JPH08117764A - 浄水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 台座２に対して、を内蔵したミネラル水カー
トリッジ４と、吸着材１８及び中空糸膜フィルター１９
とを備えた浄水カートリッジ５とを、着脱可能に設置
し、原水を浄水カートリッジ５を通して吐出する水通路
に、前記浄水カートリッジ５に先立って、前記ミネラル
水カートリッジ４に選択的に水を通す切替弁２４を設け
る。 【効果】 切替弁２４を切替えることにより、通常の浄
水とミネラル浄水とを選択的に得ることができ、水の用
途に応じて適切な浄水を使用することができる。また浄
水カートリッジ５に先立ってミネラル水カートリッジ４
を通すので、ミネラル水カートリッジ４に滞留した水に
バクテリアなどが繁殖しても、そのバクテリアなどを含
んだ水が吐出されることがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は家庭などにおいて、水道
水を浄化して飲用に適した水とするための浄水器に関す
るものであって、特に水を選択的にミネラル成分抽出材
に接触させて、ミネラル水の浄水を得ることのできる浄
水器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から家庭用の浄水器が広く使用され
ているが、それらは原水を活性炭などの吸着材に通して
水道水中のカルキなどを除去したり、さらにその水を中
空糸膜に通してバクテリアや浮游粒子を除去するもので
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで最近、より高
度の飲用水として、ミネラル水が好まれるようになって
おり、各種ミネラル分を含有するセラミックボールを水
に浸し、ミネラル水を作ることが行われている。

【０００４】而して水道水から直接ミネラル水を得るこ
とが求められているが、従来の浄水器では水道水のカル
キやバクテリアを除去して浄化する機能のみを有し、そ
の水にミネラル分を付加する機能はない。

【０００５】また一部では、浄水器中の吸着材にセラミ
ックボールを添加し、ミネラル水の浄水を得るようにし
たものも知られてはいるが、一般にミネラル水はそのま
ま飲用したりアルコール飲料の水割りなどの水としては
適しているものの、茶やコーヒーなどの水としては軟水
が好まれるため、常時ミネラル水のみを吐出するものは
必ずしも好ましいとは言えない。

【０００６】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、水道水をそのまま浄化した浄水と、その浄水に
ミネラル分を付加したミネラル浄水とを、選択的に吐出
させることのできる浄水器を提供することを目的とする
ものである。

【０００７】

【課題を解決する手段】而して本発明は、台座に対し
て、ミネラル成分抽出材を内蔵したミネラル水カートリ
ッジと、吸着材及び中空糸膜フィルターとを備えた浄水
カートリッジとを、着脱可能に設置し、原水を浄水カー
トリッジを通して吐出する水通路に、前記浄水カートリ
ッジに先立って、前記ミネラル水カートリッジに選択的
に水を通す切替弁を設けたことを特徴とするものであ
る。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に従って説明す
る。図面は本発明の一実施例を示すものであって、１は
本体であり、２は当該本体１における台座であり、３は
台座２の上部を覆う上部ケースである。

【０００９】また４はミネラル水カートリッジであり、
５は浄水カートリッジであって、それぞれ下端に突設さ
れた雄ねじ筒６，７が、前記台座２の上面に突設された
雌ねじ筒８，９に螺合することにより、着脱可能に設置
されている。

【００１０】ミネラル水カートリッジ４は、外筒１０と
内筒１１とよりなる二重筒であって、外筒１０の上部は
閉塞されており、内筒１１の内外はその上端部において
連通せしめられている。そして内筒１１内及び外筒１０
と内筒１１との間には、水中にカルシウム、マグネシウ
ムなどのミネラル分を溶出するミネラル成分抽出材とし
ての、セラミックボール１２が充填されている。

【００１１】セラミックボール１２は、天然鉱石などを
粉砕、混合した後、焼成したものであって、これを水に
浸すことによりカルシウム、マグネシウムなどのミネラ
ル分が水中に溶出し、水をこれらのミネラル分を含む硬
水として、美味にするものである。なお本発明における
ミネラル成分抽出材としては、セラミックボール１２に
限らず、ミネラル成分を溶出する性質を有する天然鉱石
を砕いたものをそのまま使用するなど、任意のものを使
用することができる。

