JPH08115732A - 水素吸蔵合金容器 - Google Patents

水素吸蔵合金容器

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JPH08115732A
JPH08115732A JP6250437A JP25043794A JPH08115732A JP H08115732 A JPH08115732 A JP H08115732A JP 6250437 A JP6250437 A JP 6250437A JP 25043794 A JP25043794 A JP 25043794A JP H08115732 A JPH08115732 A JP H08115732A
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storage alloy
hydrogen storage
hydrogen
container
fuel cell
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JP6250437A
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Inventor
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Yumiko Nakamura
優美子 中村
Shin Fujitani
伸 藤谷
Ikuro Yonezu
育郎 米津
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料電池2等の水素をエネルギー源とするシ
ステムに用いられる、水素を吸蔵及び放出する合金を内
部に充填した水素吸蔵合金容器1に於て、低温起動時の
水素放出量の低下を防止する。 【構成】 水素吸蔵合金タンク11の一部に化学反応を利
用して発熱する発熱体5を配備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金タンク内
に収納された水素吸蔵合金の起動時に於ける水素放出を
促進するための水素吸蔵合金容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水素吸蔵合金容器(1)は、燃料電
池(2)にエネルギー源としての水素ガスを供給するため
に用いられている。燃料電池(2)は、燃料電池(2)内に
配備された2つの電極に夫々水素ガスと酸素ガスを供給
し、電解質中で触媒を使って反応させ、電気を得る発電
システムである。燃料電池(2)は、供給されるガスの
化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することが
出来るので、発電効率が約40%から約60%と非常に優れ
ており、起電力も数100W程度の小型のものから数100kW
の大型のものまで実用化されつつある。又、近年、燃料
電池(2)の小型化及び高容量化が望まれており、小型の
燃料電池(2)は、移動通信用、建築・土木工事用等の電
源として使用されている。図3及び図4に示す如く、燃
料電池(2)は、アルミニウムやジュラルミン等の軽金属
製の略直方体のケース(3)と、該ケース(3)を覆蓋する
軽金属製の蓋体(31)によって外部を包装されており、該
ケース(3)内には、燃料電池本体(4)と、水素吸蔵合金
(12)を収納した水素吸蔵タンク(11)を1本又は2本以上
具えた水素吸蔵合金容器(1)と、制御部(20)を配備して
いる。
【0003】蓋体(31)は、上方に向かって先細りしてい
る台形状の角錘体であって、該角錘体の蓋体(31)長軸方
向の斜面部の制御部(20)側には、空気吸入ダクト(32)が
開設されており、水素吸蔵合金容器(1)側には、排出ダ
クト(33)が開設されている。蓋体(31)は、ケース(3)と
の密閉性を高めるためにパッキンを配備している。又、
角錘体の上部には、燃料電池(2)の運転を制御するため
の操作パネル(34)と、燃料電池本体(4)で発電された電
力を外部に取り出すためのコネクター(35)を具えてい
る。
【0004】燃料電池本体(4)は、アルカリ型、リン酸
型、溶融炭酸塩型、固体電解質型等のタイプが知られて
いる。いずれの型の燃料電池(2)も、燃料電池本体(4)
