JPH08122083A - 光ファイバジャイロ - Google Patents

光ファイバジャイロ

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JPH08122083A
JPH08122083A JP25701594A JP25701594A JPH08122083A JP H08122083 A JPH08122083 A JP H08122083A JP 25701594 A JP25701594 A JP 25701594A JP 25701594 A JP25701594 A JP 25701594A JP H08122083 A JPH08122083 A JP H08122083A
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JP
Japan
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signal
optical fiber
phase difference
light
phase
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Application number
JP25701594A
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English (en)
Inventor
Tsurashi Yamamoto
貫志 山本
Takeshi Hojo
武 北條
Shinichi Kawada
伸一 河田
Yoshiyuki Okada
芳幸 岡田
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力角速度Ωの値が小さいときでも、正確に
位相制御を行うことができる光ファイバジャイロを提供
することを目的とする。 【構成】 位相制御器によって干渉光の強さIの信号に
第1の位相差Δβと第2の位相差σを生成する。第1の
位相差Δβはnを整数として第1の動作点ΔβA=−
(2n−1)π/2と第2の動作点ΔβB =+(2n−
1)π/2に交互に変化し、それによって第1の動作点
ΔβA における信号I=IA と第2の動作点ΔβB にお
ける信号I=IB の差ΔIがsin(Δθ+σ)に比例
する信号として得られる。この差信号ΔIがゼロとなる
ように第2の位相差σを制御して位相フィードバックす
る。第1及び第2の動作点の時間をそれぞれTA 、TB
とするとき、この時間TA 、TB はそれぞれ一定にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば航空機、船舶、
自動車等の角速度計として使用して好適な光ファイバジ
ャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロは角速度を計測する
装置として広く使用されており、小型で且つ高い信頼性
を有する長所がある。光ファイバジャイロは光のサグナ
ック効果(サニャック効果ともいう。)を利用して角速
度を計測するように構成されている。干渉型の光ファイ
バジャイロでは、複数回巻かれた光ファイバループより
なる1本の長い光路を互いに反対方向に光を伝播させ、
斯かる2つの伝播光の干渉光に現れる位相差より角速度
を求める。干渉型の光ファイバジャイロとして、例えば
位相変調方式、セロダイン変調方式及びディジタル変調
方式があり、これらについて説明する。
【0003】先ず図8を参照して位相変調方式の光ファ
イバジャイロを説明する。光ファイバジャイロ装置は、
半導体レーザ、発光ダイオード等の発光器1と検出光を
電流に変換する受光器2と1本の光ファイバを複数回巻
いて形成された光ファイバループ3と偏光子4と光ファ
イバを伝播する光を合成し又は分岐する第1及び第2の
カプラ5、6と光ファイバループ3の一端に設けられた
位相変調器8とを有する。
【0004】発光器1より出力された光は第1のカプラ
5及び偏光子4を経由し、第2のカプラ6によって2つ
の伝播光に分岐され、光ファイバループ3を互いに反対
方向に伝播する。即ち、一方は光ファイバループ3を右
周りに伝播し、他方は左周りに伝播する。
【0005】光ファイバループ3を互いに反対方向に伝
播した光は第2のカプラ6によって合成され干渉光が生
成される。斯かる干渉光は第1のカプラ5を経由して受
光器2によって検出される。
【0006】光ファイバループ3に外から角速度Ωが加
わると、サグナック効果によって、光ファイバループ3
内を互いに反対方向に伝播する光の間に位相差Δθが生
じる。斯かる位相差Δθは角速度Ωに比例し、次の式で
表される。
【0007】
【数1】Δθ=(2πDL/λc)Ω
【0008】ここに、Dは光ファイバループ3のループ
径、Lは光ファイバループ3の長さ、λは発光器1から
出力される光の波長、cは光速、Ωは光ファイバループ
3のループの中心軸線周りの角速度を表す。
【0009】位相変調方式によると、光ファイバループ
3を右周りに伝播する光と左周りに伝播する光は位相変
調器8によってそれぞれ位相変調される。光ファイバル
ープ3を右周りに伝播する光EC と左周りに伝播する光
CCは光ファイバループ3の両端にて次のように表され
る。
【0010】
【数2】EC =E0 sin(ωt−Δθ/2+β0 ) ECC=E0 sin(ωt+Δθ/2+βT
【0011】ここに、E0 は振幅、ωは光の周波数に対
する角周波数、tは時間、Δθ/2はサグナック効果に
より生じた位相差、β0 及びβT は位相変調器8によっ
て生成された位相差である。右周りに伝播する光EC
位相差β0 は光ファイバループ3を右周りに伝播してか
ら光ファイバループ3の出口にて位相変調された光の位
相差であり、左周りに伝播する光ECCの位相差βT は光
ファイバループ3の入口にて位相変調されてから光ファ
イバループ3を左周りに伝播した光の位相差である。
【0012】斯かる2つの伝播光EC 、ECCは第2のカ
プラ6によって合成され、干渉光は第1のカプラ5を経
由して受光器2によって検出される。受光器2によって
検出される干渉光の強さIは次の式によって表される。
【0013】
【数3】I=2E0 2〔1+cos(Δθ+βT
β0 )〕 =2E0 2〔1+cos(Δθ+Δβ)〕 =2E0 2(1+cosx)
【0014】但し、Δβ=βT −β0 、x=Δθ+Δβ
である。位相変調をしない方式(Δβ=0)では、受光