【００１２】またミネラル水カートリッジ４の下部に
は、前記内筒１１内に通じる接続管１３が突設されてい
ると共に、前記雄ねじ筒６内と、内筒１１と外筒１０と
の間とを連通する通水孔１４が形成されている。

【００１３】而してこのミネラル水カートリッジ４にお
いては、前記開口１４から送入された水は、外筒１０と
内筒１１との間を上方に流れてセラミックボール１２間
を通り、内筒１１の上端部において内筒１１内に流入
し、内筒１１内のセラミックボール１２間を通って流下
し、セラミックボール１２と接触してそのセラミックボ
ール１２から溶出したミネラル分を含んだ水として、接
続管１３から排出されるようになっている。

【００１４】また浄水カートリッジ５は、上部が閉塞さ
れた筒状の外ケース１５内に、外周壁に多数の通水窓１
６を形成した筒状の内筒１７が設けられており、外ケー
ス１５と内筒１７との間には活性炭などの吸着材１８が
配置され、内筒１７内には中空糸膜フィルター１９が配
置されている。

【００１５】浄水カートリッジ５の下部には、前記内筒
１７内に連通する接続管２０が突設され、また雄ねじ筒
７内と、外ケース１５と内筒１７との間とを連通する通
水孔２１が穿設されている。

【００１６】而して通水孔２１から外ケース１５と内筒
１７との間に送入された水は、吸着材１８の外周から当
該吸着材１８内を通ってカルキなどが吸着され、さらに
通水窓１６から内筒１７内に入り、中空糸膜フィルター
１９における中空糸膜を透過してバクテリアや浮游粒子
が除去され、浄化された浄水として接続管２０から排出
されるようになっている。

【００１７】台座２内には通水管２２が設けられてお
り、当該通水管２２の一端は原水を供給する給水管２３
に接続されている。

【００１８】そして通水管２２の途中には切替弁２４が
設けられている。切替弁２４は筒状の弁ケース２５内に
回転弁体２６が嵌合されている。弁ケース２５の両側部
にはそれぞれ流入管２７及び流出管２８が形成されてお
り、通水管２２に接続されている。

【００１９】また弁ケース２５の上部には一対の分岐管
２９，３０が設けられており、一方の分岐管２９は台座
２の上面におけるミネラル水カートリッジ４を結合する
雌ねじ筒８内の中央部に突設された、ミネラル水カート
リッジ４の接続管１３に結合される接続筒３１に接続さ
れ、他方の分岐管３０は雌ねじ筒８と接続筒３１との間
の開口３２に接続されている。

【００２０】また回転弁体２６は断面円形の相対向する
二カ所に切欠き部３３を形成した、断面略分銅状をなし
ており、台座２の前面に設けられた切替えレバー５１に
より、回動操作されるようになっている。そして図３
（ａ）に示すように切欠き部３３が上下に位置している
ときには、流入管２７から下部の切欠き部３３を経由し
て流出管２８まで連通するようになっている。

【００２１】また回転弁体２６が回転して切欠き部３３
が図３（ｂ）に示すように左右に位置した状態において
は、流入管２７から一方の切欠き部３３を経由して一方
の分岐管３０を介して台座２の接続管１３に連通し、ま
た接続筒３１から他方の分岐管２９を介して他方の切欠
き部３３を経由し、流出管２８にまで連通するようにな
っている。

【００２２】また通水管２２の先端は台座２の上面にお
ける浄水カートリッジ５を結合する雌ねじ筒９内に形成
された開口３４に接続されている。また雌ねじ筒９内の
中央上面には浄水カートリッジ５の接続管２０に結合さ
れる接続筒３５が形成されており、当該接続筒３５の下
部には送出管３６が接続されている。そしてその送出管
３６は、台座２の前部中央部において台座２の上面を貫
通し、先端部３７が上方に突出せしめられている。

【００２３】３８は台座２上部の前部中央部に取付けら
れた吐出管取付部材であって、その上部下面には接続筒
３９が垂設され、当該接続筒３９と前記送出管３６の先
端部３７との間が連結管４０で連結されている。