内で、水素吸蔵合金容器(1)から放出された水素ガス
と、ファン(42)を通じて燃料電池本体(4)内に吸入され
た空気中に存在する酸素とを触媒を用いて反応させて電
気を発生させる。燃料電池本体(4)は、水素吸蔵合金容
器(1)の水素吸出口と管(41)によって接続されている。
又、該燃料電池本体(4)には、大気中の空気を吸入する
ためのファン(42)を配備しており、該ファン(42)から吸
入された空気によって、燃料電池本体(4)での反応が行
なわれ、又、余剰空気は、燃料電池本体(4)の冷却に用
いられる。更に、余剰空気及び反応に用いられた酸素ガ
スを除く空気を排出するための空気吐出口(43)が水素吸
蔵合金容器(1)に向かって開口するように開設されてい
る。燃料電池本体(4)で発電された電力は、通電線(44)
を通って、制御部(20)に送られる。
【0005】水素吸蔵合金容器(1)は、燃料電池(2)の
ケース(3)内に着脱可能に配備される。水素吸蔵合金容
器(1)内には、水素吸蔵合金タンク(11)を1本又は2本
以上併設している。水素吸蔵合金タンク(11)は、アルミ
ニウム製の円筒形の容器であって、一端に水素を吸入及
び放出するための開口(13)を有し、内部に水素を吸蔵及
び放出する合金を充填している。夫々の水素吸蔵合金タ
ンク(11)は、保持板(14)によって一定間隔となるように
固定されている。又、夫々の水素吸蔵合金タンク(11)の
開口(13)は、一端が水素吸蔵合金容器(1)から突出し、
他端が閉じている水素ガス吸出管(15)に接続されてい
る。該水素ガス吸出管(15)の水素吸蔵合金容器(1)から
の突出部分には、バルブ(16)が配備されており、該バル
ブ(16)を開放することによって、水素吸蔵合金タンク(1
1)内に吸蔵された水素が水素ガスとして、水素ガス吸出
管(15)から放出される。
【0006】制御部(20)は、燃料電池(2)の全ての制
御、例えば、発電された電力を一定電圧となるように制
御したり、ファン(42)の回転数を制御して燃料電池本体
(4)に供給される空気の量を調整する。制御部(20)は、
操作パネル(34)と接続されており、操作パネル(34)から
の命令により上記制御が行なわれる。又、制御部(20)
は、コネクター(35)に接続されており、燃料電池本体
(4)から送られた電力を一定電圧に制御し、通電線(45)
を介して、コネクター(35)から外部へ供給する。
【0007】上記燃料電池(2)の作動原理は、以下の通
りである。水素吸蔵合金容器(1)の水素ガス吸出管(15)
のバルブ(16)を開放し、水素ガスを燃料電池本体(4)に
供給する。水素ガスの供給により、燃料電池本体(4)内
に残留している空気と水素ガスが触媒によって反応し、
予備発電が開始される。この予備発電によって、ファン
(42)を駆動し、吸入ダクト(32)を通って燃料電池本体
(4)に新たな空気が供給され、本発電が開始される。予
備発電及び本発電により、燃料電池本体(4)内では、電
気、水及び熱が発生する。発生した電気は、燃料電池本
体(4)に接続された制御部(20)を通って、外部に供給さ
れる。ファン(42)から吸入された空気は、大部分が発電
用として用いられるが、余剰の空気は、燃料電池本体
(4)で発生した熱を吸収し、燃料電池本体(4)を冷却す
る。燃料電池内で加熱された空気は、空気排出口から排
出される。燃料電池(2)中の空気の流れを図4の矢印(2
1)(22)で示す。
【0008】一方、水素吸蔵合金(12)が水素ガスを放出
する反応は、吸熱反応であるため、水素吸蔵合金(12)が
水素ガスを放出すると、水素吸蔵合金(12)自体の温度が
低下する。図5に示す如く、水素吸蔵合金(12)自体の温
度が低下すると、水素ガスの放出量が低下、又は停止す
ることがある。従って、燃料電池(2)で加熱された高温
の空気を水素吸蔵合金タンク(11)間を通過させることに
より、水素吸蔵合金(12)の温度を一定(略25℃)に保って
いる。水素合金タンク(11)間を通過した空気は、蓋体(3
1)の排出ダクト(33)から外部に放出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図5は、水素吸蔵合金
(12)の水素吸収量と、ある温度に於ける水素の平衡圧力
(以下、「平衡水素圧力」)との関係を示す金属−水素系
