JP2004158229A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸素供給の場合に燃料電池本体10で使用後の余剰酸素を循環させる酸素循環ライン30とこの酸素循環ライン30へ窒素供給源5から窒素を供給するラインと、空気供給の場合に燃料電池本体10で使用後の空気を外部へ放出する空気放出口15と、水素供給源1から燃料電池本体10へ水素を供給し使用後の余剰水素を循環させる水素循環ライン20とを設け、酸素循環ライン30には、燃料電池本体10へ供給される酸素の濃度を空気と同等にする酸素濃度センサー2を介設している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水上や大気中などの空気(自然界に酸素)が存在する場所と水中や宇宙空間などの空気(自然界に酸素)が存在しない場所(閉鎖環境)との両方において使用される燃料電池システムに関し、たとえば水中ビークルや無人水中移動体に搭載するのに好適な、大気・閉鎖環境両用型の燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は周知のように、水の電気分解とは逆の反応で発電させるもので、酸素と水素を反応させて水を生成する際に電気が発生するという原理を利用している。
【0003】
燃料電池の酸素極に酸化剤である酸素を供給する場合、▲1▼大気中で使用される燃料電池では、大気中の空気を取り入れ、空気に含まれている酸素を使用するシステムと、▲2▼水中や宇宙空間など自然界に酸素の存在しない閉鎖環境で使用される燃料電池で、純酸素(酸素を100%)を直接供給して使用するシステムとの、2種類がある。これらのシステムのうち、前者の▲1▼はビルや病院に設置する定置型のほか移動型ではたとえば自動車用として用いられ、後者の▲2▼は移動型で宇宙空間用機器や水中ビークルに用いられている。
【0004】
そして、前者▲1▼について、燃料電池本体の酸素極へその出口側に吸引ブロワーを接続して大気中の空気を取り入れる構造が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
後者の▲2▼の場合、固体高分子型燃料電池(正確には、固体高分子電解質型燃料電池;PEFC)システムにおいて、水素供給源として水素ボンベを使用して燃料電池本体の水素極へ水素を供給するとともに、酸素供給源にも酸素ボンベを使用して純酸素を燃料電池本体の酸素極へ供給するようにした構造が提案されている(たとえば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2001−185181号公報(段落番号0010、図1)
【特許文献2】
特開平8−153534号公報(段落番号0006、0018、図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来から提案されている上述の各燃料電池システムは、大気中又は閉鎖環境のいずれか一方でのみ使用する場合のものであるが、大気中および閉鎖環境の両方で使用しようとする場合、酸素をボンベ等の貯蔵容器に貯蔵し、その貯蔵容器を搭載して貯蔵容器内の酸素を閉鎖環境だけでなく大気中でも使用するシステムが考えられる。
【0008】
一方、上記のようなシステムにすると、水素だけでなく酸素も貯蔵容器等に貯蔵して使用することになるため、大型の貯蔵容器が必要になり、これらの貯蔵容器を搭載する広いスペースを確保しなければならず、燃料電池システムを搭載する水中ビークルなどの機器の小型化を図るうえで問題がある。そこで、こうした問題を解決するため、大気中では外部から空気を取り入れて空気中の酸素を使用でき、かつ閉鎖環境ではボンベ等に貯蔵した酸素を使用できるように、空気および純酸素をそれぞれ供給源(一方は大気)を切り替えて使用することにより、貯蔵すべき酸素の量を最小限に削減するシステムが考えられる。
【0009】
しかしながら、空気を使用するときと純酸素を使用するときでは酸素濃度が大きく相違するから、空気使用を基本とする燃料電池に純酸素を使用したり、あるいは純酸素使用を基本とする燃料電池に空気を使用したりすると、燃料電池の発電特性、熱バランス、流量バランス等が大きく変化して制御が困難になるため、安定した発電が可能なシステムは構築できない。
【0010】
