JPH08121292A - 内燃機関の補助空気制御装置 - Google Patents

内燃機関の補助空気制御装置

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JPH08121292A
JPH08121292A JP6255117A JP25511794A JPH08121292A JP H08121292 A JPH08121292 A JP H08121292A JP 6255117 A JP6255117 A JP 6255117A JP 25511794 A JP25511794 A JP 25511794A JP H08121292 A JPH08121292 A JP H08121292A
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auxiliary
valve
valve seat
internal combustion
combustion engine
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JP6255117A
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Mamoru Sumita
守 住田
Kenji Nakao
乾次 中尾
Osamu Matsumoto
修 松本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】全開故障時に内燃機関の過回転を招かず、全閉
時に空気の漏れがほとんどない、軸方向の長さを短縮で
き特性の安定した内燃機関の補助空気制御装置を得る。
また、全閉故障時にも内燃機関の始動や暖気運転・走行
を可能とし、かつ燃料を節約できる装置を得る。 【構成】可動鉄心118により駆動されるポペット弁体
129を有する電気式空気制御弁101と内燃機関の冷
却水温度に応答するバイメタル150により回動駆動さ
れる回動弁体147を有する回動式流量規制弁212と
を直列に配設し、かつバイメタル150により回動駆動
される補助弁体211を有し電気式空気制御弁101を
迂回する補助バイパス弁201を設け、回動式流量規制
弁212により最大流量を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のスロットル
弁を迂回する補助空気通路に設けられ、電気信号に応じ
て流量を制御する内燃機関の補助空気制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子制御燃料噴射式エンジンにおいて、
吸気通路のスロットル弁近傍にこれを迂回する補助空気
通路を設け、この補助空気通路の空気流量を電気的な制
御入力の大きさに応じて制御する比例流量制御弁が知ら
れている。
【0003】図32は、例えば特開平4−39475号
公報に記載された従来の比例流量制御弁を示す縦断面図
である。図において、ソレノイド装置10は次のように
構成されている。カバー11の内側に励磁コイル12が
設けられている。励磁コイル12は、円筒状のボビン1
3に巻回されたコイル14の外側に円筒状のケース15
を配設して、充填樹脂材16により外装成形されてい
る。なお、リード17がコイル14から絶縁ブッシュ1
8を介して後述の固定板20及びカバー11を図の上方
へ貫通して引き出されている。励磁コイル12は以上の
ように構成されている。
【0004】励磁コイル12の内周側には円筒状の非磁
性材よりなるスリーブ19が嵌装され、スリーブ19の
内側に固定板20に固定支持された固定鉄心21が配設
されている。スリーブ19の図における下端側はガイド
部材22を介してカバー11に支持されている。また、
ガイド部材22の端面には円環状のリブ23が設けられ
ている。
【0005】可動鉄心24は固定鉄心21と軸方向に間
隙を設けて対向してスリーブ19内に軸方向に移動可能
に配置されている。可動鉄心24の端部に小径部25が
一体に形成され、その内部に連通部26が設けられてい
る。固定鉄心21と可動鉄心24との間に固定鉄心21
の中心部に設けられたピン状のスプリングホルダ27に
支持されたリターンスプリング28が圧縮された状態で
挿入されている。可動鉄心24はスリーブ19内に軸方
向に摺動可能に、かつリターンスプリング28により励
磁コイル12による電磁吸引力と反対方向に、図32の
下方へ押圧された状態にある。ソレノイド装置10は、
以上のカバー11〜リターンスプリング28により構成
されている。
【0006】次に、バルブ本体30の構成について説明
する。ハウジング31には空気入口32と空気出口33
とが設けられ、ハウジング31の上方寄り内側にバルブ
シート34がハウジング31との間が気密になるように
して嵌合されている。なお、バルブシート34の中央部
には空気流通部35が設けられ空気入口32と空気入口
32とを連通している。空気流通部35の周縁はテーパ
状にされポペット弁体36と当接する。ポペット弁体3
6は空気流通部35の周縁と当接する側が球面状にさ
れ、可動鉄心24の小径部25に軸方向(図の上下方
向)に摺動可能に嵌合支持されている。
【0007】ポペット弁体36は、小径部25の先端部
に固定されたストッパ37により小径部25から脱落し
ないようにされている。なお、図示していないが、小径
部25の外周にはポペット弁体36の滑動を良くするた
めに四弗化エチレン樹脂が被覆されている。ポペット弁
体36と可動鉄心24との間にスプリング38が圧縮さ
れた状態で挿入されている。すなわち、ポペット弁体3
6はスプリング38を介してリターンスプリング28に
より押圧されバルブシート34に当接して空気流通部3
5を気密に封止している。スプリング38のばね力はリ
ターンスプリング28のそれよりも強く選定されてい
る。従って、スプリング38によるポペット弁体36と
ストッパ37との当接荷重は、リターンスプリング28
によるポペット弁体36とバルブシート34との当接荷
重よりも大きいので、全閉時にポペット弁体36とスト
ッパ37との間に隙間が生じない。
【0008】また、ハウジング31には図示のように調
整ねじ39が螺合され、調整ねじ39の先端部に支持さ
れたスプリングホルダ40とストッパ37との間にスプ
リング41が介装されている。スプリング41のばね定
数は、リターンスプリング28のばね定数よりも小さく
選定されており、付勢力の設定は、調整ねじ39を回転
させてスプリングホルダ40の位置を調整することによ
り行なわれる。スプリング41の付勢力の調整によりリ
ターンスプリング28の付勢力を減殺して可動鉄心24
が固定鉄心21に吸引されるときに必要な最小電磁吸引
力を設定するものである。
【0009】次に動作について説明する。コイル14に
リード17を介して所定の電流が通電されると、可動鉄
心24はリターンスプリング28のばね力に抗して固定
鉄心21の方向へ吸引される。可動鉄心24は、このと
きの電磁吸引力とリターンスプリング28のばね力とが
平衡した位置で停止する。すなわち、可動鉄心24のス
トロークは電磁吸引力に比例する。なお、発生する電磁
吸引力はコイル14に供給される電流を制御することに
より、この例では所定のパルス状電流のデュティ率を制
御することにより変化する。
【0010】以下、図33の特性図を参照しながら説明
する。コイル14に通電されいない状態では、リターン
スプリング28の力が、スプリング41の力に打勝ち、
ポペット弁体36をバルブシート34に押圧している。
コイル14へのパルス状電流のデュティ率DFを零から
増加させていくと可動鉄心24の電磁吸引力がリターン
スプリング28の付勢力に打ち勝って可動鉄心24が図
の上方へ移動を始める。従って、可動鉄心24の上方へ
の移動量が上記間隙以上になると、ポペット弁体36が
バルブシート34から離座し始める。この点が図33の
直線U上のA点(デュティ率DF1)である。すなわ
ち、空気入口32と空気出口33とが連通し、矢印IN
から矢印OUTへ空気が流れる。
【0011】さらに、デュティ率を増加させると可動鉄
心24の電磁吸引力が大きくなるので、可動鉄心24は
さらに図に上方へ移動する。可動鉄心は、このときの電
磁吸引力とリターンスプリング28の反力(正確にはス
プリング38及び41の弾性力を差引いたもの)と平衡
する位置にて停止する。このように、コイル14へ供給
されるパルス状電流のデュティ率に応じて、ポペット弁
体36のバルブシート34からの開離寸法が決る。流れ
る空気の量はポペット弁体36の開度に応じて決る。
【0012】この比例流量制御弁は、アイドルスピード
コントロールバルブ(以下ISCと称す)の機能と内燃
機関の冷間時の空気増量機能(ファストアイドル機能)
とを有するもので、制御は次のように行なわれる。比例
流量制御弁は、図示しない制御装置がエンジンのアイド
ル回転数を検出してアイドル回転数が所定値になるよう
にコイル14へ供給するパルス状電流のデュティ率を制
御する。また、電気負荷や空調機負荷等が加わった時に
も回転数の低下を防止し、目標回転数になるように上記
デュティ率DFを制御する。
【0013】また、空気増量機能としては、図示しない
測温抵抗体によりエンジンの冷却水温を検出して、この
水温に応じてエンジンの目標回転数を変更する。例えば
冷却水温度が−20〔℃〕のときは目標回転数を170
0〔rpm〕に制御する。すなわち、図33の特性図に
おいて直線U上のB点−D点間(デュティ率DF2〜D
F4、流量Q1〜Q3)にて制御される。エンジンの暖
機が完了して冷却水温が例えば80〔℃〕に達すると目
標回転数を700〔rpm〕に下げる。このときの制御
範囲は直線U上のA点−C点間(デュティ率DF1〜D
F3、流量0〜Q2)である。
【0014】一般に、この種の比例流量制御バルブにお
いては、摺動部の摩擦抵抗によるヒステリシスや、可動
部材によって伸縮させられる付勢ばねの弾性反発力のヒ
ステリシスを減少させるために、コイル14への通電を
ある一定の周波数で断続させ、そのON時間とOFF時
間の比率を変えて可動鉄心を微摺動させながら弁の開度
を制御するデュティ制御が行われる。あるいは、一定の
電流値(DC分)に変動(AC分)をもたせて可動鉄心
24を微摺動させるデイザ制御が用いられる。
【0015】従って、弁の低開度(低デュティ率)の領
域において、ポペット弁体36がストッパ37に離座及
び着座を繰り返すので、衝突による打音が発生し、ひい
ては流量特性に異常現象が発生する。上記の比例流量制
御弁は、スプリング38を介して可動鉄心24がポペッ
ト弁体36をバルブシート34に押圧するように構成し
て、スプリング38の弾性力により衝撃力を吸収して、
上記のように打音や流量特性の異常の発生を防止してい
る。
【0016】ところで、一般にバルブ構造がスプールタ
イプあるいはロータリタイプであるものは、摺動部で空
気通路面積を制御して流量を制御することになる。従っ
て、電源をオフにして通路を閉塞する位置に弁体を移動
させても、摺動部の間隙部からの漏れる漏れ流量を零に
することができない。間隙を小さくしていくと漏れ流量
は低減できるが、使用中の内燃機関からの吹返しガスに
よる油やカーボン等の付着や初期寸法のばらつき等を考
慮すると、円滑な摺動を確保するには必然的に許容でき
る最小間隙が決まってくる。
【0017】従って、ストロークや回転角に対して流量
を比例的に変化させやすいというスプールタイプやロー
タリタイプに特有の利点よりも、バルブを閉鎖している
ときの漏れ流量を低減することを優先させねばならない
場合には、これらのタイプのバルブは不都合であった。
つまり、内燃機関の補助空気流量の制御において、アイ
ドル運転状態で補助空気通路に空気を流す必要のない時
には、漏れ流量を零にして機関回転数を下げて燃料を節
約するのが望ましい。
【0018】特に、小排気量の車両においては、アイド
ル運転そのものに必要な空気流量の絶対値が小さいた
め、スロットルバルブの方からの漏れ流量だけでも内燃
機関のアイドル回転が確保できる場合がある。このよう
な場合には、上記のような補助空気通路からの漏れ流量
を零にし、不必要に内燃機関のアイドル回転数が上昇し
ないようにして燃料消費率を改善することが、強く望ま
れるところである。以上の理由により、上記のようなポ
ペットタイプの比例流量制御弁を用いて漏れ流量を低減
するのが望ましいと考えられる。
【0019】しかしながら、コイル14に通電する電流
のデュティ率制御によりISC機能と空気増量機を持た
せた場合、制御装置の故障等によりコイル14がデュテ
ィ率100〔%〕で励磁され続けた場合、つまり比例流
量制御弁が全開故障した場合、比例流量制御弁には図3
3のE点に相当する流量QMAXが流れる。このため、
エンジンの暖機中に過回転を引きおこすおそれがある。
また、コイル14が断線等によって励磁されず比例流量
制御弁が全閉故障した場合は、迂回する空気流量が零と
なるので、内燃機関の温度が低い時に始動不能となった
り、暖機途中における内燃機関の停止を招き、走行不能
となることがあった。
【0020】このような問題点を解決するために、提案
された補助空気制御装置として、例えば特開平5−16
23号公報に記載されたものがある。図34、図35
は、この補助空気制御装置を示すものであり、図34は
補助空気制御装置の構成を示す縦断面図、図35はエン
ジンの冷却水温と弁開度の関係を示す弁開度特性図であ
る。
【0021】補助空気制御装置は、電気信号の大きさに
応じて補助空気通路を開き、そこを流れる空気量を制御
する常閉型の電気式空気制御弁と、温度に応じて変位す
る感温駆動手段により駆動され、補助空気通路に流れる
空気量を高温になる程減少させる感熱式空気制御弁とを
一体的にして構成されている。
【0022】図34において、感熱式空気制御弁51は
次のように構成されている。上方側ハウジング52は円
筒状の形状を有し、内部に感温駆動手段である熱応動形
アクチュエータ53が圧入されている。熱応動形アクチ
ュエータ53はハウジング54、ハウジング55、サー
モワックス56、サーモワックス側ダイヤフラム57、
ゲル58、ラバーピストン59及び出口ロッド60によ
り構成されている。ハウジング54と上方側ハウジング
52との間にはエンジンの冷却水を循環させるジャケッ
ト61が形成されている。エンジンの冷却水は上方側ハ
ウジング52に設けられたニップル62からジャケット
61へ流入してエンジンの温度状態をサーモワックス5