の圧力−組成等温線図である(温度:T1>T2>T3>T
4)。水素吸蔵合金(12)は、大気圧下では、平衡水素圧力
が、水素放出可能な下限圧力(約0.1kgf/cm2から約1.0kg
f/cm2(使用する合金によって異なる))に達するまで水素
を放出する(温度T3の場合、水素放出量はC−A)。該
平衡水素圧力は、水素吸蔵合金(12)の水素吸収量と温度
によって大きく左右される。水素吸蔵合金(12)の水素吸
収量が同一の場合、水素吸蔵合金(12)の温度によって、
平衡水素圧力が異なる。即ち、水素吸蔵合金(12)の温度
が下がれば、平衡水素圧力も低下する。図5のプラトー
領域(平衡水素圧力が略一定となる部分)の平衡水素圧力
が水素放出可能な下限圧力(図5では0.1kgf/cm2として
いる)以下となると、水素吸蔵合金(12)の水素放出量は
急激に減少する(図5の温度T4の場合、水素放出量はD
−B)。
【0010】外気温が室温から40℃程度の条件下で常用
される燃料電池の場合、外気温が略5℃以下になると、
十分に水素吸蔵合金(12)に水素が吸蔵されていても、起
動時のプラトー領域の圧力が水素放出可能な下限圧力以
下となるので、水素を放出できるのは図5のD−B間だ
けとなる。更に、水素吸蔵合金(12)が水素ガスを放出す
る反応は吸熱反応であるため、水素吸蔵合金(12)の初期
の稼働温度が5℃以上であったとしても、水素ガスを放
出することによって、水素吸蔵合金(12)の温度は低下し
て、水素ガスの放出が停止することもある。
【0011】燃料電池(2)に十分に水素ガスが供給さ
れ、燃料電池(2)自体が反応熱によって加熱し始める
(安定稼働段階)と、この熱を利用して、水素吸蔵合金容
器(1)を加熱することができるが、燃料電池(2)起動時
には、燃料電池本体(4)が発熱していないので、該熱を
利用することが出来ない。更に、燃料電池本体(4)が十
分に加熱するまでには、数分から5分程度の時間を要す
る。従って、水素吸蔵合金(12)が略5℃以下に冷却され
ている場合、燃料電池本体(4)が発熱して、該熱によっ
て水素吸蔵合金容器(1)を加熱するまでに、水素吸蔵合
金容器(1)からの水素の放出が停止してしまい、燃料電
池(2)が途中で停止してしまうことがある。
【0012】燃料電池(2)は、本来、電気、ガス等の他
のエネルギーを供給しにくい場所での、エネルギーを供
給するための装置であるので、稼働初期段階に於て、水
素吸蔵合金容器(1)を加熱するために電気、ガス等のエ
ネルギー手段を利用する水素吸蔵合金容器(1)の加熱手
段を配備することは困難である。又、電気等を蓄電し、
発熱することも可能であるが、装置の規模が大きくな
る。更に、燃料電池(2)の安定稼働段階には、燃料電池
本体(4)の発熱を利用できるので、水素吸蔵合金容器
(1)を加熱するのは、水素吸蔵合金(12)が水素を放出可
能な状態となるまで、又は、稼働初期段階まででよい。
そこで、発明者は、金属の酸化、中和等の化学反応が発
熱反応である物体を発熱体(5)として水素吸蔵合金(12)
に取り付けることを着想し、本発明に至った。本発明の
目的は、燃料電池(2)等の水素をエネルギー源とするシ
ステムに用いられる、水素を吸蔵及び放出する合金を内
部に充填した水素吸蔵合金容器に於て、低温起動時の水
素放出量の低下を防止するための水素吸蔵合金容器を提
供することであって、特に携帯型の小型燃料電池の低温
時の起動を促進させるための水素吸蔵合金容器を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決する為の手段】上記課題を解決するため
に、本発明の水素吸蔵合金容器(1)に於ては、水素吸蔵
合金容器(1)内に1又は2以上具えられている水素吸蔵
合金タンク(11)の一部に化学反応を利用して発熱する発
熱体(5)を配備する。発熱する化学反応として、例え
ば、金属粉末の酸化反応、酸とアルカリによる中和反
応、酸化物に対する水の添加反応、無水塩に対する水の
添加反応等が挙げられる。尚、燃料電池本体(4)が稼働
安定段階に入ると、燃料電池本体(4)が加熱し、水素吸
蔵合金タンク(11)に熱を供給できるため、発熱反応は、
水素吸蔵合金が水素を放出可能となった段階、又は稼働
安定段階に入った時点で止るものであってもよいし、前
記いずれかの段階に入った時点で、強制的に反応を止め