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、大気中および閉鎖環境での両用が可能で、ボンベ等に貯蔵して使用する酸素量を最小限に抑えることができ、しかも酸素使用の場合にも空気使用を基本とする燃料電池の発電特性、熱バランス、流量特性等を持たせることによって制御を容易かつ簡便にし、安定した発電による電力供給を実現する燃料電池システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明にかかる燃料電池システムは、a)酸素供給源および不活性ガス供給源と外部空気取り入れ口と水素供給源と燃料電池本体とを備えた燃料電池システムであって、b)前記酸素供給源から前記燃料電池本体へ酸素供給ラインにて酸素を供給するか又は前記外部空気取り入れ口から前記燃料電池本体へ空気供給ラインにて空気を供給するかを選択する切替手段と、前記酸素供給の場合に前記燃料電池本体で使用後の余剰酸素を循環させる酸素循環ラインとこの酸素循環ラインへ前記不活性ガス供給源から不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、前記空気供給の場合に前記燃料電池本体で使用後の空気を外部へ放出する空気放出口と、前記水素供給源から前記燃料電池本体へ水素供給ラインにて水素を供給し燃料電池本体で使用後の余剰水素を循環させる水素循環ラインとをそれぞれ設け、c)前記酸素循環ラインには、前記不活性ガスを導入して前記燃料電池本体へ供給される酸素濃度を空気と同等にする酸素濃度調整手段を介設したことを特徴としている。
【0012】
上記の構成を有する本発明の燃料電池システムによれば、水上等の大気中では酸素源として大気中の空気を取り入れて空気中の酸素を使用する一方、水中等の閉鎖環境では酸素ボンベ等に充填した純酸素を使用するので、純酸素の使用量を抑えることができ、ボンベやタンクの容量を小さくでき小型化が図られるので、設置スペースを小さくできる。しかも、純酸素使用時には、不活性ガスを酸素循環ラインに導入して純酸素に混合し、酸素濃度を空気と同等にして水素と反応させるので、発電特性や熱バランスや流量バランスなどを空気を基本とした燃料電池で使用できるから、水上等で外部の空気を取り入れて空気中の酸素を酸素源として使用する場合にも燃料電池の発電特性、熱バランス等が変化せずそのまま使用でき、安定した発電が得られ、制御も容易になって簡便である。また、酸素濃度を空気と同等にするため酸素循環ラインに導入する不活性ガスは、消費されないので循環させることができるから、ガス容量は僅かで済み、不活性ガスを充填するボンベ等の容器を小容量にして小型化でき、設置(搭載)スペースをほとんど要しない。
【0013】
請求項2に記載の燃料電池システムは、d)前記酸素濃度調整手段が、酸素濃度センサーおよび圧力計のほか、前記酸素供給ラインに介設される酸素供給量制御バルブと前記不活性ガス供給ラインに介設される不活性ガス供給量制御バルブとを含むことを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の燃料電池システムによれば、酸素循環ライン内の酸素に不活性ガスが酸素濃度センサーにて酸素濃度が大気と同等の約20%になるように供給量が制御されて導入・混合されるとともに、圧力計にて酸素循環ラインの内圧は大気圧あるいは大気圧よりやや低く調整される。このため、燃料電池本体へは空気と共通の酸素濃度に保たれた酸素含有ガスが供給される。
【0015】
請求項3に記載の燃料電池システムは、e)前記燃料電池システムの燃料電池が固体高分子型燃料電池(固体高分子電解質型燃料電池;PEFC)であり、前記酸素循環ラインに水凝縮器を介設して前記燃料電池システムの燃料電池本体から発生する水を回収するようにしたことを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の燃料電池システムによれば、燃料電池本体の酸素極側、つまり酸素循環ラインに発電反応により水滴および水蒸気が発生するので、これらは水凝縮器で凝縮することにより回収できる。
【0017】
請求項4に記載の燃料電池システムは、f)前記燃料電池システムの燃料電池が固体酸化物型燃料電池(SOFC)であり、前記水素循環ラインにバイパスを併設した水凝縮器を介設して前記燃料電池システムの燃料電池本体から発生する水を回収するようにしたことを特徴としている。
【0018】
請求項4記載の燃料電池システムによれば、燃料電池本体の水素極側、つまり水素循環ラインに発電反応により高温の水蒸気が発生するので、水凝縮器で凝縮することにより普通の水にして回収できる。また、大気中で使用する場合は、発生した水蒸気をバイパスにて水凝縮器を通さずに大気中へ放出することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる燃料電池システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明の燃料電池システムの実施形態を示す概念図、図2は図1の燃料電池システムを搭載した水中ビークルを示す概念図である。
【0021】