6へ伝え、ニップル63から流出する。
【0023】ハウジング55の先端部(図の下方部)に
は、カップ状のスリーブ64が図の上下方向に移動可能
に装着されている。スリーブ64はリテーナ65を介し
て弁座66を支持している。弁座66は中央部に設けら
れた流入口67と放射方向に設けられた複数の流出口6
8を有している。弁座66は、スリーブ64との間に設
けられたばね69によりリテーナ65を介して図の下方
へ押圧されている。同時に、上方側ハウジング52に固
着されたリング70と弁座66の上端部に固着されたリ
テーナ65との間に介装されたばね71により上方へ押
圧されている。
【0024】なお、ばね69はばね71よりもばね力が
強くされている。また、ダイヤフラム72が弁座66と
上方側ハウジング52との間に設けられ、弁座66を軸
方向に移動可能にかつダイヤフラム72の上下の空間部
を気密に区切っている。そして、ばね69はばね71よ
りも強くされているので、サーモワックス56が感熱し
て膨脹することによりサーモワックス側ダイヤフラム5
7、ゲル58、ラバーピストン59介して出口ロッド6
0が図の下方へ押し出されると、スリーブ64、リテー
ナ65及び弁座66は一体となってばね71を圧縮しな
がら図の下方へ移動する。また、弁座66の下方への最
大移動量はスリーブ73に設けられたストッパ74によ
り規制している。感熱式空気制御弁51は以上のように
構成されている。なお、後述する出口側パイプ94は、
上方側ハウジング52に図示のように設けられている。
【0025】次に、電気式空気制御弁81は以下のよう
に構成されている。ソレノイド側ハウジング82には、
リニヤソレノイド83が収容されている。リニヤソレノ
イド83は、円筒状に巻回されたコイル84、このコイ
ル84の内側に配置された中空筒状の固定鉄心85、固
定鉄心85の中空部に設けられた軸受86を介して固定
鉄心85に軸方向に摺動自在に支持された可動軸87、
可動軸87に固着された可動鉄心88、軸受86と可動
鉄心88との間に挿入され可動鉄心88を図の上方へ押
圧するばね89、及び可動軸87の下端部に螺合され可
動軸87の上方への移動を規制するナット90により構
成されている。
【0026】さらに、可動軸87の上端部には弁部材9
1が弁座66の流入口67と対向するようにして螺合さ
れており、可動軸87、可動鉄心88と一体となって軸
方向(図の上下方向)に移動しうるようにされている。
また、ソレノイド側ハウジング82には入口側パイプ9
3が設けられ、図示しないエンジンのスロットル弁の上
流側と連通している。スロットル弁の上流側から流入す
る空気は入口側パイプ93、弁座の流入口67、流出口
68を経て上方側ハウジング52に設けられた出口側パ
イプ94から流出し、スロットル弁の下流側にてスロッ
トル弁を通過する空気と合流する。なお、電気式空気制
御弁81は、そのフランジ部を介して取付ねじ92によ
り感熱式空気制御弁51と一体にされて補助空気制御装
置を構成している。
【0027】次に動作について説明する。エンジンの冷
却水がニップル62から流入し、ハウジング54を介し
てサーモワックス56に熱を伝える。冷却水の温度が上
昇したとき、サーモワックス56はその温度に応じて膨
脹し、サーモワックス側ダイヤフラム57、ゲル58、
ラバーピストン59を介して出口ロッド60を軸方向に
下方へ移動させる。出口ロッド60がスリーブ64を押
圧すると、ばね69はばね71よりもばね力が強いの
で、スリーブ64、リテーナ65、弁座66が一体とな
って下方へ移動する。このとき、後述のコイル84は無
通電の状態にあり、可動鉄心88、弁部材91はばね8
9により上方へ付勢されて移動の上限である、ナット9
0が固定鉄心85の下端部に当接した位置、にて停止し
ている。従って、スロットル弁を迂回する空気流量は主
としてこのときの弁座66と弁部材91との間隙の大き
さ、すなわち流路面積の大きさにより制御される。
【0028】電気式空気制御弁81は、コイル84に制
御入力、すなわち所定の電流値及びデュティ率を有する
パルス状の電流を供給すると、デュティ率に応じた電磁
吸引力が固定鉄心85と可動鉄心88との間に発生す
る。従って、可動鉄心88はばね89のばね力に抗して
固定鉄心85に吸引され、可動鉄心88の電磁吸引力と
ばね力とが釣り合った位置で停止する。すなわち、弁部
材91と弁座66との間隙は供給される電流のデュティ
率に応じた大きさに制御され、デュティ率が大きくなる
に従い弁部材91と弁座66との間隙が大きくなり、流
路面積が増加するので、補助空気通路を通過する空気流
量は増加する。
【0029】以上のように、熱応動形アクチュエータ5
3により弁座66の位置をエンジンの(冷却水)温度が
低いときは上方寄りの位置に、エンジンの温度が高いと
きは下方寄りの位置に制御する。一方、リニヤソレノイ
ド83によりコイル84に供給する電流のデュティ率に
応じて、電流が大きい程弁部材91が弁座66から開離
するようにする。このようにして、同じデュティ率の電
流が供給されても、エンジンの温度が低いときは弁部材
91と弁座66との間隙が大きく、エンジンの温度が高
いときは弁部材91と弁座66との間隙が小さくなるよ
うに温度補償を行っている。
【0030】更に図35により上記動作を説明する。エ
ンジンの水温が低いとき、例えば0〔℃〕のときに、エ
ンジンを始動する場合について考える。このとき、電気
式空気制御弁81に通電されていないので、弁部材91
はナット90により規制される所定の位置に停止してい
る。冷時にはサーモワックス56は充分収縮しているた
め、弁座66は上方寄りに位置しており、弁部材91と
弁座66との間隔、つまり弁開度が大きいので、迂回す
る空気流量が多くなり、始動に充分な空気量が確保され
エンジンが良好に始動し、このときの空気量に応じたフ
ァストアイドリング状態に入る。始動後、冷却水温が上
昇するにともない、サーモワックス56が膨張して弁座
66を下方へ押し下げるので、弁座と弁部材91の間
隔、つまり図35に示されるように弁開度が小さくな
り、空気流量が減少する。空気流量の減少によりエンジ
ン回転数は減少する。温度が、60〔℃〕に達するとリ
ニヤソレノイド83に通電が開始され、予め定められア
イドル回転数、例えば700〔rpm〕を維持するよう
に制御される。
【0031】上記のようにして、エンジンの冷却水温に
応じて弁部材91の開度が制御される。従って、リニヤ
ソレノイド83の通電電流のデュティ率が100〔%〕
の状態となって弁部材91が全開となる全開故障や、デ
ュティ率0〔%〕となって弁部材91が駆動されない状
態の全閉故障が発生しても、低温時における始動不能や
高温時におけるエンジンの過回転を招くおそれがない。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図34
に示された従来の補助空気制御装置においては、弁座6
6が熱応動形アクチュエータ53によりリニヤソレノイ
ド83の軸方向に駆動されて温度補償を行う構成とされ
ているために、弁座66のリニヤソレノイドによる駆動
ストロークのほかに熱応動形アクチュアータによる駆動
ストロークを余分にとらねばならず、装置の軸方向寸法
が長くなり、内燃機関への取付に制約を受けるという問
題点があった。
【0033】また、補助空気制御装置において、特にア
イドル回転を制御する電気制御弁81部は電気信号によ
り微小な流量を厳密に制御する必要があるので、流量特
性のばらつきを小さくすることが好ましい。上記のよう
な図34に示された従来の補助空気制御装置において
は、弁座66が熱応動形アクチュエータ53によって軸
方向に駆動されるので、温度ヒステリシスやストローク
のばらつきが生じやすく、また機関に装着されたときに
振動により弁座66の位置変動が生じたり、スリーブ6
4とばね69との当接摩擦によるストローク変化により
弁座66の位置が経時変化し、特性が大きく変化するお
それがあった。
【0034】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、漏れ流量を小さくできるととも
に故障時にエンジンの過回転を招くおそれがなく、軸方
向寸法を短くでき取付性に優れ、特性が安定した内燃機
関の補助空気制御装置を得ることを目的とする。また、
あわせてエンジンの温度が低いときに故障した場合で
も、始動不能となるおそれのない内燃機関の補助空気制
御装置を得ることを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にか
かる内燃機関の補助空気制御装置は、補助空気通路に設
けられ電気信号に応答する電気的駆動手段によりハウジ
ングに固定された制御弁座に対して垂直な方向に駆動さ
れ制御弁座との間で駆動される方向と直角方向の閉鎖面
を形成する制御弁体により流量が制御される電気式空気
制御弁と、内燃機関の温度に応じて変位する感温駆動手
段によってハウジング内に設けられた規制弁座に対して
制御弁体の駆動方向と直角方向に回動駆動され規制弁座
との間で回動方向と平行な閉鎖面を形成する回動弁体に
より流路面積が制御され電気式空気制御弁と直列にされ
た回動式流量規制弁とを備え、補助空気通路に流れる空
気の最大流量を回動式流量規制弁により制限するように
したものである。
【0036】この発明の請求項2にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、電気的駆動手段を中空円筒状の駆動
コイルとこの駆動コイル内に収容され駆動コイルにより
軸方向に直線駆動される可動鉄心とにより構成し、この
可動鉄心により制御弁体を駆動するようにしたものであ
る。
【0037】この発明の請求項3にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、感温駆動手段をバイメタルとしたも
のである。
【0038】この発明の請求項4にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、バイメタルを螺旋状あるいはうずま
き状に形成して回動弁体の回動軸と同軸上に配置し、バ
イメタルの一方の端部を回動弁体に係合し、他方の端部
をハウジングに固定したものである。
【0039】この発明の請求項5にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、バイメタルの他方の端部をバイメタ
ルと同軸上にて回動しうるようにして設けられた調整部
材を介してハウジングに固定したものである。
【0040】この発明の請求項6にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、制御弁体を緩衝手段を介して電気的
駆動手段により駆動するようにしたものである。
【0041】この発明の請求項7にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、制御弁体を円錐形のポペットタイプ
のポペット弁体としたものである。
【0042】この発明の請求項8にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、制御弁座と規制弁座とを一体に形成
して複合弁座とし、この複合弁座をハウジングに装着し
たものである。
【0043】この発明の請求項9にかかる内燃機関の補
助空気制御装置は、ハウジングをアルミニウム材によ
り、複合弁座をポリフェニレンサルファイド材により、
形成さしたものである。
【0044】この発明の請求項10にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、感温駆動手段を補助空気通路から
隔離する隔離部材を設けたものである。
【0045】この発明の請求項11にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、隔離部材をハウジングと一体に設
けたものである。
【0046】この発明の請求項12にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、回動弁体と一体に隔離部材を形成
して回動体とし、隔離部材が感温駆動手段を補助空気通
路から隔離するようにして回動体をハウジングに装着し
たものである。
【0047】この発明の請求項13にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、隔離部材がハウジングとの間でラ
ビリンスシール部を形成して感温駆動手段を補助空気通
路から隔離するようにしたものである。
【0048】この発明の請求項14にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、ハウジングをアルミニウム材で、
回動弁体をポリフェニレンサルファイド材で、形成にし
たものである。
【0049】この発明の請求項15にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、回動式流量規制弁を電気式空気制
御弁の下流側に設け、かつ回動式流量規制弁の規制弁座
と回動弁体との間に所定の間隙を設けたものである。
【0050】この発明の請求項16にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、電気式空気制御弁を、可動鉄心の
端部に案内部を設けこの案内部に円錐形のポペット弁体
を軸方向に移動可能に装着しポペット弁体と可動鉄心と
の間に設けた弾性体を介してポペット弁体を駆動するよ
うにし、回動式流量規制弁の感温駆動手段を螺旋状ある
いはうずまき状に巻回されたバイメタルとし、このバイ
メタルの一方の端部を回動弁体に係合し、他方の端部を
ハウジングに固定したものである。
【0051】この発明の請求項17にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、ハウジング内に電気式空気制御弁
を迂回する迂回通路を設け、この迂回通路に感温駆動手
段によってハウジング内に設けられた補助弁座に対して
制御弁体の駆動方向と直角方向に回動駆動され補助弁座
との間で回動方向と平行な閉鎖面を形成する補助弁体に
より流量が制御される補助バイパス弁を設け、電気式空
気制御弁と補助バイパス弁とを流れる空気流量の和を回
動式流量規制弁により制限するようにしたものである。
【0052】この発明の請求項18にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、回動式流量規制弁の回動弁体と補