てもよい。
【0014】
【作用】水素吸蔵合金タンク(11)の一部に取り付けられ
た発熱体(5)の内部に配備された物質、例えば、金属粉
末と空気を反応させ、酸化による酸化熱を発生させる。
又、酸性の溶液とアルカリ性の溶液を混合して中和熱を
発生させる。前記反応熱により、発熱体(5)が水素吸蔵
合金タンク(11)を加熱し、該水素吸蔵合金タンク(11)内
部に充填された水素吸蔵合金(12)が加熱される。
【0015】
【発明の効果】水素吸蔵合金タンク(11)内部に充填され
た水素吸蔵合金(12)が加熱されることにより、低温時に
水素吸蔵合金(12)が水素ガスを安定して放出することが
可能となる。該水素ガスを利用して、燃料電池本体(4)
が稼働し発電を開始する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面に沿って
詳述する。 <実施例1>図3に示す燃料電池(2)に、本発明の水素
吸蔵合金容器(1)を配備した。水素吸蔵合金容器(1)以
外の燃料電池(2)の構成要素であるケース(3)、蓋体(3
1)、制御部(20)については、上記従来技術で挙げた例と
同様の機能を有しており、燃料電池本体(4)については
リン酸型を用いた。尚、制御部(20)によって、燃料電池
本体(4)の起電力は12Vとなるように、制御されてい
る。図3及び図4に示す如く、水素吸蔵合金容器(1)
は、燃料電池(2)のケース(3)内に着脱可能に配備され
る。水素吸蔵合金容器(1)内には、5本の水素吸蔵合金
タンク(11)を併設している。水素吸蔵合金タンク(11)
は、アルミニウム製の円筒形の容器であって、一端に水
素を吸入及び放出するための開口(13)を有している。水
素吸蔵タンク(11)は、内径36mm、長さ135mmであって、
内部に水素吸蔵合金(12)である希土類−ニッケル系の合
金を夫々500gづつ、計2500g充填している。夫々の水
素吸蔵合金タンク(11)の開口(13)は、一端が水素吸蔵合
金容器(1)から突出し、他端が閉じている水素ガス吸出
管(15)に接続されている。該水素ガス吸出管(15)の水素
吸蔵合金容器(1)からの突出部分には、バルブ(16)が配
備されており、該バルブ(16)を開放することによって、
水素吸蔵合金タンク(11)内に吸蔵された水素が水素ガス
として、水素ガス吸出管(15)から放出される。
【0017】上記構成の水素吸蔵合金容器(1)に、360
リットルの水素を吸蔵させる。図1に示す如く、水素ガ
ス吸出管(15)に最も近い水素吸蔵合金タンク(11)(第1
タンク(18))の開口(13)とは逆側の端部(発熱体容器取付
面(17))に発熱体(5)を収納する発熱体容器A(51)を取
り付けた。発熱体容器A(51)は、第1タンク(18)と略同
一の直径を有するアルミニウム製の両端が閉じられた円
筒形容器であって、底面(53)を第1タンク(18)の発熱体
容器取付面(17)に両面テープで取り付けている。発熱体
容器A(51)の上面には、バルブ(55)を有する直径6mmの
空気取入口(56)を配備している。又、発熱体容器A(51)
は、内部に鉄粉と、水、活性炭、ケイ藻土、アクリル系
高分子の混合体(54)を発熱体(5)として50g収納してい
る。
【0018】発熱体(5)の発熱原理は、次の通りであ
る。発熱体容器A(51)のバルブ(55)を開放すると、空気
取入口(56)から、発熱体容器A(51)内に空気が侵入す
る。侵入した空気中に含まれる酸素と発熱体(5)の成分
が酸化反応を行ない、該反応によって酸化熱が発生す
る。該酸化熱が発熱体容器A(51)及び第1タンク(18)を
介して、水素吸蔵合金(12)に伝達され、水素吸蔵合金(1
2)が加熱される。
【0019】尚、バルブ(55)を閉じると、発熱体容器A
(51)内に新たな空気が侵入しないので、発熱体容器A(5
1)内の残留酸素と発熱体(5)の反応が終了すると、発熱
は停止する。従って、水素吸蔵合金(12)が略25℃まで昇
温し水素を放出し始めるか、燃料電池本体(4)が稼働安
定段階に入れば、バルブ(55)を閉じて、発熱体(5)の発
熱を停止し、再度燃料電池(2)を起動する時に用いるこ
とが出来る。
【0020】上記発熱体容器A(51)を具えた水素吸蔵合
金容器(1)を用いて、燃料電池(2)の低温時の起動特性
