7図に示すように故障
点が送電端の至近部であると、特性曲線Aのように電流
変化iAが大きくなることを利用して故障点の標定を良好
に得ることになる。この例として特願昭59−19090号が
ある。しかし、故障点が送電端から遠方にあると第7図
の特性曲線Bに示すように電流変化iBが小さい。このた
め、一定時間Δtの変化に対応した電流変化iBが図示の
ような小さくなるため、標定誤差が生じてくる問題があ
る。そこで、この標定誤差を解消するために、サンプリ
ング時間Δtを長くすると特性曲線Aの場合の電流変化
範囲が直線的でなくなる(飽和部分)ため、至近端故障
時の標定誤差が生じてしまう問題がある。
問題点を解決するための手段及び作用 この発明は、直流送電線の送電端側でその電流値を所
定周期で連続的にサンプリングする手段と、サンプリン
グされた上記電流値の変化を常時監視して上記送電線の
短絡事故の発生を検出する手段と、事故発生が検出され
たとき、その事故により増加する電流が予め設定された
電流値i1及びi2になる時刻t1及びt2と、電圧V(送電端
側の電圧)および送電線の単位長さ当りのインダクタン
スlを求めて、次式演算を行い、 上記事故点までの距離xを算出する手段とから構成さ
れ、前記電流値の変化に要する時間を測定することによ
り、遠方での故障で電流変化が緩やかなときでも正確に
故障点を標定できる。
実施例 以下図面を参照してこの発明の一実施例を説明する前
に、第4図及び第5図により故障点標定の原理について
説明する。
第4図は直流送電系の等価回路図で、1は直流電源、
2は送電線、Rは線路抵抗、Lは線路インダクタンス、
R5は故障点抵抗、Xは故障点である。なお、R0は直流電
源1の内部抵抗で、以下では無視する。上記回路におい
て、送電端電圧をvとすると、その電圧vは線路抵抗R
および線路インダクタンスLを介して故障点Xに印加さ
れ、電流iは故障点抵抗R5に流れる。
次に、事故が発生した場合、任意の電流値iにおける
送電端電圧v(t)は次の微分方程式で表すことができ
る。
第5図は上記事故が発生したときの電流、電圧特性図
であり、この発明では所定周期で電流iを連続的にサン
プリングしている。そのサンプリング時点をt1,t2,t3
…と表し、対応するサンプリング電流値をi1,i2,i3……
とし、相前後する2点の電流サンプル値の差i2−i1,i3
−i2……を電流変化Δi2,i3…とする。この電流変化Δi
nを常時監視し、Δinが予め設定した制定値Kを越えた
とき、送電線2に事故(地絡)が発生したものと判定す
る。その後、以下に述べる原理で故障点を標定する。
上述の各サンプリング時点t1,t2,t3……での電圧vを
それぞれv1,v2,v3……と表すと、(1)式の微分方程式
について次のような第1次の線形近似が成立する。
(2)式と(3)式を加算すると(4)式になる。
同様にして、任意の電流値i2,i3のときのv2+v3は次
式になる。
次に(4)式×(i2+i3)−(5)式×(i1+i2)は
(6)式のようになる。
(t1−t2)=(t2+t3),(i1−i2)=(i2+i3)と
考えると(6)式は次式のようになる。
i1−i2=i2+i3からi2=(i1+i3)/2 ……(8) 送電端から距離xの点で事故の場合、送電端から見た
線路抵抗RおよびインダクタンスLは次のようになる。
なお、rは送電線の単位長さあたりの抵抗値、lは送電
線の単位長さあたりのインダクタンスである。
R=rx+R5 ……(9) L=lx ……(10) (10)式を(7)に代入して整理すると ここで、直流送電系では直流電源1はサイリスタなど
による定電圧整流器によって構成されるため、短絡事故
が発生しても第5図に示した電圧vはほとんど変化しな
いので、v1,v2,v3をそれぞれVとすると(11)式は次の
ようになる。
前記(8)式を(12)式に代入して整理すると次の
(13)式になる。
(13)式よりi1,i2の電流サンプリング値での演算式
は、(8)式からi3=2i2−i1を求めて(13)式に代入
すると、次の(14)式になる。
(14)式から短絡事故時に事故電流が予め設定された
電流値i1及びi2になる時刻t1,t2を知ることにより、故
障点の標定演算ができる。これにより故障点での距離x
を算出できる。なお、(14)式において、Vは第4図に
示すvで、直流電源1の電圧である。
次のデータは短絡試験場において、近距離(1Km相当
の地点での事故)における短絡事故の実験に行ったとき
の短絡電流に対する標定値の試験結果を示すもので、送
電端電圧V、線路抵抗R、インダクタンスLは試験条件
で標定装置に送電線のデータ(リレー整定値)として入
力される。
No.1は、送電端電圧Vが1330V、線路抵抗Rが0.5Ω、
インダクタンスLが0.58mH(線路抵抗Rとインダクタン
スLは送電線1Kmあたりの値である)に設定したときの
ものである。
短絡電流 標定値 300(A) 0.53(Km) 400(A) 1.02(Km) 600(A) 0.78(Km) 730(A) 1.02(Km) 860(A) 1.02(Km) 970(A) 1.21(Km) 1080(A) 1.21(Km) 1190(A) 1.21(Km) 1280(A) 1.48(Km) 1360(A) 1.66(Km) 1380(A) 6.65(Km) No.2は送電端電圧Vが1350V、線路抵抗Rが0.5Ω、イ
ンダクタンスLが0.58mHに設定したときのものである。
短絡電流 標定値 190(A) 1.13(Km) 430(A) 0.56(Km) 540(A) 1.23(Km) 700(A) 0.84(Km) 830(A) 1.04(Km) 950(A) 1.13(Km) 1060(A) 1.23(Km) 1170(A) 1.23(Km) 1260(A) 1.50(Km) 1350(A) 1.50(Km) 1380(A) 4.50(Km) 上記のデータは、電流が短絡したときの第5図に示す