【００２４】また吐出管取付部材３８の上面には、前記
接続筒３９に連通して雄ねじ管部４１が突設され、当該
雄ねじ管部４１が前記台座２の上部を覆った上部ケース
３の上面を貫通している。

【００２５】４２は吐出管であって、該吐出管４２は略
逆Ｕ字状に彎曲せしめられており、その先端には吐水ノ
ズル４３が設けられている。また吐出管４２の基端部に
は挿入部４４が形成され、当該挿入部４４の上部には周
方向に凹溝４５が形成され、当該凹溝４５にパッキン４
６が嵌合され、さらにその凹溝４５の上部には周方向に
環状リブ４７が突設されている。

【００２６】そしてその吐出管４２は締付け部材４８の
上部貫通孔４９に摺動自在且つ回転自在に挿通されてお
り、吐出管４２の挿入部４４を前記吐出管取付部材３８
の雄ねじ管部４１の内側に挿入し、締付け部材４８の下
端部の雌ねじ５０を雄ねじ管部４１に螺合して締付ける
ことにより、吐出管４２を吐出管取付部材３８に対して
回転自在に且つ、パッキン４６の作用で水密に取付ける
と共に、その締付け部材４８の下端縁で上部ケース３を
押圧することにより、当該上部ケース３を台座２に対し
て固定するようになっている。

【００２７】而して給水管２３から、通水管２２、浄水
カートリッジ５、送出管３６、連結管４０、吐出管４２
及び吐水ノズル４３により、連続した水通路が形成され
ており、当該水通路における前記通水管２２の途中に、
浄水カートリッジ５に先立って選択的に水をミネラル水
カートリッジ４に通す切替弁２４が設けられているので
ある。

【００２８】

【作用】而して本発明の作用を前記実施例に基いて説明
すると、先ず通常の浄水を得ようとする場合には、切替
えレバー５１を操作して図１及び図３（ａ）に示すよう
に、回転弁体２６の切欠き部３３を上下に位置せしめ
る。

【００２９】これによって給水管２３から供給される水
道水などの原水は、切替弁２４を流入管２７から下部の
切欠き部３３を経て流出管２８に流れ、その原水がミネ
ラル水カートリッジ４に流れることはない。

【００３０】流出管２８から原水のままで流出した水は
さらに通水管２２を通り、開口３４を経て浄水カートリ
ッジ５の通水孔２１から浄水カートリッジ５内の外周部
に入る。そして吸着材１８内を通ってカルキなどが除去
され、さらに通水窓１６から内筒１７内に入り、中空糸
膜フィルター１９によりバクテリアや浮游粒子などが除
去されて浄化され、浄水となって接続管２０に至る。そ
して接続管２０から流出した浄水は、送出管３６を経
て、さらに連結管４０及び吐出管４２を通って、吐水ノ
ズル４３から吐出される。

【００３１】而してこのようにして得られた水は、原水
を浄水カートリッジ５で浄化しただけであって、ミネラ
ル水カートリッジ４内のセラミックボール１２に接触し
ていないので、過度のミネラル分を含まない軟水の浄水
である。従ってこの浄水は、茶やコーヒーをいれるため
の水として適している。

【００３２】次にミネラル分を含んだミネラル浄水を得
ようとする場合には、切替えレバー５１を操作して図３
（ｂ）に示すように、回転弁体２６の切欠き部３３を左
右に位置せしめる。

【００３３】これによって給水管２３から供給される水
道水などの原水は、切替弁２４の流入管２７から図３
（ｂ）中左側の切欠き部３３を経て切替弁２４に入り、
同図中左側の分岐管３０に流れ、開口３２から通水孔１
４を通じて、一旦ミネラル水カートリッジ４内に供給さ
れる。

【００３４】そしてその原水は、ミネラル水カートリッ
ジ４の通水孔１４から外筒１０と内筒１１との間に入っ
て、そこにあるセラミックボール１２の間を通って上方
に進み、内筒１１の上端部において内筒１１内に入り、
さらにそこにあるセラミックボール１２の間を通って下
方に進み、接続管１３に至る。