器2によって検出される干渉光の強さIは位相差Δθの
余弦値cosΔθの関数だから、入力角速度Ωが小さい
と、干渉光の強さIの変動量が小さく、正確な位相差Δ
θを得られない。位相変調方式(Δβ≠0)では、正弦
曲線の勾配が大きい領域に動作点があるから、入力角速
度Ωが小さいときでも正確な位相差Δθを得ることがで
きる。
【0015】位相変調は角周波数ωm の基準周波数の正
弦波を使用して行われる。斯かる場合、位相差βT 及び
β0 は次の式によって表される。
【0016】
【数4】βT =βsin(ωm t+ωm ・τ/2) β0 =βsin(ωm t−ωm ・τ/2)
【0017】ここに、βは定数、τは光が光ファイバル
ープ3を伝播するのに要する時間である。この式より位
相差βT 及びβ0 の差を求めると次のようになる。
【0018】
【数5】 Δβ=βT −β0 =2βsin(ωm ・τ/2)・cosωm
【0019】これを数3の式に代入すると次の式が得ら
れる。
【0020】
【数6】 I=2E0 2〔1+cosΔθ・{J0 (z)+2Σk=1 2k(z)cos2k・ ωm t}−2sinΔθ・Σk=0 2k+1(z)sin(2k+1)ωm t〕
【0021】EO は光の強さに関係する定数、ωm は位
相変調器8によって付与された角周波数、zは位相変調
度、J0 、J1 、J2 、・・・はベッセル関数、tは時
間である。位相変調度zは位相変調器8に供給される電
圧信号の大きさによって変化する。
【0022】位相変調度zは次の式によって表される。
【0023】
【数7】z=2βsinωm τ/2
【0024】数6の式は次の数8の式のように表され
る。
【0025】
【数8】 I=I0 −I1 sinωm t+I2 cos2ωm t−I3 sin3ωm t+I4 cos4ωm t+・・・
【0026】但し、I0 、I1 、I2 、I3 、I4 は次
の数9の式によって表される。尚、I0 は直流成分、I
1 は1倍波成分、I2 は2倍波成分、I3 は3倍波成分
等と称される。
【0027】
【数9】I0 =2E0 2{1+J0 (z)cosΔθ} I1 =4E0 21 (z)sinΔθ I2 =4E0 22 (z)cosΔθ I3 =4E0 23 (z)sinΔθ I4 =4E0 24 (z)cosΔθ
【0028】位相変調方式の光ファイバジャイロ装置で
は、受光器2が受光する干渉光の強さIは数9の式に示
されるように、cosΔθの項ばかりでなくsinΔθ
の項を含むから、入力角速度Ωが小さく位相差Δθの値
が小さいときには、sinΔθの項を取り出して位相差
Δθを求めれば正確な値が得られる。
【0029】再び図8を参照する。光ファイバジャイロ
装置は更に電流電圧変換器7と信号発生器11と同期検
波器12と信号処理部13とを有する。電流電圧変換器
7は受光器2より出力された電流信号を電圧信号に変換
し、それを同期検波部12に出力する。信号発生器11
は角周波数ωm の基準信号を発生する信号発生部と斯か
る基準信号を倍周して角周波数2ωm 、3ωm 、4ωm
のパルス信号を生成する倍周器とを有する。
【0030】同期検波器12は信号発生器11より供給
された角周波数ωm 、2ωm 、3ω m 、4ωm の信号と
電流電圧変換器7より出力された電圧信号を入力する。
先ず、光強度信号Iより直流成分IO を除去する。次
に、角周波数ωm 、2ωm 、3ωm 、4ωm の信号によ
って光強度信号Iを同期検波し、1倍波成分I1 、2倍
波成分I2 、3倍波成分I3 及び4倍波成分I4 等の信
号成分を得る。
【0031】これらの信号を使用して位相差Δθを求め
るためには、数9の式よりE0 、J 1 (z)、J
2 (z)、J3 (z)、J4 (z)を消去すればよい。
例えば、J 1 (z)=J2 (z)であればよい。J
1 (z)=J2 (z)を満たす変調度zのうち最大値を
最適な変調度z0 とすると、z0 ≒2.63である。従
って、変調度z≒2.63となるように位相変調器8に
よって位相変調すればよい。それによって、数9の2式
を使用して位相差Δθが求められる。これは信号処理部
13によって演算される。
【0032】次に図9を参照して従来のセロダイン変調
方式の光ファイバジャイロを説明する。セロダイン変調
方式の光ファイバジャイロは位相変調方式の光ファイバ
ジャイロを改良したもので、位相変調方式の光ファイバ
ジャイロより広いダイナミックレンジを得ることができ
るように構成されている。
【0033】セロダイン変調方式の光ファイバジャイロ
では位相変調器8に加えて更にセロダイン変調器9が設
けられている。光ファイバループ3を右周りに伝播する
光E C と左周りに伝播する光ECCは位相変調器8による
位相変調に重畳して更にセロダイン変調される。光ファ
イバループ3を伝播した光は数2の式の代わりに次の数
10の式によって表される。
【0034】
【数10】 EC =E0 sin(ωt−Δθ/2+β0 +α0 ) ECC=E0 sin(ωt+Δθ/2+βT +αT
【0035】α0 、αT は光ファイバループ3を右周り
に伝播する光と左周りに伝播する光において、セロダイ
ン変調器9によって生成された位相差である。
【0036】図10に斯かるセロダイン変調によって生
成された位相差信号α0 、αT を示す。図10Aに示す
ように、位相差信号α0 、αT は振幅2π、周期TS
鋸波である。受光器2によって検出される干渉光の強さ
Iは次の式によって表される。
【0037】
【数11】 I=2E0 2〔1+cos(Δθ+βT −β0 +αT −α0 )〕 =2E0 2〔1+cos(Δθ+Δβ+Δα)〕
【0038】ここにΔβは位相変調器8によって生成さ
れた位相差、Δαはセロダイン変調器9によって生成さ
れた位相差である。Δαはセロダイン位相差と称され
る。
【0039】
【数12】Δβ=βT −β0 Δα=αT −α0
【0040】図10Bにセロダイン位相差Δαの波形を
示す。セロダイン位相差Δαは交互に値がαS とαS
2πに変化する矩形波である。αS は鋸波の勾配に比例
し、次の式によって表される。
【0041】
【数13】αS =2πτ/TS =2πfS τ
【0042】TS は位相差信号αS の周期、fS (=1
/TS )は位相差信号αS の周波数、τは光ファイバル
ープ3を光が伝播するのに要する時間である。
【0043】数3の式と数11の式を比較すると明らか