助バイパス弁の補助弁体とを一体に形成して回動体と
し、この回動体を感温駆動手段により回動駆動するよう
にしたものである。
【0053】この発明の請求項19にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、回動体が回動して補助バイパス弁
が全閉状態となった後さらに回動体が回動して最大空気
流量を補助バイパス弁の全閉時よりも小さい所定値に規
制しうるように回動体における補助弁体と回動弁体との
位置関係を設定したものである。
【0054】この発明の請求項20にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、回動式流量規制弁座と対向する回
動弁体の回動弁体対向面と、回動弁体の補助バイパス弁
座と対向する補助バイパス弁の回動弁体対向面とを、回
動軸に関して同心円筒面上に配置するとともに補助弁体
対向面の曲率半径を回動弁体対向面の曲率半径よりも小
さくしたものである。
【0055】この発明の請求項21にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、制御弁座と補助弁座とを一体に形
成し複合弁座とし、この複合弁座をハウジングに装着し
たものである。
【0056】この発明の請求項22にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、制御弁座から制御弁体と反対方向
に位置するように袋状の突出部を一体に突出させ、この
突出部に上記突出部内部と連通する連通孔を設けて補助
弁座としたものである。
【0057】この発明の請求項23にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、制御弁座から弁体と反対方向に位
置するように部分円筒状の板部材を一体に突出させ、上
記板部材の端部に回動軸の軸方向に切欠きを設けて補助
弁座としたものである。
【0058】この発明の請求項24にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、補助弁座と補助弁体との間に所定
の間隙を設けたものである。
【0059】この発明の請求項25にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、回動式流量規制弁を電気式空気制
御弁の下流側に設け、かつ回動式流量規制弁の規制弁座
と回動弁体との間に第1の間隙を設け、補助弁座と補助
弁体との間に上記第1の間隙よりも小さい第2の間隙を
設けたものである。
【0060】
【作用】請求項1にかかる内燃機関の補助空気制御装置
においては、電気式空気制御弁が電気信号に応じて補助
空気通路を流れる空気の量を制御し、内燃機関のアイド
ル回転数を制御する。一方、電気式空気制御弁と直列に
された回動式流量規制弁は、感温駆動手段によって回動
駆動される回動弁体により温度に応じて最大空気流量を
規制する。両弁が空気通路に直列に配設されているの
で、電気式空気制御弁が全開故障した場合に電気式制御
弁の全開時の流量のいかんにかかわらず回動式流量規制
弁により温度に応じて最大空気量を任意に制限して、内
燃機関の過回転を防止する。また、電気式空気制御弁と
直列にされた回動式流量規制弁により最大流量を制限す
るように構成されているので、回動式流量規制弁の回動
弁体の駆動に軸方向のストロークを要さず、軸方向の寸
法が短縮される。さらに、電気式空気制御弁は制御弁体
が閉鎖面に対して直角方向に駆動されるので制御弁体を
殆ど隙間なく制御弁座に当接させうるので、閉鎖時の空
気の漏れを殆どなくすことができる。両弁が空気通路に
直列に配設されているので、回動式流量規制弁の開度、
すなわち内燃機関の温度とは無関係に、電気式空気制御
弁を閉鎖すれば補助空気通路の空気流量を殆ど零にする
ことができる。従って、補助空気通路に空気を流す必要
のないときには、電気式空気制御弁を閉鎖して内燃機関
の回転数を下げて燃料の浪費を防止する。また、制御弁
座と回動弁座とをそれぞれ設けているので制御弁座は回
動弁座の影響を受けず、かつ制御弁座をハウジングに固
定しているので制御弁座の位置が変化することがないの
で特性が安定する。
【0061】請求項2にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、駆動コイルに通電する電流に応じた駆
動力が可動鉄心に働き制御弁体を駆動する。従って、駆
動コイルの電流を制御して、電気式空気制御弁の流通面
積を任意に調整して流量を制御できる。
【0062】請求項3にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、感温駆動手段をバイメタルとしたの
で、簡易な構成で回動弁を回動できる。
【0063】請求項4にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、バイメタルを螺旋状あるいはうずまき
状に形成して他方の端部をハウジングに固定しているの
で、一方の端部が温度に応じて回動する。この回動する
一方の端部により回動弁体が回動される構成であるの
で、回動弁体を回動する構成が簡易になる。
【0064】請求項5にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、調整部材を回動させることによりバイ
メタルを介して回動弁体の初期位置を容易に調整でき
る。
【0065】請求項6にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、制御弁体は緩衝手段により制御弁座に
押圧されるので、制御弁体の微小振動にともなう制御弁
体の制御弁座への衝突の繰返し現象が緩衝手段により緩
和され、打音や流量特性の異常の発生が防止される。
【0066】請求項7にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、制御弁体が円錐形をしたポペットタイ
プなので、閉鎖面における封止性能の確保が容易であ
る。従って、閉鎖時の漏れ量を小さくして、内燃機関の
回転を低下させることができる。
【0067】請求項8にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、制御弁座と規制弁座と一体に形成して
複合弁座としハウジングに装着しているので、複合弁座
の加工が容易で部品数も減少する。
【0068】請求項9にかかる内燃機関の補助空気制御
装置においては、アルミニウム材とポリフェニレンサル
ファイド材とは熱膨張係数が近いので、温度変化による
ハウジングと複合弁座との寸法誤差の発生を抑制でき
る。
【0069】この発明の請求項10にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、隔離部材が感温駆動手段を補助空
気通路から隔離するので、感温駆動手段が補助空気通路
を流れる空気に直接曝されて感温駆動手段の動作温度が
変動するのが軽減され、感温駆動手段の感知精度が向上
する。また、感温駆動手段は補助空気通路へ侵入する内
燃機関からの吹返しガスによる腐食から保護され、油や
カーボンの付着も避けられる。
【0070】この発明の請求項11にかかる内燃機関の
補助空気制御装置は、隔離部材をハウジングと一体に設
けたので、部品数が減少し、構成が簡易となる。
【0071】請求項12にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、回動弁体と一体に隔離部材を形成し
たので、部品数が減少し、構成が簡易となる。
【0072】請求項13にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、回動体の隔離部材とハウジングとの
間でラビリンスシール部を形成しているので、回動体と
ハウジングとの間の摩擦抵抗の増加を招かず、動作も安
定する。
【0073】請求項14にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、アルミニウム材とポリフェニレンサ
ルファイド材とは熱膨張係数が近いので、温度変化によ
る回動弁体と規制弁座との寸法関係が変化せず、特性が
安定する。
【0074】請求項15にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、下流側に設けられた回動式流量規制
弁は内燃機関からの吹返しガスに曝され吹返しガス中の
油やカーボン等が付着する割合が多いが、規制弁座と回
動弁体との間に所定の間隙を設けているので、油やカー
ボンの付着による動作不良を防止できる。
【0075】請求項16にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、弾性体をポペット弁体と可動鉄心と
の間に設けているので構成が簡易である。また、制御弁
体は弾性体の弾性力により制御弁座に押圧されるので、
制御弁体の制御弁座への衝突の繰返し現象が緩和され、
打音や流量特性に異常が発生するのを防止する。
【0076】請求項17にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、電気式空気制御弁を迂回して補助バ
イパス弁を流れる空気により電気式空気制御弁が全閉故
障した場合でも内燃機関に必要な最小流量が確保され
る。また、この最小流量は感温駆動手段によって駆動さ
れる補助弁体によって温度に応じて制御され、温度に応
じて内燃機関へ供給する空気の最小流量が調整される。
従って、温度に応じて内燃機関を所定の回転数に維持で
きる。すなわち、、電気式空気制御弁が故障しても低温
時においてエンジン停止を招かず、いわゆるリンプホー
ム機能が付加される。また、ハウジング内に電気式空気
制御弁を迂回する補助バイパス弁を設け、かつ感温駆動
手段を回動式流量規制弁と共用しているので、装置が小
型になる。なお、補助バイパス弁は、補助弁体を回動す
る形式であるため、全閉時においても若干の漏れがある
が、全体の流量に対する補助バイパス弁の流量の割合は
小さいので、エンジンの回転数上昇に及ぼす影響は小さ
い。
【0077】請求項18にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、回動式流量規制弁の回動弁体と補助
バイパス弁の補助弁体とを一体に形成して回動体とした
ので、部品数が減少する。
【0078】請求項19にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、回動体が回動して補助バイパス弁が
全閉になると電気式空気制御弁を迂回する空気の量は零
となる。その後回動体がさらに回動して、最大空気流量
を補助バイパス弁の全閉時よりも小さい所定値に規制す
る。従って、回動弁体と補助弁体とを一体に形成して回
動体としても、温度の関数としての回動式流量規制弁の
規制流量と補助バイパス弁を流れる空気流量とを別々の
温度特性を持つものにしてさまざまな流量特性を実現で
きる。
【0079】請求項20にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、補助バイパス弁の流量は小さくてよ
いので、補助弁体の補助弁座に対向する補助弁体対向面
の曲率半径を小さくされており、回動体の摩擦トルクが
小さい。
【0080】請求項21にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、複合弁座は制御弁座と補助弁座とを
一体に形成して、ハウジングに装着するので、弁座の加
工が容易となる。また、ハウジングはそのままで弁座の
大きさを変えることにより、流量の異なるものにするこ
とができる。
【0081】請求項22にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、補助弁座は袋状の突出部を制御弁座
から突出させたものであるので、補助弁座とハウジング
との間の封止が不要となり、構成が簡単になる。
【0082】請求項23にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、補助弁座は部分円筒状の板部材を制
御弁座から突出させ、かつ板部材に切欠きを設ければよ
いので、補助弁座の構成が簡単となり、製作も容易であ
る。
【0083】請求項24にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、補助弁座と補助弁体との間に所定の
間隙を設けているので、内燃機関からの吹返しガス中の
油やカーボン等の付着による動作不良を防止できる。
【0084】請求項25にかかる内燃機関の補助空気制
御装置においては、補助バイパス弁の方が回動式流量規
制弁よりも補助空気通路の上流側にあるので、内燃機関
から遠く、補助弁座と補助弁体との間の第2の間隙を小
さくしても内燃機関からの吹返しガス中の油やカーボン
等が付着する割合が小さい。従って、第2の間隙を小さ
くして閉鎖時の漏れ量を小さくし、補助空気通路に空気
を流す必要のないときに内燃機関の回転数の上昇を抑制
して燃料の浪費を防止する。また、回動式流量規制弁は
内燃機関に近い方に位置するので規制弁座と回動弁体と
の間の第1の間隙は大きいので、吹返しガスによる油や
カーボンの付着による動作不良を防止できる。
【0085】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図1〜図4につ
いて説明する。図1(a)は補助空気制御装置の軸方向
の断面を示す縦断面図、図1(b)は図1(a)の切断
面Ib−Ibにおける断面図である。図2は回動体の円
板部及び回動弁体の展開図、図3はバイメタルの外形
図、図4は動作特性図である。これらの図において、補
助空気制御装置は電気式空気制御弁101と後述の回動
式流量規制弁141とにより構成されている。電気式空
気制御弁101は次のように構成されている。ヨーク1
02は厚鋼板をコ状に曲げて形成され、その中央部内側
に固定鉄心103が嵌合されている。固定鉄心103は
図の下方部(先端部)がテーパ状にされ、中空部104
が設けられている。
【0086】ヨーク102の内側にはソレノイド105
が装着されている。電気的駆動手段としてのソレノイド
105は次のように構成されている。ボビン106は内