電流サンプリング値と、その電流値データにより故障点
までの距離を標定した標定結果で、この試験での標定理
論値は1.00(Km)となる。後述の第3図の曲線Aで示す
ように電流データの値の小さいところでは、電流の入力
誤差などにより、標定値が多少不安定となり、また電流
データの値の大きいところ(最後のデータ付近)では、
電流値が飽和してしまうため標定不能となる。従って、
電流値は直線的に増加しているデータで標定する。な
お、実際に使用するデータは高速でサンプリングされて
いる電流データで任意に設定された電流値ia,ib(第6
図に示す)より大となる電流データi1,i2(i1≧ia,i2
ib)と、その時刻t1,t2により演算される。
次に、この発明に係る故障点標定装置の具体的な実施
例について述べる。
第1図において、交流電源11が定電圧整流器12で直流
に変換される。変換された直流電圧は送電線2に供給さ
れる。送電線2の送電端側には抵抗13a,13bで分圧され
た電圧vが絶縁アンプ14を介してA/D変換器15に供給さ
れる。また、送電端側には直流しゃ断器16と直流電流検
出器17とが設けられている。電流検出器17は例えばホー
ル素子などを用いたもので、送電線2上の直流電流の大
きさを検出する。検出された電流iはA/D変換器15に供
給される。A/D変換された信号はコンピュータに伝送さ
れる。この間の信号伝送は光ファイバを用いて光信号で
行うと良い。
上記コンピュータはCPU18,ROM19,ROM20,出力部21,入
力部22,DMA23および整定部24からなり、A/D変換器15の
信号はDMAD3に入力される。ROM19には例えば送電線2の
単位インダクタンスlをメモリしておく。ROM20には電
流値等がメモリされる。また、出力部21から動作出力が
送出される。
次に上記実施例の動作を第2図のフロチャートを用い
て述べる。最初のステップS1で、DMA23を介してサンプ
リング時点tnのサンプリング電流値(データ)inを取り
込み、RAM20の所定エリアに一時記憶する。次のステッ
プS2で、今回のサンプリングデータinと前回のサンプリ
ングデータin-1との差△inを演算する。この演算処理
後、ステップS3にて△inと整定値Kとの大小比較判断を
行い、事故発生の監視を行う。すなわち、△in<Kのと
きは正常と判断し、ステップS1,S2,S3を繰り返す。
前記ステップS3で△in≧Kとなったとき、事故が発生
したものと判断し、ステップS4に進む。
ステップS4では最新のサンプリングデータinと前回の
サンプリングデータin-1の電流変化に対する時刻を得
て、前記(14)式を演算する。このときROM19からイン
ダクタンスlや電圧Vを読み出して(14)式の演算を行
う。ステップS5では演算結果故障点までの距離xが算出
される。この結果は出力部21から動作出力として送出さ
れる。その後、最初のステップに戻り、同様の処理を行
う。
第3図は故障点が送電端側に近い場合と遠い場合にお
ける電流の変化を示す特性図で、曲線Aが故障点が近い
とき、曲線Bが遠いときである。この第3図から電流変
化△i(i2−i1)に接する時間tA,tBを測定すれば故障
点標定が正確にできる。
発明の効果 以上述べたように、この発明によれば、直流送電系に
地絡(短絡)事故が発生したとき、任意の電流変化に要
する時間を測定することにより送電端から近い距離は勿
論、それから遠方の距離での故障点を正確に標定できる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す構成説明図、第2図
はCPUの処理内容を示すフローチャート、第3図は故障
点が送電端側に近いときと遠いときの電流変化を示す特
性図、第4図はこの発明の原理を説明するための直流送
電系の等価回路図、第5図は直流送電系の短絡故障によ
る電流・電圧の変化を示す特性図、第6図は電流特性
図、第7図は従来例を述べるための電流特性図である。 11……交流電流、12……定電圧整流器、14……絶縁アン
プ、15……A/D変換器、16……しゃ断器、17……電流検
出器、18……CPU、19……ROM、20……RAM、21……出力
部、22……入力部、23……DMA、24……整定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−72144(JP,A) 特開 昭58−225362(JP,A) 特開 昭60−162967(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流送電線の送電端側でその電流値を所定
    周期で連続的にサンプリングする手段と、サンプリング
    された上記電流値の変化を常時監視して上記送電線の短
    絡事故の発生を検出する手段と、事故発生が検出された
    とき、その事故により増加する電流が予め設定された電
    流値i1及びi2になる時刻t1及びt2と、電圧V(送電端側
    の電圧)および送電線の単位長さ当りのインダクタンス
    lを求めて、次式演算を行い、 上記事故点までの距離xを算出する手段とを備えた直流
    送電系の故障点標定装置。
JP59259626A 1984-12-07 1984-12-07 直流送電系の故障点標定装置 Expired - Lifetime JPH0812221B2 (ja)

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