を調べた。試験方法として、外気温を−10℃から0℃ま
で5℃毎に変化させ、夫々について、燃料電池(2)が稼
働安定段階まで移行するか否かを調べた。尚、発熱体容
器A(51)のバルブ(55)を開放し、発熱体(5)が昇温し
て、水素吸蔵合金(12)を加熱するまでの間は、水素吸蔵
合金容器(1)のバルブ(16)は閉止した状態にしておき、
水素吸蔵合金(12)が発熱体(5)によって略25℃(外気温
によって多少異なる)まで加熱された後に発熱体容器A
(51)のバルブ(55)を閉止し、水素吸蔵合金容器(1)のバ
ルブ(16)を開放した。結果を表1に示す。又、表1に示
される燃料電池(2)が稼働安定段階に移行するのに必要
な時間は、図7に示す如く、発熱体(5)が水素吸蔵合金
(12)を昇温するのに要する時間(区間A)と、水素吸蔵合
金容器(1)のバルブ(16)が開放されて燃料電池(2)が稼
働を開始し稼働安定段階に移行するまでの時間(区間B)
の和である。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示す如く、−10℃から0℃の全ての
温度にて、燃料電池(2)は、稼働安定段階まで移行し
た。又、水素吸蔵合金容器(1)のバルブ(16)を開放した
後、稼働安定段階に移行するまでに要した時間は約5分
であった。
【0023】<実施例2>実施例1と同一の燃料電池
(2)及び発熱体容器A(51)を用い、発熱体容器A(51)に
収納する発熱体(5)を粒径略20μmのカルシウム粉を50
gとして、実施例1と同一の試験方法によって、−10℃
から0℃の外気温において、燃料電池(2)が稼働安定段
階に移行するか否かを調べた。カルシウム粉も、実施例
1の発熱体(5)成分と同様に、空気中の酸素と反応し
て、酸化熱を放出する。結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2に示す如く、−10℃から0℃の全ての
温度にて、燃料電池(2)は、稼働安定段階まで移行し
た。又、水素吸蔵合金容器(1)のバルブ(16)を開放した
後、稼働安定段階に移行するまでに要した時間は約5分
であった。
【0026】<実施例3>実施例1及び実施例2では、
発熱体容器A(51)を水素吸蔵合金タンク(11)の底部に取
り付けていたが、実施例3では、発熱体容器B(52)を第
1タンク(18)の外周を包囲するように配備して、比較し
た。発熱体容器B(52)は、図2に示す如く、内管(57)と
外管(58)から構成される二重管であって、内管(57)の内
径は、第1タンク(18)の外周に着脱可能に嵌まる大きさ
である。該二重管の両端の内管(57)と外管(58)との間に
は、空隙が設けられており、該空隙部分のみを密閉する
ように二重管の両端面は閉じられている。外管(58)の外
周の一部にバルブ(55)を有する直径6mmの空気取入口(5
6)を配備している。又、内管(57)と外管(58)との間の空
隙には、実施例1と同様、鉄粉と、水、活性炭、ケイ藻
土、アクリル系高分子の混合体(54)を発熱体(5)として
50g収納している。実施例1と同一の試験方法によっ
て、−10℃から0℃の外気温において、燃料電池(2)が
稼働安定段階に移行するか否かを調べた。結果を表3に
示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示す如く、−10℃から0℃の全ての
温度にて、燃料電池(2)は、稼働安定段階まで移行し
た。又、実施例1の発熱体容器A(51)と比較して、実施
例3の発熱体容器B(52)では、発熱体容器のバルブ(55)
を開放してから稼働安定段階に移行するまでに要する時
間(図7の区間A+区間B)が約2分短縮された。これ
は、発熱体容器A(51)と発熱体容器B(52)の、水素吸蔵
合金タンク(11)との接触面積の違いによるものである。
即ち、発熱体容器B(52)の方が、水素吸蔵合金タンク(1
1)に接触する面積が広く、水素吸蔵合金タンク(11)内の
水素吸蔵合金(12)を早く昇温させることが出来るためで
ある。
【0029】<比較例>発熱体(5)の効果を調べるため
に、上記実施例と同様の燃料電池(2)と水素吸蔵合金容
器(1)を用い、発熱体(5)を使用せずに、燃料電池(2)
が稼働安定段階に移行するか否かを−10℃から5℃の外