図1・図2に示すように、燃料電池本体10を中心に、その水素極10aへ水素供給源1から水素供給ライン21を設けるとともに、その酸素極10bへ酸素供給源3・4から酸素供給ライン31を設ける。水素供給源1には本実施形態では水素ボンベを使用し、水素極10aの出口側から水素用ブロワー9を直列に介設した循環ライン22を水素供給ライン21に接続することにより閉鎖系の水素循環ライン20を構成し、この水素循環ライン20に圧力計17を装着する。上記の燃料電池本体10には固体高分子電解質型が使用され、発電特性、熱バランスおよび流量バランスなどは、空気使用時用に調整されている。
【0022】
一方、酸素供給源には、水上において大気中の空気を利用するために空気取り入れ口3を図2の水中ビークル50に配設し、また水中において純酸素を利用するため酸素供給源に酸素ボンベ4を水中ビークル50内に搭載して使用し、酸素供給ライン31の一端を三本に分岐してその一本31aを、空気取り入れ切替バルブ6としての電磁開閉バルブを介在させて空気取り入れ口3に接続する。酸素供給ライン31の分岐した他の一本31bを、酸素供給バルブ7としての電磁開閉バルブを介在させて酸素ボンベ4に接続する。さらに不活性ガス供給源として、本実施形態では小容量の窒素ボンベ5を水中ビークル50内に搭載して使用し、酸素供給ライン31の残りの一本31cを、不活性ガス供給バルブ8としての電磁開閉バルブを介在させて窒素ボンベ5に接続する。
【0023】
酸素供給ライン31には、空気・酸素用ブロワー11を直列に介設するとともに、酸素濃度を測定する酸素濃度センサー2を装着する。また、酸素極10bの出口側から水凝縮器13および酸素循環切替バルブ12としての電磁開閉バルブをこの順に直列に介設した循環ライン32を酸素供給ライン31に接続することにより閉鎖系の酸素循環ライン30を構成する。酸素循環ライン30には、圧力計16を装着する。酸素循環ライン30の水凝縮器13の下流側に、空気放出切替バルブ14としての電磁開閉バルブを介在させ、水中ビークル50(図2)に配設した空気放出口15に接続する。
【0024】
そして、上記の酸素循環ライン30において酸素循環切替バルブ12を酸素供給(量制御)バルブ7および不活性ガス供給(量制御)バルブ8とともに閉鎖し、空気取り入れ切替バルブ6および空気放出切替バルブ14をそれぞれ開放することにより、図3に太線で示すように酸素供給源として大気中の空気、すなわち空気取り入れ口3を使用するラインが構成される。
【0025】
また、上記と逆に酸素循環ライン30において酸素循環切替バルブ12を酸素供給バルブ7および不活性ガス供給バルブ8とともに開放し、空気取り入れ切替バルブ6および空気放出切替バルブ14をそれぞれ閉鎖することにより、図4に太線で示すように酸素供給源として酸素ボンベ4の純酸素を使用するラインが構成される。
【0026】
さて、上記した本実施形態にかかる燃料電池システムを図2の水中ビークル50に搭載している。この水中ビークル50では、水素ボンベ1に代えて液体水素タンク1’を使用し、また酸素ボンベ4に代えて液体酸素タンク4’を使用している。不活性ガス(本実施形態では窒素ガス)については、消費がないために小容量で済むことから、窒素ガスを充填した小型の窒素ボンベ5を使用している。
【0027】
以上のように構成された水中ビークル50に搭載の燃料電池システムについて使用態様を説明する。
【0028】
まず、初期状態では図1において全てのバルブ6・7・8・12・14が閉鎖されている。水上では、酸素源として大気中の空気を用いるので、上記の図3に示す状態に全てのバルブの開閉動作が制御され、バルブ6・14が開放され、バルブ7・8・12が閉鎖される。こうして、液体水素タンク1’から水素が水素供給ライン21を経て燃料電池本体10の水素極10aへ供給され、一部消費されて水素循環ライン20内を循環する。消費分に相当する水素が液体水素タンク1’から補給され、常に所定量(酸素との発電反応に必要な量よりやや多い量)の水素が圧力計17で検出された圧力値に基づいて制御されつつ、水素用ブロワー9にて水素極10aへ供給される。
【0029】
一方、酸素極10bへは空気取り入れ口3から取り入れられる空気が空気・酸素用ブロワー11にて供給され、水素極10aからの水素と反応して発電される。この発電反応(下記の反応式を参照)によって水滴および水蒸気が酸素極10b側で発生するが、この水滴および水蒸気は水凝縮器13にて凝縮され、普通の水になって回収される。また上記の発電反応によって酸素が消費された空気は、空気放出口15から大気中へ放出される(図3参照)。
【0030】
【式1】
【0031】