側にボビン貫通孔107が設けられ、外側にコイル10
8が巻回されている。コイル108から接続導体110
が引出されている。コイル108及び接続導体110を
樹脂材109により外装成形して一体とし端子部111
を形成し、コイル108の外周部は円筒形にされてい
る。
【0087】ソレノイド105は、ヨーク102と鋼板
にて製作された円板状の挾持部材112とにより軸方向
に挟恃固定されている。また、ソレノイド105のボビ
ン106と樹脂材109との境界部ーヨーク102間に
は円形ゴム製のOリング113が設けられている。コイ
ル108部に水等の侵入を防止し、また後述の入口側空
間部123と外部とを封止するためである。固定鉄心1
03の中空部104には調整ねじ114が螺合され、塵
埃、水等の侵入防止のために弾性材よりなる蓋115を
圧入して中空部104の上方の開口部を気密に封止して
いる。さらに、中空部104にはスプリングホルダ11
6が軸方向(図の上下方向)に移動可能に挿入され、コ
イル状のリターンスプリング117が保持されている。
【0088】ボビン貫通孔107には中空筒状の可動鉄
心118が固定鉄心103に対向させて軸方向に摺動可
能に挿入され、リターンスプリング117により図の下
方へ押圧されている。可動鉄心118の中空部にはパイ
プ119が圧入固着され、その先端部を拡大して拡管部
120が形成されている。パイプ119の外周には図示
しないが、四弗化エチレン樹脂が被覆され、後述のポペ
ット弁体129が円滑に滑動するようにされている。
【0089】次に、バルブ本体121の構成を説明す
る。ハウジング122はアルミダイキャストにて製作さ
れ、中央部に円形テーパ状の空気流通部126を有する
バルブシート125が締りばめ状態でほぼ気密に嵌着さ
れている。この制御弁座としてのバルブシート125に
より、ハウジング122の内部を入口側空間部123と
出口側空間部124とに区切っている。入口側空間部1
23に連通して空気入口127が、出口側空間部124
に連通して空気出口128が設けられている。
【0090】制御弁体としてのポペット弁体129は、
空気流通部126と当接する部分が球面状に形成された
当接部130を有し、先に述べた可動鉄心119に嵌着
されたパイプ119に軸方向に摺動しうるように嵌装さ
れている。ポペット弁体129と可動鉄心118との間
に圧縮された状態でコイル状のスプリング131が装着
され、ポペット弁体129を図の下方へ押圧している。
すなわち、ポペット弁体129は、スプリング131を
介してリターンスプリング117により押圧されバルブ
シート125に当接して空気流通部35を気密に封止し
ている。
【0091】なお、スプリング131のばね力はリター
ンスプリング117のそれよりも大きくされている。従
って、スプリング131によるポペット弁体129と拡
管部120との当接荷重は、スプリング117によるポ
ペット弁体119とバルブシート125との当接荷重よ
りも大きく、全閉時にポペット弁体129と拡管部12
0との間に隙間が生じないようにされている。また、調
整ねじ114を回転させることにより、リターンスプリ
ング117及びスプリング131の圧縮代を予め調整し
て、ポペット弁体129をバルブシート125に押圧す
る力が所定値になるようにしている。以上のように構成
されたバルブ本体121が、ねじ132によりヨーク1
02に固着され、電気式空気制御弁101と一体化され
て、電気式空気制御弁101か構成されている。
【0092】なお、バルブシート125の空気流通部1
26は円形テーパ状であり、ポペット弁体129の球状
の当接部130がこれに当接する。このため、ボビン貫
通孔107の周壁に摺動案内される可動鉄心118が軸
方向に若干傾いていても、その倒れを吸収して当接部1
30が空気流通部を気密に封止できる。また、パイプ1
19により固定鉄心103と可動鉄心118との間の空
間部と入口側空間部とを連通し、圧力の平衡が図り、可
動鉄心が円滑に移動しうるようにされている。
【0093】次に、回動式流量規制弁141の構成につ
いて説明する。ハウジング122の底部(図1の下部)
には、円柱状の支持ピン142がハウジング122と一
体に形成されている。回動体143は、円板状の円板部
144の中心部に設けられた支持筒部145と、支持筒
部145の外側に同軸に設けられ後述のバイメタル15
0を保持案内するバイメタル案内筒部146と、円板部
144の上方に一体に設けられ外周部の曲率半径がR1
の部分円筒状の回動弁体147とを有している。支持筒
部145が支持ピン142に回動可能に装着され、上端
部に装着された止め輪148により軸方向に上方に抜け
出ないようにされている。
【0094】空気出口128とハウジング122の内周
部とが交叉する部分は曲率半径R1+δ1の曲面加工が
なされ、回動弁体147の外周面と径方向に間隙寸法δ
1を設けて対向する規制弁座としての弁座部149とさ
れている(図1(b)参照)。上記間隙寸法δ1は、空
気出口128へ侵入する内燃機関のブローバイガスによ
るカーボンや油の付着により回動弁体147が弁座部1
49に固着する等の動作不良が発生するのを防止できる
よう比較的大きな寸法にされている。
【0095】また、永年的には回動体143の良好な回
動性を確保するため、間隙δ1に堆積したカーボンや油
等の付着物がかき出されるように、ハウジング122の
内周部と回動弁体147との間にδ1より充分大きい間
隙δ2(図1(b)参照)を設けている。なお、この回
動体143もアルミ製のハウジング122と熱膨脹係数
を合せるためにPPS樹脂にて一体成形されている。温
度変化に対し相互の寸法関係が安定する。
【0096】バイメタル150は、断面角形のバイメタ
ル素材を図4の外形図に示されるように螺旋状に巻回
し、両端部を中心に向って折り曲げてそれぞれフック部
151を形成したものである。このフック部151の一
方が、ハウジング122の底部に設けられた角穴状の係
合切欠152に挿入されてハウジング122に係止さ
れ、他方が回動体143の内側に設けられた係止部に挿
入固定されている。そして、バイメタル150の円周方
向の伸縮により一方のフック部151を固定点として他
方のフック部151が回動することにより回動体143
と一体形成された回動弁体147が回動する。ハウジン
グ122の図における右下方には、ジャケット153が
設けられ、図示しない冷却水出入口を介してエンジンの
冷却水が導入される。エンジンの冷却水の温度は、ジャ
ケット153を介してバイメタル150に伝達され、バ
イメタル150が円周方向に伸縮する。
【0097】次に動作について説明する。コイル108
に通電されていない状態では、可動鉄心118はリター
ンスプリング117により下方へ押し下げられている。
ポペット弁体129もスプリング131を介して下方へ
押圧され、当接部130が空気流通部126に当接して
空気の流通を阻止している。従って、空気入口127と
空気出口128間に空気の流通はない状態となってい
る。
【0098】コイル108に所定電流・所定デュティ率
のパルス状電流を供給すると、固定鉄心103と可動鉄
心118間に電磁吸引力が発生し、可動鉄心118が図
の上方へ吸引される。この吸引力の大きさは、コイル1
08に供給される電流のデュティ率に比例し、リターン
スプリング117の反発力と釣り合った位置で停止す
る。
【0099】以後、可動鉄心118の移動量に応じてポ
ペット弁体129がバルブシート125から離座して空
気入口127と空気出口128間が連通する。すなわ
ち、図4において、コイル108に供給する電流のデュ
ティ率がDF1を超えるとポペット弁体129がバルブ
シート125から離座を開始する。以後、電気式空気制
御弁101の空気の流量はデュティ率DFの増加に応じ
て図の直線Uの如く直線的に増加する。このとき、スプ
リング131の弾性力がポペット弁体129とバルブシ
ート125との間の衝撃力を吸収して、打音や流量特性
の異常の発生を防止するのは、図32に示された従来の
ものと同様である。。
【0100】次に回動式流量規制弁141の動作につい
て説明する。回動体143と弁座部149とによる流路
面積制御部は、空気入口127から空気出口128に至
る補助空気流路において、電気式空気制御弁101のバ
ルブシート125とポペット弁体129とによる流量制
御部よりも下流側に配設されており、回動体143の回
動により最大空気流量を制限する。
【0101】ジャケット153に供給されるエンジンの
冷却水温が低いとき、例えば−20〔℃〕以下のとき、
回動弁体147は図1(b)の一点鎖線で示される位
置、すなわち空気出口128に対して時計方向にほぼ完
全に外れた位置にあり、回動式流量規制弁141は全開
状態にある。なお、さらに温度が低下すると回動体14
3は図1(a)において上方からみて反時計方向(図1
(b)においては時計方向)に回動しようとするが、−
20〔℃〕以下においては図示しないストッパに当接し
て図1(b)の一点鎖線の位置で停止とする。
【0102】先に述べたように、コイル108に供給す
る電流のデュティ率DFを増加させると、図4の直線U
の如く流量も増加する。しかし、所定のデュティ率DF
4を超えると空気入口127から空気流通部126、空
気出口128に至る流路の抵抗により決まる最大流量Q
3に制限され、これ以上は増加しない(図4のD点参
照)。
【0103】エンジンが始動され暖機が進行すると、ジ
ャケット153に供給される冷却水温が次第に上昇す
る。従って、バイメタル150が加熱されてその巻き方
向に膨脹する。図の下方側のフック部151は係合切欠
152に係止されているので、他方のフック部151
(図の上方側)が図1(a)において上方からみて時計
方向(図1(b)においては反時計方向)に回動し、他
方のフック部151に係止された回動体143が時計方
向に回動する。この回動量はエンジンの冷却水温の温度
上昇にともない直線的に増加し、冷却水温が所定温度T
1例えば80〔℃〕に達すると円板部144は図1
(b)の実線で示される位置まで回動し、弁座部149
を半分閉じる。
【0104】この位置では、回動弁体147により流路
面積が半分に絞られるので、コイル108に供給する電
流のデュティ率を増加させてもDF3(図4のC点)以
上では流量がQ2に制限される。なお、冷却水温がT1
〔℃〕以上に上昇しても、回動体143は図示しない別
のストッパに当接するため、これ以上時計方向に回動す
るのを阻止される。なお、冷却水温が例えば20〔℃〕
の場合は、デュティ率がDF20(図4のF点)以上の
ときには流量Q20を超えないように制限される。
【0105】ここで、例えば図示しない電子式制御装置
(ECU)の故障で、コイル108がデュティ率100
〔%〕で励磁され続けた場合、いわゆる全開故障の場合
について考える。この場合、その時の温度に応じて、−
20〔℃〕ならば図4のD点で流量Q3、T1〔℃〕な
らばC点でQ2、その間の温度ではC−D間の所定の流
量に制限される。従って、回動式流量規制弁141によ
る最大流量を制限することにより、全開故障時のエンジ
ンの過回転や車両の暴走を防止することができる。
【0106】以上のように構成された補助空気制御装置
は、電気式空気制御弁と直列にされた回動式流量規制弁
により最大流量を制限するように構成しているので、回
動式流量規制弁の回動弁体の駆動に軸方向のストローク
を要さず、軸方向の寸法を短縮できる。さらに、電気式
空気制御弁101の開閉は閉鎖部材である弁体が閉鎖面
に対して垂直な開閉動作をするポペット弁体129によ
って行っている。従って、コイル108に通電されてい
ないときにはポペット弁体129が空気流通部126を
閉塞して空気の洩れを殆んど零とすることができる。従
って、エンジンの暖気が完了して、スロットルバルブの
方からの漏れ流量だけでもアイドル回転が確保できる場
合などにおいては、電気式空気制御弁を閉鎖して補助空
気通路の空気流量を零にして、エンジンの回転を下げ、
燃料の節約を図ることができる。
【0107】なお、回動式流量規制弁141は弁体が弁
座に沿って滑り動作(回動動作)をする回動体143に
より空気流路の断面積の制御を行っている。また、回動
弁体147と弁座部149との間に隙間δ1を設けて、
円滑な回動を確保している。従って、洩れが生じるが、
流路を完全に閉鎖するためのものではないので、問題は
ない。
【0108】また、この実施例においては電気式空気制
御弁101の制御弁座であるバルブシート125と回動
式流量規制弁141の規制弁座である弁座部149とが
それぞれ設けられているので、両制御弁が相互に影響し
あうことがなく、特性の調整も独立して行える。従っ
て、両制御弁の組合わせに制約を受けず製作の自由度が
大きく、調整も容易である。
【0109】実施例2.上記実施例1に示したものは、
コイル108が断線等により通電されなくなった場合に
電気式空気制御弁101、すなわち補助空気制御装置が
ほぼ完全に閉鎖されて全閉故障モードとなる。このた
め、エンジンへ供給される空気流量が不足し、エンジン
の冷間時の始動不能や暖機途中のエンジンの停止を招く
ことがある。 そこで、この実施例2はコイルに通電が
不能となった場合でも、始動不能やエンジンの停止を招
かないように、電気式空気制御弁に補助バイパス弁を設
けて、いわゆるリンプホーム機能を付加したものであ
る。
【0110】図5〜図10は、この発明の実施例2を示
すものであり、図5(a)は補助空気制御装置の縦断面
図、図5(b)は図5(a)の切断面Vb−Vbにおけ
る断面図である。図6は図5(a)の切断面VI−VI
における断面図、図7は回動体の円板部及び弁体部の展
開図である。図8は補助空気制御装置の特性を示す特性
図、図9は補助空気制御装置の温度と流量の関係を示す
温度特性図、図10は補助空気制御装置の実際の特性を
示す実特性図である。
【0111】これらの図において、補助バイパス弁20
1は次のように構成され、電気式空気制御弁101のバ
ルブシート125とポペット弁体129との開閉部を迂
回する迂回通路を形成する。複合弁座としての弁座20
2は、その円板状の円板部203の中央部に実施例1に
おけるのと同様空気流通部126が設けられている。ま
た、図5(a)の左方寄り下側に図の下方へ突出する袋
状の突出部204が突設されており、その内部に入口側
空間部123と連通する図示の如き円弧帯状のバイパス
穴205を有している(図5(b)参照)。そして、突
出部204の内周側が曲率半径(R2+δ3)の円弧状