【００３５】この間、原水がミネラル水カートリッジ４
内を上下に往復する間に多数のセラミックボール１２に
接触し、セラミックボール１２中のミネラル分が原水中
に溶出し、その原水はミネラル分を含んだミネラル原水
となる。

【００３６】次いでそのミネラル原水は、図３（ｂ）中
右側の分岐管２９から再度切替弁２４に入り、同図中右
側の切欠き部３３を経て流出管２８から流出する。

【００３７】流出管２８から流出したミネラル原水は、
さらに通水管２２を通って浄水カートリッジ５内に入
り、先に通常の浄水を得る場合に述べたと同様に処理さ
れて浄化される。

【００３８】またその浄化に際して、ミネラル原水中に
含まれるミネラル分は、吸着材１８に吸着されることは
なく、また中空糸膜フィルター１９における中空糸は壁
面に形成された４００Ａ（オングストローム）程度の細
孔によりバクテリアなどを除去するものであるが、ミネ
ラル原水中のミネラル分は５Ａ程度の大きさであるた
め、除去されることはない。

【００３９】従ってミネラル原水はミネラル分を含んだ
ままでカルキやバクテリアなどを除去されて浄化され、
接続管２０に至る。そして接続管２０から流出したミネ
ラル浄水は、送出管３６を経て、さらに連結管４０及び
吐出管４２を通って、吐水ノズル４３から吐出される。

【００４０】而してこのようにして得られた水は、原水
がミネラル水カートリッジ４においてミネラル分を添加
され、さらに浄水カートリッジ５で浄化したミネラル浄
水である。従ってこのミネラル浄水は、そのまま飲用し
たり、ウィスキーなどのアルコール飲料の水割りをつく
るための水として適している。

【００４１】

【発明の効果】而して本発明によれば、原水を浄化した
通常の浄水と、当該浄水にミネラル分を含ませたミネラ
ル浄水とを、選択的に得ることができ、水の用途に応じ
て好適な浄水を使用することができる。

【００４２】また本発明によれば、原水を浄水カートリ
ッジ５で浄化するに先立って、選択的にミネラル水カー
トリッジ４に通すので、ミネラル水カートリッジ４に通
される水は原水であり、カルキを含んでいる。

【００４３】従って不使用時にミネラル水カートリッジ
４内に滞留している水はカルキを含んでいるために、当
該水の中にバクテリアなどが繁殖したり腐敗したりする
ことが少なく、また多少のバクテリアなどが繁殖したと
してもその水は吐出されるまでの間に浄水カートリッジ
５で浄化され、バクテリアや臭気が除去されるので、通
常の浄水にしてもミネラル浄水にしても、常に浄水カー
トリッジ５で浄化された直後の浄水が吐出されることと
なり、衛生的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の浄水器の一実施例を示す中央縦断面
図

【図２】 図１におけるII−II断面図

【図３】 図１における切替弁の拡大図であって、
（ａ）は通常の浄水を得る場合、（ｂ）はミネラル浄水
を得る場合を示す。

【図４】 図２における吐出管取付部材と吐出管との取
付け部の拡大図

【符号の説明】

２ 台座 ４ ミネラル水カートリッジ ５ 浄水カートリッジ １２ ミネラル成分抽出材（セラミックボール） １８ 吸着材 １９ 中空糸膜フィルター ２４ 切替弁

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０２Ｆ 1/68 Ｄ 1/28 Ｒ 1/44 Ｂ 9538−4Ｄ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台座（２）に対して、ミネラル成分抽出
   材（１２）を内蔵したミネラル水カートリッジ（４）
   と、吸着材（１８）及び中空糸膜フィルター（１９）と
   を備えた浄水カートリッジ（５）とを、着脱可能に設置
   し、原水を浄水カートリッジ（５）を通して吐出する水
   通路に、前記浄水カートリッジ（５）に先立って、前記
   ミネラル水カートリッジ（４）に選択的に水を通す切替
   弁（２４）を設けたことを特徴とする、浄水器