なように、セロダイン変調方式では、干渉光の光の強さ
Iは数6の式にてΔθの代わりにΔθ+Δαを代入して
得られる。従って、受光器2によって出力される電流信
号の直流成分、1倍波成分、2倍波成分、3倍波成分等
は数9の式に対応して次の式によって表される。
【0044】
【数14】 I0 =2E0 2{1+J0 (z)cos(Δθ+Δα)} I1 =4E0 21 (z)sin(Δθ+Δα) I2 =4E0 22 (z)cos(Δθ+Δα) I3 =4E0 23 (z)sin(Δθ+Δα) I4 =4E0 24 (z)cos(Δθ+Δα)
【0045】セロダイン変調方式では、sin(Δθ+
Δα)=0となるように、セロダイン変調器9によって
伝播光は位相変調される。従って、斯かるフィードバッ
クループによる安定点ではΔα=−Δθである。このと
き図10Aに示す鋸波の勾配は位相差Δθ(即ち角速度
Ω)に比例している。
【0046】Δα=αS =2πτ/TS とすると、正負
の符号を無視して、Δθ=2πτ/TS となる。これを
数1の式に代入すると、次の式が得られる。
【0047】
【数15】Ω=λcτ/DLTS =λcτfS /DL
【0048】再び図9を参照する。光ファイバジャイロ
は更に信号発生器11と同期検波器12と第1及び第2
の積分器15、16とカウンタ17とリセット回路18
と2π基準器19とを有する。
【0049】同期検波器12は信号発生器11より出力
された角周波数ωm の基準信号を入力して数14の式の
1倍波成分I1 を検波する。従って、同期検波器12よ
り第1の積分器15に1倍波信号I1 が供給される。第
2の積分器16はセロダイン位相差Δαに比例した勾配
にて増加する傾斜信号を生成する。
【0050】一方、2π基準器19によって生成された
2π信号はリセット回路18に供給される。リセット回
路18は2πリセット信号を生成し、積分器16の傾斜
信号の値が増加して2πになったらそれをリセットす
る。こうして、第2の積分器16からは図10Aに示す
如きセロダイン変調信号が生成され、斯かるセロダイン
変調信号はセロダイン変調器9に供給される。
【0051】上述のように、セロダイン変調方式では、
sin(Δθ+Δα)=0となるように位相変調され
る。このとき、同期検波器12の出力信号I1 はゼロと
なる。従って、このときカウンタ17によって図10A
に示す如きセロダイン波の波数が計数され、周波数fS
が求められる。この周波数fS より数15の式によって
角速度Ωが求められる。
【0052】次に図11〜13を参照してディジタル変
調方式の光ファイバジャイロを説明する。本例の光ファ
イバジャイロは更にタイミング信号発生器21と位相変
調信号発生部22とAD変換器23と信号処理部24と
を有する。ディジタル変調方式では、干渉光Iに生ずる
位相差Δβが時間τ毎にΔβ=+π/2とΔβ=−π/
2に交互に変化するように位相変調される。従って、数
3の式にΔβ=±π/2を代入して、
【0053】
【数16】 I(Δθ±π/2)=2E0 2{1+cos(Δθ±π/2)} =2E0 2{1−±sin(Δθ)}
【0054】これより、位相差がΔβ=+π/2のとき
とΔβ=−π/2のときの光の強さIの差を求めると、
【0055】
【数17】 I(Δθ+π/2)−I(Δθ−π/2)=2E0 2{1−sin(Δθ)} −2E0 2{1+sin(Δθ)}=−4E0 2sin(Δθ)
【0056】この式の右辺は位相変調器8によって生成
された位相差Δβを含まないから、位相差Δθを求める
ことができる。こうして、ディジタル変調方式による
と、位相変調器8によって干渉光Iに時間τ毎に位相差
Δβ=±π/2を生成し、位相差がΔβ=+π/2のと
きの光の強さIとΔβ=−π/2のときの光の強さIの
差を求め、これよりΔθの値を求める。
【0057】図12〜図13を参照してディジタル変調
方式を具体的に説明する。ディジタル変調方式による
と、右周りの光Ecwはその位相差β0 が例えば図12A
に示すように周期2τ且つ振幅π/4の周期的な矩形波
となるように位相変調され、左周りの光Eccw はその位
相差βT が例えば図12Bに示すように矩形波となるよ
うに位相変調される。左周りの光Eccw の位相差βT
右周りの光Ecwの位相差の波形と同一の矩形波を有する
が、右周りの光Ecwの位相差に対して時間τだけ遅れて
いる。
【0058】こうして、右周りの光Ecwの位相差β0
左周りの光Eccw の位相差βT との差、即ち位相差Δβ
=β0 −βT は図12Cに示すように時間τ毎に交互に
+π/2と−π/2に変化する矩形波となる。
【0059】図12Dは数3の式の変数x=Δθ+Δβ
の波形を表す。光ファイバジャイロに角速度Ωが働かな
いときは、Δθ=0だから図12Dの変数xの波形は図
12Cの位相差Δβに一致する。
【0060】次に、図13を参照して、数3の式を使用
して、位相差ΔβがΔβ=±π/2のときの光の強さI
(Δθ±π/2)を求める方法を示す。
【0061】図13Aは数3の式のグラフであり、位相
差xと光の強さIの関係を表すのによく用いられる。斯
かるグラフにて、横軸はx(=Δθ+Δβ)、縦軸は光
の強さI(x)即ちI(Δθ+Δβ)である。図13A
の下側に示された図13B及び図13Cは横軸(図13
Aの縦軸方向)が時間、縦軸(図13Aの横軸方向)が
x(=Δθ+Δβ)である。図13Aの右側に示された
図13D及び図13Eは横軸(図13Aの横軸方向)が
時間、縦軸(図13Aの縦軸方向)が光の強さIであ
る。
【0062】図13Bは図12DにおいてΔθ=0の場
合のx(=Δθ+Δβ)の波形を示し、図13Dは斯か
る場合の光の強さIを表す。同様に、図13Cは図12
DにおいてΔθ≠0の場合のx(=Δθ+Δβ)の波形
を示し、図13Eは斯かる場合の光の強さIを表す。
【0063】Δθ=0の場合には、図13Bに示すよう
にxの値が+π/2と−π/2とに交互に変化しても、
光の強さIは図13Dに示すように(スポーク状の突起
部を除いて)一定値となる。しかしながら、Δθ≠0の
場合には、図13Cに示すようにxの値は時間τ毎に交
互にΔθ−π/2とΔθ+π/2に変化し、このとき光
の強さIは図13Eに示すように(スポーク状の突起部
を除いて)時間τ毎に交互に変化する。
【0064】図13D及び図13Eにて光の強さIの値
が時間τ毎にスポーク状の突起部を有するのは、図13
B及び図13Cの波形にて示すxの値が−π/2と+π
/2との間及びΔθ−π/2とΔθ+π/2との間をそ