気温について、5℃毎に調べた。結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】表4に示すように、発熱体(5)を用いず
に、水素吸蔵合金容器(1)から、水素を燃料電池本体
(4)に供給した場合、外気温が5℃であれば、燃料電池
(2)は、稼働安定段階に移行したが、5℃以下の場合
は、いずれも稼働安定段階に移行するまでに水素の供給
が停止し、燃料電池(2)の稼働も停止することがわか
る。
【0032】実施例1、実施例2、実施例3及び比較例
の結果から、外気温が0℃以下になると、水素吸蔵合金
容器(1)に収納された水素吸蔵合金(12)から水素を放出
するためには、水素吸蔵合金(12)を加熱しなければなら
ないことが解る。即ち、図6の実線Lに示す如く、略5
℃で、稼働初期段階に於て、L1の状態にあった等温線
図が、発熱体(5)による加熱によって、L2の状態に移
行することにより、水素放出量が増加しているのであ
る。稼働安定状態にはいると、燃料電池本体(4)からの
放熱により、等温線図は、L3の状態に移行する。尚、
上記3つの実施例では、−10℃よりも低温での稼働状態
は確認していないが、発熱体(5)の量を調節することに
よって、更に低温での燃料電池(2)の起動が可能とな
る。
【0033】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【0034】例えば、燃料電池(2)の形式は、リン酸型
に限定されず、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体電解質
型等を用いることも出来る。又、本発明の水素吸蔵合金
容器(1)は、燃料電池(2)に限らず、水素ガスをエネル
ギーとして利用するものであれば、水素自動車等にも用
いることが出来る。水素吸蔵合金タンク(11)は、本数に
限定されず、形状も円筒形でなくてもよい。更に、本発
明の目的は、化学反応を用いて水素吸蔵合金(12)の昇温
を図ることであるので、化学反応は、酸化に限定され
ず、中和等種々の方法があることは、明白である。又、
燃料電池本体(4)を稼働安定段階に移行させるために必
要な水素ガスを水素吸蔵合金(12)が放出する分だけ昇温
すればよいので、加熱される水素吸蔵合金(12)は水素吸
蔵合金容器(1)に収納される水素吸蔵合金(12)の一部で
よい。発熱体(5)の成分、発熱体(5)の取り付け位置、
発熱体容器の形状、発熱体容器の取り付け方法等は、上
記実施例に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発熱体容器Aを取付けた水素吸蔵合金容器の断
面図である。
【図2】発熱体容器Bを取付けた水素吸蔵合金容器の断
面図である。
【図3】燃料電池の一部を断面した斜視図である。
【図4】図3の燃料電池をX−X線に沿って断面し、矢
印方向に視た断面図である。
【図5】水素吸蔵合金の金属−水素系の圧力−組成等温
線図である。
【図6】水素吸蔵合金を発熱体によって加熱した場合の
水素吸蔵合金の金属−水素系の圧力−組成等温線図であ
る。
【図7】燃料電池が稼働安定状態に移行するのに要する
時間を分類した図である。
【符号の説明】
(1) 水素吸蔵合金容器 (11) 水素吸蔵合金タンク (12) 水素吸蔵合金 (2) 燃料電池 (4) 燃料電池本体 (5) 発熱体 (51) 発熱体容器A
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金タンク内
に吸収された水素吸蔵合金の水素放出開始時における
素放出を促進するための水素吸蔵合金容器に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸蔵及び放出する合金を充填する
    水素吸蔵合金タンク(11)を1又は2以上具える水素吸蔵
    合金容器に於て、該水素吸蔵合金タンク(11)の一部に化
    学反応により発熱する発熱体(5)を配備することを特徴
    とする水素吸蔵合金容器。
JP6250437A 1994-10-17 1994-10-17 水素吸蔵合金容器 Pending JPH08115732A (ja)

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