面にされ後述の補助弁体211と間隙δ3をおいて対向
する補助弁座部206を構成している。
【0112】なお、突出部204には径方向に貫通する
ように外側孔207、内側孔208を設けて、バイパス
穴205を介して入口側空間部123と出口側空間部1
24とがしうるようにされている。弁座202は、PP
S樹脂により円板部203と突出部204とを一体に形
成し、空気流通部126、バイパス穴205、補助弁座
部206、外側孔207、内側孔208を設けている。
この弁座202が、上記実施例1におけるバルブシート
125と同様にしてハウジング122に緊嵌され気密状
態にされている。
【0113】補助弁体211は、外周部の曲率半径がR
2の円弧状面を有する板状であり、円板部144の左方
部に円板部144と一体に形成され、補助弁座部206
と間隙δ3を設けて対向している。この第2の間隙とし
ての間隙δ3は、回動式流量規制弁の弁座部149と回
動弁体147との第1の間隙としての間隙δ1よりも小
さくされている。また、補助弁体211の外周部の曲率
半径R2は、回動弁体147の外周径R1よりも小さく
されている。なお、円板部144、支持筒部145、回
動弁体147、補助弁体211はPPS樹脂で一体成形
して製作し、回動体212を構成している。さらに、補
助弁体211はハウジング122の内周部との間に永年
的に良好な回動性をうるため、間隙δ3に堆積した油や
カーボン等の付着物がかき出されるように、δ1及びδ
3よりも充分大きい間隙δ4を設けている(図5(b)
参照)。
【0114】以上のように弁座202〜補助弁体211
により補助バイパス弁201が構成され、補助バイパス
弁201により電気式空気制御弁101を迂回する迂回
通路が形成される。その他の構成については、図1に示
された実施例1と同様であるので、相当するものに同一
符号を付して説明を省略する。なお、補助弁体を回動駆
動する感温駆動手段としてのバイメタルおよび関連部分
は回動式流量規制弁におけるものを共用している。
【0115】次に、図8、図9を参照しながら動作につ
いて説明する。エンジンの冷却水温が−20〔℃〕以下
のときは、バイメタル150は最も縮んだ状態にあり、
回動体212、すなわち回動弁体147及び補助弁体2
11は図5(a)において図の上方からみて反時計方向
(図5(b)においては時計方向)に回動して図示しな
いストッパに当接して停止しており、図5(b)におい
て一点鎖線で示される位置にある。すなわち、回動式流
量規制弁141及び補助バイパス弁201はともに全開
状態にある。この状態でソレノイド105のデュティ制
御を行うと、デュティ率DF1以下では空気流通部12
6はポペット弁体129により閉鎖され電気式空気制御
弁101は全閉状態にあるが、補助バイパス弁201
(及び回動式流量規制弁141)が全開であるため、補
助バイパス弁201の流路抵抗によって決まる流量Q1
が流れる。
【0116】ソレノイド105のデュティ率を増加させ
ていくとこれに比例して電気式空気制御弁101を通過
する空気の流量が増加し、Q1に電気式空気制御弁10
1の流量を加えた空気量が流れる。しかし、所定のデュ
ティ率DF6を超えると電気式空気制御弁101と補助
バイパス弁201の両者の空気流量の和が回動式流量規
制弁141が全開時の許容通過空気流量よりも大きくな
るため、回動式流量規制弁141により流量Q3に制限
される。従って、デュティ率DFを制御したときの補助
空気制御装置の流量特性は図8の折れ線Vの如くなる。
【0117】エンジンの冷却水温が上昇するにともな
い、バイメタル150が膨脹して回動弁体147及び補
助弁体211が図5(a)において上方からみて時計方
向(図5(b)においては反時計方向)に回動する。そ
して、所定の温度T1、例えば80〔℃〕以上では図示
しないストッパに当接して、図5(b)の実線で示され
る位置にて停止する。すなわち、回動式流量規制弁14
1は半閉状態、補助バイパス弁201は全閉状態とな
る。この状態において、ソレノイド105のデュティ率
の制御を行うと、デュティ率DF1以下では流量0であ
り、デュティ率DF5以上では半閉状態の回動式流量規
制弁141によって最大流量がQ2に制限され、図8の
折れ線Wで示される如き流量特性となる。なお、図8で
は空気の流量特性V、Wを模式的に示したが、実際には
空気通路の圧損等により屈曲点は丸みを持った変化とな
り、図10に示される曲線VA、WAのようになる。
【0118】冷却水温が−20〔℃〕とT1〔℃〕との
中間では回動弁体147及び補助弁体211は図5
(b)の一点鎖線で示される位置と実線で示される位置
の間に在り、ソレノイド105のデュティ制御を行った
ときの流量特性はそのときの冷却水温に応じて折れ線V
とWとの間にある折れ線となる。実施例2における補助
空気制御装置は以上のように構成され動作するので、電
気式空気制御弁101が全閉あるいは全閉に近い状態で
故障した場合でも、そのときの冷却水温に応じて補助バ
イパス弁201により迂回流量0〜Q2を確保して、エ
ンジンの冷間時の始動不能や暖機途中のエンジンの停止
を招くことを防止し、支障なく目的地まで走行すること
ができる。つまり、いわゆるリンプホーム機能を付加で
きる。
【0119】もちろん、全開故障時の流量を温度に応じ
てQ2〜Q3に制限してエンジンの過回転や車両の暴走
を防止するのは、実施例1におけるのと同様である。な
お、エンジンの冷却水温がT1〔℃〕以上のときは、補
助バイパス弁201は全閉となるが、エンジンは実質的
に暖機が完了しており、この時点では電気式空気制御弁
101が全閉故障してもエンジンの停止が発生しないよ
うに設定されている。
【0120】さらに、回動式流量規制弁141の弁座部
149と回動弁体147との対向部分の面積及び補助バ
イパス弁201の補助弁座部206と補助弁体211と
の対向部の面積(図5(b)参照)を小さくして、エン
ジンからの吹きかえしガスによるカーボンやオイル等の
付着による回動不良の発生を防止している。また、補助
弁体211の全閉時に間隙δ3から洩れ流量を極力小さ
くするためにδ3はδ1に比し小さい値としている。一
方、回動式流量規制弁141は弁機構を全閉にすること
がなく、漏れがあっても支障がないので、カーボンやオ
イル等の付着による動作不良の防止に有利なようにδ1
を大きい値としている。
【0121】なお、補助バイパス弁201は、一部の空
気(流量Q1)を迂回させれば足りるので、補助弁座部
206、補助弁体211はその迂回させる流量に見合う
ものでよく、小さなものでよい。従って、補助弁体の外
周部の曲率半径R2を回動弁体の外周部の曲率半径R1
よりも小さくして補助弁座部206、補助弁体211の
対向面積を減少させてカーボンやオイルが付着したとき
の摩擦抵抗の増大を防止している。
【0122】また、低温時の空気流量は、電気式空気制
御弁101と電気式空気制御弁101を迂回する補助バ
イパス弁201との両者の空気量でまかなわれ、電気式
制御弁に全体の所要流量の80〔%〕、補助バイパス弁
に20〔%〕分担させている。従って、電気式空気制御
弁の容量はその分小さくてよく小形化できる。補助バイ
パス弁201は、補助弁体211を回動する形式である
ため、全閉時においても若干の漏れがあるが、全体の所
要流量の20〔%〕に対しての漏れであり、漏れ量が定
格流量の10〔%〕であるとすれば、全体に与える影響
は2〔%〕にとどまり、エンジンの回転数上昇に及ぼす
影響は小さい。
【0123】また、図5においては、弁座202は、袋
状の突出部204に外側孔207及び内側孔208を形
成する際、外側からピンを挿入して外側孔207及び内
側孔208を形成するように型を構成をしているので、
突出部204の外側に外側孔207が形成されている。
しかし、突出部204にピンを内側から挿入して内側孔
208を形成する型構成とすれば、外側孔207を無く
すことができる。なお、突出部204を円板部203か
ら袋状に突設させているので、この部分におけるハウジ
ング122との封止は不要であり、弁座202の円板部
203のハウジング122への装着部の封止だけで足り
る。
【0124】実施例3.さらに、この発明における他の
実施例を図11及び図12に示す。図11(a)は補助
空気制御装置の縦断面図、図11(b)は図11(a)
の切断面XIb−XIbにおける断面図、図12は補助
バイパス弁の補助弁座部を内周側から見た状態を示す展
開図である。これらの図において、複合弁座としての弁
座302は円板部203の中央部に図1の実施例におけ
るのと同様の空気流通部126が設けられており、左方
に下向きに内周側が半径(R2+δ3)の円弧状面にさ
れた部分円筒状の板状部303が円板部203から一体
に突設されている。
【0125】また、円板部203には図11(a)に示
される如く板状部303よりも左方に円板部203を貫
通して円弧帯状のバイパス孔304が設けられている。
板状部303にはその先端部(図11(a)、図12に
おける下方側)に角状の切り欠き305が設けられてい
る。このように構成された弁座302はPPS樹脂によ
り一体成形にて製作される。ハウジング122の内周部
に半径(R2+δ3)の円弧状面を有する弧状突設部3
06に扇形の凹設部307を設けている。この凹設部3
06に弁座302の板状部を位置させるようにして、弁
座302をハウジング122に図示の如く装着してい
る。そして、弁座302の板状部303と弧状突設部3
06とにより補助弁座としての補助弁座部308を形成
している(図12参照)。
【0126】なお、図示しないが、封止材により円板部
203のハウジング122への装着部及び板状部303
と弧状突設部306との間(図12におけるA部)を気
密に封止している。また、板状部303にて開口部に蓋
をされた凹設部307はバイパス通路309を構成し、
切り欠き305と弧状突設部306とにより流通孔31
0(図12)を形成している。補助弁座部308は実施
例2におけるのと同様に補助弁体211と間隙δ3を設
けて対向している。
【0127】この実施例3における補助バイパス弁30
1においては、空気入口127から流入した空気は、バ
イパス孔304、バイパス通路309、切り欠き305
(流通孔310)を通って空気出口128へ流出する。
このとき、補助弁座部308に対向しバイメタル150
の伸縮により回動される補助弁体211により流出口3
10の面積、つまり流路面積が制御される。補助空気制
御装置全体の動作については、上記実施例2と同様であ
るので説明を省略する。
【0128】弁座302をこのように構成することによ
り、実施例2における如く箱状の突出部204及びこれ
と連通する内側孔208(及び外側孔207)を設ける
ためのピンが不要となるので、型の構成が簡単となる。
また、成形時に型にピンのセットが不要になるので、樹
脂成形作業の工数を低減できる。
【0129】実施例4.図13、図14は、さらにこの
発明の他の実施例を示すものであり、図13(a)は縦
断面図、図13(b)は図13(a)の切断面XIII
b−XIIIbにおける断面図である。図14は、補助
弁座部を内周側から見て示す展開図である。これらの図
において、補助バイパス弁351は次のように構成され
ている。複合弁座としての弁座352は、円板部203
の左方部に円弧帯状のバイパス孔304を設けた円板状
のものである。仕切部材353はハウジング122の内
側にハウジング122と一体に形成され、空気通路35
4と出口側空間部124とに区切るとともに、内周側が
後述の補助弁座部357を構成している。
【0130】ハウジング122には四角形の外側孔35
5と内側孔356(図14参照)とが外部から出口側空
間部124へ貫通して設けられている。これは、アルミ
ダイキャストの型の構成の都合によるもので、外側孔3
55と内側孔356とはアルミダイキャスト時に外側か
ら角状ピンを挿入して形成する。なお、内側孔356が
空気通路354と出口側空間部124とを連通してい
る。このようにして仕切部材353に内側孔356を設
け、その内周面の曲率半径を(R2+δ3)として、こ
れを補助弁座としての補助弁座部357としている。補
助弁座部357は補助弁体211と径方向に間隙δ3を
おいて対向する。なお、外側孔355は黄銅製の栓31
0により気密に封止されている。
【0131】以上のように構成された補助バイパス弁3
51は、補助弁座部357に対向しバイメタル150に
より回動される補助弁体211により内側孔356の流
通面積が制御される。そして、補助バイパス弁351を
通過する空気の流量が制御される。補助空気制御装置全
体の動作については、図2に示された実施例1と同様で
あるので省略する。このように構成された補助空気制御
装置は、弁座352が円板状なので、弁座352の樹脂
成形の場合の型構成が非常に簡単になる。
【0132】上記実施例4では、空気通路354と連通
する外側孔355、内側孔356をハウジング122の
鋳造時に角状のピンを外側から挿入して形成するものを
示した。しかし、仕切部材354の内径側からピンを挿
入するように型を構成すれば、外側孔355は形成され
ず、栓358を不要とできる。
【0133】実施例5.図15は、さらにこの発明の他
の実施例を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)
は図15(a)の切断面XVb−XVbにおける断面図
である。図において、回動式流量規制弁401は次のよ
うに構成されている。複合弁座402は、突出部204
が設けられた板状部203に、さらに部分円筒状の板状
部403を一体に突設し、板状部403の中央部に四角
形の弁座穴404を設けている。
【0134】さらに、板状部403の内径側、回動弁体
147と対向する部分に弁座穴404を取り囲んで四角
形状に細い帯状に突出させた突出部405を設けてい
る。そして、突出部405が回動弁体147と対向する
部分を半径(R1+δ1)の弧状面にして、規制弁座と
しての空気出口側弁座406としている。なお、複合弁
座402は、板状部203、突出部204、板状部40
3、弁座孔404を取囲む帯状の突出部405を備え、
これらがPPS樹脂により一体に形成されている。その
他の構成については、図1あるいは図5に示された実施
例1あるいは実施例2と同様であるので、相当するもの
に同一符号を付して説明を省略する。上記のように構成
された回動式流量規制弁401は、バイメタル150に
より回動される回動弁体147が、弁座穴404の開口