れぞれ変化するときに、図13Aの正弦波の光の強さI
が増加するからである。
【0065】図13Eの矩形波がハイレベルにあるのは
x=Δθ−π/2のときの光の強さI(Δθ−π/2)
を表し、矩形波がロウレベルにあるのはx=Δθ+π/
2のときの光の強さI(Δθ+π/2)を表す。従っ
て、図13Eの矩形波のハイレベルとロウレベルの差
は、I(Δθ−π/2)−I(Δθ+π/2)に対応し
ている。
【0066】即ち、図13Eの矩形波のハイレベルとロ
ウレベルの差の大きさは数17の式の右辺を表す。こう
して、ディジタル変調方式では、図13Aの光の強さI
を示す正弦波より、図13Eの光の強さIの矩形波を生
成し、斯かる矩形波のハイレベルとロウレベルの差より
数17の式によってΔθが求められる。
【0067】再び図11を参照して説明すると、タイミ
ング信号発生器21は周期τのタイミング信号を位相変
調信号発生部22及び信号処理部24に供給する。位相
変調信号発生部22は図12A、図12B及び図12C
に示す如き位相差β0 、βT、Δβを生成するための位
相変調器駆動信号を生成する。一方、A/D変換器23
は電流電圧変換器7からの電圧信号を入力して、光の強
さIを示す(図13D及び図13Eに示す)ディジタル
信号を生成し、その値I(Δθ−π/2)及びI(Δθ
+π/2)を信号処理部24に供給する。信号処理部2
4はタイミング信号発生器21からのタイミング信号に
基づいて作動し、斯かる2つの値を交互に記憶し、数1
7の式の引き算をする。それによって得られたΔθより
数1の式に従って角速度Ωが計算される。
【0068】
【発明が解決しようとする課題】位相変調方式及びセロ
ダイン変調方式の光ファイバジャイロ装置では、同期検
波器12の入力信号Iは数8の式及び数9の式に示すよ
うに、正弦波成分ばかりでなく余弦波成分を含み、斯か
る余弦波成分のため、入力角速度Ωがゼロのときにも入
力信号Iは大きな値をとる。従って、同期検波器12の
交流ゲインを大きくすることは困難となり、同期検波器
12のノイズが直接ジャイロ信号の誤差源となる欠点が
あった。
【0069】従来のセロダイン変調方式の光ファイバジ
ャイロ装置では、入力角速度Ωがゼロに近い値のとき、
図10Aに示す鋸波の傾斜が小さく、従って、セロダイ
ン周期TS が大きくなり、第2の積分器16が積分器と
して正確に動作することが困難となる欠点があった。
【0070】本発明は斯かる点に鑑み、入力角速度Ωの
値が小さいときでも、正確に位相制御を行うことができ
る光ファイバジャイロを提供することを目的とする。
【0071】
【課題を解決するための手段】本発明によると、光源で
ある発光器と、光ファイバループと、該光ファイバルー
プ内を互いに反対方向に伝搬する第1の伝播光と第2の
伝播光との間の位相を変化させる位相制御器と、上記第
1の伝播光と第2の伝播光の干渉光を検出する受光器
と、を有し、上記光ファイバループがループの中心軸線
周りに角速度Ωにて回転するとき上記干渉光の強さ信号
Iに発生するサグナック位相差Δθより上記角速度Ωを
求めるように構成された光ファイバジャイロにおいて、
上記位相制御器によって上記干渉光の強さIの信号に第
1の位相差Δβと第2の位相差σを生成し、上記第1の
位相差Δβはnを整数として第1の動作点Δβ A =−
(2n−1)π/2と第2の動作点ΔβB =+(2n−
1)π/2に交互に変化し、それによって上記第1の動
作点ΔβA における上記信号Iと上記第2の動作点Δβ
B における上記信号Iの差ΔIがsin(Δθ+σ)に
比例する信号として得られ、上記差信号ΔIがゼロとな
るように上記第2の位相差σを制御し上記伝播光に位相
フィードバックするように構成し、上記第1及び第2の
動作点の時間をそれぞれTA 、TB とするとき、該時間
A 、TB はそれぞれ一定であることを特徴とする。
【0072】本発明によると、光ファイバジャイロにお
いて、上記位相制御器は、上記第1の位相差Δβと第2
の位相差σの和が上記第1の動作点ではσ−(2n−
1)π/2に比例した傾斜を有し振幅2πの鋸波状のセ
ロダイン波となり上記第2の動作点ではσ+(2n−
1)π/2に比例した傾斜を有し振幅2πの鋸波状のセ
ロダイン波となるように、上記第1の伝播光と第2の伝
播光の間の位相差を保持するように構成されていること
を特徴とする。
【0073】本発明によると、光ファイバジャイロにお
いて、上記第1及び第2の動作点での上記セロダイン波
の波数をそれぞれNA 、NBとするとき、上記サグナッ
ク位相差Δθは、τを上記伝播光が上記光ファイバルー
プを伝播する時間として、 Δθ=πτ(NB /TB −NA /TA ) によって求められることを特徴とする。
【0074】本発明によると、光ファイバジャイロにお
いて、上記受光器より出力された上記干渉光の強さを表
す信号Iを入力して上記差信号ΔIを生成し上記差信号
ΔIの大きさを有する直流信号VD を生成する信号処理
部と該信号処理部によって出力された直流信号VD を積
分する積分器と該積分器の出力信号を入力して上記位相
制御器に駆動信号を出力するバイアスセロダイン部と時
間TA 、TB 毎に符号切り換え信号を出力する切り換え
信号発生部とを有することを特徴とする。
【0075】本発明によると、光ファイバジャイロにお
いて、上記信号処理部は上記第1の動作点ΔβA におけ
る上記信号I(=IA )の値と上記第2の動作点ΔβB
における上記信号I(=IB )の値を交互に有する信号
Iより定数I0 を減算する加算器と斯かる加算器の出力
信号を交互に符号を反転させて上記直流信号VD を生成
する第1の符号切り換え器とを有することを特徴とす
る。
【0076】本発明によると、光ファイバジャイロにお
いて、上記バイアスセロダイン部は上記第1の積分器の
出力信号を入力して交互に符号を反転させる第2の符号
切り換え器と該第2の符号切り換え器の出力信号よりπ
/2に対応した電圧信号を減算する第2の加算器と該第
2の加算器の出力信号を入力しその値が2πに達したら
リセットする第2の積分器と該第2の積分器の出力信号
を交互に符号を反転させて上記セロダイン波を指示する
信号を生成する第3の符号切り換え器とを有することを
特徴とする。
【0077】本発明によると、光ファイバジャイロにお
いて、上記信号処理部は更に上記第1の加算器の出力信
号を保持してそれを出力するホールド器を有し、該ホー
ルド器は上記第1の動作点ΔβA と第2の動作点Δβ B