続いて、水中ビークル50が水中に潜ると、この状態が水上・水中検知手段(図示せず)にて検知され、モード切替手段(図示せず)にて閉鎖環境発電モードに切り替わって上記の図4に示す全てのバルブの開閉動作が制御される。つまり、バルブ6・14が閉鎖され、バルブ12が開放され、この状態で空気・酸素用ブロワー11が運転されることにより酸素循環ライン30内をガスが循環する。この酸素循環ライン30内の酸素濃度が酸素濃度センサー2および圧力計16にて監視され、バルブ7・8がそれぞれ開閉制御されることによって液体酸素貯蔵タンク4から補給され酸素極10bへ供給される酸素の濃度が、窒素ボンベから酸素循環ライン30内へ一定量供給されて循環する窒素と混合されて空気と同等になる。したがって、酸素供給源に空気を使用する発電特性等を持たせた燃料電池本体10にて安定した発電が行われる。
【0032】
なお、水中でも水凝縮器13にて水が回収されるが、この回収した水は水中ビークル50の水中での総重量が変化して浮力が変化するのを抑制するため、水中ビークル50内の回収タンク(図示せず)に貯留しておく。
【0033】
図5は上記した閉鎖環境発電モードの準備段階におけるフローチャートで、同図に示すように、閉鎖環境発電モードに切り替わって準備が開始されると、
▲1▼空気取り入れ切替バルブ6が閉鎖され・空気放出切替バルブ14が開放され・酸素循環切替バルブ12が開放され・空気・酸素用ブロワー11が運転開始状態になる(Step1)。
【0034】
▲2▼不活性ガス供給バルブ8が開放され(Step2)、酸素循環ライン30に不活性ガス(窒素)の供給が開始される。そして、酸素循環ライン30内の酸素濃度が0%か否かが酸素濃度センサー2により検出され(Step2’)、酸素濃度が0%になるまで不活性ガスが供給される。
【0035】
▲3▼酸素循環ライン30内の酸素濃度が0%になると、不活性ガス供給バルブ8が閉鎖される(Step3)。
【0036】
▲4▼酸素循環ライン30内の圧力が大気圧以下になっているか否かが、圧力計16にて検出される(Step4’)。大気圧以下になるまで、空気放出切替バルブ14が開放状態に保持される(Step4)。
【0037】
▲5▼酸素循環ライン30内の圧力が大気圧以下になると、空気放出切替バルブ14が閉鎖される(Step5)。
【0038】
▲6▼酸素循環ライン30内の酸素濃度が20%か否か酸素濃度センサー2により検出され(Step6’)、酸素濃度が20%以下であると、酸素供給バルブ7が開放される(Step6)。
【0039】
そして、Step4’へ戻り、Step4’〜Step6’の各動作が順に繰り返される。
【0040】
▲7▼酸素循環ライン30内の酸素濃度が20%になると、酸素供給バルブ7が閉鎖される(Step7)。
【0041】
▲8▼以上のようにして酸素循環ライン30内の圧力が大気圧以下で、かつ酸素濃度が20%になり、準備段階が完了する(Step8)。
【0042】
こうして、酸素極10bへは酸素濃度が空気と同じ状態の酸素含有ガスが供給されることになる。酸素極10bへ供給された酸素含有ガスは、水素極10aに供給された水素と反応して消費される。したがって、その消費分に相当する酸素を液体酸素タンク4’から補給する必要があり、上記のStep4〜Step7とほぼ同様の下記動作が繰り返し行われることによって、酸素循環ライン30内を循環し酸素極10bへ供給される酸素含有ガスは、常に酸素分圧および酸素濃度が空気と同じ状態に維持される。一方、不活性ガスは消費されず酸素循環ライン30内を循環するだけであるから、空気放出口15から放出されない限り補給の必要がない。
【0043】
つまり、準備段階が完了した状態では、Step4・Step5で開閉されていた不活性ガス供給バルブ8は閉鎖状態に維持されるとともに、同様に開閉されていた空気放出切替バルブ14も閉鎖状態に維持される。この間、酸素供給バルブ7だけが開閉され、液体酸素タンク4’から酸素が所定量ずつ補給される。言い換えれば酸素が発電反応に消費されると、酸素循環ライン30内の主に酸素濃度が低下するので、酸素濃度センサー2および圧力計16で監視し、消費分に相当する酸素を酸素供給バルブ7の開閉を自動的に制御しながら補給すればよい。
【0044】
上記に水中ビークル50に搭載する燃料電池システムの一実施形態を説明したが、本発明は以下のように実施することもできる。
【0045】
1.固体分子型燃料電池に代えて固体酸化物型燃料電池を使用することができる。この場合、発電によって発生する水は水素極10a側に生じるので、凝縮して回収する水凝縮器13は水素循環ライン20に介設する。なお、回収した水は後述する改質ガスの改質反応等にも使用できる。また、水上等の大気中で使用する場合、固体酸化物型燃料電池では水が高温の水蒸気として水素循環ライン20に排出されるので、バイパス(図示せず)を水凝縮器13に併設しておけば、水凝縮器13を介さず直接大気中へ放出することができる。
【0046】