面積を制御して冷却水温に応じて補助空気制御装置の最
大流量をQ2〜Q3に制限する。
【0135】実施例5においては、電気式空気制御弁1
01、補助バイパス弁201、回動式流量規制弁401
の各弁座をまとめて一個の複合弁座402として、樹脂
により一体成形加工しているので、製作が容易であり、
またハウジング122に弁座の加工が不要となるので、
加工費の低減が可能となる。また、複合弁座402の補
助弁座部206や空気出口側弁座406の寸法や形状を
変更すればハウジング122を共用して補助バイパス弁
201や回動式流量規制弁401の流量を任意に選定で
きるという利点がある。
【0136】実施例6.図16〜図20は、さらにこの
発明の他の実施例を示すものであり、図16(a)は縦
断面図、図16(b)は図16(a)の切断面XVIb
−XVIbにおける断面を示す断面図である。図17
は、図16(a)の切断面XVII−XVIIにおける
断面を示す断面図である。図18は回動体の円板部、回
動弁体、補助弁体及び突起部分の展開図、図19はデュ
ティ率と流量の関係を示す特性図、図20は温度と流量
の関係を示す温度特性図である。
【0137】これらの図において、回動体451は次の
ように構成されている。円板状の円板部452の下方中
央部に中空の支持筒部453が、その外側に同軸状にバ
イメタル150を案内するバイメタル案内筒部454が
設けられている。支持筒部453及びバイメタル案内筒
部454の一部が図16(a)の左半分に示されるよう
に一部軸方向に切り欠かれて切り欠き部455とされ、
バイメタル150の他方のフック部151が挿入されて
いる。円板部452の上方に外周面の曲率半径がR1の
部分円筒状の回動弁体456が突設され、内径側に補強
457が一体に設けられている。
【0138】また、円板部452の左方には、外周面の
曲率半径がR2のやはり部分円筒状の補助弁体458と
これを補強する補強459と突出部204に当接して反
時計方向への回動を阻止する突起460(図16(b)
参照)とが設けられている。回動体451は以上のよう
に構成されており、PPS樹脂により一体成形により製
作されている。そして、回動体451は、ハウジング1
22の内壁と円板部452の外周部との間にその全周に
亘ってわずかな間隙を設けてラビリンスシールを構成す
るようにして、支持ピン468により回動可能に支持さ
れている。このラビリンスシールにより出口側空間部1
24から区切られた下方の空間部は後述のバイメタル収
容部467とされ、バイメタル150を収容している。
ラビリンスシールを採用したのは、通路を流通する空気
にバイメタル150が直接曝され、バイメタル150の
温度が変動するのを防止するためと、吹返しガスによる
油やカーボンの付着による回動不良を防止し、また回動
の際の摩擦抵抗を低減するためである。
【0139】調整部材としてのホルダ461は、円板状
の蓋部462と、蓋部462から突出されバイメタル1
50を案内する案内筒部463と、案内筒部463の中
央部に設けられた穴464と、バイメタル150の一方
のフック部151が係合される切り欠き部465とを有
している。そして、ハウジング122の底部に設けられ
た開口部466に装着されている。穴464には支持ピ
ン468が圧入固定され、支持筒部453を回動自在に
支持している。
【0140】さらに、バイメタル150がバイメタル収
容部467に図16に示すように組み込まれ、バイメタ
ル案内筒部454と案内筒部463とに案内されるよう
に保持されている。また、一方のフック部151が切り
欠き部465に係合されてホルダ461を介してハウジ
ング122に固定され、他方のフック部151が切り欠
き部455に挿入されている。なお、補助弁体458は
図16(b)に示されるように内側孔208の周方向の
巾よりも広くされており、温度上昇にともない補助弁体
458が図16(b)において反時計方向(図16
(a)においては上方からみて時計方向)に回動して内
側孔208を完全に閉鎖した後もさらに反時計方向に回
動しうるようにされている。このため、回動弁体456
はさらに図16(b)において反時計方向に回動しう
る。
【0141】なお、突出部204は図5の実施例に示さ
れたものと同様のものであるが、突出半径が図16に示
されるように図5のものより若干小さくされている点が
異なる。以上のように構成され、補助バイパス弁469
は補助弁座部206と補助弁体458とにより、回動式
流量規制弁座部149と回動弁体456とにより、おの
おの流量が制御される。その他の構成については、図5
に示された実施例1と同様であるので、相当するものに
同一符号を付して説明を省略する。
【0142】次に、動作について説明する。ジャケット
153に流れるエンジンの冷却水温に応じてバイメタル
150が、巻回方向に伸縮する。温度上昇にともない回
動体451は図16(b)における反時計方向に回動さ
れる。ただし、図16(b)は温度が上昇して回動体4
51が反時計方向に回動して突起460が突出部204
に当接して停止している状態を示している。回動体45
1が反時計方向に回動すると、回動弁体456が弁座部
149の開口面積を、補助弁体458が内側孔207の
開口面積をそれぞれ減少させる。すなわち、回動弁体4
56が図5における実施例1の回動弁体147と同様に
機能し、補助弁体458が同じく補助弁体211と同様
に機能する。
【0143】補助弁体458は、冷却水温の上昇にとも
ない図16(b)において反時計方向に回動して、温度
T2(T2<T1)において内側孔208を完全に閉鎖
し、補助バイパス弁201の流量は零となる(図20の
折れ線S参照)。このとき、補助空気制御装置は、電気
式空気制御弁101のデュティ率制御により図19の折
れ線Qに示されるようにデュティ率DF1〜DF5間で
全体の流量が0〜Q2の範囲に制御される。デュティ率
がDF5を超えると、このときの回動式流量規制弁40
1、すなわち回動弁体456により制限される流路面積
により流量はQ2に制限される。
【0144】冷却水温がT2を超えると回動体451は
さらに反時計方向に回動し、温度T1に至って突起46
0が突出部204に当接してそれ以上は回動しない。こ
の間、回動式流量規制弁401は回動弁体456の回動
により更に流路面積が減少するので、全体の流量は、図
19、図20に示されるようにQ2からQ4に減少す
る。以上のように回動体451の回動に対して補助弁座
部206と補助弁体458、弁座部149と回動弁体4
56との位置関係を選ぶことにより、任意の流量特性を
得ることができる。
【0145】また、円板部452の外周部とハウジング
122の内壁との間隙を小さくして出口側空間部124
とバイメタル収容部467との間をラビリンスシールに
より封止することにより、空気入口127から空気出口
128へ通過する空気流にバイメタル150が直接触れ
ないようにしている。このため、バイメタル150が補
助空気通路を流れる空気流の温度の影響を受けず正確に
動作する。また、エンジンのブローバイガスが出口側空
間124からバイメタル収容部467へ流入しないの
で、バイメタル150の腐食を防止できる。なお、回動
体451をハウジング122(アルムニュウム材)と熱
膨張係数の近いPPS樹脂にて成形したので、円板部4
52とハウジング122との間の寸法の温度変化も小さ
い。従って、封止性能が安定し、感温駆動手段が確実に
補助空気通路から隔離される。
【0146】また、ホルダ461とハウジング122と
を別体にして穴464や切り欠き部465の加工をホル
ダ単体の状態で行えるようにして加工を容易にしてい
る。さらに、ホルダ461をハウジング122へ装着す
るときホルダ461を回動させてバイメタル150の回
転方向の初期位置、つまり回動体451の初期位置の調
整を行えるようにしている。
【0147】実施例7.図21〜図31は、さらにこの
発明の他の実施例を示すものであり、図21(a)は補
助空気制御装置の縦断面図、図21(b)は図(a)の
切断面XXIb−XXIbにおける断面を示す断面図で
ある。図22は補助弁座部を図21の矢印Z方向から見
て示す部分展開図である。図23は複合弁座の平面図、
図24は図23の切断面XXIV−XXIVにおける断
面図、図25は複合弁座とハウジングの仕切部との嵌合
部を示す断面図である。図26は回動体の平面図、図2
7は図26の切断面XXVII−XXVIIにおける回
動体の縦断面図、図28は回動体を図27の下方から見
て示す下面図である。図29はバイメタルホルダの平面
図、図30は図29の切断面XXX−XXXにおけるバ
イメタルホルダの断面を示す縦断面図、図31はバイメ
タルホルダを図30の下方から見て示す下面図である。
【0148】これらの図において、電気式空気制御弁1
01は図5の実施例2におけるものと同様のものである
が、この実施例では弾性部材の蓋115に代えて封止材
115aを用いている。補助バイパス弁500及び回動
式流量規制弁501は、次のように構成されている。複
合弁座502は、図23及び図24にその詳細を示すよ
うに、平板部503の図における左方に一体に突設され
た弧状の弧状部504を有している。弧状部504の周
方向両側には次に述べる仕切部材505と嵌合する嵌合
溝504aが設けられ、その内径は(R2+δ3)にさ
れている。なお、複合弁座502はPPS樹脂にて成形
されている。
【0149】仕切部材505はハウジング122の内側
にハウジングと一体に形成され、ハウジング122との
間に断面が円弧帯状のバイパス通路506(図21
(b))を形成している。また、仕切部材505には上
方から切り欠かれた切欠き507が設けられ(図22参
照)、内径側は半径(R2+δ3)の円弧状にされてい
る。そして、図22及び図25に示されるように複合弁
座502の弧状部504の嵌合溝504aが切欠き50
7に両者の間を気密にして圧入されている。このとき平
板部503の周囲がハウジング122に圧入されてこの
間においても気密が確保される。従って、複合弁座50
2をハウジング122に圧入することによって入口側空
間部123と出口側空間部124とが気密に区分され
る。なお、弧状部504の長さは切欠き507の深さよ
りも短くされ、両者にて補助弁座口508が形成され、
また弧状部504と仕切部材505により内径が(R2
+δ3)の補助弁座としての補助弁座部509が構成さ
れている(図22、図25参照)。
【0150】図21において、ハウジング122の下方
寄りに出口側空間部124と後述のバイメタル収容部5
26とを仕切る隔離部材521がハウジング122と一
体に設けられている。隔離部材521の上側中央部には
環状突設部522を設けて後述のオイルシール547を
収容する環状のオイルシール収容部523を形成してい
る。また、中心部に中空筒状の回動支持部524が設け
られ、回動支持部524の右方で隔離部材521の下側
には後述のバイメタルホルダ550と当接してバイメタ
ルの回動を制限する板状のストッパ525が設けられて
いる。以上のように仕切部材505、隔離部材521、
環状突設部522、回動支持部524及びストッパ52
5は、ハウジング122と一体にアルミダイカストにて
鋳造され、バイメタル収容部526と出口側空間部12
4とを仕切っている。
【0151】規制弁座としての弁座部531は、ハウジ
ングの図における右方の、空気出口128と出口側空間
部124が交差する部分の周辺部をその内径が(R1+
δ1)となるようにハウジングの内周部から内側へ寸法
δ2だけ突出させて形成されている。
【0152】回動体541は、図26〜28に示される
ように、円板部542の中央部下方に円柱状の回動軸5
43が設けられ、回動軸543の先端部544は位置決
め及び回り止めのために一部が平面状に切り欠かれてい
る。また、円板部542の外周部に回動弁体545及び
反対側に補助弁体546が円板部542と一体に設けら
れている。なお、回動弁体545の外周部の曲率半径は
R1、補助弁体546の外周部の曲率半径はR2にされ
ている。このような回動体541は、PPS樹脂にて一
体成形により製作されている。
【0153】そして、回動軸543がハウジング122
の回動支持部524に挿入され(図21)、回動弁体5
45、補助弁体546がそれぞれ弁座部531、補助弁
座部509と間隙δ1、δ3を設けて対向している。ま
た、オイルシール収容部523には回動軸543の周囲
にオイルシール547が装着され、出口側空間部124
から前述のバイメタル収容部526へ空気が流通しない
ように封止している。
【0154】バイメタルホルダ550は図29〜図31
に示されるように、PPS樹脂にて円形カップ状に成形
され、樹脂使用量及び重量の低減を図っている。バイメ
タルホルダ550の中央部には、回動軸543の先端部
544が挿入されるカット孔551と座ぐり部552が
設けられている(図30、図31)。また、バイメタル
150のフック部151の他方が挿入される縦溝553
が軸方向に設けられ、外周部554が螺旋状に巻回され
たバイメタル150を案内保持する。第1の放射状壁5
55と第2の放射状壁556との間にストッパ525が
入るようにされている。
【0155】このバイメタルホルダ550をバイメタル
収容部526に挿入し、そのカット孔551を回動支持
部524に挿入された回動軸543の先端部544にそ
の切欠きの位置を合わせて嵌合させ、先端部544を熱
かしめにより固定している。このとき、第1及び第2の
放射状壁555、556の間にストッパ525が位置す
るようにされている。
【0156】バイメタル150の一方のフック部151
は予め調整部材としてのホルダ560の溝561に挿入
固定されており、ホルダ560に固定されたバイメタル
150の他方のフック部151をバイメタルホルダ55
0の縦溝553に挿入してから、回動弁体545及び補
助弁体546の位置を弁座部531及び補助弁座部50
9の位置に合わせるようにホルダ560を回動調整した
後、ホルダ560をハウジング122に圧入し固着して
いる。
【0157】以上のように構成された補助空気制御装置
は、図16に示された実施例6と同様の動作をする。こ
のとき、エンジンの冷却水温が所定値、例えば−20
〔℃〕以下ではバイメタルホルダ550の第2の放射状
壁556がストッパ525に当接しそれ以上図21
(a)において上方からみて反時計方向(図1(b)に
おいては時計方向)に回動するのが阻止され、温度T1
〔℃〕以上では第1の放射状壁555がストッパ525