の間で動作点が切り換えられるとき、所定の期間上記第
1の加算器の出力信号をホールドして出力するように構
成されていることを特徴とする。
【0078】
【作用】本発明によると、干渉光の強さIの信号に第1
の位相差Δβが生成され、斯かる第1の位相差Δβはn
を整数として第1の動作点ΔβA =−(2n−1)π/
2と第2の動作点ΔβB =+(2n−1)π/2に交互
に変化する。第1及び第2の動作点は正弦波信号の勾配
が大きい領域で作動するから、高い感度にて位相差Δθ
を得ることができる。
【0079】本発明によると、干渉光の強さIの信号に
第2の位相差σが生成され、第1の動作点ΔβA におけ
る干渉光の強さの信号IA と第2の動作点ΔβB におけ
る信号IB の差ΔIはΔI=2I0 sin(Δθ+σ)
となる。斯かる差ΔIがゼロとなるように位相制御され
る。このときΔθ+σ=0である。
【0080】本例によると、光ファイバループ3を伝播
する伝播光は図3Eに示すセロダイン波の位相差が生成
するように位相制御される。Δθ+σ=0のとき、セロ
ダイン波の波数を計数して位相差Δθが求められる。
【0081】
【実施例】図1は本発明による光ファイバジャイロの例
を示す。本例の光ファイバジャイロは、発光器1と受光
器2と光ファイバループ3と偏光子4とカプラ5、6と
電流電圧変換器7と位相制御器8’とを有し、更に、切
り換え信号発生部31と信号処理部32と積分器33と
バイアスセロダイン部34と角速度演算部35とを有す
る。更に、本例では発光器1に付属して光強度を監視す
るモニタ41が設けられている。
【0082】先ず、図2〜図3を参照して、本発明によ
る光ファイバジャイロの概念を説明する。本発明による
光ファイバジャイロでは、干渉光の光の強さ信号Iに生
ずる位相差ΔβがΔβ=−π/2とΔβ=+π/2に交
互に変化するように位相制御される。即ち、時間TA
はΔβA =−π/2、時間TB ではΔβB =+π/2と
なる。尚、時間TA 、TB は、伝播光が光ファイバルー
プ3を伝播するのに要する時間τより充分大きいものと
する。
【0083】従って、数3の式にこのΔβA 及びΔβB
を代入して、数16の式と同様な式が求められる。尚、
定数2E0 2=I0 と置く。
【0084】
【数18】 IA =I0 〔1+cos(Δθ+ΔβA )〕 =I0 〔1+cos(Δθ−π/2)〕 =I0 (1+sinΔθ) IB =I0 〔1+cos(Δθ+ΔβB )〕 =I0 〔1+cos(Δθ+π/2)〕 =I0 (1−sinΔθ)
【0085】これより、位相差がΔβA =−π/2のと
きとΔβB =+π/2のときの光の強さ信号Iの差ΔI
を求めると、数17の式と同様な式が求められる。
【0086】
【数19】 ΔI=IA −IB =I0 (1+sinΔθ)−I0 (1−sinΔθ) =2I0 sin(Δθ) ΔI/2=I0 sin(Δθ)
【0087】次に、図2を参照して説明する。図2は図
13と同様な図である。即ち、図2Aは数3の式のグラ
フであり、位相差xと光の強さIの関係を表すのによく
用いられる。斯かるグラフにて、横軸はx(=Δθ+Δ
β)、縦軸は光の強さI(x)即ちI(Δθ+Δβ)で
ある。図2Aの下側に示された図2B及び図2Cは横軸
(図2Aの縦軸方向)が時間、縦軸(図2Aの横軸方
向)がx(=Δθ+Δβ)である。図2Aの右側に示さ
れた図2D及び図2Eは横軸(図2Aの横軸方向)が時
間、縦軸(図2Aの縦軸方向)が光の強さIである。
【0088】図2Bはサグナック位相差Δθ=0の場合
の位相x(=Δθ+Δβ)の波形を示し、図2Cはサグ
ナック位相差Δθ≠0の場合の位相x(=Δθ+Δβ)
の波形を示す。図2Aの曲線上の丸印A、A’、B、
B’はそのときの動作点を示す。本例によれば、動作点
A、A’、B、B’は正弦波の勾配が大きい領域にて移
動するから、動作点が正弦波の勾配が小さい領域にて移
動する場合に比べてより良好な感度を得ることができ
る。図2Dはサグナック位相差Δθ=0の場合の光の強
さIを表し、同様に、図2Eはサグナック位相差Δθ≠
0の場合の光の強さIを表す。
【0089】図2B及び図2Dに示すように、サグナッ
ク位相差Δθ=0の場合には、x(=Δθ+Δβ=Δ
β)は上述のように時間TA 及びTB 毎に交互に−π/
2と+π/2に変化する矩形波だから、光の強さIは図
2Dに示すように(スポーク状の突起部を除いて)一定
値となる。
【0090】しかしながら、図2C及び図2Eに示すよ
うに、サグナック位相差Δθ≠0の場合には、図2Cに
示すように位相xの値は時間τ毎に交互にΔθ−π/2
とΔθ+π/2に変化し、このとき光の強さIは図2E
に示すように(スポーク状の突起部を除いて)時間TA
及びTB 毎に交互に変化する。
【0091】図2Eの矩形波がハイレベルにあるのは位
相x=Δθ+ΔβA =Δθ−π/2のときの光の強さI
A を表し、矩形波がロウレベルにあるのは位相x=Δθ
+ΔβB =Δθ+π/2のときの光の強さIB を表す。
従って、図2Eの矩形波のハイレベルとロウレベルの差
は、IA −IB に対応している。即ち、図2Eの矩形波
のハイレベルとロウレベルの差の大きさは数19の式の
右辺を表す。
【0092】図2D及び図2Eにて光の強さIの値が時
間TA 及びTB 毎にスポーク状の突起部を有するのは、
同様に、図2B及び図2Cの波形にて示すxの値がx=
Δθ+ΔβA とx=Δθ+ΔβB との間を変化するとき
に、図2Aの正弦波の上を動作点が、それぞれ、Aから
Bへ又はBからAへ及びA’からB’へ又はB’から
A’へ移動し、光の強さIが増加するからである。
【0093】次に図3を参照して本発明による位相制御
方式を説明する。本発明によると、図2Eの矩形波のハ
イレベルとロウレベルの差を求めて位相差Δθを演算す
る代わりに、光の強さ信号Iに更にランプ関数を用いて
位相差σを生成させる。斯かる場合、数18の式及び数
19の式の代わりに次の式が得られる。
【0094】
【数20】 IA =I0 〔1+cos(Δθ+ΔβA +σ)〕 =I0 〔1+cos(Δθ−π/2+σ)〕 =I0 〔1+sin(Δθ+σ)〕 IB =I0 〔1+cos(Δθ+ΔβB +σ)〕 =I0 〔1+cos(Δθ+π/2+σ)〕 =I0 〔1−sin(Δθ+σ)〕
【0095】
【数21】ΔI=IA −IB =2I0 sin(Δθ+
σ) ΔI/2=I0 sin(Δθ+σ)
【0096】図3Aは図2Eの矩形波に対応した光の強
さ信号Iのグラフを示す。即ち、光の強さ信号Iは時間