2.水素供給源には、水素ボンベおよび液体水素タンクの他、改質ガス(メタノール、炭化水素系燃料などから分離した水素)、水素吸蔵合金、ケミカルハイドライト等、どのような方式の水素を用いてもよい。ただし、改質ガスのように水素以外のガス(CO2など)を発生するものについては、その発生ガスを分離して大気中又は水中に放出する手段を設ける必要がある。なお、図6は水素供給源1にメタノールを用いる場合の水素極10a側のシステムを示す概念図で、同図に示すように、メタノール1を改質器18にて水素を発生させ、このとき生じるCO2およびH2Oとともに水素極10aへ供給し、不要なCO2やH2Oは放出口19から大気中へ放出するようにしている。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の燃料電池システムには、次のような優れた効果がある。
【0048】
水上や陸上等の大気中および水中や宇宙空間等の閉鎖環境での両方での使用が可能で、ボンベや密閉容器等に貯蔵して使用する酸素量を最小限に抑えることができるので水中移動体などに搭載する場合に設置スペースを比較的小さくでき、小型化の妨げになりにくい。しかも、酸素使用の場合にも空気使用を基本とする燃料電池の発電特性、熱バランス、流量特性等を持たせることができ、空気使用の場合と発電反応の制御を変更する必要がないので、制御が容易で簡便になり、安定した発電が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムの実施形態を示す概念図である。
【図2】図1の燃料電池システムを搭載した水中ビークルを示す概念図である。
【図3】図1の燃料電池システムにおいて、大気中の空気を取り入れて空気に含有されている酸素を使用し、酸素消費後の空気を放出するシステムを太い実線で表した概念図で、大気中での使用状態を示すものである。
【図4】図1の燃料電池システムにおいて、酸素ボンベ等に充填した純酸素を使用するシステムを太い実線で表した概念図で、水中等の閉鎖環境での使用状態を示すものである。
【図5】閉鎖環境発電モードの準備段階における各動作を順に示すフローチャートである。
【図6】水素供給源にメタノールを用いる場合の水素極側のシステムを示す概念図である。
【符号の説明】
1 水素供給源
2 酸素濃度センサー
3 空気取り入れ口(酸素供給源)
4 酸素ボンベ(酸素供給源)
5 窒素ガスボンベ(不活性ガス供給源)
6 空気取り入れ切替バルブ
7 酸素供給(量制御)バルブ
8 不活性ガス供給(量制御)バルブ
9 水素用ブロワー
10 燃料電池本体
10a水素極
10b酸素極
11 空気・酸素用ブロワー
12 酸素循環切替バルブ
13 水凝縮器
14 空気放出切替バルブ
15 空気放出口
16・17 圧力計
20 水素循環ライン
21 水素供給ライン
22・32 循環ライン
31 酸素供給ライン
50 水中ビークル
Claims (4)
- 酸素供給源および不活性ガス供給源と外部空気取り入れ口と水素供給源と燃料電池本体とを備えた燃料電池システムであって、
前記酸素供給源から前記燃料電池本体へ酸素供給ラインにて酸素を供給するか又は前記外部空気取り入れ口から前記燃料電池本体へ空気供給ラインにて空気を供給するかを選択する切替手段と、前記酸素供給の場合に前記燃料電池本体で使用後の余剰酸素を循環させる酸素循環ラインとこの酸素循環ラインへ前記不活性ガス供給源から不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、前記空気供給の場合に前記燃料電池本体で使用後の空気を外部へ放出する空気放出口と、前記水素供給源から前記燃料電池本体へ水素供給ラインにて水素を供給し燃料電池本体で使用後の余剰水素を循環させる水素循環ラインとをそれぞれ設け、
前記酸素循環ラインには、前記不活性ガスを導入して前記燃料電池本体へ供給される酸素分圧を空気と同等にする酸素濃度調整手段を介設したこと
を特徴とする燃料電池システム。 - 前記酸素濃度調整手段が、酸素濃度センサーおよび圧力計のほか、前記酸素供給ラインに介設される酸素供給量制御バルブと前記不活性ガス供給ラインに介設される不活性ガス供給量制御バルブとを含むこと
を特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムの燃料電池が固体高分子型燃料電池であり、前記酸素循環ラインに水凝縮器を介設して前記燃料電池システムの燃料電池本体から発生する水を回収するようにしたこと
を特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムの燃料電池が固体酸化物型燃料電池であり、前記水素循環ラインに水凝縮器を介設して前記燃料電池システムの燃料電池本体から発生する水を回収するようにしたこと
を特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
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2002
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