に当接しそれ以上時計方向に回動するのが阻止される。
また、バイメタル収容部526は、オイルシール547
により出口側空間部124から遮断されているので、補
助空気通路を流通する空気にバイメタル150が直接曝
されてバイメタル150の温度が変動するのが防止され
る。さらに、エンジンからの吹返しガスによる腐食及び
油やカーボンの付着による回動不良を防止できる。ま
た、回動の際の摩擦抵抗も低減できる。
【0158】以上の構成において、回動弁体の外周部の
曲率半径R1が補助弁体の外周部の曲率半径R2よりも
大きいものを示したが、これに限られるものではなく、
例えば両者の曲率半径を同じにしてもよい。さらに、バ
イメタル150をうずまき状に形成しても同様の動作を
実現することができ、この場合軸方向の長さを大幅に短
縮できる。また、図1〜図6の実施例において、止め輪
148の代りに支持ピン142に溝を形成してCリング
を装着することによって回動体143、回動体202、
回動体451、回動体507の抜け止めを行ってもよ
い。
【0159】以上の実施例においては、ハウジング12
2をアルミダイキャストにて製造するものを示したが、
これに限られるものではなく、樹脂材にて成形するもの
等であってもよい。また、弁座や回動体についても同様
にPPS以外の合成樹脂や金属材料であってもよい。さ
らに、図1、図5等の実施例において、電気式空気制御
弁101はスプリング131を介してポペット弁体12
9をバルブシート125に押圧するものを示したが、ス
プリング131を設けず、ポペット弁体129をバルブ
シート125に直接押圧するものであってもよい。
【0160】また、リニヤに制御するソレノイド105
の代りにステッパモータ、DCモータなどを用いてポペ
ット弁体129を軸方向に、すなわち制御弁座に向けて
操作するものやON−OFF信号によりソレノイドを制
御してポペット弁体129を制御弁座に接離させて制御
弁を全閉ー全開制御するデュティソレノイドであっても
よい。バイメタル150への熱供給手段についても、ヒ
ートコイルを利用するタイプでもよい。
【0161】
【発明の効果】この発明の請求項1にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、制御弁座に対して垂直な
方向に駆動されハウジングに固定された制御弁座との間
で駆動される方向と直角方向の閉鎖面を形成する制御弁
体により流量が制御される電気式空気制御弁と、内燃機
関の温度に応じて変位する感温駆動手段によって制御弁
体の駆動方向と直角方向に回動駆動され規制弁座との間
で回動方向と平行な閉鎖面を形成する回動弁体により流
路面積が制御される回動式流量規制弁とを備え補助空気
通路に流れる空気の最大流量を回動式流量規制弁により
制限するようにしたので、回動式流量規制弁の回動弁体
の駆動に軸方向のストロークを要さず、軸方向の寸法が
短縮され、取付の自由度が向上する。また、制御弁座は
ハウジングに固定されているので安定した特性がえられ
る。さらに、電気式空気制御弁を閉鎖すれば空気流量を
ほぼ零にでき、内燃機関の回転を下げて燃料を節約でき
る。
【0162】この発明の請求項2にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、電気的駆動手段を中空円筒
状の駆動コイルとこの駆動コイル内に収容され駆動コイ
ルにより軸方向に直線駆動される可動鉄心とにより構成
し、この可動鉄心により制御弁体を駆動するようにした
ので、、駆動コイルの電流を制御して、電気式空気制御
弁の流通面積を任意に調整して流量を制御でき、請求項
1の効果に加えて制御が容易である。
【0163】この発明の請求項3にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、感温駆動手段をバイメタル
としたので、従来用いられているサーモワックスより安
価で、構成も簡易となる。
【0164】この発明の請求項4にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、バイメタルを螺旋状あるい
はうずまき状に形成して回動弁体の回動軸と同軸上に配
置し、バイメタルの一方の端部を回動弁体に係合し、他
方の端部をハウジングに固定したので、簡易な構成で回
動弁を回動でき、装置を簡易にできる。
【0165】この発明の請求項5にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、バイメタルの他方の端部を
バイメタルと同軸上にて回動しうるようにして設けられ
た調整部材を介してハウジングに固定したので、回動弁
体の初期位置の調整が容易である。
【0166】この発明の請求項6にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、制御弁体を緩衝手段を介し
て電気的駆動手段により駆動するようにしたので、制御
弁体の微小振動にともなう制御弁体の制御弁座への衝突
の繰返し現象が緩衝手段により緩和され、打音や流量特
性の異常の発生が防止され、正常な流量特性を有する信
頼性の高い装置をうることができる。
【0167】この発明の請求項7にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、制御弁体を円錐形のポペッ
トタイプのポペット弁体としたので、閉鎖面における封
止性能の確保が容易で閉鎖時の漏れ量を殆どなくすこと
ができ、内燃機関の回転を下げて燃料の浪費を避けるこ
とができる
【0168】この発明の請求項8にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、制御弁座と規制弁座とを一
体に形成して複合弁座とし、ハウジングに装着したの
で、弁座の加工が容易で部品数を削減でき、安価にな
る。
【0169】この発明の請求項9にかかる内燃機関の補
助空気制御装置においては、ハウジングをアルミニウム
材により、複合弁座をポリフェニレンサルファイド材に
より、形成したので、温度変化によるハウジングと複合
弁座との寸法誤差の発生を抑制でき、温度変化に対し高
い安定性を確保できる。
【0170】この発明の請求項10にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、感温駆動手段を補助空気
通路から隔離する隔離部材を設けたので、感温駆動手段
が補助空気通路を流れる空気に直接曝されて感温駆動手
段の動作温度が変動するのが軽減され、感温駆動手段の
感知精度が向上する。また、補助空気通路へ侵入する内
燃機関からの吹返しガスによる腐食や油・カーボンの付
着が防止され、感温駆動手段の信頼性も向上する。
【0171】この発明の請求項11にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、隔離部材をハウジングと
一体に設けたので、請求項10の効果に加えて、構成も
簡易となる。
【0172】この発明の請求項12にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、回動弁体と一体に隔離部
材を形成して回動体とし、隔離部材が感温駆動手段を補
助空気通路から隔離するようにして回動体をハウジング
に装着したので、請求項10の効果に加えて、構成も簡
易となる。
【0173】この発明の請求項13にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、隔離部材がハウジングと
の間でラビリンスシール部を形成して感温駆動手段を補
助空気通路から隔離するようにしたので、回動体とハウ
ジングとの間の摩擦抵抗の増加を招かず、動作も安定
し、信頼性が向上する。また、構成も簡易である。
【0174】この発明の請求項14にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、ハウジングをアルミニウ
ム材で、回動弁体をポリフェニレンサルファイド材で、
形成にしたので、温度変化によるハウジングと回動弁体
との寸法誤差の発生を抑制でき、温度変化に対し高い安
定性を確保できる。
【0175】この発明の請求項15にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、回動式流量規制弁を電気
式空気制御弁の下流側に設け、かつ回動式流量規制弁の
規制弁座と回動弁体との間に所定の間隙を設けたので、
吹返しガス中の油やカーボンが規制弁座や回動弁体に付
着しても動作不良を招くことがなく、信頼性を向上させ
ることができる。
【0176】この発明の請求項16にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、電気式空気制御弁を、可
動鉄心の端部に案内部を設けこの案内部に円錐形のポペ
ット弁体を軸方向に移動可能に装着してポペット弁体と
可動鉄心との間に設けた弾性体を介してポペット弁体を
駆動するようにし、回動式流量規制弁の感温駆動手段を
螺旋状あるいはうずまき状に巻回されたバイメタルと
し、このバイメタルの一方の端部を回動弁体に係合し、
他方の端部をハウジングに固定したので、制御弁体の制
御弁座への衝突の繰返し現象を緩和し、打音や流量特性
に異常が発生するのを防止して、構成が簡易で、かつ正
常な流量特性を有する信頼性の高い装置をうることがで
きる。
【0177】この発明の請求項17にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、ハウジング内に電気式空
気制御弁を迂回する迂回通路を設け、この迂回通路に感
温駆動手段によってハウジング内に設けられた補助弁座
に対して制御弁体の駆動方向と直角方向に回動駆動され
上記補助弁座との間で回動方向と平行な閉鎖面を形成す
る補助弁体により流量が制御される補助バイパス弁を設
け、電気式空気制御弁と補助バイパス弁とを流れる空気
流量の和を回動式流量規制弁により制限するようにした
ので、電気式空気制御弁が全閉故障した場合でも、内燃
機関へは補助バイパス弁を経由して必要な最小流量を供
給でき、かつこの最小流量は感温駆動手段によって駆動
される補助弁体によって内燃機関の温度の応じて制御で
き、この結果、電気式空気制御弁が故障しても低温時に
おいてエンジン停止を招かない、いわゆるリンプホーム
機能を付加することができる。また、ハウジング内に電
気式空気制御弁を迂回する補助バイパス弁を設け、かつ
感温駆動手段を回動式流量規制弁と共用しているので、
装置が小型化になる。
【0178】この発明の請求項18にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、回動式流量規制弁の回動
弁体と補助バイパス弁の補助弁体とを一体に形成して回
動体とし、この回動体を感温駆動手段により回動駆動す
るようにしたので、部品数を削減でき、安価になる。
【0179】この発明の請求項19にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、回動体が回動して補助バ
イパス弁が全閉状態となったあとさらに回動体が回動し
て最大空気流量を補助バイパス弁の全閉時よりも小さい
所定値に規制するようにしたので、回動弁体と補助弁体
とを一体に形成して回動体としても、温度の関数として
の回動式流量規制弁の規制流量と補助バイパス弁を流れ
る空気流量とを別々の温度特性を持つものにしてさまざ
まな流量特性を実現でき、対応範囲が広くなる。
【0180】この発明の請求項20にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、回動式流量規制弁座と対
向する回動弁体の回動弁体対向面と、回動弁体の補助バ
イパス弁座と対向する補助バイパス弁の回動弁体対向面
とを、回動軸に関して同心円筒面上に配置するとともに
補助弁体対向面の曲率半径を回動弁体対向面の曲率半径
よりも小さくしたので、補助弁体の補助弁座に対向する
補助弁体対向面の曲率半径を小さくして回動体の摩擦ト
ルクを減少でき、動作不良を防止して信頼性の向上を図
ることができる。
【0181】この発明の請求項21にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、制御弁座と補助弁座とを
一体に形成し複合弁座とし、この複合弁座をハウジング
に装着したので、弁座の加工が容易となり、価格低減が
できる。また、ハウジングはそのままで弁座の大きさを
変えることにより、流量の異なるものに対応でき、標準
化が容易である。
【0182】この発明の請求項22にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、制御弁座から制御弁体と
反対方向に位置するように袋状の突出部を一体に突出さ
せ、この突出部に上記突出部内部と連通する連通孔を設
けて補助弁座としたので、補助弁座とハウジングとの間
の封止が不要となり、構成が簡単になり、安価になる。
【0183】この発明の請求項23にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、制御弁座から弁体と反対
方向に位置するように部分円筒状の板部材を一体に突出
させ、上記板部材の端部に回動軸の軸方向に切欠きを設
けて補助弁座としたので、板部材を突出させて切欠きを
設ければよく、補助弁座の構成が簡単となり、製作も容
易である。
【0184】この発明の請求項24にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、補助弁座と補助弁体との
間に所定の間隙を設けたので、内燃機関からの吹返しガ
ス中の油やカーボン等の付着による動作不良を防止で
き、信頼性を向上させることができる。
【0185】この発明の請求項25にかかる内燃機関の
補助空気制御装置においては、規制弁座と回動弁体との
間の第1の間隙よりも小さい第2の間隙を補助弁座と補
助弁体との間に設けたので、規制弁座よりも内燃機関か
ら遠く内燃機関からの吹返しガス中の油やカーボン等が
付着する割合が小さい補助弁座及び補助弁体両者間の間
隙を小さくして閉鎖時の漏れ量を少なくでき、補助空気
通路に空気を流す必要のないときに機関回転数の上昇を
抑制して、燃料の浪費を防止できる。また、第2の間隙
を大きくして、吹返しガスに油やカーボンの付着による
動作不良を防止し、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示すもので、図(a)