A 及びTB 毎に数20の式に示すIA とIB に変化す
る。数20の式より明らかなように、IA とIB の中間
の値はI0 である。次に図3Bに示すように、光の強さ
信号Iより定数I0 を減算することによって、時間T A
及びTB 毎に交互に−ΔI/2と+ΔI/2に変化する
矩形波信号ΔI/2が得られる。斯かる矩形波信号の振
幅ΔI/2は数21の式に示すように位相差Δθ+σの
関数である。
【0097】次に図3Cに示すように、時間TA におい
て、図3Bの矩形波信号ΔI/2の符号を反転する。そ
れによって図3Cに示すように、大きさ−ΔI/2に対
応した直流信号VD が得られる。
【0098】本例によると、斯かる直流信号VD =0と
なるようにフィードバック制御される。即ち、ランプ関
数を用いて位相差σが制御される。このとき、数21の
式の右辺はゼロとなる。即ちΔθ+σ=0である。従っ
て、本発明による光ファイバジャイロにおいてフィード
バックループの安定点では、
【0099】
【数22】Δθ=−σ
【0100】となる。尚、斯かる安定点近くではΔθ+
σ≒0として数21の式は次のように近似することがで
きる。
【0101】
【数23】ΔI=IA −IB ≒2I0 (Δθ+σ) ΔI/2≒I0 (Δθ+σ)
【0102】次に図3Dに示す如きセロダイン波形信号
S を生成する。斯かるセロダイン波形信号VS は図3
Aの光の強さ信号Iに基づいて生成される。即ち、セロ
ダイン波形信号VS は、時間TA では位相差IA に対応
した傾斜を有し、時間TB では位相差IB に対応した傾
斜を有し、2πにてリセットされる。図3Eに示すセロ
ダイン波形信号VM は図3Dに示すセロダイン波形信号
S を時間TA において符号を反転させたものである。
こうして得られたセロダイン波形信号VM は位相制御器
8’に供給される。
【0103】数13の式と同様に、次の式が成り立つ。
【0104】
【数24】Δθ+ΔβA =Δθ−π/2=−2πfA τ Δθ+ΔβB =Δθ+π/2=2πfB τ
【0105】fA 、fB はセロダイン波形信号の周波
数、τは光ファイバループ3を光が伝播するのに要する
時間である。周波数fA 、fB は次のように表される。
【0106】
【数25】fA =NA /TAB =NB /TB
【0107】NA 、NB はそれぞれ時間TA 、TB にお
けるセロダイン波形信号の波数である。
【0108】数24の式及び数25の式より位相差Δθ
を求めると次のようになる。
【0109】
【数26】 Δθ=πτ(fB −fA )=πτ(NB /TB −NA /TA
【0110】ここで例えば、TA =TB とする。
【0111】
【数27】Δθ=πτ(NB −NA )/TA
【0112】この位相差Δθを数1の式に代入して角速
度Ωを求める。
【0113】
【数28】Ω=λcτ(NB −NA )/2DLTA
【0114】再び図1を参照して、本発明による光ファ
イバジャイロの動作を詳細に説明する。切り換え信号発
生部31は時間TA 及びTB 毎に符号を切り換える符号
切り換え信号TA /TB を発生する。信号処理部32は
斯かる符号切り換え信号と電流電圧変換器7より出力さ
れた電圧信号VI とを入力して図3Cに示す直流信号V
D を生成する。
【0115】積分器33は直流信号VD を積分して位相
差σに対応した傾斜信号VR を生成し、バイアスセロダ
イン部34に供給する。バイアスセロダイン部34は切
り換え信号発生部31より出力された符号切り換え信号
A /TB と積分器33から出力された傾斜信号VR
を入力して図3Dに示すセロダイン波形信号VS と図3
Eに示すセロダイン波形信号VM とを生成する。図3D
に示すセロダイン波形信号VS は符号切り換え信号TA
/TB と共に角速度演算部35に供給され、図3Eに示
すセロダイン波形信号VM は位相制御器8’に供給され
る。
【0116】次に本発明による光ファイバジャイロの動
作を詳細に説明する。角速度Ωがゼロのとき、即ち上述
の式にてΔθ=0のとき、例えば数19の式のΔI=0
となる。図3Aの矩形波はI=I0 =一定となる。ま
た、図3D及び図3Eのセロダイン波形信号VS 、VM
の傾斜も一定となる。
【0117】このとき、光の強さ信号Iにランプ関数を
用いて位相差σを制御し、VD =0即ち数21の式の右
辺がゼロとなるように位相差σが制御される。
【0118】次に外力角速度Ωが作用したものとする。
それによって光の強さ信号Iに位相差Δθが生成され
る。このとき、上述のように、図2Aの正弦波のA点及
びB点付近に動作点を得るために光の強さ信号Iに位相
差Δβ=±π/2を生成し、更に、ランプ関数を用いて
位相差σを生成する。こうして信号処理部32によって
図3Cに示す直流信号VD が生成される。斯かる直流信
号VD の大きさは、数21の式によって表されるよう
に、当初、VD =−ΔI/2=−I0 sin(Δθ+
σ)である。
【0119】この値が積分器33に供給される。こうし
て、バイアスセロダイン部34によって図3Eに示すセ
ロダイン信号VM が生成される。斯かるセロダイン信号
Mは位相制御器8’に供給される。斯かるフィードバ
ックループによって、信号処理部32の出力信号VD
ゼロとなり、数22の式が成立することとなる。このと
き、角速度演算部35は図3Dに示すセロダイン信号V
S 及び符号切り換え信号TA /TB を入力し、その波数
A 、NB を計数する。最後に、角速度演算部35は数
28の式によって角速度Ωを演算する。
【0120】図4を参照して本例の信号処理部32の構
成及び動作を説明する。信号処理部32は加算器32−
1と第1の符号切り換え器32−2とフィルタ32−3
と第1の電圧発生器32−4とを有する。第1の電圧発
生器32−4はモニタ41より出力されたモニタ信号を
入力して数18の式の係数を表す定数信号I0 を生成す
る。数18の式の係数I0 は発光器1によって生成され
る光の強さによって変化するから、補正する必要があ
る。斯かる補正はモニタ41より出力されたモニタ信号
によってなされる。
【0121】加算器32−1は電流電圧変換器7より出
力された光の強さ信号Iに対応した電圧信号VI と第1
の電圧発生器32−4より出力された定数信号I0 に対
応した電圧信号Mを入力し、図3Bに示す矩形波信号Δ
I/2を生成する。斯かる矩形波信号ΔI/2は第1の
符号切り換え器32−2に供給され、第1の符号切り換
え器32−2は切り換え信号発生部31より出力された
符号切り換え信号TA/TB によって直流信号VD ’を
生成する。斯かる直流信号VD ’はフィルタ32−3に
供給され、図3Cに示す直流信号VD が生成される。斯
かる直流信号V D は第1の積分器33に供給される。
【0122】図5を参照して本例のバイアスセロダイン
部34の構成及び動作を説明する。バイアスセロダイン
部34は第2の符号切り換え器34−1と加算器34−
2と第2の電圧発生器34−3と第2の積分器34−4
とリセット回路34−5と2π基準器34−6と第3の
符号切り換え器34−7とを有する。第2の符号切り換
え器34−1は切り換え信号発生部31より出力された
符号切り換え信号TA/TB によって積分器33の出力
信号、即ち、位相差σに対応した傾斜信号VRの符号を
反転させる。
【0123】第2の加算器34−2は第2の電圧発生器
34−3より出力されたπ/2信号と第2の符号切り換
え器34−1の出力信号を加算する。それによってπ/
2±σに対応した傾斜信号を生成する。
【0124】第2の積分器34−4、リセット回路34
−5、2π基準器34−6は図9を参照して説明した従
来のセロダイン変調方式の光ファイバジャイロに使用さ
れている積分器16、リセット回路18及び2π基準器
19と同一てあってよい。こうして、第2の積分器34
−4からは図3Dに示すセロダイン波形信号VS が出力
される。斯かるセロダイン波形信号VS は第3の符号切
り換え器34−7を経由して図3Eに示すセロダイン波
形信号VM に変換される。
【0125】次に図6及び図7を参照して本発明の光フ
ァイバジャイロの第2の例を説明する。図6Aは図3A
に示す信号Iを拡大して示したものであり、図6Bは図
3Cに示す直流信号VD を拡大して示したものである。
図示のように、これらの信号は、時間TA 、TB 毎にス
ポーク状の突起を有する。斯かるスポーク状の突起を除
去するために、フィルタを設けてもよいが、本例では図
7に示すように、信号処理部32にホールド回路32−
5を設ける。斯かるホールド回路32−5は、斯かるス
ポーク状の突起が発生する直前の信号の値をホールド
し、所定の短い時間の間に斯かるホールドされた値を出
力する。それによって、第1の符号切り換え器32−2
には、スポーク状の突起を含まない、2つの値IA 、I
B のみが供給される。
【0126】以上本発明の実施例について詳細に説明し
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
【0127】例えば、上述の例では、干渉光Iに生成す
る位相差ΔβがΔβ=±π/2となるように位相制御さ
れたが、一般に、nを整数として、位相差ΔβがΔβ=
±(2n−1)π/2となるように位相制御されてよ
い。それによって入力角速度Ωが大きい場合にも正確な
ジャイロ信号が得られる。
【0128】図1は本発明の光ファイバジャイロの構成
例をブロック図として示したが、これは単なる例示であ
って、切り換え信号発生部31、信号処理部32、積分
器33、バイアスセロダイン部34、角度演算部35等
は適宜、CPU、記憶装置、A/D変換器、D/A変換
器等を組み合わせて構成してもよい。
【0129】また、図1に示すように、2つのカプラ
5、6、偏光子4、位相制御器8’等を別個の部材とし
て説明したが、これらの部品の幾つかを1つの光集積回
路によって置き換えてよい。
【0130】
【発明の効果】従来の位相変調方式及びセロダイン変調
方式の光ファイバジャイロでは同期検波器を使用する
が、本発明によると、同期検波器を使用しないから、ジ
ャイロ信号に同期検波器が発生するノイズに起因した誤
差が発生することを防止することができる利点がある。
【0131】本発明による光ファイバジャイロでは、位
相変調方式にて変調度制御に使用するための2倍波及び
4倍波検出用の同期検波器が不要となり、また交流ゲイ
ンを大きくする必要がある倍波キャンセル回路等を設け
る必要がないから、小型化及び低コスト化が可能となる
利点がある。
【0132】本発明による光ファイバジャイロでは、信
号処理部32の加算器32−1の出力側にホールド器3
2−5が設けられているから、位相差ΔβがΔβ=+π
/2から−π/2に又は−π/2から+π/2に変化す
るときに光の強さ信号Iに大きなパルスが発生しても、
斯かるパルスが除去された信号を供給することができる
利点がある。
【0133】本発明による光ファイバジャイロでは、発
光器1に付属して光の強さを監視するモニタ41が設け
られ、それによって光の強さ信号Iに含まれる定数I0
の値が補正されるから、発光器1によって出力される光
の強さが変化しても、正確なジャイロ信号を得ることが
できる利点がある。
【0134】本発明による光ファイバジャイロでは、第
2の符号切り換え器34−1によって第1の積分器33
の出力信号の符号が交互に変化させ、斯かる符号が交互
に変化する信号を第2の加算器34−2に入力するか
ら、第1の積分器33のバイアス誤差はキャンセルさ
れ、第2の加算器34−2にて斯かる第1の積分器33
のバイアス誤差が累積しない利点がある。
【0135】本発明による光ファイバジャイロでは、第
3の符号切り換え器34−7によって第2の積分器34
−4の出力信号の符号を交互に変化させ、斯かる符号が
交互に変化する信号を位相制御器8’に供給するから、
第2の積分器34−4のバイアス誤差はキャンセルさ
れ、位相制御器8’に供給される信号には斯かる第2の
積分器34−4のバイアス誤差は含まれない利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバジャイロの構成例を示す構
成図である。
【図2】本発明による光ファイバジャイロにおいて、光
の強さを表す信号と位相差との関係を示す説明図であ
る。
【図3】本発明による光ファイバジャイロにおいて、位
相制御に使用される矩形波及び鋸歯状波の例を示す波形
図である。
【図4】本発明による光ファイバジャイロの信号処理部
の構成例を示す図である。
【図5】本発明による光ファイバジャイロのバイアスセ
ロダイン部の構成例を示す図である。
【図6】本発明による光ファイバジャイロにおいて、位
相制御に使用する矩形波の一部詳細を示す波形図であ
る。
【図7】本発明による信号処理部の他の構成例を示す図
である。
【図8】従来の光ファイバジャイロ(位相変調方式)の
構成例を示す図である。
【図9】従来の光ファイバジャイロ(セロダイン変調方