は縦断面図、図(b)は図(a)の断面Ib−Ibにお
ける断面図である。
【図2】 この発明の一実施例における回動体の円板部
及び回動弁体の展開図である。
【図3】 この発明の一実施例におけるバイメタルを示
す外形図である。
【図4】 この発明の一実施例における流量特性を示す
動作特性図である。
【図5】 この発明の他の実施例を示すもので、図
(a)は縦断面図、図(b)は図(a)の切断面Vb−
Vbにおける断面図である。
【図6】 この発明の他の実施例を示すもので、図5
(a)の切断面VI−VIにおける断面図である。
【図7】 図5の実施例における回動体の円板部及び回
動弁体の展開図である。
【図8】 図5の実施例におけるデュティ率と流量との
関係を示す特性図である。
【図9】 図5の実施例における温度と流量との関係を
示す温度特性図である。
【図10】 図5の実施例における実際の特性を示す実
特性図である。
【図11】 この発明の他の実施例を示すもので、図
(a)は縦断面図、図(b)は図(a)の切断面XIb
−XIbにおける断面図である。
【図12】 図11の実施例における補助弁座部を内周
側から見た状態を示す展開図である。
【図13】 この発明の他の実施例を示すもので、図
(a)は縦断面図、図(b)は図(a)の切断面XII
Ib−XIIIbにおける断面図である。
【図14】 図13の実施例における補助弁座部を内周
側から見た状態を示す展開図である。
【図15】 この発明の他の実施例を示すもので、図
(a)は縦断面図、図(b)、図(a)の切断面XVb
−XVbにおける断面図である。
【図16】 この発明の他の実施例を示すもので、図
(a)は縦断面図、図(b)は図(a)の切断面XVI
b−XVIbにおける断面図である。
【図17】 図16(a)の切断面XVII−XVII
における断面図である。
【図18】 図16の実施例における回動体の円板部、
回動弁体、補助弁体及び突起部分の展開図である。
【図19】 図16の実施例におけるデュティ率と流量
との関係を示す温度特性図である。
【図20】 図16の実施例における温度と流量との関
係を示す特性図である。
【図21】 この発明の他の実施例を示すもので、図
(a)は縦断面図、図(b)は図(a)の切断面XXI
b−XXIbにおける断面図である。
【図22】 補助弁座部を図21の矢印Z方向から見て
示す部分展開図である。
【図23】 図21の実施例における複合弁座の平面図
である。
【図24】 図23の切断面XXIV−XXIVにおけ
る断面図である。
【図25】 図21の実施例における複合弁座とハウジ
ングの仕切部材との嵌合部を示す断面図である。
【図26】 図21の実施例における回動体の平面図で
ある。
【図27】 図26の切断面XXVII−XXVIIに
おける回動体の縦断面図である。
【図28】 回動体を図27の下方から見て示す下面図
である。
【図29】 図21の実施例におけるバイメタルホルダ
の平面図である。
【図30】 図29の切断面XXX−XXXにおけるバ
イメタルホルダの断面を示す縦断面図である。
【図31】 バイメタルホルダを図30の下方から見て
示す下面図である。
【図32】 従来の比例流量制御弁を示す縦断面図であ
る。
【図33】 従来の比例流量制御弁の特性を示す特性図
である。
【図34】 従来の補助空気制御装置を示す縦断面図で
ある。
【図35】 従来の補助空気制御装置の特性を示す弁開
度特性図である。
【符号の説明】
101 電気式空気制御弁 108 コイル 118 可動鉄心 125 バルブ
シート 127 空気入口 128 空気出
口 129 ポペット弁体 141 回動式
流量規制弁 143 回動体 147 回動弁
体 149 弁座部 150 バイメ
タル 201 補助バイパス弁 202 弁座 204 突出部 206 補助弁
座部 211 補助弁体 301 補助バ
イパス弁 302 弁座 308 補助弁
座部 351 補助バイパス弁 352 弁座 357 補助弁座部 401 回動式
流量規制弁 402 複合弁座 406 空気出
口側弁座 451 回動体 452 円板部 456 回動弁体 458 補助弁
体458 467 バイメタル収容部 469 補助バ
イパス弁 470 回動式流量規制弁 500 補助バ
イパス弁 501 回動式流量規制弁 502 複合弁
座 509 補助弁座部 521 隔離部
材 531 弁座部 541 回動体 545 回動弁体 546 補助弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 35/00 C F02D 33/00 318 F

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気通路のスロットル弁を迂
    回する補助空気通路を有するハウジングと、上記補助空
    気通路に設けられ電気信号に応答する電気的駆動手段に
    より上記ハウジングに固定された制御弁座に対して垂直
    な方向に駆動され上記制御弁座との間で駆動される方向
    と直角方向の閉鎖面を形成する制御弁体により流量が制
    御される電気式空気制御弁と、上記内燃機関の温度に応
    じて変位する感温駆動手段によって上記ハウジング内に
    設けられた規制弁座に対して上記制御弁体の駆動方向と
    直角方向に回動駆動され上記規制弁座との間で回動方向
    と平行な閉鎖面を形成する回動弁体により流路面積が制
    御され上記補助空気通路に対して上記電気式空気制御弁
    と直列に設けられた回動式流量規制弁とを備え、上記補
    助空気通路に流れる空気の最大流量を上記回動式流量規
    制弁により制限する内燃機関の補助空気制御装置。
  2. 【請求項2】 電気的駆動手段を中空円筒状の駆動コイ
    ルとこの駆動コイル内に収容され上記駆動コイルにより
    軸方向に直線駆動される可動鉄心とにより構成し、この
    可動鉄心により制御弁体を駆動するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の補助空気制御装置。
  3. 【請求項3】 感温駆動手段をバイメタルとしたことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の補
    助空気制御装置。
  4. 【請求項4】 バイメタルを螺旋状あるいはうずまき状
    に形成して回動弁体の回動軸と同軸上に配置し、バイメ
    タルの一方の端部を回動弁体に係合し、他方の端部をハ
    ウジングに固定したことを特徴とする請求項3記載の内
    燃機関の補助空気制御装置。
  5. 【請求項5】 バイメタルの他方の端部をバイメタルと
    同軸上にて回動しうるようにして設けられた調整部材を
    介してハウジングに固定したことを特徴とする請求項4
    記載の内燃機関の補助空気制御装置。
  6. 【請求項6】 制御弁体を緩衝手段を介して電気的駆動
    手段により駆動するようにしたことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の補助空気制御
    装置。
  7. 【請求項7】 制御弁体を円錐形のポペットタイプのポ
    ペット弁体としたことを特徴とする請求項6記載の内燃
    機関の補助空気制御装置。
  8. 【請求項8】 制御弁座と規制弁座とを一体に形成して
    複合弁座とし、この複合弁座をハウジングに装着したこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内
    燃機関の補助空気制御装置。
  9. 【請求項9】 ハウジングをアルミニウム材により、複
    合弁座をポリフェニレンサルファイド材により、形成し
    たことを特徴とする請求項8記載の内燃機関の補助空気
    制御装置。
  10. 【請求項10】 感温駆動手段を補助空気通路から隔離
    する隔離部材を設けたことを特徴とする請求項1〜9の
    いずれか1項に記載の内燃機関の補助空気制御装置。
  11. 【請求項11】 隔離部材をハウジングと一体に設けた
    ことを特徴とする請求項10記載の内燃機関の補助空気
    制御装置。
  12. 【請求項12】 回動弁体と一体に隔離部材を形成して
    回動体とし、上記隔離部材が感温駆動手段を補助空気通
    路から隔離するようにして上記回動体をハウジングに装
    着したことを特徴とする請求項10記載の内燃機関の補
    助空気制御装置。
  13. 【請求項13】 隔離部材がハウジングとの間でラビリ
    ンスシール部を形成して感温駆動手段を補助空気通路か
    ら隔離することを特徴とする請求項12記載の内燃機関
    の補助空気制御装置。
  14. 【請求項14】 ハウジングをアルミニウム材で、回動
    弁体をポリフェニレンサルファイド材で、形成したこと
    を特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の内
    燃機関の補助空気制御装置。
  15. 【請求項15】 回動式流量規制弁を電気式空気制御弁
    の下流側に設け、かつ回動式流量規制弁の規制弁座と回
    動弁体との間に所定の間隙を設けたことを特徴とする請
    求項1〜14のいずれか1項に記載の内燃機関の補助空
    気制御装置。
  16. 【請求項16】 電気式空気制御弁を、可動鉄心の端部
    に案内部を設けこの案内部に円錐形のポペット弁体を軸
    方向に移動可能に装着し上記ポペット弁体と上記可動鉄
    心との間に設けた弾性体を介して上記ポペット弁体を駆
    動するようにし、回動式流量規制弁の感温駆動手段を螺
    旋状あるいはうずまき状に巻回されたバイメタルとし、
    このバイメタルの一方の端部を回動弁体に係合し、他方
    の端部をハウジングに固定したことを特徴とする請求項
    2記載の内燃機関の補助空気制御装置。
  17. 【請求項17】 ハウジング内に電気式空気制御弁を迂
    回する迂回通路を設け、この迂回通路に感温駆動手段に
    よってハウジング内に設けられた補助弁座に対して制御
    弁体の駆動方向と直角方向に回動駆動され上記補助弁座
    との間で回動方向と平行な閉鎖面を形成する補助弁体に
    より流量が制御される補助バイパス弁を設け、電気式空
    気制御弁と補助バイパス弁とを流れる空気流量の和を回
    動式流量規制弁により制限するようにしたことを特徴と
    する請求項1〜16のいずれか1項に記載の内燃機関の
    補助空気制御装置。
  18. 【請求項18】 回動式流量規制弁の回動弁体と補助バ
    イパス弁の補助弁体とを一体に形成して回動体とし、こ
    の回動体を感温駆動手段により回動駆動するようにした
    ことを特徴とする請求項17に記載の内燃機関の補助空
    気制御装置。
  19. 【請求項19】 回動体が回動して補助バイパス弁が全
    閉状態となった後さらに回動体が回動して最大空気流量
    を補助バイパス弁の全閉時よりも小さい所定値に規制し
    うるように回動体における補助弁体と回動弁体との位置
    関係を設定したことを特徴とする請求項18記載の内燃
    機関の補助空気制御装置。
  20. 【請求項20】 回動式流量規制弁座と対向する回動弁
    体の回動弁体対向面と、回動弁体の補助バイパス弁座と
    対向する補助弁体の補助弁体対向面とを、回動軸に関し
    て同心円筒面上に配置するとともに補助弁体対向面の曲
    率半径を回動弁体対向面の曲率半径よりも小さくしたこ
    とを特徴とする請求項18記載の内燃機関の補助空気制
    御装置。
  21. 【請求項21】 制御弁座と補助弁座とを一体に形成し
    複合弁座とし、この複合弁座をハウジングに装着したこ
    とを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載
    の内燃機関の補助空気制御装置。
  22. 【請求項22】 制御弁座から制御弁体と反対方向に位
    置するように袋状の突出部を一体に突出させ、この突出
    部に上記突出部内部と連通する連通孔を設けて補助弁座
    としたことを特徴とする請求項21記載の内燃機関の補
    助空気制御装置。
  23. 【請求項23】 制御弁座から制御弁体と反対方向に位
    置するように部分円筒状の板部材を一体に突出させ、上
    記板部材の端部に回動軸の軸方向に切欠きを設けて補助
    弁座としたことを特徴とする請求項21記載の内燃機関
    の補助空気制御装置。
  24. 【請求項24】 補助弁座と補助弁体との間に所定の間
    隙を設けたことを特徴とする請求項17〜23のいずれ
    か1項に記載の内燃機関の補助空気制御装置。
  25. 【請求項25】 回動式流量規制弁を電気式空気制御弁
    の下流側に設け、かつ回動式流量規制弁の規制弁座と回
    動弁体との間に第1の間隙を設け、補助弁座と補助弁体
    との間に上記第1の間隙よりも小さい第2の間隙を設け
    たことを特徴とする請求項1〜14、16〜23のいず
    れか1項に記載の内燃機関の補助空気制御装置。
JP6255117A 1994-10-20 1994-10-20 内燃機関の補助空気制御装置 Pending JPH08121292A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10010825B2 (en) 2003-02-11 2018-07-03 Donaldson Company, Inc. Air cleaner arrangements; serviceable filter elements; and, methods

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10010825B2 (en) 2003-02-11 2018-07-03 Donaldson Company, Inc. Air cleaner arrangements; serviceable filter elements; and, methods

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