式)の構成例を示す構成図である。
【図10】セロダイン変調方式における位相変調信号と
位相差信号の波形図である。
【図11】従来の光ファイバジャイロ(ディジタル変調
方式)の例を示す図である。
【図12】ディジタル変調方式における位相変調信号と
位相差信号の波形図である。
【図13】ディジタル変調方式における光の強さを表す
信号と位相差との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発光器 2 受光器 3 光ファイバループ 4 偏光子 5、6 カプラ 7 電流−電圧変換器 8 位相変調器 8’ 位相制御器 9 セロダイン変調器 11 信号発生器 12 同期検波器 15、16 積分器 17 カウンタ 18 リセット回路 19 2π基準器 21 タイミング信号発生器 22 位相変調信号発生部 23 A/D変換器 24 信号処理部 31 切り換え信号発生部 32 信号処理部 33 積分器 34 バイアスセロダイン部 35 角度演算部 41 モニタ
フロントページの続き (72)発明者 岡田 芳幸 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源である発光器と、光ファイバループ
    と、該光ファイバループ内を互いに反対方向に伝搬する
    第1の伝播光と第2の伝播光との間の位相を変化させる
    位相制御器と、上記第1の伝播光と第2の伝播光の干渉
    光を検出する受光器と、を有し、上記光ファイバループ
    がループの中心軸線周りに角速度Ωにて回転するとき上
    記干渉光の強さ信号Iに発生するサグナック位相差Δθ
    より上記角速度Ωを求めるように構成された光ファイバ
    ジャイロにおいて、 上記位相制御器によって上記干渉光の強さIの信号に第
    1の位相差Δβと第2の位相差σを生成し、上記第1の
    位相差Δβはnを整数として第1の動作点Δβ A =−
    (2n−1)π/2と第2の動作点ΔβB =+(2n−
    1)π/2に交互に変化し、それによって上記第1の動
    作点ΔβA における上記信号Iと上記第2の動作点Δβ
    B における上記信号Iの差ΔIがsin(Δθ+σ)に
    比例する信号として得られ、上記差信号ΔIがゼロとな
    るように上記第2の位相差σを制御し上記伝播光に位相
    フィードバックするように構成し、 上記第1及び第2の動作点の時間をそれぞれTA 、TB
    とするとき、該時間T A 、TB はそれぞれ一定であるこ
    とを特徴とする光ファイバジャイロ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ファイバジャイロにお
    いて、 上記位相制御器は、上記第1の位相差Δβと第2の位相
    差σの和が上記第1の動作点ではσ−(2n−1)π/
    2に比例した傾斜を有し振幅2πの鋸波状のセロダイン
    波となり上記第2の動作点ではσ+(2n−1)π/2
    に比例した傾斜を有し振幅2πの鋸波状のセロダイン波
    となるように、上記第1の伝播光と第2の伝播光の間の
    位相差を保持するように構成されていることを特徴とす
    る光ファイバジャイロ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光ファイバジャイ
    ロにおいて、 上記第1及び第2の動作点での上記セロダイン波の波数
    をそれぞれNA 、NBとするとき、上記サグナック位相
    差Δθは、τを上記伝播光が上記光ファイバループを伝
    播する時間として、 Δθ=πτ(NB /TB −NA /TA ) によって求められることを特徴とする光ファイバジャイ
    ロ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の光ファイバジ
    ャイロにおいて、 上記受光器より出力された上記干渉光の強さを表す信号
    Iを入力して上記差信号ΔIを生成し上記差信号ΔIの
    大きさを有する直流信号VD を生成する信号処理部と該
    信号処理部によって出力された直流信号VD を積分する
    積分器と該積分器の出力信号を入力して上記位相制御器
    に駆動信号を出力するバイアスセロダイン部と時間
    A 、TB 毎に符号切り換え信号を出力する切り換え信
    号発生部とを有することを特徴とする光ファイバジャイ
    ロ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光ファイバジャイロにお
    いて、 上記信号処理部は上記第1の動作点ΔβA における上記
    信号I(=IA )の値と上記第2の動作点ΔβB におけ
    る上記信号I(=IB )の値を交互に有する信号Iより
    定数I0 を減算する加算器と斯かる加算器の出力信号を
    交互に符号を反転させて上記直流信号VD を生成する第
    1の符号切り換え器とを有することを特徴とする光ファ
    イバジャイロ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の光ファイバジャイ
    ロにおいて、 上記バイアスセロダイン部は上記第1の積分器の出力信
    号を入力して交互に符号を反転させる第2の符号切り換
    え器と該第2の符号切り換え器の出力信号よりπ/2に
    対応した電圧信号を減算する第2の加算器と該第2の加
    算器の出力信号を入力しその値が2πに達したらリセッ
    トする第2の積分器と該第2の積分器の出力信号を交互
    に符号を反転させて上記セロダイン波を指示する信号を
    生成する第3の符号切り換え器とを有することを特徴と
    する光ファイバジャイロ。
  7. 【請求項7】 請求項4、5、又は6記載の光ファイバ
    ジャイロにおいて、 上記信号処理部は更に上記第1の加算器の出力信号を保
    持してそれを出力するホールド器を有し、該ホールド器
    は上記第1の動作点ΔβA と第2の動作点Δβ B の間で
    動作点が切り換えられるとき、所定の期間上記第1の加
    算器の出力信号をホールドして出力するように構成され
    ていることを特徴とする光ファイバジャイロ。
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